JP2012182102A - 有機elデバイス - Google Patents

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隆之 新井
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Abstract

【課題】デバイス内の水分および酸素の量が長期間にわたって十分に低く抑えられ、長寿命で信頼性の高い有機ELデバイスを提供する。
【解決手段】本発明にかかる有機ELデバイス100は、第1基板10および第2基板20の間に設けられた有機EL素子30と、有機EL素子30を覆うように設けられたバリア膜40と、吸収膜50と、を備え、吸収膜50が下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
(RM …(1)
(式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、アルコキシル基、カルボキシル基およびアミノ基から選択される1種であって、複数存在するRは同一または異なってもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。Mは2価または3価の金属原子であり、少なくとも1つのC−M結合を有する。)
【選択図】図1

Description

本発明は、有機ELデバイスに関する。
近年、直流低電圧での駆動および薄型化が可能なことから、表示装置や発光装置として有機EL(エレクトロルミネッセンス)デバイスが注目されている。有機ELデバイスは、陽極と陰極の間に有機材料層(電荷輸送層および有機発光層)を挟んだ構造を有した有機EL素子を含んでいる。
このような有機EL素子は、水分または酸素により輝度や発光効率等が著しく低下する場合がある。そのため有機EL素子をデバイス内に密封して酸素や水分の進入を遮断すると共に、デバイス内に水分または酸素の捕捉剤を配置し、デバイス内部を低湿度・低酸素環境に保つ技術が検討されている(例えば、特許文献1〜6参照)。
特開平9−148066号公報 特開2003−142256号公報 特開2003−338366号公報 特開2005−230818号公報 特開2006−68729号公報 特表2008−518399号公報
しかしながら、特許文献1ないし6に記載のデバイスにおける水分または酸素の捕捉剤は、長期間のデバイスの使用を考慮した場合、吸湿・吸酸素容量が不十分となる可能性があった。吸湿容量や吸酸素容量が大きい捕捉剤としては、水分または酸素を物理的に吸着することにより捕捉作用を示すものや、水分または酸素と捕捉剤が化学的に反応することにより捕捉作用を示すものとがある。しかし、水分または酸素と吸収剤が化学的に反応することにより捕捉作用を示す捕捉剤では、反応性が高いために隣接する材料と反応してこれを変質させたり、吸湿等により水分または酸素の捕捉剤が分解されて発生する成分(以下、「分解生成物」ともいう。)が隣接する材料へ拡散して、デバイスを構成する材料を変質・変形させるおそれがあった。このような場合、水分または酸素の進入が抑制できたとしても、デバイスの寿命が短くなるおそれがあった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、そのいくつかの態様にかかる目的の一つは、デバイス内の水分および酸素の量が長期間にわたって十分に低く抑えられ、長寿命で信頼性の高い有機ELデバイスを提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]本発明にかかる有機ELデバイスの一態様は、対向して配置された第1基板および第2基板の間に設けられた有機EL素子と、前記第1基板および前記第2基板の間に設けられ、前記有機EL素子を覆うように設けられたバリア膜と、前記第1基板および前記第2基板の間に設けられ、水分および酸素の少なくとも一方を捕捉する吸収膜と、を備え、前記吸収膜が下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
(RM …(1)
(式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、アルコキシル基、カルボキシル基およびアミノ基から選択される1種であって、複数存在するRは同一または異なってもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。Mは2価または3価の金属原子であり、少なくとも1つのC−M結合を有する。)
[適用例2]適用例1において、前記一般式(1)の前記Mは、アルミニウムであってもよい。
[適用例3]適用例1または適用例2において、前記バリア膜は、無機窒化物であってもよい。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、前記吸収膜および前記バリア膜は、いずれも透明であってもよい。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか一例において、前記吸収膜は、前記有機EL素子を覆うように配置されてもよい。
[適用例6]適用例5において、前記有機EL素子側から、前記バリア膜および前記吸収膜の順に覆われてもよい。
本発明にかかる有機ELデバイスは、デバイス内の水分および酸素の量を長期間にわたって十分に低く抑えることができる。すなわち、本発明にかかる有機ELデバイスは、吸収膜によって、デバイス内に存在するまたは外部から侵入してくる水分および酸素の少なくとも一方を捕捉することができる。また、本発明にかかる有機ELデバイスは、バリア膜を有しており、有機EL素子が吸収膜と接触することがなく、また、吸収膜が水分または酸素を捕捉することによって発生する分解生成物が有機EL素子に接触することを抑制することができる。これにより、本発明にかかる有機ELデバイスは、有機EL素子への水分または酸素の影響を極めて小さくすることができ、長期間安定して高品質の発光または表示を行うことができる。
実施形態にかかる有機ELデバイス100の要部の断面の模式図。 変形例にかかる有機ELデバイス120の要部の断面の模式図。 変形例にかかる有機ELデバイス140の要部の断面の模式図。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須の構成であるとは限らない。
図1は、実施形態にかかる有機ELデバイス100の要部の断面の模式図である。図2および図3は、それぞれ、変形例にかかる有機ELデバイス120および有機ELデバイス140の要部の断面の模式図である。
本実施形態の有機ELデバイスは、第1基板10と、第2基板20と、有機EL素子30と、バリア膜40と、吸収膜50と、を含む。そして、有機EL素子30、バリア膜40、および吸収膜50は、第1基板10および第2基板20の間に設けられる。本実施形態では、第1基板10および第2基板20の間に、密閉空間60が形成された有機ELデバイス100、120、140を例示して説明するが、本発明の有機ELデバイスは、密閉空間60は必須の構成ではない。
1.第1基板
第1基板10は、有機ELデバイス100の基体となる基板である。第1基板10は、平板状、フィルム状、シート状等の形状を有する。第1基板10は、複数の基板の積層体であってもよい。第1基板10は、例えば、半導体基板や配線基板を含んで構成されてもよい。第1基板10には、第2基板20と対向する面に凹凸(図示せず)が設けられていてもよい。また、第1基板10には、密閉空間60を形成する場合に利用できるような凹部(図示せず)が設けられていてもよい。
第1基板10は、有機EL素子30を駆動するためのトランジスタ(例えばTFT)や、制御用のIC、および配線層などを有してもよい。第1基板10にTFT等が設けられる場合は、第2基板20側にTFT等を配置する必要がないため、有機EL素子30からの発光を第2基板20側に取り出す効率を高めることができる。このような構造を採る有機ELデバイスは、いわゆるトップエミッション型に分類される。
第1基板10は、透明であっても不透明であってもよい。第1基板10が透明である場合は、有機ELデバイス100は、第1基板10側にも光を取り出すことができる。また、第1基板10は、有機EL素子30の発光を反射する反射層を含んでもよい。反射層としては、例えば、アルミニウム等の金属の蒸着膜などを挙げることができる。第1基板10に反射層が形成されると、第2基板20側からの光の取り出し効率を高めることができる。第1基板10の厚みは、特に限定されないが、例えば1μm以上2mm以下とすることができる。
第1基板10の材質としては、特に限定されず、金属、ガラス、シリコン等の無機物や、(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリカーボネートなどの高分子材料などとすることができる。また、第1基板10は、複数の異なる材質の基板が積層されたものであってもよい。図1に示す例では、第1基板10は、ガラス基板12および半導体基板14の積層構造となっている。第1基板10は、水分や酸素等の気体の分子を透過しにくい材質を含んで形成されることがより好ましい。
2.第2基板
第2基板20は、第1基板10と対向して配置される。第2基板20は、第1基板10と平行に配置することができる。第2基板20は、平板状、フィルム状、シート状等の形状を有する。第2基板20は、有機EL素子30を駆動するためのトランジスタ(例えばTFT)や、制御用のIC、および配線層などを有してもよい。このような構造を採る有機ELデバイスは、いわゆるボトムエミッション型に分類される。このような有機ELデバイスの一例として、図2に示した変形例の有機ELデバイス120は、第2基板20側に半導体層22が形成されている。
第2基板20には、例えば、有機EL素子30から放射される光を拡散させたり集光させたりするための凹凸や、密閉空間60を形成する場合に利用可能な凹部等が形成されていてもよい。また、第2基板20には、第1基板10と対向する面に凹凸(図示せず)が設けられていてもよい。第2基板20は、複数の基板の積層体であってもよい。第2基板20の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm以上2mm以下とすることができる。
第2基板20は透明な材料で形成されることが好ましい。すなわち、第2基板20は、少なくとも有機EL素子30から発生される光(電磁波)の波長における吸収の少ない材質で形成されることが好ましい。第2基板20の透明度は、例えば、有機EL素子30から発生される光が透過する割合として表す場合、90%以上99.999%以下とすることができる。これにより、有機EL素子30が発する光を第2基板20の上方側から取り出すことができる。
上記の透明度を有する場合の第2基板20の材質としては、ガラス等の無機物や、(メタ)アクリル樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリカーボネートなどの高分子材料などを例示することができる。図1に示す例では、第1基板10は、ガラス基板となっている。第2基板20は、水分や酸素等の気体の分子を透過しにくい材質を含んで形成されることがより好ましい。
3.有機EL素子
有機EL素子30は、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に設けられる。図示の例では、第1基板10および第2基板20の間に形成された密閉空間60に隣接する位置に設けられている。有機EL素子30は、例えば、下方から順に第1電極32、有機発光材料層34、第2電極36が積層された構造を有することができる。有機EL素子30の、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間における配置は、特に限定されない。例えば、図1に示す有機ELデバイス100においては、有機EL素子30は、第1基板10に第1電極32が接するように配置されている。また、図2および図3に示す有機ELデバイス120、140では、有機EL素子30は、第2基板20の下面に第2電極36が接するように配置されている。
第1電極32は、有機EL素子30の一方の電極である。第1電極32は、複数の有機EL素子30の共通電極としてもよい。また、第1電極32は、複数の有機EL素子30にそれぞれ形成され、個別電極として機能してもよい。第1電極32を個別電極とする場合には、第1電極32は、例えば、第1基板10に形成された配線やTFTに電気的に接続されることができる。第1電極32の機能の一つとしては、第2電極36と対になって、有機発光材料層34に対して電界(電流)を印加することが挙げられる。第2電極32の厚みとしては、例えば、100nm以上500μm以下とすることができる。
第1電極32の材質は、導電性の物質であれば特に限定されない。第1電極32の材質としては、例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、イリジウムなどの金属、それらの複数種の合金、インジウムおよび/またはスズの酸化物(ITO等)などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、導電性の炭素、あるいは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などを挙げることができる。また、第1電極32は、必要に応じ、複数の異なる材質の層の積層体であってもよい。第1電極32に、ITOのような導電性および透明性を有する材質を用い、かつ、第1基板10を透明な材質で構成した場合には、第1基板10側から有機EL素子30の発光を取り出すことができ、例えば、デバイス100を両面発光デバイスとすることができる。
有機発光材料層34は、第1電極32および第2電極36によって挟持される。有機発光材料層34は、第1電極32および第2電極36を介して電気的エネルギーが印加されることにより発光することができる。有機発光材料層34は、電子と正孔の再結合によって蛍光および/または燐光を発する物質で形成されることができる。有機発光材料層34の材質としては、公知のものを用いることができる。また、有機発光材料層34は、(ダブル)ヘテロ構造等となっていてもよく、例えば、正孔輸送層、発光材料層、および電子輸送層の積層体とすることができる。このような構成を採る場合においても、各層は、それぞれ、公知の材料によって形成されることができる。
第2電極36は、有機EL素子30の他方の電極である。第2電極36は、複数の有機EL素子30の共通電極としてもよい。また、第2電極36は、複数の有機EL素子30にそれぞれ形成され、個別電極として機能してもよい。第2電極36を個別電極とする場合には、第2電極36は、例えば、第2基板20に形成された配線やTFTに電気的に接続されることができる。第2電極36の機能の一つとしては、第1電極32と対になって、有機発光材料層34に対して電界(電流)を印加することが挙げられる。第2電極36の厚みとしては、例えば、100nm以上500μm以下とすることができる。
第2電極36は、導電性を有し、かつ、透明または半透明の材料で形成される。第2電極36の材質としては、例えば、ITO等の透明導電性材料、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の金属、またはそれらの合金などを挙げることができる。第2電極36の材質として、これらのうちの、透明性の小さい材質を用いる場合は、導電性を損なわない範囲において、第2電極36を薄膜化することにより、透明または半透明なものとすることができる。また、第2電極36は、透明性または半透明性を損なわない範囲で、さらに、例えば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属の薄膜を積層した構造であってもよい。
本明細書では、図1ないし図3に例示したように、第1電極32、有機発光材料層34および第2電極36が積層した構造を採っている部位を有機EL素子30と称する。図示のように、有機EL素子30は、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に配置されている。より詳しくは、有機ELデバイス100、120、140の例では、有機EL素子30は、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に形成された密閉空間60に隣接する位置に配置されている。第1電極32、有機発光材料層34および第2電極36は、図示のように有機EL素子30以外の部位に及んで形成されてもよい。
4.バリア膜
バリア膜40は、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に設けられる。バリア膜40は、有機EL素子30を覆うように設けられる。バリア膜40は、有機EL素子30以外の他の部材を覆っていてもよい。バリア膜40は、有機EL素子30と接してこれを覆うように設けられてもよいし、他の部材や空間を介して覆うように設けられてもよい。図示の例では、バリア膜40は、有機EL素子30に接してこれを覆うように形成されている。バリア膜40の厚みは、特に限定されず、例えば10nm以上10μm以下とすることができる。また、バリア膜40は、複数の層の積層体であってもよい。
バリア膜40は、有機EL素子30を覆うように設けられるが、有機EL素子30がバリア膜40で覆われた外側に、吸収膜50が存在するように配置される。
バリア膜40の機能の一つとしては、有機EL素子30と水分または酸素との接触を抑制することが挙げられる。また、バリア膜40の機能の一つとしては、有機EL素子30と吸収膜50とが接触しないようにすることが挙げられる。さらにバリア膜40の機能の一つとしては、吸収膜50が水分または酸素を吸収することによって分解生成物を発生した場合には、当該分解生成物の有機EL素子30への接触を抑制することが挙げられる。
バリア膜40が上記機能を有することにより、吸収膜50の材質の選択の幅を広げることができる。すなわち、本実施形態の有機ELデバイスでは、バリア膜40が存在することにより、吸収膜50の材質に、反応性の高い物質を採用することができ、また、そのような物質を高濃度に配合することができる。また、バリア膜40が上記機能を有することにより、吸収膜50の配置の選択の幅を広げることができる。すなわち、本実施形態の有機ELデバイスでは、バリア膜40が存在することにより、吸収膜50をバリア膜40の外側の任意の位置に配置することができる。これにより、例えば図1および図2に示す有機ELデバイス100、120の例のように、有機EL素子30にバリア膜40を介して吸収膜50を積層させて配置することができる。
バリア膜40の材質としては、吸収膜50に接触しても化学的に安定で、かつ、吸収膜50が水分または酸素を吸収することによって発生する分解生成物を透過しにくい材質であれば特に限定されない。バリア膜40の材質としては、例えば、TiNやSiNなどの無機窒化物や、SiONなどの無機酸化窒化物を例示することができる。
5.吸収膜
吸収膜50は、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に設けられる。吸収膜50は、水分および酸素の少なくとも一方を捕捉することができる。本明細書において「捕捉する」とは、水分や酸素の分子を物理的に吸着すること、および、水分や酸素と反応して水分や酸素を除去することを含む意味である。
吸収膜50は、有機EL素子30を覆うバリア膜40の外側に配置される。吸収膜50は、バリア膜40に接して設けられてもよい。図1および図2の例では、吸収膜50は、バリア膜40に接して設けられている。また、図3の例では、吸収膜50は、第1基板10に接して(有機EL素子30を覆うバリア膜40の外側に)設けられている。
吸収膜50の厚みは、特に限定されず、例えば、10nm以上100μm以下とすることができる。また、吸収膜50は、複数の層の積層体であってもよい。
吸収膜50は、有機EL素子30を覆うように設けられることがより好ましい。このようにすれば、有機EL素子30を水分や酸素から保護する作用を高めることができる。
吸収膜50は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。下記一般式(1)で表される化合物は、水分および酸素の少なくとも一方と化学的に反応するため、吸収膜50は、これらを捕捉することができる。
(RM …(1)
(式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、アルコキシ基、カルボキシ基およびアミノ基から選択される1種であって、複数存在するRは同一または異なってもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。Mは2価または3価の金属原子であり、少なくとも1つのC−M結合を有する。)
上記一般式(1)で表される化合物は、成分中に存在するC−M結合(ただし、Cは炭素原子を表し、Mは2価または3価の金属原子を表す。)が水分または酸素と反応することにより、水分または酸素を捕捉することができる。
上記一般式(1)で表される化合物は、反応性が高いため、有機EL素子30と直接接すると、有機EL素子30の機能を損なう可能性があるが、本実施形態の有機ELデバイスでは、バリア膜40によって、有機EL素子30と吸収膜50とが空間的に分離されているため、このようなことが生じないようになっている。
上記一般式(1)におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、テトラメチルヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
上記一般式(1)におけるアルケニル基としては、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基等が挙げられる。上記一般式(1)におけるアルキニル基としては、プロピニル基、フェニルエチニル基等が挙げられる。上記一般式(1)における環式アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
上記一般式(1)におけるアリール基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。上記一般式(1)におけるアルコキシ基としては、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。アルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、いずれも、直鎖状であっても分岐していてもよい。
また、上記一般式(1)におけるRの炭素数は、1〜30が好ましく、6〜25がより好ましく、12〜20が特に好ましい。特にRの炭素数が6〜25であると、加水分解により発生するRに由来する分解生成物が気化にくく、仮に分解生成物がデバイス内に拡散したとしても、デバイスを構成する材料やデバイス内に存在する空隙の体積膨張や変形を起こすおそれが低く、また、一般式(1)で表される化合物が、後述するバインダー等と均一な混合物を形成しやすくなるため好ましい。
上記一般式(1)中、Mは2価または3価の金属原子である。このような金属原子としては、Al、B、Mg、Zn、Ti、Zr等が挙げられる。これらの中でも、吸湿性や吸酸素性に優れる観点から、AlまたはBが好ましく、水分や酸素を捕捉することにより分解した後、着色がなく透明性を保持できる観点から、Alがさらに好ましい。
上記一般式(1)で示される化合物の具体例としては、例えばトリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリシクロプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ‐t−ブチルアルミニウム、トリ−2−メチルブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミニウム、トリヘキサデシルアルミニウム、トリステトラメチルヘキサデシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジメチルフェニルアルミニウム、ジブチルフェニルアルミニウム、ジイソブチルフェニルアルミニウム、メチルジフェニルアルミニウム、エトキシジエチルアルミニウム、エトキシジ−n−オクチルアルミニウム、トリエチルボラン、トリブチルボラン、トリ−n−オクチルボラン、トリ−n−ドデシルボラン、トリフェニルボラン等が挙げられる。
また、一般式(1)で示される化合物の中でも、Rに由来する分解生成物が気化にくいという観点から、Rが炭素数6以上の基である化合物、例えばトリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−ドデシルアルミニウム、トリヘキサデシルアルミニウム、トリステトラメチルヘキサデシルアルミニウム等が好ましく、Rが炭素数12以上の基である化合物、例えばトリドデシルアルミニウム、トリ(3−シクロドデシルプロピル)アルミニウム(下記式(2)で示される化合物)、トリヘキサデシルアルミニウム、トリステトラメチルヘキサデシルアルミニウム、トリス(3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル)アルミニウム(以下、トリ(1−フィチル)アルミニウムともいう。下記式(3)で示される化合物)等が特に好ましい。これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
Figure 2012182102
Figure 2012182102
吸収膜50における上記一般式(1)で表される化合物の含有量は、吸収膜50の全量を100質量%とした場合、10質量%以上80質量%以下となるように設定すること好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。上記一般式(1)で表される化合物の含有量が前記範囲内であると、吸収膜50に水分や酸素を捕捉する作用を効果的に発現させることができるため好ましい。さらに、上記一般式(1)で表される化合物の含有量が前記範囲内であると、吸収膜50に対して適度な粘度を付与することができ、吸収膜50を形成する際の作業性(塗布性等)が良好となる。
吸収膜50は、上記一般式(1)で表される化合物の他に、例えば、バインダー等を含んでもよい。この場合のバインダーとしては、高分子化合物を挙げることができる。吸収膜50に配合することができる高分子化合物としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など、広範な材料を選択することができる。これらのうち、吸収膜50に配合されるバインダーとして、スチレン系共重合体、および(メタ)アクリル系重合体を使用すると、例えば、バリア膜40や他の部材との密着性を高めることができる。
吸収膜50は、有機EL素子30の発光を遮る位置に設けられる場合には、透明または半透明であることが好ましい。吸収膜50を透明または半透明とする場合であって、吸収膜50にバインダーを用いる場合には、上記一般式(1)で表される化合物と、バインダーとは、互いに相溶性の高い組み合わせとすることが好ましい。このような組み合わせの一例としては、上記一般式(1)で示される化合物として、上記例示したRが炭素数12以上の基である化合物と、バインダーとして(メタ)アクリル系重合体との組み合わせが挙げられる。
本実施形態の有機ELデバイスは、バリア膜40を有し、吸収膜50が直接有機EL素子30に接触しないため、有機EL素子30の劣化を抑制することができる。
吸収膜50が水分または酸素を捕捉した場合には、分解生成物が生成する場合がある。そのような分解生成物としては、上記一般式(1)中のRで表される基に由来する化合物が挙げられる。吸収膜50に含有されている上記一般式(1)で表される化合物が、水分または酸素と反応した結果、生じる化合物としては、各種のアルカン、アルケン、アルコール、アルデヒド、アミン等が挙げられる。そして、本実施形態の有機ELデバイスは、これらの分解生成物を、透過させにくいバリア膜40を有しているため、仮に吸収膜50が水分または酸素を捕捉して分解生成物を生じた場合であっても、その分解生成物がバリア膜40によって遮断されて、有機EL素子30に到達しにくいため、有機EL素子30の劣化を抑制することができる。
6.バリア膜および吸収膜の配置
本実施形態の有機ELデバイスにおいて、吸収膜50およびバリア膜40は、上述したように、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に設けられ、バリア膜40が有機EL素子30を覆うように配置されていれば、十分に有機ELデバイスを長寿命化する効果を奏することができるが、さらに以下のような好ましい配置の態様が存在する。
吸収膜50およびバリア膜40は、例えば、図1および図2に例示した有機ELデバイス100、120のように、いずれも層状に形成され、互いに積層して設けられることができる。既に述べたように、これらの例では、有機EL素子30側から、バリア膜40および吸収膜50の順に積層される。このようにすると、バリア膜40によって、有機EL素子30と吸収膜50との接触がなく、かつ、有機EL素子30が、吸収膜50によって覆われるため、さらに効率的に水分等が捕捉され有機EL素子30の劣化をさらに抑制することができる。
また、図1ないし図3に例示した有機ELデバイス100、120、140のように密閉空間60に対して吸収膜50を露出させるように配置すると、密閉空間60内の水分、酸素、および分解生成物等を吸収膜50によって捕捉することができる。そのため、有機EL素子30への水分や酸素、および分解生成物等の接触をより効率よく抑えることができ、有機ELデバイスの劣化を抑制することができる。
7.密閉空間
本実施形態で例示した有機ELデバイス100、120、140では、第1基板10および第2基板20の間に、密閉空間60が形成されている。本発明の有機ELデバイスにおいて、密閉空間60を形成する場合には、以下のような態様をとることができる。
密閉空間60は、例えば、第1基板10および第2基板20に設けられた凹部を利用して形成されることができる。また、密閉空間60は、図1に示すように、リブ70を第1基板10および第2基板20の間に配置することによって形成されてもよい。密閉空間60の壁面は、上述した第1基板10、第2基板20、リブ70などによって形成されることができるが、図1に示すように、各電極、バリア膜40、および吸収膜50などの厚みを利用して形成されてもよい。密閉空間60内には、窒素や不活性ガスを充填してもよい。また、密閉空間60内の圧力は、大気圧より高くても低くてもよい。
有機ELデバイスに密閉空間60が形成される場合には、例えば、以下のような効果を得ることができる。密閉空間60には気体が充填されるため、デバイスに水分あるいは酸素が侵入した場合に、密閉空間60内で水分や酸素を迅速に拡散させることができる。これにより、吸収膜50の広い領域で、水分や酸素を捕捉することができる。すなわち、吸収膜40の特定の部位(例えば、水分や酸素が侵入した近傍)のみによって捕捉されることを緩和して、吸収膜50の広い領域によって水分や酸素を捕捉することができる。その結果、吸収膜50の捕捉作用が部分的に劣化することを抑えることができるとともに、吸収膜50の水分や酸素を捕捉する能力を高めることができる。
8.作用効果等
本実施形態の有機ELデバイスは、デバイス中に存在する、もしくは、デバイス中に外部から侵入する水分や酸素を、吸収膜50が吸収するとともに、吸収膜50および吸収膜50から発生する分解生成物が有機EL素子30に接触しにくくなっている。これにより、デバイス内の水分および酸素の量を長期間にわたって十分に低く抑えることができ、有機EL素子30を長期間安定して動作させることができる。これにより、本実施形態の有機ELデバイスは、長寿命で信頼性が高く、長期間安定して高品質の発光または表示を行うことができる。
本実施形態の有機ELデバイスは、上述した第1基板10、第2基板20、有機EL素子30、バリア膜40、および吸収膜50の各構成の組を少なくとも一組有するものであるが、本実施形態の有機ELデバイスは、上述した各構成の少なくとも一部を複数有するものとしてもよい。例えば、有機ELデバイスは、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に、複数の有機EL素子30を有するものとしてもよい。また、例えば、有機ELデバイスは、対向して配置された第1基板10および第2基板20の間に、複数の吸収膜50、複数のバリア膜40を有するものとしてもよい。
これにより、本実施形態の有機ELデバイスは、例えば、有機EL素子30を複数、平面的に配列したアレイ状の面発光デバイス、または、面表示デバイスとすることができる。すなわち、本実施形態の有機ELデバイスは、有機EL照明装置や、有機EL表示装置であってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本発明の有機ELデバイスは、長期間安定して動作させることができる。本発明の有機ELデバイスは、長寿命で信頼性が高く、長期間安定して高品質の発光または表示を行うことができる。
10…第1基板、12…ガラス基板、14…シリコン基板、20…第2基板、22…半導体層、30…有機EL素子、32…第1電極、34…有機発光材料層、36…第2電極、40…バリア膜、50…吸収膜、60…密閉空間、70…リブ、100,120,140…有機ELデバイス

Claims (6)

  1. 対向して配置された第1基板および第2基板の間に設けられた有機EL素子と、
    前記第1基板および前記第2基板の間に設けられ、前記有機EL素子を覆うように設けられたバリア膜と、
    前記第1基板および前記第2基板の間に設けられ、水分および酸素の少なくとも一方を捕捉する吸収膜と、
    を備え、
    前記吸収膜が下記一般式(1)で表される化合物を含有する、有機ELデバイス。
    (RM …(1)
    (式(1)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、環式アルキル基、アリール基、アルコキシル基、カルボキシル基およびアミノ基から選択される1種であって、複数存在するRは同一または異なってもよい。nは2または3であり、Mの原子価に等しい。Mは2価または3価の金属原子であり、少なくとも1つのC−M結合を有する。)
  2. 請求項1において、
    前記一般式(1)の前記Mは、アルミニウムである、有機ELデバイス。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記バリア膜は、無機窒化物である、有機ELデバイス。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記吸収膜および前記バリア膜は、いずれも透明である、有機ELデバイス。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
    前記吸収膜は、前記有機EL素子を覆うように配置された、有機ELデバイス。
  6. 請求項5において、
    前記有機EL素子側から、前記バリア膜および前記吸収膜の順に覆われた、有機ELデバイス。
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