JP2015219222A - 監視装置、監視システム、監視方法および監視プログラム - Google Patents

監視装置、監視システム、監視方法および監視プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電波を用いて所定エリアにおける人間の動作を監視する構成において、検知精度を向上させることが可能な監視装置、監視システム、監視方法および監視プログラムを提供する。
【解決手段】監視装置は、所定エリアに配置され、前記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、分割された各方向の前記電波の変化を観測し、前記各方向のうち前記変化が所定条件を満たす前記電波の方向を判定する方向判定部とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、監視装置、監視システム、監視方法および監視プログラムに関し、特に、電波を用いて人間の動作を監視する監視装置、監視システム、監視方法および監視プログラムに関する。
室内等の所定エリアにおいて、人の動作を検知する侵入検知装置が開発されている。侵入検知方法の一例として、たとえば、「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90−B巻、第1号、99.97−100、2007年1月1日(非特許文献1)には、UWB−IR(Ultra WideBand−Impulse Radio)による伝搬遅延プロファイルすなわち電力遅延プロファイルを用いる方法が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に記載の方法では、広帯域の信号を用いることから他の無線サービスとの干渉が問題となり、また、受信信号の電力を用いることから屋内におけるマルチパスフェージングの影響を受け、検出精度が劣化する場合がある。
このような問題点を解決するための技術として、たとえば、特開2008−216152号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。すなわち、イベント検出装置は、アレイアンテナにおける各アンテナ素子からの受信信号に基づいて固有ベクトルすなわち受信電波の到来方向に関するパラメータを計算し、固有ベクトルと、比較基準となる平時の固有ベクトルとの内積値を計算する。そして、イベント検出装置は、この内積値と所定のしきい値との比較結果に基づいて、イベントの発生すなわち侵入者の検知を行なう。
「UWB−IRによる屋内侵入者検知に関する検討」寺阪圭司 他、電子情報通信学会論文誌B、第J90−B巻、第1号、99.97−100、2007年1月1日 菊間信良、" アレーアンテナの基礎"、[online]、平成21年11月26日、マイクロウェーブ展2009、[平成26年3月10日検索]、インターネット〈URL:http://apmc-mwe.org/MicrowaveExhibition2010/program/tutorial2009/index.html〉
特開2008−216152号公報
特許文献1に記載のイベント検出装置は、たとえば、所定エリア内、具体的には室内等の閉空間内に設置された状態において、当該室内の電波反射物により多重反射された電波を用いて侵入者の検知を行う。より詳細には、イベント検出装置として送信機および受信機が室内に設置された状態において、受信機は、送信機から直接自己へ到達する電波と、送信機から送信された後、室内における壁、人間および物等により反射された電波とを受信する。
上述したように、固有ベクトルは受信電波の到来方向に関するパラメータであるので、固有ベクトルと比較基準となる平時の固有ベクトルとの内積値は、閉空間における電波伝搬の平時に対する変化を間接的に示すものである。
しかしながら、受信機では、上記内積値に基づいて、閉空間において電波伝搬の変化が発生したことを検知することができるが、受信機に対していずれの方向において電波伝搬の変化が発生したかを認識することができない。
具体的には、たとえば、イベント検出装置を所定エリアにおける人間の動作の監視に用いる場合、受信機に対していずれの方向で人間の動作が発生したかを認識することができない。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電波を用いて所定エリアにおける人間の動作を監視する構成において、検知精度を向上させることが可能な監視装置、監視システム、監視方法および監視プログラムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる監視装置は、所定エリアに配置される監視装置であって、上記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信する受信部と、上記受信部によって受信された電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定する方向判定部とを備える。
(7)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる監視システムは、所定エリアに配置され、電波を送信する送信機と、上記所定エリアに配置される受信機とを備え、上記受信機は、上記送信機からの電波を受信する受信部と、上記受信部によって受信された電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定する方向判定部とを含む。
(8)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる監視方法は、所定エリアに配置される監視装置における監視方法であって、上記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信するステップと、受信した電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するステップと、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知するステップと、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定するステップとを含む。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる監視プログラムは、所定エリアに配置される監視装置において用いられる監視プログラムであって、コンピュータに、上記所定エリアに配置された送信機から受信した電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するステップと、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知するステップと、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定するステップとを実行させるためのプログラムである。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える監視装置として実現することができるだけでなく、監視装置の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
また、本発明は、このような特徴的な処理部を備える監視システムとして実現することができるだけでなく、監視システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現したり、監視システムを構成する送信機として実現したりすることができる。
本発明によれば、電波を用いて所定エリアにおける人間の動作を監視する構成において、検知精度を向上させることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムの構成を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機の構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機における受信信号処理部の構成を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機および送信機を上方から見た状態を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムにおける電波の伝搬状態の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムが設置される所定エリアの一例を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機における表示部の一例を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る方向判定部における到来角分布作成部の構成を示す図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る到来角分布作成部がビームフォーミング法に従って作成する到来角分布の一例を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施の形態に係る到来角分布作成部がCapon法に従って作成する到来角分布の一例を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施の形態に係る受信信号処理部における変化量算出部の構成を示す図である。 図13は、本発明の第1の実施の形態に係る到来角分布作成部が作成する到来角分布の一例を示す図である。 図14は、本発明の第1の実施の形態に係る監視部が算出する評価値のレベル、ならびに方向判定部が算出する左側変化および右側変化のレベルの時間変化の一例を示す図である。 図15は、本発明の第1の実施の形態に係る監視部が算出する評価値のレベル、ならびに方向判定部が算出する左側変化および右側変化のレベルの時間変化の一例を示す図である。 図16は、本発明の第1の実施の形態に係る受信信号処理部が侵入者の検知および侵入者が存在するエリアの判定を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。 図17は、本発明の第1の実施の形態に係る受信信号処理部が侵入者の検知および侵入者が存在するエリアの判定を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る監視装置は、所定エリアに配置される監視装置であって、上記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信する受信部と、上記受信部によって受信された電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定する方向判定部とを備える。
このような構成により、上記所定エリアにおける所定事象の発生を検知するだけでなく、監視装置に対するいずれの方向で当該所定事象が発生したかを認識することができるので、検知精度を向上させることができる。
(2)好ましくは、上記監視装置は、さらに、上記監視部の検知結果および上記方向判定部の判定結果に基づいて、上記所定事象の発生した方向を判断する判断部を備える。
このような構成により、上記所定事象の発生した方向をより正確に推定することができる。
(3)好ましくは、上記監視装置は、さらに、上記監視部の検知結果および上記方向判定部の判定結果に基づいて、上記所定事象の発生したエリアが上記所定エリアのうちのいずれのエリアであるかを判断する判断部を備える。
このような構成により、上記所定事象の発生したエリアをより正確に推定することができる。
(4)より好ましくは、上記判断部は、上記方向判定部によって上記所定条件を満たす上記電波の方向として特定の方向が判定された場合、上記特定の方向に対応するエリアにおいて上記所定事象が発生したとする判断を無効にする。
このように、検知対象とすべきでないエリアにおいて上記所定事象が発生したとする判断を無効にする構成により、検知対象とするエリアにおける検知精度をより向上させることができる。
(5)好ましくは、上記方向判定部は、上記受信部によって受信された電波の到来角分布をビームフォーミング法に従って取得し、上記到来角分布を用いて上記各方向の上記電波の変化を測定する。
このように、計算処理の軽いビームフォーミング法に従って電波の到来角分布を取得する構成により、簡易な処理で上記各方向の電波の変化を測定することができる。
(6)好ましくは、上記監視装置は、さらに、上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知すべき方向を示す表示部を備える。
このような構成により、送信機および監視装置を設置するユーザは、表示部の示す方向に従って、送信機および監視装置を正確な向きに容易に設置することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る監視システムは、所定エリアに配置され、電波を送信する送信機と、上記所定エリアに配置される受信機とを備え、上記受信機は、上記送信機からの電波を受信する受信部と、上記受信部によって受信された電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定する方向判定部とを含む。
このような構成により、上記所定エリアにおける所定事象の発生を検知するだけでなく、監視装置に対するいずれの方向で当該所定事象が発生したかを認識することができるので、検知精度を向上させることができる。
(8)本発明の実施の形態に係る監視方法は、所定エリアに配置される監視装置における監視方法であって、上記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信するステップと、受信した電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するステップと、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知するステップと、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定するステップとを含む。
このような構成により、上記所定エリアにおける所定事象の発生を検知するだけでなく、監視装置に対するいずれの方向で当該所定事象が発生したかを認識することができるので、検知精度を向上させることができる。
(9)本発明の実施の形態に係る監視プログラムは、所定エリアに配置される監視装置において用いられる監視プログラムであって、コンピュータに、上記所定エリアに配置された送信機から受信した電波に基づいて上記所定エリアにおける空間特徴量を算出するステップと、算出結果に基づいて上記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知するステップと、分割された各方向の上記電波の変化を観測し、上記各方向のうち上記変化が所定条件を満たす上記電波の方向を判定するステップとを実行させるためのプログラムである。
このような構成により、上記所定エリアにおける所定事象の発生を検知するだけでなく、監視装置に対するいずれの方向で当該所定事象が発生したかを認識することができるので、検知精度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムの使用イメージを示す図である。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システム(監視システム)201は、動体検知センサとして機能する。侵入検知システムとして最低一組の送信機151および受信機(監視装置)101が、警戒エリアとしたい閉空間、たとえば家の中に設置される。そして、侵入検知システムは、送信機151から一定間隔以内または連続的に送信される電波を受信機101で受信し、受信した電波に基づいて信号処理を行なうことにより、所定エリア内の状態を監視する監視処理を行う。
たとえば、侵入検知システム201における受信機101は、アレイ式電波センサであり、複数の受信アンテナ素子を備え、閉空間における電波伝搬の変化を利用して動体の検知機能を実現する。受信機101は、送信機151からの電波を受信して、受信した電波についての反射および回折等の波動伝搬の性質に基づいて、室内に侵入した人間およびドアの開閉等を検知する。侵入検知システム201が使用する電波は、原理上は周波数および帯域幅等に制約はない。
[構成および基本動作]
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムの構成を示す図である。
図2を参照して、侵入検知システム201は、受信機101と、送信機151とを備える。室内等の所定エリアにおいて、受信機101と、送信機151とが設けられている。
送信機151は、電波を送信する。具体的には、送信機151は、たとえば、所定の無線通信方式に従って受信機101へ100ミリ秒の送信出力周期で電波を送信する。この電波は、たとえば2.4GHz帯の電波である。なお、送信機151は、たとえば連続的に電波を送信してもよい。
侵入検知システム201では、受信機101は、たとえば、侵入検知装置として、送信機151が電波を送信するエリアにおいて、人間の動作の発生を検知する。
具体的には、受信機101は、たとえば上記所定の無線通信方式に従う2.4GHz帯の電波を利用して検知動作を行なう。
より詳細には、受信機101は、受信した電波に基づく信号をアンプにより増幅し、増幅後の信号を直交復調することによりベースバンド帯のアナログ信号であるI信号およびQ信号を生成する。そして、受信機101は、生成したI信号およびQ信号をAD(アナログデジタル)変換したデジタル信号を用いて所定エリアの状態を示す空間特徴量を算出する。
そして、受信機101は、算出した空間特徴量に基づいて、当該エリアにおける人間の動作を検知する。すなわち、受信機101は、反射および回折等の波動伝搬の性質に基づいて、所定エリア内の状態を監視する。具体的には、受信機101は、複数のアンテナの受信信号に基づいて計算した到来角分布を監視することにより、所定エリア内の状態を監視する監視処理、たとえば人間の動作に関する所定事象の発生を検知する。
[受信機の構成]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機の構成を示す図である。
図3を参照して、受信機101は、アレイ受信部11と、受信信号処理部12と、通報部13と、表示部16とを備える。アレイ受信部11は、アンテナ部21と、受信回路22と、発振器23,25と、分岐回路24,26とを含む。アンテナ部21は、たとえば4本のアンテナを含む。受信回路22は、アンテナ部21におけるアンテナに対応して、ミキサ31、バンドパスフィルタ(BPF)32、ローノイズアンプ33、直交復調器34およびA/Dコンバータ(ADC)35の組を4つ含む。受信回路22におけるこれらの組を、それぞれRX1,RX2,RX3,RX4と称する。表示部16については後述する。
アレイ受信部11は、所定エリアに配置された送信機151からの電波を受信する。より詳細には、アレイ受信部11におけるアンテナ部21は、送信機151から送信された電波を受信し、受信した電波すなわち受信信号をミキサ31へ出力する。なお、アンテナ部21は、4本のアンテナを含む構成に限らず、複数本のアンテナを含む構成であればよい。
発振器23,25は、ローカル信号を生成し、生成したローカル信号を分岐回路24,26へそれぞれ出力する。分岐回路24は、発振器23から受けたローカル信号を、受信回路22の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4のミキサ31へ出力する。分岐回路26は、発振器25から受けたローカル信号を、受信回路22の4つの組RX1,RX2,RX3,RX4の直交復調器34へ出力する。
受信回路22において、ミキサ31は、アンテナ部21から受けた受信信号と分岐回路24を介して発振器23から受けたローカル信号とを乗算することにより、当該受信信号をダウンコンバートして中間周波数帯のIF信号に変換し、バンドパスフィルタ32へ出力する。
バンドパスフィルタ32は、ミキサ31から受けたIF信号の周波数成分のうち、所定の周波数帯域外の成分を減衰させる。
ローノイズアンプ33は、バンドパスフィルタ32を通過したIF信号を増幅し、増幅したIF信号を直交復調器34へ出力する。
直交復調器34は、ローノイズアンプ33から受けたIF信号と分岐回路26を介して発振器25から受けたローカル信号とを乗算することにより、たとえば当該IF信号を直交復調してベースバンド帯のI信号およびQ信号に変換し、A/Dコンバータ35へ出力する。
A/Dコンバータ35は、たとえば、周期的に動作し、直交復調器34から受けるI信号およびQ信号の振幅、具体的には電圧レベルを取得する、すなわちサンプリングする。
より詳細には、たとえば、RX1〜RX4の組におけるA/Dコンバータ35は、I信号のサンプリング結果であるデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]をそれぞれ生成し、生成したデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]を受信信号処理部12へ出力する。ここで、*[n]におけるインデックスnは、デジタル信号のサンプリング間隔すなわちクロック周期Tsに従って生成されるデジタル信号の順序を表す。具体的には、たとえば0番目に生成されたデジタル信号は、*[0]で表し、5番目に生成されたデジタル信号は、*[5]で表す。
同様に、RX1〜RX4の組におけるA/Dコンバータ35は、たとえば、Q信号のサンプリング結果であるデジタル信号V1q[n]〜V4q[n]をそれぞれ生成し、生成したデジタル信号V1q[n]〜V4q[n]を受信信号処理部12へ出力する。
[監視処理]
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機における受信信号処理部の構成を示す図である。
図4を参照して、受信信号処理部12は、監視部14と、方向判定部(判断部)15とを含む。監視部14は、メモリ41と、空間特徴量算出部42と、検知部43とを含む。方向判定部15は、メモリ51と、到来角分布作成部52と、変化量算出部53R,53Lと、しきい値判定部54R,54Lと、結果統合部55とを含む。結果統合部55は、図示しない記憶部を含む。結果統合部55における記憶部は、非検知対象エリアを保持する。非検知対象エリアについては、後述する。以下、変化量算出部53R,53Lの各々を変化量算出部53とも称する。また、しきい値判定部54R,54Lの各々をしきい値判定部54とも称する。
受信信号処理部12における監視部14は、アレイ受信部11によって受信された電波に基づいて所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象、具体的には人間の動作の発生を検知する。
より詳細には、監視部14は、アレイ受信部11から受けた、アンテナ部21における各アンテナに対応するデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]に基づいて所定エリアにおける人間の動作の発生を検知する。
具体的には、監視部14におけるメモリ41は、アンテナ部21における各アンテナに対応するデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]が示す値を保持する。
空間特徴量算出部42は、たとえば、特許文献1に示す計算手順に従って、メモリ51に保持されたデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]に基づき、アンテナ部21における各アンテナによって受信された電波のレベルおよび到着タイミングを算出する。そして、空間特徴量算出部42は、算出結果に基づいて固有ベクトルを算出する。
より詳細には、空間特徴量算出部42は、上記算出結果を成分とするベクトルから相関行列を生成し、生成した相関行列を固有値展開することにより固有ベクトルを計算する。
そして、空間特徴量算出部42は、固有ベクトルの内積Spm[n]を所定エリアにおける空間特徴量として算出することにより、空間特徴量の評価値Pt[n]を算出する。内積Spm[n]は、比較基準となる初期ベクトルからの変化量を示す。具体的には、初期ベクトルすなわち侵入者無しのときの固有ベクトルをvnoとし、デジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]が示す値に基づいて算出された固有ベクトルをvob[n]とすると、内積Spm[n]は以下の式で表される。
Spm[n]=vno・vob[n]
空間特徴量算出部42は、たとえば、人間の動作を検知すべき所定エリアについて、観測時における当該所定エリアの状態を示す空間特徴量の評価値Pt[n]として(1−Spm[n])×100を算出する。空間特徴量算出部42は、算出した評価値Pt[n]を検知部43へ出力する。
検知部43は、空間特徴量算出部42によって算出された評価値Pt[n]に基づいて、所定エリアにおける人間の動作の発生を検知する。具体的には、評価値Pt[n]が「0」に近いほど、観測時における所定エリアの状態は、所定エリアに侵入者が存在していない通常時の状態に近い。
このため、検知部43は、たとえば、評価値Pt[n]が所定のしきい値Thp以上である場合、所定エリアに人間が侵入したことを示すハイレベルの検知信号Sdを方向判定部15へ出力する。また、検知部43は、たとえば、評価値Pt[n]がしきい値Thpより小さい場合、所定エリアに人間が侵入していないことを示すローレベルの検知信号Sdを方向判定部15へ出力する。
[方向判定の概要と測定原理]
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機および送信機を上方から見た状態を示す図である。図5を参照して、受信機101におけるアンテナ部21は、たとえば4本の線状のアンテナを含む。4本の線状のアンテナの配置は、送信機151から送信される電波の波長λの1/4に相当するアンテナ間隔dを有する線形アレイ構成である。言い換えると、4本の線状のアンテナは、たとえば同一平面内において、λ/4のアンテナ間隔dで軸方向が平行になるように並べて配置される。
以下、4本の線状のアンテナの延伸方向に沿った平面をアレイ受信面とも称する。また、4本の線状のアンテナの延伸方向をアレイ軸方向とも称する。
具体的には、図5では、アンテナ部21における4本のアンテナは、延伸方向が紙面に対して垂直になるように配置される。したがって、紙面に対して垂直な面であって、アンテナ部21における4本の線状のアンテナを含む面がアレイ受信面に相当する。また、紙面に対して垂直な方向がアレイ軸方向に相当する。
また、アンテナ部21における4本のアンテナは、たとえば、紙面右側のアンテナから順にRX1〜RX4の組におけるミキサ31に電気的に接続されているものとする。
たとえば、4本のアンテナの延伸方向と平行な軸であって、外側の2本のアンテナからの距離が3×d/2となる位置を通る軸Rz周りの角度を到来角θと定義する。また、たとえば、アレイ受信面に対して垂直方向であって、送信機151が位置する側の方向を到来角θが90°の方向と定義する。到来角θは、受信機101の上方から見て反時計回りに増加するように定義する。
以下、到来角θが90°の方向を正面方向とも称する。また到来角θが270°の方向を背面方向とも称する。また、到来角θが0°≦θ≦90°または270°≦θ<360°を満たす方向からの電波を右側電波とも称する。また、到来角θが90°<θ<270°を満たす方向からの電波を左側電波とも称する。
また、正面方向および背面方向に沿う線により所定エリアA1を2分したときの、右側の領域を右側領域と定義し、また、左側の領域を左側領域と定義する。
たとえば、図5に示すように、受信機101が閉空間である所定エリアA1内に配置された場合、送信機151から送信された電波の一部は直接アンテナ部21へ到達し、また、当該電波の他の一部は所定エリアA1における壁、人間および物等に反射された後、アンテナ部21へ到達する。
したがって、アンテナ部21には、到来角θの異なる複数の電波が到達する。これら複数の電波のアンテナ部21における受信電力はパスすなわち電波の伝搬経路に応じて異なる。たとえば、受信電力分布Idは、到来角θに対する当該受信電力の分布を示す。
ここで、アンテナ部21における4本のアンテナの配置は線形アレイ構成であるので、到来角θ=αからの電波が当該4本のアンテナにおいて発生させる電流同士の位相差と、到来角θ=360°−αからの電波が当該4本のアンテナにおいて発生させる電流同士の位相差とが同じになる。このため、受信機101では、到来角θ=αからの電波と到来角θ=360°−αの方向からの電波とを区別することが困難となる。
したがって、受信電力分布Idでは、到来角θの定義域が0°≦θ≦180°に設定され、また、到来角θ=αの電力が、到来角θ=αの方向からの電波と到来角θ=360°−αの方向からの電波とを重ね合わせた電波の受信電力となるように示される。
より詳細には、たとえば、軸Rzから到来角θ=α方向への直線、および受信電力分布Idの交点N1と、軸Rzとの距離が、到来角θ=αの方向からの電波と到来角θ=360°−αの方向からの電波とを重ね合わせた電波の受信電力を示す。
なお、アンテナ部21は、アレイ受信面およびアレイ軸方向の少なくとも一方が異なるアレイアンテナをさらに含む構成であってもよい。具体的には、アンテナ部21は、たとえば、上述した4本のアンテナに加えて、到来角θ=0°の方向を法線とするアレイ受信面に含まれ、かつ延伸方向が紙面に対して垂直方向の複数のアンテナを含む構成であってもよい。この場合、受信機101では、到来角θ=αからの電波と到来角θ=360°−αの方向からの電波とを区別することが可能となる。
また、アンテナ部21は、たとえば、上述した4本のアンテナに加えて、紙面に対して垂直方向を法線とするアレイ受信面に沿う複数のアンテナを含む構成であってもよい。この場合、受信機101では、到来角θだけでなく、上下方向のチルト角が異なる電波を区別することが可能となる。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムにおける電波の伝搬状態の一例を示す図である。
図6を参照して、たとえば、受信機101におけるアンテナ部21が、送信機151からパスP1を経由して自己へ直接到達する電波である直接波、および送信機151から壁等を多重反射して到達する電波である反射波を受信する状況を想定する。直接波は、右側電波に相当する。また、反射波の一部は、右側電波に相当し、また、反射波の他の一部は左側電波に相当する。
たとえば、人間M1がパスP1を横切る場合、パスP1以外の経路を経由する反射波が受ける影響は、パスP1を経由する直接波が受ける影響と比べて小さい。したがって、たとえば、人間M1がパスP1を横切る場合、受信機101における右側電波の受信状況の変化は、左側電波の受信状況の変化と比べて大きい。
また、たとえば、受信機101の左側において人間M2が移動する状況を想定する。たとえば、人間M2が移動することにより送信機151からパスP2を経由した電波が人間M2に反射した後、パスP3を経由してアンテナ部21へ到達する場合、左側電波の受信状況が大きく変化する一方で、右側電波の受信状況はあまり変化しない。
したがって、右側電波の受信状況の変化および左側電波の受信状況の変化を測定することにより、人間の動作が発生した位置が、右側領域および左側領域のいずれに含まれるかを判定することができる。
[送信機および受信機の配置例]
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムが設置される所定エリアの一例を示す図である。
図7を参照して、送信機151および受信機101が設置される所定エリアA1は、たとえば、コーナー位置C1,C3,C4,C6で囲まれるエリアである。また、所定エリアA1は、たとえば、コーナー位置C1,C2,C5,C6で囲まれるエリアA、およびコーナー位置C2,C3,C4,C5で囲まれるエリアBを含む。
具体的には、エリアAは、たとえば会議室である。また、エリアBは、たとえば廊下である。エリアAおよびエリアBは、たとえば壁W1を介して隣接する。壁W1におけるコーナー位置C5の近傍には、たとえば扉Dr1が設置される。
エリアAにおいて、たとえば、机Dk1〜Dk9がエリアAの概ね中央部に並べて設置され、また、机Dk10が、扉Dr1の近傍に設置される。エリアAにおけるコーナー位置C1の近傍には、たとえば送信機151が設置される。机Dk10の上には、受信機101が、たとえば正面方向と背面方向に沿う線と壁W1とが平行になるように設置される。したがって、送信機151および受信機101は、エリアAの対角線に概ね沿って配置される。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る受信機における表示部の一例を示す図である。
図8を参照して、表示部16は、所定エリアA1における人間の動作に関する所定事象の発生を検知すべき方向を示す。具体的には、表示部16は、たとえば、受信機101の筐体の上面に配置される矢印であって、正面方向を指す矢印である。したがって、当該矢印の指す方向が、所定エリアA1における人間の動作の発生を検知すべき方向に相当する。なお、表示部16は、たとえば受信機101の筐体の側面および底面等の上面以外に配置されてもよい。また、表示部16は、矢印以外の方向を示すものであってもよい。
[方向判定処理]
再び図4を参照して、受信信号処理部12における方向判定部15は、たとえば、受信機101への到来方向で分割された各方向の電波の変化を観測し、当該各方向のうち変化が所定条件を満たす電波の方向を判定する。
以下、具体的に説明すると、方向判定部15におけるメモリ51は、アンテナ部21における各アンテナに対応するデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]が示す値を保持する。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る方向判定部における到来角分布作成部の構成を示す図である。
図9を参照して、到来角分布作成部52は、複素信号生成部71と、移相部72と、重ね合わせ部73と、電力計算部74と、配列作成部75と、エリアベクトル作成部76と、計算角度設定部77とを含む。
到来角分布作成部52は、アレイ受信部11によって受信された電波の到来角分布をビームフォーミング法に従って取得する。具体的には、到来角分布作成部52は、たとえば、菊間信良、” アレーアンテナの基礎”、[online]、平成21年11月26日、マイクロウェーブ展2009、[平成26年3月10日検索]、インターネット〈URL:http://apmc-mwe.org/MicrowaveExhibition2010/program/tutorial2009/index.html〉(非特許文献2)に記載されたビームフォーマ法すなわちビームフォーミング法に従って、デジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]に基づいて到来角分布を作成する。
より詳細には、到来角分布作成部52における複素信号生成部71は、たとえば、メモリ51に保持されたデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]をクロック周期Tsごとにメモリ51から取得する。
複素信号生成部71は、デジタル信号V1i[n],V1q[n]から複素信号S1[n]を生成する。ここで、複素信号S1[n]が示す値は複素数r+jqである。また、r、jおよびqは、それぞれデジタル信号V1i[n]が示す値、虚数単位およびデジタル信号V1q[n]が示す値である。
同様に、複素信号生成部71は、たとえばデジタル信号V2i[n],V2q[n]、V3i[n],V3q[n]およびV4i[n],V4q[n]から複素信号S2[n]、S3[n]およびS4[n]をそれぞれ生成する。以下、複素信号S1[n],S2[n],S3[n],S4[n]が示す値をそれぞれS1[n]値,S2[n]値,S3[n]値,S4[n]値とも称する。
複素信号生成部71は、生成した複素信号S1[n]〜S4[n]を移相部72へ出力する。
計算角度設定部77は、たとえば、受信電力を計算すべき到来角θである計算角度θcを0°から180°まで刻み角度dθごとに設定し、設定した計算角度θcを移相部72および配列作成部75へ出力する。
移相部72は、複素信号生成部71から複素信号S1[n]〜S4[n]を受けると、以下の処理を行う。すなわち、移相部72は、S1[n]値〜S4[n]値に含まれる位相を、計算角度設定部77から受けた計算角度θcに応じてシフトさせる。
より詳細には、移相部72は、たとえば、S1[n]値の位相をシフトせずにS1[n]値を示す複素信号S1p[n]を重ね合わせ部73へ出力する。
また、移相部72は、たとえば、S2[n]値に対してexp(j×φ)を乗ずることによりS2[n]値の位相を角度φシフトし、シフト後のS2[n]値を示す複素信号S2p[n]を重ね合わせ部73へ出力する。ここで、角度φ=(2π/λ)×d×cos(θc)である。
また、移相部72は、たとえば、S3[n]値に対してexp(j×2×φ)を乗ずることによりS3[n]値の位相を角度(2×φ)シフトし、シフト後のS3[n]値を示す複素信号S3p[n]を重ね合わせ部73へ出力する。
また、移相部72は、たとえば、S4[n]値に対してexp(j×3×φ)を乗ずることによりS4[n]値の位相を角度(3×φ)シフトし、シフト後のS4[n]値を示す複素信号S4p[n]を重ね合わせ部73へ出力する。
重ね合わせ部73は、移相部72から複素信号S1p[n]〜S4p[n]を受けると、受けた複素信号S1p[n]〜S4p[n]が示す値を加算し、加算後の複素数を示す複素信号Ss[n]を電力計算部74へ出力する。
電力計算部74は、重ね合わせ部73から複素信号Ss[n]を受けると、受けた複素信号Ss[n]の示す値の絶対値の2乗を求め、求めた値に基づいて受信電力すなわち計算角度θc方向からの到来波の受信電力Pw[n]を算出する。電力計算部74は、算出した受信電力Pw[n]を配列作成部75へ出力する。
配列作成部75は、電力計算部74から受けた受信電力Pw[n]、および計算角度設定部77から受けた計算角度θcを対応付けた分布配列Dbf[n][k]を作成し、作成した分布配列Dbf[n][k]をエリアベクトル作成部76へ出力する。
ここで、kは、たとえば、ゼロから180を刻み角度dθで除した値までの整数である。具体的には、たとえば刻み角度dθが20°である場合、kは、ゼロから9までの整数である。また、たとえば刻み角度dθが1°である場合、kは、ゼロから180までの整数である。
また、分布配列Dbf[n][k]の成分は、計算角度θcが(k×dθ)の場合における受信電力Pw[n]である。したがって、分布配列Dbf[n][k]は、到来角分布を示す。到来角分布の詳細については後述する。
エリアベクトル作成部76は、配列作成部75から受けた分布配列Dbf[n][k]を所定の手順で分割することによりエリアベクトルを作成し、作成したエリアベクトルを変化量算出部53へ出力する。
より詳細には、エリアベクトル作成部76は、たとえば、分布配列Dbf[n][k]に含まれる成分のうち、0°≦θc≦90すなわち0°≦(k×dθ)≦90°を満たすインデックスkを有する成分を抽出し、抽出した成分を含むエリアベクトルAr[n]を作成する。エリアベクトルAr[n]の成分は、主に右側電波に基づく受信電力である。
また、エリアベクトル作成部76は、たとえば、分布配列Dbf[n][k]に含まれる成分のうち、90°<(k×dθ)≦180°を満たすインデックスkを有する成分を抽出し、抽出した成分を含むエリアベクトルAl[n]を作成する。エリアベクトルAl[n]の成分は、主に左側電波に基づく受信電力である。
具体的には、エリアベクトル作成部76は、たとえば、刻み角度dθが1°である場合、分布配列Dbf[n][k=0〜180]のうち、分布配列Dbf[n][k=0〜90]を抽出し、抽出した分布配列Dbf[n][k=0〜90]を91個の成分を有するベクトルAr[n]として作成する。この際、エリアベクトル作成部76は、ベクトルAr[n]を規格化する。
また、エリアベクトル作成部76は、たとえば、分布配列Dbf[n][k=0〜180]のうち、分布配列Dbf[n][k=91〜180]を抽出し、抽出した分布配列Dbf[n][k=91〜180]を90個の成分を有するベクトルAl[n]として作成する。この際、エリアベクトル作成部76は、ベクトルAl[n]を規格化する。
エリアベクトル作成部76は、作成したエリアベクトルAr[n]およびAl[n]を変化量算出部53Rおよび53Lへそれぞれ出力する。以下、エリアベクトルAr[n]およびAl[n]の各々をエリアベクトルA[n]とも称する。
したがって、分布配列Dbf[n][k]を分割する際のインデックスkの範囲に対応して、分割された到来角θの方向が定まる。
なお、エリアベクトル作成部76は、分布配列Dbf[n][k]を2つに分割してエリアベクトルAr[n]およびAl[n]を作成したが、これに限定するものではない。エリアベクトル作成部76は、たとえば、分布配列Dbf[n][k]を3つ以上に分割して3つ以上のエリアベクトルを作成してもよい。エリアベクトル作成部76が分布配列Dbf[n][k]を分割する際のインデックスkの範囲すなわち計算角度θcの範囲は任意である。
(到来角分布)
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る到来角分布作成部がビームフォーミング法に従って作成する到来角分布の一例を示す図である。
図10を参照して、縦軸は、受信電力を示し、横軸は、到来角θを示す。図10には、たとえば、送信機151および受信機101が図7に示すように所定エリアA1に配置され、かつ所定エリアA1が無人の場合における到来角分布BF1が示される。
より詳細には、到来角分布BF1は、ビームフォーミング法に従って、刻み角度dθが1°であるときの分布配列Dbf[n][k=0〜180]に基づいて作成される。
到来角分布BF1におけるピークPk4は、たとえば、図7において送信機151からパスP4を経由して受信機101へ直接到達する電波の受信電力に主に基づくピークである。また、ピークPk5は、たとえば、図7において送信機151からパスP5を経由して壁W1に反射した後、受信機101へ到達する電波の受信電力に主に基づくピークである。
到来角分布BF1における角度方向の分解能については、アンテナ部21におけるアンテナの本数が4本であるため制限される。一方、当該分解能は、エリアAおよびエリアBのいずれにおいて人間の動作があったか否かを検出するのに十分である。
なお、アンテナ部21におけるアンテナの本数をたとえば5本以上にすることにより、分解能をさらに高めることが可能である。また、アンテナ部21におけるアンテナの本数をたとえば2本または3本にしても、エリアAおよびエリアBのいずれにおいて人間の動作があったか否かを検出するのに十分な分解能を得ることが可能である。
また、到来角分布作成部52は、ビームフォーミング法以外の方法に従って、到来角分布Cp1を作成してもよい。
図11は、本発明の第1の実施の形態に係る到来角分布作成部がCapon法に従って作成する到来角分布の一例を示す図である。
図11を参照して、縦軸は、受信電力を示し、横軸は、到来角θを示す。図11には、たとえば、送信機151および受信機101が図7に示すように所定エリアA1に配置され、かつ所定エリアA1が無人の場合における到来角分布Cp1が示される。
より詳細には、到来角分布作成部52は、たとえば、非特許文献2に記載されたCapon法に従って、S1[n]値〜S4[n]値の位相および振幅を所定の計算手順に従って変化させる。
そして、到来角分布作成部52は、変化後のS1[n]値〜S4[n]値を加算した値に基づいて分布配列Dcp[n][k]を作成する。
たとえば、到来角分布Cp1は、刻み角度dθが1°であるときの分布配列Dcp[n][k=0〜180]に基づいて作成される。
到来角分布Cp1におけるピークPk6は、図10に示すピークPk4と同様に、図7において送信機151からパスP4を経由して受信機101へ直接到達する電波の受信電力に主に基づくピークである。また、ピークPk7は、図10に示すピークPk5と同様に、図7において送信機151からパスP5を経由して壁W1に反射した後、受信機101へ到達する電波の受信電力に基づくピークである。
Capon法は、ビームフォーミング法と比べて計算処理が複雑になるが、角度方向の分解能を向上させることができる。到来角分布Cp1における角度方向の分解能は、到来角分布BF1の分解能より高く、かつエリアAおよびエリアBのいずれにおいて人間の動作があったか否かを検出するのに十分である。
Capon法およびビームフォーミング法のいずれを用いても、エリアAおよびエリアBのいずれにおいて人間の動作があったか否かを検出するのに十分である場合、計算処理が簡素なビームフォーミング法を用いる構成が好ましい。
図12は、本発明の第1の実施の形態に係る受信信号処理部における変化量算出部の構成を示す図である。
図12を参照して、変化量算出部53は、遅延部61と、内積演算部62と、積分部63とを含む。
変化量算出部53は、到来角分布作成部52によって作成された到来角分布BF1を用いて、分割された各方向の電波の変化を測定する、すなわち算出する。具体的には、変化量算出部53は、たとえば、到来角分布作成部52によって作成されたエリアベクトルAr[n]およびAl[n]を用いて、上記各方向の電波の変化を算出する。
図13は、本発明の第1の実施の形態に係る到来角分布作成部が作成する到来角分布の一例を示す図である。
図13を参照して、以下、エリアベクトルAr[n]およびAl[n]を用いて上記各方向の電波の変化を算出する方法について簡単に説明する。縦軸は、受信電力を示し、横軸は、到来角θを示す。
図13には、たとえば、刻み角度dθが20°である場合における、インデックスnに対応する破線の丸で示す到来角分布とインデックス(n+1)に対応する実線の丸で示す到来角分布とが示される。すなわち、破線の丸で示す到来角分布は、実線の丸で示す到来角分布よりクロック周期Tsだけ過去の到来角分布に相当する。
より詳細には、たとえば、受信機101の右側において人間の動作が発生し、右側電波の受信状況が変化する場合、到来角θが20°および60°における受信電力が大きくなるとともに、到来角θが40°における受信電力が小さくなる。これは、エリアベクトルAr[n]およびAr[n+1]の成分の一部が変化することを意味する。すなわち、エリアベクトルAr[n]の向きとエリアベクトルAr[n+1]の向きとが異なることを意味する。
一方、到来角θが100°〜180°における受信電力には大きな変化がない。これは、エリアベクトルAl[n]およびAl[n+1]の成分がほぼ同じであることを意味する。すなわち、エリアベクトルAl[n]の向きとエリアベクトルAl[n+1]の向きとがほぼ平行であることを意味する。
したがって、エリアベクトルAr[n]およびAr[n+1]の内積値は1を大きく下回るのに対して、エリアベクトルAl[n]およびAl[n+1]の内積値は1に近い値となる。
変化量算出部53は、時間的に連続するエリアベクトルA[n]同士の内積値に基づいて電波の受信状況の変化を算出する。
具体的には、変化量算出部53Rは、エリアベクトルAr[n]を用いて右側電波の受信状況の変化を算出する。また、変化量算出部53Lは、エリアベクトルAl[n]を用いて左側電波の受信状況の変化を算出する。
以下、変化量算出部53Rおよびしきい値判定部54Rにおいて行われるエリアベクトルAr[n]についての処理を詳細に説明する。
再び図4および図12を参照して、変化量算出部53Rにおける遅延部61は、到来角分布作成部52から受けたエリアベクトルAr[n]を、クロック周期Ts分遅延させた後、内積演算部62へ出力する。
より詳細には、遅延部61は、たとえば、到来角分布作成部52からエリアベクトルAr[n]を受けると、受けたエリアベクトルAr[n]を保持する。そして、遅延部61は、たとえば、クロック周期Ts経過した後、到来角分布作成部52から次のエリアベクトルAr[n+1]を受けると、保持しているエリアベクトルAr[n]を内積演算部62へ出力する。
内積演算部62は、到来角分布作成部52から受けたエリアベクトルAr[n+1]、および遅延部61から受けたエリアベクトルAr[n]の内積値Spr[n]を算出する。そして、内積演算部62は、たとえば、(1−Spr[n])×100を算出し、算出結果を右側変化Cr[n]として積分部63へ出力する。
積分部63は、内積演算部62から受けた右側変化Cr[n]のうち、所定周波数以上の周波数成分を減衰させてしきい値判定部54Rへ出力する。
しきい値判定部54Rは、たとえば、変化量算出部53Rにおける積分部63から受けた右側変化Cr[n]の示す値が所定のしきい値Thr以上である場合、ハイレベルの右側判定信号Srを結果統合部55へ出力する。また、しきい値判定部54Rは、たとえば、右側変化Cr[n]の示す値がしきい値Thrより小さい場合、ローレベルの右側判定信号Srを結果統合部55へ出力する。
以下、変化量算出部53Lおよびしきい値判定部54Lにおいて行われるエリアベクトルAl[n]についての処理を簡潔に説明する。すなわち、変化量算出部53Lにおける遅延部61は、到来角分布作成部52から受けたエリアベクトルAl[n]を、クロック周期Ts分遅延させた後、内積演算部62へ出力する。
内積演算部62は、到来角分布作成部52から受けたエリアベクトルAl[n+1]、および遅延部61から受けたエリアベクトルAl[n]の内積値Spl[n]から左側変化Cl[n]=(1−Spl[n])×100を算出し、算出結果を積分部63へ出力する。
積分部63は、内積演算部62から受けた左側変化Cl[n]のうち、所定周波数以上の周波数成分を減衰させてしきい値判定部54Lへ出力する。
しきい値判定部54Lは、たとえば、変化量算出部53Lにおける積分部63から受けた左側変化Cl[n]の示す値が所定のしきい値Thl以上である場合、ハイレベルの左側判定信号Slを結果統合部55へ出力する。また、しきい値判定部54Lは、たとえば、左側変化Cl[n]の示す値がしきい値Thlより小さい場合、ローレベルの左側判定信号Slを結果統合部55へ出力する。なお、しきい値ThrおよびThlは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
(侵入者が存在する方向の判定)
方向判定部15は、たとえば、監視部14の検知結果、および変化が上記所定条件を満たす電波の方向の判定結果に基づいて、所定事象の発生した方向すなわち侵入者が存在している方向を判断し、判断結果を通報部13へ出力する。
具体的には、方向判定部15は、たとえば、監視部14によって所定エリアA1における所定事象の発生が検知された場合に、変化が上記所定条件を満たす電波の方向を侵入者が存在している方向として判断し、判断結果として上記判定結果を通報部13へ出力する。
より詳細には、方向判定部15における結果統合部55は、監視部14から受けた検知信号Sd、しきい値判定部54Rから受けた右側判定信号Sr、およびしきい値判定部54Lから受けた左側判定信号Slの各レベルに基づいて、侵入者が存在している方向の判定結果を通報部13へ出力する。
図14は、本発明の第1の実施の形態に係る監視部が算出する評価値のレベル、ならびに方向判定部が算出する左側変化および右側変化のレベルの時間変化の一例を示す図である。
図14には、たとえば、人間が図7に示す通路Tr3を歩いた場合における、空間特徴量算出部42が算出する評価値Pt[n]、変化量算出部53Lが算出する左側変化Cl[n]、および変化量算出部53Rが算出する右側変化Cr[n]の時間変化が示される。なお、人間が図7に示す通路Tr1、Tr2およびTr4を歩いた場合、評価値Pt[n]、左側変化Cl[n]および右側変化Cr[n]は、たとえば図14と同様の変化を示す。
たとえば、人間が通路Tr3を歩く場合、図14に示すように評価値Pt[n]は頻繁にしきい値Thp以上となる。また、受信機101に対する左側において人間の動作が発生するので、左側変化Cl[n]が頻繁にしきい値Thl以上となる一方で、右側変化Cr[n]はしきい値Thrより小さい。
結果統合部55は、たとえば、図14に示すように評価値Pt[n]がしきい値Thp以上となるとき、すなわち監視部14からハイレベルの検知信号Sdを受けたとき、以下の処理を行う。
すなわち、結果統合部55は、たとえば、左側判定信号Slのレベルがハイレベルで、かつ右側判定信号Srのレベルがローレベルとなるとき、変化があった電波の到来角θが90°<θ<270°を満たす到来角θであると判定し、判定結果を示す左側電波変化情報を通報部13へ出力する。
図15は、本発明の第1の実施の形態に係る監視部が算出する評価値のレベル、ならびに方向判定部が算出する左側変化および右側変化のレベルの時間変化の一例を示す図である。
図15には、たとえば、人間が図7に示す通路Trpを歩いた場合における、評価値Pt[n]、左側変化Cl[n]および右側変化Cr[n]の時間変化が示される。
たとえば、人間が通路Trpを歩く場合、図15に示すように評価値Pt[n]はしばしばしきい値Thp以上となる。また、受信機101に対する右側において人間の動作が発生するので、右側変化Cr[n]がしばしばしきい値Thr以上となる一方で、左側変化Cl[n]はしきい値Thlより小さい。
結果統合部55は、たとえば、図15に示すように評価値Pt[n]がしきい値Thp以上となるとき、すなわち監視部14からハイレベルの検知信号Sdを受けたとき、以下の処理を行う。
すなわち、結果統合部55は、たとえば、左側判定信号Slのレベルがローレベルで、かつ右側判定信号Srのレベルがハイレベルとなるとき、変化があった電波の到来角θが0°≦θ≦90°または270°≦θ<360°を満たす到来角θであると判定し、判定結果を示す右側電波変化情報を通報部13へ出力する。
また、結果統合部55は、たとえば、評価値Pt[n]がしきい値Thp以上となる場合において、左側判定信号Slのレベルがローレベルとなり、かつ右側判定信号Srのレベルがローレベルとなるとき、変化があった電波の到来角θを判定できなかった旨を示す到来角不明情報を通報部13へ出力する。また、結果統合部55は、たとえば、評価値Pt[n]がしきい値Thp以上となる場合において、左側判定信号Slのレベルがハイレベルとなり、かつ右側判定信号Srのレベルがハイレベルとなるとき、判定結果を示す左側電波変化情報および右側電波変化情報を通報部13へ出力する。
通報部13は、結果統合部55から左側電波変化情報、右側電波変化情報および到来角不明情報の少なくともいずれか1つを受けると、以下の処理を行う。すなわち、通報部13は、所定エリアA1に人間が侵入したことを知らせるため、たとえば警備会社に警報信号を送信する。この際、通報部13は、たとえば、受信機101に対していずれの方向において侵入者が検知されたかを示す情報を合わせて警備会社へ送信する。
(侵入者が存在するエリアの判定)
また、結果統合部55は、たとえば、監視部14の検知結果、および判定結果に基づいて、所定事象の発生したエリアが所定エリアA1のうちのいずれのエリアであるかを判断し、判断結果を通報部13へ出力する。
そして、結果統合部55は、たとえば、所定条件を満たす電波の方向として特定の方向を判定した場合、当該特定の方向に対応するエリアにおいて所定事象が発生したとする判断を無効にする。
具体的には、受信機101は、たとえば、侵入者を検知しても無視すべき非検知対象エリアとして、右側領域および左側領域のいずれかを選択可能である。
たとえば、図7に示すように送信機151および受信機101を設置する場合において、廊下であるエリアBを歩く人間を検知してもその検知結果を無視したいとき、受信機101では、右側領域が非検知対象エリアとして選択される。したがって、上記特定の方向に対応するエリアは、右側領域となる。この場合、結果統合部55における記憶部には、非検知対象エリアとして右側領域が保持される。
結果統合部55は、監視部14から受けた検知信号Sd、しきい値判定部54Rから受けた右側判定信号Sr、およびしきい値判定部54Lから受けた左側判定信号Slの各レベルに基づいて、侵入者が存在しているエリアがエリアAおよびエリアBのいずれのエリアであるかを判断し、判断結果を通報部13へ出力する。
具体的には、結果統合部55は、たとえば、図14に示すように評価値Pt[n]がしきい値Thp以上であり、左側判定信号Slのレベルがハイレベルであり、かつ右側判定信号Srのレベルがローレベルとなるとき、左側領域、具体的にはエリアAにおいて人間の動作が発生したと判断する。そして、結果統合部55は、判断結果を示す左側領域検知情報を通報部13へ出力する。
また、結果統合部55は、たとえば、図15に示すように評価値Pt[n]がしきい値Thp以上であり、左側判定信号Slのレベルがローレベルであり、かつ右側判定信号Srのレベルがハイレベルとなるとき、右側領域、具体的にはエリアBにおいて人間の動作が発生したと判断する。結果統合部55は、たとえば、非検知対象エリアとして右側領域を記憶部に保持しているので、判断結果を通報部13へ出力しない。なお、結果統合部55は、たとえば、非検知対象エリアとして右側領域を記憶部に保持していない場合、判断結果を示す右側領域検知情報を通報部13へ出力する。
また、結果統合部55は、たとえば、評価値Pt[n]がしきい値Thp以上であり、左側判定信号Slのレベルがローレベルとなり、かつ右側判定信号Srのレベルがローレベルとなるとき、人間の動作が発生したエリアを判断できなかった旨を示すエリア不明情報を通報部13へ出力する。また、結果統合部55は、たとえば、評価値Pt[n]がしきい値Thp以上であり、左側判定信号Slのレベルがハイレベルとなり、かつ右側判定信号Srのレベルがハイレベルとなるとき、判断結果を示す左側領域検知情報および右側領域検知情報を通報部13へ出力する。
通報部13は、結果統合部55から左側領域検知情報、右側領域検知情報およびエリア不明情報の少なくともいずれか1つを受けると、以下の処理を行う。すなわち、通報部13は、所定エリアA1に人間が侵入したことを知らせるため、警備会社に警報信号を送信する。この際、通報部13は、たとえば、所定エリアA1におけるいずれのエリアにおいて侵入者が検知されたかを示す情報を合わせて警備会社へ送信する。
なお、受信信号処理部12では、2つの変化量算出部53および2つのしきい値判定部54を含む構成であるとしたが、これに限定するものではない。受信信号処理部12は、たとえば、分布配列Dbf[n][k]を分割する数に応じて、3つ以上の変化量算出部53およびしきい値判定部54を含む構成であってもよい。
[動作]
図16は、本発明の第1の実施の形態に係る受信信号処理部が侵入者の検知および侵入者が存在するエリアの判定を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。侵入検知システム201における送信機151および受信機101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図16を参照して、たとえば、受信機101におけるA/Dコンバータ35では、送信機151から受信した電波に基づいて生成されたI信号およびQ信号のサンプリングが周期的に行われる。受信信号処理部12は、たとえば、A/Dコンバータ35によるサンプリング結果であるデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]を周期的に受ける。
まず、受信信号処理部12は、A/Dコンバータ35からデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]を受けるまで待機する(ステップS102でNO)。
次に、受信信号処理部12は、A/Dコンバータ35からデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]を受けると(ステップS102でYES)、受けたデジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]に基づいて空間特徴量の評価値Pt[n]を算出する(ステップS104)。
次に、受信信号処理部12は、デジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]に基づいて右側変化Cr[n]および左側変化Cl[n]を算出する(ステップS106)。
次に、受信信号処理部12は、算出した評価値Pt[n]がしきい値Thpより小さい場合(ステップS108でNO)、A/Dコンバータ35から次のデジタル信号V1i[n+1]〜V4i[n+1]およびV1q[n+1]〜V4q[n+1]を受けるまで待機する(ステップS102)。
一方、受信信号処理部12は、算出した評価値Pt[n]がしきい値Thp以上である場合(ステップS108でYES)、以下の処理を行う。
すなわち、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]がしきい値Thr以上であり、かつ左側変化Cl[n]がしきい値Thl以上である場合(ステップS110でYES)、左側領域検知情報および右側領域検知情報を通報部13へ出力する(ステップS118)。
一方、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]がしきい値Thrより小さいか、または左側変化Cl[n]がしきい値Thlより小さい場合(ステップS110でNO)、以下の処理を行う。
すなわち、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]がしきい値Thrより小さく、かつ左側変化Cl[n]がしきい値Thl以上である場合(ステップS112でYES)、左側領域検知情報を通報部13へ出力する(ステップS120)。
一方、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]がしきい値Thr以上であり、かつ左側変化Cl[n]がしきい値Thlより小さい場合(ステップS112でNOおよびステップS114でYES)、右側領域検知情報を通報部13へ出力する(ステップS122)。
一方、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]がしきい値Thrより小さく、かつ左側変化Cl[n]がしきい値Thlより小さい場合(ステップS112でNOおよびステップS114でNO)、エリア不明情報を通報部13へ出力する(ステップS116)。
次に、受信信号処理部12は、左側領域検知情報および右側領域検知情報、左側領域検知情報、右側領域検知情報、またはエリア不明情報を通報部13へ出力した後、A/Dコンバータ35から次のデジタル信号V1i[n+1]〜V4i[n+1]およびV1q[n+1]〜V4q[n+1]を受けるまで待機する(ステップS102)。
なお、受信信号処理部12は、空間特徴量の評価値Pt[n]を算出する処理(ステップS104)、および右側変化Cr[n]および左側変化Cl[n]を算出する処理(ステップS106)を並行に行ってもよいし、順番を入れ替えて行ってもよい。
また、受信信号処理部12は、侵入者が存在しているエリアがいずれのエリアであるかについての判断結果を示す左側領域検知情報、右側領域検知情報およびエリア不明情報の代わりに、侵入者が存在している方向の判定結果を示す左側電波変化情報、右側電波変化情報および到来角不明情報をそれぞれ通報部13へ出力してもよい。
また、方向判定部15は、左側電波変化情報、右側電波変化情報および到来角不明情報と、左側領域検知情報、右側領域検知情報およびエリア不明情報との両方を通報部13へ出力可能な構成であってもよい。
また、受信信号処理部12は、たとえば、非検知対象エリアとして左側領域を保持している場合、上記ステップS118およびステップS120において、左側領域検知情報を通報部13へ出力しない。
また、受信信号処理部12は、たとえば、非検知対象エリアとして右側領域を保持している場合、上記ステップS118およびステップS122において、右側領域検知情報を通報部13へ出力しない。
また、受信信号処理部12は、たとえば、右側変化Cr[n]としきい値Thrとの大小関係、および左側変化Cl[n]としきい値Thlとの大小関係に基づいて、侵入者が存在しているエリアを独立に判定したが、これに限定するものではない。受信信号処理部12は、たとえば、以下に示すように、侵入者が存在しているエリアがエリアAおよびエリアBのいずれであるかの2値の判定を行ってもよい。
図17は、本発明の第1の実施の形態に係る受信信号処理部が侵入者の検知および侵入者が存在するエリアの判定を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図17を参照して、ステップS202〜S208の動作は、図16に示すフローチャートにおけるステップS102〜S108の動作と同様であるため、ここでは詳細な説明は繰り返さない。
次に、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]が左側変化Cl[n]より大きい場合(ステップS210でYES)、右側領域検知情報を通報部13へ出力する(ステップS212)。
一方、受信信号処理部12は、右側変化Cr[n]が左側変化Cl[n]以下となる場合(ステップS210でNO)、左側領域検知情報を通報部13へ出力する(ステップS214)。
次に、受信信号処理部12は、右側領域検知情報または左側領域検知情報を通報部13へ出力した後、A/Dコンバータ35から次のデジタル信号V1i[n+1]〜V4i[n+1]およびV1q[n+1]〜V4q[n+1]を受けるまで待機する(ステップS202)。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る方向判定部15では、監視部14が所定エリアA1における人間の動作の発生を検知した場合に、侵入者が存在している方向の判定結果および侵入者が存在しているエリアがいずれのエリアであるかについての判断結果の少なくともいずれか一方を通報部13への出力する構成であるとしたが、これに限定するものではない。方向判定部15は、監視部14における検知結果にかかわらず、上記判定結果および上記判断結果の少なくともいずれか一方を通報部13への出力する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る方向判定部15は、変化が上記所定条件を満たす電波の方向すなわち条件適合方向を侵入者が存在している方向として判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。方向判定部15は、たとえば、当該条件適合方向と異なる方向を侵入者が存在している方向として判断する構成であってもよい。
ところで、特許文献1に記載のイベント検出装置は、たとえば、所定エリア内、具体的には室内等の閉空間内に設置された状態において、当該室内の電波反射物により多重反射された電波を用いて侵入者の検知を行う。より詳細には、イベント検出装置として送信機および受信機が室内に設置された状態において、受信機は、送信機から直接自己へ到達する電波と、送信機から送信された後、室内における壁、人間および物等により反射された電波とを受信する。
上述したように、固有ベクトルは受信電波の到来方向に関するパラメータであるので、固有ベクトルと比較基準となる平時の固有ベクトルとの内積値は、閉空間における電波伝搬の平時に対する変化を間接的に示すものである。
しかしながら、受信機では、上記内積値に基づいて、閉空間において電波伝搬の変化が発生したことを検知することができるが、受信機に対していずれの方向において電波伝搬の変化が発生したかを認識することができない。
具体的には、たとえば、イベント検出装置を所定エリアにおける人間の動作の監視に用いる場合、受信機に対していずれの方向で人間の動作が発生したかを認識することができない。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、アレイ受信部11は、所定エリアA1に配置された送信機151からの電波を受信する。監視部14は、アレイ受信部11によって受信された電波に基づいて所定エリアA1における空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて所定エリアA1における人間の動作に関する所定事象、たとえば人間の動作の発生を検知する。そして、方向判定部15は、分割された各方向の電波の変化を観測し、当該各方向のうち変化が所定条件を満たす電波の方向を判定する。
このような構成により、上記所定エリアにおける所定事象の発生を検知するだけでなく、受信機101に対するいずれの方向で当該所定事象が発生したかを認識することができるので、検知精度を向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、方向判定部15は、監視部14によって所定エリアA1における上記所定事象の発生が検知された場合に、変化が所定条件を満たす電波の方向の判定結果を出力する。
このように、電波の方向の判定結果が必要となるタイミングに限定して当該判定結果を出力する構成により、当該判定結果の出力先の装置において不必要な情報を受けることを回避することができるので、当該装置における処理を簡素化することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、方向判定部15は、監視部14の検知結果、および上記判定結果に基づいて、上記所定事象の発生した方向を判断する。
このような構成により、上記所定事象の発生した方向をより正確に推定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、方向判定部15は、監視部14の検知結果、および上記判定結果に基づいて、上記所定事象の発生したエリアが所定エリアA1のうちのいずれのエリアであるかを判断する。
このような構成により、上記所定事象の発生したエリアをより正確に推定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、方向判定部15は、所定条件を満たす電波の方向として特定の方向を判定した場合、当該特定の方向に対応するエリアにおいて上記所定事象が発生したとする判断を無効にする。
このように、検知対象とすべきでないエリアにおいて上記所定事象が発生したとする判断を無効にする構成により、検知対象とするエリアにおける検知精度をより向上させることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、方向判定部15は、アレイ受信部11によって受信された電波の到来角分布BF1をビームフォーミング法に従って取得し、到来角分布BF1を用いて上記各方向の電波の変化を測定する。
このように、計算処理の軽いビームフォーミング法に従って電波の到来角分布BF1を取得する構成により、簡易な処理で上記各方向の電波の変化を測定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置では、表示部16は、所定エリアA1における人間の動作に関する上記所定事象の発生を検知すべき方向を示す。
このような構成により、送信機151および受信機101を設置するユーザは、表示部16の示す方向に従って、送信機151および受信機101を正確な向きに容易に設置することができる。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る受信機では、監視部14は、所定エリアA1における人間の動作として、所定エリアA1への人間の侵入を検知する構成であるとしたが、これに限定するものではない。監視部14は、所定エリアA1における人間の動作として、所定エリアA1に存在する人間の不審行動開始を検知する構成であってもよい。この場合も、監視部14は、空間特徴量の評価値P[n]の変動により、所定エリアA1に存在する人間の不審行動開始を検知することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る受信機では、侵入者の有無という二値的な判定を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。侵入可能性のレベルを示す指標を出力する構成であってもよい。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る監視装置と比べて、使用目的を変更した監視装置に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る侵入検知システムと同様である。
本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置すなわち受信機(監視装置)101では、検知部43が、空間特徴量算出部42によって算出された空間特徴量の評価値P[n]に基づいて、所定エリアにおける人間の動作として、所定エリアへの人間の侵入または不審行動開始を検知する。
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る見守りシステム202(監視システム)における見守り装置すなわち受信機(監視装置)101では、所定エリアにおける人間の動作として、所定エリアにおける人間、具体的には見守り対象者の無動作または少動作を検知する。
より詳細には、受信機101の受信信号処理部12における検知部43は、空間特徴量算出部42によって算出された空間特徴量の評価値P[n]に基づいて、所定エリアにおける人間の動作が無いかまたは少ないことを検知する。具体的には、たとえば、検知部43は、所定エリアにおいて、心臓発作などの異常が発生したことにより所定時間以上動いていない人間がいるか否かを監視する。この所定エリアは、たとえば、通常時には1または複数の人間が歩行等の動作を行っている領域である。
受信信号処理部12における空間特徴量算出部42は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置と同様に、初期ベクトルvnoと、デジタル信号V1i[n]〜V4i[n]およびV1q[n]〜V4q[n]が示す値に基づいて算出された固有ベクトルvob[n]との内積Spm[n]を空間特徴量として算出する。そして、空間特徴量算出部42は、観測時における空間特徴量の評価値Pt[n]として(1−Spm[n])×100を算出する。
ここで、受信機101において比較基準として用いられる初期ベクトルvnoは、たとえば所定エリアに人間が存在していないときの固有ベクトルである。
したがって、評価値P[n]が大きい値であるほど、観測時における所定エリアの状態は、1または複数の人間が動いている通常時の状態に近い。
このため、検知部43は、評価値P[n]が所定のしきい値より小さい状態が、所定時間以上継続する場合、所定エリアにおいて人間の動作が無いかまたは少ないと判断する。
具体的には、上記所定のしきい値が「10」であると仮定すると、検知部43は、空間特徴量の評価値P[n]が「10」以上である場合、所定エリアにおいて人間の動作の有る通常状態であると判断する。一方、検知部43は、空間特徴量の評価値P[n]が「10」より小さい状態が所定時間以上継続する場合、所定エリアにおいて人間の動作が無いかまたは少ない異常状態であると判断する。
また、方向判定部15は、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知装置と同様に、たとえば、受信機101への到来方向で分割された各方向の電波の変化を観測し、当該各方向のうち変化が所定条件を満たす電波の方向を判定する。
方向判定部15は、たとえば、検知部43における判断結果、および自己の判定結果を組み合わせることにより以下の情報を通報部13へ出力する。
具体的には、たとえば、受信機101の左側領域にリビングルームが含まれ、かつ右側領域に寝室が含まれるように受信機101が配置される場合において、リビングルームにおいて人間の動作が発生しているとき、方向判定部15は、以下のように判定する。
すなわち、方向判定部15は、空間特徴量の評価値P[n]が「10」以上であり、左側変化Cl[n]がしきい値Thl以上であり、かつ右側変化Cr[n]がしきい値Thrより小さいので、リビングルームにおいて人間の動作が発生したと判断する。リビングルームにおいて人間が活動することは正常であるので、方向判定部15は、正常である旨を示す情報を通報部13へ出力する。
また、たとえば、寝室において人間の動作が発生するとき、方向判定部15は、評価値P[n]が「10」以上となり、左側変化Cl[n]がしきい値Thlより小さく、かつ右側変化Cr[n]がしきい値Thr以上となるので、寝室において人間の動作が発生したと判断する。
その後、たとえば、見守り対象者が寝室で就寝することにより人間の動作の発生が無くなり、評価値P[n]が「10」より小さい状態が所定時間Tto以上継続したとき、方向判定部15は、最後に人間の動作の発生を検知したエリアが寝室であるので、寝室において人間の動作の発生が無くなったと判断する。寝室において人間が就寝することは正常であるので、方向判定部15は、正常である旨を示す情報を通報部13へ出力する。
また、たとえば、見守り対象者が寝室で寝返り等の動作を行わないとき、方向判定部15は、評価値P[n]が「10」より小さい状態が上記所定時間Ttoより長い時間継続するので、寝室において人間の動作の発生が完全に無くなったと判断する。寝室において就寝している人間の動作が完全になくなることは異常であるので、方向判定部15は、異常である旨を示す情報を通報部13へ出力する。
また、たとえば、寝室において見守り対象者が長時間にわたってもがいているとき、方向判定部15は、空間特徴量の評価値P[n]が「10」以上、左側変化Cl[n]がしきい値Thlより小さく、かつ右側変化Cr[n]がしきい値Thr以上となる状態が長時間にわたって継続するので、寝室における人間に異常が生じたと判断する。寝室において人間の動作が長時間にわたって発生することは異常であるので、方向判定部15は、異常である旨を示す情報を通報部13へ出力する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る侵入検知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る侵入検知装置では、アレイ受信部11は、所定エリアA1に配置された送信機151からの電波を受信する。監視部14は、アレイ受信部11によって受信された電波に基づいて所定エリアA1における空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて所定エリアA1における人間の動作に関する所定事象、たとえば人間の動作が無いかまたは少ないことを検知する。そして、方向判定部15は、分割された各方向の電波の変化を観測し、当該各方向のうち変化が所定条件を満たす電波の方向を判定する。
このような構成により、上記所定エリアにおける所定事象の発生を検知するだけでなく、受信機101に対していずれの方向で当該所定事象が発生したかを認識することができるので、検知精度を向上させることができる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る受信機では、人間の動作の有無または多少という二値的な判定を行なう構成であるとしたが、これに限定するものではない。人間の無動作または少動作の可能性のレベルを示す指標を出力する構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機および第2の実施の形態に係る見守りシステムにおける受信機では、空間特徴量として1次元の特徴量を用いる構成であるとしたが、これに限定するものではない。空間特徴量として多次元の特徴量を用いる構成であってもよい。たとえば、固有ベクトルそのものを特徴量ベクトルとして用いることも可能であるし、非特許文献1に記載されているような遅延プロファイルを用いることも可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る侵入検知システムにおける受信機および第2の実施の形態に係る見守りシステムにおける受信機はアレイ式電波センサであるとしたが、他の種類の電波センサであってもよい。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
所定エリアに配置される監視装置であって、
前記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された電波に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、
分割された各方向の前記電波の変化を観測し、前記各方向のうち前記変化が所定条件を満たす前記電波の方向を判定する方向判定部とを備え、
前記監視部は、前記空間特徴量として固有ベクトル同士の内積値を算出し、算出した前記内積値を用いて前記所定エリアにおける人間の動作の発生、または人間の動作が無いかもしくは少ないことを検知し、
前記方向判定部は、第1電波の受信強度の到来角分布および第2電波の受信強度の到来角分布を用いて第1エリアベクトルおよび第2エリアベクトルをそれぞれ生成し、生成した前記第1エリアベクトルおよび前記第2エリアベクトルのそれぞれについて時間的に連続するベクトル同士の内積値を前記第1電波および前記第2電波の変化として観測し、
前記方向判定部は、前記各方向のうち前記内積値が所定条件を満たす前記電波の方向を判定する、監視装置。
11 アレイ受信部
12 受信信号処理部
13 通報部
14 監視部
15 方向判定部(判断部)
16 表示部
21 アンテナ部
22 受信回路
23,25 発振器
24,26 分岐回路
31 ミキサ
32 バンドパスフィルタ(BPF)
33 ローノイズアンプ
34 直交復調器
35 A/Dコンバータ(ADC)
41 メモリ
42 空間特徴量算出部
43 検知部
51 メモリ
52 到来角分布作成部
53R,53L 変化量算出部
54R,54L しきい値判定部
55 結果統合部
61 遅延部
62 内積演算部
63 積分部
71 複素信号生成部
72 移相部
73 重ね合わせ部
74 電力計算部
75 配列作成部
76 エリアベクトル作成部
77 計算角度設定部
101 受信機(監視装置)
151 送信機
201 侵入検知システム(監視システム)
202 見守りシステム(監視システム)

Claims (9)

  1. 所定エリアに配置される監視装置であって、
    前記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された電波に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、
    分割された各方向の前記電波の変化を観測し、前記各方向のうち前記変化が所定条件を満たす前記電波の方向を判定する方向判定部とを備える、監視装置。
  2. 前記監視装置は、さらに、
    前記監視部の検知結果および前記方向判定部の判定結果に基づいて、前記所定事象の発生した方向を判断する判断部を備える、請求項1に記載の監視装置。
  3. 前記監視装置は、さらに、
    前記監視部の検知結果および前記方向判定部の判定結果に基づいて、前記所定事象の発生したエリアが前記所定エリアのうちのいずれのエリアであるかを判断する判断部を備える、請求項1または請求項2に記載の監視装置。
  4. 前記判断部は、前記方向判定部によって前記所定条件を満たす前記電波の方向として特定の方向が判定された場合、前記特定の方向に対応するエリアにおいて前記所定事象が発生したとする判断を無効にする、請求項3に記載の監視装置。
  5. 前記方向判定部は、前記受信部によって受信された電波の到来角分布をビームフォーミング法に従って取得し、前記到来角分布を用いて前記各方向の前記電波の変化を測定する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の監視装置。
  6. 前記監視装置は、さらに、
    前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知すべき方向を示す表示部を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の監視装置。
  7. 所定エリアに配置され、電波を送信する送信機と、
    前記所定エリアに配置される受信機とを備え、
    前記受信機は、
    前記送信機からの電波を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された電波に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出し、算出結果に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知する監視部と、
    分割された各方向の前記電波の変化を観測し、前記各方向のうち前記変化が所定条件を満たす前記電波の方向を判定する方向判定部とを含む、監視システム。
  8. 所定エリアに配置される監視装置における監視方法であって、
    前記所定エリアに配置された送信機からの電波を受信するステップと、
    受信した電波に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するステップと、
    算出結果に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知するステップと、
    分割された各方向の前記電波の変化を観測し、前記各方向のうち前記変化が所定条件を満たす前記電波の方向を判定するステップとを含む、監視方法。
  9. 所定エリアに配置される監視装置において用いられる監視プログラムであって、
    コンピュータに、
    前記所定エリアに配置された送信機から受信した電波に基づいて前記所定エリアにおける空間特徴量を算出するステップと、
    算出結果に基づいて前記所定エリアにおける人間の動作に関する所定事象の発生を検知するステップと、
    分割された各方向の前記電波の変化を観測し、前記各方向のうち前記変化が所定条件を満たす前記電波の方向を判定するステップとを実行させるための、監視プログラム。
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