JP2012179513A - 排ガス浄化触媒 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】CuとAgとの2種類からなる活性種を、少なくとも1種類の酸化物から構成される同一の担体粒子に担持されていて、CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜70質量%の範囲であることを特徴とする排ガス浄化触媒。
【選択図】なし
Description
しかし、近年は、燃費を向上させることが求められ、高温でフューエルカット(FC)回数を増やすなど、排ガス浄化触媒にとっては、高温でのA/F変動に基づく酸化/還元など急激な雰囲気変動に晒される機会が増えている。こうした急激な雰囲気変動は、三元触媒中の貴金属成分が粒成長する触媒劣化を大幅に促進し、性能が低下する。
従って、本発明の目的は、活性種の1つとして卑金属を用いて初期活性とともに酸化/還元の雰囲気変動下での耐久後にも高い活性を示す排ガス浄化触媒を提供することである。
本発明は、CuとAgとの2種類からなる活性種が少なくとも1種類の酸化物から構成される同一の担体粒子に担持されていて、CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜70質量%の範囲である排ガス浄化触媒に関する。
1)担体粒子に対するCuの割合が1〜10質量%の範囲である排ガス浄化触媒。
2)排ガス浄化触媒が、担体粒子の溶媒分散液中で銅前駆体および銀前駆体を均一に混合し、この分散液から固形物を分離、乾燥、焼成して得られたものである排ガス浄化触媒。
3)CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜60質量%の範囲である排ガス浄化触媒。
4)担体粒子が、アルミニウム酸化物粒子である排ガス浄化触媒。
本発明の排ガス浄化触媒によれば、図1に示すように、CuとAgとの2種類からなる活性種が少なくとも1種類の酸化物から構成される同一の担体粒子に担持されていて、CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜70質量%、特に30〜60質量%の範囲であることによって、活性種であるCuと他の活性種である少なくとも1つのAgとが1つの担体粒子上に近接して担持されることが可能になると考えられる。この観点から、前記担体粒子に対するCuの割合は、0.1〜10質量%の範囲、特に1〜10質量%の範囲であることが好適である。
また、図1においては、担体粒子にそれぞれの活性種が1つ近接して担持されたものが示されているが、それぞれの活性種が1つ以上担持されていてもよい。
また、CuとAgとの2種類からなる活性種が少なくとも1種類の酸化物から構成される同一の担体粒子に担持されていても、CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜70質量%の範囲外であると、得られる排ガス浄化触媒の耐久性能が低下する。
本明細書において「近接して」とは、活性種であるCuとAgとの距離がHCおよび/又はO2の分子の大きさに近い長さの距離にあることを意味すると理解される。
このように本発明の排ガス浄化触媒が酸化/還元の雰囲気変動下での耐久後の高い触媒性能を示す理論的解明はなされていないが、図8に示すように、本発明の実施態様による排ガス浄化触媒は従来技術による排ガス浄化触媒に比べて酸化/還元の雰囲気変動下での耐久後のCuO粒子の粗大化の程度が少ないことが寄与していると考えられる。
つまり、本発明の排ガス浄化触媒は、1つの担体粒子上にCuとAgとが近接して担持されていることにより、Cuの排ガス中に含まれているO2との時間当たりの接触頻度が抑制され、Cu上でのCO−NO反応とAg上でのHC−O2反応が促進されることにより、残存するO2等の成分を減少させることができ、その結果、Cuの酸化/粒成長の抑制をもたらすと考えられる。さらに、Cu上でのCO−NO反応が促進されることにより、NO還元性能が大幅に向上すると考えられる。
本発明の排ガス浄化触媒は、例えば前記固形物を通常空気中又は不活性雰囲気中、好適には空気中で300℃以上、特に350℃以上、その中でも500℃以上の温度で1〜10時間程度焼成することによって、酸化銅(CuO)および酸化銀(Ag2O)を生成させて得られる。
本発明の排ガス浄化触媒において、前記のようにして焼成して生成した酸化銅および酸化銀は、還元雰囲気(例えば、COやH2が存在する等)下で高温、例えば200℃以上、特に300℃以上の温度に加熱されてそれぞれCuおよびAgの活性種となり得る。
前記の銅前駆体としては、塩化銅、硫酸銅、硝酸銅、炭酸銅、酢酸銅、安息香酸銅、蟻酸銅、蓚酸銅、クエン酸銅などが挙げられる。
また、前記の銀前駆体としては、硝酸銀、酢酸銀、酸化銀などが挙げられる。
また、本発明の排ガス浄化触媒は、通常ハニカム等の触媒基材上に積層して用い得る。
前記の触媒基材として用い得るハニカムは、コージェライトなどのセラミックス材料やステンレス鋼などにより形成され得る。また、本発明の排ガス浄化用触媒は任意の形状に成形して用いることができる。
以下の各例において、得られた触媒の評価は以下に示す測定法によって行った。以下に示す測定法は例示であって、これに限定されず同等の測定法を同様に用い得る。
1.触媒初期活性の測定
触媒ペレットをガラスの反応管につめ、ガラスウールで固定する。あらかじめ混合した下記組成のガスを、ガラスの反応管に流す。ガス温度は20℃/分の昇温速度で100℃から500℃又は350℃まで上昇させる。NO濃度およびHC(C3H6)濃度は排ガス分析計(HORIBA MEXA7100H)若しくはMS(質量分析)で測定した。
初期活性測定ガス組成:
CO 6500ppm、C3H63000ppm、NO 1500ppm、O20.7%、CO210%、H2O 3%、N2残り
800℃で下記のリッチ・リーン切り替えを各々2分毎、耐久時間5時間行った後、500℃で測定した。
リッチ:CO 3%、H2O 3%、N2残り、リーン:O2 5%、H2O 3%、N2残り
耐久後の触媒活性測定ガス組成:
CO 6500ppm、C3H63000ppm、NO 1500ppm、O20.7%、CO210%、H2O 3%、N2残り
X線回折により触媒の初期および耐久後のCuOの粒子径(結晶子)を測定した。
X線管電圧:50kV、X線管電流:300mA、ステップ幅:0.02°、積算時間:1秒、シェラー法にて半値幅から結晶子算出
アルミニウム酸化物をイオン交換水に分散し、攪拌した。水分散液に前駆体であるCu(NO3)2およびAgNO3をCuが担体に対して5質量%、Agが担体に対して5質量%となる割合で投入し、加熱して攪拌した。攪拌しで攪拌後、乾燥した後、120℃で1時間乾燥を行った後、600℃で5時間焼成した。
得られた焼成品を加圧して触媒ペレットを作製し、触媒性能および耐久前後の触媒中のCuO粒子径を求めた。
得られた結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
Cuが担体に対して6質量%、Agが担体に対して4質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能および耐久前後のCuO粒子径を求めた結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
Cuが担体に対して4質量%、Agが担体に対して6質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能および耐久前後のCuO粒子径を求めた結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
Cuが担体に対して7質量%、Agが担体に対して3質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能および耐久前後のCuO粒子径を求めた結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
Cuが担体に対して3質量%、Agが担体に対して7質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能および耐久前後のCuO粒子径を求めた結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
水分散液にCu(NO3)2をCuが担体に対して10質量%となる割合で投入した他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能および耐久前後のCuO粒子径を求めた結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
水分散液にCu(NO3)2をCuが担体に対して5質量%となる割合で投入した他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能および耐久前後のCuO粒子径を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6、図7および図8に示す。
水分散液にAgNO3をAgが担体に対して10質量%となる割合で投入した他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
水分散液にAgNO3をAgが担体に対して5質量%となる割合で投入した他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
アルミニウム酸化物をイオン交換水に分散し、攪拌した。水分散液にCu(NO3)2をCuが担体に対して5質量%となる割合で投入し、加熱して攪拌し、攪拌後、乾燥した後、120℃で1時間乾燥を行った後、600℃で5時間焼成して、Cu担持焼成品を得た。
別途に、水分散液にAgNO3をAgが担体に対して5質量%となる割合で投入し、加熱して攪拌し、攪拌後、乾燥した後、120℃で1時間乾燥を行った後、600℃で5時間焼成して、Ag担持焼成品を得た。
得られたCu担持焼成品とAg担持粉末とを乳鉢で粉砕、混合し、加圧して触媒ペレットを作製し、触媒性能を測定した。
得られた結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
水分散液にCu(NO3)2およびFe(NO3)3をCuが担体に対して5質量%、Feが担体に対して5質量%となる割合で投入した他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
Cuが担体に対して8質量%、Agが担体に対して2質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
Cuが担体に対して2質量%、Agが担体に対して8質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
Cuが担体に対して9質量%、Agが担体に対して1質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
Cuが担体に対して1質量%、Agが担体に対して9質量%となる割合にした他は実施例1と同様にして触媒粉末および触媒ペレットを得た。触媒性能を測定した結果を他の結果とまとめて図5、図6および図7に示す。
Claims (5)
- CuとAgとの2種類からなる活性種が少なくとも1種類の酸化物から構成される同一の担体粒子に担持されていて、CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜70質量%の範囲である排ガス浄化触媒。
- 前記担体粒子に対するCuの割合が0.1〜10質量%の範囲である請求項1に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記排ガス浄化触媒が、担体粒子の溶媒分散液中で銅前駆体および銀前駆体を均一に混合し、この分散液から固形物を分離、乾燥、焼成して得られたものである請求項1又は2に記載の排ガス浄化触媒。
- CuとAgとの合計量に対するAgの割合が30〜60質量%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
- 前記担体粒子が、アルミニウム酸化物粒子である請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒。
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