JP2012189652A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ランニングコストの増加を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】 プリンタ制御装置は、画像形成プロセス制御において、位置ずれ検出用パターンの検出処理(ステップS305)、及び濃度検出用パターンの検出処理(ステップS307)を行った後、第1参照信号レベル及び第2参照信号レベルを参照し、検出処理の結果が有効であるか否かを判断する(ステップS309)。そして、検出処理の結果が無効と判断されると、点灯発光部を使用不可とし(ステップS311)、使用可能な発光部の中から新たに発光部を選択する(ステップS313)。そして、選択された発光部に応じて、各検出用パターンの主方向に関する作成位置を設定し(ステップS315)、再度、各検出用パターンの検出処理を行う。
【選択図】図19
【解決手段】 プリンタ制御装置は、画像形成プロセス制御において、位置ずれ検出用パターンの検出処理(ステップS305)、及び濃度検出用パターンの検出処理(ステップS307)を行った後、第1参照信号レベル及び第2参照信号レベルを参照し、検出処理の結果が有効であるか否かを判断する(ステップS309)。そして、検出処理の結果が無効と判断されると、点灯発光部を使用不可とし(ステップS311)、使用可能な発光部の中から新たに発光部を選択する(ステップS313)。そして、選択された発光部に応じて、各検出用パターンの主方向に関する作成位置を設定し(ステップS315)、再度、各検出用パターンの検出処理を行う。
【選択図】図19
Description
本発明は、画像形成装置に係り、更に詳しくは、移動体上に画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成プロセスでは、常に適正な画像が得られるように、画像の濃度制御及び位置制御が行われている。
画像の濃度制御では、先ず、互いにトナー濃度が異なる複数のパッチからなるテストパターンを、露光強度、帯電バイアス電位及び現像バイアス電位等の作像条件を異ならせて、感光体ドラムや転写ベルトに形成する。
次に、形成されたテストパターンに光を照射し、反射光を受光し、その受光量に所定のアルゴリズムによる演算を施して各パッチのトナー濃度を求める。
そして、得られた各パッチのトナー濃度と、各パッチを形成した作像条件における現像ポテンシャルとの関係に基づき、現像γと現像開始電圧Vkを求める。
なお、現像γは、現像ポテンシャルを縦軸、トナー濃度を横軸としたときに、現像ポテンシャルとトナー濃度の関係を表すγ曲線の傾きである。現像開始電圧は、γ曲線の横軸切片である。
そして、得られた現像γに基づいて、トナー濃度が適正となる現像ポテンシャルが実現されるように露光強度、帯電バイアス電位及び現像バイアス電位等の作像条件を調整する。
画像の位置制御では、感光体ドラムや転写ベルトに、互いに色の異なる複数のマークからなるテストパターンを形成する。
そして、形成されたテストパターンに光を照射し、反射光を受光し、その受光量に所定のアルゴリズムによる演算を施して、色間のマークの位置ずれを求める。
得られた位置ずれに基づいて、トナー画像の位置が適切になるように、書込タイミング及び書込位置などの作像条件を調整する。
画像の濃度制御及び位置制御を正確に行うためには、濃度検出用のパッチのトナー濃度や位置検出用のマークの位置を正しく知る必要がある。
一般には、濃度検出用のパッチや位置検出用のマークを反射型光学センサで検出し、その検出信号からパッチのトナー濃度やマークの位置を求めている。
また、濃度検出用のパッチや位置検出用のマークが形成される前の中間転写ベルトからの反射光を反射型光学センサで受光し、その後、主方向に関する同位置に濃度検出用のパッチや位置検出用のマークを形成し、そのパッチやマークの反射光を反射型光学センサで受光する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、LDやLEDからなる1つの光源と、検出方式に応じて光源との配置関係や受光部の構成が変更される受光センサとからなる反射型光学センサが開示されている。また、特許文献2には、発光部として1個のLEDを用い、このLEDからの光をパッチに照射し、反射光を2個のフォトダイオードからなる受光部で受光する反射型光学センサが開示されている。これらの反射型光学センサでは、テストパターンを照明する光スポットの大きさは2〜3mmが通常であった。
1つの濃度検出用のパッチの大きさは、該パッチが形成される移動体(例えば、中間転写ベルト)の移動方向(副方向)に直交する方向(主方向)に関して、一般的に15mm以上であった。また、副方向の大きさも一般に15mm以上であった。1つの位置検出用のマークの大きさは、一般に主方向で15mm以上であり、副方向で1mm程度であった。
これは、テストパターンの主方向の大きさを光スポットの同方向の大きさより大きくし、テストパターンと光スポットに相対的な位置誤差があっても、光スポットによりテストパターンを適正に照明できることを意図したものである。
なお、上記相対的な位置誤差としては、(1)反射型光学センサの取り付け誤差、及び発光部の取り付け誤差による光の照射方向のずれ、などによって発生する光スポットの主方向の照射位置誤差や、(2)パッチ形成位置ずれ、及び感光体ドラムや中間転写ベルトの蛇行、などによって発生するパッチの主方向の位置誤差がある。
ところで、テストパターンを形成するのに用いられるトナーは、本来の画像形成に寄与しない不寄与トナーである。このため、テストパターンの面積が大きくなれば、それに比例して不寄与トナーの消費量も多くなる。そこで、テストパターンの面積を小さくすることは、トナー消費量の観点から、画像形成に係るランニングコストの低減につながる。
不寄与トナーの消費量を低減するためには、テストパターンを構成するパッチ及びマークの面積を小さくすれば良いが、上記のように、テストパターンと光スポットに相対的な位置誤差があっても光スポットによりテストパターンが適正に照明されるように、パッチ及びマークの主方向の大きさを光スポットより大きくする必要があり、パッチ及びマークを小さくすることには限度があった。換言すれば、光スポットとの位置誤差に対する余裕度を持たせるという考え方がパッチ及びマークの小面積化を阻害していたといえる。
そこで、本出願人は、3個以上の発光部と3個以上の受光部を有する反射型光学センサを用い、従来よりも小さいテストパターンで位置検出を行うことを提案した(特許文献3参照)。
特許文献3に開示されている反射型光学センサは、光スポットを小さくしてテストパターンを複数の受光部で捕らえ、各受光部の出力状態から正確な位置を演算的に割り出すという技術思想に基づいている。
また、特許文献4には、発光素子の長寿命化を図ることを目的とし、移動中のパッチ画像形成媒体に向けて発光する発光素子と、照射範囲からの光を受光する受光素子と、発光素子を周期的に間欠発光させるとともに、受光素子によって検出される受光量を間欠発光と同期させてサンプリングし、パッチ画像の画像濃度を当該パッチ画像についてのサンプリング結果に基づき求める制御手段とを備える画像濃度検出装置が開示されている。
しかしながら、反射型光学センサの寿命は、発光部の寿命だけで決まるものではない。発光部の劣化による出力低下、受光部の劣化による受光部出力の低下、及びトナーや異物等の付着物による光の吸収や散乱による光量ロスなどが複合し、反射型光学センサのセンサ出力が低下する。すなわち、発光素子の長寿命化を図るのみで反射型光学センサの長寿命化を図ることは困難であった。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その目的は、ランニングコストの増加を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することができる画像形成装置を提供することにある。
本発明は、第1の方向に移動する移動体上にトナー画像を形成する画像形成装置において、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配列された複数の発光部を含む照射系と、該照射系から射出され前記テストパターンで反射された光を受光する複数の受光部を含む受光系とを有する反射型光学センサと、前記受光系の出力信号に基づいて、前記照射系に含まれる各発光部の有効/無効を判定する判定装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
これによれば、反射型光学センサの長寿命化を図ることが可能となり、結果として、ランニングコストの増加を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図49に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、中間転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、トナーパターン検出器2245、温湿度センサ(図示省略)及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向(回転軸方向)に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えば、パソコン、スキャナ)及び公衆回線を介した情報機器(例えば、ファクシミリ装置)との双方向の通信を制御する。そして、通信制御装置2080は、受信した情報をプリンタ制御装置2090に通知する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D変換器などを有している(図2参照)。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置及び情報機器からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置及び情報機器からの画像情報を光走査装置2010に送る。
温湿度センサは、カラープリンタ2000内の温度と湿度を検出し、プリンタ制御装置2090に通知する。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ光走査装置2010による光走査の被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転駆動機構により、図1における面内で矢印方向(時計回り)に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の詳細については後述する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って中間転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで中間転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。ところで、中間転写ベルト2040上で、トナー画像の移動する方向は「副方向」と呼ばれ、該副方向に直交する方向(ここでは、Y軸方向)は「主方向」と呼ばれている。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を中間転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。そして、転写ローラ2042により、中間転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
トナーパターン検出器2245は、中間転写ベルト2040の−X側に配置されている。このトナーパターン検出器2245については後述する。
次に、前記光走査装置2010の詳細について説明する。
光走査装置2010は、一例として図3〜図6に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つの偏向器側走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8枚の折り返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つの像面側走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源2200a、カップリングレンズ2201a、開口板2202a、シリンドリカルレンズ2204a、偏向器側走査レンズ2105a、像面側走査レンズ2107a、2枚の折り返しミラー(2106a、2108a)は、感光体ドラム2030aに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200b、カップリングレンズ2201b、開口板2202b、シリンドリカルレンズ2204b、偏向器側走査レンズ2105b、像面側走査レンズ2107b、2枚の折り返しミラー(2106b、2108b)は、感光体ドラム2030bに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200c、カップリングレンズ2201c、開口板2202c、シリンドリカルレンズ2204c、偏向器側走査レンズ2105c、像面側走査レンズ2107c、2枚の折り返しミラー(2106c、2108c)は、感光体ドラム2030cに潜像を形成するための光学部材である。
光源2200d、カップリングレンズ2201d、開口板2202d、シリンドリカルレンズ2204d、偏向器側走査レンズ2105d、像面側走査レンズ2107d、2枚の折り返しミラー(2106d、2108d)は、感光体ドラム2030dに潜像を形成するための光学部材である。
各光源は、走査制御装置によって個別に点灯及び消灯される。
各カップリングレンズは、対応する光源から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。各開口板は、開口部を有し、対応するカップリングレンズを介した光束を整形する。各シリンドリカルレンズは、対応する開口板の開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、偏向器側走査レンズ2105a、折り返しミラー2106a、像面側走査レンズ2107a、及び折り返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、偏向器側走査レンズ2105b、折り返しミラー2106b、像面側走査レンズ2107b、及び折り返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、偏向器側走査レンズ2105c、折り返しミラー2106c、像面側走査レンズ2107c、及び折り返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、偏向器側走査レンズ2105d、折り返しミラー2106d、像面側走査レンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。
各感光体ドラム上の光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラムの長手方向に移動する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」であり、感光体ドラムの回転方向が「副走査方向」である。また、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
次に、前記トナーパターン検出器2245について説明する。
このトナーパターン検出器2245は、一例として図7に示されるように、3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
そして、一例として図8に示されるように、中間転写ベルト2040における有効画像領域内で、反射型光学センサ2245aは−Y側の端部近傍に配置され、反射型光学センサ2245cは+Y側の端部近傍に配置されている。反射型光学センサ2245bは、主方向に関して、反射型光学センサ2245aと反射型光学センサ2245cの略中間位置に配置されている。
ここでは、主方向に関して、反射型光学センサ2245aの中心位置をY1、反射型光学センサ2245bの中心位置をY2、反射型光学センサ2245cの中心位置をY3とする。
3つの反射型光学センサは、いずれも同じ構成、同じ構造を有している。そこで、以下では、反射型光学センサ2245bを代表として、反射型光学センサの構成及び構造について説明する。
反射型光学センサ2245bは、一例として図9〜図12に示されるように、11個の発光部(E1〜E11)を含む照射系、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)を含む照明光学系、11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)を含む受光光学系、及び11個の受光部(D1〜D11)を含む受光系などを備えている。
11個の発光部(E1〜E11)は、主方向に沿って等しい間隔Leで配置されている。各発光部には、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。ここでは、一例として、Le=0.4mmとしている。この場合は、主方向に関して、E1とE11との間の距離は4mm(Le×10)である。また、各発光部の主方向の大きさ及び副方向の大きさは、いずれも約0.04mmである。さらに、各発光部から射出される光束の波長は850nmである。
11個の発光部(E1〜E11)は、プリンタ制御装置2090によって個別に点灯及び消灯される。なお、以下では、便宜上、点灯された発光部を「点灯発光部」と略述する。
11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)は、それぞれ11個の発光部(E1〜E11)に個別に対応している。
各照明用マイクロレンズは、対応する発光部から射出された光束を中間転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。各照明用マイクロレンズでは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。また、各照明用マイクロレンズの光軸は、対応する発光部の発光面に直交する方向に平行である。
ここでは、説明をわかりやすくするため、各発光部から射出され対応する照明用マイクロレンズを通過した光束のみが、検出用光(S1〜S11)として中間転写ベルト2040を照明するものとする(図13参照)。そして、各検出用光によって中間転写ベルト2040の表面に形成される光スポット(以下では、便宜上「検出用光スポット」と略述する)の中心は、副方向に関して、対応する発光部と受光部の中間付近にある。また、反射型光学センサの+X側で、検出用光で照明される領域を「照明領域」という。
各検出用光スポットの大きさ(直径)は、一例として、0.4mmである。この値は、上記発光部の間隔Leと等しい。なお、従来の検出用光スポットの大きさ(直径)は、通常、2〜3mm程度であった。
また、ここでは、中間転写ベルト2040の表面は滑らかであり、中間転写ベルト2040の表面に照射された検出用光のほとんどは正反射される。
11個の受光部(D1〜D11)は、それぞれ発光部(E1〜E11)に個別に対応している。
各受光部は、対応する発光部から射出され、中間転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。そして、11個の受光部の間隔(配列ピッチ)は、11個の発光部の間隔Leと等しい。各受光部の主方向の大きさ及び副方向の大きさは、いずれも約0.35mmである。また、各受光部における受光感度のピーク波長は850nm付近にある。
各受光部には、PD(フォトダイオード)を用いることができる。そして、各受光部は、受光量に応じた信号を出力する。
11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)は、それぞれ11個の受光部(D1〜D11)に個別に対応し、中間転写ベルト2040あるいはトナーパターンで反射された検出用光を集光する。この場合には、各受光部の受光量を増加させることが可能となる。すなわち、検出感度を向上させることができる。各受光用マイクロレンズでは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。
各マイクロレンズには、主方向及び副方向に関して集光機能を有する球面レンズや、副方向に関して正のパワーを持つシリンドリカルレンズ、主方向に関するパワーと副方向に関するパワーとが互いに異なるアナモフィックレンズなどを用いることができる。
ここでは、一例として、各マイクロレンズは球面レンズである。そして、各照明用マイクロレンズでは、入射側の光学面は集光パワーを有し、射出側の光学面は集光パワーを有していない。また、各受光用マイクロレンズでは、射出側の光学面は集光パワーを有し、入射側の光学面は集光パワーを有していない。
具体的には、各照明用マイクロレンズでは、レンズ径は0.414mm、レンズの曲率半径は0.430mm、レンズ厚は1.229mmである。
各受光用マイクロレンズでは、レンズ径は0.712mm、レンズの曲率半径は0.380mm、レンズ厚は1.419mmである。
ここでは、各受光用マイクロレンズのレンズ径を各照明用マイクロレンズより大きくすることで、反射光をより多く受光できるようにした。また、各受光用マイクロレンズの曲率半径を各照明用マイクロレンズに比べて小さくすることで、レンズ内部における全反射が増えるため、正反射光の受光量が減らせることが可能であると考えた。また、各受光用マイクロレンズの曲率半径を小さくすることで、点灯させる発光部に対応する受光部に隣接する受光部の前面に配置した受光用マイクロレンズ通過後の光線を大きく屈折させることが可能となり、テストパターンからの拡散反射光が受光部に到達でき、拡散反射光の受光量も増加することが期待できる。
本実施形態では、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)と11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)は、一体化され、マイクロレンズアレイとなっている。これにより、各マイクロレンズを所定位置に組み付ける際の作業性を向上させることができる。また、複数のマイクロレンズにおけるレンズ面間の位置精度を高めることができる。各レンズ面は、フォトリソグラフィやモールド成形などの加工法を用いてガラス基板や樹脂基板上に形成することができる。
なお、以下では、発光部を特定する必要がない場合には、発光部Eiと表記する。そして、発光部Eiに対応する照明用マイクロレンズを照明用マイクロレンズLEiと表記する。また、発光部Eiから射出され照明用マイクロレンズLEiを通過した光束を、検出用光Siと表記する。また、発光部Eiに対応する受光部を受光部Diと表記する。さらに、受光部Diに対応する受光用マイクロレンズを受光用マイクロレンズLDiと表記する。また、検出用光Siによる検出用光スポットを検出用光スポットSiと表記する。
また、一例として図14に示されるように、各照明用マイクロレンズの光軸は、対応する各発光部の中心を通り該発光部に垂直な軸に対して受光系側にΔd(ここでは、0.035mm)ずれている。また、各受光用マイクロレンズの光軸は、対応する各受光部の中心を通り該受光部に垂直な軸に対して照射系側にΔd’(ここでは、0.020mm)ずれている。これにより、より多くの反射光を対応する受光部に導くことができる。
そして、副方向に関して、照明用マイクロレンズLEiと受光用マイクロレンズLDiのレンズ間距離は0.445mm、発光部Eiと受光部Diの間隔は、0.500mmである。さらに、副方向に関して、発光部Eiから照明用マイクロレンズLEiまでの距離は、0.800mmであり、各マイクロレンズの−Z側の面から中間転写ベルト2040表面までの距離は、5mmである。
次に、画像形成プロセス制御で用いられるテストパターンとしてのトナーパターンについて説明する。
ここでは、一例として図15に示されるように、Y1位置にパターンPPが形成され、Y2位置にパターンPPとパターンDP1〜DP4が形成され、Y3位置にパターンPPが形成される。
パターンPPは位置ずれ検出用パターンであり、パターンDP1〜DP4は、いずれも濃度検出用パターンである。
位置ずれ検出用パターンPPは、一例として図16に示されるように、主方向(Y軸方向)に平行な4本のライン状パターン(LPM1、LPK1、LPC1、LPY1)からなる第1のパターン群と、主方向に対して傾斜した4本のライン状パターン(LPM2、LPK2、LPC2、LPY2)からなる第2のパターン群とにより構成されている。
ライン状パターンLPM1とLPM2はペアをなし、マゼンタトナーで形成され、ライン状パターンLPK1とLPK2はペアをなし、ブラックトナーで形成される。また、ライン状パターンLPC1とLPC2はペアをなし、シアントナーで形成され、ライン状パターンLPY1とLPY2はペアをなし、イエロートナーで形成される。各ライン状パターンは、ベタパターンである。
第1のパターン群では、各ライン状パターンの主方向の長さw1を1mm、副方向の長さを0.5mmとし、それらの副方向の間隔を1mmとしている。この場合は、主方向に関して、ライン状パターンの長さを、「検出用光スポットの大きさ」+「発光部間隔Le」以上とすることができる。
また、第2のパターン群では、各ライン状パターンの傾斜角を45°とし、主方向に関する長さを1mm(=w1)、線幅を0.5mmとしている。
濃度検出用パターンDP1はブラックトナーで形成され、濃度検出用パターンDP2はマゼンタトナーで形成される。また、濃度検出用パターンDP3はシアントナーで形成され、濃度検出用パターンDP4はイエロートナーで形成される。
なお、以下では、濃度検出用パターンDP1〜DP4を区別する必要がない場合には、総称して「濃度検出用パターンDP」ともいう。
濃度検出用パターンDPは、一例として図17に示されるように、5個の四角形状のパターン(p1〜p5、以下では、便宜上「矩形パターン」という)を有している。各矩形パターンは、中間転写ベルト2040の移動方向に沿って並んでおり、それぞれ全体としてみたときにトナー濃度の階調が異なっている。ここでは、トナー濃度の低い矩形パターンから、p1、p2、p3、p4、p5とする。
ここでは、一例として、各矩形パターンの主方向の長さw2を1mm、副方向の長さw3を2mmとしている。すなわち、各矩形パターンの主方向の長さw2は、発光部の間隔Le(0.4mm)と検出用光スポットの大きさ(0.4mm)の和よりも大きい。この場合は、検出用光スポットは矩形パターンを確実に照明することができ、光の利用効率を高くすることが可能である。また、副方向に関して、隣接する2つの矩形パターンの中心間隔は3mmである。
この場合は、トナーパターンを作成するのに必要なトナー量を従来の1/100程度とすることができる。すなわち、不寄与トナーの量を大幅に減少させることができる。その結果、トナーカートリッジの交換時期を延長させることができる。
ところで、トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、帯電バイアス及び現像バイアスの調整によって変えることができる。また、網点の面積率を変えることによっても、トナー濃度の階調を変化させることができる。
なお、検出用光が、中間転写ベルトのみを照明したときの反射光は、ほとんどが中間転写ベルト表面で正反射された反射光(正反射光)である(図18(A)参照)。一方、検出用光が、パターンを照明したときは、該検出用光は、トナーだけでなく下地の中間転写ベルト表面にも到達する(図18(B)参照)。そこで、パターンを照明したときの反射光は、中間転写ベルト表面で正反射された光と、少なくとも1回はトナーで反射・屈折されることにより散乱された光とに大別される。なお、後者の散乱光には、中間転写ベルト表面から正反射される方向と同一方向に散乱されるものも含まれるが、その光量は少ないものとし、また、中間転写ベルト表面から正反射される光と区別できないため、無視して考える。すなわち、前者の中間転写ベルトに起因する光を正反射寄与分、後者のトナーに起因する光を拡散反射寄与分とする。このように、パターンを照明した検出用光は、正反射されるとともに拡散反射される。
次に、画像センサ2245を用いて行われる画像形成プロセス制御処理について図19を用いて説明する。図19のフローチャートは、画像形成プロセス制御処理の際に、プリンタ制御装置2090によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップS301では、画像形成プロセス制御の要求があるか否かを判断する。ここでは、画像形成プロセス制御フラグがセットされていれば、ここでの判断は肯定され、画像形成プロセス制御フラグがセットされていなければ、ここでの判断は否定される。
画像形成プロセス制御フラグは、電源投入直後では、(1)感光体ドラムの停止時間が6時間以上のとき、(2)装置内の温度が10℃以上変化しているとき、(3)装置内の相対湿度が50%以上変化しているとき、印刷時では、(4)プリント枚数が所定の枚数に達したとき、(5)現像ローラの回転回数が所定の回数に達したとき、(6)中間転写ベルトの走行距離が所定の距離に達したときなどにセットされる。
ステップS301での判断が否定されると、画像形成プロセス制御は行われない。一方、ステップS301での判断が肯定されると、画像形成プロセス制御フラグをリセットし、ステップS303に移行する。
このステップS303では、走査制御装置に対してトナーパターンの作成を指示する。
これにより、走査制御装置は、各感光体ドラムにおける所定位置に、トナーパターンが形成されるように各ステーションを制御する。
なお、各パターンを形成するために必要なパターンの形成位置情報、濃度情報、濃度検出用パターンの各諧調に対応したバイアス条件、トナー濃度を推定するための反射型光学センサの出力の濃度変換LUT(ルック・アップ・テーブル)は、走査制御装置のメモリに予め格納されている。また、各位置ずれ検出用パターンは、同一の作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアスなど)で形成される。
そして、各パターンは、それぞれ所定のタイミングで中間転写ベルト2040に転写される。
次のステップS305では、3つの反射型光学センサについて、それぞれ位置ずれ検出用パターンの検出処理を行う。ここでは、図20に示されるように、主方向に関して、位置ずれ検出用パターンPPの中心位置が検出用光スポットS3の中心位置と略一致しているものとする。
各位置ずれ検出用パターンは、中間転写ベルトの回転に伴って副方向に移動し、各反射型光学センサからの検出用光の照射領域に近づく。位置ずれ検出用パターンが照射領域に近づくタイミングは、位置ずれ検出用パターンが形成されてからの経過時間で推測することができる。そして、位置ずれ検出用パターンが、照射領域に近づく適当なタイミングで発光部E3のパルス点灯を開始する。
ここでは、一例として図21に示されるように、各ライン状パターンが照明領域を通過するタイミングに合わせて発光部E3をパルス点灯させ、該点灯に同期して受光部D1〜D5でのサンプリングを行う。
先ず、最初のライン状パターンLPM1に先立って、照明対象物が中間転写ベルト2040のときの各受光部の受光量を取得する。中間転写ベルト2040の表面は滑らかであり、発光部E3から射出された検出用光S3の中間転写ベルト2040表面での反射は略正反射と見なすことができる。その反射光は、受光部D2〜D4の3個で受光され、残りの受光部では受光されない。なお、受光部の受光量は、該受光部の出力レベルから相対的に求めることができる。
すなわち、発光部Eiからの検出用光Siが中間転写ベルト2040表面に照射され、中間転写ベルト2040表面で正反射されるときは、該反射光は、発光部Eiに対応する受光部Diとこれに隣接する受光部Di±1でのみ受光される。
このときの受光部D1〜D5の受光量分布が図22に示されている。図22におけるD_ALLは、受光部D1〜D5の受光量の合計である。なお、受光量は、受光部D3の受光量を1として規格化されている。
続いて、ライン状パターンLPM1〜LPY2が照明されたときの受光部D1〜D5の受光量を順次取得する。
ライン状パターンLPM1が照明されたときの受光部D1〜D5の受光量分布が図23に示されている。このときは、ライン状パターンLPM1を構成するマゼンタトナーにより表面反射された正反射光と、散乱された拡散反射光とからなる反射光が、受光部D1〜D5で受光される。
ライン状パターンLPK1が照明されたときの受光部D1〜D5の受光量分布が図24に示されている。このときは、反射光は、受光部D2〜D4で受光される。
次のステップS307では、濃度検出用パターンの検出処理を行う。ここでは、反射型光学センサ2245bのみが使用される。また、図25に示されるように、主方向に関して、矩形パターンの中心と検出用光スポットS3の中心とが略一致しているものとする。
各濃度検出用パターンは、中間転写ベルトの回転に伴って副方向に移動し、反射型光学センサ2245bからの検出用光の照射領域に近づく。最初の濃度検出用パターンDP1が照射領域に近づくタイミングは、濃度検出用パターンDP1が形成されてからの経過時間で推測することができる。そして、濃度検出用パターンDP1が、照射領域に近づく適当なタイミングで発光部E3のパルス点灯を開始する。
先ず、濃度検出用パターンDP1の矩形パターンp1に先立って、照明対象物が中間転写ベルト2040のときの各受光部の受光量を取得する。このときの受光部D1〜D5の受光量分布が図26に示されている。
続いて、各矩形パターンが照明されたときの受光部D1〜D5の受光量及び受光部D10〜D12の受光量を順次取得する。ここでは、各矩形パターンが照明領域を通過するタイミングに合わせて発光部E3をパルス点灯させ、矩形パターンが照明領域の中心付近を通過するタイミングで、受光部D1〜D5でのサンプリングを1回行う。
検出用光S3が濃度検出用パターンDP2の矩形パターンp1〜p5を照明したときの受光部D1〜D5の受光量が図27〜図31に示されている。
次のステップS309では、上記位置ずれ検出用パターンの検出処理及び濃度検出用パターンの検出処理が有効であるか否かを判断する。
ここでは、照明対象物が中間転写ベルトのときの受光部D3の出力信号の信号レベル(「第1参照信号レベル」という)、及び照明対象物がベタトナーで作成されたトナーパターンのときの受光部D1、D5の出力信号の信号レベル(「第2参照信号レベル」という)を参照し、上記各検出処理が有効であるか否かを判断する。ここでは、一例として、ベタトナーで作成されたトナーパターンとして、ライン状パターンLPM1、ライン状パターンLPM2、濃度検出用パターンDP2のp5のいずれかを用いる。
先ず、第1参照信号レベルについて検討する。
(A)第1参照信号レベルについて
反射型光学センサの各発光部は、所定の発光パワーで点灯するように、供給電流値で制御されている。ところで、発光部に供給できる電流値はそのデバイス特性から上限値及び下限値(仕様値)が決められている。そして、反射型光学センサでは、照明対象物が中間転写ベルトのときに、点灯発光部に対応する受光部の出力信号の信号レベルVsgが第1の基準レベル(ここでは、4.0V)となるように設定されている。
反射型光学センサの各発光部は、所定の発光パワーで点灯するように、供給電流値で制御されている。ところで、発光部に供給できる電流値はそのデバイス特性から上限値及び下限値(仕様値)が決められている。そして、反射型光学センサでは、照明対象物が中間転写ベルトのときに、点灯発光部に対応する受光部の出力信号の信号レベルVsgが第1の基準レベル(ここでは、4.0V)となるように設定されている。
反射型光学センサの使用回数が増加し、発光部が劣化すると、同一の供給電流値であっても発光パワーの低下が生じる。また、受光部の劣化、及びトナーや異物等の付着による光量ロスも生じる。この場合は、供給電流値を仕様値内で調整することによって、上記信号レベルVsgが第1の基準レベルとなるようにしている。
しかしながら、反射型光学センサの使用回数がさらに増加すると、供給電流値を仕様値内で調整しても、上記信号レベルVsgを第1の基準レベルとすることができなくなってくる。
そこで、本実施形態では、反射型光学センサとしての検出性能を維持するための上記信号レベルVsgの許容範囲(「第1の許容範囲」ともいう)を、第1の基準レベル×0.9〜第1の基準レベル×1.1(ここでは、3.6V〜4.4V)と設定した。
そして、第1参照信号レベルが、上記第1の許容範囲内でなければ、上記各検出処理を無効と判断し、ステップS309に移行する。一方、第1参照信号レベルが、上記第1の許容範囲内であれば、第2参照信号レベルについて検討する。
(B)第2参照信号レベルについて
例えば、点灯発光部が発光部Eiで、照明対象物がラインパターンLPM1のとき、受光部D(i−2)及び受光部D(i+2)は、拡散反射光のみを受光する。ここで、上記信号レベルVsgが第1の基準レベルとなるように調整されているときの受光部D(i−2)及び受光部D(i+2)の出力信号の信号レベル(Vpmとする)を第2の基準レベル(ここでは、0.4V)とする。
例えば、点灯発光部が発光部Eiで、照明対象物がラインパターンLPM1のとき、受光部D(i−2)及び受光部D(i+2)は、拡散反射光のみを受光する。ここで、上記信号レベルVsgが第1の基準レベルとなるように調整されているときの受光部D(i−2)及び受光部D(i+2)の出力信号の信号レベル(Vpmとする)を第2の基準レベル(ここでは、0.4V)とする。
そして、本実施形態では、反射型光学センサとしての検出性能を維持するための上記信号レベルVpmの許容範囲(「第2の許容範囲」ともいう)を、第2の基準レベル×0.9〜第2の基準レベル×1.1(ここでは、0.36V〜0.44V)と設定した。
そして、第2参照信号レベルが、上記第2の許容範囲内であれば、上記各検出処理を有効と判断し、第2の許容範囲内でなければ、上記各検出処理を無効と判断する。
ステップS309において、上記各検出処理が無効であれば、ステップS309での判断は否定され、ステップS311に移行する。
このステップS311では、上記各検出処理で使用された発光部(ここでは、発光部E3)が使用不可であることをメモリに保存する。
次のステップS313では、使用可能な発光部の中から新たに上記各検出処理で使用する発光部(例えば、発光部E9)を選択する。
次のステップS315では、新たに選択された発光部に応じて、トナーパターンの主方向に関する作成位置を設定する。そして、上記ステップS303に戻る。
以降、ステップS309での判断が肯定されるまで、ステップS303〜ステップS315の処理を繰り返す。
一方、ステップS309において、上記各検出処理が有効であれば、ステップS309での判断は肯定され、ステップS321に移行する。
このステップS321では、上記位置ずれ検出用パターンの検出結果に基づいて、位置ずれ量の演算処理を行う。なお、この演算では、正反射光を用いる方式と拡散反射光を用いる方式とがあるが、正反射光を用いる方式が一般的であるので、ここでは、正反射光を用いる方式で説明する。
正反射光は3つの受光部(D2、D3、D4)で受光されているが、演算を簡略化するため、受光部D3の受光量のみを用いることとする。照明対象物が中間転写ベルト及びライン状パターンのいずれであっても、正反射光に着目すれば、受光部D2及び受光部D4の受光量は、受光部D3の受光量に比べて非常に小さいため、受光部D3の受光量のみで十分である。
受光部D3の出力信号が図32に示されている。なお、照明対象物が中間転写ベルトのときに、点灯発光部に対応する受光部の出力がほぼ4Vとなるように、点灯発光部の発光パワーが調整されている。この調整は、点灯発光部に供給する電流値の制御で行われる。
受光部D3の出力信号は、照明対象物が中間転写ベルトからライン状パターンになると、レベルが低下する。また、受光部D3の出力信号は、照明対象物がブラックトナーのときはカラートナーのときよりもレベル低下が大きい。さらに、受光部D3の出力信号は、照明対象物が第2のパターン群のときは第1のパターン群のときよりもレベル低下の幅が大きい。
そして、ライン状パターンLPM1を検出してからライン状パターンLPK1を検出するまでの時間Tkm1、ライン状パターンLPK1を検出してからライン状パターンLPC1を検出するまでの時間Tkc1、ライン状パターンLPK1を検出してからライン状パターンLPY1を検出するまでの時間Tky1を求める(図33参照)。
また、ライン状パターンLPM2を検出してからライン状パターンLPK2を検出するまでの時間Tkm2、ライン状パターンLPK2を検出してからライン状パターンLPC2を検出するまでの時間Tkc2、ライン状パターンLPK2を検出してからライン状パターンLPY2を検出するまでの時間Tky2を求める(図33参照)。
そして、時間Tkm1、時間Tkc1、及び時間Tky1をそれぞれ予め得られている基準時間と比較し、その時間差ΔT1から、次の(1)式を用いて、ブラックのトナー画像に対する、副方向に関するマゼンタ、シアン、及びイエローの各トナー画像の位置ずれ量ΔS1を求める(図34(A)参照)。ここで、Vは中間転写ベルト2040の副方向への移動速度である。
ΔS1=V・ΔT1 ……(1)
また、時間Tkm2、時間Tkc2、及び時間Tky2をそれぞれ予め得られている基準時間と比較し、その時間差ΔT2から、次の(2)式を用いて、ブラックのトナー画像に対する、主方向に関するマゼンタ、シアン、及びイエローの各トナー画像の位置ずれ量ΔS2を求める(図34(B)参照)。ここで、θはライン状パターンの主方向に対する傾斜角(ここでは、45°)である。
ΔS2=V・ΔT2・cotθ ……(2)
次のステップS323では、上記濃度検出用パターンの検出結果に基づいて、トナー濃度の演算処理を行う。なお、以下では、照明対象物が中間転写ベルト2040のときの各受光部の受光量をそれぞれ「基準受光量」ともいい、照明対象物が矩形パターンのときの各受光部の受光量をそれぞれ「検出受光量」ともいう。
ここでは、矩形パターン毎に、各受光部の検出受光量を拡散反射光による受光量と正反射光による受光量とに分離する。以下では、照明対象物が濃度検出用パターンDP1の矩形パターンp1のときを例として説明する。
(1)受光部D3の受光量について
受光部D3は点灯発光部E3に対応する受光部であるため、この受光部D3の検出受光量は全て正反射光による受光量であると仮定する。一般的に、トナーパターンの反射率は、中間転写ベルト2040の反射率よりも低いため、受光部D3の検出受光量は1(基準受光量)よりも小さくなっている。
受光部D3は点灯発光部E3に対応する受光部であるため、この受光部D3の検出受光量は全て正反射光による受光量であると仮定する。一般的に、トナーパターンの反射率は、中間転写ベルト2040の反射率よりも低いため、受光部D3の検出受光量は1(基準受光量)よりも小さくなっている。
(2)受光部D1及び受光部D5の受光量について
受光部D1及び受光部D5では、基準受光量はいずれも0であった。そこで、受光部D1及び受光部D5の検出受光量は、いずれも、その全てが拡散反射光による受光量である。
受光部D1及び受光部D5では、基準受光量はいずれも0であった。そこで、受光部D1及び受光部D5の検出受光量は、いずれも、その全てが拡散反射光による受光量である。
(3)受光部D2の受光量について
受光部D2では、基準受光量は0ではなかった。そこで、受光部D2の検出受光量は、正反射光と拡散反射光とが混在した光による受光量である。
受光部D2では、基準受光量は0ではなかった。そこで、受光部D2の検出受光量は、正反射光と拡散反射光とが混在した光による受光量である。
正反射光について考えてみると、受光部D2の検出受光量と受光部D3の検出受光量の比率は、受光部D2の基準受光量と受光部D3の基準受光量の比率と一致するはずである。
そこで、受光部D2の基準受光量を受光部D3の基準受光量で除した値(比率Aとする)を求める。
そして、受光部D3の検出受光量に比率Aを乗じる。ここで得られた値が、受光部D2の検出受光量に含まれる正反射光による受光量(受光量aとする)である。
次に、受光部D2の検出受光量から上記受光量aを差し引く。ここで得られた値が、受光部D2の検出受光量に含まれる拡散反射光による受光量である。
(4)受光部D4の受光量について
この受光部では、基準受光量は0ではなかった。そこで、受光部D4の検出受光量は、正反射光と拡散反射光とが混在した光による受光量である。
この受光部では、基準受光量は0ではなかった。そこで、受光部D4の検出受光量は、正反射光と拡散反射光とが混在した光による受光量である。
正反射光について考えてみると、受光部D4の検出受光量と受光部D3の検出受光量の比率は、受光部D4の基準受光量と受光部D3の基準受光量の比率と一致するはずである。
そこで、受光部D4の基準受光量を受光部D3の基準受光量で除した値(比率Bとする)を求める。
そして、受光部D3の検出受光量に比率Bを乗じる。ここで得られた値が、受光部D4の検出受光量に含まれる正反射光による受光量(受光量bとする)である。
次に、受光部D4の検出受光量から上記受光量bを差し引く。ここで得られた値が、受光部D4の検出受光量に含まれる拡散反射光による受光量である。
このようにして、各受光部の検出受光量を、正反射光による受光量と拡散反射光による受光量とに分離することができる。
濃度検出用パターンDP2の矩形パターンp1〜p5における、正反射光による受光量及び拡散反射光による受光量が、図35〜図44に示されている。
次に、矩形パターン毎に、正反射光による受光量の合計値(M1とする)、及び拡散反射光による受光量の合計値(M2とする)を求める。
各照明対象物の正反射光による受光量の合計値M1が図45に示されている。また、照明対象物が中間転写ベルト2040のときの合計値M1を1としたときの、各矩形パターンの正反射光による受光量の合計値M1が図46に示されている。これらによると、合計値M1はトナー濃度が高くなるにつれて単調に減少している。これは、トナー濃度が高いほど多くのトナーが付着しているため、正反射する光が減少するためであり、トナー濃度と合計値D1は1対1で対応している。そこで、合計値M1の計測値から、その照明対象物のトナー濃度を知ることができる。
各照明対象物の拡散反射光による受光量の合計値M2が図47に示されている。これによると、合計値M2は、トナー濃度に対して単調な関数になっていない。なお、直感的には、トナー濃度が高いほど多くのトナーが付着しているため、拡散反射する光が増加し、合計値D2はトナー濃度が高くなるにつれて単調に増加すると思われがちであるが、拡散反射光による受光量は、検出受光量から正反射光による受光量を減算して求めているため、単調に増加していないものと考えられる。そこで、合計値M2の計測値から、その照明対象物のトナー濃度を知ることは、不可能ではないが必ずしも容易ではない。
各照明対象物の合計値M2/合計値M1が図48に示されている。また、合計値M2/合計値M1の最大値を1としたときの、各照明対象物の合計値M2/合計値M1が図49に示されている。これらによると、合計値M2/合計値M1はトナー濃度が高くなるにつれて単調に増加している。そこで、合計値M2/合計値M1からでも、その照明対象物のトナー濃度を知ることができる。
なお、合計値M1とトナー濃度との関係、あるいは(合計値M2/合計値M1)とトナー濃度との関係があらかじめ求められ、濃度テーブルとしてROMに格納されている。
そこで、プリンタ制御装置2090は、上記濃度テーブルを参照し、矩形パターン毎に、サンプリング毎に、合計値M1、あるいは(合計値M2/合計値M1)に基づいてトナー濃度を求める。そして、ステップS327に移行する。
このステップS327では、画像形成プロセス条件を調整する。
ここでは、先ず、上記位置ずれ検出処理で検出された位置ずれ量に基づいて、ブラックのトナー画像に対する副方向のずれ量が0となるように、例えば、対応する画像形成ステーションにおける画像の書き出しタイミングの変更を走査制御装置に指示する。また、ブラックのトナー画像に対する主方向のずれ量が0となるように、例えば、対応する画像形成ステーションにおける画素クロックの位相調整を走査制御装置に指示する。
次に、上記濃度検出処理で得られたトナー濃度に基づいて、トナーの色毎に、トナー濃度のずれ量を求める。そして、トナー濃度のずれ量が0となるように、或いは、トナー濃度のずれ量が許容限内となるようにトナー濃度に関連する各種調整を行う。
例えば、トナー濃度のずれ量に応じて、対応する画像形成ステーションにおいて、光源から射出される光束のパワー、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティ、帯電バイアス、現像バイアス(例えば、特開2009−216930号公報参照)の少なくともいずれかを調整する。
ところで、画像濃度を維持するための画像濃度制御には、現像ポテンシャル制御、及び階調制御がある。
現像ポテンシャル制御では、所望の画像濃度(例えばベタ濃度)を確保するために、現像ポテンシャル(現像バイアス−ベタ露光電位)の制御を行う。すなわち、濃度検出用パターンから得られたトナー濃度と現像ポテンシャルとの関係より、現像γと現像開始電圧Vkを求める。そして、次の(3)式を用いて、所望の画像濃度を確保するために必要な現像ポテンシャルを決定し、これに基づいて、作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアス)を決定している。
必要な現像ポテンシャル[−kV]=所望の画像濃度(トナー濃度)[mg/cm2]/現像γ[(mg/cm2)/(−kV)]+現像開始電圧Vk[−kV] ……(3)
トナーの帯電量と現像ポテンシャルとが一定であれば、現像γはほぼ維持されるが、温度や湿度の変化がある環境ではトナーの帯電量の変化が避けられず、中間調領域の階調性が変化してしまう。それを補正するために階調制御が行われる。階調制御も現像ポテンシャル制御と同等の濃度検出用パターンを用いることができる。
階調制御では、得られた階調性と目標とする階調性との偏差がなくなるように階調補正用LUT(ルック・アップ・テーブル)が適宜変更される。具体的には、その都度、新しい階調補正用LUTに書き換える方法や、予め用意した複数の階調補正用LUTから最適なものを選択する方法などがある。
以上説明したように、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置2010と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)と、各感光体ドラムからトナー画像が転写される中間転写ベルト2040と、中間転写ベルト2040に転写されたトナーパターンを検出するためのトナーパターン検出器2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
トナーパターン検出器2245は、3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
各反射型光学センサは、主方向に沿って等間隔Leで配置された11個の発光部(E1〜E11)を含む照射系、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)を含む照明光学系、11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)を含む受光光学系、及び11個の受光部(D1〜D11)を含む受光系などを備えている。
プリンタ制御装置2090は、第1参照信号レベル及び第2参照信号レベルを参照し、位置ずれ検出用パターンの検出結果及び濃度検出用パターンの検出結果が有効であるか否かを判断する。
そして、プリンタ制御装置2090は、各検出用パターンの検出結果が無効であれば、点灯発光部を使用不可とし、使用可能な発光部の中から新たに発光部を選択する。そして、プリンタ制御装置2090は、選択された発光部に応じて、各検出用パターンの主方向に関する形成位置を設定し、再度、各検出用パターンの検出処理を行う。
この場合は、反射型光学センサの長寿命化を図ることが可能となり、結果として、ランニングコストの増加を招くことなく、高品質の画像を安定して形成することができる。
また、本実施形態に係る反射型光学センサは、1つのセンサに発光部が複数あり、検出用光による光スポットが主方向に並んで形成されるため、主方向に沿って複数列配置されたトナーパターンを同時に照明することができる。
また、受光部も複数あり、点灯される発光部に応じて役割(正反射光を受光する場合、拡散反射光を受光する場合、あるいはその両方)が変化することにより、受光部出力を正反射光の寄与分と拡散反射光の寄与分とに分離することが可能である。このことから、1つの反射型光学センサで主方向に沿って複数列配置されたテストパターンを同時に検出することができる。
複数の発光部を順次点灯/消灯させて、主方向に沿って複数列配置されたテストパターンを照明する場合、厳密に言えば、照明タイミングにわずかな時間差があるが、ほとんど同時検出と見なしても良い。
また、発光部が微小であることから、光スポットを小さくでき、テストパターンのサイズを小さくすることができる。さらに、発光部と、対応する受光部とが近接していることにより、中間転写ベルト及びテストパターンへの検出用光の入射角、反射角を小さくでき、中間転写ベルトがトナーの影になってしまうシャドーファクターの影響や、中間転写ベルト表面の振動的なばたつき(反射型光学センサと中間転写ベルトの距離変動)による検出誤差の影響を低減することができる。
また、テストパターンを構成するライン状パターンや矩形パターンを小さくすることができるので、画像形成に寄与しない不寄与トナーの消費量を低減することができる。
なお、上記実施形態では、各検出用パターンの検出結果が有効であるか否かを判断する際に、点灯発光部が発光部E3で、照明対象物が中間転写ベルトのとき、受光部D3の出力信号の信号レベルのみを参照する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、受光部D1〜受光部D5の出力信号の信号レベルを参照しても良い。この場合、いずれか1つの受光部の出力信号の信号レベルが予め設定されている範囲内にないときに、各検出用パターンの検出結果は無効であると判断する。
また、上記実施形態では、各検出用パターンの検出結果が有効であるか否かを判断する際に、点灯発光部が発光部E3で、照明対象物がマゼンタトナーで作成されたトナーパターンのとき、受光部D1、D5の出力信号の信号レベルの少なくとも一方を参照する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、受光部D1〜受光部D5の出力信号の信号レベルを参照しても良い。この場合、いずれか1つの受光部の出力信号の信号レベルが予め設定されている範囲内にないときに、各検出用パターンの検出結果は無効であると判断する。
また、上記実施形態において、各検出用パターンの検出結果が有効であるか否かを判断するための判定用パターンを形成しても良い。この判定用パターンとして、前記LPM1と同様なライン状パターンを用いると、上記実施形態と同様にして、各検出用パターンの検出結果が有効であるか否かを判断することができる。この場合、一例として図50のフローチャートに示されるように、判定用パターンを各検出用パターンに先立って作成し、点灯発光部に対応する受光部の出力信号の信号レベルが予め設定されている有効範囲内であることを確認してから、各検出用パターンを作成しても良い。
また、この場合は、一例として図51のフローチャートに示されるように、画像形成プロセス制御処理とは別に、任意のタイミングで反射型光学センサの寿命判定処理を行っても良い。
最初のステップS501では、走査制御装置に対して判定用パターンの作成を指示する。
次のステップS503では、点灯発光部の番号を示すカウンタiに初期値1をセットするとともに、定数Nに発光部の数をセットする。
次のステップS505では、発光部Eiを点灯させる。ここでは、発光部Eiからの検出用光で判定用パターンは照明される。
次のステップS507では、発光部Eiに対応する受光部の出力を取得する。
次のステップS509では、発光部Eiを消灯させる。
次のステップS511では、カウンタiの値が定数Nの値と等しいか否かを判断する。ここでは、カウンタiの値は1なので、ここでの判断は否定され、ステップS513に移行する。
このステップS513では、カウンタiの値に1を加算する。そして、上記ステップS505に戻る。
以降、ステップS511での判断が肯定されるまで、ステップS505〜ステップS513の処理を繰り返す。
カウンタiの値が定数Nの値と等しくなると、ステップS511での判断が肯定され、ステップS515に移行する。
このステップS515では、発光部毎に、発光部が点灯されたときに対応する受光部の出力信号の出力レベルが予め設定されている有効範囲内であれば「有効」、有効範囲内でなければ「無効」と判定する。
次のステップS517では、判定結果を保存し、寿命判定処理を終了する。
そこで、画像形成プロセス制御処理では、保存されている判定結果を参照して点灯発光部を選択し、選択された点灯発光部に応じて、トナーパターンを作成するときの副方向に関する位置を設定する。
また、上記実施形態において、各検出用パターンの検出結果が有効であるか否かを判断する際に、照明対象物が中間転写ベルトのときの点灯発光部に対応する受光部の出力信号の信号レベルのみを参照しても良い。この場合、一例として図52のフローチャートに示されるように、点灯発光部に対応する受光部の出力信号の信号レベルが予め設定されている有効範囲内であることを確認してから、各検出用パターンを作成しても良い。
また、この場合は、一例として図53のフローチャートに示されるように、画像形成プロセス制御処理とは別に、任意のタイミングで反射型光学センサの寿命判定処理を行っても良い。
中間転写ベルトが、表面の平滑性の高いPI(ポリイミド)などでできていると、中間転写ベルトからの正反射光を受光した受光部の出力は、拡散反射光を受光したときの出力よりも大きい。そこで、正反射光を受光する受光部の出力のみでも寿命判定を行うことが可能であり、寿命判定に要する処理時間を短縮することができる。
また、表面の平滑性が低い弾性ベルトなどでは、テストパターンを用いなくても弾性ベルト表面で拡散反射が生じるため、正反射光及び拡散反射光のいずれを利用しても寿命判定が可能である。この場合、判定用パターンを形成する必要すらないため、寿命判定処理を、より自由に実施することができる。
なお、画像形成プロセス制御処理に合わせて、寿命判定処理を行うと、突発的な事象によるセンサ出力の低下に対処することができる。
また、カラープリンタ2000が設置されてからの経過時間に応じて上記寿命判定処理を行っても良い。例えば、統計的あるいは経験的に経時変化が見られないと予想できる期間を経過してから寿命判定処理を行うようにしても良い。また、カラープリンタ2000が設置されてからの経過時間に応じて寿命判定処理を行う頻度を変えても良い。例えば、上記予想できる期間までは、寿命判定処理を行う頻度を低くし、該予想できる期間を経過すると頻度を高くしても良い。
また、発光部の累積点灯時間に応じて寿命判定処理を行っても良い。例えば、累積点灯時間が予め設定されている時間を超えた発光部に対して寿命判定処理を行っても良い。また、この寿命判定処理を、画像形成プロセス制御処理に合わせて行っても良い。
なお、受光部の検出受光量を拡散反射光による受光量と正反射光による受光量とに分離する方法については、上記実施形態での方法に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、発光部がパルス点灯される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、発光部が連続点灯されても良い。
また、上記実施形態において、トナーパターンの主方向に関する位置が明確でない場合には、例えば、3つの発光部(E3、E4、E5)を順次にパルス点灯させて主方向に並ぶ光スポットの列を形成すると、3つの検出用光スポット(S3、S4、S5)の少なくともいずれかでトナーパターンを照明することができる。
また、上記実施形態において、一例として図54に示されるように、中間転写ベルト2040における有効画像領域外に反射型光学センサを配置しても良い。この場合は、印字プロセスを停止させることなく、画像形成プロセス制御を行うことが可能となり、画像形成装置の操作性を向上させることができる。
ところで、画像形成装置の小型化のために、主方向の中間転写ベルトの幅をできるだけ小さくしたい。これは、それに伴って画像形成プロセスに必要な各装置(例えば帯電装置や現像装置など)も小さくすることができからである。有効画像領域外に反射型光学センサを配置する場合、主方向の中間転写ベルトの幅は、有効画像領域の幅と、反射型光学センサで検出されるトナーパターンの幅で決まってくるため、上記実施形態の反射型光学センサを用いることは、大きなメリットとなる。
また、上記実施形態では、中間転写ベルトの表面が滑らかで、該表面での反射が正反射のみであるの場合を説明したが、これに限定されるものではなく、表面が滑らかでなく表面での反射が拡散反射を含むような中間転写ベルトであっても良い。この場合、何らかの手段を用いて正反射体による各受光部の出力分布が測定できれば、それを用いて各受光部の出力を正反射光の寄与分と拡散反射光の寄与分とに分離することが可能である。例えば、予め正反射体を用いて各受光部の出力分布を測定し、その測定結果をメモリに格納しておいても良い。また、中間転写ベルトの一部に表面が滑らかな部分を形成し、この部分での正反射光を検出しても良い。さらに、可動式の正反射体を画像形成装置中に備えておき、必要に応じてその正反射体を移動させて照明対象物としても良い。
また、上記実施形態では、ライン状パターンの主方向に関する長さが1mmの場合について説明したが、これに限定されるものではない。一例として図55に示されるように、ライン状パターンの主方向に関する長さが1.2mmであっても良い。この場合は、3つの発光部(例えば、E3、E4、E5)を点灯発光部とすることができる。該3つの発光部は、時分割で点灯/消灯がなされる(図56参照)。そして、発光部毎に得られた結果を平均化することにより検出精度を向上させることができる。また、最大値、最小値あるいは異常値を除去して検出精度を向上させることもできる。
なお、この場合に、一例として図57に示されるように、2つの発光部(例えば、E3、E4)を点灯発光部とすることができる。このときは、発光部毎に得られた結果を平均化することにより検出精度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、各濃度検出用パターンDPが5個の矩形パターンを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態における発光部の数、及び受光部の数は一例であり、これに限定されるものではない。中間転写ベルト上のトナーパターンの主方向に関する位置精度に応じて、反射型光学センサにおける発光部の数、及び点灯発光部の数を設定しても良い。
また、上記実施形態では、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)と11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)が一体化されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、全ての反射型光学センサが同一個数の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、反射型光学センサに処理装置を設け、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、該処理装置が行っても良い。
また、上記実施形態において、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、走査制御装置が行っても良い。
また、上記実施形態では、4色のトナーが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、5色あるいは6色のトナーが用いられる場合であっても良い。
また、上記実施形態では、画像センサ2245が、中間転写ベルト2040上のトナーパターンを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム表面のトナーパターンを検出しても良い。なお、感光体ドラムの表面は、中間転写ベルト2040と同様に正反射体に近い。
また、上記実施形態において、トナーパターンを記録紙に転写し、該記録紙上のトナーパターンを、画像センサ2245で検出しても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置が、感光体ドラム上のトナー画像を一旦中間転写ベルト上に転写し、この中間転写ベルト上からシート状の記録媒体へ転写する中間転写方式の画像形成装置である場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、感光体ドラム上のトナー画像を直接にシート状の記録媒体上に転写する直接転写方式の画像形成装置であっても良い。この場合は、シート状の記録媒体を搬送する無端ベルトである直接転写ベルトが移動体となる。
また、上記実施形態では、画像形成装置として、カラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
また、上記実施形態において、位置ずれ検出用パターンの検出処理と濃度検出用パターンの検出処理の順番が逆であっても良い。この場合は、その順番に応じてトナーパターンが形成される。
また、上記実施形態において、トナーパターンの主方向に関する位置を推定するためのパターンが形成されても良い。
また、上記実施形態において、トナー濃度の検出処理では、1つの矩形パターンについて、受光部出力のサンプリングが1回であっても良いし、複数回であっても良い。複数回のときは、得られた濃度データの全てを平均化しても良いし、異常値、最大値及び最小値の少なくとも一方、を除いて平均化しても良い。
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、ランニングコストの増加を招くことなく、高品質の画像を安定して形成するのに適している。
2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置(パターン作成装置の一部)、2030a〜2030d…感光体ドラム、2040…中間転写ベルト(移動体)、2090…プリンタ制御装置(判定装置)、2245…トナーパターン検出器、2245a、2245b、2245c…反射型光学センサ、D1〜D11…受光部、DP1〜DP4…濃度検出用パターン、E1〜E11…発光部、LD1〜LD11…受光用マイクロレンズ、LE1〜LE11…照明用マイクロレンズ、LPM1,LPK1,LPC1,LPY1,LPM2,LPK2,LPC2,LPY2…ライン状パターン、p1〜p5…矩形パターン、PP…位置ずれ検出用パターン。
Claims (14)
- 第1の方向に移動する移動体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配列された複数の発光部を含む照射系と、該照射系から射出され前記テストパターンで反射された光を受光する複数の受光部を含む受光系とを有する反射型光学センサと、
前記受光系の出力信号に基づいて、前記照射系に含まれる各発光部の有効/無効を判定する判定装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記照射系は、前記第2の方向に沿って配列された少なくとも3つの発光部を含み、前記受光系は、少なくとも3つの受光部を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記判定装置は、前記照射系に含まれる一の発光部を点灯させて前記移動体の表面を照明し、前記受光系の出力信号に基づいて該一の発光部の有効/無効を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記移動体上にパターンを作成するパターン作成装置を備え、
前記判定装置は、前記一の発光部が有効と判定されると、前記パターン作成装置に判定用パターンの作成を指示し、前記一の発光部を点灯させて前記判定用パターンを照明し、前記受光系の出力信号に基づいて該一の発光部の有効/無効を更に判定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記判定装置は、前記受光系の出力信号の信号レベルが、予め設定されている有効範囲内にないときに、前記一の発光部を無効と判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
- 前記有効範囲は、前記反射型光学センサが取り付けられた時点での、前記受光系の出力信号の信号レベルに基づいて設定されていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記判定装置は、前記反射型光学センサが取り付けられてからの経過時間が予め設定されている時間に達すると、それまでよりも高い頻度で前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記判定装置は、前記少なくとも3つの発光部のうち、累積点灯時間が予め設定されている時間に達した発光部について、それまでよりも高い頻度で前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記判定装置は、前記反射型光学センサが取り付けられてからの画像出力枚数が予め設定されている枚数に達すると、それまでよりも高い頻度で前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記それまでよりも高い頻度は、画像形成プロセス制御が行われる毎であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記判定装置は、画像形成プロセス制御が行われる際に、前記判定を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記判定は、画像形成プロセス制御の際に行われ、
前記判定装置は、前記一の発光部が有効と判定されると、前記一の発光部を点灯させて前記画像形成プロセス制御のために前記移動体上に作成されたテストパターンを照明し、前記受光系の出力信号に基づいて該一の発光部の有効/無効を更に判定することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記テストパターンは、位置ずれ検出用のテストパターンであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 前記テストパターンは、濃度検出用のテストパターンであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
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