JP2012177434A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロックアップクラッチの解放タイミングが良好になるまでの学習期間を大幅に短縮することができるロックアップクラッチの制御装置を提供すること
【解決手段】ロックアップクラッチが解放状態から締結状態に移行する際に、当該ロックアップクラッチの差回転数が所定値未満になったことを検出し(ST2:YES)、その時のロックアップ差圧を推定する(ST3)。推定したロックアップ差圧から、前記差回転数が所定値未満になったことを検出した時の指示差圧を減算して得られた値を予め設定された基準値JDGH、JDGLと比較して(ST4、ST6)、前記ソレノイド弁の出力特性を楽手補正値を介して選別する(ST5、ST7、ST8)。そして、ロックアップクラッチの解放制御時において、前記選別の結果としての学習補正値に応じてロックアップクラッチの解放開始時の指示差圧を補正する。
【選択図】図5

Description

本発明は、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの制御装置に関し、詳しくは指示差圧に従ってロックアップクラッチのロックアップ差圧を変化させるロックアップソレノイド弁の出力特性を学習補正する技術に関する。
ロックアップソレノイド弁の出力特性には個体差があり、同じ指示差圧(指示電流)が付与されてもロックアップソレノイド弁ごとに出力特性が異なる。つまり、出力特性が比較的高いロックアップソレノイド弁によれば、ロックアップ差圧が大きくなり、出力特性が比較的低いロックアップソレノイド弁によれば、ロックアップ差圧が小さくなる。このため、ロックアップクラッチを締結状態から解放状態に変化させる場合、出力特性が高いロックアップソレノイド弁では、ロックアップクラッチの解放が比較的遅れ、出力特性が低いロックアップソレノイド弁では、ロックアップクラッチの解放が比較的早くなる。
このような、ロックアップクラッチの解放タイミングのばらつきを抑えるために、従来より、ロックアップクラッチの解放制御開始時のロックアップ差圧の指示差圧を補正する手法が採られている。具体的には、ロックアップクラッチの解放制御開始時から解放完了に至るまでの時間(以下単に「解放時間」ともいう。)を計測し、得られた解放時間が基準値よりも短い場合は、ロックアップクラッチの解放制御開始時のロックアップ差圧の指示差圧を高圧側に学習補正し、ロックアップクラッチの解放時間が長くなるようにする一方、得られた解放時間が基準値よりも長い場合は、上記指示差圧を低圧側に学習補正し、解放時間が短くなるようにしている。
車両の減速時において、ロックアップクラッチの解放タイミングが遅れるとエンストし易くなるため、例えば、未学習補正状態でもエンストを起こさないように、想定される最も出力特性が高いロックアップソレノイド弁(以下、「出力上限品」ともいう。)に合わせて、ロックアップクラッチの解放タイミングが最適になるよう設計することが考えられる。その場合、出力上限品よりも出力特性が低いロックアップソレノイド弁については、ロックアップクラッチの解放制御開始時のロックアップ差圧の指示差圧を高圧側に補正することになる。一方、ロックアップクラッチの解放タイミングが早すぎる場合、トルクの急変により車両にショックが出やすくなるので、ショックとエンストのバランスを考慮して未学習状態のロックアップソレノイド弁の出力特性のとり得る範囲を決定する。
例えば特許文献1に開示されているロックアップクラッチの制御装置では、ロックアップクラッチの係合油圧を滑らかに低下させて解放するスムーズオフ制御開始時(ロックアップクラッチの解放制御開始時)のロックアップ差圧の指示差圧がロックアップクラッチの解放時間に応じて補正される。
なお、特許文献2には、ロックアップクラッチの締結トルク容量の算出方法が開示されている。
特開2008−121750号公報 特開平11−344110号公報
ロックアップソレノイド弁の出力特性のばらつきをロックアップクラッチの解放時間を介して学習し、ロックアップクラッチの解放制御開始時のロックアップ差圧の指示差圧を解放時間に応じて補正することで、ロックアップクラッチの解放タイミングは次第に良好となる。
しかし、スムーズオフ制御開始時からロックアップクラッチが解放状態に至るまでの間に、補機類の負荷変動、燃料カットの実行などによるトルク変動が発生すると学習値としての解放時間が適切に得られない場合がある。そこで、誤学習による悪影響を最小限に抑えるため、スムーズオフ制御開始時の指示差圧に対する1回当たりの補正量が小量に制限されている。
ところが、1回当たりの補正量が小量に制限されていることにより、ロックアップクラッチの解放タイミングが良好になるまでに、多くの時間を要し、その間、ロックアップオフ時の車両ショックによって乗員に繰り返し不快感を与えてしまう。
本発明は既述の問題に鑑みて創案されたものであり、ロックアップソレノイド弁の出力特性のばらつきをロックアップクラッチの解放時間を通じて学習し、ロックアップクラッチの解放制御開始時の指示差圧を上記解放時間に応じて補正するロックアップクラッチの制御装置において、ロックアップクラッチの解放タイミングが良好になるまでの学習期間を短縮することができるロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的する。
上述の課題を解決するための手段として、本発明のロックアップクラッチの制御装置は、以下のように構成されている。
すなわち、本発明のロックアップクラッチの制御装置は、エンジンからの出力をポンプインペラおよびタービンランナを介して自動変速機の入力軸側に伝達するトルクコンバータに備えられ、前記エンジン側と前記自動変速機側とを締結・解放可能な油圧式のロックアップクラッチに関し、指示差圧に従ってロックアップ差圧を変化させるソレノイド弁を有し、このソレノイド弁を介してロックアップクラッチを締結・解放制御するものを前提としており、ロックアップクラッチが解放状態から締結状態に移行する際に、当該ロックアップクラッチの差回転数が所定値未満になったことを検出する差回転数検出手段と、前記差回転数検出手段が前記差回転数が所定値未満になったことを検出した時のロックアップ差圧を推定するロックアップ差圧推定手段と、前記ロックアップ差圧推定手段により推定されたロックアップ差圧から、前記差回転数が所定値未満になったことを検出した時の指示差圧を減算して得られた値を予め設定された基準値と比較して、前記ソレノイド弁の出力特性を選別する出力特性選別手段と、ロックアップクラッチの解放制御時において、前記出力特性選別手段による選別結果に応じてロックアップクラッチの解放開始時の指示差圧を補正する補正手段と、を備えることを特徴とするものである。
かかる構成を備えるロックアップクラッチの制御装置によれば、ロックアップクラッチの差回転数が所定値未満の時に、ソレノイド弁の出力特性を瞬時に学習することができるため、トルク変動による悪影響を受けることなく適切な学習値を得ることができる。このため、スムーズオフ制御開始時の指示差圧に対する補正量を大きくすることができ、その結果、学習開始からロックアップクラッチの解放タイミングが良好になるまでの学習期間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明のロックアップクラッチの制御装置によれば、学習開始からロックアップクラッチの解放タイミングが良好になるまでの学習期間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両の概略構成を示す図である。 ロックアップクラッチを作動させるための油圧制御回路を示す図である。 ECUなどの制御系の構成を示すブロック図である。 ロックアップクラッチが解放状態から締結する際におけるロックアップ差圧と、エンジン回転数およびタービン回転数を示すタイムチャートである。 制御装置が実行するロックアップオン時の学習制御の手順を示すフローチャートである。 トルクコンバータの容量係数を定めたマップの一例である。 制御装置が実行するスムーズオフ制御の手順を示すフローチャートである。 スムーズオフ制御によって変化する指示差圧を示すタイムチャートである。 制御装置が実行するロックアップオフ時の学習制御の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本実施形態に係るロックアップクラッチの制御装置が実行する学習制御の説明に先立ってこの制御装置を搭載した車両の概略構成例について図1に基づき説明する。
図1に示す車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両であって、エンジン1、トルクコンバータ2、前後進切換装置3、ベルト式無段変速機4、減速歯車装置5、差動歯車装置6、ECU(Electronic Control Unit)8、油圧制御回路20などを搭載している。
エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11は、トルクコンバータ2に連結されており、エンジン1の出力が、トルクコンバータ2から前後進切換装置3、ベルト式無段変速機4および減速歯車装置5を介して差動歯車装置6に伝達され、左右の駆動輪(図示せず。)へ分配される。
<エンジン>
エンジン1は、たとえば、多気筒ガソリンエンジンであり、エンジン1に吸入される吸入空気量は、電子制御式のスロットルバルブ12により調整される。スロットルバルブ12の開度(スロットル開度)は、スロットル開度センサ102によって検出される。また、エンジン1の冷却水温は、水温センサ103によって検出される。
スロットルバルブ12のスロットル開度は、ECU8によって駆動制御される。具体的には、エンジン回転数センサ101によって検出されるエンジン回転数Ne、および運転者のアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)Apなどのエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるように、スロットルバルブ12のスロットル開度が制御される。
<トルクコンバータ>
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行なう。
トルクコンバータ2には、その入力側と出力側とを直結するロックアップクラッチ25が設けられている。ロックアップクラッチ25は、係合側油室26内の油圧と解放側油室27内の油圧との差圧(ロックアップ差圧)ΔP(ΔP=係合側油室26内の油圧−解放側油室27内の油圧)によってフロントカバー2aに摩擦係合される油圧式摩擦クラッチであって、上記差圧ΔPを制御することにより係合状態(締結状態)または解放状態とされる。すなわち、ロックアップ差圧ΔPを正値にすることによりロックアップクラッチ25が係合し、ロックアップ差圧ΔPをゼロ以下にすることでロックアップクラッチ25は解放される。ロックアップ差圧ΔPは、後述するロックアップ制御弁82等およびECU8によって制御される。
トルクコンバータ2にはポンプインペラ21に連結して駆動される機械式のオイルポンプ7が設けられている。このオイルポンプ7から供給される油圧が油圧制御回路20の元圧となる。
<前後進切換装置>
前後進切換装置3は、遊星歯車機構30、後進用クラッチC1および前進用ブレーキB1を備えている。後進用クラッチC1を解放して前進用ブレーキB1を締結すると、タービンシャフト28の回転は、反転かつ減速されて入力軸40へ伝達される。前進用ブレーキB1を解放して後進用クラッチC1を締結すると、タービンシャフト28と入力軸40とが直結される。また、後進用クラッチC1および前進用ブレーキB1がともに解放されると、前後進切換装置3は、動力を遮断してニュートラル状態を形成する。
<ベルト式無段変速機>
ベルト式無段変速機4は、入力側のプライマリプーリ41、出力側のセカンダリプーリ42、およびこれらプライマリプーリ41とセカンダリプーリ42との間に巻き掛けられた金属製のベルト43などを備えている。プライマリプーリ41の可動シーブ412側には、固定シーブ411と可動シーブ412との間のV溝幅を変更するための油圧アクチュエータ413が配設されている。この油圧アクチュエータ413へ供給される油圧を制御することにより、上記V溝幅が変更される。また、セカンダリプーリ42の可動シーブ422側にも同様に、固定シーブ421と可動シーブ422との間のV溝幅を変更するための油圧アクチュエータ423が配置されており、この油圧アクチュエータ423へ供給される油圧を制御することにより、上記V溝幅が変更される。
<油圧制御回路>
次に、上記ロックアップクラッチ25付トルクコンバータ2へ供給する作動油を制御するための油圧制御回路20について、図2を参照して説明する。図2において、71はプライマリレギュレータ弁であり、SLSはライン圧PLの調圧制御用のリニアソレノイド弁である。リニアソレノイド弁SLSには常開型のリニアソレノイド弁が用いられ、このリニアソレノイド弁SLSの信号圧はECU8の指示に従って制御される。
プライマリレギュレータ弁71は、オイルポンプ7から供給されるオイルを所定のライン圧PLに調圧するための弁である。プライマリレギュレータ弁71の信号ポート71aには、リニアソレノイド弁SLSから出力されたソレノイド圧Pslsが入力されている。プライマリレギュレータ弁71は、ライン圧PLをソレノイド圧Pslsに比例した油圧に調圧する。
また、図2において、82はロックアップ制御弁であり、84はソレノイド弁(ロックアップソレノイド弁)であり、86はセカンダリレギュレータ弁である。
ロックアップ制御弁82は、ロックアップクラッチ25の締結・解放動作を制御するための弁であり、プライマリレギュレータ弁71のライン圧PLの調圧状態に伴って発生する余剰オイルをロックアップクラッチ25の各作動油室26、27に供給することによりロックアップクラッチ25の締結・解放動作を制御する。
ロックアップ制御弁82は、スプリング82a、スプール82b、信号ポート82c、入力ポート82d、第1出力ポート82g、第2出力ポート82h等を備えている。スプール82bは、スプリング82aにより一方向から付勢されており、スプリング82aと対向する位置に設けられた信号ポート82cにソレノイド弁84から出力された出力圧Psが入力されている。入力ポート82dには、セカンダリレギュレータ弁86から元圧Poが入力されている。第1出力ポート82gは、油路88を介してロックアップクラッチ25の解放側油室27と接続されている。また、第2出力ポート82hは、油路90を介してロックアップクラッチ25の締結側油室26と接続されている。
ソレノイド弁84は、ECU8の指示差圧に従ってロックアップ制御弁82の信号ポート82cに対して出力圧Psを出力する。この出力圧Psが小さくなると、スプール82bがスプリング82aに押圧移動されて上位置(図2において左側の位置)に近づき、元圧Poが入力ポート82d、第1出力ポート82gを介してロックアップクラッチ25の解放側油室27に供給されるようになる。この結果、ロックアップクラッチ25のロックアップ差圧ΔPが小さくなり、ロックアップクラッチ25は解放状態になる。一方、上記出力圧Psが大きくなると、スプール82bがスプリング82aに抗して下位置(図2において右側の位置)に近づき、元圧Poが入力ポート82dおよび第2出力ポート82hを介してロックアップクラッチ25の締結側油室26に供給されるようになる。この結果、ロックアップクラッチ25のロックアップ差圧ΔPが大きくなり、ロックアップクラッチ25は締結状態になる。
なお、油圧制御回路20には、以上に説明した構成のほか、ベルト式無段変速機4に供給される油圧をコントロールするための図示しないソレノイド、制御弁なども組み込まれる。
<ECU>
ECU8は、図3に示すように、CPU81、ROM83、RAM85およびバックアップRAM87などからなるマイクロコンピュータを中心として構成され、エンジン1を制御するエンジンECUと、油圧制御回路20を介してベルト式無段変速機4、ロックアップクラッチ25を制御するCVT−ECUとから構成されている。
これらCPU81、ROM83、RAM85およびバックアップRAM87は、バス89を介して互いに接続されるとともに、入力インターフェース91および出力インターフェース93に接続されている。
入力インターフェース91には、エンジン回転数センサ101、スロットル開度センサ102、水温センサ103、タービン回転数センサ104、プライマリプーリ回転数センサ105、セカンダリプーリ回転数センサ106、アクセル開度センサ107、シフトレバーの位置を検出するレバーポジションセンサ110、ブレーキペダルセンサ112、作動油の油温センサ113、車速センサ114などが接続されており、これらのセンサの出力信号がECU8に供給されるようになっている。
出力インターフェース93には、スロットルモータ13、燃料噴射装置14、点火装置15および油圧制御回路20などが接続されている。ECU8は、上記各センサの出力信号などに基づいて、エンジン1の出力制御、ベルト式無段変速機4の変速比制御およびベルト挟圧制御、ロックアップクラッチ25の係合・解放制御、ならびに前後進切換装置3の後進用クラッチC1および前進用ブレーキB1の係合・解放制御などを実行する。
<ロックアップオン時の学習制御>
つぎに、ロックアップクラッチ25が解放状態から締結する際(ロックアップオン時)に、ECU8が実行する学習制御について説明する。本実施形態に係る学習制御では、ロックアップクラッチ25が締結する際(ロックアップクラッチ25の差回転数が所定値JDGFIN未満になった時)のロックアップ差圧を推定し、その推定したロックアップ差圧ΔPsから同じくロックアップクラッチ25が締結する際(ロックアップクラッチ25の差回転数が所定値JDGFIN未満になった時)の指示差圧ΔPtを減算して得られる値を所定のHi側基準値JDGH又は所定のLow側基準値JDGLと比較して、ロックアップソレノイド弁84の出力特性を学習補正値を用いて選別する。この選別結果である学習補正値に応じて、後に詳述するスムーズオフ制御の制御開始時の指示差圧が補正される。
図4は、ロックアップクラッチ25が解放状態から締結する際におけるロックアップ差圧ΔPの変化例を示すタイムチャートと、エンジン回転数Ne1〜Ne3およびタービン回転数Ntのタイムチャートの一例を示している。符号X1、Ne1はロックアップソレノイド弁84としてノミナル品を採用した場合を示している。また、符号X2、Ne2はロックアップソレノイド弁84として比較的高い出力特性を有するものを採用した場合を示している。また、符号X3、Ne3はロックアップソレノイド弁84として比較的低い出力特性を有するものを採用した場合を示している。
ロックアップソレノイド弁84として比較的高い出力特性を有するものを採用した場合は、既述の推定したロックアップ差圧ΔPsからロックアップクラッチ25が締結した際の指示差圧ΔPtを減算して得られる値の大きさは、矢印Z2の長さで表される。また、ロックアップソレノイド弁84として比較的低い出力特性を有するものを採用した場合は、既述の推定したロックアップ差圧ΔPsからロックアップクラッチ25が締結した際の指示差圧ΔPtを減算して得られる値の大きさは、矢印Z3の長さで表される。これらの矢印Z2,Z3の長さが長いほど、ノミナル品と比べて出力特性のばらつきが大きいといえる。このばらつき(矢印Z2,Z3の長さ)が所定値(Hi側基準値JDGHまたはLow側基準値JDGLの絶対値)より大きい場合に、後に詳述するスムーズオフ制御の制御開始時の指示差圧を大幅補正して、学習補正の早期収束を図るようにしている。
以下、ECU8が実行するロックアップオン時の学習制御の制御手順について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップST1において、ECU8は、ロックアップオン時の学習制御を実行するための実行条件が成立しているか否かを判定する。この実行条件は、車種に応じて設定されるべきものであるが、例えば、ロックアップクラッチ25の作動油温が所定値(例えば60℃)以上であること、エンジン冷却水温が所定値(例えば70℃)以上であることなどが上記実行条件として挙げられる。このステップST1で肯定判定した場合は、ステップST2に移り、否定判定した場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST2において、ECU8は、ロックアップクラッチ25の差回転数DN(エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの差)が所定値JDGFIN未満であるか否かを判定する。このステップST2で肯定判定した場合は、ステップST3に移り、否定判定した場合は、本ルーチンを抜ける。なお、上記所定値JDGFINは、ロックアップクラッチ25がほぼ締結したとみなせる値(例えば50rpm以内)とすることが望ましい。
ステップST3において、ECU8は、ロックアップクラッチ25の差回転数DNが所定値JDGFIN未満となったときのロックアップ差圧の推定値ΔPsを算出する。ロックアップ差圧の推定値ΔPsは、次式(1)で表すことができる。
ΔPs=TCL/U/(SL/U*μ) ・・・(1)
ここで、TCL/Uはロックアップクラッチ25のトルク容量であり、SL/Uはロックアップクラッチ25の摩擦係合部の有効面積であり、μはロックアップクラッチ25の摩擦係合部の摩擦係数である。
また、ロックアップクラッチ25のトルク容量TCL/Uは、次式(2)で表される。
TCL/U=Te−Ploss−Ie*dωe/dt−C*ωe・・・・(2)
ここで、Teはエンジントルク、Plossはオイルポンプ7の負荷、Ieはエンジン1からポンプインペラ21に至るまでの回転部品のイナーシャであり、ωeはエンジン1の回転角速度であり、dωe/dtはエンジン1の回転角加速度であり、Cはロックアップクラッチ25のトルクコンバータ2の容量係数である。なお、周知のとおりエンジントルクは、スロットル開度とエンジン回転数から求めることができ、ポンプ負荷は油圧制御回路20のライン圧PLから求めることができる。
また、ECU8は、図6に示すような、エンジン回転数とタービン回転数との回転速度比をパラメータとしてトルクコンバータ2の容量係数Cを定めたマップを有しており、エンジン回転数センサ101およびタービン回転数センサ104の出力値に基づいて検出される上記回転速度比と上記マップとから容量係数Cを得る。図6に示すマップでは、回転速度比が大きくなるにつれて容量係数Cが低下しているが、このような特性は、実験、シミュレーション等により求められる。
ステップST4において、ECU8は、ロックアップ差圧の推定値ΔPsから現在の指示差圧ΔPtを減算して得られる値が所定のHi側基準値JDGHより大きいか否かを判定する。ここで、肯定判定した場合は、ステップST5に移り、否定判定した場合はステップST6に移る。
ステップST5において、ECU8は、学習補正値LCとしてゼロを設定する。このステップST5において、学習補正値LCとしてゼロが設定される場合、採用しているロックアップソレノイド弁84がノミナル品と比べて出力特性が高いものといえる。
ステップST6において、ECU8は、ロックアップ差圧の推定値ΔPsから現在の指示差圧ΔPtを減算して得られる値が所定値JDGLより小さいか否かを判定する。ここで、肯定判定した場合は、ステップST7に移り、否定判定した場合はステップST8に移る。
ステップST7において、ECU8は、学習補正値LCとしてHOSEI1を設定する。このステップST7において、学習補正値LCとしてHOSEI1が設定される場合、採用しているロックアップソレノイド弁84がノミナル品と比べて出力特性が低いものといえる。
ステップST8において、ECU8は、学習補正値LCとしてHOSEI2を設定する。このステップST8において、学習補正値LCとしてHOSEI2が設定される場合、採用しているロックアップソレノイド弁84がノミナル品と同程度の出力特性を有するものであるといえる。なお、HOSEI1とHOSEI2は、絶対値として、HOSEI1<HOSEI2の関係にある。
<スムーズオフ制御>
つぎに、ECU8が実行するロックアップクラッチ25のスムーズオフ制御について図7に示すフローチャートを参照して説明する。このスムーズオフ制御は、制御開始時にロックアップ差圧(指示差圧)を急減させ、その後、解放時のショックを抑制するために、ロックアップ差圧を徐々に(できるだけ滑らかに)低下させてロックアップクラッチ25を解放するロックアップオフ制御である。
ステップST11において、ECU8は、スムーズオフ制御を実行するための所定の実行条件が成立しているか否かを判定する。この所定の実行条件は、車種に応じて個別に設定されるべきものであるが、例えば、アクセルオフ状態であること、車両が減速状態にあることなどが上記実行条件として挙げられる。このステップST11で肯定判定した場合は、ステップST12に移り、否定判定した場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST12において、ECU8は、スムーズオフ制御の開始時であるか否かを判定する。ここで肯定判定した場合は、ステップST13に移り、否定判定した場合は、ステップST16に移る。なお、スムーズオフ制御の開始時であるか否かの判定は、種々の方法によりなすことが可能であるが、例えば、スムーズオフ制御開始時にON設定され、後述するロックアップオフ学習値の反映後にOFF設定されるフラグを参照すること等により行うことができる。
ステップST13において、ECU8は、「ロックアップオン時の学習制御」で得られた学習補正値LCが、ロックアップオフ学習値Loffより大きいか否かを判定する。ここで、ロックアップオフ学習値Loffはスムーズオフ制御開始時の指示差圧を補正するための値である。本ステップST13において肯定判定した場合は、ロックアップオフ学習値Loffとして「ロックアップオン時の学習制御」で得られた学習補正値LCを採用し(ステップST14)、その設定されたロックアップオフ学習値を反映させる(ST15)。図8に示すように、スムーズオフ制御開始時(時間A)におけるロックアップクラッチ25の指示差圧ΔPtは、ノミナル品と同程度の出力特性を有するロックアップソレノイド弁84が使用されている場合には、HOSEI1だけ高圧側に補正され、ノミナル品と比べて所定値以上出力特性が低いロックアップソレノイド弁84が使用されている場合は、HOSEI2だけ高圧側に補正される。なお、学習補正値LC=0の場合は、ステップST13において否定判定され、ロックアップオフ学習値Loffは更新されない。
ステップST16において、ECU8は、前回のステップST16の処理実行時の指示差圧から所定値(微小値)を減算した値を新たな指示差圧とする(ステップST16)。図8の時間A〜時間Bの範囲に示すように本ステップST16を実行する毎にロックアップ差圧の指示差圧ΔPtが徐々に低下する。
<ロックアップオフ時の学習制御>
つぎに、ロックアップクラッチ25が締結状態から解放状態に移行する際(ロックアップオフ時)に、ECU8が実行する学習制御について図9に示すフローチャートを参照して説明する。このロックアップオフ時の学習制御は、ロックアップクラッチ25の指示差圧ΔPtをロックアップクラッチ25の解放制御開始時から解放完了に至るまでの時間(以下単に「解放時間」ともいう。)に応じて補正するものである。
ステップST31において、ECU8は、ロックアップオフ時の学習制御を禁止するための禁止条件が成立しているか否かを判定する。この禁止条件は、車種に応じて設定されるべきものであるが、例えば、ロックアップクラッチ25の作動油温が所定値(例えば60℃)未満であること、エンジン冷却水温が所定値(例えば70℃)未満であること、アクセルオン状態にあることなどが上記実行条件として挙げられる。このステップST31で否定判定した場合は、ステップST32に移り、肯定判定した場合は、本ルーチンを抜ける。
ステップST32において、ECU8は、ロックアップクラッチ25の実解放時間Tが目標解放時間Ttより長いと判定した場合(ステップST32:YES)、ロックアップオフ学習値Loffから所定値を減算して得られる値を新たなロックアップオフ学習値Loffとする。この結果、スムーズオフ制御開始時(時間A)における指示差圧が低下して、ロックアップクラッチ25の解放時間が短くなり、ロックアップクラッチ25の実解放時間Tが目標解放時間に近くなる。
ステップST32において、ECU8は、ロックアップクラッチ25の実解放時間Tが目標解放時間Ttより短いと判定した場合(ステップST32:NO)、ロックアップオフ学習値Loffから所定値を加算して得られる値を新たなロックアップオフ学習値Loffとする。この結果、スムーズオフ制御開始時(時間A)における指示差圧が上昇して、ロックアップクラッチ25の解放時間が長くなり、ロックアップクラッチ25の実解放時間Tが目標解放時間に近くなる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ロックアップクラッチ25の締結時(ロックアップクラッチ25の差回転数が所定値未満の時)に、ロックアップソレノイド弁84の出力特性を瞬時に学習することができるため、フューエルカットの実行などによるトルク変動による悪影響を受けることなく適切な学習値を得ることができる。このため、スムーズオフ制御開始時の指示差圧に対する補正量を大きくすることができ、その結果、従来のロックアップクラッチ制御装置と比較して、学習開始からロックアップクラッチの解放タイミングが良好になるまでの時間を大幅に短縮することが可能となる。
本発明は、例えば、指示差圧に従ってロックアップクラッチのロックアップ差圧を変化させるロックアップソレノイド弁の出力特性を学習補正する制御装置に適用可能である。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
4 ベルト式無段変速機(自動変速機)
8 ECU
21 ポンプインペラ
22 タービンランナ
25 ロックアップクラッチ
40 (自動変速機の)入力軸
84 ロックアップソレノイド弁
101 エンジン回転数センサ
104 タービン回転数センサ

Claims (1)

  1. エンジンからの出力をポンプインペラおよびタービンランナを介して自動変速機の入力軸側に伝達するトルクコンバータに備えられ、前記エンジン側と前記自動変速機側とを締結・解放可能な油圧式のロックアップクラッチに関し、
    指示差圧に従ってロックアップ差圧を変化させるソレノイド弁を有し、このソレノイド弁を介してロックアップクラッチを締結・解放制御する制御装置において、
    ロックアップクラッチが解放状態から締結状態に移行する際に、当該ロックアップクラッチの差回転数が所定値未満になったことを検出する差回転数検出手段と、
    前記差回転数検出手段が前記差回転数が所定値未満になったことを検出した時のロックアップ差圧を推定するロックアップ差圧推定手段と、
    前記ロックアップ差圧推定手段により推定されたロックアップ差圧から、前記差回転数が所定値未満になったことを検出した時の指示差圧を減算して得られた値を予め設定された基準値と比較して、前記ソレノイド弁の出力特性を選別する出力特性選別手段と、
    ロックアップクラッチの解放制御時において、前記出力特性選別手段による選別結果に応じてロックアップクラッチの解放開始時の指示差圧を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とするロックアップクラッチの制御装置
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