JP2012190716A - 組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の二次電池の充電時や放電時における放熱を従来技術に比べて効率良く行うことができる組電池を提供する。
【解決手段】組電池10は、柱状であり側面12が負極を形成する複数の二次電池11と、二次電池11が挿入される通孔22bを有し、二次電池11の側面12と電気的に接触可能な導電材製のフィン22とを備え、フィン22は二次電池11の負極端子を形成する。フィン22は複数枚でありフィン22を連結する導電材製の連結体23を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、組電池に関する。
近年、二次電池の大電流充電・放電及び大容量化が要求されるようになり、ニッケル水素電池を始めとする高エネルギー密度二次電池の開発が活発に行われている。しかし、大電流での充・放電は電池内部の大きな発熱を伴い、また限られたスペースに多数の電池を収納することから電池温度が上昇し、電池性能の劣化を促進してしまうという問題がある。
このような問題を解決するため、電池内部の発熱の効率良い放熱効果を持つ組電池が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、図6(a)に示すように、複数の電池51が、複数枚の金属製のフィン52が平行に配置されるとともにバー53で連結されたフィンブロック54に所定間隔をおいて取り付けられた組電池が提案されている。電池51は、一端に設けられた正極端子51a及び負極端子51bの部分を除き内部との絶縁性を持たせている。図6(b)に示すように、フィン52には貫通穴52aとフィン52の面方向に垂直に立ち上がるフランジ部52bより構成される取付部52cが複数形成され、電池51は各取付部52cに嵌合することでフィンブロック54の所定位置に固定保持されている。電池51で発生した熱は取付部52cを通してフィン52に伝導され、外部空気との間で熱交換を行うことにより電池51が冷却される。
特開2000−21456号公報
ところが、特許文献1の組電池では、フィン52は電池51の電気絶縁性の材質で形成されたケース(カバー)の部分と接触する構成であり、電池51の熱が必ずしもフィン52に効率良く伝導しない。そのため、大容量の二次電池や急速充電あるいは急速放電の場合、放熱が不十分になる。また、電気絶縁性のケースを電池51の電極端子として用いることができない。
本発明は前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は複数の二次電池の充電時や放電時における放熱を従来技術に比べて効率良く行うことができる組電池を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、柱状であり側面が負極を形成する複数の二次電池と、前記二次電池が挿入される通孔を有し、前記二次電池の側面と電気的に接触可能な導電材製のフィンとを備え、前記フィンは前記二次電池の負極端子を形成する。
柱状であり側面が負極を形成する二次電池は、側面の負極が露出した状態で他の二次電池等と電気的に接触するのを防止するため、側面は絶縁材で被覆されている。しかし、この発明の組電池は、各二次電池(単電池)として負極を形成する側面が絶縁材で被覆されていない二次電池が使用される。また、導電材製のフィンは二次電池の側面と電気的に接触可能である。電気的に接触可能とは、二次電池の側面が絶縁材で被覆されておらず、導電性のフィンと接触することで、二次電池の側面とフィンとの間に通電可能であることを指す。そして、組電池は放熱機能を有する導電材製のフィンが負極端子を兼ねる。そのため、組電池を使用する場合、各二次電池で発生した熱は、負極である側面に直接接触しているフィンを介して効率良く放熱される。また、負極に向かって流れる電流はフィンを流れ、単位断面積当たりに流れる電流が小さくなって、電流が流れる際の電気抵抗による熱が発生し難くなる。したがって、複数の二次電池の充電時や放電時における放熱を従来技術に比べて効率良く行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記フィンは複数枚であり前記フィンを連結する導電材製の連結体を備える。組電池を使用するとき、組電池の負極を電機機器の負極端子あるいは直列で使用する他の組電池の正極端子に接続する際、負極端子としての複数枚の各フィンそれぞれに配線を接続してもよい。しかし、この発明では導電材製の連結体あるいは複数枚のフィンのうちの1枚のフィンに1本の配線を接続することで、各フィンを接続すべき端子と電気的に接続することができ、接続に必要な部品点数及び接続作業の工数を少なくすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記フィンは前記通孔の周端に、前記二次電池の挿入される方向に突出された突出部を備えており、前記二次電池の前記側面が前記突出部と接触している。この発明では、二次電池は、二次電池の側面が通孔の端面とだけでなく突出部とも接触しているため、負極を形成する側面とフィンとの接触面積が、突出部との接触面積分だけ大きくなり、突出部が設けられていないフィンに比べて熱伝導が効率良く行われるとともにフィンと側面との電気的な接触抵抗が小さくなる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記突出部は内部が前記通孔を形成する筒部であり、前記二次電池の前記側面が前記筒部に嵌合されている。この発明では、突出部が筒状(環状)ではなく環状の一部が欠けたものや、通孔の周端から数箇所突起が形成されているものに比べて、負極を形成する側面とフィンとの接触面積が大きくなり、熱伝導がより効率良く行われるとともにフィンと側面との電気的な接触抵抗がより小さくなる。
本発明によれば、複数の二次電池の充電時や放電時における放熱を従来技術に比べて効率良く行うことができる。
(a)は一実施形態の組電池の概略斜視図、(b)は組電池の概略側断面図。 複数の組電池が収容された電池モジュールの概略平断面図。 (a)は別の実施形態の組電池の概略側断面図、(b),(c)は別の実施形態の筒部の断面図。 (a)は別の実施形態の組電池の部分側断面図、(b)は別の実施形態の組電池の概略平面図。 (a)は別の実施形態の組電池の概略側断面図、(b)は別の実施形態の電池モジュールの概略平面図。 (a)は従来技術の組電池の模式斜視図、(b)は取付部の斜視図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1(a),(b)に示すように、組電池10は、柱状であり側面12が負極を形成する複数の二次電池11と、各二次電池11が挿入される通孔22bを有し、二次電池11の側面12と電気的に接触可能な導電材製のフィン22とを備えている。フィン22は二次電池の負極端子を形成する。即ち、フィン22は各二次電池11の放熱機能及び負極端子機能を有する。
二次電池11には円柱状の円筒形電池が使用されている。円筒形電池は、図示しない帯状の正極板と負極板とがセパレータを介して渦巻状に巻かれた状態で円筒状の金属容器に収納、密閉された構成で、一端に正極端子13を有し、円筒状の金属容器が二次電池11の負極を構成している。一般には、金属容器のうちの円筒部が絶縁材で被覆されて底部が負極端子となるが、この実施形態では金属容器は絶縁材で被覆されずに負極が底部以外の円筒部でも露出した状態で使用されることにより、二次電池11の側面12が負極を形成する。
フィン22は複数枚であり、各フィン22が導電材製の連結体23で連結されて、フィンブロック21が構成されている。即ち、フィンブロック21は複数の二次電池11の側面12とそれぞれ複数箇所で接触して位置決めを行う。
各フィン22の通孔22bの周端には、二次電池11の挿入される方向に突出された突出部としての筒部22aが設けられている。筒部22aは内部が通孔22bを形成する。二次電池11は筒部22aに嵌合されている。筒部22aはバーリング加工によりフィン22と一体形成されている。フィン22は熱伝導性及び電気伝導性の良好な金属、例えば、アルミニウム、銅、鉄、マグネシウムあるいは合金で形成されている。二次電池11はフィン22を貫通し、かつ側面12が筒部22aに嵌合する状態でフィンブロック21に支持されている。この実施形態では、筒部22aは千鳥状に配置されている。
連結体23は帯状の金属板材で形成され、各フィン22の端部においてフィン22と直交する状態で複数個所に設けられている。連結体23は各フィン22に対する接続部23aが屈曲形成され、接続部23aにおいてフィン22に固着されている。金属板材は電気伝導性の良好な金属、例えば、アルミニウム、銅で形成されている。複数の連結体23のうちの1つに配線連結部23bが形成され、配線連結部23bに負極用配線14が接続されている。配線連結部23bが形成された連結体23は負極端子を兼ねている。
次に前記のように構成された組電池10の作用を説明する。
組電池10は単独でも使用されるが、大電力を必要とする機器、例えば、電気自動車などのモータ駆動用の大容量、高電圧の電源装置として使用する場合は、複数の組電池10を直列に接続した電池モジュールとして使用される。図2に示すように、電池モジュール30は、ハウジング31内に複数の組電池10が収容されている。ハウジング31は、吸気ダクト32と排気ダクト33を備えており、図示しないファンやブロアー等の送風手段により吸気ダクト32からハウジング31内に空気が供給されるとともに排気ダクト33から排出されるようになっている。吸気ダクト32側には供給される空気をハウジング31内全体に均等に流れるようにガイドするためのガイド34が設けられている。なお、組電池10を直列に接続する場合、各組電池10の二次電池11の正極端子13が接続された図示しない共通の配線に、負極用配線14が接続されることにより複数の組電池10が直列に接続される。
電池モジュール30が大容量、高電圧の電源装置として使用される場合、急速充電時や急速放電時に二次電池11の発熱が大きくなる。吸気ダクト32からハウジング31内に供給された空気は、二次電池11の側面12や、側面12に接続されているフィン22に接触した後、排気ダクト33から排出される。組電池10を使用する場合、電流はフィン22を流れ、単位断面積当たりに流れる電流が小さくなって、電流が流れる際の電気抵抗による熱が発生し難くなる。また、側面12が絶縁材で被覆されずに、フィン22は負極となる側面12に直接接触しているため、二次電池11で発生した熱が効率良くフィン22に伝導され、吸気ダクト32から供給されてハウジング31内を流れた後、排気ダクト33から排出される空気に運び去られて放熱が効率良く行われる。また、側面12からの放熱も絶縁材による被覆がないため、効率良く行われる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)組電池10は、柱状であり側面12が負極を形成する複数の二次電池11と、二次電池11が挿入される通孔22bを有し、二次電池11の側面12と電気的に接触可能な導電材製のフィン22とを備え、フィン22は二次電池11の負極端子を形成する。したがって、組電池10を使用する場合、流れる電流による発熱が抑制されるとともに、二次電池11で発生した熱が効率良く側面12及びフィン22により放熱され、組電池10を構成する複数の二次電池11の充電時や放電時における放熱を従来技術に比べて効率良く行うことができる。
(2)フィン22は複数枚でありフィン22を連結する導電材製の連結体23を備えている。したがって、組電池10の負極を電機機器の負極端子あるいは直列で使用する他の組電池10の正極端子13に接続する際、負極端子を兼ねる複数枚の各フィン22それぞれに配線を接続するのに比べて、接続に必要な部品点数及び接続作業の工数を少なくすることができる。
(3)フィン22は通孔22bの周端に、二次電池11の挿入される方向に突出された突出部を備えており、二次電池11の側面12が前記突出部と接触している。したがって、二次電池11は、負極を形成する側面12とフィン22との接触面積が、突出部が設けられた分だけ大きくなり、突出部が設けられていないフィン22に比べて熱伝導が効率良く行われるとともにフィン22と側面12との電気的な接触抵抗が小さくなる。
(4)前記突出部として内部が通孔22bを形成する筒部22aが形成されており、二次電池11の側面12が筒部22aに嵌合されている。したがって、突出部が筒状(環状)ではなく環状の一部が欠けたものや、通孔22bの周端から数箇所突起が形成されているものに比べて、負極を形成する側面12とフィン22との接触面積が大きくなり、熱伝導がより効率良く行われるとともにフィン22と側面12との電気的な接触抵抗がより小さくなる。
(5)組電池10は、二次電池11が千鳥状に配置されており、吸気ダクト32から供給される空気がハウジング31内で乱流になり、隣接する二次電池11間の隙間が同じ状態で二次電池11が碁盤目状に配置された場合に比べて、効率良く放熱が行われる。
(6)筒部22aはバーリング加工でフィン22と一体形成されている。したがって、フィン22と別に形成した筒部22aをフィン22に形成された孔の周囲に固着する構成に比べて、筒部22aを備えたフィン22を簡単に形成することができる。
(7)筒部22aに二次電池11が嵌合されているため、仮にフィン22が1枚であっても筒部22aにより二次電池11の位置決めをすることができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 各フィン22を連結する導電材製の連結体23を設けずに、各フィン22を図示しない非導電材製のバー等の連結体で位置決め連結し、図3(a)に示すように、各フィン22に負極用配線14を接続してもよい。この場合は各フィン22が負極端子として機能する。また、一部の負極用配線14が断線しても他の負極用配線14を介して電流が流れるため、組電池10全体として負極の断線時のトラブルが小さくなる。
○ フィン22の筒部22aはフィン22と一体形成された構成に限らない。例えば、図3(b)に示すように、フィン22と別に形成した筒部22aをフィン22に形成された通孔22bの周囲に図示しない半田で固着した構成や、図3(c)に示すように、フィン22に形成された通孔22bに嵌合固着した構成にして、通孔22bの周端からフィン22に対して略垂直方向に設けられる場合であってもよい。
○ 通孔22bの周端に、二次電池11の挿入される方向に突出された突出部は、二次電池11の周面を環状に取り囲むような筒部22aに限らず、環状(筒状)の一部が欠けたものや、通孔22bの周端から数箇所突起が形成されて、突起により二次電池11の位置決めができるようにしてもよい。突出部は曲げ加工により通孔22bの周囲に形成される。
○ 筒部22aは必須ではなく、二次電池11をフィン22に形成された通孔22bに嵌合する状態でフィンブロック21に支持される構成としてもよい。
○ 連結体23は接続部23aが屈曲形成されたものに限らず、金属製の平板や棒状のバーで構成してもよい。
○ 図4(a)に示すように、隣接するフィン22同士を電気的に接続する連結体23として、隣接するフィン22間に金属製の波板24を配置し、波板24の端部をフィン22と接続してフィンブロック21を構成するとともに、1つのフィン22に負極用配線14を接続するようにしてもよい。この場合、負極用配線14が接続されたフィン22が負極端子として機能する。波板24が存在することにより、フィンブロック21の放熱効率が高くなる。なお、負極用配線14を1つのフィン22にのみ接続するのではなく、2つ以上のフィン22に負極用配線14を接続してもよい。
○ フィンブロック21は複数のフィン22が導電材製の連結体23や波板24で連結された構成に限らず、例えば、図5(a)に示すように、1枚の金属製の薄板を屈曲させて複数のフィン22が屈曲部22cで連続する構成としてもよい。薄板は、筒部22aをバーリング加工で一体形成した後に屈曲させるため、筒部22aの突出方向は隣り合うフィン22の部分で逆方向になるが支障はない。この場合、全てのフィン22が負極端子として機能する状態となり、導電材製の連結体23を接続しなくとも1本の負極用配線14で各フィン22が電機機器の負極端子あるいは直列で使用する他の組電池の正極端子に接続される。
○ 二次電池11の配置は千鳥状に限らず、図4(b)に示すように、碁盤目状に配置してもよい。
○ 二次電池11は柱状であればよく、円柱状に形成された円筒形電池に限らず、例えば、角柱状に形成された角形電池であってもよい。その場合、筒部22aは角筒状に形成される。
○ フィン22に二次電池11の数より多い数の通孔22bが形成されていてもよい。
○ フィン22の間隔は等間隔に限らない。
○ フィン22は1枚であってもよい。
○ 電池モジュール30における複数の組電池10の配置は、二次電池11の軸方向と直交する方向に組電池10が隣り合う状態に限らず、図5(b)に示すように、二次電池11の軸方向に組電池10が隣り合う状態にしてもよい。
○ 電池モジュール30は複数の組電池を並列に接続した状態でハウジング31内に収容した構成としてもよい。
○ 電池モジュール30を低温で使用する場合は、吸気ダクト32から暖気を供給して二次電池11の温度を適正温度に調整し、急速充電や急速放電のときに二次電池11の温度が適正温度より高くなるのを防止するための冷却用の空気を供給可能にするため、吸気ダクト32に暖気及び冷却用の空気の供給を切り替え可能に構成してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項2に記載の発明において、前記連結体は配線連結部を備えている。
(2)請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1)のいずれか1項に記載の発明の組電池を複数、吸気ダクト及び排気ダクトを備えたハウジング内に直列状態又は並列状態で収容した電池モジュール。
10…組電池、11…二次電池、12…側面、22…フィン、22a…突出部としての筒部、22b…通孔、23…連結体。

Claims (4)

  1. 柱状であり側面が負極を形成する複数の二次電池と、前記二次電池が挿入される通孔を有し、前記二次電池の側面と電気的に接触可能な導電材製のフィンとを備え、前記フィンは前記二次電池の負極端子を形成することを特徴とする組電池。
  2. 前記フィンは複数枚であり前記フィンを連結する導電材製の連結体を備える請求項1に記載の組電池。
  3. 前記フィンは前記通孔の周端に、前記二次電池の挿入される方向に突出された突出部を備えており、前記二次電池の前記側面が前記突出部と接触している請求項1又は請求項2に記載の組電池。
  4. 前記突出部は内部が前記通孔を形成する筒部であり、前記二次電池の前記側面が前記筒部に嵌合されている請求項3に記載の組電池。
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