JP2012175499A - 圧電振動子、圧電発振器、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧電振動子1は、圧電振動素子13と、圧電振動素子13を搭載する絶縁基板4と、蓋部材30と、を備えている。圧電振動素子13は、圧電基板15と、圧電基板15の表裏面に配置された励振電極17a、17bと、各励振電極17a、17bから圧電基板15の端部に向けて延在するリード電極18a、18bと、を備えている。単層の絶縁基板4は、LTCC基板5と、LTCC基板5の表裏面に形成された素子搭載パッド7a、7b及び複数の実装端子8と、LTCC基板5を貫通形成され、各素子搭載パッド7a、7bと各実装端子8とを導通接続する複数のビア電極6と、を有し、各素子搭載パッド7a、7bは、圧電振動素子13の端縁から離間した領域に形成されている。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2に開示の水晶振動子は、多層構造のパッケージを用いており、水晶振動子の形状が大きく成り過ぎるという問題があった。
また、特許文献3に開示された水晶振動子は、単層基板の素子搭載パッドに導電性接着を介して水晶振動素子が搭載され、蓋体によって密封された水晶振動子の断面図が開示されている。しかし、素子搭載パッドが水晶振動素子の圧電基板の外側に露出しており、本発明の課題の一つであり、特許文献4に開示されているアルゴン(Ar)イオンを用いたプラズマエッチングによる周波数調整法には、適さないという問題があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、アルゴン(Ar)イオンを用いたプラズマエッチングによる周波数調整法(プラズマエッチング法)に適し、小型化、低背化が可能であり、低価格の圧電振動子と、それを用いた圧電発振器と、電子機器を提供することにある。
圧電振動子1は、矩形平板状の圧電振動素子13と、表面に圧電振動素子13を搭載するための複数の素子搭載パッド7a、7bを有すると共に、裏面に外部回路との接続用の実装端子8を形成した単層の絶縁基板4と、圧電振動素子13を含む絶縁基板4上の空間を気密封止する蓋部材30と、を概略備えている。
圧電振動素子13は、矩形平板状の、例えば水晶ATカット基板等の圧電基板15と、圧電基板15の表面及び裏面に対向配置された励振電極17a、17bと、励振電極17a、17bから圧電基板15の短手方向の端部に向けて夫々延長形成されたリード電極18a、18bと、を備えている。ATカット基板の場合、圧電基板15の長辺方向をX軸に、短辺方向をZ’軸にするのが一般的である。また、励振電極17a(17b)は、例えば下地にクロム(Cr)、その上に金(Au)を用いる場合が多い。
図1(b)の実施の形態に示した蓋部材30は、中央部に凸部(凹部)を有し、凸部の周縁が平坦部を有するように絞り加工した金属製の蓋部材であるが、蓋部材30は、必ずしも金属である必要はなく、絶縁材、ガラス等であってもよい。
図2の実施の形態例では、絶縁基板4の短辺側に形成した素子搭載パッド7a、7bの中、一方の素子搭載パッド7aは、ビア電極6を介して一つの実装端子8と導通接続されている。他方の素子搭載パッド7bは、内部配線9と、中継電極7cと、絶縁基板の領域に形成されたビア電極6とを介して他の実装端子8と導通接続されている。
更に、LTCC基板5の表面周縁に沿って、蓋部材の下面外周と接着して圧電振動素子13を気密封止するための低融点のガラス材10が塗布されている。
各素子搭載パッド7a、7b及び内部配線9を、搭載する圧電基板15の領域に形成する理由について以下に説明する。
アルゴン(Ar)イオンを用いたプラズマエッチングによる周波数調整法(以下、プラズマエッチング法という)では、筒体内にアルゴンガスを充填し、筒体内の電極棒に直流電流を印加すると、筒体内でアルゴンプラズマが発生する。このプラズマの作用によりアルゴンガスがイオン化され、このイオン化されたアルゴンガスが筒体の先端の開口から照射される。イオン化された粒子のアルゴンガスが圧電振動素子の励振電極に当てられ、励振電極のエッチングが起る。励振電極を形成する電極材料によりエッチングレートが異なり、電極材料を適切に設定することにより、粗調、微調を行うことができる。従って、プラズマエッチング法を用いる場合は、圧電振動素子の周波数は、所望の周波数より低く設定されている。
絶縁基板4に塗布した導電性接着剤22を硬化させるために、所定の温度の高温炉に所定の時間入れる。アニール処理を施した後、周波数調整は、上記のプラズマエッチング法を用いて、励振電極17a、17bの質量を削減して行われる。絶縁基板4の上面周縁に塗布した低融点のガラス材10に蓋部材30を載置し、略300℃の真空炉の中でガラス材10を溶融して、絶縁基板4と蓋部材30とを気密封止する。絶縁基板4と蓋部材30とからなるキャビティ内が真空状態の圧電振動子1が完成する。
また、素子搭載パッド7a、7bを、絶縁基板4の短手方向に沿って離間配置することにより、圧電振動素子13を片持ち支持することができる。このため、圧電振動素子13に生じるマウント歪を少なくすることが可能であり、電気的特性の優れた圧電振動子1が得られるという効果がある。
また、圧電振動素子13を搭載した絶縁基板4と、蓋部材30とをガラス材10を溶融して融着密封することができるので、低コストの絶縁基板4が得られると共に、ガラス材の幅は狭くすることが可能であり、抵抗溶接等に比べのり代も狭くすることができるので、小型化の圧電振動子1が得られるという効果がある。
素子搭載パッド7a、7bは、図3、図4に示すように、絶縁基板4の長手方向に沿って離間配置されており、図2(a)で示した内部配線9及び中継電極7cを必要としない。素子搭載パッド7a、7bは、搭載される圧電振動素子13の外周輪郭線の内側、即ち圧電基板15の領域で、且つ長手方向に離間配置されたビア電極6により実装端子8と導通している。
図1には片持ち支持の圧電振動子1の例を示したが、図3の第2の実施の形態例のように、圧電振動素子13を両持ち支持して構成する場合もある。両持ち支持の方が、片持ち支持に比べ耐衝撃性が強いという特徴がある。
つまり、圧電振動素子13は、圧電基板15の表面及び裏面に対向配置された励振電極17a(17b)と、励振電極17a(17b)から圧電基板15の長手方向の対向する各端部に向けて夫々延在するリード電極18a、18bと、を備えている。
絶縁基板4は、矩形平板状のLTCC基板5と、LTCC基板5の表面に形成された複数の素子搭載パッド7a、7b(図4(a)の実施形態例では2個)と、裏面に形成された複数の実装端子8と、LTCC基板5を貫通して配置されて各素子搭載パッド7a、7bと、各実装端子8との間を導通接続する複数のビア電極6と、を備えている。
図4の実施の形態例では、絶縁基板4の長辺方向に沿い離間して素子搭載パッド7a、7bが形成されており、素子搭載パッド7a、7bは、夫々ビア電極6を介して実装端子8に導通接続されている。更に、絶縁基板4には、LTCC基板5の表面周縁に沿って、気密封止用の低融点のガラス材10が塗布されている。
なお、圧電振動子の構成は、上記の構成と同様であるので省略する。
また、素子搭載パッド7a、7bを絶縁基板4の長手方向に沿って離間配置することにより、圧電振動素子13を両持ち支持することができる。このため、耐衝撃性に強い圧電振動子1が得られるという効果がある。
図6(a)、(b)は、図3、図4に示した第2の実施の形態例の絶縁基板4の表面及び裏面の平面図である。両持ち用の絶縁基板4の素子搭載パッド7a、7bは長手方向の中央に配置されており、ビア電極6により裏面の実装端子8と導通接続されている。
図8(a)、(b)は、絶縁基板4の変形例2の表面及び裏面の平面図である。裏面の実装端子は4個であり、対角の一方の2個の実装端子8はダミー端子である。これは両持ち用の絶縁基板4であり、素子搭載パッド7a、7bは、長手方向に沿って点対称に配置されている。素子搭載パッド7a、7bの形状は、矩形と円形とを接続した鍵穴状をしており、円形の部分にビア電極6が形成され、対角の他方の裏面の実装端子8と導通接続されている。
図7(a)、図8(a)に示す絶縁基板4の場合も、素子搭載パッド7a、7bは、搭載される圧電振動素子13の面積(外周輪郭線)内に形成されている。
本発明の圧電振動子1と、発振回路を搭載したIC部品40と、パッケージ45と、を備えた圧電発振器2を構成すると、小型、低背化した低コストの圧電発振器2が得られるという効果がある。
本発明の圧電振動子1を用いて電子機器3を構成すると、小型で低コストの電子機器が得られるという効果がある。
Claims (8)
- 圧電振動素子と、該圧電振動素子を搭載する複数の素子搭載パッドを表面に備えた単層の絶縁基板と、前記圧電振動素子を含む該絶縁基板上の空間を気密封止する蓋部材と、を備えた圧電振動子であって、
前記圧電振動素子は、圧電基板と、該圧電基板の表面及び裏面に夫々対向配置された前記励振電極と、を有し、
前記単層の絶縁基板は、平板状の低温共焼成セラミック基板と、該低温共焼成セラミック基板の表面及び裏面に夫々形成された複数の前記素子搭載パッド及び複数の実装端子と、前記低温共焼成セラミック基板を貫通して配置されて前記各素子搭載パッドと前記各実装端子との間を導通接続する複数のビア電極と、を有し、
前記各素子搭載パッドは、前記圧電振動素子の端縁から離間した領域内に形成され、前記領域は平面視的に前記圧電振動素子の主面に沿って前記端縁から離間した領域であることを特徴とする圧電振動子。 - 圧電振動素子と、該圧電振動素子を搭載する複数の素子搭載パッドを表面に備えた単層の絶縁基板と、前記圧電振動素子を含む該絶縁基板上の空間を気密封止する蓋部材と、を備えた圧電振動子であって、
前記圧電振動素子は、圧電基板と、該圧電基板の表面及び裏面に夫々対向配置された前記励振電極と、を有し、
前記単層の絶縁基板は、平板状の低温共焼成セラミック基板と、該低温共焼成セラミック基板の表面及び裏面に夫々形成された複数の前記素子搭載パッド、中継電極及び複数の実装端子と、前記素子搭載パッドと前記中継電極とを電気的に接続する内部配線と、前記低温共焼成セラミック基板を貫通して配置されて前記各素子搭載パッド又は中継電極と前記各実装端子との間を導通接続する複数のビア電極と、を有し、
前記各素子搭載パッド及び内部配線は、前記圧電振動素子の端縁から離間した領域に形成されていることを特徴とする圧電振動子。 - 前記絶縁基板は矩形であり、前記素子搭載パッドは、前記絶縁基板の短手方向に沿って離間配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動子。
- 前記絶縁基板は矩形であり、前記素子搭載パッドは、前記絶縁基板の長手方向に沿って離間配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電振動子。
- 前記素子搭載パッド、前記実装端子、前記中継電極、前記内部配線及び前記ビア電極は、銀を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧電振動子。
- 前記絶縁基板の表面外周縁に沿って塗布した低融点のガラス材を介して前記蓋部材を接着固定したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧電振動子。
- 請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧電振動子と、該圧電振動子を励振する発振回路を搭載したIC部品とを備えたことを特徴とする圧電発振器。
- 請求項1乃至6の何れか一項に記載の圧電振動子を備えたことを特徴とする電子機器。
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