JP2012187629A - 電気抵抗溶接機の部品供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数種類の部品供給装置を一対の電極に対して装着する。
【解決手段】電気抵抗溶接機100の電極に異なった部品を供給する複数種類の部品供給装置が溶接機本体に取り付けられ、電極の受入孔25に進退可能なガイドピン26が挿入され、複数種類の部品供給装置A〜Dのいずれかを動作可能とするように選択するとともに、部品および鋼板部品などに適合したガイドピン26の所定進退位置を設定する選択手段が設けられ、選択手段で選択された部品供給装置A〜Dを起動する起動手段79が設けられている。これにより、選択された部品供給装置からの部品とガイドピンの進退状態の対応関係が適正に設定される。
【選択図】図4

Description

この発明は、一対の可動電極と固定電極に対して複数種類の部品を供給し、これらの部品を鋼板部品に溶接する電気抵抗溶接機の部品供給装置に関している。
特許第3616990号公報には、真っ直ぐな電極軸線上に配置された可動電極と固定電極が、溶接装置の支柱の前面から離隔した箇所に2組配置され、上記各組の電極にそれぞれ部品供給装置が配置してあるとともに、鋼板部品にプロジェクションボルトを電気抵抗溶接で溶接することが記載されている。
特許第3616990号公報
上記特許文献に記載されている技術においては、各部品供給装置による部品供給と電極動作の相互関係については何も考察されていない。とくに、1台の電気抵抗溶接機に対して複数の部品を供給するために、複数の部品供給装置を装備した場合の問題点に関する追求がなされていない。複数の部品供給装置を装備する場合には、いずれかの部品供給装置が選択され、この選択された部品供給装置からの部品形状などに適合した電極の動作態様を、的確に選定する必要がある。また、このような選定が溶接装置を安全にしかも正確に動作させるものでなければならない。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、複数種類の部品供給装置を一対の電極に対して装着したものにおいて、選択された部品供給装置とそれに適合した電極態様の設定とを信頼性の高い確実な手法で実現する電気抵抗溶接機の部品供給装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、
電気抵抗溶接機の固定電極または可動電極に異なった部品を供給する複数種類の部品供給装置が溶接機本体に取り付けられ、
前記可動電極または固定電極のいずれか一方の電極にプロジェクションボルトが挿入される受入孔が設けられ、この受入孔に進退可能な状態でプロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した進退位置とされるガイドピンが挿入され、
前記ガイドピンを所定進退位置に移動させる進退駆動手段が設けられ、
前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択するとともに、選択された前記部品供給装置によって供給される前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した前記ガイドピンの所定進退位置を設定する選択手段が設けられ、
前記選択手段で選択された部品供給装置を起動する起動手段が設けられていることを特徴とする電気抵抗溶接機の部品供給装置である。
プロジェクションナットまたはプロジェクションボルトなどの部品のいずれかが電極のような目的箇所へ供給されるように、いずれかの部品供給装置が選択手段によって選択され動作可能な状態とされる。これとともに選択された前記部品供給装置によって供給されるプロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した前記ガイドピンの所定進退位置が、前記選択手段によって設定される。したがって、選択された部品供給装置とそれに対応するガイドピンの所定進退位置が適正にかつ正確に設定されて、装置としての動作信頼性が高く維持できる。つまり、選択されたプロジェクションナットやプロジェクションボルト等の部品とガイドピンの所定進退位置との組み合わせが適正に選定されることにより、鋼板部品への部品溶接が正しく正確に達成される。このような利点は、1台の既存の電気抵抗溶接機に複数の部品供給装置を付加する場合において有効なものである。
さらに、上記のようにガイドピンの所定進退位置が設定された後に、選択された部品供給装置を起動手段によって起動するので、誤って他の部品供給装置を動作させて、思惑外の部品供給装置の動作開始よる危険性を回避できる。換言すると、選択手段の部品供給装置の選択機能とガイドピンの位置決め機能がセットになっているので、作業者の勘違いで意図しない部品供給装置の動作が回避されて、安全性が向上する。
上述のようにして、電気抵抗溶接機に複数種類の部品を供給する部品供給装置を複数設置する場合において、装置としての制御面での簡素化や、動作上の安全性が確保できる。
請求項2記載の発明は、前記選択手段における前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能が、前記固定電極と可動電極の間に前記鋼板部品を挿入して前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトの溶接位置を設定するロボット装置の動作制御装置の機能として果たされるように構成した請求項1記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置である。
ロボット装置の動作制御装置は、通常、鋼板部品の形状変更や溶接箇所の増減などに対応できるように、高い制御能力が付与されている。このような能力の動作制御装置に、複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能が付与されているので、前記動作制御装置を有効に活用して部品供給装置の選択が確実に達成される。さらに、前記動作制御装置をロボット装置の駆動だけにとどまらず、部品供給装置の選択にも多能的に活用できて、電気抵抗溶接機に装備される専用の制御装置を簡素化することができる。
前記動作制御装置において所定の部品供給装置が選択されると、この選択をトリガーにして前記ガイドピンの所定進退位置が設定される。例えば、ロボット装置の動作制御装置に記憶されている鋼板部品の移動動作メモリーが選択されると、その選択結果に基づいてガイドピンの所定進退位置が求められる。したがって、ロボット装置の動作制御装置の機能とガイドピンの所定進退位置の設定が一連の制御動作として推進され、円滑で信頼性の高い動作が確保できる。
具体的には、例えば、プロジェクションナットを溶接するときには、このナット溶接箇所へ鋼板部品を移動させるための前後・左右・上下の3次元方向の動作をナット溶接固有のものとして数値化、すなわちメモリー化しておく。あるいは、プロジェクションボルトを溶接するときには、同様に、このボルト溶接箇所へ鋼板部品を移動させるための前後・左右・上下の3次元方向の動作をボルト溶接固有のものとして数値化、すなわちメモリー化しておく。このように種々な移動動作メモリーを前記動作制御装置に格納しておき、いずれかのメモリーが選択されたことを示す信号によってガイドピンの所定進退位置が設定されるのである。
請求項3記載の発明は、前記選択手段における前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能と、前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した前記ガイドピンの所定進退位置を設定する機能が、前記固定電極と可動電極の間に前記鋼板部品を挿入して前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトの溶接位置を設定するロボット装置の動作制御装置の機能として果たされるように構成した請求項1および請求項2記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置である。
前述のように高い制御能力を備えたロボット装置の動作制御装置に、前記選択手段における前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能と、前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した前記ガイドピンの所定進退位置を設定する機能の両機能を果たさせるものであるから、高い能力の動作制御装置に多くの制御動作を行わせることとなり、部品供給装置の選択とガイドピンの位置決めとが単一の動作制御装置において遂行され、ロボット装置の動作制御装置を有効に効率的に活用することができ、電気抵抗溶接機に装備される専用の制御装置を簡素化することができる。
請求項4記載の発明は、前記選択手段と前記起動手段が、前記固定電極と可動電極の間に前記鋼板部品を挿入して前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトの溶接位置を設定するロボット装置の動作制御装置に組み込まれている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置である。
制御能力の高いロボット装置の動作制御装置を活用して、前記選択手段と前記起動手段の機能が達成されるものであるから、高い能力の動作制御装置に多くの制御動作を行わせることとなり、部品供給装置の選択とガイドピンの位置決めと選択された部品供給装置の起動が、単一の動作制御装置において遂行され、ロボット装置の動作制御装置を有効に効率的に活用することができ、電気抵抗溶接機に装備される専用の制御装置を簡素化することができる。そして、起動動作も自動化されるので、作業者の負担が軽減される。
前記ロボット装置の動作制御装置によって、部品供給装置の選択とガイドピンの所定進退位置の選定がなされた後に、連続した状態で選択された部品供給装置の起動が行われる。このような起動は、鋼板部品の挿入完了などの信号をトリガーにして行うことができる。したがって、前記ロボット装置の動作制御装置が、部品供給装置の選択、ガイドピンの位置決め、部品供給装置の起動までの全動作を自動的に実行するので、鋼板部品に対する溶接部品の選択やガイドピンの適正位置の設定などが正確に実行され、しかも生産性向上にとって効果的である。
請求項5記載の発明は、前記各部品供給装置に、選択されていることを告知する表示手段が設けてある請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置である。
電気抵抗溶接機に複数の部品供給装置が装備されているものにおいては、どの部品供給装置が選択されているかを作業者が認識していることが、安全確保の面で不可欠である。例えば、右側の部品供給装置が起動するのにもかかわらず、左側の部品供給装置が起動するものと思い違いをして、右側の部品供給装置に手を差し込んでメンテナンスを行うようなことがあると、重大な災害事故となる。このような事故が前記表示手段によって回避できる。
装置全体の正面図である。 装置を真上から見た平面図である。 各供給装置の具体構造を示す断面図である。 各供給装置の動作制御を示すシステム図である。 各供給装置の動作制御を示す他のシステム図である。 選択手段を動作させる簡単なフロー図である。 選択手段を動作させる簡単な他のフロー図である。
つぎに、本発明の電気抵抗溶接機の部品供給装置を実施するための形態を説明する。
図1〜図4および図6は、本発明の実施例1を示す。
まず、電気抵抗溶接機の概略構造を説明する。
電気抵抗溶接機100は、種々な部品供給装置A、B、CおよびDを備えている。床1から鉛直方向に起立させた溶接機本体である支柱2は、図2から明らかなように、長方形の断面形状とされており、その前面3に上側支持アーム4と下側支持アーム5が結合してある。上側支持アーム4に取り付けたエアシリンダ6によって可動電極7が上下方向に進退するようになっている。また、下側支持アーム5に固定電極8が取り付けられている。
前記可動電極7および固定電極8は、真っ直ぐな電極軸線O−O上に配置され、この電極軸線O−Oは、上側支持アーム4と下側支持アーム5が前面3から前方へ突き出ていることによって、前面3から離隔した箇所に配置されている。固定電極8上に載置された鋼板部品9にプロジェクションナットやプロジェクションボルトを供給して、鋼板部品9に溶接するようになっている。
つぎに、各種の部品を供給する複数の部品供給装置について説明する。
最初に、ナット供給装置Aについて説明する。
鉄製のプロジェクションナット11は、四角い本体の片側四隅に溶着用突起が形成されている。以下の説明において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。ナット11の各部の寸法は、縦横が12mm、厚さが8mm、ねじ孔内径が8mmである。このナット11を供給するナット供給装置は、符号Aで示されている。その具体的な構造は、図3(A)に示されている。
パーツフィーダ(図示していない)に連通している供給管12と、供給ロッド13を収容しているガイド管14が結合されている箇所に仮止室15が形成してある。この仮止室15の片側にガイド板16が固定され、そこに磁石17が埋め込んである。供給ロッド13は、ねじ孔を貫通するガイドロッド18と、ガイド管14内を摺動する大径の摺動ロッド19と、ガイドロッド18と摺動ロッド19の境界部に形成された押出し面20によって構成されている。供給ロッド13を進退させるために、エアシリンダ22がガイド管14に結合してある。
ナット供給装置Aは、エアシリンダ22、ガイド管14、突き出た状態の供給ロッド13からなる全長が980mmであり、支持部材23を介して支柱2に取り付けられている。支柱2の前面3も鉛直方向に起立した平面であり、この前面3を含む仮想平面24から離隔した箇所のスペースにナット供給装置Aが配置してある。図1のように正面から見て、ナット供給装置Aの供給ロッド13の軸線は傾斜した姿勢とされ、電極軸線O−Oとのなす角度は鋭角であり、ここでは35度である。
ナット供給装置Aがこのようなスペースに位置付けられているのは、支持部材23の形状や寸法を選定することによって実現している。図2に示すように、支持部材23は「く」の字型であり、一端は支柱2の横側面に結合され、他端はエアシリンダ22に結合されている。
固定電極8の中心部に受入孔25があけられ、ここに摺動自在な状態でガイドピン26が挿入してある。このガイドピン26は、鋼板部品9の位置決めや、ナット11の位置決めを行うために設けられている。一方、受入孔25にプロジェクションボルトの軸部を挿入するときには、ガイドピン26を受入孔25の奥の方へ後退させるようになっている。そのために、下側支持アーム5に進退駆動手段であるエアシリンダ27が固定され、そのピストンロッドがガイドピン26に結合してある。
パーツフィーダ(図示していない)から供給管12を経て移送されてきたナット11は、ガイド板16に組み込んだ磁石17の吸引力によって仮止室15で一時係止される。供給ロッド13が進出すると、ガイドロッド18がねじ孔を貫通し、その後、押出し面20がナット11の端面に当たって仮止室15から押し出して行く。そして、ガイドロッド18の先端部がガイドピン26の直前で停止すると、ナット11はガイドロッド18に案内されて滑降し、突き出ているガイドピン26に合致する。つまり、ガイドピン26の先端部が相対的にねじ孔に進入する。
今度は、ボルト供給装置Bについて説明する。
鉄製のプロジェクションボルト29は、雄ねじが形成された軸部30と、この軸部30と一体に形成された円形のフランジ部31と、フランジ部31の軸部30側の端面に形成された溶着用突起32から構成されている。以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現する場合もある。ボルト29の各部の寸法は、軸部30の直径は6mm、軸部30の長さは19mm、フランジ部31の直径は13mmである。このボルト29を供給するボルト供給装置は、符号Bで示されている。その具体的な構造は、図3(B)に示されている。
パーツフィーダ(図示していない)に連通している供給管33の端部に、ストッパ片34と出口孔35が設けられている。供給管33にガイド管36が溶接され、その中に摺動自在な状態で供給ロッド37が収容してある。供給ロッド37の先端部には、フランジ部31が密着する水平方向の保持面38と位置決め用突起39が形成してあり、吸引用の磁石40が設けてある。供給ロッド37を進退させるエアシリンダ43がガイド管36に結合してある。
供給管33を通ってきたボルト29がストッパ片34で受け止められると、磁石40の吸引力がフランジ部31に作用して、ボルト29は出口孔35を経て保持面38に吸着される。このときにボルト29は、位置決め用突起39で供給ロッド37の所定箇所に保持される。保持面38は水平方向の向きとなっているので、フランジ部31が保持面38に密着すると、軸部30は鉛直方向の姿勢となる。
供給ロッド37が後退するときには、磁石40の吸引力を消滅させてボルト29が連れ戻されないようにする必要がある。そのために、供給ロッド37は中空のアウタ軸41とその中に挿入してあるインナ軸42によって構成され、インナ軸42の先端部に前記磁石40が固定してある。供給ロッド37が所定位置に停止したら、インナ軸42を後退させて磁石40をフランジ部31から遠ざける。これによって磁石40の吸引力が実質的に消滅して、ボルト29が目的箇所に供給される。
図1のように正面から見て、供給ロッド37は電極軸線O−Oに対して傾斜させてあり、供給ロッド37の進退軸線と電極軸線O−Oとのなす角度は狭角とされ、ここでは45度である。
支柱2の横側面に支持部材44の一端が結合され、他端が挿入エアシリンダ45のピストンロッド46に結合してある。挿入エアシリンダ45にエアシリンダ43が一体化してあり、その進退方向は鉛直方向とされている。供給ロッド37が進出して軸部30が受入孔25と同軸になった箇所で供給ロッド37が停止する。それに引き続いて、挿入エアシリンダ45が動作すると、軸部30がガイドピン26を押し下げながら受入孔25内に進入する。なお、このような押し下げではなく、あらかじめガイドピン26を後退させておいてもよい。
ボルト供給装置Bは前述のナット供給装置Aと同様に、仮想平面24の前側、すなわち仮想平面24から離隔した箇所に配置してある。このような配置は支持部材44の形状を図2に示すように、L型とすることによって求めることができる。図2に示すように、このボルト供給装置Bの一部であるエアシリンダ43の端部が、仮想平面24をわずかに横切っているが、支障がある場合には支持部材44の形状を変形することにより、前記横切りの問題を解消することができる。
ナット供給装置Aとボルト供給装置Bは、図2のように平面的に見てそれらの長手方向が仮想平面24とほぼ平行またはそれに近い状態となるように配置してある。各装置AおよびBの長手方向にこのような方向性を持たせることにより、支柱2の横側のスペースを広く活用することができる。
つぎに、他のボルト供給装置Cについて説明する。
鉄製のプロジェクションボルト48は、雄ねじが形成された軸部49と、この軸部49と一体に形成された円形のフランジ部50と、フランジ部50の軸部49とは反対側のフランジ面に形成された溶着用突起51から構成されている。以下の説明において、プロジェクションボルトを単にボルトと表現する場合もある。ボルト48の各部の寸法は、軸部49の直径は6mm、軸部49の長さは19mm、フランジ部50の直径は13mm、溶着用突起51の直径は6.5mmである。このボルト48を供給するボルト供給装置は、符号Cで示されている。その具体的な構造は、図3(C)に示されている。
斜め下方から進出する供給ロッド52は、エアシリンダ53によって進退するようになっている。このエアシリンダ53に挿入エアシリンダ54が結合され、そのピストンロッド55が支持部材56の一端に結合してある。支持部材56の他端は支柱2の横側面に結合してある。挿入エアシリンダ54のピストンロッド55は鉛直方向に進退するように、挿入エアシリンダ54の取り付け姿勢が設定されている。
供給ロッド52の先端に保持ヘッド57が固定され、その下面側に保持凹部58が形成してあり、ここにボルト48の溶着用突起51が合致して軸部49が鉛直方向に保持される。この保持は、保持ヘッド57に埋め込んだ磁石59によって行われる。供給ロッド52から保持ヘッド57に空気通路61が設けられ、保持凹部58の中央部に開口している。パーツフィーダ(図示していない)に連通している供給管60の真上に保持ヘッド57が待機するようになっており、供給管60を通ってきたボルト48は保持ヘッド57の保持凹部58に吸着される。
このように長尺性のあるナット供給装置Cも前述のボルト供給装置Aやナット供給装置Bと同様に、仮想平面24から離隔したスペースに配置してある。これを実現するために、支持部材56の形状が前述の支持部材23、44などと同様に選定されている。また、図1の正面の方向から見た供給ロッド52の進退軸線と電極軸線O−Oとの交差角度は鋭角であり、50度である。
ボルト48を保持した供給ロッド52が斜め上方に進出して、軸部49が受入孔25と同軸になった位置で停止する。ついで、挿入エアシリンダ54の動作で軸部49の先端部分が受入孔25に進入した段階で、空気通路61から空気が噴射されてボルト48は保持凹部58から離れて受入孔25内に進入する。その後、鋼板部品9が載置されて可動電極7が動作し、鋼板部品9の下側にボルト48が溶接される。このように軸部49が受入孔25内に挿入されるときには、ガイドピン26は後述の制御動作で後退させてある。
ボルト供給装置Cと後述のナット供給装置Dの配置も、図2のような図示はしていないが、ナット供給装置Aやボルト供給装置Bと同様に、仮想平面24から離隔した箇所のスペースになされている。
つぎに、他のナット供給装置Dについて説明する。
このナット供給装置Dは、蓋付きのプロジェクションナット62の供給を行うものであり、合成樹脂製の蓋63がねじ孔の上側を塞いでいる。プロジェクションナット62は、鉄製である。以下の説明において、プロジェクションナットを単にナットと表現する場合もある。供給ロッド64は水平方向に進退するもので、そのためのエアシリンダ65が設けてあり、先端部にナット62を保持する保持凹部66が形成してある。供給ロッド64に埋め込んだ磁石67の吸引力で図3に示すように、保持凹部66にナット62が保持されている。
エアシリンダ65には挿入エアシリンダ69が固定され、そのピストンロッド70が支持部材71の一端に固定してある。支持部材71の他端部は、支柱2の横側面に結合してある。挿入エアシリンダ69が動作すると、エアシリンダ65は鉛直方向に昇降するように、挿入エアシリンダ69の設置姿勢が設定してある。後退した供給ロッド64の保持凹部66にナット62を供給するために、供給管68がパーツフィーダ(図示していない)から延びてきている。
供給ロッド64が進出してナット62のねじ孔がガイドピン26と同軸位置にくると、供給ロッド64の進出は停止する。その後、挿入エアシリンダ69の動作でナット62が下降してねじ孔にガイドピン26が進入する。エアシリンダ65と挿入エアシリンダ69の動作が組み合わされて、図3(D)に矢線で示すように、スクエアーモーション47が形成される。
このような長尺性のあるナット供給装置Dも、先のナット供給装置A、ボルト供給装置B、ボルト供給装置Cなどと同様に、仮想平面24から離隔したスペースに配置してある。なお、このナット供給装置Dはその長手方向が水平方向に配置してあるので、横方向にスペースの余裕がないときには、長手方向が斜め方向になった別の形式のナット供給装置を採用することが望ましい。
前記狭角が30度未満であると、供給ロッドが固定電極や可動電極と干渉しやすくなるので、望ましくない。また、前記狭角が55度を超えると、横方向の所要スペースが大きくなるので、好ましくない。
つぎに、各供給装置とガイドピンの関連動作について説明する。
最初に、各供給装置の選択について説明する。
図4は、装置全体を動作させるシステム図である。同図において、矢線は信号の伝達線であり、実線は各エアシリンダへ作動空気を給排する空気管を示している。各エアシリンダ22、43、45、53、54、65、69および27などへ作動空気を給排するために、切換弁72が設けてあり、この切換弁72へ動作信号を伝達するために、制御装置73が設けてある。制御装置73は簡単なコンピュータ装置やシーケンス回路などで構成することができる。なお、挿入エアシリンダ45、54、69への空気管の図示は省略してある。
A、B、CおよびDのいずれかの供給装置を動作させるために、作業者が操作する選択スイッチ74が設けてある。この選択スイッチ74は手動式であり、支持軸76を中心にして回動する選択アーム77が設けられ、その先端部が選択出力子74A、74B、74Cおよび74Dと接触するようになっている。これらの選択出力子74A、74B、74Cおよび74Dは、各供給装置A、B、CおよびDに対応させてあり、図4では選択アーム77がナット供給装置Aに対応した選択出力子74Aに接触している。この選択出力子74Aとの接触により、ナット供給装置Aが選択されるようになっており、前記接触により選択出力子74Aからの信号が制御装置73に送信されるようになっている。つまり、選択されたナット供給装置Aが始動可能な状態で待機することとなる。なお、符号78は操作用のマニュアルグリップである。
したがって、例えば、マニュアルグリップ78を動かして選択アーム77が他の選択出力子74Cに接触したときには、この選択出力子74Cから選択されたことを意味する信号が制御手段73に送信され、ボルト供給装置Cが選択さる。そして、ボルト供給装置Cは、起動待機の状態となる。
つぎに、ガイドピンの動作について説明する。
選択された部品供給装置からは特定の部品が電極に供給されるので、電極側のガイドピンの進退位置はその部品に適応したものでなければならない。いま、ナット供給装置Aが選択されたものと仮定すると、そこから供給されるプロジェクションナット11に適応したガイドピン26の突出位置が設定される。この設定は前記選択手段の機能として果たされる。
必要とされる種々なガイドピン26の進退位置を設定するために、制御装置73にガイドピンの種々な進退位置メモリーが各部品供給装置と関連づけて格納されている。ナット供給装置Aが選択されると、作業者またはロボット装置の動作で鋼板部品9の下孔を、突出したガイドピン26にはめ合わせるのとともに、ガイドピン26の先端部がナット11のねじ孔に入り込んでナットの位置決めがなされる。このようなガイドピン機能を果たすために、ガイドピンの進退位置が設定されるのであり、この進退位置設定を実行するメモリーが制御装置73に格納されている。
したがって、ナット供給装置Aが選択スイッチ74によって選択されると、この選択によって選択出力子74Aから発信された信号によって制御装置73に格納されているナット11に適合したガイドピン26の動作メモリーが動作し、ガイドピン26は図3(A)に示す突出位置に設定される。
同様に、図3(B)に基づいて説明したように、ボルト供給装置Bが選択されると、鋼板部品9の下孔を突出したガイドピン26にはめ合わせるのとともに、ボルト29の軸部30が受入孔25に進入できるようにガイドピン26が後退する。このようなガイドピンの動作機能を果たすためのメモリーが制御装置73に格納されている。
前記ナット供給装置Aやボルト供給装置Bの場合と同様に、他のボルト48や蓋付きナット62を供給するボルト供給装置Cやナット供給装置Dに付随するガイドピン位置メモリーが、制御装置73に格納されている。
つぎに、起動手段について説明する。
上述のように、ナット供給装置Aの選択完了、ガイドピン26の所定進退位置の設定完了の状態が整うと、ナット供給装置Aを起動させてナット11の供給に移行する。この起動を実行するために、起動手段79が設けられている。この起動手段79としては、後述のロボット装置の動作制御装置によって自動的に動作する形式や、作業者が操作する形式のものなど種々な形式のものが採用できる。ここでは、作業者が操作するタイプのものである。
図4に示した起動手段79は、作業者が踏むペダルスイッチである。このペダルスイッチ79を踏むことによって出された信号が制御装置73に入力され、この入力に基づいてエアシリンダ22に動作空気が供給されてナット11の供給がなされる。この起動手段79は、選択された部品供給装置のみを起動させるように、制御装置73において回路が編成されている。
つぎに、表示手段について説明する。
各供給装置A、B、CおよびDには、選択手段によって選択されていることを告知する表示手段80A、80B、80Cおよび80Dが取り付けてある。表示手段としては、点滅ランプやブザーなど種々なものが採用できる。ここでは前者の点滅ランプである。例えば、選択アーム77の動作でナット供給装置Dが選択されると、選択出力子74Dからの信号が制御装置73に送られて、点滅ランプ80Dが点滅する。これによって、作業者はボルト供給装置Dが動作することを確実に認識する。なお、各点滅ランプへの結線の図示は省略してある。
ここで、選択手段の形成について説明する。
「選択手段」は上述のように、選択出力子74A、74B、74Cおよび74Dを備えた選択スイッチ74がいずれかの部品供給装置A、B、CおよびDを選択する機能を備え、さらに、選択された部品供給装置から送出される部品の形態に適したガイドピンの位置決めを果たす機能を備えている。本実施例における「選択手段」は、このような2機能を果たすものであるから、具体的には選択スイッチ74と、ガイドピン位置メモリーが格納されている制御装置73によって構成されている。見方を換えると、選択スイッチ74と、制御装置73に組み込まれているガイドピンの位置決め信号の出力手段(メモリー回路)によって構成されている。機能的に見ると、「選択手段」は、部品供給装置の選択機能とガイドピンの位置決め機能がセットになった形態とされている。
つぎに、一連の動作について説明する。
選択アーム77で選択出力子74Aが選択されると、選択出力子74Aからの信号が制御装置73に入力されて、ナット供給装置Aが選択され、起動待機の状態となる。このときにはナット供給装置Aの点滅ランプ80Aが点滅していて、作業者にナット供給装置Aが選択されていることが告知される。上記ナット供給装置Aの選択によって、制御装置73内ではナット11に適合したガイドピン26の進退位置を設定するガイドピン位置メモリーが呼び出される。この呼び出されたメモリーによってエアシリンダ27が動作して、ガイドピン26が図3(A)に示すように、突出した位置におかれる。ここで作業者が鋼板部品9を手で持って可動電極7と固定電極8の間に挿入し、鋼板部品の下孔9Aにガイドピン26を貫通させる。あるいは、ロボット装置で同様なことを行う。上記動作は、図6の(1)→(2)→(3)順序で進行する。
上述のように、ガイドピン26の進退位置設定完了、鋼板部品9の挿入完了の状態が整うと、ペダルスイッチ79を踏んでナット供給装置Aの起動信号が制御装置73に送信され、エアシリンダ22の動作でナット11がガイドピン26に供給される。その後、エアシリンダ22が後退動作をして、可動電極7が進出して電気抵抗溶接がなされる。なお、可動電極7の進出動作は、例えば、エアシリンダ22の復帰動作を検知して、この検知信号で行う。
他の供給装置B、CおよびDが選択された場合も上記Aと同様な手順で動作が進行する。
図4に示した制御装置73は、一般的なコンピュータ装置やシーケンス回路を用いており、上述のように各種のガイドピン位置メモリーを制御装置73に格納してある。あるいは、いずれかの部品供給装置が選択されてから計時を開始し所定時間後に該当部品供給装置の供給ロッドを進出させるタイマーを制御装置73に内蔵することも可能である。他にいろいろなシーケンスを編成して所定の順序で動作させることができる。
上述の実施例では、ガイドピン26が固定電極8の受入孔25に組み込んであるが、これを可動電極7に組み込むようにしてもよい。また、鋼板部品9を差し入れるために、可動電極8全体を下側へ退避させることも可能である。
なお、上記各種のエアシリンダに換えて、進退出力をする電動モータを採用することもできる。また、上記各種の磁石(永久磁石)を電磁石に置き換えることも可能である。
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
プロジェクションナットまたはプロジェクションボルトなどの部品のいずれかが目的箇所である電極へ供給されるように、いずれかの部品供給装置A〜Dが選択手段によって選択され動作可能な状態とされる。これとともにプロジェクションナット11、62やプロジェクションボルト29、48および鋼板部品9などに適合したガイドピン26の所定進退位置が、選択手段である選択スイッチ74や制御装置73によって設定される。したがって、選択された部品供給装置とそれに対応するガイドピンの所定進退位置が適正にかつ正確に設定されて、装置としての動作信頼性が高く維持できる。つまり、選択されたプロジェクションナットやプロジェクションボルト等の部品とガイドピンの所定進退位置との組み合わせが適正に選定されることにより、鋼板部品への部品溶接が正しく正確に達成される。
さらに、上記のようにガイドピン26の所定進退位置が設定された後に、選択された部品供給装置をペダルスイッチ79によって起動するので、誤って他の部品供給装置を動作させて、思惑外の部品供給装置の動作開始よる危険性を回避できる。換言すると、選択手段の部品供給装置の選択機能とガイドピンの位置決め機能がセットになっているので、作業者の勘違いで意図しない部品供給装置の動作が回避されて、安全性が向上する。
上述のようにして、電気抵抗溶接機に複数種類の部品を供給する部品供給装置を複数設置する場合における装置としての制御面での簡素化や、動作上の安全性が確保できる。
前記各部品供給装置A〜Dに、選択されていることを告知する点滅ランプ80A、80B、80Cおよび80Dが設けてある。
電気抵抗溶接機に複数の部品供給装置が装備されているものにおいては、どの部品供給装置が選択されているかを作業者が認識していることが、安全確保の面で不可欠である。例えば、右側のボルト供給装置Bが起動するのにもかかわらず、左側のナット供給装置Aが起動するものと思い違いをして、右側のボルト供給装置Bに手を差し込んでメンテナンスを行うようなことがあると、重大な災害事故となる。このような事故が前記点滅ランプによって回避できる。
前記選択手段は、手動式の選択スイッチである。
プロジェクションナットあるいはプロジェクションボルトなどどの部品を供給するかという選択と、ガイドピン26の所定進退位置の選定とが手動式の選択スイッチ74で行うことが出来るので、手動式選択スイッチ74による簡素化された安価な構造とすることができる。
図5および図7は、本発明の実施例2を示す。
この実施例2は、両電極間に鋼板部品をロボット装置で挿入する場合のものであり、ロボット装置を動作させる動作制御装置との組み合わせを行ったものである。
ロボット装置は、6軸タイプのように一般的に使用されているもので、簡略的に図示してあり符号82で示されている。鋼板部品9を掴むチャック機構83、複数本のアーム84、各アームの接続箇所に配置された駆動モータ85などによって構成されている。ロボット装置82に各種の動作をおこなわせる動作制御装置86が装備してあり、該装置86は前記制御装置73と同様に、簡単なコンピュータ装置やシーケンス回路などで構成されている。
前記選択手段は、その一部がロボット装置82の動作制御装置86に組み込まれ、残りの一部が制御装置73に組み込まれている。つまり、A〜Dのいずれかの部品供給装置を選択する機能が動作制御装置86に組み込まれ、選択された部品供給装置からの部品に適合させてガイドピン26に所定の進退位置をとらせる機能が制御装置73に組み込まれている。
なお、後述のように「変形例」として、A〜Dのいずれかの部品供給装置を選択する機能と、選択された部品供給装置からの部品に適合させてガイドピン26に所定の進退位置をとらせる機能の両方を動作制御装置86に組み込んだ形式とすることができる。
このようなロボット方式のシステムにおいて、いずれかの部品供給装置を選択する手法としては、ロボット装置82による鋼板部品9の移動軌跡に基づくものや、鋼板部品9の形状に基づくものなど種々な方式が採用できる。ここでは、前者の鋼板部品9の移動軌跡に基づいた方式である。
図5においては、一つの鋼板部品9に対する部品の溶接箇所が4箇所とされているので、鋼板部品9の移動形態、すなわち鋼板部品の前後・左右・上下の三次元方向の動きが4つとされている。これら4つの移動箇所が図示してあり、左から順に、下孔9Aの箇所へナット11を溶接、下孔9Bの箇所へボルト29を溶接、溶接点9Cの箇所へボルト48を溶接、下孔9Dの箇所へナット62を溶接する位置形態が示してある。
上記のように、鋼板部品9には下孔9A、9B、9Dと溶接点9Cが設けられ、下孔9Aの箇所にはナット供給装置Aから供給されたナット11が溶接される。下孔9Bの箇所にはボルト供給装置Bから供給されたボルト29が溶接される。また、下孔9Dの箇所にはナット供給装置Dから供給されたナット62が溶接される。さらに、点印で図示した溶接点9Cの箇所、すなわち下孔のない箇所にはボルト供給装置Cから供給されたボルト48が溶接される。
上記のような各箇所における溶接を行うために、ロボット装置82によって鋼板部品9を移動させている。図5において、符号O−Oで示された電極軸線は不動であるから、同図において横一線上に図示してある。最も左側の鋼板部品9の位置は、下孔9Aが電極軸線O−Oに合致しており、図3(A)に示した状態である。このような位置状態とするために、鋼板部品9は前後・左右・上下の三次元方向の移動がなされて、下孔9Aが電極軸線O−Oすなわちガイドピン26に合致する。このような三次元方向の各移動を数値化し「供給装置メモリーA」として動作制御装置86に格納しておく。
同様にして、下孔9Bを電極軸線O−Oに合致させる場合の三次元方向の各移動を数値化し「供給装置メモリーB」として動作制御装置86に格納しておく。以下、下孔9Dについては「供給装置メモリーD」として動作制御装置86に格納しておく。溶接点9Cについては「供給装置メモリーC」として動作制御装置86に格納しておく。
以上のようにして設定された供給装置メモリーA〜Dが動作制御装置86に記憶され、選択スイッチ87によっていずれかの供給装置メモリーを選択する。この選択スイッチとしては、回転つまみ式スイッチ、押しボタン式スイッチ、あるいは図4に示したような選択アーム式の選択スイッチ74などが採用できる。
A〜Dのいずれかの部品供給装置を選択する機能は、上記のように選択スイッチ87からの信号で供給装置メモリーA〜Dのいずれかを選択して実行される。
なお、アーム84で鋼板部品9の移動を開始する時期がガイドピン26の進退位置設定後となるようにするために、動作制御装置86にタイマーを内蔵して一定時間後にアーム動作を開始したり、ガイドピン26の進退位置設定の完了信号を用いてアーム動作を開始したりするように、動作制御装置86を構成してある。このように動作制御装置86の回路を構成することにより、選択スイッチ87の選択動作が実行されると、所定の部品供給装置の選択、ガイドピン26の所定進退位置設定、選択された部品供給装置からの部品に適応した鋼板部品9の移動動作などの一連の動作として遂行され、動作精度の向上や装置の信頼性向上にとって効果的である。
選択スイッチ87によっていずれかの部品供給装置が選択され、他方、選択された部品供給装置からの部品に適合させてガイドピン26に所定の進退位置をとらせるための構成は、実施例1と同じである。すなわち、各種の前記ガイドピン位置メモリーが制御装置73に格納してあり、A〜Dいずれかの部品供給装置が選択されたことを示す信号が動作制御装置86から制御装置73に送られて、ガイドピン26の対応位置が設定される。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
一連の動作について説明する。
選択スイッチ87によって動作制御装置86に格納されている供給装置メモリーAが呼び出される。この供給装置メモリーAには前述のように、アーム84の動作形態(移動軌跡)が記憶されている。この呼び出しによってナット供給装置Aの点滅ランプ80Aが点滅して、作業者にナット供給装置Aが選択されていることが告知され、ナット供給装置Aは起動待機の状態となる。上記ナット供給装置Aが選択されたことを示す信号が動作制御装置86から制御装置73に送信され、制御装置73内ではナット供給装置Aからのナット11に適合したガイドピン26の進退位置を設定するためのガイドピン位置メモリーが呼び出される。この呼び出されたメモリーによってエアシリンダ27が動作して、ガイドピン26が図3(A)に示すように、突出した位置におかれる。ここで選択スイッチ87による供給装置メモリーAの選択から一定時間経過した時点で、アーム84が動作して鋼板部品9が可動電極7と固定電極8の間に挿入され、下孔9Aにガイドピン26を貫通させる。上記動作は、図7の(1)→(2)→(3)→(4)順序で進行する。
上述のように、ガイドピン26の進退位置設定完了、鋼板部品9の挿入完了の状態が整うと、ペダルスイッチ79を踏んでナット供給装置Aの起動信号が制御装置73に送信され、エアシリンダ22の動作でナット11がガイドピン26に供給される。その後、エアシリンダ22が後退動作をして、可動電極7が進出して電気抵抗溶接がなされる。なお、可動電極7の進出動作は、例えば、エアシリンダ22の復帰動作を検知して、この検知信号で行う。
他の供給装置B、CおよびDが選択された場合も上記Aと同様な手順で動作が進行する。
以上に説明した実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
ロボット装置82の動作制御装置86は、通常、鋼板部品9の形状変更や溶接箇所の増減などに対応できるように、高い制御能力が付与されている。このような能力の動作制御装置86に、複数種類の部品供給装置A〜Dのいずれかを動作可能とするように選択する機能が付与されているので、前記動作制御装置86を有効に活用していずれかの部品供給装置の選択が確実に達成される。さらに、前記動作制御装置86をロボット装置82の駆動だけにとどまらず、部品供給装置A〜Dの選択にも多能的に活用できて、電気抵抗溶接機に装備される専用の制御装置73を簡素化することができる。
前記動作制御装置86において所定の部品供給装置が選択されると、この選択をトリガーにして前記ガイドピン26の所定進退位置が設定される。例えば、ロボット装置82の動作制御装置86に記憶されている鋼板部品9の移動動作メモリーが選択されると、その選択結果に基づいてガイドピン26の所定進退位置が求められる。したがって、ロボット装置82の動作制御装置86の機能とガイドピン26の所定進退位置の設定が一連の制御動作として推進され、円滑で信頼性の高い動作が確保できる。
具体的には、例えば、プロジェクションナット11を溶接するときには、このナット溶接箇所へ鋼板部品9を移動させるための前後・左右・上下の3次元方向の動作をナット11固有のものとして数値化、すなわちメモリー化しておく。あるいは、プロジェクションボルト48を溶接するときには、同様に、このボルト溶接箇所へ鋼板部品9を移動させるための前後・左右・上下の3次元方向の動作をボルト48固有のものとして数値化、すなわちメモリー化しておく。このように種々な移動動作メモリーを前記動作制御装置86に格納しておき、いずれかのメモリーが選択されたことを示す信号によって、ガイドピン26の所定進退位置が設定されるのである。
図7の(1)→(2)→(3´)→(4´)の順序は、実施例3を示すもので、前述の「変形例」である。
この実施例3は、A〜Dのいずれかの部品供給装置を選択する機能と、選択された部品供給装置からの部品に適合させてガイドピン26に所定の進退位置をとらせる機能の両方が動作制御装置86に組み込まれている。換言すると、ガイドピン位置メモリーが図5の制御装置73ではなく、動作制御装置86に格納され、図7において(1)→(2)→(3´)→(4´)の順序で進行する。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の各実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
一連の動作について説明する。
選択スイッチ87によって動作制御装置86に格納されている供給装置メモリーAが呼び出される。この供給装置メモリーAには前述のように、アーム84の動作形態(移動軌跡)が記憶されている。この呼び出しによってナット供給装置Aの点滅ランプ80Aが点滅して、作業者にナット供給装置Aが選択されていることが告知され、ナット供給装置Aは起動待機の状態となる。上記ナット供給装置Aが選択されたことを示す信号によって動作制御装置86に格納されているガイドピン位置メモリーが呼び出される。この呼び出されたメモリーによってエアシリンダ27が動作して、ガイドピン26が図3(A)に示すように、突出した位置におかれる。ここで選択スイッチ87による供給装置メモリーAの選択から一定時間経過した時点で、アーム84が動作して鋼板部品9が可動電極7と固定電極8の間に挿入され、下孔9Aにガイドピン26を貫通させる。上記動作は、図7の(1)→(2)→(3´)→(4´)順序で進行する。
上述のように、ガイドピン26の進退位置設定完了、鋼板部品9の挿入完了の状態が整うと、ペダルスイッチ79を踏んでナット供給装置Aの起動信号が制御装置73に送信され、エアシリンダ22の動作でナット11がガイドピン26に供給される。その後、エアシリンダ22が後退動作をして、可動電極7が進出して電気抵抗溶接がなされる。なお、可動電極7の進出動作は、例えば、エアシリンダ22の復帰動作を検知して、この検知信号で行う。
さらに、前記選択手段と前記起動手段をロボット装置の動作制御装置に組み込むことができる。つまり、部品供給装置の選択機能とガイドピンの位置決め機能と起動手段の機能など全てが前記動作制御装置に組み込まれている。起動手段であるペダルスイッチ79の動作をロボット装置82の動作制御装置86によって実行するもので、鋼板部品9が固定電極8上に載置されてから起動動作が実行される。この起動動作の実行時期は、鋼板部品9の載置状態をセンサーで検知して設定するもの、動作制御装置86に内蔵したタイマーによって設定するものなど種々なものが採用できる。
以上に説明した実施例3の作用効果は、つぎのとおりである。
前述のように高い制御能力を備えたロボット装置82の動作制御装置86に、選択手段における前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能と、プロジェクションナット11、62やプロジェクションボルト29、48および鋼板部品9などに適合したガイドピンの所定進退位置を設定する機能の両機能を果たさせるものであるから、高い能力の動作制御装置86に多くの制御動作を行わせることとなり、部品供給装置の選択とガイドピン26の位置決めとが単一の動作制御装置86において遂行され、ロボット装置82の動作制御装置86を有効に効率的に活用することができ、電気抵抗溶接機100に装備される専用の制御装置73を簡素化することができる。
制御能力の高いロボット装置82の動作制御装置86を活用して、前記選択手段と前記起動手段79の機能が達成されるものであるから、高い能力の動作制御装置86に多くの制御動作を行わせることとなり、部品供給装置の選択とガイドピン26の位置決めと選択された部品供給装置の起動が、単一の動作制御装置86において遂行され、ロボット装置82の動作制御装置86を有効に効率的に活用することができ、電気抵抗溶接機100に装備される専用の制御装置73を簡素化することができる。そして、起動動作も自動化されるので、作業者の負担が軽減される。
ロボット装置82の動作制御装置86によって、部品供給装置の選択とガイドピン26の所定進退位置の選定がなされた後に、連続した状態で選択された部品供給装置の起動が行われる。このような起動は、鋼板部品9の挿入完了などの信号をトリガーにして行うことができる。したがって、ロボット装置82の動作制御装置86が、部品供給装置の選択、ガイドピンの位置決め、部品供給装置の起動までの全動作を自動的に実行するので、鋼板部品9に対する溶接部品の選択やガイドピン26の適正位置の設定などが正確に実行され、しかも生産性向上にとって効果的である。
上述のように、本発明の装置によれば、選択された部品供給装置とそれに適合した電極態様の設定とを信頼性の高い確実な手法で実現する電気抵抗溶接機の部品供給装置がえられる。したがって、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の板金溶接工程などの広い産業分野で利用できる。
A ナット供給装置
B ボルト供給装置
C ボルト供給装置
D ナット供給装置
2 支柱、溶接機本体
3 前面
7 可動電極
8 固定電極
9 鋼板部品
9A 下孔
9B 下孔
9C 溶接点
9D 下孔
11 プロジェクションナット
13 供給ロッド
25 受入孔
26 ガイドピン
27 進退駆動手段、エアシリンダ
29 プロジェクションボルト
48 プロジェクションボルト
62 プロジェクションナット
73 制御装置
74 選択スイッチ
79 起動手段、ペダルスイッチ
80A 表示手段、点滅ランプ
80B 表示手段、点滅ランプ
80C 表示手段、点滅ランプ
80D 表示手段、点滅ランプ
82 ロボット装置
84 アーム
86 動作制御装置
87 選択スイッチ
100 電気抵抗溶接機
O−O 電極軸線

Claims (5)

  1. 電気抵抗溶接機の固定電極または可動電極に異なった部品を供給する複数種類の部品供給装置が溶接機本体に取り付けられ、
    前記可動電極または固定電極のいずれか一方の電極にプロジェクションボルトが挿入される受入孔が設けられ、この受入孔に進退可能な状態でプロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した進退位置とされるガイドピンが挿入され、
    前記ガイドピンを所定進退位置に移動させる進退駆動手段が設けられ、
    前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択するとともに、選択された前記部品供給装置によって供給される前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した前記ガイドピンの所定進退位置を設定する選択手段が設けられ、
    前記選択手段で選択された部品供給装置を起動する起動手段が設けられていることを特徴とする電気抵抗溶接機の部品供給装置。
  2. 前記選択手段における前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能が、前記固定電極と可動電極の間に前記鋼板部品を挿入して前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトの溶接位置を設定するロボット装置の動作制御装置の機能として果たされるように構成した請求項1記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置。
  3. 前記選択手段における前記複数種類の部品供給装置のいずれかを動作可能とするように選択する機能と、前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトおよび鋼板部品などに適合した前記ガイドピンの所定進退位置を設定する機能が、前記固定電極と可動電極の間に前記鋼板部品を挿入して前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトの溶接位置を設定するロボット装置の動作制御装置の機能として果たされるように構成した請求項1および請求項2記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置。
  4. 前記選択手段と前記起動手段が、前記固定電極と可動電極の間に前記鋼板部品を挿入して前記プロジェクションナットやプロジェクションボルトの溶接位置を設定するロボット装置の動作制御装置に組み込まれている請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置。
  5. 前記各部品供給装置に、選択されていることを告知する表示手段が設けてある請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気抵抗溶接機の部品供給装置。
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