JP2012190329A - 配置場所評価装置、侵入検知システム、配置場所評価方法および配置場所評価プログラム - Google Patents

配置場所評価装置、侵入検知システム、配置場所評価方法および配置場所評価プログラム Download PDF

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直行 加藤
Kenichi Machinaga
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Abstract

【課題】侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することが可能な配置場所評価装置、侵入検知システム、配置場所評価方法および配置場所評価プログラムを提供する。
【解決手段】配置場所評価装置101は、無線信号を送信するための測定用送信機11と、測定用送信機11から送信された無線信号を受信するための測定用受信機12と、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補に測定用送信機11および測定用受信機12がそれぞれ配置された状態において、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係を示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得し、取得した時間情報および振幅情報に基づいて配置場所候補を評価するための制御部13とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、配置場所評価装置、侵入検知システム、配置場所評価方法および配置場所評価プログラムに関し、特に、空間特徴量を用いて人間の動作を検知するための侵入検知装置に用いられる配置場所評価装置、それを備えた侵入検知システム、配置場所評価方法および配置場所評価プログラムに関する。
室内等の所定エリアにおいて、人の動作を検知する侵入検知装置が開発されている。侵入検知方法の一例として、たとえば、「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90-B巻、第1号、pp.97-100、2007年1月1日(非特許文献1)には、UWB−IR(Ultra WideBand-Impulse Radio)による伝搬遅延プロファイルすなわち電力遅延プロファイルを用いる方法が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、広帯域の信号を用いることから他の無線サービスとの干渉が問題となり、また、受信信号の電力を用いることから屋内におけるマルチパスフェージングの影響を受け、検出精度が劣化する場合がある。
このような問題点を解決するための技術として、たとえば、特開2008−216152号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、イベント検出装置は、各アレイアンテナの受信信号に基づいて固有ベクトルすなわち到来角分布を計算し、当該固有ベクトルと、比較基準となる平時の固有ベクトルとの内積値を計算する。そして、イベント検出装置は、この内積値と所定の閾値との比較結果に基づいて、イベントの発生すなわち侵入者の検知を行なう。
「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90-B巻、第1号、pp.97-100、2007年1月1日
特開2008−216152号公報
特許文献1に記載のイベント検出装置では、送信機および受信機間で電波を送受信することから、たとえば赤外線を用いる構成と比べて送信機および受信機の配置には自由度がある。しかしながら、このイベント検出装置は、到来角情報だけを用いて侵入者の検知を行なうことから、送信機および受信機を適切な場所に配置することが困難である。
すなわち、不適切な設置場所を選択してしまうと、侵入者をうまく検知できないエリアの発生する確率が高くなる。また、比較的熟練した作業者がその都度配置を決めることも可能であるが、運用コスト面から考えて実用的な方法とは言えない。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することが可能な配置場所評価装置、侵入検知システム、配置場所評価方法および配置場所評価プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる配置場所評価装置は、所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を上記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置に用いられる配置場所評価装置であって、無線信号を送信するための測定用送信機と、上記測定用送信機から送信された上記無線信号を受信するための測定用受信機と、上記所定エリアにおける上記検知用送信機および上記検知用受信機の配置場所候補に上記測定用送信機および上記測定用受信機がそれぞれ配置された状態において、上記測定用送信機から直接または反射して上記測定用受信機に到着した上記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各上記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各上記受信波の振幅を示す振幅情報を取得し、取得した上記時間情報および上記振幅情報に基づいて上記配置場所候補を評価するための制御部とを備える。
このように、受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係、および受信波の振幅を用いる構成により、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することができる。また、送信機および受信機の配置を所定の方法で評価する構成により、作業者の経験に頼らず手順を決めて侵入検知装置の配置を評価することができるため、設置作業の効率化を図ることができる。
(2)好ましくは、上記制御部は、取得した上記時間情報および上記振幅情報に基づいて、上記各受信波のうち、所定の条件を満たす1または複数の上記受信波の到着タイミングのばらつき度合いを算出し、算出した上記ばらつき度合いに基づいて上記配置場所候補を評価する。
このような構成により、配置場所の評価を定量的に行なうことができるため、さらなる作業効率の向上を図ることができる。
(3)より好ましくは、上記制御部は、複数の上記配置場所候補について、上記時間情報および上記振幅情報を取得して上記ばらつき度合いをそれぞれ算出し、算出した各上記ばらつき度合いの大小関係に基づいて、上記複数の配置場所候補の中から上記所定エリアにおける上記検知用送信機および上記検知用受信機の配置場所を選択する。
このように、各配置における受信波のばらつき度合いの大小関係を用いる構成により、複数の配置場所候補の中から最良の配置場所を適切に選択することができる。
(4)好ましくは、上記制御部は、上記時間情報および上記振幅情報としてインパルス応答を取得する。
このように、受信波の時間的構造として送信機および受信機間のインパルス応答を利用する構成により、配置場所の評価のための適切な指標を得ることができる。
(5)より好ましくは、上記制御部は、上記インパルス応答における各パルスの時間的な分散を算出し、算出した上記分散に基づいて上記配置場所候補を評価する。
このように、インパルス応答における各パルスの時間的な分散値を利用する構成により、受信波のばらつき度合いを適切に算出することができる。
(6)好ましくは、上記制御部は、さらに、上記所定エリアにおいて上記測定用受信機が上記測定用送信機の近傍に配置されるかまたは上記測定用送信機と一体化された状態において、上記侵入検知装置によって上記所定エリアにおける人間の動作が検知される前および検知された後の各々における上記時間情報および上記振幅情報を取得し、取得した各上記時間情報および各上記振幅情報に基づいて、上記配置場所評価装置と上記所定エリアにおける人間との距離を算出する。
このように、侵入検知システムにおいて侵入検知センサおよび距離測定センサを組み合わせて使用する構成により、侵入者の有無に加えて、侵入者の位置、すなわち配置場所評価装置から侵入者までの距離を取得することができるため、より高機能な侵入検知システムを実現することができる。さらに、配置場所決定装置と距離測定センサとを共通化することにより、侵入検知システムの構成の簡易化を図ることができる。
(7)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる侵入検知システムは、所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を上記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置と、配置場所評価装置とを備える侵入検知システムであって、上記配置場所評価装置は、無線信号を送信するための測定用送信機と、上記測定用送信機から送信された上記無線信号を受信するための測定用受信機と、上記所定エリアにおける上記検知用送信機および上記検知用受信機の配置場所候補に上記測定用送信機および上記測定用受信機がそれぞれ配置された状態において、上記測定用送信機から直接または反射して上記測定用受信機に到着した上記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各上記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各上記受信波の振幅を示す振幅情報を取得し、取得した上記時間情報および上記振幅情報に基づいて上記配置場所候補を評価するための制御部とを含む。
このように、受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係、および受信波の振幅を用いる構成により、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することができる。また、送信機および受信機の配置を所定の方法で評価する構成により、作業者の経験に頼らず手順を決めて侵入検知装置の配置を評価することができるため、設置作業の効率化を図ることができる。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる配置場所評価方法は、所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を上記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置における上記検知用送信機および上記検知用受信機の、上記所定エリアにおける配置場所を評価する配置場所評価方法であって、上記所定エリアにおける上記検知用送信機の配置場所候補において無線信号を送信するステップと、上記所定エリアにおける上記検知用受信機の配置場所候補において上記無線信号を受信するステップと、直接または反射して到着した上記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各上記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各上記受信波の振幅を示す振幅情報を取得するステップと、取得した上記時間情報および上記振幅情報に基づいて上記配置場所候補を評価するステップとを含む。
このように、受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係、および受信波の振幅を用いる構成により、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することができる。また、送信機および受信機の配置を所定の方法で評価する構成により、作業者の経験に頼らず手順を決めて侵入検知装置の配置を評価することができるため、設置作業の効率化を図ることができる。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる配置場所評価プログラムは、所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を上記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した上記無線信号に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した上記空間特徴量に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置における上記検知用送信機および上記検知用受信機の、上記所定エリアにおける配置場所を評価する配置場所評価プログラムであって、コンピュータに、上記所定エリアにおける上記検知用送信機の配置場所候補において無線信号を送信するステップと、上記所定エリアにおける上記検知用受信機の配置場所候補において上記無線信号を受信するステップと、直接または反射して到着した上記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各上記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各上記受信波の振幅を示す振幅情報を取得するステップと、取得した上記時間情報および上記振幅情報に基づいて上記配置場所候補を評価するステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係、および受信波の振幅を用いる構成により、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することができる。また、送信機および受信機の配置を所定の方法で評価する構成により、作業者の経験に頼らず手順を決めて侵入検知装置の配置を評価することができるため、設置作業の効率化を図ることができる。
本発明によれば、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムの構成を示す図である。 検知精度の悪い配置の一例を示す図である。 検知精度の悪い配置における不感エリアの発生状況を示す図である。 検知精度の悪い配置におけるインパルス応答を模式的に示す図である。 検知精度の良い配置の一例を示す図である。 検知精度の良い配置における不感エリアの発生状況を示す図である。 検知精度の良い配置におけるインパルス応答を模式的に示す図である。 ある測定用送信機11および測定用受信機12の配置において測定されたインパルス応答を示す図である。 図8とは異なる測定用送信機11および測定用受信機12の配置において測定されたインパルス応答を示す図である。 実験で用いた侵入検知装置の構成を示す機能ブロック図である。 対象者が部屋を移動した際の感度の時間的変化の測定結果を示す図である。 実験で用いた配置場所評価装置の構成を示す機能ブロック図である。 (a)〜(c)は、測定用送信機11および測定用受信機12の配置場所を示す図である。 実験で得られた最小感度と散らばり指標との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置が侵入検知装置の配置場所を決定する際の動作手順を定めたフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置による配置場所評価方法の他の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置による配置場所評価方法の他の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る侵入検知システムの構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る配置場所決定装置が人間との距離を測定する際の動作手順を定めたフローチャートである。 室内に侵入者が存在しない場合における測定用送信機からの無線信号の伝搬経路を示す図である。 室内に侵入者が存在する場合における測定用送信機からの無線信号の伝搬経路を示す図である。 (a)は、図21に示す場合におけるインパルス応答の測定結果を模式的に示す図である。(b)は、図22に示す場合におけるインパルス応答の測定結果を模式的に示す図である。(c)は、各インパルス応答の差分を示す図である。 (a)は、図21に示す場合におけるインパルス応答の他の測定結果を模式的に示す図である。(b)は、図22に示す場合におけるインパルス応答の他の測定結果を模式的に示す図である。(c)は、各インパルス応答の差分を示す図である。
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムの構成を示す図である。
図1を参照して、侵入検知システム201は、配置場所評価装置101と、侵入検知装置151とを備える。配置場所評価装置101は、測定用送信機11と、測定用受信機12と、制御部13とを備える。侵入検知装置151は、検知用送信機21と、検知用受信機22と、制御部23とを備える。
侵入検知装置151は、室内等の所定エリアすなわち検知対象エリアの状態を示す空間特徴量の変動を監視することにより、当該エリアにおける人間の動作を検知する。たとえば、侵入検知装置151は、反射および回折等の波動伝搬の性質に基づいて、所定エリア内の状態を監視する。
すなわち、検知用送信機21および検知用受信機22が所定エリアに配置された状態において、侵入検知装置151は、検知用送信機21から送信された無線信号を検知用受信機22において受信する。そして、侵入検知装置151は、受信した無線信号に基づいて所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した空間特徴量に基づいて所定エリアにおける人間の動作を検知する。
より詳細には、侵入検知装置151は、所定エリアに設けられた複数のアンテナの受信信号に基づいて計算された到来角分布を監視することにより、人間の動作を検知する。たとえば、侵入検知装置151は、特許文献1に記載の構成と同様の方法で、到来角分布を用いて空間特徴量を抽出する。すなわち、侵入検知装置151は、固有ベクトルの内積を算出することにより、空間特徴量P(t)を抽出する。この内積は、比較基準となる初期ベクトルからの変化量を示す。初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルをvnoとし、観測時tにおける固有ベクトルをvob(t)とすると、空間特徴量P(t)は以下の式で表される。
P(t)=vno・vob(t)
配置場所評価装置101は、侵入検知装置151が備える検知用送信機21および検知用受信機22の所定エリアにおける配置場所の評価を行なう。
すなわち、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補に測定用送信機11および測定用受信機12がそれぞれ配置された状態において、測定用送信機11は、無線信号を送信する。また、測定用受信機12は、測定用送信機11から送信された無線信号を受信する。
制御部13は、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した無線信号である複数の受信波の到着タイミングを示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得する。
言い換えれば、この時間情報は、測定用送信機11からの無線信号が直接または反射して測定用受信機12に到着した各タイミングに対応する値である。また、振幅情報は、これらの各タイミングにおける無線信号の振幅である。また、時間情報は、測定用受信機12に無線信号が到着した各タイミングの絶対的または相対的な値を示す。
そして、制御部13は、取得した時間情報および振幅情報に基づいて、配置場所候補を評価する。
たとえば、制御部13は、取得した時間情報および振幅情報に基づいて、各受信波のうち、所定の条件を満たす1または複数の受信波の到着タイミングのばらつき度合いを算出する。そして、制御部13は、算出したばらつき度合いに基づいて、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補を評価する。
より詳細には、制御部13は、検知用送信機21および検知用受信機22の複数の配置場所候補について、時間情報および振幅情報を取得してばらつき度合いをそれぞれ算出する。そして、制御部13は、算出した各ばらつき度合いの大小関係に基づいて、複数の配置場所候補の中から所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所を選択する。
たとえば、制御部13は、時間情報および振幅情報としてインパルス応答を取得する。具体的には、制御部13は、インパルス応答における各パルスの時間的な分散を算出し、算出した分散に基づいて、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補を評価する。
[動作]
次に、本発明の実施の形態に係る配置場所評価装置による配置場所評価処理の一例について図面を用いて説明する。本発明の実施の形態では、配置場所評価装置101を動作させることによって、本発明の実施の形態に係る配置場所評価方法が実施される。よって、本発明の実施の形態に係る配置場所評価方法の説明は、以下の配置場所評価装置101の動作説明に代える。なお、以下の説明においては、適宜図1を参照する。
本願発明者らは、前述の課題に鑑み、検知精度の良い配置場所を決定する方法について検討した。
ここで、検知精度の良い配置とは、侵入者が室内等の所定エリアのどこにいても当該侵入者を検知できる配置、すなわち不感エリアの生じない配置とする。
本願発明者らは、送信機からの直接波および反射波の時間的構造について着目し、この時間的構造が上記検知精度の良い配置と何らかの関係があると考えた。ここで、直接波および反射波の時間的構造は、到来角とは別次元の情報である。以下、模式的にこの考え方を説明する。
図2は、検知精度の悪い配置の一例を示す図である。図3は、検知精度の悪い配置における不感エリアの発生状況を示す図である。図4は、検知精度の悪い配置におけるインパルス応答を模式的に示す図である。
配置場所評価装置101を用いて、図2に示すような部屋Rで実験を行なった。具体的には、室内に測定用送信機11および測定用受信機12を配置し、図2の実線矢印が示す経路1〜4の順番に従って対象者が室内を移動した際の、インパルス応答を測定した。
また、図2における点線矢印は、無線信号が測定用送信機11から測定用受信機12へ到達するパスを示している。
図3において、横軸は時間(秒)であり、縦軸は感度すなわち空間特徴量P(t)である。図3は、図2に示される侵入コースすなわち経路1〜経路4を対象者が移動したときの空間特徴量P(t)の時間変化を示している。
図2を参照して、測定用送信機11からの直接波または反射波は、経路1および経路3を横切るが、経路2および経路4は横切らない。すなわち、対象者が経路1および経路3を通過する際には、測定用送信機11からの直接波または反射波が遮られるが、対象者が経路2および経路4を通過する際には、測定用送信機11からの直接波または反射波が遮られない。
このため、図3に示すように、対象者が経路2および経路4をそれぞれ通過する期間T2および期間T4における空間特徴量P(t)は、対象者の存在しない期間T0と同様に1となる。すなわち、経路2および経路4は、侵入検知装置151が対象者の存在を検知できない不感経路となる。
図5は、検知精度の良い配置の一例を示す図である。図6は、検知精度の良い配置における不感エリアの発生状況を示す図である。図7は、検知精度の良い配置におけるインパルス応答を模式的に示す図である。図5および図6の見方はそれぞれ図2および図3と同様である。
配置場所評価装置101を用いて、図5に示すような部屋Rで実験を行なった。具体的には、室内に測定用送信機11および測定用受信機12を配置し、図5の実線矢印が示す経路1〜4の順番に従って対象者が室内を移動した際の、インパルス応答を測定した。
図5を参照して、測定用送信機11からの直接波または反射波は、経路1〜経路4のすべてを横切る。すなわち、対象者が経路1〜経路4を通過する際には、測定用送信機11からの直接波または反射波が遮られる。
このため、図6に示すように、対象者が経路1ないし経路4をそれぞれ通過する期間T1ないし期間T4における空間特徴量P(t)は、対象者の存在しない期間T0と異なり、1未満となる。すなわち、図5に示す測定用送信機11および測定用受信機12の配置では、不感経路が存在しなくなる。
ここで、各配置のインパルス応答を比較する。図4および図7において、横軸は時間(ナノ秒)であり、縦軸はインパルス応答の振幅である。また、最も早い時間のパルスは直接波に対応しており、他のパルスは反射波に対応している。当該他のパルスは、直接波のパルスと比べて反射等により振幅が小さくなっている。
検知精度の悪い配置では、図4に示すように反射波が時間軸の前半に集中し、検知精度の良い配置では、図7に示すように反射波が時間的に均等に散らばっていることが分かる。
なお、ここでは、無線信号の入射角および反射角が同じであると仮定している。また、2次元の例、すなわち測定用受信機12に到着する無線信号のうち、測定用受信機12に到着するまでの反射回数が1回以下の無線信号の測定結果を用いて説明している。反射回数を増やして3次元以上に拡張しても、同様の傾向になると考えられる。
本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置は、このような反射波の到着タイミングのばらつきに基づく指標すなわち散らばり指標を用いて不感エリアの発生程度を予測する。具体的には、反射波の到着タイミングのばらつき度合いが高いほど、不感エリアの発生する確率が低く、良い配置であるとする。
次に、反射波の散らばり指標の算出方法について詳細に説明する。
図8は、ある測定用送信機11および測定用受信機12の配置において測定されたインパルス応答を示す図である。図9は、図8とは異なる測定用送信機11および測定用受信機12の配置において測定されたインパルス応答を示す図である。
図8および図9を参照して、図8に示すインパルス応答は、各パルスの散らばり度合いが高く、検知精度の良い配置でのインパルス応答である。以下、この配置を好例と称する。
一方、図9に示すインパルス応答は、各パルスの散らばり度合いが低く、検知精度の悪い配置でのインパルス応答である。以下、この配置を悪例と称する。
測定されたインパルス応答は、図8および図9に示すように、時間軸上で所定の区間に区切られる。この区間は、検知対象エリアの相違等の種々の条件によって適宜設定される。ここでは、たとえば以下の指針(1)〜(4)に基づいて区間を決定する。
(1)区切りの開始点
振幅レベルが所定の閾値を超える最初の反射波を検出し、検出した反射波に対応する時間を開始点とする。
(2)全体の区間長
インパルス応答のエネルギーが十分に含まれる範囲、たとえば80%以上のエネルギーが含まれる広い範囲を確保することが望ましい。
(3)分割する区間数
分割数は、なるべく多くする方が望ましいが、実用上は3つ以上でも可能である。
(4)分割の仕方
均等でも良いし、不均等に区切ることも可能である。
以下では、一例として、インパルス応答を時間軸上で均等に分割し、分割数を3にする場合について説明する。
まず、上記指針(1)〜(4)に基づいてインパルス応答における各区間を決定し、また、振幅レベルの強い順に上位N個(Nは1以上の整数)の反射波を探索し、探索した反射波の各区間における数を調べる。
区間1〜3における反射波の数を、それぞれN(1),N(2),N(3)とする。探索する反射波の個数Nは経験的に決定されるが、ここでは100とする。
具体的には、区間1〜3に含まれる反射波は、好例では、N(1)=76,N(2)=23,N(2)=1となり、悪例では、N(1)=94,N(2)=5,N(2)=0となる。
散らばり指標の評価式は各種考えられる。たとえば、以下の式(A1)のように分散値を利用することが可能である。
Eval1=(N(1)−Nave)2+(N(2)−Nave)2+(N(3)−Nave)2・・・(A1)
式(A1)において、Eval1は評価値であり、Naveは、N(1),N(2),N(3)の平均値すなわち((N(1)+N(2)+N(3))/3)である。
式(A1)を用いる場合には、評価値Eval1が小さいほど、インパルス応答における各パルスが散らばっていることになる。
ここで、好例ではEval1=38.5となり、悪例ではEval1=52.8となることから、各パルスの時間的な散らばり度合いと評価値Eval1との関係として、期待通りの結果が得られている。
このような評価方法以外に、以下の式(A2)のように、エントロピーを利用することも可能である。
Eval2=−P1×log(P1)−P2×log(P2)−P3×log(P3)・・・(A2)
式(A2)において、Eval2は評価値であり、P1,P2,P3は、それぞれ、N(1)/(N(1)+N(2)+N(3)),N(2)/(N(1)+N(2)+N(3)),N(3)/(N(1)+N(2)+N(3))である。
式(A2)を用いる場合には、評価値Eval2が大きいほど、インパルス応答における各パルスが散らばっていることになる。
ここで、好例ではEval1=0.25となり、悪例ではEval1=0.08となることから、各パルスの時間的な散らばり度合いと評価値Eval2との関係として、期待通りの結果が得られている。
また、本願発明者らは、上記評価値を用いる手法の有効性を、実験レベルでも確認している。本実験では、無線信号として音波を用いた。
図10は、実験で用いた侵入検知装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10を参照して、侵入検知装置151は、たとえば音波によるアレイ式センサであり、検知用送信機21は、正弦波生成部31と、D/A変換部32と、無指向型のスピーカ33とを含む。検知用受信機22は、複数のマイク41と、A/D変換部42と、アレイ信号処理部43とを含む。
送信側である検知用送信機21では、正弦波生成部31によって生成された正弦波をD/A変換部32経由でスピーカ33から出力する。
受信側である検知用受信機22では、たとえば4本のマイク41が等間隔で配置され、マイク41によって測定した信号を、A/D変換部42によってデジタル信号に変換し、アレイ信号処理部43へ出力する。
なお、本実験では、正弦波の周波数を15kHzとし、D/A変換およびA/D変換のサンプリング周波数を48kHzとした。
アレイ信号処理部43は、A/D変換部42から受けたデジタル信号に基づいて空間特徴量P(t)を算出する。この空間特徴量P(t)が、検知用送信機21および検知用受信機22間の伝搬特性を示す。
図11は、対象者が部屋を移動した際の感度の時間的変化の測定結果を示す図である。
特許文献1に記載のイベント検出装置では、イベントの検出は、空間特徴量P(t)が所定の閾値を超えるか否かで判定される。
このため、空間特徴量P(t)の変化が小さいほど、イベントを検出することが困難であると考えられる。
この考え方に基づき、対象者が部屋を移動した際の空間特徴量P(t)の最小変動値Pworstを求め、無人状態の空間特徴量P(t)の値Pnoneとのデシベル値すなわち(20×log(Pworst/Pnone))を最小感度とする。そして、この最小感度を不感エリアの発生確率を示す指標とした。
すなわち、この指標が低いほど、無人状態における空間特徴量P(t)の値Pnoneとの判別が困難となり、不感エリアが発生しやすいと考えられる。
次に、インパルス応答の測定実験について説明する。インパルス応答の測定には、TSP(Time Stretched Pulse)法と呼ばれる時間引き延ばし法を用いた。
図12は、実験で用いた配置場所評価装置の構成を示す機能ブロック図である。
図12を参照して、測定用送信機11は、TSP信号生成部51、D/A変換部52およびスピーカ53を含む。測定用受信機12は、マイク61、A/D変換部62および時間軸引き戻し部63を含む。
送信側である測定用送信機11では、TSP信号生成部51によって生成されたTSP信号をD/A変換部52経由でスピーカ53から出力する。
受信側である測定用受信機12では、マイク61によって測定した信号を、A/D変換部62によってデジタル信号に変換し、時間軸引き戻し部63へ出力する。
時間軸引き戻し部63は、A/D変換部62から受けたデジタル信号に基づいて、インパルス応答を算出する。このインパルス応答が、測定用送信機11および測定用受信機12間の伝搬特性を示す。
なお、本実験では、TSP信号のパラメータについて、サンプリング周波数を48kHzとし、時間を5.4秒とした。
図13(a)〜(c)は、測定用送信機11および測定用受信機12の配置場所を示す図である。
本実験では、実際に使われているA室およびB室の2つの部屋を用いた。測定用送信機11および測定用受信機12の配置場所として、図13(a)に示すように測定用送信機11および測定用受信機12を一体化させたパターン、図13(b)に示すように測定用送信機11および測定用受信機12を部屋の対角線上に配置したパターン、図13(c)に示すように測定用送信機11および測定用受信機12を部屋の壁に沿って配置したパターン、の3つのパターンを用意し、実験を行なった。
図14は、実験で得られた最小感度と散らばり指標との関係を示す図である。ここでは、散らばり指標として、式(A1)による評価値Eval1すなわち分散値を指標として用いた。図14において、横軸は、インパルス応答における各パルスの時間的な分散度であり、縦軸は最小感度である。
図14を参照して、散らばり指標すなわち分散値が小さいほど、最小感度が大きくなる傾向となった。各パルスの時間的な散らばり度合いと、最小感度すなわち不感エリアの発生確率の関係として、期待通りの結果が得られた。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置が侵入検知装置の配置場所を決定する際の動作手順を定めたフローチャートである。配置場所評価装置101は、フローチャートの各ステップをたとえば記憶部14から読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
図15を参照して、まず、作業者が、検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補を複数選定する(ステップS1)。
次に、作業者が、選定した配置場所候補に、測定用送信機11および測定用受信機12を配置する。そして、作業者による操作により、測定用送信機11が、音波および電波等の無線信号を送信し(ステップS2)、測定用受信機12が測定用送信機11からの無線信号を測定する。たとえば、測定用送信機11は、インパルス信号を測定用受信機12へ送信する。測定用受信機12は、測定用送信機11からインパルス信号を受信して、インパルス応答を測定する(ステップS3)。
次に、制御部13は、インパルス応答における各パルスの散らばり指標、たとえば各パルスの時間的な分散を計算する(ステップS4)。
次に、制御部13は、選定された各配置場所候補のうち、算出した散らばり指標の最も良い配置場所候補を、最適な配置場所として選択する(ステップS5)。
なお、制御部13は、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した無線信号である複数の受信波の各到着タイミングの関係を示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報に基づいて、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所を評価する構成であってもよい。
図16および図17は、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置による配置場所評価方法の他の例を示す図である。図16は、検知精度の悪い配置におけるインパルス応答を模式的に示しており、図17は、検知精度の良い配置におけるインパルス応答を模式的に示している。
図16および図17において、横軸は時間であり、縦軸はインパルス応答の振幅である。図16において、最も早い時間のパルスW1は直接波に対応しており、他のパルスW2〜W5は反射波に対応している。パルスW2〜W5は、直接波のパルスW1と比べて反射等により振幅が小さくなっている。図17において、最も早い時間のパルスW11は直接波に対応しており、他のパルスW12〜W15は反射波に対応している。パルスW12〜W15は、直接波のパルスW11と比べて反射等により振幅が小さくなっている。
検知精度の悪い配置では、図16に示すようにパルスW2〜W5が時間軸の前半に集中し、検知精度の良い配置では、図17に示すようにパルスW12〜W15が時間的に均等に散らばっていることが分かる。このため、制御部13は、各反射波の到着タイミングの差が大きい方を、最適な配置場所として選択する。
具体的には、図16に示す場合において、制御部13は、パルスW1〜W5のうち、振幅レベルが所定の閾値ThN以上であるパルスW1〜W4を選択する。そして、制御部13は、選択したパルスW1〜W4の時間差D1〜D3の平均値AV1を算出する。
また、図17に示す場合において、制御部13は、パルスW11〜W15の振幅レベルが所定の閾値ThN以上であることから、パルスW11〜W15を選択し、パルスW11〜W15の時間差D11〜D14の平均値AV2を算出する。
そして、制御部13は、平均値AV1よりも平均値AV2の方が大きいことから、図17に示す配置場所候補を、最適な配置場所として選択する。
ところで、特許文献1に記載のイベント検出装置は、到来角情報だけを用いて侵入者の検知を行なうことから、送信機および受信機を適切な場所に配置することが困難である。すなわち、不適切な設置場所を選択してしまうと、侵入者をうまく検知できないエリアの発生する確率が高くなる。また、比較的熟練した作業者がその都度配置を決めることも可能であるが、運用コスト面から考えて実用的な方法とは言えない。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補に測定用送信機11および測定用受信機12がそれぞれ配置された状態において、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係を示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得する。そして、制御部13は、取得した時間情報および振幅情報に基づいて上記配置場所候補を評価する。
このように、受信波の到着タイミングまたは各到着タイミングの関係、および受信波の振幅を用いる構成により、侵入検知装置が備える送信機および受信機の配置場所を適切に評価することができる。また、送信機および受信機の配置を所定の方法で評価する構成により、作業者の経験に頼らず手順を決めて侵入検知装置の配置を評価することができるため、設置作業の効率化を図ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、取得した時間情報および振幅情報に基づいて、各受信波のうち、所定の条件を満たす1または複数の受信波、たとえば振幅レベルの強い順に上位N個の受信波の到着タイミングのばらつき度合いを算出する。そして、制御部13は、算出したばらつき度合いに基づいて、検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補を評価する。
すなわち、送信機から放射された無線信号が所定エリア内における壁などにより反射して受信機に到着した各反射波の、時間的構造に基づく指標を算出し、当該指標に基づいて送信機および受信機の配置を評価する。このような構成により、配置場所の評価を定量的に行なうことができるため、さらなる作業効率の向上を図ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、検知用送信機21および検知用受信機22の複数の配置場所候補について、時間情報および振幅情報を取得してばらつき度合いをそれぞれ算出する。そして、制御部13は、算出した各ばらつき度合いの大小関係に基づいて、複数の配置場所候補の中から所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所を選択する。
このように、各配置における受信波のばらつき度合いの大小関係を用いる構成により、複数の配置場所候補の中から最良の配置場所を適切に選択することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、時間情報および振幅情報としてインパルス応答を取得する。
このように、受信波の時間的構造として送信機および受信機間のインパルス応答を利用する構成により、配置場所の評価のための適切な指標を得ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、インパルス応答における各パルスの時間的な分散を算出し、算出した分散に基づいて、所定エリアにおける検知用送信機21および検知用受信機22の配置場所候補を評価する。
このように、インパルス応答における各パルスの時間的な分散値を利用する構成により、受信波のばらつき度合いを適切に算出することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置は、複数の配置場所候補の中から最良の配置場所を選択する構成であるとしたが、これに限定するものではない。配置場所評価装置が配置場所の評価値を算出する段階までを行い、作業者が、各配置場所候補の評価値に基づいて最良の配置場所を選択してもよい。
また、配置場所評価装置101および侵入検知装置151が送受信する無線信号の種類は、両者間で統一してもよいし、非統一であってもよい。たとえば、侵入検知装置151が電波を使用し、配置場所評価装置101が音波を使用することも可能である。電波および音波は幾何光学的に同質の性質を有しており、このような異質な組み合わせを採用しても、一定水準の性能が期待できる。
また、配置場所評価装置101および侵入検知装置151が送受信する無線信号の種類が同じである場合には、測定用送信機11および検知用送信機21を共通化し、かつ測定用受信機12および検知用受信機22を共通化することも可能である。このような構成により、装置構成およびシステム構成の簡易化を図ることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置では、受信波の時間的構造としてインパルス応答を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、遅延プロファイルなど、インパルス応答を簡略化したパラメータを用いることも可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、空間特徴量として固有ベクトルを用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。固有ベクトルに限らず、非特許文献1に記載されているような遅延プロファイル等、他の空間特徴量を用いる構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、空間特徴量として1次元の特徴量を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。空間特徴量として多次元の特徴量を用いる構成であってもよい。たとえば、固有ベクトルそのものを特徴量ベクトルとして用いることも可能であるし、非特許文献1に記載されているような遅延プロファイルを用いることも可能である。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る配置場所評価装置と比べて人間との距離を算出する機能を追加した配置場所評価装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る配置場所評価装置と同様である。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る侵入検知システムの構成を示す図である。
図18を参照して、侵入検知システム202は、配置場所評価装置102と、侵入検知装置151とを備える。
侵入検知装置151は、所定エリアすなわち検知対象エリアにおける人間の動作を検知し、侵入検知結果を示す信号を出力する。
より詳細には、検知用送信機21および検知用受信機22が所定エリアに配置された状態において、侵入検知装置151は、検知用送信機21から送信された無線信号を検知用受信機22において受信する。そして、侵入検知装置151は、受信した無線信号に基づいて所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した空間特徴量に基づいて所定エリアにおける人間の動作を検知する。
配置場所評価装置102は、侵入検知装置151の配置場所の評価を行なうとともに、侵入者の位置、すなわち所定エリアにおける人間との距離を測定する。より詳細には、配置場所評価装置102は、侵入検知装置151から人間の動作を検知した旨を示す信号を受けると、検知された人間の所定エリアにおける位置、すなわち自己と人間との距離を推定し、推定結果を出力する。
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置の構成を示す図である。
図19を参照して、配置場所評価装置102は、本発明の第1の実施の形態に係る配置場所評価装置と比べて、さらに、記憶部14を備える。
配置場所評価装置102において、測定用送信機11は、無線信号たとえば音波を送信する。この音波は、たとえば可聴領域における音波である。測定用受信機12は、測定用送信機11から送信された音波を受信する。
所定エリアにおける人間との距離を測定する場合には、所定エリアにおいて、測定用受信機12が測定用送信機11の近傍に配置されるかまたは測定用送信機11と一体化された状態とする。なお、侵入検知装置151の配置場所の評価を行なう必要があることから、測定用送信機11および測定用受信機12は固定的に一体化される形態ではなく、脱着可能な形態とする。
制御部13は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前および検知された後の各々における、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した音波である複数の受信波の到着タイミングを示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得する。そして、制御部13は、取得した各時間情報および各振幅情報に基づいて、配置場所評価装置102と所定エリアにおける人間との距離を算出する。
記憶部14は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前における時間情報および振幅情報を記憶する。
また、配置場所評価装置102における測定用送信機11、測定用受信機12および制御部13は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知されたことに応答して距離測定動作を開始する。
図20は、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所決定装置が人間との距離を測定する際の動作手順を定めたフローチャートである。配置場所評価装置102は、フローチャートの各ステップをたとえば記憶部14から読み出して実行する。このプログラムは、外部からインストールすることができる。このインストールされるプログラムは、たとえば記録媒体に格納された状態で流通する。
図20を参照して、まず、所定エリアにおける人間との距離を測定する場合には、所定エリアにおいて、測定用受信機12が測定用送信機11の近傍に配置されるかまたは測定用送信機11と一体化された状態とする。
この状態において、配置場所評価装置102は、侵入検知装置151が所定エリアにおける人間の動作を検知するまで待機する(ステップS11でNO)。そして、配置場所評価装置102は、侵入検知装置151から人間の動作を検知した旨を示す信号を受けると(ステップS11でYES)、測定用送信機11から無線信号たとえば音波を出力する(ステップS12)。
次に、配置場所評価装置102における測定用受信機12は、測定用送信機11からの音波を受信する(ステップS13)。
次に、配置場所評価装置102における制御部13は、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した音波である複数の受信波の到着タイミングを示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得する。たとえば、制御部13は、時間情報および振幅情報としてインパルス応答を取得する(ステップS14)。
次に、制御部13は、取得した時間情報および振幅情報と、記憶部14に記憶された時間情報および振幅情報とを比較することにより、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前と比べて、人間の動作が検知された後において新たに出現した1または複数の受信波を検出する。たとえば、制御部13は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前におけるインパルス応答、および人間の動作が検知された後におけるインパルス応答の差分を求め、求めた差分に基づいて、新たに出現した1または複数の受信波を検出する(ステップS15)。
次に、制御部13は、検出した各受信波のうち、所定の条件を満たす1または複数の受信波の到着タイミングに基づいて距離を算出する。この所定の条件の一例として、制御部13は、検出した各受信波のうち、振幅レベルが所定の閾値以上である1または複数の受信波の中で、到着タイミングが最も早い受信波の到着タイミングに基づいて距離を算出する(ステップS16)。
図21は、室内に侵入者が存在しない場合における測定用送信機からの無線信号の伝搬経路を示す図である。図22は、室内に侵入者が存在する場合における測定用送信機からの無線信号の伝搬経路を示す図である。
図21および図22における矢印は、無線信号が測定用送信機11から測定用受信機12へ到達するパスを示している。
図23(a)は、図21に示す場合におけるインパルス応答の測定結果を模式的に示す図である。図23(b)は、図22に示す場合におけるインパルス応答の測定結果を模式的に示す図である。図23(c)は、各インパルス応答の差分を示す図である。
図23(a)および(b)において、横軸は時間であり、縦軸はインパルス応答の振幅である。また、最も早い時間のパルスW21は直接波に対応しており、他のパルスW22〜W25,WNは反射波に対応している。パルスW22〜W25,WNは、パルスW21と比べて反射等により振幅が小さくなっている。
図21および図22を参照して、たとえば、測定用送信機11および測定用受信機12を室内の隅に配置する。
ここで、測定用送信機11および測定用受信機12は、ある程度近接して配置する必要がある。これは、両者の間隔が離れるとその分測定誤差が増えることになるからである。測定用送信機11および測定用受信機12の間隔は、1メートル以内であれば、実用の範囲内と考えられる。
そして、図23(c)に示すように、無人状態におけるインパルス応答と、各監視時刻におけるインパルス応答との差分をとる。そして、差分のパルスが、測定用送信機11および測定用受信機12と侵入者との距離を指し示すことになる。
すなわち、図22に示すように、室内に侵入者Hが存在すると、測定用送信機11からの無線信号が侵入者Hにおいて反射し、反射波WNが新たに発生する。
これをインパルス応答で確認すると、図23(a)に示すインパルス応答と比べて、図23(b)に示すインパルス応答では、反射波WNに対応するパルスWNが出現している。
図23(c)を参照して、直接波に対応するパルスW21とパルスWNとの時間差tdは、測定用送信機11から無線信号が送信され、侵入者Hにおいて反射して測定用受信機12に到着するまでの時間に相当する。制御部13は、時間tdに基づき、配置場所評価装置102と侵入者Hとの距離を算出する。
図24(a)は、図21に示す場合におけるインパルス応答の他の測定結果を模式的に示す図である。図24(b)は、図22に示す場合におけるインパルス応答の他の測定結果を模式的に示す図である。図24(c)は、各インパルス応答の差分を示す図である。
図24(a)および(b)において、横軸は時間であり、縦軸はインパルス応答の振幅である。また、最も早い時間のパルスW21は直接波に対応しており、他のパルスW22〜W25,WN1〜WN4は反射波に対応している。パルスW22〜W25,WN1〜WN4は、パルスW21と比べて反射等により振幅が小さくなっている。
図24(c)に示すように、無人状態におけるインパルス応答と、各監視時刻におけるインパルス応答との差分をとる。そして、差分のパルスが、測定用送信機11および測定用受信機12と侵入者との距離を指し示すことになる。
ここでは、室内に侵入者Hが存在することにより、測定用送信機11からの無線信号が侵入者Hにおいて反射し、4つの反射波が新たに発生したとする。
これをインパルス応答で確認すると、図24(a)に示すインパルス応答と比べて、図24(b)に示すインパルス応答では、4つの反射波に対応するパルスWN1〜WN4が出現している。
このように、無人状態におけるインパルス応答と、各監視時刻におけるインパルス応答との差分として複数のパルスが得られた場合には、制御部13は、たとえば、振幅レベルが所定の閾値以上のパルスのうち、到着タイミングが最も早いパルスを選択する。具体的には、制御部13は、パルスWN1〜WN4のうち、振幅レベルが所定の閾値ThP以上であるパルスWN2およびWN3を選択する。そして、制御部13は、選択したパルスWN2およびWN3のうち、到着タイミングの早いパルスWN2を選択する。
なお、制御部13は、無人状態におけるインパルス応答と、各監視時刻におけるインパルス応答との差分として複数のパルスが得られた場合には、最大の振幅を有するパルスを選択する構成であってもよい。この場合、図24に示す例では、同じくパルスWN2が選択されることになる。
図24(c)を参照して、直接波に対応するパルスW21とパルスWN2との時間差tdは、測定用送信機11から無線信号が送信され、侵入者Hにおいて反射して測定用受信機12に到着するまでの時間に相当する。制御部13は、時間tdに基づき、配置場所評価装置102と侵入者Hとの距離を算出する。
ところで、特許文献1に記載のイベント検出装置では、到来角情報を用いて侵入者を検知することから、侵入者の有無を検知するのみで、侵入者の位置を測定することは困難である。また、特許文献1に記載のイベント検出装置において、非特許文献1に記載されているような電力遅延プロファイルを作成し、侵入者の位置を測定する方法を適用すると、演算処理のための構成が複雑になってしまう。
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、所定エリアにおいて、測定用受信機12が測定用送信機11の近傍に配置されるかまたは測定用送信機11と一体化された状態において、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前および検知された後の各々における、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した音波である複数の受信波の到着タイミングを示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得する。そして、制御部13は、取得した各時間情報および各振幅情報に基づいて、配置場所評価装置102と所定エリアにおける人間との距離を算出する。
このように、侵入検知システムにおいて侵入検知センサおよび距離測定センサを組み合わせて使用する構成により、侵入者の有無に加えて、侵入者の位置、すなわち配置場所評価装置から侵入者までの距離を取得することができるため、より高機能な侵入検知システムを実現することができる。さらに、配置場所決定装置と距離測定センサとを共通化することにより、侵入検知システムの構成の簡易化を図ることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、配置場所評価装置102において、測定用送信機11は、所定エリアにおいて音波を送信する。測定用受信機12は、測定用送信機11から送信された音波を受信する。そして、制御部13は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前および検知された後の各々における、測定用送信機11から直接または反射して測定用受信機12に到着した音波である複数の受信波の到着タイミングを示す時間情報、および各受信波の振幅を示す振幅情報を取得する。そして、制御部13は、取得した各時間情報および各振幅情報に基づいて、配置場所評価装置102と所定エリアにおける人間との距離を算出する。
このように、侵入検知装置151が電波を利用して侵入検知を行い、配置場所評価装置102が音波を利用して距離測定を行なう構成により、侵入検知システムの構成の最適化を図ることができる。
すなわち、電波を利用する構成では、音波を利用する構成と比べて到来角分布を用いた空間特徴量の抽出が容易に行なえるため、人間の動作を高精度に検知することができる。
また、電波は音波よりも高速であるため、電波を利用して距離測定を行なう場合、直接波および反射波の到着タイミングの測定誤差が大きくなる。配置場所評価装置102では、音波を利用して距離測定を行なう構成により、特に室内のように近距離の測定を行なう場合において、距離測定精度を高めることができる。また、電波を利用する構成と比べて、低コスト化を図ることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、取得した各時間情報および各振幅情報に基づいて、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前と比べて、人間の動作が検知された後において新たに出現した1または複数の受信波を検出する。そして、制御部13は、検出した各受信波のうち、所定の条件を満たす1または複数の受信波の到着タイミングに基づいて距離を算出する。
このような構成により、人の侵入に起因する受信波の変化を的確に検出し、侵入者との距離を適切に算出することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、検出した各受信波のうち、振幅レベルが所定の閾値以上である1または複数の受信波の中で到着タイミングが最も早い受信波の到着タイミングに基づいて距離を算出する。
このような構成により、人の侵入に起因して発生した受信波を的確に検出し、侵入者との距離を適切に算出することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、制御部13は、時間情報および振幅情報としてインパルス応答を取得し、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前におけるインパルス応答、および人間の動作が検知された後におけるインパルス応答の差分を求め、求めた差分に基づいて、新たに出現した1または複数の受信波を検出する。
このように、受信波の時間的構造として送信機および受信機間のインパルス応答を利用する構成により、受信波の変化を的確に検出するための適切な指標を得ることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、記憶部14は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知される前における時間情報および振幅情報を記憶する。そして、配置場所評価装置102における測定用送信機11、測定用受信機12および制御部13は、侵入検知装置151によって人間の動作が検知されるまで動作を停止し、人間の動作が検知されると、無線信号の送信および受信ならびに距離の算出を行なう。
このような構成により、侵入検知装置151によって侵入者が検知された後に距離測定動作を開始することができるため、消費電力の低減を図ることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る配置場所評価装置では、無線信号である音波は、可聴領域における音波である。
このような構成により、侵入者の位置を測定するとともに、侵入者に対して威嚇を行なうことができる。また、可聴域の音波を用いることで装置がより汎用的なものとなり、装置の構成の簡易化および低コスト化が可能となる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る侵入検知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11 測定用送信機
12 測定用受信機
13 制御部
14 記憶部
21 検知用送信機
22 検知用受信機
23 制御部
31 正弦波生成部
32 D/A変換部
33 スピーカ
41 マイク
42 A/D変換部
43 アレイ信号処理部
51 TSP信号生成部
52 D/A変換部
53 スピーカ
61 マイク
62 A/D変換部
63 時間軸引き戻し部
101,102 配置場所評価装置
151 侵入検知装置
201,202 侵入検知システム

Claims (9)

  1. 所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を前記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置に用いられる配置場所評価装置であって、
    無線信号を送信するための測定用送信機と、
    前記測定用送信機から送信された前記無線信号を受信するための測定用受信機と、
    前記所定エリアにおける前記検知用送信機および前記検知用受信機の配置場所候補に前記測定用送信機および前記測定用受信機がそれぞれ配置された状態において、前記測定用送信機から直接または反射して前記測定用受信機に到着した前記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各前記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各前記受信波の振幅を示す振幅情報を取得し、取得した前記時間情報および前記振幅情報に基づいて前記配置場所候補を評価するための制御部とを備える、配置場所評価装置。
  2. 前記制御部は、取得した前記時間情報および前記振幅情報に基づいて、前記各受信波のうち、所定の条件を満たす1または複数の前記受信波の到着タイミングのばらつき度合いを算出し、算出した前記ばらつき度合いに基づいて前記配置場所候補を評価する、請求項1に記載の配置場所評価装置。
  3. 前記制御部は、複数の前記配置場所候補について、前記時間情報および前記振幅情報を取得して前記ばらつき度合いをそれぞれ算出し、算出した各前記ばらつき度合いの大小関係に基づいて、前記複数の配置場所候補の中から前記所定エリアにおける前記検知用送信機および前記検知用受信機の配置場所を選択する、請求項2に記載の配置場所評価装置。
  4. 前記制御部は、前記時間情報および前記振幅情報としてインパルス応答を取得する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の配置場所評価装置。
  5. 前記制御部は、前記インパルス応答における各パルスの時間的な分散を算出し、算出した前記分散に基づいて前記配置場所候補を評価する、請求項4に記載の配置場所評価装置。
  6. 前記制御部は、さらに、前記所定エリアにおいて前記測定用受信機が前記測定用送信機の近傍に配置されるかまたは前記測定用送信機と一体化された状態において、前記侵入検知装置によって前記所定エリアにおける人間の動作が検知される前および検知された後の各々における前記時間情報および前記振幅情報を取得し、取得した各前記時間情報および各前記振幅情報に基づいて、前記配置場所評価装置と前記所定エリアにおける人間との距離を算出する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配置場所評価装置。
  7. 所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を前記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置と、
    配置場所評価装置とを備える侵入検知システムであって、
    前記配置場所評価装置は、
    無線信号を送信するための測定用送信機と、
    前記測定用送信機から送信された前記無線信号を受信するための測定用受信機と、
    前記所定エリアにおける前記検知用送信機および前記検知用受信機の配置場所候補に前記測定用送信機および前記測定用受信機がそれぞれ配置された状態において、前記測定用送信機から直接または反射して前記測定用受信機に到着した前記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各前記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各前記受信波の振幅を示す振幅情報を取得し、取得した前記時間情報および前記振幅情報に基づいて前記配置場所候補を評価するための制御部とを含む、侵入検知システム。
  8. 所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を前記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置における前記検知用送信機および前記検知用受信機の、前記所定エリアにおける配置場所を評価する配置場所評価方法であって、
    前記所定エリアにおける前記検知用送信機の配置場所候補において無線信号を送信するステップと、
    前記所定エリアにおける前記検知用受信機の配置場所候補において前記無線信号を受信するステップと、
    直接または反射して到着した前記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各前記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各前記受信波の振幅を示す振幅情報を取得するステップと、
    取得した前記時間情報および前記振幅情報に基づいて前記配置場所候補を評価するステップとを含む、配置場所評価方法。
  9. 所定エリアに配置された検知用送信機から送信された無線信号を前記所定エリアに配置された検知用受信機において受信し、受信した前記無線信号に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出した前記空間特徴量に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作を検知するための侵入検知装置における前記検知用送信機および前記検知用受信機の、前記所定エリアにおける配置場所を評価する配置場所評価プログラムであって、コンピュータに、
    前記所定エリアにおける前記検知用送信機の配置場所候補において無線信号を送信するステップと、
    前記所定エリアにおける前記検知用受信機の配置場所候補において前記無線信号を受信するステップと、
    直接または反射して到着した前記無線信号である複数の受信波の到着タイミングまたは各前記到着タイミングの関係を示す時間情報、および各前記受信波の振幅を示す振幅情報を取得するステップと、
    取得した前記時間情報および前記振幅情報に基づいて前記配置場所候補を評価するステップとを実行させるための、配置場所評価プログラム。
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