JP2012172791A - 制振装置 - Google Patents

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Tomoyuki Kasuga
智之 春日
Seiji Hiroshima
誠司 弘嶋
Kazuhiro Goto
一裕 後藤
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Abstract

【課題】対象部材において振動を減衰させ、対象部材から周辺の他部材への振動の伝達を抑制できる、制振装置を提供する。
【解決手段】カバー部材10から周辺への振動の伝達を抑制する制振装置は、カバー部材10の振動を減衰させる弾性部材20を備える。カバー部材10は、弾性変形可能な天井部13を含む。制振装置には、弾性部材20を天井部13の表面16に対して固定する複数の島状の突起部14が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、制振装置に関し、特に、振動を減衰させて振動の伝達を抑制する制振装置に関する。
電磁ノイズを遮蔽する遮蔽部材に関し、ドライブシャフト、ケーブルおよびモータを覆うように設けられる遮蔽材を含み、ノイズ発生源であるインバータからドライブシャフトへ伝搬され放射される電磁ノイズを遮蔽する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、車両の駆動ユニット制御用の電気機器上に設けられるカバー部材に関し、駆動ユニットのギヤノイズを吸収する第1部分と、電気機器からの電磁波を吸収する第2部分と、電気機器の振動を減衰させる第3部分とを備え、電動車両に特有の複数のノイズを低減する技術が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2009−29218号公報 特開2009−51234号公報
回転電機の動力により駆動される電動車両においては、ギヤ対を介して複数の軸間の動力伝達を行なう変速機などの歯車伝動機の稼働中に、噛み合わされたギヤの歯面間に作用する力が変動して、ギヤの歯部に噛み合い振動が生じる。その振動がギヤやシャフトなどを通じて伝達され、歯車伝動機のケースが共振して外部に振動が放射されることで、ギヤノイズが発生する。
回転電機を動作させると、トルクを発生させるための加振力により、ステータが振動する。このステータ振動がステータを収納するケーシングを経由して車体に伝達されると、車室内で不快なモータノイズが発生する。
電動車両の駆動ユニットを制御する制御装置は、直流電圧を交流電圧に変換して回転電機を駆動するインバータを含む。インバータは、高速でスイッチング動作を行なうスイッチング素子であるパワートランジスタを含む。このパワートランジスタのスイッチング動作の際の変形に起因して、スイッチングノイズが発生する。このスイッチングノイズが車体に伝達され、車体が共振することにより、スイッチングノイズは音に変化する。
上記のような、電動車両において発生する特有の複数のノイズを低減するために、従来、発音している板材に、たとえばアスファルトシートやゴムシートなどの、振動を減衰させる減衰材を貼り付ける対策が行なわれている。
しかし、減衰材の全面を板材に貼り付けた場合、貼り付けられた減衰材が板材に対する補強材の役割をしてしまい、減衰材を貼り付けた箇所の板材の動きが拘束され、板材の振動が抑制される。減衰材を貼り付けた箇所での板材の振動が小さくなると、減衰材の性能を十分に発揮できず、振動エネルギーを十分に減衰させることができない。そのため、減衰しなかった分のエネルギーが減衰材を貼付していない板材の別の部分で放出され、当該部分で振動が発生して新たな発音箇所ができてしまう問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、対象部材において振動を減衰させ、対象部材から周辺の他部材への振動の伝達を抑制できる、制振装置を提供することである。
本発明に係る制振装置は、対象部材から周辺への振動の伝達を抑制する制振装置であって、対象部材の振動を減衰させる弾性部材を備える。対象部材は、弾性変形可能な薄板部を含む。制振装置には、弾性部材を薄板部の表面に対して固定する複数の島状の固定部が設けられている。
上記制振装置において好ましくは、対象部材は、金属材料製である。好ましくは、固定部は、薄板部が塑性加工されて形成されている。
上記制振装置において、固定部は、薄板部の表面に突起を設けて形成されていてもよく、薄板部を貫通する貫通孔を設けて形成されていてもよく、薄板部の表面に窪みを設けて形成されていてもよい。
上記制振装置において好ましくは、弾性部材を固定部に対し接着させる接着部材を備える。
本発明の制振装置によると、対象部材において振動を十分に減衰させることにより、対象部材から周辺の他部材への振動の伝達を抑制することができる。
本実施の形態の制振装置の構成の概略を示す模式図である。 図1に示すII−II線に沿う制振装置の断面図である。 図1に示すカバー部材の斜視図である。 カバー部材の振動時の変形状態を示す断面模式図である。 制振装置の第一の変形例を示す断面模式図である。 制振装置の第二の変形例を示す断面模式図である。 制振装置の第三の変形例を示す断面模式図である。 制振装置の第四の変形例を示す断面模式図である。 制振装置の第五の変形例を示す断面模式図である。 制振装置の第六の変形例を示す断面模式図である。 制振装置の第七の変形例を示す断面模式図である。 カバー部材の振動により発生する音の周波数と音圧との関係を示すグラフである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
なお、以下に説明する実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。また、以下の実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、上記個数などは例示であり、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下に複数の実施の形態が存在する場合、特に記載がある場合を除き、各々の実施の形態の構成を適宜組み合わせることは、当初から予定されている。
図1は、本実施の形態の制振装置の構成の概略を示す模式図である。図2は、図1に示すII−II線に沿う制振装置の断面図である。図1および図2を参照して、本実施の形態の制振装置の構成について説明する。
本実施の形態の制振装置は、トランスアクスルケース100の内外を電気的に接続するための端子台40を覆う、カバー部材10に適用される。端子台40は、トランスアクスルケース100に形成された貫通孔を貫通して配置される。トランスアクスルケース100は、トランスアクスルの全体を覆い、その内部にトランスアクスルを収容する、トランスアクスルの筐体である。トランスアクスルケース100の内部空間には、潤滑および冷却用のオイルが充填されている。トランスアクスルケース100に形成された貫通孔には、オイルシール52が配置されている。オイルシール52は、端子台40の周囲に配置されている。端子台40とトランスアクスルケース100との間でオイルシール52が押し潰されるように変形することで、トランスアクスルケース100の内部空間は液密に密封されている。
端子台40は、樹脂製の本体と、本体の内部にモールドされた三つの金属製の端子41U,41V,41Wとを有する。端子41U,41V,41Wの両端は、端子台40の表面に露出している。端子41U,41V,41Wの一方端は、トランスアクスルケース100の内部側に露出している。端子41U,41V,41Wの他方端は、トランスアクスルケース100の外部側に露出している。トランスアクスルケース100の内部にはモータ60が配置されている。モータ60と端子41U,41V,41Wとは、ケーブル61U,61V,61Wによって接続されている。ケーブル61U,61V,61Wは、たとえばネジ止めによって、同相の端子41U,41V,41Wに固定されている。
カバー部材10は、略直方体の底のない箱形状に形成されている。図3は、図1に示すカバー部材10の斜視図である。カバー部材10は、箱形状の上面を形成する天井部13と、箱形状の側壁を形成する側面部12と、側面部12の下端から箱形状の外側に張り出したヒレ形状の張出部11と、を有する。側面部12の一面には貫通孔18が形成されている。端子41U,41V,41Wと、トランスアクスルケース100の外部に配置されたインバータ70と、を電気的に接続する図示しないケーブルは、この貫通孔18を経由して配置される。
張出部11には、張出部11を厚み方向に貫通する貫通孔が形成されている(図3参照)。図2に示すように、カバー部材10の張出部11と端子台40とが重ねられ、貫通孔にボルト51を挿通して、ボルト51をトランスアクスルケース100に締着することで、カバー部材10と端子台40とはトランスアクスルケース100に対し固定される。カバー部材10がトランスアクスルケース100に固定された状態で、カバー部材10の天井部13はトランスアクスルケース100に対し略平行に配置され、側面部12はトランスアクスルケース100に対し略垂直に配置される。
カバー部材10の天井部13と側面部12とは、薄板により形成されている。カバー部材10は、たとえば鋼板などの金属材料により作製されており、金属の素材に任意の塑性加工が施されて形成されている。金属材料製のカバー部材10は、加工が容易であり、板厚の小さい天井部13および側面部12を容易に形成できる。薄板形状の天井部13と側面部12とは、容易に弾性変形が可能である。カバー部材10は、弾性変形可能な薄板部としての天井部13および側面部12を含む。金属材料製のカバー部材10はまた、トランスアクスルケース100の内部から外部への電磁波の漏洩を抑制する、電磁シールドとして機能する。
カバー部材10の天井部13には、複数の突起部14が形成されている。突起部14は、天井部13の表面16に対して、箱形状のカバー部材10の外側へ突起している。突起部14は、天井部13の表面16の一部が上方へ突起して形成されている。天井部13の、突起部14が形成されていない部分は、平坦な形状の平坦部15とされている。天井部13には、複数の突起部14が島状に形成されている。金属材料製のカバー部材10の天井部13に、たとえばプレス加工などに代表される任意の塑性加工が施されることで、任意の形状の突起部14を容易に形成できる。
ここで島状とは、隣接する突起部14が互いに連接することなく個別に形成されている状態をいう。図3に示すように、矩形板状の天井部13の辺方向の両方において、突起部14は不連続に複数形成されており、隣接する突起部14の間に平坦部15が存在している。ただし、部分的に突起部14同士が連接する部分があっても、後述する弾性部材20とカバー部材10との間の空隙28の形成を阻害するものではない。したがって、島状の突起部14とは、隣接する突起部14の連接を全く容認しないことを意図するものではない。
カバー部材10の天井部13を覆うように、シート状の弾性部材20が配置されている。弾性部材20は、たとえばゴムシート、アスファルトシート、またはアルミシートなどである。弾性部材20は、カバー部材10の振動時に弾性変形してカバー部材10の振動を減衰させる、減衰材としての機能を有する。弾性部材20は、表面21と裏面22とを有し、表面21が外部に露出し、裏面22がカバー部材10の天井部13と対向するように配置されている。
天井部13と弾性部材20とは、シート状の接着部材30によって接着されている。接着部材は、たとえば両面テープであってもよく、またはブチルゴム、接着剤であってもよい。接着部材30は、天井部13と弾性部材20との間に介在している。接着部材30は、表面31と裏面32とを有する。接着部材30の表面31は、その全面が弾性部材20の裏面22に接着している。接着部材30の裏面32は、カバー部材10の天井部13に形成された突起部14に接着している。制振装置は、弾性部材20を突起部14に対し接着させる接着部材30を備える。
弾性部材20をカバー部材10に固定するときには、まず、接着部材30を天井部13の表面16に供給し、接着部材30を表面16に固定する。突起部14が形成されていることにより、接着部材30は、突起部14の外面においてのみ天井部13の表面16に固定される。その後弾性部材20を天井部13の表面16に接触させることにより、弾性部材20は、接着部材30を介在させて、カバー部材10に固定される。
接着部材30を突起部14に供給し、その後弾性部材20を天井部13の表面16に接触させることにより、弾性部材20は接着部材30によって、突起部14においてカバー部材10に接着される。シート状の接着部材30を使用し、接着部材30の裏面32を突起部14に貼付してから弾性部材20を接着部材の表面31に貼付することにより、簡単な作業で、弾性部材20を、突起部14のみにおいて天井部13の表面16に固定することができる。
突起部14が天井部13の表面16から突起して形成されているので、突起部14の形成されていない平坦部15において、天井部13の表面16と接着部材30の裏面32との間には、空隙28が形成されている。弾性部材20とカバー部材10との間には、弾性部材20の一部がカバー部材10に接着されておらず、弾性部材20の一部がカバー部材10の表面16から浮いて配置された浮き部分が設けられている。
図4は、カバー部材10の振動時の変形状態を示す断面模式図である。以上説明した構成を有する制振装置において、たとえばモータ60またはインバータ70で振動が発生すると、その振動はトランスアクスルケース100に伝達され、さらにボルト51を経由してカバー部材10に伝達される。ボルト51から伝達される振動が固有値と一致したとき、たとえば面外一次などのカバー部材10の特有の振動モードで、カバー部材10は振動する。カバー部材10は、図4に示すように、箱状のカバー部材10の外側に凸になり、また、カバー部材10の内側に凸になるように弾性変形しながら、カバー部材10の厚み方向に振動する。
カバー部材10と弾性部材20との間の一部には、空隙28が形成されており、弾性部材20はその全面がカバー部材10に密着していない。弾性部材20は、その一部のみが接着部材30を介在させてカバー部材10の突起部14に固定されている。突起部14は、弾性部材20をカバー部材10の天井部13に対して固定する、固定部としての機能を有する。固定部である突起部14のみにおいて弾性部材20がカバー部材10に固定されており、カバー部材10は、突起部14においてのみ弾性部材20により拘束される。
弾性部材20は、突起部14において天井部13の表面16に固定され、表面16に対して拘束される。一方弾性部材20は、突起部14以外の部分では天井部13の表面16に固定されず、表面16に対して拘束されない。天井部13の表面16に対する弾性部材20の拘束を最小限に留めることにより、弾性部材20による天井部13の振動の抑制も最小限となる。つまり、天井部13の振動が最大限許容される。
天井部13の振動に伴って、弾性部材20も厚み方向に振動する。弾性部材20が振動して弾性変形することで、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、振動を減衰させることができる。振動発生源からカバー部材10に伝達された振動をカバー部材10において十分に減衰させることにより、カバー部材10から周辺の他部材への振動の伝達を抑制することができる。
図5〜図11は、制振装置の変形例を示す断面模式図である。図5〜図11では、減衰材としての弾性部材20と、弾性部材20をカバー部材10に接着させるための接着部材30と、弾性部材20が接着されたカバー部材10の一部と、を含む制振装置の一部が図示されている。
図5に示す第一の変形例、および、図6に示す第二の変形例では、カバー部材10の表面16は平坦に形成されている。一方、カバー部材10に対向する弾性部材20の裏面22には、裏面22の一部がカバー部材10に向かって突起した突起部が形成されている。その結果、接着部材30を介在させてカバー部材10と弾性部材20とを接着したとき、弾性部材20と接着部材30との間には空隙28が形成される。空隙28が形成され、カバー部材10に対する弾性部材20の拘束が最小限に留められるので、カバー部材10および弾性部材20を振動させて、カバー部材10に伝達された振動を減衰させることができる。
図7に示す第三の変形例、および、図8に示す第四の変形例では、カバー部材10の表面16および弾性部材20の裏面22は平坦に形成されている。一方、接着部材30の、弾性部材20に対向する側の表面31には、表面31の一部が弾性部材20に向かって突起した突起部が形成されている。その結果、接着部材30を介在させてカバー部材10と弾性部材20とを接着したとき、弾性部材20と接着部材30との間には空隙28が形成される。空隙28が形成され、カバー部材10に対する弾性部材20の拘束が最小限に留められるので、カバー部材10および弾性部材20を振動させて、カバー部材10に伝達された振動を減衰させることができる。
図9に示す第五の変形例では、カバー部材10の表面16および弾性部材20の裏面22は平坦に形成されている。一方、接着部材30は一枚のシート状ではなく、複数の両面テープなどの接着部材30が島状に、カバー部材10と弾性部材20との間に配置されている。その結果、接着部材30を介在させてカバー部材10と弾性部材20とを接着したとき、カバー部材10と弾性部材20とは接着部材30が存在する部分で固定され、接着部材30の存在しない部分で、弾性部材20と接着部材30との間には空隙28が形成される。空隙28が形成され、カバー部材10に対する弾性部材20の拘束が最小限に留められるので、カバー部材10および弾性部材20を振動させて、カバー部材10に伝達された振動を減衰させることができる。
図10に示す第六の変形例では、弾性部材20と接着部材30とはいずれもシート状に形成されている。一方、カバー部材10には、カバー部材10を厚み方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。その結果、接着部材30を介在させてカバー部材10と弾性部材20とを接着したとき、貫通孔の形成されていない部分で弾性部材20はカバー部材10に対して固定され、貫通孔の形成された部分では空隙28が形成され、弾性部材20がカバー部材10に対して固定されない状態になる。弾性部材20をカバー部材10の表面16に対して固定する固定部は、カバー部材10の薄板部を貫通する貫通孔を設けることにより、形成されている。空隙28が形成され、カバー部材10に対する弾性部材20の拘束が最小限に留められるので、カバー部材10および弾性部材20を振動させて、カバー部材10に伝達された振動を減衰させることができる。
図11に示す第七の変形例では、弾性部材20と接着部材30とはいずれもシート状に形成されている。一方、カバー部材10の表面16には、多数のスリット、または、多数の小突起が形成され、そのため表面16には微小な凹凸が形成されている。表面に凹凸を形成する結果、接着部材30を介在させてカバー部材10と弾性部材20とを接着したとき、表面16の凸部分で弾性部材20はカバー部材10に対して固定され、表面16の凹部分では空隙28が形成され、弾性部材20がカバー部材10に対して固定されない状態になる。
この凹凸は、表面16の一部が機械的または化学的に除去されて形成されてもよく、または、表面16の一部に溶接、ロウ付けなどの方法で突起が接合されて形成されてもよい。弾性部材20をカバー部材10の表面16に対して固定する固定部は、カバー部材10の薄板部の表面16に突起または窪みを設けることにより、形成されている。空隙28が形成され、カバー部材10に対する弾性部材20の拘束が最小限に留められるので、カバー部材10および弾性部材20を振動させて、カバー部材10に伝達された振動を減衰させることができる。
以上説明したように、カバー部材10を任意に加工することで、カバー部材10の表面16の凹凸形状もしくはスリット、またはカバー部材10を厚み方向に貫通する貫通孔などの、任意の形状を設け、表面16を平坦でない形状にすることで、弾性部材20とカバー部材10との間に空隙28を形成することができる。また、弾性部材20の裏面22に突起を設けて裏面22を平坦でない形状にする、接着部材30の表面31に突起を設けて表面31を平坦でない形状にする、または、複数の島状の接着部材30を設ける、などにより、弾性部材20とカバー部材10との間に空隙28を形成してもよい。
任意の方法を用いて弾性部材20とカバー部材10との間に空隙28を形成することにより、弾性部材20が表面16の一部のみにおいてカバー部材10に固定され、他の部分では弾性部材20がカバー部材10に固定されない構成を、容易に得ることができる。金属材料製のカバー部材10をたとえばプレス加工して空隙28を形成すれば、カバー部材10の成形時に空隙28を同時に成形でき、製造コストの増大を招来せず容易に空隙28を形成することができる。
図12は、カバー部材10の振動により発生する音の周波数と音圧との関係を示すグラフである。図2に示す実施の形態の構成において、カバー部材10の天井部13の近傍の、天井部13に対してトランスアクスルケース100から離れる側の位置に、音を電気信号に変換するマイクロフォンを設置した。この状態で、モータ60を回転駆動させ、モータ60に連結された図示しないドライブシャフトを回転させ、このとき発生する音を上記マイクロフォンを使用して計測した。本例の場合、ギヤノイズに対応するノイズ成分を特に計測した。図12に示す横軸はマイクロフォンにより計測された音の周波数(単位:Hz)、縦軸は当該音の音圧(単位:dB)を示す。
図12には三通りのグラフが図示されている。グラフ(A)は、カバー部材10に弾性部材20が取付けられていない場合のノイズ特性を示す。グラフ(B)は、カバー部材10の天井部13が平板状に形成され、弾性部材20の一例であるゴムシートを天井部13の全面に接着させた場合の、ノイズ特性を示す。グラフ(C)は、本実施の形態の、天井部13に突起部14を有するカバー部材10を使用し、弾性部材20としてのゴムシートとカバー部材10の表面との間に浮き部分が形成された場合の、ノイズ特性を示す。
図12に示すように、グラフ(A)では、カバー部材10の振動を減衰させるための減衰材が設けられていないので、特に中周波数から高周波数の領域において音圧が大きい。カバー部材10にゴムシートを接着させた場合、グラフ(B)に示すように、ゴムシートがないときに比較するとある程度ノイズが低減されるものの、低周波数領域では逆に音圧が増加しているなど、ノイズの低減効果が必ずしも十分とはいえない。
これに対し、本実施の形態のように、ゴムシートをカバー部材10に固定する部分と固定しない部分とを設けることで、グラフ(C)に示すように、グラフ(B)に対してさらに音圧を低減することができ、低周波数領域での音圧の増加も回避することができる。ゴムシートがカバー部材10によって拘束される部分が最小限にされたことで、カバー部材10および弾性部材20を十分に振動させ、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、振動を十分に減衰させることができる。したがって、カバー部材10に伝達された振動を、カバー部材10から周辺の他部材へ伝達されることを、抑制することができる。
なお、これまでの説明においては、図3に示すようにカバー部材10の矩形状の天井部13の縦横二方向に点状に並べられた突起部14が形成された例について説明したが、突起部14の形状はこれに限られない。たとえば、カバー部材10の表面16に平行に並べられるように畝状の突起部が形成され、弾性部材20をカバー部材10に対して固定する固定部が縞状に形成されてもよい。弾性部材20がカバー部材10に全面的に接着されていなければ、弾性部材20は、カバー部材10に対して点状に固定されても、線状に固定されてもよい。
また、弾性部材20とカバー部材10とは接着部材30により互いに接着固定されたが、接着部材30で弾性部材20とカバー部材10とを接着する構成に限られるものではない。たとえば弾性部材を貫通するリベットを使用して、弾性部材とカバー部材とを複数箇所で固定してもよい。
弾性部材20は、カバー部材10の箱状の天井部13に固定されたが、カバー部材10の側面に弾性部材が取り付けられてもよい。弾性部材20が固定される面がどの面であっても、カバー部材10において振動エネルギーを減衰させ、カバー部材10から他部材への振動の伝達を低減する効果を同様に得ることができる。カバー部材10の表面16のうち、最も振動の大きい部分に弾性部材20を取り付けると、効率よく振動を低減できるのでより効果的である。
制振装置において、当該部材に伝達された振動の他の機器への振動を抑制するための対象部材は、矩形箱形状に形成されたカバー部材10であり、弾性部材20はカバー部材10の平面状の表面に固定されたが、カバー部材10は矩形箱形状でなくてもよい。弾性部材20が固定されるカバー部材10の表面は、平面状でなく、曲面であってもよい。
また、弾性部材20が固定される対象部材は、端子台40を覆うカバー部材10でなくてもよい。たとえば、コイルを内蔵するアルミニウム製の筐体、気体を流通させる排気ダクトの外板を対象部材とし、対象部材に弾性部材20を浮き部分を設けながら取り付けてもよい。任意の部材に弾性部材20を固定することにより、当該部材に伝達された振動を低減する効果を同様に得ることができる。
弾性部材20が固定される対象部材は、金属材料製でなくてもよい。たとえば樹脂材料を用いて射出成形により対象部材を作製しても、凹凸形状または貫通孔の形成された薄板部を有する対象部材を容易に得ることができる。但し、金属材料製の対象部材は強度に優れ、また電磁波を遮断する電磁シールドとしての機能を持たせることができるので望ましい。
ノイズを発生する振動源は、モータ60またはインバータ70に限られず、任意の機器であってもよい。さらに、上述した対象部材は、外部の振動源から伝達された振動を減衰させたが、振動源自身に制振装置を適用してもよい。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 カバー部材、11 張出部、12 側面部、13 天井部、14 突起部、15 平坦部、16 表面、18 貫通孔、20 弾性部材、21 表面、22 裏面、28 空隙、30 接着部材、31 表面、32 裏面、40 端子台、51 ボルト、60 モータ、70 インバータ、100 トランスアクスルケース。

Claims (7)

  1. 対象部材から周辺への振動の伝達を抑制する制振装置であって、
    前記対象部材の振動を減衰させる弾性部材を備え、
    前記対象部材は、弾性変形可能な薄板部を含み、
    前記弾性部材を前記薄板部の表面に対して固定する複数の島状の固定部が設けられている、制振装置。
  2. 前記対象部材は、金属材料製である、請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記固定部は、前記薄板部が塑性加工されて形成されている、請求項2に記載の制振装置。
  4. 前記固定部は、前記薄板部の前記表面に突起を設けて形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の制振装置。
  5. 前記固定部は、前記薄板部を貫通する貫通孔を設けて形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の制振装置。
  6. 前記固定部は、前記薄板部の前記表面に窪みを設けて形成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の制振装置。
  7. 前記弾性部材を前記固定部に対し接着させる接着部材を備える、請求項1から請求項6のいずれかに記載の制振装置。
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