JP2012175892A - 球面モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータとステータの両方に対してベアリングボールの転がりが可能な球面軸受機構を有した球面モータを提供する。
【解決手段】ベアリングボールを回転自在な状態で保持した保持器106をステータ内側カバー101とロータカバー113との間に介在させる。保持器106が、ステータ内側カバー101およびロータカバー113に対して相対的に動ける構造とすることで、ステータ110の回転時にベアリングボールがステータ内側カバー101に対して転がり、またロータカバー113に対して転がる。これにより、ベアリングボールのステータ側部材およびロータ側部材への転がりが無理なく行われる球面軸受機構が実現される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロータを保持する構造に特徴のある球面モータに関する。
内部が中空の球体状の構造(球殻構造)を有するステータと、その内側に配置された回転自在な球体状のロータを備えた球面モータが知られている(例えば、特許文献1参照)。球面モータは、球殻構造のステータの内側で球状のロータが3自由度以上に回転可能な構造を有している。この構造の球面モータは、球殻構造のステータの内面に、球の中心方向に向かって延在する突極が複数設けられ、この突極にステータコイル(マグネットワイヤ)が巻かれている。他方で、ロータは、球体の表面に複数のマグネットが埋め込まれている。
以下、球面モータの原理を簡単に説明する。まず、球面モータの中心を通る面で切断した切断面を考える。この場合、ロータの回転位置に応じて複数のステータコイルに流す励磁電流の向きを適宜切り替えることで、ロータ側のマグネットとステータ側の磁極との間で生じる磁力の向きが切り替わり、ロータが上記切断面に垂直な方向を軸として回転する。これは、1軸自由度のブラシレスモータと同じ原理である。磁極が球殻構造のステータの内面において均等な位置に配置されていれば、上記の切断断面は任意の位置で考えることができ、ロータは任意の方向を軸として回転可能となる。言い換えると、回転軸の方向を変更しての回転が可能となる。
ところで、球面モータでは、外側のステータの内側において、ロータが回転可能な状態で保持される構造が必要とされる。この構造として、特許文献1に記載されているような、球殻構造のステータと球面構造のロータとの間にベアリングボールを配置する球面軸受構造が提案されている。この球面軸受構造では、ベアリングボールの位置の偏りを防ぐために、ロータまたはステータ側にベアリングボールを保持する構造が配置され、そこにベアリングボールが回転自在な状態で保持される構造とされる。特許文献1には、ステータ内面に保持されたベアリングボールを空気圧で浮上させることで、ベアリングボールが自在に転がることができる状態を実現する構成が記載されている。
特開2010−60011号公報
上述の特許文献1に記載されたベアリングボールを空気圧でステータから浮かせ、ロータに接触させる構造では、ロータの回転時におけるベアリングボールのロータに対する転がり状態が得られ、それによりロータの回転を受ける球面軸受構造が実現される。しかしながら、この構造は、空気圧を送り込む機構が必要であり、実用的ではない。
他方において、ベアリングボールをステータの内面に接触させた状態でステータ側に保持する構造も考えられる。しかしながらこの構造は、ベアリングボールをステータに束縛する構造が必要となるので、ベアリングボールのステータに対する理想的な転がりを実現することはできない。これは、ロータ側にベアリングボールを保持させる構造とした場合にも同様にいえる。ステータおよびロータの少なくとも一方に対するベアリングボールの転がり運動が行えない場合、ベアリングボールが圧力を受けながら滑る状態となるので、ベアリングボールの磨耗が生じ、またこれに関連して球面軸受としての抵抗が増加する。これは、球面軸受構造の耐久性の低下、およびモータ効率の低下の要因となる。
このような背景において、本発明は、ロータとステータの両方に対してベアリングボールの転がりが可能な球面軸受機構を有した球面モータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、球殻構造を有した外側部材と、球面状の外面を有し、前記外側部材に対して相対的に回転自在な状態で前記外側部材の内側に配置された内側部材と、前記外側部材の内面に接触しての転がりが可能で、且つ、前記内側部材の外面に接触しての転がりが可能な複数のベアリングボールと、前記複数のベアリングボールを回転自在な状態で保持し、前記外側部材と前記内側部材との間に位置すると共に前記外側部材および前記内側部材に対して相対的に動くことが可能な保持器とを備えることを特徴とする球面モータである。
請求項1に記載の発明においては、保持器に保持されたベアリングボールが球殻構造を有する外側部材の内面と内側部材の球面状の外面とに接触する。そして、外側部材に対して内側部材が相対的に回転すると、保持器に保持された状態でベアリングボールが回転する。この際、保持器が外側部材および内側部材に対して相対的に動くことで、ベアリングボールが外側部材の内面に接触しつつ転がり、且つ、内側部材の外面に接触しつつ転がることが可能となる。こうして、保持器に保持された複数のベアリングボールが外側部材および内側部材に対して転がることで、外側部材に対して内側部材が相対的に回転する際に生じるベアリングボールの磨耗が抑えられ、また抵抗の発生が抑えられる。
ここで、外側部材の球殻構造は、一部が欠けた構造であってもよい。また、内側部材も球面構造の一部が欠けた構造であってもよい。なお、本明細書で開示する発明は、外側部材がステータで内側部材がロータである形態、外側部材がロータで内側部材がステータである形態の両方が可能である。また、ステータ側の磁極に電磁石を採用し、ロータ側の磁極に永久磁石を採用する形態、ステータ側の磁極に永久磁石を採用し、ロータ側の磁極に電磁石を採用する形態、ステータ側の磁極とロータ側の磁極の両方に電磁石を採用する形態のいずれもが可能である。なお、これらの形態の中には、ロータの回転が制限される形態もあるが、例えば眼球の動きのような限られた範囲での三次元的な回転をロータが行う構成に本発明を利用することもできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記保持器が骨組み構造を有することを特徴とする。保持器を骨組み構造とすることで、材料使用量を減らし、また軽量化を図ることができる。また、骨組み構造とすることで、成形が容易な形状の構造部材を組み合わせて保持器を構成することが可能となり、製造コストの低減化を図ることができる。さらに、開口面積を大きくすることが可能となり、外部との信号の送受信が容易になる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記保持器に保持された前記複数のベアリングボールは、前記保持器の前記外側部材の側および前記内側部材の側のそれぞれにおいて、前記保持器から突出した状態にあり、前記保持器が前記外側部材および前記内側部材に非接触となる状態が可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ベアリングボールが保持器から突出した状態で、外側部材と内側部材に同時に接触するので、保持器が外側部材に直接接触せず、且つ、内側部材に接触しない状態が可能となる。これにより、保持器と外側部材の接触による抵抗、および保持器と内側部材との接触による抵抗が抑えられ、回転時の損失が少ない球面モータが得られる。また、保持器の外側部材および内側部材に対する動きがより自由に行われるので、ベアリングボールの外側部材および内側部材に対する転がりがより理想的に行われるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記保持器が、4つのベアリングボールを回転自在な状態で保持する正方額縁状の複数の単位保持器と、前記複数の単位保持器を接続する接続部材とを備えることを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、単位保持器と接続部材の組み合わせにより保持器が構成されるので、作製の容易な保持器の構造が提供される。また、単位保持器の組み合わせにより、特定の軸回りにおける軸受構造の対称性の確保、直交する3軸の軸回りにおける軸受構造の対称性の確保、といった選択が行える自由度が得られる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記複数のベアリングボールが切頂八面体の各頂点に対応する位置に配置されていることを特徴とする。請求項5に記載の発明によれば、直交する3軸のいずれに対しても軸周り方向におけるベアリングボールの配置の対称性が確保され、直交する3軸の回りにおける回転特性の均一性が得られる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記保持器が、円周方向に沿って複数のベアリングボールを保持する複数の円環形状部と、前記複数の円環形状部を接続する接続部材とを備えることを特徴とする。請求項6に記載の発明によれば、円環形状部の軸回りにおけるベアリングボールの配置の対称性が確保される。また、円環形状部の開口部から内側部分を露出させる構造が可能となるので、この開口部から内側部分の軸を外側に出す構造等が実現可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発明において、前記内側部材は軸部材を備え、前記外側部材および保持器は、前記軸部材を前記外側部材の外側に延長させるための開口部を備えることを特徴とする。請求項7に記載の発明によれば、内側部が軸部材を備える構造において、この軸部材を球面モータの外側に出した構造が実現される。これにより、例えば、円錐状の範囲内で三次元的な回転が可能な球面モータが得られる。
本発明によれば、ロータとステータの両方に対してベアリングボールの転がりが可能な球面軸受機構を有した球面モータが提供される。
球面モータの分解斜視図である。 球面モータの断面図(A)と上面図(B)である。 ロータの概要を示す分解斜視図(A)と斜視図(B)である。 ロータと保持器を組み合わせた状態を示す斜視図である。 球面モータの応用例の一つを示す斜視図である。 球面モータの分解斜視図である。 保持器の斜視図(A)と正面図(B)である。 単位保持器の斜視図と正面図である。
(1)第1の実施形態
(構成)
図1には、実施形態の球面モータ100の分解斜視図が示されている。図2(A)には、球面モータ100の断面構造が示され、図2(B)には、球面モータ100の上面図が示されている。ここで、図2(B)におけるA−Aの線で切断した断面の構造が図2(A)に示されている。球面モータ100は、略球殻構造を有するステータ101を備えている。ステータ101は、略球殻構造を半分に割った構造を有するステータ構成部材101a,101bにより構成されている。ステータ101の内側には、滑らかな球面状の内周面を有するステータ内側カバー102が配置されている。
ステータ内側カバー102は、半割にされた構造のステータ内側カバー構成部材102a,102bにより構成されている。ステータ内側カバー構成部材102aは、嵌め込み用突出部102cを備えている。嵌め込み用突出部102cは、ステータ構成部材101aの開口部101cに嵌め込まれ、それにより、ステータ構成部材101aにステータ内側カバー構成部材102aが固定されている。また、ステータ内側カバー構成部材102bは、嵌め込み用突出部102dを備えている。嵌め込み用突出部102dは、ステータ構成部材101bの円筒形状を有した嵌め込み部101dに嵌め込まれ、それにより、ステータ構成部材101bにステータ内側カバー構成部材102bが固定されている。以上の構造により、ステータ101の内周側に、滑らかな内側球面構造を有するステータカバー102が固定されている。この例では、ステータ構成部材101a,101b、およびステータ内側カバー構成部材102a,102bにより球殻構造を有する外側部材が構成されている。
ステータ内側カバー102の内側には、保持器106が配置される。保持器106は、環状のベアリングボール保持部103,105、およびこれら環状のベアリングボール保持部103,105と結合する骨格部材104により構成された骨組み構造を有している。環状のベアリングボール保持器103,105は、環状に延在した円周上において複数のベアリングボールを等間隔に回転自在な状態で保持している。この保持器106がベアリングボールを保持する構造については、後述する。
保持器106の内側には、ロータカバー113で覆われたロータ110が配置されている。図3には、ロータ110が示されている。ロータ110は、軟磁性材料で構成された内球部111、内球部111の表面に埋め込まれた永久磁石により構成される複数のロータマグネット112を有している。また、ロータ110の外面は、セラミックス等の非磁性材料により構成された外側を覆う中空形状のロータカバー113により覆われている。ロータカバー113は、外周面が滑らかな球面構造を有している。ロータカバー113には、内球部111に設けられた嵌め込み用突出部(図示せず)が嵌め込まれる開口113aを備え、この開口113aに内球部111側の上記図示しない嵌め込み用突出部が嵌め込まれることで、内球部111に対するロータカバー113の固定が行われている。この例では、ロータマグネット112を備えた内球部111およびロータカバー113により、球面状の外面を有し、外側部材に対して相対的に回転可能な状態で外側部材の内側に配置された内側部材が構成されている。
図4には、保持器106の内側にロータカバー113によって外側が覆われたロータ110が保持されている状態が示されている。ここで、保持器106を構成する環状のベアリングボール保持部103は、ベアリングボール保持用開口部121にベアリングボール122を回転可能な状態で保持している。ベアリングボール122は、等角な位置に12個(つまり30°毎の角度位置)が配置されている。ベアリングボール保持用開口部121は、図示されない裏側にも貫通している。また、ベアリングボール122の直径は、ベアリングボール保持部103を構成する部材の厚みよりも大きく設定されている。この構造により、ベアリングボール保持用開口部121に保持されたベアリングボール122が、保持器106から内側のロータ110の方向、およびこの方向と逆方向の外側の方向(ステータ101の方向)に同時に突出可能な構造とされている。図3(B)に示す状態のものが、図4に示されるように、保持器106の内側に納められている。
図1および図2には、ステータ101に配置された磁極200が示されている。磁極200は、軟磁性材料により構成されており、突極201と突極面202を備えている。突極201は、球面モータ100の中心方向に延在する円筒形状を有し、突極面202は、突極201の先端部分にあり、ロータ側の球面構造に沿った曲面を有している。突極201は、バックヨークとしても機能する軟磁性材料により構成された押さえ部材203により、ステータ101に固定されている。突極201には、ボビン204が装着され、ボビン204には、ステータコイル205が巻かれている。ステータコイル205の巻線の端部は、端子板206に取り付けられた端子207に絡げられて接続されている。この端子207に図示しない駆動回路からの配線が接続される。
図1および図2に示す球面モータ100では、球面の内周面を有するステータ内側カバー102の内径寸法、保持器106の形状と寸法、ベアリングボール保持用開口部121の内側形状と寸法、球面の外周面を有するロータカバー113の外径寸法が調整されることで、ステータ内側カバー102とロータカバー113にベアリングボールが接触し、且つ、保持器106がステータ内側カバー102とロータカバー113に接触せず、ステータ内側カバー102とロータカバー113との間の隙間に保持されることが可能となる構造が実現されている。この構造によれば、保持器106がステータ内側カバー102およびロータカバー113に束縛されておらず、両者に対して相対的に動くことができる。
また、保持器106およびステータ内側カバー構成部材102a,102bの互いに対向する面は、滑らかな表面仕上げとされ、本実施形態ではさらに両者の間には潤滑剤が塗布され介在する状態とされている。また、保持器106およびロータカバー113の互いに対向する面は、滑らかな表面仕上げとされ、本実施形態ではさらに両者の間には潤滑剤が塗布され介在する状態とされている。この潤滑剤の膜により、保持器106がステータ内側部材102a,102bおよびロータカバー113に対して浮き、保持器106の動きがよりスムーズに行われるようにされている。
すなわち、球面モータ100は、ベアリングボール122を回転自在な状態で保持した保持器106をステータ側の部材であるステータ内側カバー102とロータ側の部材であるロータカバー113との間に介在させ、更に保持器106がステータ内側カバー102およびロータカバー113に対して自由に動ける構造を有している。
(動作の一例)
端子207に図示しない駆動回路からの配線を接続し、端子207に駆動電流が流れることで、磁極200の部分が突極201をコアとした電磁石となる。ここで、複数の磁極200の極性を適当なタイミングで切り替えることで、磁極200とロータ110側のロータマグネット112との間で作用する磁力の向きが切り替わり、ステータ101に対して、ロータ110が回転する。この際、磁極200の組み合わせを変えることで、ロータ110の回転軸の向きは自由に設定することができ、更にロータ110を回転させながら、その回転軸の向きを変更することが可能となる。つまり、ステータ101に対するロータ110の三次元的な回転が可能となる。
次に、ロータ110を回転自在な状態で保持する球面軸受機構について説明する。いま、端子207への通電の切り替えタイミングを調整することで、ロータ110が図2(A)における時計周り方向に回転する場合を想定する。この場合、図4で見えているベアリングボール122は、図4(A)の視点から見てロータ110と逆方向の反時計回り方向に回転する。この際、このベアリングボール122は、ステータ内側カバー102の内周面を転がり、それにより時計回りに移動する。また、このベアリングボール122の移動を許容するように、保持器106が時計回り方向に回転する。上述したように、保持器106がステータ内側カバー102およびロータカバー113に束縛されておらず、両者に対して相対的に動くことができるので、この動きはスムーズに行われる。
見方を変えると、保持器106がステータ内側カバー102およびロータカバー113に束縛されておらず、両者に対して相対的に自由に動くことができることで、ステータ内側カバー102およびロータカバー113に対するベアリングボール122の転がりが許容される。これは、図4に示されていない他のベアリングボールについても同じである。なお、保持器106がステータ内側カバー102およびロータカバー113の一方または両方に接触しても問題なくロータ110の回転を行わせることができる。
(優位性)
以上説明したように、球面モータ100は、ベアリングボール122を回転自在な状態で保持した保持器106をステータ側の部材であるステータ内側カバー102とロータ側の部材であるロータカバー113との間に介在させ、更に保持器106をステータ内側カバー102およびロータカバー113に対して自由に動ける構造としている。こうすることで、ロータ110の回転時にベアリングボール122がステータ内側カバー102およびロータカバー113に対して転がることが可能となる。これにより、ベアリングボール122のステータ内側カバー102およびロータカバー113に対する転がりが阻害されることによるベアリングボール122の磨耗やロータ110の回転に対する抵抗の増加が抑えられる。
(応用例)
図1および図2に示す球面モータ100では、ロータ110の回転を外部に出力する構成が示されていない。ロータ110の回転を外部に出力する構成としては、例えば、ステータ101に開口を設け、この開口からロータ110に固定した出力軸を外部に突出させる構成が挙げられる。この場合、この開口の設けられた範囲において、出力軸が自在に動き、この出力軸が回転する構成が得られる。以下、この一例を説明する。
図5には、球面モータ300が示されている。球面モータ300は、外側の円殻構造を有したステータ301、内側の球状のロータ302、ロータ302の回転軸303を備えている。ステータ301には、円形状に切り取られた開口部304が設けられ、そこから回転軸303が外部に出ている構造とされている。開口部304は、図4の円環形状のベアリングボール保持部103の円形の開口部分に対応して設けられている。ロータ302が3自由度以上に回転することで、回転軸303は、この開口部304が設けられた範囲(つまり円錐305の範囲)で動かすことができる。また、この範囲において、回転軸303を回転させることもできる。図4の保持器106は、円形の開口部を有しているので、図5に示すような構成に利用するのに適している。この球面モータ300は、例えば、ロボットの関節部分の駆動機構に利用することができる。また、円錐305の範囲で三次元的に軸の向きを自由に動かしたいセンサー、カメラ、照明装置、マイク等の駆動機構に用いることができる。
図5に示す構造において、符号302の部分をステータとして、符号301の部分をロータとすることもできる。この場合、符号303の部分を軸部材として固定し、外側の符号301の部分が制限された範囲において三次元的に回転する。この構造も三次元的に指向方向を動かしたいセンサー等の駆動に利用することができる。
なお、球面モータの用途としては、回転軸の向きを変えることが可能なスタビライザーのような形態を考えることもできる。この場合、出力軸をステータ101の外側に出す必要はないので、図1の構造をそのまま利用することができる。
(2)第2の実施形態
第1の実施形態とは異なる構造の保持器の例を説明する。図6には、球面モータ400が示されている。球面モータ400において、保持器以外の構成は第1の実施形態の球面モータ100と同じである。
以下、球面モータ400の保持器以外の構成について簡単に説明する。球面モータ400は、ステータ101を構成するステータ構成部材101a,101bを備えている。ステータ構成部材101aの内側には、ステータ内側カバー102aが取り付けられ、ステータ構成部材101bの内側には、ステータ内側カバー102bが取り付けられている。ステータ構成部材101a,101bおよびステータ内側カバー102a,102bにより、球殻構造の外側部材が構成されている。この部分の構成は、図1の球面モータ100と同じである。
ステータ内側カバー102a,102bの内側には、保持器410、更に保持器410の内側に保持されたロータ110が配置されている。ロータ110の構成は、実施形態1と同じである。ここで、保持器410は、ステータ内側カバー102a,102bに対して相対的に回転自在な状態にあり、且つ、ロータ110に対しても相対的に回転自在な状態にある。この点は、第1の実施形態の場合と同じである。
図7(A)には、保持器410の斜視図が示され、図7(B)には、保持器410の正面図が示されている。図8(A)には、保持器410を構成する単位保持器411の斜視図が示され、図8(B)には、その正面図が示されている。保持器410は、6個の単位保持器411を接続部材412で接続した骨組み構造を有している。単位保持器411は、4つのベアリングボール413を回転自在な状態で保持し、球面に沿った湾曲した正方額縁状の構造を有する。単位保持器411の中央部は開口部414とされている。この開口部414は、軽量化に寄与する。また開口部414は、図5に示すような構造とした場合のロータ回転軸を外部に突出させるスペースとしても利用可能である。
単位保持器411は、接続部材412によって隣接する単位保持器と接続され、図7に示す骨組み構造(スケルトン構造)が構成されている。ベアリングボール413の位置は、計24個のベアリングボール413が、切頂八面体の各頂点に対応する位置に配置されるように決められている。これにより、どのような向きに回転しても均等な位置配分でベアリングボールがステータ側の部材およびロータ側の部材に接触する。
第1の実施形態の保持器106と同様に、保持器410もステータ側の部材およびロータ側の部材から離れた状態で、ステータ側の部材およびロータ側の部材に対して自在に動くことができる構造とされている。すなわち、保持器410がステータ内側カバー構成部材102a,102bおよびロータカバー113に接触せずに両者に対して動くことが可能な構造とされている。
また、保持器410およびステータ内側カバー構成部材102a,102bの互いに対向する面は、滑らかな表面仕上げとされ、本実施形態ではさらにその間には潤滑剤が塗布され介在する状態とされている。また、保持器410およびロータカバー113の互いに対向する面は、滑らかな表面仕上げとされ、本実施形態ではさらにその間には潤滑剤が塗布され介在する状態とされている。この潤滑剤の膜により、保持器410がステータ内側カバー構成部材102a,102bおよびロータカバー113に対して浮き、保持器140の動きがよりスムーズに行われるようにされている。
この構造において、ロータ110が回転すると、ベアリングボール413がステータ内側カバー構成部材102a,102bおよびロータカバー113に対して転がる。また、このベアリングボール413の転がりに伴って保持器410が、ステータ内側カバー構成部材102a,102bおよびロータカバー113に対して動く。見方を変えると、保持器410がステータ内側カバー構成部材102a,102bおよびロータカバー113に対して動くことが可能な構造とされることで、ベアリングボール413がステータ内側カバー構成部材102a,102bおよびロータカバー113に対して無理なく転がる状態が実現される。
(その他)
図1に示す構造では、円環形状のベアリングボール保持器が符号103,105により示される2つであるが、更にベアリングボール保持器103,105の間に1または複数の円環形状を有したベアリングボール保持器を配置した構造も可能である。また、図6および図7に示す保持器410の構造を有する球面モータを図5に示す構造に適用する場合に、6個ある保持器411の一つを外し、この部分を利用して回転軸を開部に延長させるスペースを確保することができる。また、この保持器411を一つ外した部分からロータを外部に露出させることで、例えば眼球の動きを模したセンサー駆動構造を得ることも可能である。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
本発明は、球面モータに利用することができる。
100…球面モータ、101…ステータ、101a,101b…ステータ構成部材、101c…開口部、101d…嵌め込み部,102…ステータ内側カバー、102a,102b…ステータ内側カバー構成部材、102c,102d…嵌め込み突出用部、103…ベアリングボール保持部、104…骨格部材、105…ベアリングボール保持部、106…保持器、110…ロータ、111…内球部、112…ロータマグネット、113…ロータカバー、121…ベアリングボール保持用開口部、122…ベアリングボール、200…磁極、201…突極、202…突極面、203…押さえ部材、204…ボビン、205…コイル、206…端子板、207…端子、300…球面モータ、301…ステータ、302…ロータ、303…回転軸、304…開口部、305…円錐状の範囲、400…球面モータ、410…保持器、411…単位保持器、412…接続部材、413…ベアリングボール、414…開口部。

Claims (7)

  1. 球殻構造を有した外側部材と、
    球面状の外面を有し、前記外側部材に対して相対的に回転自在な状態で前記外側部材の内側に配置された内側部材と、
    前記外側部材の内面に接触しての転がりが可能で、且つ、前記内側部材の外面に接触しての転がりが可能な複数のベアリングボールと、
    前記複数のベアリングボールを回転自在な状態で保持し、前記外側部材と前記内側部材との間に位置すると共に前記外側部材および前記内側部材に対して相対的に動くことが可能な保持器と
    を備えることを特徴とする球面モータ。
  2. 前記保持器が骨組み構造を有することを特徴とする請求項1に記載の球面モータ。
  3. 前記保持器に保持された前記複数のベアリングボールは、前記保持器の前記外側部材の側および前記内側部材の側のそれぞれにおいて、前記保持器から突出した状態にあり、前記保持器が前記外側部材および前記内側部材に非接触となる状態が可能であることを特徴とする請求項2に記載の球面モータ。
  4. 前記保持器が、4つのベアリングボールを回転自在な状態で保持する正方額縁状の複数の単位保持器と、
    前記複数の単位保持器を接続する接続部材と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の球面モータ。
  5. 前記複数のベアリングボールが切頂八面体の各頂点に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の球面モータ。
  6. 前記保持器が、
    円周方向に沿って複数のベアリングボールを保持する複数の円環形状部と、
    前記複数の円環形状部を接続する接続部材と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の球面モータ。
  7. 前記内側部材は回転軸を有し、
    前記外側部材および保持器は、前記回転軸を前記外側部材の外側に延長させるための開口部を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の球面モータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111664178A (zh) * 2020-07-01 2020-09-15 成都奇门科技有限公司 一种球冠轴承及其应用
CN112077872A (zh) * 2020-09-04 2020-12-15 王明雁 一种关节处定点自养护型机器人

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