以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1の実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す。図1に示すように、ネットワークシステムは、リング型の伝送ネットワークシステムである。
図1に示すネットワークシステムは、マスターネットワーク伝送装置1、複数のネットワーク伝送装置2(2a、2b、…)、および幹線系伝送路3を有する。さらに、マスターネットワーク伝送装置1および各ネットワーク伝送装置2には、種々の端末装置5が支線系伝送路6を介して接続される。なお、図1において、幹線系伝送路3および支線系伝送路6は、送信および受信の1組を1つの線で表現している。また、ネットワーク伝送装置2の台数、端末装置5の台数は、図1に示してある台数に限定されるものではない。
幹線系伝送路3は、伝送路を論理的に分離した2つの仮想ネットワーク(VLAN)を構成する。たとえば、幹線系伝送路3は、第1のVLANを構成する仮想伝送路3aと第2のVLANを構成する仮想伝送路3bとに分割される。仮想伝送路3aにより構成される第1のVLANと仮想伝送路3bにより構成される第2のVLANとは、共に各ネットワーク伝送装置2をリング型に接続するネットワークである。仮想伝送路3aにより構成される第1のVLANと仮想伝送路3bにより構成される第2のVLANとは、マスターネットワーク伝送装置1を基点として、それぞれが互いに異なる方向で1周だけ伝送フレームを伝送する。
すなわち、マスターネットワーク伝送装置1は、仮想伝送路3aにより伝送する伝送フレームを1周以上伝送させないようにインターフェースを閉塞する第1閉塞ポート4aと仮想伝送路3bにより仮想伝送路3aとは逆方向に伝送する伝送フレームを1周以上伝送させないようにインターフェースを閉塞する第2閉塞ポート4bとを有する。図1に示す構成例において、マスターネットワーク伝送装置1は、仮想伝送路3aにより構成される第1のVLANとしてのリング型ネットワークを反時計回り(図1に示すa方向)に1周だけ伝送フレームを伝送させ、仮想伝送路3bにより構成される第2のVLANとしてのリング型ネットワークを時計回り(図1に示すb方向)で1周だけ伝送フレームを伝送させる。
図2は、マスターネットワーク伝送装置1およびネットワーク伝送装置2の構成例を示す図である。
マスターネットワーク伝送装置1およびネットワーク伝送装置2(2a、2b、…、2n)は、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、およびフレーム設定部17を有する。マスターネットワーク伝送装置1は、さらに、経路切替部12内に第1閉塞ポート4aおよび第2閉塞ポート4bを有する。ネットワーク伝送装置2の経路切替部12は、第1閉塞ポート4a及び第2閉塞ポート4bの機能を具備しない。すなわち、各ネットワーク伝送装置2は、図2に示す構成から第1閉塞ポート4a及び第2閉塞ポート4bを除いた構成により実現できる。
制御部10は、経路切替部12により切替られる伝送フレームを伝送するための経路を制御する。制御部10は、経路切替情報を記憶する記憶部11を有する。制御部10は、記憶部11に記憶された経路切替情報に基づいて、経路切替部12により設定される伝送フレームの伝送経路を切り替える。経路切替部12は、記憶部11に記憶された経路切替情報に基づく伝送経路を設定する。
支線系送信部13および支線系受信部14は、ネットワーク伝送装置2あるいはマスターネットワーク伝送装置1に端末装置5を接続するためのインターフェース(支線系インターフェース)である。ネットワーク伝送装置1及び2は、支線系送信部13により端末装置5へデータを送信し、支線系受信部14により端末装置5からデータを受信する。なお、ネットワーク伝送装置1及び2は、支線系送信部13および支線系受信部14は、複数実装しても良い。
第1幹線系送信部15aは第1仮想伝送路3aによりデータを送信するインターフェースであり、第1幹線系受信部16aは第1仮想伝送路3aによりデータを受信するインターフェースである。つまり、第1幹線系送信部15aおよび第1幹線系受信部16aは、第1仮想伝送路3aにより構成される第1のVLAN用のインターフェースとして機能する。第2幹線系送信部15bは第2仮想伝送路3bによりデータを送信するインターフェースであり、第2幹線系受信部16bは第2仮想伝送路3bによりデータを受信するインターフェースである。第2幹線系送信部15bおよび第2幹線系受信部16bは、第2仮想伝送路3bにより構成される第2のVLAN用のインターフェースとして機能する。
マスターネットワーク伝送装置1の経路切替部12は、第1閉塞ポート4aおよび第2閉塞ポート4bを有する。第1閉塞ポート4aおよび第2閉塞ポート4bは、それぞれ仮想伝送路3aおよび仮想伝送路3bにより1周するリング型ネットワークを閉塞させるための閉塞手段として機能する。
フレーム設定部17は、仮想伝送路3aおよび仮想伝送路3bを伝送させる伝送フレームを設定する。フレーム設定部17は、データ処理を行う演算装置で構成できる。たとえば、フレーム設定部17は、既存のネットワーク伝送装置に接続したコンピュータのプロセッサが制御プログラムを実行することにより実現する構成としても良い。フレーム設定部17は、端末装置5により受信したデータ(入力フレーム)から仮想伝送路3aにより伝送させる第1の伝送フレーム(出力フレーム)と仮想伝送路3bにより伝送させる第2の伝送フレーム(出力フレーム)とを作成する。フレーム設定部17は、作成した2つの伝送フレームを経路切替部12へ出力する。経路切替部12は、フレーム設定部17が作成した2つの伝送フレームをそれぞれ仮想伝送路3aおよび3bにより伝送させる。
次に、フレーム設定部17が設定する伝送フレームの構成について説明する。
図3は、フレーム設定部17に入力する伝送フレーム(入力フレーム)の構成例を示す図である。図4は、フレーム設定部17から出力する伝送フレーム(出力フレーム)との構成例を示す図である。
入力フレームは、マスターネットワーク伝送装置1あるいはネットワーク伝送装置2が端末装置5から入力するデータである。図3に示す構成例において、入力フレームは、宛先アドレスフィールド、送信元アドレスフィールド、タイプフィールド、データフィールド、FCS(伝送フレームチェックシーケンス)フィールドなどの複数のフィールドにより構成される。
フレーム設定部17は、入力フレームに異なる識別情報を付加した複数の出力フレームを作成する。フレーム設定部17は、入力フレームに仮想伝送路(VLAN)を識別するための識別情報を格納する仮想伝送路識別用のフィールドを付加した出力フレームをVLANごとに作成する。仮想伝送路3a及び3bを設定するネットワークにおいては、フレーム設定部17は、仮想伝送路識別用のフィールドに仮想伝送路3aを伝送させるための識別情報を格納した第1の出力フレームと仮想伝送路3bを伝送させるための識別情報を格納した第2の出力フレームとを作成する。
たとえば、出力フレームにおいて伝送すべき仮想伝送路を識別するための識別情報としては、タグ(vlanタグ)を利用する。たとえば、vlanタグは、IEEE802.1Qで定義されている識別情報が利用できる。図4に示す構成例では、フレーム設定部17は、入力フレームに付加した仮想伝送路識別用のフィールド(vlanタグフィールド)に、vlanタグとして「vlan10」を格納した第1の出力フレームとvlanタグとして「vlan20」を格納した第2の出力フレームとを作成する。経路切替部12は、各出力フレームにおける仮想伝送路識別用のフィールドの値により伝送すべき仮想伝送路を判別する。
たとえば、経路切替部12は、vlanタグが「vlan10」の第1の出力フレームを仮想伝送路3aへ出力し、vlanタグが「vlan20」の第2の出力フレームを仮想伝送路3bへ出力する。これにより、2つの伝送フレーム(第1の出力フレームと第2の出力フレーム)は、本ネットワークシステム内をそれぞれが異なる方向で伝送される。これらのような2つの伝送フレームは、vlanタグが異なるが、宛先は同じである。この結果として、宛先とする端末装置5が接続されたネットワーク伝送装置には、vlanタグが異なる2つの伝送フレームが到着する。
図5は、ネットワークシステムの伝送路の一部に障害が発生した場合における伝送フレームの伝送状況を示す図である。
図5に示す例では、ネットワーク伝送装置2bとネットワーク伝送装置2nとの間で、伝送障害が発生した状況を示している。また、図5では、マスターネットワーク伝送装置1に接続された端末装置5からネットワーク伝送装置2bに接続された端末装置へ伝送フレームを伝送する状況を示している。
図5に示す状況において、マスターネットワーク伝送装置1からネットワーク伝送装置2bまでの反時計周り(図中に示すa方向)の伝送路には、障害が発生していない。このため、仮想伝送路3aにより反時計周りで伝送される第1の出力フレームは、マスターネットワーク伝送装置1からネットワーク伝送装置2bへ伝送される。図5に示す状況において、マスターネットワーク伝送装置1からネットワーク伝送装置2bまでの時計周り(図中に示すb方向)の伝送路には、障害が発生している。このため、仮想伝送路3bにより時計周りで伝送される第2の出力フレームは、マスターネットワーク伝送装置1からネットワーク伝送装置2bへ伝送できない。
すなわち、図5に示すようなネットワークシステムでは、伝送路の一部に障害が発生した場合であっても、仮想伝送路の何れか1つは確保される。言い換えると、伝送路の一部に障害が発生した場合であっても、2つの伝送フレームのうち何れか一方の伝送フレームは、宛先の端末装置が接続されたネットワーク伝送装置へ到着する。また、リング型のネットワークシステムでは、障害が発生した場合、マスターネットワーク伝送装置の閉塞ポートを解除して障害回避動作を行うが、このような障害回避動作が完了するまでの間であっても、本ネットワークシステムでは、何れか一方の仮想伝送路が確保されているため、伝送フレームの欠落が発生することがない。
上述のように、本ネットワークシステムでは、伝送路の一部に障害が発生した場合であってもデータの欠落がない伝送を確保することが出来る。たとえば、本ネットワークシステムでは、伝送障害が発生している間、あるいは、伝送障害に伴う障害回避動作が完了するまでの間、制御系等の早い周期のデータの伝送を欠落がなく伝送することが出来る。なお、制御系などの周期の早い伝送が要求されるネットワークシステムでは、伝送するデータの容量が少ないことが多く、伝送フレームを2重化してもネットワーク全体にかかる負荷は大きくないと考えられる。
また、上述のネットワークシステムの変形例として、データ容量は大きいが伝送の周期が遅くても良いデータ、あるいは、欠落が許容出来るデータは、時計回りに伝送する第1の仮想伝送路と反時計回りに伝送する第2の仮想伝送路とは別の第3の仮想伝送路を使用してvlanタグを別にした第3の出力フレームを伝送するようにしても良い。このような形態であれば、ネットワークを効率良く使用することが出来る。このような形態は、各ネットワーク伝送装置における支線系の入出力インターフェースである支線系送信部および支線系受信部とフレーム設定部とを別に用意することで実現可能である。
次に、第2の実施形態について説明する。
図6は、第2の実施形態に係るマスターネットワーク伝送装置21およびネットワーク伝送装置22の構成例を示す図である。
第2の実施形態に係るネットワークシステムとしては、図1に示すマスターネットワーク伝送装置1およびネットワーク伝送装置2を図6に示すマスターネットワーク伝送装置21およびネットワーク伝送装置22に置き換えた構成となっているものを想定する。図6に示すネットワーク伝送装置21、22は、フレーム設定部27の機能が図2に示すフレーム設定部17の機能と異なっている。また、マスターネットワーク伝送装置21は、図6に示す閉塞ポート4a、4bを持つ構成となっており、ネットワーク伝送装置22は、図6に示す閉塞ポート4a、4bを持たない構成となっている。
図7は、第2の実施形態に係るマスターネットワーク伝送装置21が出力する伝送フレームの構成例を示す図である。
第2の実施形態において、マスターネットワーク伝送装置21のフレーム設定部27は、図7に示すように、vlanタグのフィールド以外に、伝送フレームヘッダの後(タイプフィールドの後)に、IPヘッダ及びUDPヘッダに続けて識別フィールドを挿入する。識別フィールドには、伝送フレームの内容を示す値が設定される。たとえば、識別フィールドには、vlanタグのみが異なる同内容のデータの伝送フレームには同じ値が設定される。
すなわち、フレーム設定部27は、異なる仮想伝送路を伝送させる同内容の2つの伝送フレームには、識別フィールドにデータが同じでvlanタグのみ異なることを示す値(識別情報)を設定する。端末装置5から入力された伝送フレームを複製することにより作成する2つの出力フレームは、識別フィールドの値を同じ値に設定する。ただし、識別フィールドの値は、異なる内容のデータの伝送フレーム毎に異なる値に変更する。たとえば、識別フィールドの値としては、出力する順番に伝送フレーム(異なる内容のデータの伝送フレーム)毎に、所定の規則に従った値で増加、または、減少する値を設定する。
マスターネットワーク伝送装置21のフレーム設定部27は、端末装置5から1つの伝送フレームが入力される毎に、上記識別フィールドに同内容のデータであることを示す値を設定したvlanタグの値が異なる仮想伝送路の数の伝送フレームを設定する。これにより、マスターネットワーク伝送装置21の経路切替部12は、上記識別フィールドに同内容のデータであることを示す値を設定した複数の伝送フレームを、vlanタグの値に応じた仮想伝送路へ出力する。これらの伝送フレームを受信した端末装置5では、受信した各伝送フレームにおける識別フィールドの値から必要な伝送フレームを選択できる。この結果として、端末装置5の受信処理を軽減することができる。
次に、第2の実施形態に係るネットワーク伝送装置22に接続された端末装置5における伝送フレームの選択方法について説明する。
第2の実施形態に係るネットワーク伝送装置22では、支線系伝送路6で接続される端末装置宛の伝送フレームを全て端末装置へ出力するものとする。このような第2の実施形態に係るネットワークシステムでは、端末装置5は、2重化された伝送フレーム(第1、第2の出力フレーム)を受信するため、ネットワーク伝送装置22から供給される伝送フレームにおける識別フィールドの値から必要な伝送フレームを選択する。伝送フレームの選択方法としては、次に受信すべき識別フィールドの値を算出(予測)し、算出した値となっている識別フィールドの伝送フレームを選択する選択方法(第1の選択方法)と、受信済みの伝送フレームと同じ値の識別フィールドとなっている伝送フレームを破棄(識別フィールドの値が同じでない伝送フレームを選択)する選択方法(第2の選択方法)と、が考えられる。
第2の実施形態の端末装置5は、フレームの第1の選択方法として、送信側と同じ算出方法(マスターネットワーク伝送装置のフレーム設定部が次の伝送フレームにおける識別フィールドの値を算出する算出方法)を用いて、先に選択(受信)した伝送フレームの識別フィールドの値から次に選択(受信)すべき識別フィールドの値を算出する。伝送フレームを受信すると、端末装置5は、算出した次の識別フィールドの値と一致する識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外を破棄する。
たとえば、マスターネットワーク伝送装置1のフレーム設定部17が順に出力する伝送フレームに対して識別フィールドの値を「1」加算するものとする。このような場合、端末装置5は、先に選択した伝送フレームにおける識別フィールドの値が「10」であれば、「10」に「1」を加算した「11」が識別フィールドの値となっている伝送フレームを次の伝送フレームとして選択し、それ以外を破棄する。
また、第2の実施形態の端末装置5は、フレームの第2の選択方法として、選択(受信)した伝送フレームの識別フィールドの値と一致する識別フィールドの値を持った伝送フレームを破棄し、それ以外を選択するようにしても良い。マスターネットワーク伝送装置1のフレーム設定部17は、データの内容が異なる伝送フレームに対しては異なる識別フィールドの値を設定する。このため、端末装置5は、先に選択済みの伝送フレームにおける識別フィールドの値が「10」であれば、識別フィールドの値が「10」の伝送フレーム(別の仮想伝送路を経由して受信した伝送フレーム)を破棄し、それ以外を選択する。
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、端末装置5における受信処理の負荷を軽減するとともに、支線系伝送路の伝送容量を軽減できる。
図8は、第3の実施形態に係るマスターネットワーク伝送装置31およびネットワーク伝送装置32の構成例を示す図である。なお、第3の実施形態に係るネットワークシステムは、図1に示すマスターネットワーク伝送装置1およびネットワーク伝送装置2を図8に示すマスターネットワーク伝送装置31およびネットワーク伝送装置32に置き換えた構成となっているものとする。
図8に示すマスターネットワーク伝送装置31およびネットワーク伝送装置32は、図2に示す第1の実施形態のマスターネットワーク伝送装置1およびネットワーク伝送装置2に相当する。図8に示すネットワーク伝送装置31、32は、経路切替部12と支線系送信部13の間にフレーム選択部38を設けた点が図2に示すネットワーク伝送装置1、2との異なる。また、図8に示すネットワーク伝送装置31、32は、フレーム設定部37の機能が図2に示すフレーム設定部17の機能とが異なっている。なお、マスターネットワーク伝送装置31のみが図8に示す閉塞ポート4a、4bを有し、それ以外のネットワーク伝送装置32は、図8に示す閉塞ポート4a、4bを持たない構成となっている。
図9は、第3の実施形態におけるフレーム設定部37が設定する伝送フレームの例を示す図である。図9に示す出力フレームは、図3に示す出力フレームとを比較すると、タイプフィールドの後に識別フィールドを設けた点が異なる。フレーム設定部37では、端末装置5から入力した伝送フレームを2つ複製し、複製したそれぞれの伝送フレームに仮想伝送路3a及び仮想伝送路3bに対応するvlanタグを付加し、識別フィールドに同じ値を設定する。
フレーム設定部37は、図9に示すように、1つの入力フレームから第1の出力フレームと第2の出力フレームとを作成する。フレーム設定部37は、伝送フレーム毎に所定の規則に従った値で変化(たとえば、増加、または減少)する値を識別フィールドにセットする。フレーム設定部37は、図9に示すように、1つの入力フレームから作成する同内容の第1、第2の出力フレームの識別フィールドには同じ値をセットする。第1、第2の出力フレームは、経路切替部12を経由して幹線系伝送路3へ出力される。第1の出力フレームは、vlanタグが対応する仮想伝送路3aにより伝送され、もう1つの第2の出力フレームは、vlanタグが対応する仮想伝送路3bにより伝送される。
幹線系伝送路3に接続された各ネットワーク伝送装置32は、仮想伝送路3aにより伝送される第1の出力フレームと仮想伝送路3bにより伝送される第2の出力フレームとを受信する。ネットワーク伝送装置32では、フレーム選択部38により受信した伝送フレームから実際に端末装置へ出力すべき伝送フレームを選択する。フレーム選択部38は、当該ネットワーク伝送装置32に接続された端末装置5が宛先となっている伝送フレームに対して、識別フィールドの値により端末装置5へ出力すべき伝送フレームか否かを選択する。フレーム選択部38は、選択した伝送フレームについては識別フィールドとvlanタグを削除して宛先の端末装置5へ出力する。
上記のように、第3の実施形態に係るネットワークシステムでは、ネットワーク伝送装置で端末装置へ出力すべき伝送フレームを選別するため、ネットワーク伝送装置と端末装置とを接続する支線系伝送路の伝送容量を増加させることはない。つまり、第3の実施形態に係るネットワークシステムでは、支線系の伝送路容量を増加させることはなく、伝送路の一部に障害が発生してもデータを確実に端末装置5へ届けることができる。
次に、第3の実施形態に係るネットワークシステムの各ネットワーク伝送装置32における伝送フレームの選択方法について説明する。
上述したように、第3の実施形態に係るネットワーク伝送装置32は、受信した伝送フレームのうち当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置が宛先となる伝送フレームに対して、識別フィールドの値に基づいて端末装置へ出力すべき伝送フレームか否かを選択する。伝送フレームの選択方法としては、先に選択した伝送フレームの識別フィールドの値から次に受信すべき識別フィールドの値を算出(予測)し、算出した値の識別フィールド値を持った伝送フレームを選択する選択方法(第1の選択方法)と、選択済みの伝送フレームと同じ値の識別フィールドとなっている伝送フレームを破棄(識別フィールドの値が同じでない伝送フレームを選択する選択方法(第2の選択方法)とが考えられる。
上述した第1の選択方法を適用したフレーム選択部38は、送信側と同じ算出方法(マスターネットワーク伝送装置のフレーム設定部が次の伝送フレームにおける識別フィールドの値を算出する算出方法)を用いて、直前に選択(受信)した伝送フレームの識別フィールドの値から次に選択すべき識別フィールドの値を算出する。当該ネットワーク伝送装置32に接続された端末装置5が宛先となっている伝送フレームを受信すると、フレーム選択部38は、算出した次の識別フィールドの値と一致する識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外を破棄する。
たとえば、マスターネットワーク伝送装置1のフレーム設定部17が順に出力する伝送フレームに対して識別フィールドの値を「1」加算するものとする。このような場合、フレーム選択部38は、直前に選択した伝送フレームにおける識別フィールドの値が「10」であれば、「10」に「1」を加算した「11」が識別フィールドの値となっている伝送フレームを選択し、それ以外を破棄する。
また、上記第2の選択方法を適用したフレーム選択部38では、選択済みの伝送フレームの識別フィールドの値と一致する識別フィールドの値を持った伝送フレームを破棄し、それ以外を選択する。マスターネットワーク伝送装置1のフレーム設定部17は、データの内容が異なる伝送フレームに対しては異なる識別フィールドの値を設定する。このため、端末装置5は、先に選択済みの伝送フレームにおける識別フィールドの値が「10」であれば、識別フィールドの値が「10」の伝送フレーム(別の仮想伝送路を経由して受信した伝送フレーム)を破棄し、それ以外を選択する。
上記のように、第1、第2及び第3の実施形態に係るネットワークシステムでは、マスター伝送装置が同内容のデータを複数の仮想伝送路により複数の伝送フレームとして伝送する。このため、マスターネットワーク伝送装置との各ネットワーク伝送装置との通信においては、伝送路上の一部に障害が発生しても、何れか1つの仮想伝送路で伝送フレームを伝送でき、伝送フレームの欠落が無い伝送を維持することが出来る。
たとえば、鉄道車両では、運転手が存在する制御装置を中心として発生させた制御指令などのデータを当該車両内の各所に設置される各機器(端末装置)へ伝送するネットワークシステムが要望される。第1、第2及び第3の実施形態で説明したようなネットワークシステムを鉄道車両に搭載すれば、簡単なハードウエア構成(例えば、既存のハードウエアを活用したネットワーク構成)で伝送フレームの欠落がない伝送を維持することができるシステムを実現できる。
次に、第4の実施形態について説明する。
図10は、第4の実施の形態に係るネットワークシステムの構成例を示す図である。
図10に示す第4の実施の形態に係るネットワークシステムは、図1に示すマスターネットワーク伝送装置1とネットワーク伝送装置2とをマスターネットワーク伝送装置Mとネットワーク伝送装置S(S1、S2、S3)とに置き換えた構成となっている。なお、ネットワーク伝送装置Sの台数、あるいは、端末装置5の台数などは、図10に示すものに限定されるものではない。
図11は、マスターネットワーク伝送装置Mの構成例を示す図であり、図12は、ネットワーク伝送装置Sの構成例を示す図である。
マスターネットワーク伝送装置Mは、図11に示すように、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、フレーム設定部41、第1フレーム受信部42、第2フレーム受信部43、フレーム選択部44、アドレス情報記憶部45、およびフレーム変換部46を有する。制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15aおよび第2幹線系送信部15bは、図1に示す構成と同様なもので実現可能である。
また、ネットワーク伝送装置Sは、図12に示すように、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、フレーム設定部41、第1フレーム受信部42、第2フレーム受信部43、フレーム選択部44およびアドレス情報記憶部45を有する。ネットワーク伝送装置Sは、マスターネットワーク伝送装置Mにおいてフレーム変換部46を省略し、経路切替部12が閉塞ポートを持たない構成で実現できる。
なお、マスターネットワーク伝送装置Mあるいはネットワーク伝送装置Sにおいて、支線系送信部13、支線系受信部14、フレーム設定部41、第1フレーム受信部42、第2フレーム受信部43、フレーム選択部44およびアドレス情報記憶部45は、複数であっても良い。
以下、第4の実施形態のネットワークシステムにおけるフレームの伝送制御の例について説明する。
図13は、第4の実施形態に係るネットワークシステムにおいて、マスターネットワーク伝送装置Mおよび各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3間を伝送する伝送フレームの入出力関係を概念的に示す図である。
図13に示す例では、マスターネットワーク伝送装置Mには、端末装置MTが接続され、ネットワーク伝送装置S1、S2、S3には、それぞれ端末装置T1、T2、T3が接続されるものとする。また、図13では、マスターネットワーク伝送装置Mを機能的に2つに分割した2つのブロックとして記載している。左端側のマスターネットワーク伝送装置Mは、第2のvlan(vlanタグがvlan20)に属するアドレスを処理する機能の部分を示し、右端側のマスターネットワーク伝送装置Mは、第1のvlan(vlanタグがvlan10)に属するアドレスを処理する機能の部分を示す。また、図13では、マスターネットワーク伝送装置Mおよびネットワーク伝送装置S1、S2、S3を貫く2つの横線のうち、上方が第1のvlan(vlanタグがvlan10)の仮想伝送路を示し、下方が第2のvlan(vlanタグがvlan20)の仮想伝送路を示す。
本ネットワークシステムにおいてマスターネットワーク伝送装置Mおよび各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3(以下、単に伝送装置M、S1、S2、S3とも称する)には、それぞれ2つのアドレスが与えられる。これは、ネットワークシステム内において、同じvlan内で同じアドレスが違う経路から伝送することを防ぐためである。マスターネットワーク伝送装置Mおよび各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3では、第1フレーム受信部42および第2フレーム受信部43により2つのアドレスを使用する。
各伝送装置M、S1、S2、S3では、フレーム設定部41により2つのアドレスの伝送フレームを2つ設定する。各伝送装置M、S1、S2、S3と各伝送装置に接続される各端末装置MT、T1、T2、T3とに関するアドレス情報は、アドレス情報記憶部45に記憶される。たとえば、アドレス情報記憶部45は、自己の伝送装置も含めた他のすべての伝送装置に対する2つのアドレスと、各伝送装置に接続されている各端末装置のアドレスとの対応関係を示す情報をアドレス情報として記憶する。
図13に示す例では、各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3の下方に記載したA1とB1、A2とB2、A3とB3は、各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3に接続した各端末装置T1、T2、T3に割り当てた2つのアドレスを示し、マスターネットワーク伝送装置Mの下方に記載したMAおよびMBは、マスターネットワーク伝送装置Mに接続した端末装置MTに割り当てた2つのアドレスを示す。
各端末装置MT、T1、T2、T3は、他の端末装置へ伝送する伝送フレームを支線系伝送路6により各伝送装置M、S1、S2、S3へ出力する。各伝送装置M、S1、S2、S3は、端末装置MT、T1、T2、T3から入力される伝送フレームを支線系受信部14により受信し、フレーム設定部41に入力する。フレーム設定部41は、入力した伝送フレーム(入力フレーム)におけるアドレス(宛先アドレス、送信元アドレス)をアドレス情報記憶部45が記憶するアドレス情報に基づいて変換した2つの伝送フレーム(出力フレーム)を作成する。
なお、第4の実施形態のネットワークシステムでは、各端末装置MT、T1、T2、T3が発信する他の端末装置宛の伝送フレーム(ネットワーク伝送装置M、S1、S2、S3へ送信する伝送フレーム)には、送信元アドレスとして自身の端末装置を示す「MT」、「T1」、「T2」、「T3」(送信元の端末装置のアドレス)をセットし、宛先アドレスとして宛先とする端末装置を示す「MT」、「T1」、「T2」、「T3」(宛先の端末装置のアドレス)をセットするものとする。
図14は、アドレス情報記憶部45に記憶されているアドレス情報の例を示す図である。図14に示す例では、vlanタグに対応づけた各端末装置のアドレス(宛先アドレス、および、送信元アドレス)が設定されている。フレーム設定部41は、図14に示すようなアドレス情報を参照して、vlanタグに対応する送信元アドレスと宛先アドレスとを判別する。たとえば、図14に示すアドレス情報を参照すれば、各伝送装置のフレーム設定部41では、端末装置5から入力した伝送フレームに対して、vlan10に対応する送信元アドレスおよび宛先アドレスに変換した第1の出力フレームと、vlan20に対応する送信元アドレスおよび宛先アドレスに変換した第2の出力フレームとを作成できる。
ここで、ネットワーク伝送装置S1に接続した端末装置T1からネットワーク伝送装置S3に接続した端末装置T3へ伝送フレームを伝送する場合について説明する。
図15は、1つの入力フレームから作成される2つの出力フレーム(第1、第2の出力フレーム)の例を示す図である。
各伝送装置のフレーム設定部41は、支線系伝送路6により端末装置から入力した伝送フレームを2つ複製する。フレーム設定部41は、複製した2つの伝送フレームに対して、それぞれ宛先アドレス及び送信元アドレスを変更し、vlanタグおよび識別フィールドを付加した2つの出力フレームを作成する。
図15に示す例において、送信元が端末装置T1で宛先が端末装置T3の伝送フレームを入力フレームとし、vlanタグを「vlan10」として第1の出力フレームとvlanタグを「vlan20」として第2の出力フレームとを作成している。なお、図15に示す例では、図14に示すアドレス情報を参照して2つの出力フレームを作成する場合を想定している。フレーム設定部41は、作成した2つの出力フレームを経路切替部12へ出力する。経路切替部12は、第1の出力フレームをvlan10により伝送し、第2の出力フレームをvlan20により伝送する。
ここで、仮想伝送路としてvlan10とvlan20を設定し、vlan10が反時計回り、vlan20が時計回りでリングネットワークを伝送するものとする。vlan10では、マスターネットワーク伝送装置Mおよび3つのネットワーク伝送装置S1、S2、S3のアドレスを、それぞれMAおよびA1,A2,A3とし、vlan20では、マスターネットワーク伝送装置Mおよび3つのネットワーク伝送装置S1、S2、S3のアドレスを、それぞれMBおよびB1,B2,B3とする。
このような設定において、ネットワーク伝送装置S1が端末装置T1から端末装置T3を宛先とする伝送フレーム(図15に示す入力フレーム)を入力したものとする。この場合、フレーム設定部41は、入力フレームにvlanタグ「vlan10」を付加して宛先アドレスを「A3」、送信元アドレスを「A1」に変更した第1の出力フレームを作成するとともに、入力フレームにvlanタグ「vlan20」を付加して宛先アドレスを「A3」、送信元アドレスを「B1」とした第2の出力フレームを作成する。
すなわち、ネットワーク伝送装置S1のフレーム設定部41は、支線系伝送路6を経由して端末装置T1から入力された伝送フレーム(入力フレーム)を2つの伝送フレームに複製する。ネットワーク伝送装置S1のフレーム設定部41は、複製した2つの伝送フレームのうち一方の伝送フレームについては、宛先アドレスとしての「T3」をvlan10に対応する端末装置T3のアドレス「A3」に変更し、送信元アドレスとしての「T1」をvlan10に対応する端末装置T1のアドレス「A1」に変更する。また、フレーム設定部41は、複製した2つの伝送フレームのうち他方の伝送フレームに対しては、宛先アドレスとしての「T3」をvlan20に対応する端末装置T3のアドレス「A3」に変更し、送信元アドレスとしての「T1」をvlan20に対応する端末装置T1のアドレス「B1」に変更する。
送信元アドレスが「A1」の伝送フレームには、vlanタグとして「vlan10」を付加し、送信元アドレスが「B1」の伝送フレームには、vlanタグとして「vlan20」を付加する。さらに、2つの伝送フレームには、識別フィールドに同じ値を設定して第1、第2の出力フレームを作成する。これら2つの出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1の経路切替部12により幹線系伝送路3へ出力される。
vlanタグが「vlan10」の第1の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1から第1のvlan(vlan10)を反時計回りに伝送され、ネットワーク伝送装置S2を介してネットワーク伝送装置S3に到達する。ネットワーク伝送装置S3は、第1のフレーム受信部42により第1の出力フレームを受信する。ネットワーク伝送装置S3には、アドレス「A3」の端末装置T3が接続されている。このため、ネットワーク伝送装置S3は、フレーム選択部44により受信した第1の出力フレームを選択するか否かを選別する。当該フレームを選択する場合、フレーム選択部44は、当該伝送フレームをアドレス「A3」の端末装置T3へ出力する。なお、フレームの選択方法については、後で説明する。
vlanタグが「vlan20」の第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1から第2のvlan(vlan20)を時計回りに伝送され、マスターネットワーク伝送装置Mに到達する。マスターネットワーク伝送装置Mでは、受信した伝送フレームをフレーム変換部46に入力する。フレーム変換部46は、入力された伝送フレームのvlanタグを変更する。
図16は、フレーム変換部46によるvlanタグの変換(変更)処理を示す図である。図16に示すように、フレーム変換部46は、vlanタグが「vlan20」の伝送フレームに対しては、vlanタグを「vlan10」に変更する。これにより、vlanタグが「vlan10」に変更される伝送フレームは、反時計回りの伝送路としての仮想伝送路3aからなる第1のvlanで伝送され、ネットワーク伝送装置S3に到達し、アドレス「A3」を持つ端末装置T3に受信される。
この様な仕組みとなっているため、第1の出力フレームと第2の出力フレームとは、それぞれネットワーク伝送装置S3に到達し、ネットワーク伝送装置S3に接続されたアドレス「A3」を持つ端末装置T3へ出力できる。ただし、第1の出力フレームと第2の出力フレームとは、同内容のデータを格納した伝送フレームであり、識別フィールドの値が同じである。ネットワーク伝送装置S3は、同じ内容の2つの伝送フレーム(第1、第2の出力フレーム)を2つ受信し、フレーム選択部44により実際に端末装置へ出力すべき伝送フレームを選択する。
次に、フレーム選択部44による伝送フレームの選択方法について説明する。
フレーム選択部44は、受信した伝送フレームにおける識別フィールドの値に基づいて受信した伝送フレームを選択あるいは破棄する。伝送フレームの選択方法としては、第3の実施形態で説明したようなフレームの選択方法が適用可能である。たとえば、伝送フレームにおける識別フィールドの値は、順次出力される伝送フレーム毎にある規則に従った値で増加、または減少する値に設定するものとする。この場合、フレーム選択部44では、識別フィールドの値に基づいて、同内容の伝送フレームを破棄したり、連続する伝送フレームを選択することが可能となる。
たとえば、フレーム選択部44は、伝送フレームの第1の選択方法として、先に選択した伝送フレームの識別フィールドの値から次に受信すべき識別フィールドの値を算出(予測)し、算出した値の識別フィールド値を持った伝送フレームを選択し、それ以外を破棄する方法が適用できる。また、フレーム選択部44には、伝送フレームの第2の選択方法として、選択済みの伝送フレームと同じ値の識別フィールドとなっている伝送フレームを破棄し、識別フィールドの値が同じでない伝送フレームを選択する方法を適用しても良い。なお、上記した伝送フレームの第1、第2の選択方法としては、第3の実施形態で説明した伝送フレームの第1の選択方法および第2の選択方法が適用可能である。
次に、ネットワーク伝送装置が端末装置へ出力する伝送フレームを作成する処理について説明する。
図17は、選択した伝送フレームから端末装置へ出力する出力フレームを作成する処理を説明する図である。
図17に示すように、フレーム選択部44は、端末装置へ出力すべきであると判断した伝送フレームを端末装置への出力用のフレームに変換する。すなわち、フレーム選択部44は、選択した伝送フレームにおける宛先アドレスを支線系伝送路6に接続される端末装置T3のアドレス「T3」に変更し、送信元アドレスを送信元の端末装置T1のアドレス「T1」に変更する。さらに、フレーム選択部44は、選択した伝送フレームにおけるvlanタグおよび識別フィールドを削除し、端末装置への出力フレームを作成する。フレーム選択部44は、宛先アドレス及び送信元アドレスを変更し、vlanタグおよび識別フィールドを削除した伝送フレームを支線系送信部13により端末装置へ出力する。
次に、アドレス情報記憶部45に記憶するアドレス情報の作成方法の例について説明する。
図14に示すようなアドレス情報は、各アドレスの対応関係を考慮して次のように作成することができる。
まず、左端のネットワーク伝送装置S1に接続した端末装置T1について、時計回りのvlanに対応する他の伝送装置M、S2、S3に接続した端末装置MT、T2、T3とのアドレス対応関係を作成し、反時計回りのvlanに対応する他の伝送装置M、S2、S3に接続された端末装置MT、T2、T3とのアドレス対応関係を作成する。
次に、ネットワーク伝送装置S1の右隣りのネットワーク伝送装置S2に接続された端末装置T2については、ネットワーク伝送装置S1以外のネットワーク伝送装置M、S3に対して、時計回りのvlanに対応する他の伝送装置M、S3に接続された端末装置MT、T3とのアドレス対応関係を作成し、反時計回りのvlanに対応する他の伝送装置M、S3に接続された端末装置MT、T3とのアドレス対応関係を作成する。これは、ネットワーク伝送装置S2とネットワーク伝送装置S1との対応関係は、既に作成されているからである。
ネットワーク伝送装置S2の右隣りのネットワーク伝送装置S3に接続された端末装置T3については、ネットワーク伝送装置S1、S2以外のネットワーク伝送装置Mに対して、時計回りのvlanに対応する他の伝送装置Mに接続された端末装置MTとのアドレス対応関係を作成し、反時計回りのvlanに対応する他の伝送装置Mに接続された端末装置MTとのアドレス対応関係を作成する。これは、ネットワーク伝送装置S3とネットワーク伝送装置S1との対応関係およびネットワーク伝送装置S3とネットワーク伝送装置S2との対応関係は、既に作成されているからである。
また、マスターネットワーク伝送装置Mに接続した端末装置MTについては、各vlanごとにそれぞれで個別に各端末装置に対するアドレスを対応させる。このようにして、ネットワークシステム内におけるvlanごとの各端末装置のアドレス対応関係を示すアドレス情報を作成することが可能である。
なお、図18は、各ネットワーク伝送装置Sに接続される端末装置がn台である場合における各種のアドレスの対応関係を示すアドレス情報の例を示す図である。図18に示すように、任意の台数のネットワーク伝送装置に接続した任意の台数の端末装置についても、2つのvlanに対応する送信元アドレスおよび宛先アドレスを設定することが可能である。
上記のように、第4の実施形態のネットワークシステムでは、マスターネットワーク伝送装置Mを基点に伝送フレームを反時計回りで1周だけ伝送する仮想伝送路からなる第1のvlanとマスターネットワーク伝送装置Mを基点に伝送フレームを時計回りで1周だけ伝送する仮想伝送路からなる第2のvlanとを設定し、各ネットワーク伝送装置に対して2つのvlanに対応する2つのアドレスを持たせる。マスターネットワーク伝送装置Mは、閉塞されていない2つの仮想伝送路のインターフェース間で、伝送フレームにおける第1のvlanのvlanタグと第2のvlanのvlanタグとを交換する。
これにより、マスターネットワーク伝送装置Mは、2つのリング型ネットワークの仮想伝送路に対して閉塞されていないインターフェース間を接続して、伝送フレームを2つの仮想伝送路で伝送できる。この結果として、ネットワークシステム全体において、マスターネットワーク伝送装置以外のどのネットワーク伝送装置S間においても、反時計回りの伝送経路と時計回りの伝送経路とを確保でき、障害発生時にもデータの欠落が無い伝送を実現できる。
次に、第5の実施形態について説明する。
図19は、第5の実施形態に係るマスターネットワーク伝送装置Mの構成例を示す図であり、図20は、第5の実施形態に係るネットワーク伝送装置Sの構成例を示す図である。ただし、第5の実施形態に係るネットワークシステム全体は、たとえば、図10に示す第4の実施の形態に係るネットワークシステムと同様な構成で良い。
マスターネットワーク伝送装置Mは、図19に示すように、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、フレーム設定部51、フレーム選択部52、アドレス情報記憶部53およびフレーム変換部56を有する。制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15aおよび第2幹線系送信部15bは、図1に示す構成と同様なもので実現可能である。
また、ネットワーク伝送装置Sは、図20に示すように、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、フレーム設定部51、フレーム選択部52およびアドレス情報記憶部53を有する。ネットワーク伝送装置Sは、マスターネットワーク伝送装置Mにおいてフレーム変換部56を省略し、経路切替部12が閉塞ポート4a、4bを持たない構成で実現できる。
フレーム設定部51は、端末装置から入力して他の端末装置へ伝送する伝送フレームを設定する。フレーム設定部51は、端末装置から入力した伝送フレームを複製して一部を変更することにより、vlanごとの出力フレームを作成する。フレーム選択部52は、受信した伝送フレームを選択するか否かを判定する。フレーム選択部52は、宛先が当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置である伝送フレームを宛先となる端末装置へ出力するか破棄するかを選別する。アドレス情報記憶部53は、当該ネットワークシステムにおける各端末装置に対する宛先アドレスおよび送信元アドレスを示すアドレス情報を記憶する。アドレス情報記憶部53は、各vlanに対応づけた各端末装置に対する宛先アドレスおよび送信元アドレスを示すアドレス情報を記憶する。
マスターネットワーク伝送装置Mが具備するフレーム変換部56は、入力した伝送フレームに対するフレーム変換を行う。フレーム変換部56は、閉塞されていないポート間を接続して、伝送フレームが仮想伝送路間を伝送する経路を確保するための変換処理を行う。たとえば、フレーム変換部56は、各vlanに対応する入出力ポートを有する。各入出力ポートには、各vlanに対応するアドレス(例えば、「M1」、「M2」)が割り当てられる。フレーム変換部56は、各入出力ポートに割り当てられたアドレスが宛先となっている伝送フレームに対して変換処理を行う変換部を有する。フレーム変換部56では、伝送フレームにおけるvlanタグを交換し、送信元アドレスと宛先アドレスの付け替える。
なお、マスターネットワーク伝送装置Mあるいはネットワーク伝送装置Sにおいて、支線系送信部13、支線系受信部14、フレーム設定部51、フレーム選択部52およびアドレス情報記憶部53は、複数であっても良い。
上述したように、第5の実施形態に係るネットワークシステムでは、各ネットワーク伝送装置間においても2つの伝送経路を確保するため、マスターネットワーク伝送装置Mにおいてフレーム変換部56が閉塞されていないポート間を接続して伝送フレームが仮想伝送路間を伝送する経路を確保するための変換処理を行う。
以下、第5の実施形態のネットワークシステムにおけるフレームの伝送制御の例について説明する。
図21は、第5の実施の形態に係るネットワークシステムの例として、マスターネットワーク伝送装置Mおよび各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3間を伝送する伝送フレームの入出力関係を概念的に示す図である。
図21では、マスターネットワーク伝送装置Mを機能的に2つに分割した2つのブロックとして記載している。左端側のマスターネットワーク伝送装置Mは、第2のvlan(vlanタグがvlan20)に属するアドレスを処理する機能の部分を示し、右端側のマスターネットワーク伝送装置Mは、第1のvlan(vlanタグがvlan10)に属するアドレスを処理する機能の部分を示す。
図21に示すネットワークシステムでは、2つの仮想伝送路により構成される第1のvlan(vlanタグをvlan10とする)と第2のvlan(vlanタグをvlan20とする)とが設定される。第1のvlan(vlan10)は、マスターネットワーク伝送装置Mを基点に反時計回でリング型ネットワークを1周する仮想伝送路により構成される。第2のvlan(vlan20)は、マスターネットワーク伝送装置Mを基点に時計回りでリング型ネットワークを1周する仮想伝送路により構成される。図21においては、マスターネットワーク伝送装置Mおよびネットワーク伝送装置S1、S2、S3を貫く2つの横線のうち、上方が第1のvlan(vlanタグがvlan10)の仮想伝送路を示し、下方が第2のvlan(vlanタグがvlan20)の仮想伝送路を示す。
図21に示す例では、マスターネットワーク伝送装置Mには、端末装置5として端末装置MTが接続され、各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3には、それぞれ端末装置5として端末装置T1、T2、T3が接続される。また、マスターネットワーク装置Mに接続される端末装置MTのアドレスは「MA」と設定され、各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3に接続される各端末装置T1、T2、T3のアドレスはそれぞれ「A1」,「A2」,「A3」と設定される。これらの各端末装置に対するアドレス情報は、アドレス情報記憶部53に記憶される。このように、マスターネットワーク伝送装置Mおよび各ネットワーク伝送装置S1、S2、S3に接続した各端末装置には、それぞれ1つのアドレスが与えられる。
さらに、本ネットワークシステムでは、各端末装置だけでなく、マスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56にも、2つのアドレス(「M1」、「M2」)が設定される。これらのアドレスは、各vlanに対応するものである。図21に示す例では、マスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56に、アドレス「M1」が割り当てられた入出力ポート56aとアドレス「M2」が割り当てられた入出力ポート56bとが設定されている。また、マスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56は、伝送フレームに変換処理を施す変換部56cを有する。フレーム変換部56の変換部56cは、一方の入出力ポートで入力した伝送フレームに変換処理を施して他方の入出力ポートから出力する。
図22は、アドレス情報記憶部53に記憶されているアドレス情報の例を示す図である。図22に示す例では、各vlan(各vlanタグ)に対応づけた各端末装置のアドレス(宛先アドレス、および、送信元アドレス)が設定されている。
ネットワーク伝送装置S1、S2、S3のフレーム設定部51は、アドレス情報記憶部53に記憶されているアドレス情報を参照して、支線系伝送路6から入力した伝送フレームから2つの出力フレームを作成する。
フレーム設定部51は、図22に示すようなアドレス情報を参照して、各vlanに出力する出力フレームにおける宛先アドレスと送信元アドレスとを設定する。たとえば、図22に示すアドレス情報を参照すれば、フレーム設定部51は、端末装置から入力した伝送フレームから作成する第1のvlan(vlan10)に出力する伝送フレームにおける宛先アドレスおよび送信元アドレスを設定でき、第2のvlan(vlan20)に出力する出力フレームにおけるる宛先アドレスおよび送信元アドレスも設定できる。
ここで、ネットワーク伝送装置S1に接続した端末装置T1からネットワーク伝送装置S3に接続した端末装置T3へ伝送フレームを伝送する場合について説明する。
図23は、ネットワーク伝送装置S1が端末装置T1から入力した伝送フレーム(入力フレーム)から作成した2つの伝送フレーム(第1、第2の出力フレーム)の例を示す図である。
ネットワーク伝送装置S1のフレーム設定部51は、支線系伝送路6により端末装置T1から入力した伝送フレームを2つ複製する。フレーム設定部51は、複製した2つの伝送フレームから2つのvlanに出力する第1、第2の出力フレームを作成する。図23では、送信元が端末装置T1で宛先が端末装置T3の入力フレームから、vlanタグを「vlan10」とした第1の出力フレームとvlanタグを「vlan20」とした第2の出力フレームとを作成する例を示している。フレーム設定部51は、作成した2つの出力フレームを経路切替部12へ出力する。経路切替部12は、第1の出力フレームをvlan10により伝送し、第2の出力フレームをvlan20により伝送する。
図23に示す例では、図22に示すアドレス情報を参照して2つの出力フレームを作成する場合を想定している。
フレーム設定部51は、入力フレームにおける宛先アドレス(「A3」)および送信元アドレス(「A1」)を変更せずに、vlanタグとして「vlan10」を付加し、識別フィールドに値「10」を付加することにより第1の出力フレームを作成する。なお、第1の出力フレームについては、FCSが再計算され、再計算された値にFCSが更新される。この第1の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1の経路切替部12により幹線系伝送路3における第1のvlanへ出力される。
また、フレーム設定部51は、第2の出力フレームとして、入力フレームにおける宛先アドレスを「A3」から「M1」に変更し、送信元アドレスを「A1」のままとし、vlanタグとして「vlan20」を付加し、識別フィールドに第1の出力フレームの識別フィールドと同じ値「10」を付加する。さらに、フレーム設定部51は、入力フレームにおける宛先アドレスを「A3」から「M1」に変更したフレームにおいて、元の宛先アドレス「A3」を識別フィールドの後ろ(データ部の先頭と考えても良い)に追加することにより第2の出力フレームを作成する。なお、第2の出力フレームについても、FCSが再計算され、再計算された値にFCSが更新される。この第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1の経路切替部12により幹線系伝送路3における第2のvlanへ出力される。
vlanタグが「vlan10」の第1の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1から第1のvlan(vlan10)を反時計回りに伝送され、ネットワーク伝送装置S2を介してネットワーク伝送装置S3に到達する。ネットワーク伝送装置S3は、第1のフレーム受信部42により第1の出力フレームを受信する。ネットワーク伝送装置S3には、アドレス「A3」の端末装置T3が接続されている。このため、ネットワーク伝送装置S3は、フレーム選択部52により受信した第1の出力フレームを選択するか否かを選別する。当該第1の出力フレームを選択する場合、フレーム選択部52は、当該フレームを端末装置への出力用の伝送フレームに変換し、アドレス「A3」の端末装置T3へ出力する。なお、フレームの選択方法については、後で説明する。
vlanタグが「vlan20」の第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1から第2のvlan(vlan20)を時計回りに伝送され、マスターネットワーク伝送装置Mに到達する。マスターネットワーク伝送装置Mでは、受信した宛先アドレス「M1」の伝送フレームをフレーム変換部56におけるアドレス「M1」が割り当てられた入出力ポート56aにより入力する。フレーム変換部56は、入力した伝送フレーム(第2の出力フレーム)におけるvlanタグおよび宛先アドレスなどを変更する。
図24は、フレーム変換部56によるフレーム変換(変更)処理を示す図である。図24に示すように、フレーム変換部56は、各vlanに対応する入出力ポート56aおよび56bを有する。図24に示す例では、入出力ポート56aには、他の装置からの宛先アドレスとして「M1」が与えられる。このため、入出力ポート56aは、マスターネットワーク伝送装置Mが入力した伝送フレームのうち宛先アドレスが「M1」の伝送フレームを入力する。入出力ポート56bは、送信元アドレスとして「M2」が割り当てられる。このため、入出力ポート56bは、変換部56cによるフレーム変換処理後の送信元アドレスが「M2」の伝送フレームを出力する。
なお、入出力ポート56bには、他の装置からの宛先アドレスとして「M2」が割り当てられる。このため、入出力ポート56bは、マスターネットワーク伝送装置Mが入力した伝送フレームのうち宛先アドレスが「M2」の伝送フレームを入力する。また、入出力ポート56aは、変換部56cによるフレーム変換処理後の送信元アドレスが「M1」の伝送フレームを出力する。
図24に示すように、フレーム変換部56は、vlanタグが「vlan20」の伝送フレームに対しては、vlanタグを「vlan10」に変更する。フレーム変換部56は、宛先アドレスとしての「M1」を識別フィールドの後(データ部の先頭)にセットされたアドレス「A3」に変更する。識別フィールドの後(データ部の先頭)にセットされていた「A3」は、削除する。さらに、フレーム変換部56は、送信元アドレスを「A1」から「M2」に変更する。
つまり、フレーム変換部56は、宛先アドレスが「M1」、送信元アドレスが「A1」、vlanタグが「vlan20」、識別フィールドの直後のアドレス情報が「A3」にセットされた伝送フレームを、宛先アドレスを「A3」、送信元アドレスを「M2」、vlanタグを「vlan10」に変更し、かつ、識別フィールドの直後のアドレス情報「A3」を削除した伝送フレーム(出力フレーム)を作成する。このような出力フレームは、マスターネットワーク伝送装置Mの経路切替部12により幹線系伝送路における第1のvlan(vlan10)を伝送される。
すなわち、宛先アドレスが「M1」(或は「M2」)の伝送フレームは、フレーム変換部によりvlanタグが変更され、宛先アドレスが識別フィールドの直後に格納されている当初の宛先アドレスに変更され、送信元アドレスがフレーム変換部の出力部のアドレス「M2」(或は「M1」)に変更されて出力される。従って、マスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56による変換後の伝送フレームは、受信した際のvlanとは別のvlanで伝送され、当初の宛先である端末装置が接続されたネットワーク伝送装置に到達する。
次に、フレーム選択部52による伝送フレームの選択方法について説明する。
上記のように、あるネットワーク伝送装置から送信された2つの出力フレームは、それぞれがvlanにて宛先の端末装置が接続されたネットワーク伝送装置へ伝送される。ネットワーク伝送装置では、当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置宛の伝送フレームを受信するごとに、フレーム選択部52により受信した伝送フレームを選択するか破棄するか判断する。
フレーム選択部52による伝送フレームの選択方法としては、第3の実施形態で説明したフレームの選択方法が適用可能である。たとえば、伝送フレームにおける識別フィールドの値は、順次出力される伝送フレーム毎にある規則に従った値で増加、または減少する値に設定するものとする。この場合、フレーム選択部52では、識別フィールドの値に基づいて、同内容の伝送フレームを破棄したり、連続する伝送フレームを選択することが可能となる。
つまり、フレーム選択部52は、伝送フレームの第1の選択方法として、先に選択した伝送フレームの識別フィールドの値から次に受信すべき識別フィールドの値を算出(予測)し、算出した値の識別フィールド値を持った伝送フレームを選択し、それ以外を破棄する方法が適用できる。また、フレーム選択部52には、伝送フレームの第2の選択方法として、選択済みの伝送フレームと同じ値の識別フィールドとなっている伝送フレームを破棄し、識別フィールドの値が同じでない伝送フレームを選択する方法を適用しても良い。
次に、アドレス情報記憶部53に記憶するアドレス情報の作成方法の例について説明する。
図22に示すようなアドレス情報は、各アドレスの対応関係を考慮して次のように作成することができる。
まず、各端末装置に対して1つのアドレスを設定し、各端末装置の送信元アドレスを設定する。また、マスターネットワーク伝送装置Mに接続する端末装置MTについては、第1のvlan(vlan10)及び第2のvlan(vlan20)共に各端末装置のアドレスをそのまま設定する。
vlanタグがvlan10の各端末装置の宛先アドレスとしては、送信元の端末装置が接続されたネットワーク伝送装置からの伝送順序がマスターネットワーク伝送装置Mより前となるネットワーク伝送装置に接続された端末装置については各端末装置に割り当てあれた宛先アドレスを設定し、vlan10の伝送順序ではマスターネットワーク伝送装置Mより後になる端末装置については宛先アドレスを「M2」に設定する。
vlanタグがvlan20の各端末装置の宛先アドレスとしては、送信元の端末装置が接続されたネットワーク伝送装置からのvlan20による伝送順序がマスターネットワーク伝送装置Mより前となるネットワーク伝送装置に接続された端末装置については各端末装置に割り当てられた宛先アドレスを設定し、vlan20による伝送順序がマスターネットワーク伝送装置Mより後になる端末装置については宛先アドレスを「M1」に設定する。
たとえば、図21に示す構成において、左端のネットワーク伝送装置S1に接続した端末装置T1から順に宛先アドレスを設定するものとする。この場合、たとえば、左端のネットワーク伝送装置S1に接続した端末装置T1については、vlan10における端末装置T2、T3の宛先アドレスが「A2」、「A3」が設定される。また、左端のネットワーク伝送装置S1に接続した端末装置T1については、vlan20における各端末装置T2、T3の宛先アドレスが「M1」に設定される。
次に、右隣りのネットワーク伝送装置S2に接続した端末装置T2については、vlan10における各端末装置のアドレスをそのまま宛先アドレスとする。また、ネットワーク伝送装置S2に接続した端末装置T2については、vlan20における各端末装置の宛先アドレスとして、ネットワーク伝送装置S1以外のネットワーク伝送装置S3に接続した端末装置T3の宛先アドレスを「M1」に設定する。また、ネットワーク伝送装置S1の端末装置T1に対しては、vlan10に対してのみフレーム変換部56におけるvlan10の入力部に割り当てたアドレス「M2」を先に設定された「A1」の宛先アドレスとして設定する。
なお、図25は、ネットワーク伝送装置をn台としたときのアドレス対応関係を示すアドレス情報の例を示す図である。図25に示すように、ネットワーク伝送装置の数が任意の台数であっても、上記のような手法でアドレス情報が作成可能である。
言い変えれば、マスターネットワーク伝送装置から反時計回りでネットワークを一周する仮想伝送路(たとえば、vlan10)に対しては、送信元の端末装置を接続したネットワーク伝送装置からみて反時計周りでマスターネットワーク伝送装置の手前となるネットワーク伝送装置に接続された端末装置の宛先アドレスを、当該端末装置に割り当てたアドレスに設定する。
また、マスターネットワーク伝送装置から時計回りでネットワークを一周する仮想伝送路(例えば、vlan20)に対しては、送信元の端末装置を接続したネットワーク伝送装置からみて時計周りでマスターネットワーク伝送装置の後となるネットワーク伝送装置に接続された端末装置の宛先アドレスを、マスターネットワーク伝送装置のフレーム変換部において当該仮想伝送路の入力部に割り当てたアドレス(例えば、M1)に設定する。
また、マスターネットワーク伝送装置から反時計回りでネットワークを一周する仮想伝送路(例えば、vlan10)に対しては、ネットワーク伝送装置からみて時計回りでマスターネットワーク伝送装置の後となるネットワーク伝送装置に接続された端末装置の宛先アドレスを、当該端末装置に割り当てたアドレスとマスターネットワーク伝送装置のフレーム変換部において当該仮想伝送路の入力部に割り当てられたアドレス(例えば、「M2」)に設定する。
上記のように、第5の実施形態に係るネットワークシステムでは、マスターネットワーク伝送装置でのフレーム変換用に2つの仮想伝送路に対応する2つのアドレスを持たせ、各端末装置には1つのアドレスを持たせる。マスターネットワーク伝送装置は、フレーム変換用に割り当てたアドレスが宛先アドレスの伝送フレームに対して、vlanタグを交換し、宛先アドレスを実際の宛先とする端末装置のアドレスに付け替え、送信元アドレスをフレーム変換部に割り当てられたアドレスに付け替える。
これより、第5の実施形態のネットワークシステムによれば、各ネットワーク伝送装置間についても2つの伝送経路を確保でき、障害が発生した場合であっても、各ネットワーク伝送装置間で送受信するデータの欠落などを低減した伝送を行うことが出来る。
次に、第6の実施形態について説明する。
第6の実施形態は、第5の実施形態の変形例である。このため、第6の実施形態に係るネットワークシステムは、第5の実施形態で説明したネットワークシステムと同様な構成であるものとする。上述した第5の実施形態のネットワークシステムでは、フレーム変換部において、アドレス変換を行うために、実際の宛先を示す端末装置のアドレス値を別のフィールドを設けて伝送する。
これに対して、第6の実施形態のネットワークシステムでは、フレーム変換部におけるアドレスの付け替え作業を省力化するために、各ネットワーク伝送装置が入力フレームから作成する出力フレームの構成を変更し、マスターネットワーク伝送装置が受信した伝送フレーム(出力フレーム)に対して実施する変換処理も変更する。
図26は、第6の実施形態のネットワークシステムにおける各ネットワーク伝送装置が入力フレームから作成する出力フレームの構成例を示す図である。
図26に示す例において、入力フレームは、ネットワーク伝送装置S1に接続された端末装置T1からネットワーク伝送装置S3に接続された端末装置T3への伝送フレームである。ネットワーク伝送装置S1のフレーム設定部51は、図26に示すように、1つの入力フレームから2つの出力フレームを作成する。
図26に示す第1の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1から時計周りでネットワーク伝送装置S3へvlanを伝送される。この第1の出力フレームは、第5の実施形態で説明した図23に示す第1の出力フレームを同様な構成を有している。
図26に示す第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1からマスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56を経由してネットワーク伝送装置S3へ伝送される。図26に示す第2の出力フレームは、フレーム変換部56が作成(出力)すべき伝送フレームを含んでいる。また、図26に示す第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1からマスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56まで伝送するためのヘッダ部を含んでいる。
つまり、ネットワーク伝送装置S1のフレーム設定部51は、出力フレームの宛先がマスターネットワーク伝送装置のフレーム変換部である場合、マスターネットワーク伝送装置から出力すべき伝送フレーム(フレーム変換部で変換後の伝送フレーム)を作成し、そのデータに宛先アドレス(「M1」)、送信元アドレス(「A1」)、vlanタグ(「vlan20」)およびTypeフィールドからなるヘッダ部を付加することにより出力フレーム(第2の出力フレーム)を作成する。
ネットワーク伝送装置S1の経路切替部12は、上記のような第2の出力フレームをvlan20によりマスターネットワーク伝送装置Mへ送信する。マスターネットワーク伝送装置Mでは、フレーム変換部56により上記第2の出力フレームを受信する。フレーム変換部56は、図27に示すように、受信した第2の出力フレームにおけるヘッダ部を削除してFCSを再計算することによりvlan10で伝送させる伝送フレーム(出力フレーム)を作成する。
上記のように、第6の実施形態によれば、マスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部56では、ヘッダ部の削除とFCS(伝送フレームチェックシーケンス)の再計算とを行うだけで、出力フレームを作成できる。この結果として、マスターネットワーク伝送装置Mにおける処理を減らすことが出来る。
なお、第6の実施形態のネットワークシステムにおいても、各ネットワーク伝送装置では、第3あるいは第5の実施形態で説明したような伝送フレームの選択方法により、受信した伝送フレームから端末装置へ出力するフレームを選別できる。
次に、第7の実施形態について説明する。
図28は、第7の実施形態に係るマスターネットワーク伝送装置Mの構成例を示す図であり、図29は、第7の実施形態に係るネットワーク伝送装置Sの構成例を示す図である。ただし、第7の実施形態に係るネットワークシステム全体は、たとえば、図10に示す第4の実施の形態に係るネットワークシステムと同様な構成で良い。
マスターネットワーク伝送装置Mは、図28に示すように、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、フレーム設定部71、フレーム選択部72、アドレス情報記憶部73、フレーム変換部76および第2アドレス情報記憶部77を有する。制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15aおよび第2幹線系送信部15bは、図1に示す構成と同様なもので実現可能である。
また、ネットワーク伝送装置Sは、図29に示すように、制御部10、記憶部11、経路切替部12、支線系送信部13、支線系受信部14、第1幹線系受信部16a、第2幹線系受信部16b、第1幹線系送信部15a、第2幹線系送信部15b、フレーム設定部71、フレーム選択部72およびアドレス情報記憶部73を有する。ネットワーク伝送装置Sは、マスターネットワーク伝送装置Mにおいてフレーム変換部76および第2アドレス情報記憶部77を省略し、経路切替部12が閉塞ポート4a、4bを持たない構成で実現できる。
フレーム設定部71は、端末装置から入力した他の端末装置へ伝送すべき伝送フレームを設定する。フレーム設定部71は、端末装置から入力した伝送フレームを複製して一部を変更することにより、vlanごとの出力フレームを作成する。フレーム選択部72は、受信した伝送フレームを選択するか否かを判定する。フレーム選択部72は、当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置が宛先となっている伝送フレームを当該端末装置へ出力するか破棄するかを選別する。
アドレス情報記憶部73は、当該ネットワークシステムにおける各端末装置に対する宛先アドレス、宛先アドレスに対応する記号情報(宛先アドレス記号)、および送信元アドレスを示すアドレス情報を記憶する。アドレス情報記憶部73は、各vlanに対応づけた各端末装置に対する宛先アドレス、宛先アドレス記号、および送信元アドレスを示すアドレス情報を記憶する。
マスターネットワーク伝送装置Mが具備する第2アドレス情報記憶部77は、宛先アドレスと宛先アドレス記号とを対応付けた情報(宛先アドレスと宛先アドレス記号との変換情報)が記憶される。マスターネットワーク伝送装置Mが具備するフレーム変換部76は、第2アドレス情報記憶部77に記憶された変換情報を参照して、入力した伝送フレームに対するフレーム変換を行う。フレーム変換部76は、図24に示す構成と同様に、各vlanに対応する入出力ポートを有し、各入出力ポートにアドレス(例えば、「M1」、「M2」)が割り当てられる。
フレーム変換部76は、入出力ポートに割り当てられたアドレスが宛先となっている伝送フレームに対して変換処理を行う。フレーム変換部76は、閉塞されていないポート間を接続して、伝送フレームが仮想伝送路間を伝送する経路を確保するための変換処理を行う。たとえば、フレーム変換部76は、伝送フレームに対してvlanタグを交換し、送信元アドレスと宛先アドレスの付け替える。
図30は、第7の実施形態のネットワークシステムにおける各ネットワーク伝送装置が入力フレームから作成する2つの出力フレームの例を示す図である。
図30に示す例において、入力フレームは、ネットワーク伝送装置S1に接続された端末装置T1からネットワーク伝送装置S3に接続された端末装置T3への伝送フレームである。ネットワーク伝送装置S1のフレーム設定部71は、図30に示すように、1つの入力フレームから2つの出力フレームを作成する。
図30に示す第1の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1から時計周りでネットワーク伝送装置S3へvlanを伝送される。この第1の出力フレームは、第5の実施形態で説明した図23に示す第1の出力フレームと同様な構成を有している。
図30に示す第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1からマスターネットワーク伝送装置Mのフレーム変換部76を経由してネットワーク伝送装置S3へ伝送される。図30に示す第2の出力フレームは、第5の実施形態で説明した図23に示す第2の出力フレームとは実際の宛先アドレスの設定が異なる。つまり、図30に示す第2の出力フレームでは、実際の宛先となる端末装置のアドレスそのものでなく、当該端末装置のアドレスを記号化した宛先アドレス記号を識別フィールドの後(データ部の先頭)に付加している。
各端末装置のアドレスを記号化した宛先アドレス記号は、各宛先アドレスに対応づけて、アドレス情報記憶部73および第2アドレス情報記憶部77に記憶される。たとえば、各端末装置のアドレスは、記号化することにより6オクテット以下に減らすことが出来る。また、ネットワークシステムにおいて、割り当てるべき宛先アドレスの数(たとえば、端末装置の台数)が256個以下であれば、各宛先アドレスは、1オクテット(8ビット)で記号化することが可能である。
図31は、第7の実施形態に係るマスターネットワーク伝送装置のフレーム変換部76によるフレーム変換処理の例を示す図である。
図30に示す第2の出力フレームは、ネットワーク伝送装置S1からマスターネットワーク伝送装置Mへ出力される。マスターネットワーク伝送装置Mでは、宛先アドレスが「M1」に設定された第2の出力フレームをフレーム変換部76により入力する。フレーム変換部76では、図31に示すように、入力した伝送フレームを出力フレームに変換して再度出力する。
すなわち、フレーム変換部76は、第2アドレス情報記憶部77に記憶している変換情報に基づいて、受信した伝送フレームにおける識別フィールドの後(データ部の先頭)に付加された宛先アドレス記号を実際の宛先アドレスに変換する。宛先アドレス記号を実際の宛先アドレスに変換すると、フレーム変換部76は、受信した伝送フレームにおける宛先アドレスを宛先アドレス記号から変換した宛先アドレスに書き換える。また、フレーム変換部76は、受信した伝送フレームにおける送信元アドレスを「M1」に書き換え、vlanタグを交換(vlan20をvlan10に変更)する。
さらに、フレーム変換部76は、宛先アドレス、送信元アドレス、vlanタグを付け替え、かつ、識別フィールドの後(データ部の先頭)に付加されていた宛先アドレス記号を削除したフレームについてFCSを再計算し、FCSの値を再計算した値に書き換える。フレーム変換部76は、上述の処理によって作成したフレームを出力フレーム(変換後の伝送フレーム)として経路切替部12へ出力する。経路切替部12では、変換後の伝送フレームをそのvlanタグに従って幹線系伝送路における仮想伝送路へ出力する。
なお、フレーム選択部72では、上記第3或は第5の実施形態で説明した伝送フレームの選択方法が適用できる。つまり、伝送フレームにおける識別フィールドの値が順次出力される伝送フレーム毎にある規則に従った値で増加または減少する値に設定するものとすれば、フレーム選択部72では、識別フィールドの値に基づいて、同内容の伝送フレームを破棄したり、連続する次の伝送フレームを選択することが可能となる。
たとえば、フレーム選択部72は、方法としては、先に選択した伝送フレームの識別フィールドの値から次に受信すべき識別フィールドの値を算出(予測)し、算出した値の識別フィールド値を持った伝送フレームを選択し、それ以外を破棄する伝送フレームの第1の選択方法を適用しても良い。また、フレーム選択部72は、選択済みの伝送フレームと同じ値の識別フィールドとなっている伝送フレームを破棄し、識別フィールドの値が同じでない伝送フレームを選択する伝送フレームの第2の選択方法を適用しても良い。
上記のように、第7の実施形態では、マスターネットワーク伝送装置のフレーム変換部を宛先アドレスに設定した伝送フレームに実際の宛先アドレスを記号化した宛先アドレス記号を付加する。これにより、実際の宛先アドレスを示す情報を短くでき、伝送フレーム自体の長さも短くできる。この結果、ネットワークシステムにおいて伝送される伝送容量を削減することが可能となる。
以上のように、各実施形態で説明したネットワークシステムでは、リング型ネットワークで複数の伝送装置を接続し、リング型ネットワークを第1の方向でデータ伝送する第1の仮想伝送路と第1の方向とは逆の第2の方向でデータ伝送する第2の仮想伝送路とを設定することにより2通りの仮想伝送路が確保する。これにより、各実施形態のネットワークシステムでは、ネットワーク伝送路の一部に障害が発生しても、データの欠落のない伝送を確保することが出来る。
また、既存のネットワークシステムを上述したネットワークシステムに変更する場合であっても、各実施形態で説明したネットワークシステムは、既存の伝送路を仮想伝送路により2重化できるため、低いコストで導入できる。また、各実施形態で説明したフレーム設定部、フレーム選択部、フレーム受信部、アドレス情報記憶部あるいはフレーム変換部などは、汎用の装置を既存の伝送装置に後付けすることで実現でき、低コストで容易に導入できる。
また、各ネットワーク伝送装置では、受信した伝送フレームのうち支線系伝送路により接続されている端末装置宛の伝送フレームに対して必要な伝送フレームであるか否かを選別し、必要な伝送フレームとして選択された伝送フレームのみを端末装置へ出力する。これにより、各ネットワーク伝送装置に接続される端末装置では選別された伝送フレームのみを受信できるため、端末装置自体の処理能力は高く無くても良く、端末装置として汎用の装置を適用出来る。
例えば、鉄道車両には、モーターあるいはブレーキなどの制御系の機器、機器の状態を監視するモニター系の機器、あるいはドアを制御する機器などの端末機器が搭載される。さらには、車内監視用の映像撮影装置あるいは旅客サービスとしてのデータ通信用機器などの端末機器が搭載されることもある。鉄道車両内では、上述したような各端末機器間でデータ伝送を行うためネットワークシステムが各端末と接続して構築される。鉄道車両内に既設の伝送路を用いてネットワークシステムを構築する場合、上述した各実施形態で説明したネットワークシステムを適用すれば、2つの仮想伝送路によりデータ伝送を容易に2重化でき、低コストで導入できる。
また、本実施形態のネットワークシステムは、鉄道車両内のネットワークシステムに適用範囲が限定されるものでなく、リング型で構築される様々な用途のネットワークシステムに適用できる。たとえば、工場におけるオートメーション化を実現するための産業用のネットワークシステムでは、データの欠落が少なく低コストで導入できるリング型ネットワークシステムが要望されている。本実施形態のネットワークシステムは、上記のような産業用のネットワークシステムにも低コストで容易に応用できる。
なお、各実施形態に係るネットワークシステムは、ネットワーク内を複数の仮想ネットワークに分割し、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と、前述の閉塞手段を有しない複数のネットワーク伝送装置と、前記伝送装置に接続する複数の端末装置からなるリング型の伝送ネットワークシステムであって、端末装置から入力する伝送フレームを2つに複製し、前記各伝送フレームに時計回りと反時計回り方向の前記仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号を記載したフィールドを追加し、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置間を、時計回りの仮想伝送路と、反時計回りの仮想伝送路の2つの経路を伝送する。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、端末装置から入力された伝送フレームを2つに複製し、前記各伝送フレームに時計回りと反時計回り方向の前記仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号を記載したフィールドと、前記各伝送フレームに、ある値を記載した識別フィールドを追加し、前記伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値をとるようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおける端末装置は、ネットワーク伝送装置を経由して受信した、宛先アドレスが当該入力のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、前記識別フィールドを追加する方法で次に受信すべき前記識別フィールドの値を演算し、次に受信する伝送フレームのうち、前記演算結果と一致する前記識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外の伝送フレームは破棄するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおける端末装置は、ネットワーク伝送装置を経由して受信した、宛先アドレスが当該入力のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、次に受信する伝送フレームのうち、前記識別フィールドの値と同じ前記識別フィールドの値を持った伝送フレームは破棄し、それ以外の伝送フレームを選択するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、ネットワーク伝送装置を経由して受信した、宛先アドレスが当該入力のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、前記識別フィールドを追加する方法で次に受信すべき前記識別フィールドの値を演算し、次に受信する伝送フレームのうち、前記演算結果と一致する前記識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外の伝送フレームは破棄するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、ネットワーク伝送装置を経由して受信した、宛先アドレスが当該入力のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、次に受信する伝送フレームのうち、前記識別フィールドの値と同じ前記識別フィールドの値を持った伝送フレームは破棄し、それ以外の伝送フレームを選択するようにしても良い。
また、第4の実施形態に係るネットワークシステムは、ネットワーク内を複数の仮想ネットワークに分割し、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と、前述の閉塞手段を有しない複数のネットワーク伝送装置と、複数の端末装置からなるリング型のネットワークシステムであって、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置は、伝送フレームの仮想ネットワーク番号を変更して、時計回りの仮想伝送路から反時計回りの仮想伝送路、または、反時計回りの仮想伝送路から時計回りの仮想伝送路に変換を行い、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置、および、閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置において、時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスと反時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスを有し、前記ネットワーク伝送装置に接続する端末装置からの伝送フレームを2つ複製して、各伝送フレームの宛先アドレスと送信元アドレスを変更し、各仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドを追加し、時計回り方向の仮想伝送路と反時計回り方向の仮想伝送に出力する伝送フレームを識別するための識別フィールドを追加した伝送フレームを、前記仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路へ各々出力する手段を有し、前記仮想伝送路より受信した、宛先アドレスが前記ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームを、前記識別フィールド値により選択または破棄を行い、選択した伝送フレームから前記識別フィールド値と仮想ネットワーク番号を削除し、宛先アドレスと送信元アドレスを変更した伝送フレームを、接続する端末装置に出力する手段を有し、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置間、および、閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置間を、時計回りの仮想伝送路と、反時計回りの仮想伝送路の2つの経路を伝送する。
また、第4の実施形態に係るネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と前記閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置とであって、時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスと反時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスを有し、前記ネットワーク伝送装置は接続する端末のアドレスと前記保有するアドレスとの対応関係と、他のネットワーク伝送装置における接続する端末のアドレスと保有するアドレスとの対応関係を記憶する記憶部を有し、端末装置から入力する伝送フレームを2つに複製し、前記複製した各伝送フレームに前記仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、前記伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加し、送信元アドレスを前記ネットワーク伝送装置の仮想伝送路に対応する保有するアドレスに変更し、宛先アドレスを前記端末装置から入力する前記伝送フレームの宛先アドレスに対応する他のネットワーク伝送装置が保有するアドレスを前記記憶部から入手して当該アドレスに変更した伝送フレームを、前記仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路に出力し、前記仮想伝送路より受信した、宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームを、前記識別フィールド値により選択または破棄を行い、選択した伝送フレームから前記識別フィールド値と仮想ネットワーク番号を削除し、接続する端末装置のアドレスに宛先アドレスを変更し、前記選択した伝送フレームの送信元アドレスに対応する他の前記ネットワーク伝送装置が接続する端末装置のアドレスを前記記憶部から入手して送信元アドレスに変更した伝送フレームを、前記端末装置に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、前記識別フィールドを追加する方法で次に受信すべき前記識別フィールドの値を演算し、次に受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームのうち、前記演算結果と一致する前記識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外の伝送フレームは破棄するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、次に受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームのうち、前記識別フィールドの値と同じ前記識別フィールドの値を持った伝送フレームは破棄し、それ以外の伝送フレームを選択するようにしても良い。
また、第5の実施形態に係るネットワークシステムは、ネットワーク内を複数の仮想ネットワークに分割し、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と、前述の閉塞手段を有しない複数のネットワーク伝送装置と複数の端末装置からなるリング型のネットワークシステムであって、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置は、時計回り方向の仮想伝送路に対応するアドレスと反時計回り方向の仮想伝送路に対応するアドレスを有し、宛先アドレスが前記アドレスに一致した伝送フレームに対して、時計回りの仮想伝送路から入力した伝送フレームに対しては、仮想ネットワーク番号を前記反時計回りの仮想ネットワーク番号に、送信元アドレスを前記反時計回りに所属するアドレスに、宛先アドレスを伝送フレームの着信先となる端末装置のアドレスに変更して、反時計回りの仮想伝送路に出力する手段と、反時計回りの仮想伝送路から入力した伝送フレームに対しては、仮想ネットワーク番号を前記時計回りの仮想伝送路の仮想ネットワーク番号に、送信元アドレスを前記時計回りに所属するアドレスに、宛先アドレスを伝送フレームの着信先となる端末装置のアドレスに変更して、時計回りの仮想伝送路に出力する手段を有し、仮想伝送路から受信した、宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続される端末のアドレスに一致した伝送フレームを前記識別フィールド値により選択または破棄を行い、選択した伝送フレームから前記識別フィールド値と仮想ネットワーク番号を削除した伝送フレームを、前記ネットワーク装置に接続する端末装置に出力する手段を有し、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置間、および、閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置間を、時計回りの仮想伝送路と、反時計回りの仮想伝送路の各々を使用して伝送フレームを伝送する。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と前記閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置とであって、前記閉塞手段を有するネットワーク伝送装置が保有する仮想伝送路に対応するアドレスを記憶し、前記ネットワーク伝送装置が接続する端末装置から入力する伝送フレームを2つに複製し、前記複製した1つの伝送フレームに前記仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、前記伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加した伝送フレームを、前記仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路に出力し、前記複製した別の伝送フレームに、前記複製のフレームに適用した仮想伝送路と異なる仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、前記伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加し、前記記憶するアドレスから前記閉塞手段を有するネットワーク伝送装置が保有する仮想ネットワーク番号に対応するアドレスを宛先アドレスに変更し、前記端末装置から入力する前記伝送フレームの宛先アドレスを記載する宛先アドレスフィールドを追加した伝送フレームを、前記仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路に出力し、仮想伝送路から受信した、宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続される端末のアドレスに一致した伝送フレームを前記識別フィールド値により選択または破棄を行い、選択した伝送フレームから前記識別フィールド値と仮想ネットワーク番号を削除した伝送フレームを、前記ネットワーク装置に接続する端末装置に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置において、時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスと反時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスを有し、時計回りの仮想伝送路から入力した伝送フレームに対しては、仮想ネットワーク番号を前記反時計回りの仮想ネットワーク番号に、送信元アドレスを前記反時計回りに所属するアドレスに、宛先アドレスを伝送フレームの着信先となる端末装置のアドレスに変更して、反時計回りの仮想伝送路に出力し、反時計回りの仮想伝送路から入力した伝送フレームに対しては、仮想ネットワーク番号を前記時計回りの仮想伝送路の仮想ネットワーク番号に、送信元アドレスを前記時計回りに所属するアドレスに、宛先アドレスを伝送フレームの着信先となる端末装置のアドレスに変更して、時計回りの仮想伝送路に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、前記識別フィールドを追加する方法で次に受信すべき前記フィールドの値を演算し、次に受信する伝送フレームのうち、前記演算結果と一致する前記識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外の伝送フレームは破棄するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、次に受信する伝送フレームのうち、前記識別フィールドの値と同じ前記識別フィールドの値を持った伝送フレームは破棄し、それ以外の伝送フレームを選択するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と前記閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置とにおいて、前記閉塞手段を有するネットワーク伝送装置が保有する仮想伝送路に対応するアドレスを記憶し、端末装置から入力する伝送フレームを2つに複製し、前記複製した1つの伝送フレームに、前記複製のフレームに適用した仮想伝送路と異なる仮想伝送路に対応する仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、前記伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加した伝送フレームを、前記仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路に出力し、前記複製した別の伝送フレームに、前記複製のフレームに適用した仮想伝送路と異なる仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、前記伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加し、前記記憶するアドレスから仮想ネットワーク番号に対応するアドレスを送信元アドレスに変更した伝送フレームに、前記閉塞手段を有するネットワーク伝送装置が保有する仮想伝送路に対応するアドレスのうち、前記伝送フレームに追加した仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路と異なる仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号に対応するアドレスと、前記端末装置から入力する伝送フレームに記載された送信元アドレスと、前記仮想伝送路と異なる仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号と、タイプを記載した、複数のフィールドからなるヘッダを前記伝送フレームに付加し、前記ヘッダが付加された伝送フレームを仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路に出力し、仮想伝送路から受信した、宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームを前記識別フィールド値により選択または破棄を行い、選択した伝送フレームから前記識別フィールド値と仮想ネットワーク番号を削除した伝送フレームを、前記ネットワーク装置に接続する端末装置に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置において、時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスと反時計回り方向への仮想伝送路に対応するアドレスを有し、前記仮想伝送路から受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置のアドレスに一致した伝送フレームを、宛先アドレスと送信元アドレスと仮想ネットワーク番号とタイプのフィールドからなるヘッダを削除した伝送フレームを、前記受信した仮想伝送路と異なる仮想伝送路に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、前記識別フィールドを追加する方法で次に受信すべき前記識別フィールドの値を演算し、次に受信する伝送フレームのうち、前記演算結果と一致する前記識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外の伝送フレームは破棄するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、次に受信する伝送フレームのうち、前記識別フィールドの値と同じ前記識別フィールドの値を持った伝送フレームは破棄し、それ以外の伝送フレームを選択するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置と前記閉塞手段を有しないネットワーク伝送装置とにおいて、閉塞手段を有するネットワーク伝送装置が保有する仮想伝送路に対応するアドレス、および、前記ネットワーク伝送装置に接続する端末装置のアドレスとこれを記号化した値を記憶し、端末装置から入力する伝送フレームを2つに複製し、前記複製した1つの伝送フレームに仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加した伝送フレームを、前記仮想ネットワーク番号に対応する仮想伝送路に出力し、前記複製した別の伝送フレームに、前記複製のフレームに適用した仮想伝送路と異なる仮想伝送路に対応する仮想ネットワーク番号のフィールドと、伝送フレームを出力する毎に前記値がある規則に従って増加、または、減少する値を記載した識別フィールドを追加し、前記記憶するアドレスから仮想ネットワーク番号に対応するアドレスを宛先アドレスに変更し、前記端末装置から入力する伝送フレームの宛先アドレスを前記宛先アドレスに対応する前記記憶する記号化した値を記載するフィールドを追加した伝送フレームを、対応する仮想伝送路に出力し、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、前記識別フィールド値により選択または破棄を行い、選択した伝送フレームから前記フィールド値と仮想ネットワーク番号を削除した伝送フレームを、前記ネットワーク装置に接続する端末装置に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、リングネットワークの時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースと反時計回り方向への仮想伝送路に対する送受信インターフェースを各々閉塞する閉塞手段を有するネットワーク伝送装置であって、時計回りの仮想伝送路に対応するアドレスと反時計回りの仮想伝送路に対応するアドレスを有し、ネットワーク伝送装置に接続する端末装置のアドレスとこれを記号化した値を記憶し、仮想伝送路から入力した伝送フレームのうち、宛先アドレスが当該仮想伝送路のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、時計回りの仮想伝送路から入力した伝送フレームは、仮想ネットワーク番号を反時計回りの仮想ネットワーク番号へ変更し、送信元アドレスを前記反時計回りに所属するアドレスに変更し、宛先アドレスを前記入力した伝送フレームに記載の前記端末のアドレスを記号化したフィールドの値から、前記記憶する端末装置のアドレスに変更し、前記アドレスを記号化したフィールドを削除した伝送フレームを反時計回りの仮想伝送路に出力し、反時計回りの仮想伝送路から入力した伝送フレームは、仮想ネットワーク番号を時計回りの仮想ネットワーク番号へ変更し、送信元アドレスを前記時計回りに所属するアドレスに変更し、宛先アドレスを前記入力した伝送フレームに記載の前記端末のアドレスを記号化したフィールドの値から、前記記憶する端末装置のアドレスに変更し、前記アドレスを記号化した前記フィールドを削除した伝送フレームを時計回りの仮想伝送路に出力するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームの識別フィールドの値を取得して、前記識別フィールドを追加する方法で次に受信すべき前記識別フィールドの値を演算し、次に受信する伝送フレームのうち、前記演算結果と一致する前記識別フィールドの値を持った伝送フレームを選択し、それ以外の伝送フレームは破棄するようにしても良い。
また、上記ネットワークシステムにおけるネットワーク伝送装置は、仮想伝送路より受信した宛先アドレスが当該ネットワーク伝送装置に接続された端末装置のアドレスに一致した伝送フレームにおいて、先着した伝送フレームのフィールドの値を取得して、次に受信する伝送フレームのうち、前記フィールドの値と同じ前記フィールドの値を持った伝送フレームは破棄し、それ以外の伝送フレームを選択するようにしても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。