JP2012172682A - ローラクラッチ及びローラクラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記保持器13の軸方向両端部に1対の抑え環24、24を外嵌支持して、これら両抑え環24、24を構成する外径側円筒部25、25の内周面と、前記各板ばね14、14の軸方向両端部外周縁とを径方向に対向させる。そして、使用時に加わる遠心力に拘らず、これら各板ばね14、14が前記保持器13から、径方向外方に抜け出る事を防止する。
【選択図】図2
Description
前記外輪8及び前記内輪9は、軸受鋼、肌焼鋼等の硬質金属板により、全体を円筒状に構成している。このうちの外輪8は、軸方向両端部に内向鍔部を備え、前記プーリ素子2の内周面の軸方向中間部に、締り嵌めで内嵌固定している。又、前記内輪9は、前記スリーブ3の大径部6に締り嵌めで外嵌固定した状態で、前記外輪8の内径側に、この外輪8と同心に配置されている。
特に、本発明のローラクラッチに於いては、前記保持器の軸方向両端部に抑え環を、これら両抑え環の内周面と前記各板ばねの軸方向両端部外周縁とが、径方向に対向する状態で外嵌支持している。
特に、本発明のローラクラッチ内蔵型プーリ装置に於いては、前記ローラクラッチが、上述した様なローラクラッチである。
即ち、本発明の構造の場合には、この保持器の両端部に外嵌した1対の抑え環により、この保持器からの前記各板ばねの抜け出しを防止するが、これら各板ばねをこの前記保持器に組み付ける際には、前記両抑え環はこの保持器に未だ装着していない。従って、この組み付け作業は、単に前記各板ばねを前記保持器に対して、径方向に変位させるのみで足りる為、容易に行える。そして、これら各板ばねを前記保持器の所定位置に組み付けた後、前記両抑え環をこの保持器に装着すれば、これら各板ばねの外径側端縁の軸方向両端部がこれら両抑え環により抑えられる。そして、大きな遠心力が加わった場合でも、前記各板ばねが前記保持器から径方向外方に抜け出る事がなくなる。前記両抑え環をこの保持器に装着する作業は容易に行える為、この保持器に対する前記各板ばねの組み付け作業を、全体として容易化できる。
図1〜2は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例を含めて本発明の特徴は、各板ばね14、14が保持器13から径方向外方に抜け出るのを防止する為の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した図9〜12に示した構造を含めて、従来から知られている構造と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。尚、本発明を実施する場合に、前述の図11〜12に示した様な係止鉤部22a、22bは、必ずしも必要ではない。但し、前記各板ばね14、14を前記保持器13に組み付けた後、この保持器13の両端部に1対の抑え環24、24を装着する以前に、この保持器13から前記各板ばね14、14が抜け出るのを防止する為の構造を設ける事が好ましい。
尚、前記各板ばね14、14の基板部19を前記保持器13に組み付けた状態で、これら各板ばね14、14の基板部19を、それぞれ1対ずつの支持板部18、18と1個の中間抑え板部21との間で弾性的に曲げる事により、前記保持器13からの前記各板ばね14、14の脱落を防止できるのであれば、前記各係止鉤部22c、22cを省略する事もできる。この場合には、前記無理抜きが不要になる。
図3は、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、1対の抑え環24a、24aを構成する外径側円筒部25、25の先端縁に鉤形の係止部27、27を、それぞれ径方向内方に突出する状態で形成している。そして、前記両外径側円筒部25、25を保持器13の軸方向両端部のリム部16、16に外嵌した状態で前記両係止部27、27を、この保持器13に設けた各支持板部18、18の外径側端縁の一部に係止している。本例の場合には、前記両係止部27、27を、これら各支持板部18、18の外径側端縁のうちで互いに対向する軸方向内側縁部分に係止している。そして、前記保持器13からの前記両抑え環24a、24aの抜け止めを図っている。本例の場合、前記両係止部27、27により、これら両抑え環24a、24aの抜け止めを図っている為、前記両外径側円筒部25、25と前記両リム部16、16との嵌合部の締め代を、上述した実施の形態の第1例の場合よりも小さく抑えられる。
その他の部分の構成及び作用は、この第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図4も、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、1対の抑え環24b、24bを構成する外径側円筒部25、25の先端縁に、内径側を凸面とした、断面円弧形の係止部27a、27aを、それぞれ径方向内方に突出する状態で形成している。これら各係止部27a、27aの形状を異ならせた点以外は、上述した実施の形態の第2例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図5も、請求項1、2、4に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、1対の抑え環24c、24cを構成する外径側円筒部25a、25aの軸方向寸法を、上述の第3例の場合よりも短くしている。そして、これら両外径側円筒部25a、25aの先端縁に形成した、断面円弧形の係止部27a、27aを、保持器13側の支持板部18、18の外径側端縁の軸方向中間部に形成した、各係止切り欠き28、28に係合させている。その他の部分の構造及び作用は、上述した実施の形態の第3例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図6は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、1対の抑え環24d、24dを構成する円輪部26、26の内周縁部に、この円輪部26、26から外径側円筒部25a、25aと同方向に折れ曲がった、内径側円筒部29、29を、この外径側円筒部25a、25aと同心に設けている。そして、前記両抑え環24d、24dを保持器13の両端部に装着した状態で、前記外径側円筒部25a、25aと前記内径側円筒部29、29との間で、前記保持器13の両端部を構成するリム部16、16の軸方向外半部を、径方向両側から挟持している。その他の部分の構造及び作用は、上述した実施の形態の第4例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図7は、請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、1対の抑え環24e、24eを構成する円輪部26、26の内周縁部に、この円輪部26、26から外径側円筒部25、25と同方向に折れ曲がった、内径側円筒部29、29を、この外径側円筒部25、25と同心に設けている。そして、この内径側円筒部29、29の先端縁に係止部27b、27bを、径方向外方に突出する状態で形成している。そして、この係止部27b、27bを、保持器13の両端部を構成するリム部16、16の内周面に形成した係止凹部30、30に係止して、前記保持器13からの前記両抑え環24e、24eの抜け止めを図っている。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
図8は、請求項1、6に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、保持器13に設けた各支持板部18、18の外径側端縁の一部に、それぞれ係止凹部30a、30aを形成している。又、本例の場合には、前記保持器13からの各板ばね14の抜け止めを図る為の抑え環24f、24fの軸方向に関する幅寸法を、前記各支持板部18、18の同方向の幅寸法よりも小さくしている。そして、前記両保持環24f、24fを、前記各係止凹部30a、30aに係合する状態で、前記保持器13の軸方向両端部で前記各板ばね14の軸方向両端部の周囲部分に外嵌している。前記両抑え環24f、24fは、金属板製で、自身及び前記保持器13の両端部を弾性変形させつつ、前記各係止凹部30a、30aに係止する。その他の部分の構造及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
2 プーリ素子
3 スリーブ
4 玉軸受
5 ローラクラッチ
6 大径部
7 小径部
8 外輪
9 内輪
10 カム面
11 円筒面
12 ローラ
13、13a 保持器
14 板ばね
15 円筒状空間
16、16a、16b、16c リム部
17 柱部
18、18a 支持板部
19 基板部
20 押圧板部
21 中間抑え板部
22a、22b、22c 係止鉤部
23 庇部
24、24a、24b、24c、24d、24e、24f 抑え環
25、25a 外径側円筒部
26 円輪部
27、27a、27b 係止部
28 係止切り欠き
29 内径側円筒部
30、30a 係止凹部
Claims (7)
- 外輪相当部材と、内輪相当部材と、カム面と、円筒面と、複数本のローラと、保持器と、複数の板ばねとを備え、
前記内輪相当部材は、前記外輪相当部材の内径側に、この外輪相当部材と同心に配置されており、
前記カム面は、円周方向に亙る凹凸面であって、前記外輪相当部材の内周面と前記内輪相当部材の外周面とのうちの一方の周面に形成されており、
前記円筒面は、同じく他方の周面に形成されており、
前記各ローラは、前記カム面と前記円筒面との間の円筒状空間内に設けられており、
前記保持器は、互いに間隔をあけて同心に配置した、それぞれが円環状である1対のリム部と、これら両リム部同士を連結する、前記各ローラと同数の柱部と、これら両リム部の互いに対向する内側面で円周方向に関する位相がこれら各柱部の少なくとも一部と一致する部分に、互いに近付く方向に突出する状態で形成された支持板部とを備えたもので、前記カム面を形成した部材に対する回転を不能として前記円筒状空間内に配置され、前記各ローラを、円周方向に隣り合う各支持板部同士の間での変位、並びに転動を可能に保持するものであり、
前記各板ばねは、それぞれが帯状の弾性金属板の両端部を互いに近付く方向に鋭角に曲げ形成する事により、基板部の軸方向両端部に1対の弾性押圧部を設けたもので、それぞれの基板部の両端部でこれら各弾性押圧部と反対側の面を前記各支持板部に当接させると共に、これら各弾性押圧部の先端部を前記各ローラの転動面に弾性的に当接させた状態で、これら各ローラを円周方向に関して同方向に押圧するものである
ローラクラッチに於いて、
前記保持器の軸方向両端部に抑え環を、これら両抑え環の内周面と前記各板ばねの軸方向両端部外周縁が、径方向に対向する状態で外嵌支持した事を特徴とするローラクラッチ。 - 前記抑え環が、金属板を断面L字形に曲げ形成して成り、外径側円筒部と、この外径側円筒部の軸方向端部から径方向内方に折れ曲がった円輪部とを備えたものであり、このうちの外径側円筒部を前記保持器の両端部に設けた前記両リム部に外嵌すると共に、前記円輪部をこれら両リム部の軸方向外側面に当接させた状態で、これら両外径側円筒部の先半部を前記各板ばねの軸方向両端部の周囲に位置させている、請求項1に記載したローラクラッチ。
- 前記両抑え環を構成する円輪部の内周縁部に、この円輪部から前記外径側円筒部と同方向に折れ曲がった内径側円筒部が設けられており、前記両抑え環を構成する、これら外径側円筒部と内径側円筒部との間で、前記両リム部の一部を径方向両側から挟持している、請求項2に記載したローラクラッチ。
- 前記両抑え環を構成する外径側円筒部の先端縁に、径方向内方に突出する状態で形成した係止部を、前記各支持板部の外径側端縁の一部に係止して、前記保持器からの前記両抑え環の抜け止めを図っている、請求項2〜3のうちの何れか1項に記載したローラクラッチ。
- 前記両抑え環を構成する内径側円筒部の先端縁に、径方向外方に突出する状態で形成した係止部を、前記両リム部の内周面に形成した係止凹部に係止して、前記保持器からの前記両抑え環の抜け止めを図っている、請求項3に記載したローラクラッチ。
- 前記各支持板部の外径側端縁の一部に係止凹部が形成されており、軸方向に関する幅寸法がこれら各係止凹部の同方向の幅寸法よりも小さな前記両抑え環が、前記各係止凹部に係合する状態で、前記保持器の両端部で前記各板ばねの軸方向両端部の周囲部分に外嵌されている、請求項1に記載したローラクラッチ。
- 回転軸の端部に固定する内径側部材と、この内径側部材の周囲にこの内径側部材と同心に配置され、外周面にベルトを掛け渡す為のベルト溝を設けた筒状の外径側部材と、これら内径側部材の外周面と外径側部材の内周面との間に設けられ、この外径側部材がこの内径側部材に対し所定方向に相対回転する傾向となる場合のみ、これら外径側部材と内径側部材との間での回転力の伝達を自在とするローラクラッチと、このローラクラッチに隣接する位置で前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられ、この外径側部材に加わるラジアル荷重を支承しつつこれら内径側部材と外径側部材との相対回転を自在とするサポート軸受とを備えたローラクラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、前記ローラクラッチが、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したローラクラッチである事を特徴とするローラクラッチ内蔵型プーリ装置。
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---|---|---|---|---|
JP2002295521A (ja) * | 2001-03-29 | 2002-10-09 | Ntn Corp | 一方向クラッチ |
JP2006064105A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-03-09 | Nsk Ltd | 一方向クラッチのばね、及び一方向クラッチ、並びにクラッチ内蔵型プーリ装置 |
JP2008208851A (ja) * | 2007-02-23 | 2008-09-11 | Jtekt Corp | 一方向クラッチ |
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