JP2012173446A - 樹脂粒子の熱処理装置及びトナーの製造方法 - Google Patents

樹脂粒子の熱処理装置及びトナーの製造方法 Download PDF

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剛 大津
Yuichi Mizoo
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Junichi Hagiwara
純一 萩原
Daisuke Ito
大佑 伊藤
Yasushi Tamura
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Abstract

【課題】球形化度の異なる樹脂粒子を連続的に製造する場合においても、樹脂粒子の融着を軽減し、条件変更時間を短縮化することができる樹脂粒子の熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理装置において、円筒形状の処理室102の中心軸上に設けられた規制手段(センターコーン)103が、装置外部駆動108によって、その高さが調整可能であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂粒子の熱処理装置及びトナーの製造方法に関し、特に、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、またはトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナー用の樹脂粒子の球形化に関する。
電子写真の画像形成方法においては、静電荷像を現像するためのトナーが使用される。トナーの製造法としては粉砕法および重合法に大別され、簡便な製法としては粉砕法が挙げられる。
その一般的な製法としては、まず、転写材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を出させる着色剤等の原料を混合する。次に、これらの混合物を溶融混練、冷却固化し、混練物を得る。更に、得られた混練物を粉砕手段により微細化し、必要に応じて所望の粒度分布に分級して樹脂粒子(トナー粒子)を得た後、流動化剤等を添加することで、画像形成に供するトナーとしている。
近年、複写機やプリンター用の転写材としては、通常の紙以外にも様々なマテリアルに対応することが必要となってきており、トナーの転写性の向上が要求される。このため、トナー粒子の表面形状を改質し、トナー粒子を球形化することが要求されるようになってきている。
しかし、その一方で、トナー粒子を球形化しすぎると、クリーニング性が悪化してしまうため、トナー粒子の球形化度を制御し、転写性とクリーニング性を両立することも求められる。
このような要求に対応し、トナー粒子の球形化度を制御する製法の一つとして、熱処理により、トナー粒子の表面を溶融し、球形化する方法が挙げられる。
従来、熱処理によってトナー粒子を球形化する装置では、熱風の温度や風量などの条件を変更することで所望のトナーが製造されてきた。
しかし、上述のような要請に対応し、球形化度の異なるトナー粒子を連続的に製造する場合には、装置の運転条件を変更する必要があるため、熱風温度や熱風量の安定化を待たなくてはならない。このため、装置の運転条件変更に時間がかかってしまい、これを短縮化することが課題となっている。
また、この条件変更に時間をかけてしまうと、装置内に残存したトナー粒子が融着してしまうことがある。このため、所望のトナーが得られにくくなり、装置内部を清掃する必要が生じる場合もある。
これに対し、熱処理装置の運転後の清掃やメンテナンスを容易にするために、熱風供給部が昇降することで、原料供給部に残存した粒子の融着を防止するという提案がなされている(特許文献1参照)。しかし、この提案は、運転後の清掃、メンテナンス性の向上を目的としたものであり、連続的に運転条件を変更することを容易にするものではない。
特開2000−052340号公報
本発明の目的は、上記課題を解決し、熱処理によって球形化度の異なる樹脂粒子(トナー粒子)を連続的に製造する場合においても、条件変更時間を短縮化し、樹脂粒子の融着を軽減することができる樹脂粒子の熱処理装置及びトナーの製造方法を提供することにある。
すなわち本発明は、熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有する樹脂粒子の熱処理装置であって、該装置は、
(1)樹脂粒子の熱処理が行われる円筒形状の処理室と、
(2)円筒形状の一方の端部側から該処理室内に樹脂粒子を供給する原料供給手段と、
(3)該原料供給手段と同端部側から該処理室内に熱風を供給する熱風供給手段と、
(4)処理室内に設けられ、供給された樹脂粒子の流れを規制するための手段と、
(5)円筒形状の他方の端部側から熱処理された樹脂粒子を回収する手段と、
を少なくとも有し、
該原料供給手段は、円筒形状の処理室の中心軸上に設けられており、原料供給方向の上流から下流に向かって径が広くなる第一のノズルを出口部に有し、
該トナーの流れを規制する手段は、上流側端部が円錐形状である円柱状部材であって、円筒形状の処理室の中心軸の位置に設けられ、円錐形状部が前記第一のノズルに対向し、且つ、近接して配置されており、
該熱風供給手段は、該第一のノズルの外周側から熱風を螺旋状に処理室内に供給するものであり、樹脂粒子が、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を経て、処理室内を螺旋状に流れるように供給され、
該樹脂粒子の流れを規制する手段は、該円筒形状の処理室外部に、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を調節する機構を具備することを特徴とする樹脂粒子の熱処理装置に関する。
また、本発明は、熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有する樹脂粒子の熱処理を行う工程を少なくとも有する、重量平均粒径が4μm以上12μm以下のトナーの製造方法において、該熱処理工程が、
(1)樹脂粒子の熱処理が行われる円筒形状の処理室と、
(2)円筒形状の一方の端部側から該処理室内に樹脂粒子を供給する原料供給手段と、
(3)該原料供給手段と同端部側から該処理室内に熱風を供給する熱風供給手段と、
(4)処理室内に設けられ、供給された樹脂粒子の流れを規制するための手段と、
(5)円筒形状の他方の端部側から熱処理された樹脂粒子を回収する手段と、
を少なくとも有し、
該原料供給手段は、円筒形状の処理室の中心軸上に設けられており、原料供給方向の上流から下流に向かって径が広くなる第一のノズルを出口部に有し、
該樹脂粒子の流れを規制する手段は、上流側端部が円錐形状である円柱状部材であって、円筒形状の処理室の中心軸の位置に設けられ、円錐形状部が前記第一のノズルに対向し、且つ、近接して配置されており、
該熱風供給手段は、該第一のノズルの外周側から熱風を螺旋状に処理室内に供給するものであり、樹脂粒子が、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を経て、処理室内を螺旋状に流れるように供給され、
該樹脂粒子の流れを規制する手段は、該円筒形状の処理室外部に、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を調節する機構を具備することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明の樹脂粒子の熱処理装置によれば、球形化度の異なる樹脂粒子を連続的に製造する場合においても、条件変更時間を短縮化し、樹脂粒子の融着を軽減することができる。
本発明の熱処理装置の一例を示した概略的断面図である。 本発明の熱処理装置の熱風供給手段の一例を示す説明図である。 図1における、D−D’面での概略的断面図である。 本発明の実施例に用いられる熱処理装置の一例を示した概略的断面図である。 図4における、E−E’面での概略的断面図である。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明に用いる結着樹脂と着色剤を含有する樹脂粒子の熱処理装置の概略を、図1、図2、図3を用いて説明する。
図1は本発明による熱処理装置の一例を示した概略的断面図である。また、図2は、本発明の熱処理装置に用いられる、熱風供給手段の一例である。図3は図1における、D−D’面での概略的断面図である。
本発明の熱処理装置において、処理室の一方の端部側に配置されている原料供給口100から供給された樹脂粒子は、高圧エア供給ノズル(図示せず)から供給されるインジェクションエアにより加速される。加速された樹脂粒子は、原料供給手段出口部に設けられた第一のノズル101と、円筒形状の処理室102の中心軸上に設けられた円柱状部材である規制手段(以下センターコーンとする)103の上流側端部にある円錐形状部104により形成される空間を通過する。この空間を通過した樹脂粒子は、処理室の径方向外側に向けて環状に噴射される。これによって、円筒形状の処理室供給に供給された樹脂粒子はセンターコーンによりその流れが規制されるため、樹脂粒子は円筒形状の処理室を旋回しながら流れる。
本発明の熱処理装置において、熱風供給手段105は、原料供給手段と同端部側の外周面に近接あるいは水平方向に対して距離を隔てた位置に環状に設けられ、第一のノズル101の外周側から熱風を処理室内に供給することを特徴とする。更に、本装置においては、図2に示すように、熱風供給手段の出口部には、熱風が装置内に傾斜かつ旋回するように供給されるための気流調整部107が設けられており、複数の板状のルーバーで構成される。前記気流調整部のルーバーの枚数及び角度は、原料の種類や処理量によって、任意に調整可能である。これにより熱風供給手段から導入される熱風も旋回化されるため、円筒形状の処理室を旋回しながら流れる樹脂粒子の流れと同調し、旋回が強化される。
本発明の熱処理装置において、熱風供給手段の下流側には、熱処理された樹脂粒子を冷却し、装置内の温度上昇により樹脂粒子の融着を防止するための冷風供給手段106が設けられている。本装置においては、冷風供給手段から供給される冷風は、装置外周部より水平かつ接線方向から供給されるよう構成されており、装置壁面への樹脂粒子付着が防止される。また、冷風供給手段から供給される冷風は、装置水平断面において各々複数に分割導入されるのが好ましく、より好ましくは、4分割導入である。これは装置内の風の流れを均一に制御しやすくするためであり、4分割された導入路における冷風の風量は独立して制御可能である。これによって、本装置内の旋回流は更に強化され、樹脂粒子には強い遠心力がかかり、樹脂粒子の分散性が向上する。
本発明の熱処理装置において、センターコーンは、装置外部駆動108によって、その高さが調整可能であることを特徴とする。これによって第一のノズルと、これに対向するセンターコーンの円錐形状部により形成される空間の調整が可能となる。また、その機構として処理室外部に駆動があることによって、球形度の異なる樹脂粒子を連続的に製造する場合でも、熱風温度や熱風量などの運転条件を変更せずに、樹脂粒子が通過する空間の最小間隔G(mm)を調節することで、樹脂粒子の球形度を調整できる。このため、条件変更に要する時間を短縮化することができる。
これは樹脂粒子が通過する空間の最小間隔を調整することによって、処理室に供給される樹脂粒子の流速を変化させることが可能であるためである。この最小間隔G(mm)を狭くすると、樹脂粒子の流速が上がり、広くすると流速がおちる。樹脂粒子流速が上がると、樹脂粒子が熱にさらされる時間が少なくなるので、樹脂粒子の熱処理が進行せず、樹脂粒子の球形化が進まない。また、樹脂粒子の流速をおとすと、樹脂粒子が熱にさらされる時間が多くなるため、樹脂粒子の熱処理が進行し、球形度の高い樹脂粒子を得ることができる。
本発明において、樹脂粒子が通過する空間の最小間隔G(mm)の好ましい範囲は、0<G≦30(mm)であり、より好ましくは2.0≦G≦7.0(mm)である。樹脂粒子が通過する空間の最小間隔G(mm)が0に近づくと、樹脂粒子の処理室への供給性が低下し、樹脂粒子がノズル内に詰まってしまうことがある。また、30mmを超えると、樹脂粒子の分散性が低下し、樹脂粒子に均一な熱処理を施すことができなくなり、所望の熱処理樹脂粒子を得ることができなくなる。なお、本発明において装置外駆動は、センターコーンを上下させるものであればよく、ネジ送りやモーター、油圧ポンプなどが用いられる。
本発明の熱処理装置のセンターコーンは第二の冷風供給手段109を具備しており、第二の冷風出口110から処理室内に螺旋状に供給されることを特徴とする。これによってセンターコーンに付着しようとする樹脂粒子を冷風によって吹き飛ばすことができ、センターコーンへの樹脂粒子の付着、融着が軽減される。このため、球形化度の異なる樹脂粒子を連続的に製造する場合、条件変更に多少の時間がかかっても、センターコーンに残存した樹脂粒子が少なくなるため、樹脂粒子の融着を軽減することができる。更に、処理室内に第二の冷風が螺旋状に供給されることによって、本装置内の旋回流は更に強化され、樹脂粒子に強い遠心力が働くため、センターコーンへの樹脂粒子の付着が更に軽減される。なお、第二の冷風出口には、スリット形状、ルーバー形状、多孔板形状、メッシュ形状等を用いることができる。
本発明の熱処理装置のセンターコーンは、その外周部に冷却用ジャケット112が設けられていることを特徴とする。これにより、センターコーンに樹脂粒子が付着したとしても、付着した樹脂粒子に熱がかかりにくくなるため、樹脂粒子の融着を防止することができる。このため、球形化度の異なる樹脂粒子を連続的に製造する場合、条件変更に時間がかかっても、センターコーンに残存した樹脂粒子が熱を受けにくくなるため、樹脂粒子の融着を軽減することができる。また、本発明の熱処理装置では、センターコーン同様、樹脂粒子の融着を防止するために、原料供給手段の外周部、装置外周部、樹脂粒子回収手段111外周部にも冷却ジャケットを設けることが好ましい。更に冷却ジャケットには冷却水(好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を導入することが望ましく、冷却ジャケットの表面温度が40℃以下であることが好ましい。
本発明の熱処理装置では、冷却された樹脂粒子は排出部である樹脂粒子回収手段を通して回収され、樹脂粒子回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、ブロワーにより吸引搬送される構成となっている。本発明の熱処理装置は、図1、図3に示すように、樹脂粒子回収手段が、装置最下端に設けられ、装置外周部に水平になるように構成され、樹脂粒子排出部の接続の向きが、装置上流部から排出部に至るまでの旋回の流れを維持する向きとなることを特徴とする。これによって、装置内の旋回流を維持することができるため、球形化度の異なる樹脂粒子を連続的に製造する場合でも、樹脂粒子にかかる遠心力が維持され、センターコーンへの付着、融着が軽減される。なお、本発明の熱処理装置においては、樹脂粒子回収手段は装置内の最下端に、旋回流を維持する方向にあればよく、樹脂粒子回収手段が複数あってもよい。
次に、本発明の熱処理装置を用いて、重量平均粒径(D4)が4μm以上12μm以下のトナーを製造する手順について説明する。
本発明のトナーの製造方法は、一般的なトナーの製造装置を用いて得られたトナー粒子(樹脂粒子)、またはトナーを本発明のトナーの熱処理装置にて熱処理を施し、所望の粒子径及び円形度が得られれば、特に限定するものではない。
しかし、重量平均粒径(D4)が4μm未満のトナー粒子、またはトナーを熱処理する場合、重量平均粒径(D4)の小さなトナーは付着力が強くなるため、トナーが凝集した状態での熱処理を余儀なくされる。このため、均一な熱処理が施せなくなる場合があり、トナーの品質上、好ましくない場合がある。また、重量平均粒径(D4)が12μmを超えると、複写機やプリンターの高画質化、高精細化を実現できなくなり、トナーの品質上好ましくない。
まず、原料混合工程では、トナー原料として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)等がある。
更に、混合したトナー原料を溶融混練工程にて、溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。混練装置の一例としては、TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);ニーデックス(三井鉱山社製)等が挙げられるが、連続生産できる等の優位性から、バッチ式練り機よりも、1軸または2軸押出機といった連続式の練り機が好ましい。
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)等で微粉砕され、トナー粒子を得る。
得られたトナー粒子は、分級工程にて、所望の粒径を有するトナーの表面改質粒子に分級される。分級機としては、ターボプレックス、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)等がある。
続いて、得られたトナー粒子を熱処理工程で本発明の熱処理装置を用いて球形化処理を行い、表面改質粒子とする。
表面改質後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ハイボルター(東洋ハイテック社製)等の篩分機を用いても良い。
尚、本発明の熱処理工程は上記微粉砕後であっても良いし、分級後でもよい。
次に本発明のトナーの製造方法に用いるトナー構成材料について説明する。
本発明で用いられる熱可塑性の結着樹脂としては、公知の樹脂が用いられるが、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン誘導体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族石油樹脂が挙げられ、これらの樹脂は単独もしくは混合して用いても良い。
これらの中で、本発明の結着樹脂として好ましく用いられる重合体としては、スチレン系共重合体とポリエステルユニットを有する樹脂である。
スチレン系共重合体に用いる重合性モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
更に、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
更に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明ではポリエステルユニットを有する樹脂が特に好ましく用いられる。
前記「ポリエステルユニット」とは、ポリエステルに由来する部分を意味し、ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分が挙げられる。
本発明に用いられるトナーは、これらのポリエステルユニットを構成する成分を原料の一部とし、縮重合された部分を有する樹脂を用いることができる。
例えば、2価以上のアルコールモノマー成分として、具体的には、2価アルコールモノマー成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコールモノマー成分としては、例えばソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
2価のカルボン酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
3価以上のカルボン酸モノマー成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸等が挙げられる。
また、その他のモノマーとしては、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類等が挙げられる。
本発明で使用される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;磁性体;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調整したものが挙げられる。
マゼンタトナー用着色顔料しては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、150、163、166、169、177、184、185、202、206、207、209、220、221、238、254、269;C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。
着色剤には、顔料単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点から好ましい。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.Iソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの如きの塩基性染料。
シアントナー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、2、3、7、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62、66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチルを1乃至5個置換した銅フタロシアニン顔料。
イエロー用着色顔料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74,83、93、95、97,109、110、111、120、127、128、129、147、155、168、174、180、181、185、191;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。また、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、ソルベントイエロー162などの染料も使用することができる。
また、上記トナーにおいて、結着樹脂に予め、着色剤を混合し、マスターバッチ化させたものを用いることが好ましい。そして、この着色剤マスターバッチとその他の原材料(結着樹脂及びワックス等)を溶融混練させることにより、トナー中に着色剤を良好に分散させることが出来る。
結着樹脂に着色剤を混合し、マスターバッチ化させる場合は、多量の着色剤を用いても着色剤の分散性を悪化させず、また、トナー粒子中における着色剤の分散性を良化し、混色性や透明性等の色再現性が優れる。また、転写材上でのカバーリングパワーが大きいトナーを得ることが出来る。また、着色剤の分散性が良化することにより、トナー帯電性の耐久安定性が優れ、高画質を維持した画像を得ることが可能となる。
上記トナー粒子(樹脂粒子)の各種物性の測定方法及び、以下の実施例中で測定した各種物性の測定方法に関して以下に説明する。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、更に60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<平均円形度の測定方法>
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(樹脂粒子の製造例)
ポリエステルユニットを有する樹脂:100質量部
(重量平均分子量(Mw):82400、平均分子量(Mn):3300、ピーク分子量:(Mp)8300)
パラフィンワックス:5質量部
(最大吸熱ピーク温度78℃)
3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物:1.0質量部
C.I.ピグメントブルー15:3.5質量部
上記の処方の材料をヘンシェルミキサーFM−75型(三井三池化工機社製)で混合した後、温度を120℃に設定した二軸混練機PCM−30型(池貝鉄工社製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、更に、得られた粗砕物を、機械式粉砕機T−250(ターボ工業社製)にて粉砕し、樹脂粒子を得た。続いて、得られた樹脂粒子を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級した。
このとき得られた樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が5.8μmであった。また、得られた樹脂粒子をFPIA3000にて円形度を測定した結果、平均円形度が0.941であった。以下、これを樹脂粒子Aとする。
<樹脂粒子の熱処理>
次に、本発明の熱処理装置を用い、平均円形度が0.965となるように得られた樹脂粒子Aを熱処理した。後述の各実施例における評価は次の通りである。
1時間運転後、樹脂粒子Aの供給のみを止め、工業用ビデオスコープ「IPLEX SA II R」(オリンパス社製)を用いて、スコープ部を熱処理装置側面の点検口113(図1又は4参照)から挿入し、装置内のセンターコーンの融着状態を確認した。
尚、融着状態の評価は下記の基準で判断した。
A:融着が全く認められない
B:融着が僅かに認められるが運転上支障のないレベル
C:融着が認められるが運転上支障のないレベル
D:融着が認められ、運転に支障をきたし、装置を清掃する必要があるレベル
更に、融着状態の評価がA、B、Cの場合は、再び本発明の熱処理装置を用い、次の運転を行い、平均円形度が0.970となるように条件及び装置構成を変更し、樹脂粒子Aを熱処理した。1時間運転後、再び樹脂粒子Aの供給のみを止め、再び装置内のセンターコーンの融着状態を確認し、評価した。
〔実施例1〕
本実施例では、図1に示した熱処理装置を用い、装置外駆動をネジ送り式とし、樹脂粒子Aを熱処理した。このとき、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔G(mm)を5.0mmとして、平均円形度が0.965の熱処理樹脂粒子を得た。
また、熱処理装置の運転条件は、樹脂粒子Aの供給量を20kg/hrとし、熱風温度を160℃、熱風流量を12m3/min、冷風温度を−5℃、インジェクションエア流量を1.2m3/minとした。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が5.8μmであった。
1時間運転後、樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着は全く認められなかった。
このため、装置を起動したまま、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔を7.0mmにし、熱処理装置の運転条件は変更せずに、樹脂粒子Aの供給を再開し、平均円形度が0.970の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が5.8μmであった。
このとき、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔は装置外部の駆動により、センターコーンを下げるだけで済んだため、条件変更は短時間で終了した。
1時間運転後、再び樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着は全く認められなかった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例2〕
本実施例では、図4、図5に示したように、樹脂回収手段とセンターコーンとの関係を垂直にし、熱処理装置の運転条件を、熱風温度を170℃にした以外は実施例1と同様にして、平均円形度が0.965の熱処理トナー粒子を得た。本実施例では、樹脂回収手段とセンターコーンの関係が図5で示されるような関係となっている。このため、実施例1と比較すると、樹脂にかかる遠心力が弱くなり、樹脂の分散性が劣るため、処理温度が170℃となった。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.0μmであった。
1時間運転後、樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が僅かに認められるが運転上支障のないレベルであった。
このため、装置を起動したまま、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔を7.0mmにし、熱処理装置の運転条件は変更せずに、樹脂粒子Aの供給を再開し、平均円形度が0.970の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.0μmであった。
このとき、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔は装置外部の駆動により、センターコーンを下げるだけで済んだため、条件変更は短時間で終了した。
1時間運転後、再び樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が僅かに認められるが運転上支障のないレベルであった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例3〕
本実施例では、センターコーンの冷却ジャケットに冷媒を流さなかった以外は実施例2と同様にして、平均円形度が0.965の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.0μmであった。
1時間運転後、樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が僅かに認められるが運転上支障のないレベルであった。
このため、装置を起動したまま、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔を7.0mmにし、熱処理装置の運転条件は変更せずに、樹脂粒子Aの供給を再開し、平均円形度が0.970の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔は装置外部の駆動により、センターコーンを下げるだけで済んだため、条件変更は短時間で終了した。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.2μmであった。
1時間運転後、再び樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が認められるが運転上支障のないレベルであった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔実施例4〕
本実施例では、センターコーンに冷風を供給しなかった以外は実施例3と同様にして、平均円形度が0.965の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.2μmであった。
1時間運転後、樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が認められるが運転上支障のないレベルであった。
このため、装置を起動したまま、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔を7.0mmにし、熱処理装置の運転条件は変更せずに、樹脂粒子Aの供給を再開し、平均円形度が0.970の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.2μmであった。
このとき、第一のノズルとセンターコーンの最小間隔は装置外部の駆動によってセンターコーンを下げるだけで済んだため、条件変更は短時間で終了した。
1時間運転後、再び樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が認められるが運転上支障のないレベルであった。
これらの結果を表1にまとめた。
〔比較例1〕
本比較例では、センターコーンに外部駆動を持たせなかった以外は実施例4と同様にして、平均円形度が0.965の熱処理樹脂粒子を得た。
1時間運転後、樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、融着が認められるが運転上支障のないレベルであった。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が6.2μmであった。
本比較例では、続いて平均円形度0.970の樹脂を得るためには、熱処理温度を上昇させるなど、樹脂の熱処理としては、厳しい条件に変更する必要がある。このため、熱処理装置の運転条件を変更し、熱風温度を180℃まで上げて、樹脂粒子Aの供給を再開し、平均円形度が0.970の熱処理樹脂粒子を得た。
このとき得られた熱処理樹脂粒子は、重量平均粒径(D4)が8.0μmであり、実施例に比べ、重量平均径(D4)が大きくなった。
また、このとき、熱処理装置の温度を上昇させ、安定させるまでに時間がかかるため、条件変更には、実施例よりも時間がかかった。
1時間運転後、再び樹脂粒子Aの供給のみを止め、装置内のセンターコーンの融着状態を確認したところ、温度を上昇させた結果、融着発生が確認されたため、装置を清掃しなくてはならなくなった。
更に、本比較例では、装置外にセンターコーンを調整する駆動がない。このため、平均円形度が0.970の熱処理樹脂を得るために、実施例4と同様にセンターコーンの最小間隔を7.0mmとするには、装置の運転を停止し、分解する必要があり、条件変更に多大な時間がかかる。
これらの結果を表1にまとめた。
Figure 2012173446
上記の実施例によって得られた樹脂粒子(トナー粒子)は、更に必要に応じて公知の外添剤を添加することによって、製品トナーとして供される。
100:トナー供給口、101:第一のノズル、102:処理室、103:センターコーン、104:センターコーン円錐形状部、105:熱風供給手段、106:冷風供給手段、107:熱気流調整部材、108:外部駆動、109:第二の冷風供給手段、110:第二の冷風出口、111:トナー回収手段、112:冷却ジャケット、113:点検口

Claims (8)

  1. 熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有する樹脂粒子の熱処理装置であって、該装置は、
    (1)樹脂粒子の熱処理が行われる円筒形状の処理室と、
    (2)円筒形状の一方の端部側から該処理室内に樹脂粒子を供給する原料供給手段と、
    (3)該原料供給手段と同端部側から該処理室内に熱風を供給する熱風供給手段と、
    (4)処理室内に設けられ、供給された樹脂粒子の流れを規制するための手段と、
    (5)円筒形状の他方の端部側から熱処理された樹脂粒子を回収する手段と、
    を少なくとも有し、
    該原料供給手段は、円筒形状の処理室の中心軸上に設けられており、原料供給方向の上流から下流に向かって径が広くなる第一のノズルを出口部に有し、
    該トナーの流れを規制する手段は、上流側端部が円錐形状である円柱状部材であって、円筒形状の処理室の中心軸の位置に設けられ、円錐形状部が前記第一のノズルに対向し、且つ、近接して配置されており、
    該熱風供給手段は、該第一のノズルの外周側から熱風を螺旋状に処理室内に供給するものであり、樹脂粒子が、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を経て、処理室内を螺旋状に流れるように供給され、
    該樹脂粒子の流れを規制する手段は、該円筒形状の処理室外部に、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を調節する機構を具備することを特徴とする樹脂粒子の熱処理装置。
  2. 該樹脂粒子の流れを規制する手段には冷風が供給され、供給される冷風は、該上流側端部が円錐形状である円柱状部材より螺旋状に処理室内に供給されることを特徴とする請求項1に記載の樹脂粒子の熱処理装置。
  3. 該樹脂粒子の流れを規制する手段は、冷却用ジャケットを具備することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂粒子の熱処理装置。
  4. 該円筒形状の他方の端部側から熱処理された樹脂粒子を回収する手段は、該処理室内の螺旋状の流れを維持する方向に少なくとも1つ以上配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂粒子の熱処理装置。
  5. 熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有する樹脂粒子の熱処理を行う工程を少なくとも有する、重量平均粒径が4μm以上12μm以下のトナーの製造方法において、該熱処理工程が、
    (1)樹脂粒子の熱処理が行われる円筒形状の処理室と、
    (2)円筒形状の一方の端部側から該処理室内に樹脂粒子を供給する原料供給手段と、
    (3)該原料供給手段と同端部側から該処理室内に熱風を供給する熱風供給手段と、
    (4)処理室内に設けられ、供給された樹脂粒子の流れを規制するための手段と、
    (5)円筒形状の他方の端部側から熱処理された樹脂粒子を回収する手段と、
    を少なくとも有し、
    該原料供給手段は、円筒形状の処理室の中心軸上に設けられており、原料供給方向の上流から下流に向かって径が広くなる第一のノズルを出口部に有し、
    該樹脂粒子の流れを規制する手段は、上流側端部が円錐形状である円柱状部材であって、円筒形状の処理室の中心軸の位置に設けられ、円錐形状部が前記第一のノズルに対向し、且つ、近接して配置されており、
    該熱風供給手段は、該第一のノズルの外周側から熱風を螺旋状に処理室内に供給するものであり、樹脂粒子が、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を経て、処理室内を螺旋状に流れるように供給され、
    該樹脂粒子の流れを規制する手段は、該円筒形状の処理室外部に、該第一のノズルと該円錐形状部とに挟まれた空間を調節する機構を具備することを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 該樹脂粒子の流れを規制する手段には冷風が供給され、供給される冷風は、該上流側端部が円錐形状である円柱状部材より螺旋状に処理室内に供給されることを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 該樹脂粒子の流れを規制する手段は、冷却用ジャケットを具備することを特徴とする請求項5または6に記載のトナーの製造方法。
  8. 該円筒形状の他方の端部側から熱処理された樹脂粒子を回収する手段は、該処理室内の螺旋状の流れを維持する方向に少なくとも1つ以上配置されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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