JP2012172219A - 透明導電性積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一の材料を使用して透明導電膜の積層を行い、可撓性、高透過率を有した透明導電性積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基材の少なくとも一方の面に、非晶性の第一透明導電膜と、結晶性の第二透明導電膜を積層してなる透明導電性積層体であって、前記第一透明導電膜と前記第二透明導電膜が同一組成のスパッタリングターゲットを使用して形成され、かつ、前記第一透明導電膜が成膜時の水分圧を5.0×10-4Pa以上として形成され、前記第二透明導電膜が成膜時の水分圧を5.0×10-4Pa未満として形成されることを特徴とする透明導電性積層体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして取り付けられる透明なタッチパネルや、フレキシブルディスプレイの電極などに用いられる透明導電性積層体及びその製造方法に関する。
近年、ディスプレイ画面を指で触れたり、ペンで押圧するだけで入力できる透明タッチパネルが普及している。このタッチパネルの電極として使用される透明導電性基材は基本的にガラスもしくは高分子フィルムに導電膜を積層した構成を有している。特に近年では可撓性、加工性に優れ、軽量である等の点からポリエチレンテレフタレートをはじめとする高分子フィルムを使用した透明導電性フィルムが使用されている。
タッチパネルには、静電容量結合式や光学式等の多様な方式のものが存在する。その中で、透明導電フィルムが使用されるのは、上下の電極が接触することでタッチ位置を特定する抵抗膜式や、静電容量の変化を感知する静電容量結合方式のものである。タッチパネルは、携帯用端末装置及び携帯ゲーム機等のディスプレイ前面に使用されており、そのため、ディスプレイの表示を損なわない透過・反射特性が必要となる。
タッチパネル用途での透明導電性フィルムでは、抵抗膜式においては、上下の電極が接触するため、可撓性や機械的耐久性が求められる。また、電子ペーパーや有機発光体を用いる有機ELディスプレイ等のフレキシブル性を有したディスプレイ装置においても、透明な導電膜が電極として採用されている。フレキシブルディスプレイに使用される透明導電膜に関しても、クラックの発生を抑えるため、適度な可撓性が必要となる。そのため、特許文献1のように機械的強度を持たせる為に、フィルムを加熱することでITOを結晶化させる手段や、特許文献2、3のように可撓性を得る為に、異なる結晶性を有した透明導電膜を積層させる方法が提案されている。しかしながら、特許文献2、3などの方法では、異なる結晶性を有した1つの透明導電性フィルムを製造する為に、それぞれ材料組成の異なるスパッタターゲットを準備する必要が有る。
特開2004−149884号公報 特開2011−3446号公報 特開2011−3456号公報
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、同一の材料を使用して、可撓性、ペン筆記耐久性、高透過率を有した透明導電性積層体及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、本発明の請求項1に係る発明は、透明基材の少なくとも一方の面に、非晶性の第一透明導電膜と、結晶性の第二透明導電膜を順次積層してなる透明導電性積層体の製造方法であって、前記第一透明導電膜と前記第二透明導電膜が同一組成のスパッタリングターゲットを使用して形成され、かつ、前記第一透明導電膜が成膜時の水分圧を5.0×10-4Pa以上として形成され、前記第二透明
導電膜が成膜時の水分圧を5.0×10-4Pa未満として形成されることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記第一透明導電膜と前期第二透明導電膜が真空中で連続的に順次積層されることを特徴とする請求項1記載の透明導電性積層体の製造方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記スパッタリングターゲットがIn、Sn、Oを主成分とし、SnOの含有量が1重量%以上10重量%以下であることを特徴する請求項1又は2に記載の透明導電性積層体の製造方法である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、請求項1から3いずれかに記載の透明導電性積層体の製造方法を用いて成された透明導電性積層体であって、前記第一透明導電膜の屈折率n1と前期第二透明導電膜の屈折率n2がn1>n2の関係を満たすことを特徴とする透明導電性積層体である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記透明基材と前記第一透明導電膜の間に、金属又は無機化合物を有することを特徴とする請求項4に記載の透明導電性積層体である。
本発明によれば、同一組成のスパッタリングターゲットを使用して、成膜雰囲気の制御により、異なる結晶性を有した透明導電膜をインラインで積層し、非晶性である第一透明導電膜による可撓性、また、結晶性である第二透明導電膜による耐久性を得ることにより、ペン筆記耐久性、可撓性、高透過率を有した透明導電性積層体の製造を行うことが出来る。
本発明の透明導電性積層体の一実施形態の断面図1である。 本発明の透明導電性積層体の一実施形態の断面図2である。 本発明の透明導電性積層体を用いたタッチパネルの一実施形態の断面図である。 本発明の実施例1のX線回折の分析結果である。 比較例1及び2のX線回折の分析結果である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に記載する実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれるものである。
図1は、本発明の透明導電性積層体の一実施形態の断面図1である。図1において、透明導電性積層体1は、透明基材2の一方の面に密着層3、密着層3上に非晶質膜である第一透明導電膜4a、第一透明導電膜4a上に結晶化膜である第二透明導電膜4bを備えている。非晶質膜である第一の透明導電膜4a上に結晶化膜である第二の透明導電膜4bを備えることにより、透明導電性積層体1をタッチパネルに搭載したときの、ペン書き耐久性、可撓性及び光透過性を高めることができる。
図2は、本発明の透明導電性積層体の一実施形態の断面図2である。図2(a)は、透明基材2と密着層3との間に樹脂層5を設けた、本発明の透明導電性積層体の一実施形態である。また、さらに、図2(b)に示すような、図2(a)に示す構成の透明基材2の裏面に(第一透明導電膜4a、密着層3が設けられていない面)、前記樹脂層5を設けた
構成の透明導電性積層体であってもよい。
また、本発明では、非晶性である第一透明導電膜4aの屈折率n1と、結晶性である第二透明導電膜4bの屈折率n2との関係は、n1>n2である必要がある。この関係を満たすことで、透過率を向上させることができる。
<透明基材>
本発明で用いる透明基材2は、樹脂からなるプラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムとしては、成膜工程および後工程において十分な強度があり、表面の平滑性が良好であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリアリレートフィルム、環状ポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。その厚さは部材の薄型化と基材の可撓性とを考慮し、10μm以上200μm以下程度のものが用いられる。
前記透明基材2に含有される材料としては、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤などが使用されてもよい。各層との密着性を改善するため、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理などを施してもよい。
本発明で用いる樹脂層5は、透明導電性積層体1に機械的強度を持たせるために設けられる。用いられる樹脂としては、特に限定はしないが、透明性と適度な硬度と機械的強度を持つ樹脂が好ましい。具体的には3次元架橋の期待できる3官能以上のアクリレートを主成分とするモノマー又は架橋性オリゴマーのような光硬化性樹脂が好ましい。
前記3官能以上のアクリレートモノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステルアクリレートなどが好ましい。特に好ましいのは、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートおよびポリエステルアクリレートである。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても構わない。また、これら3官能以上のアクリレートの他にエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレートなどのいわゆるアクリル系樹脂を併用することが可能である。
また、前記架橋性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどのアクリルオリゴマーが好ましい。具体的にはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレートなどがある。
<樹脂層>
前記樹脂層5は、その他に光重合開始剤などの添加剤を含有してもよい。
前記光重合開始剤を添加する場合、ラジカル発生型の光重合開始剤として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、2、2、−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセトフェノン類、メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類、チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類、ベンゾフェノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体などの光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。
上記光重合開始剤の添加量は、主成分の樹脂に対して0.1重量%以上5重量%以下であり好ましくは0.5重量%以上3重量%以下である。下限値未満では樹脂層の硬化が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、樹脂層の黄変を生じたり、耐候性が低下したりするため好ましくない。光硬化型樹脂を硬化させるのに用いる光は紫外線、電子線、あるいはガンマ線などであり、電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも光重合開始剤や光開始助剤を含有する必要はない。これらの線源としては高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプや加速電子などが使用できる。
また、樹脂層5の厚みは、特に限定されないが、0.5μm以上15μm以下の範囲が好ましい。また、透明基板2と屈折率が同じかもしくは近似していることがより好ましく、1.45以上1.75以下程度が好ましい。
樹脂層5の形成方法としては、主成分である樹脂等を溶剤に溶解させ、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法を用いることができる。
前記溶剤については、上記の主成分の樹脂等を溶解するものであれば特に限定しない。具体的には、溶剤として、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、などが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
<密着層>
前記密着層3を形成する材料としては、金属またはその酸化物、硫化物、フッ化物等の無機化合物を用いることができる。実用上は酸化珪素、酸化アルミニウムなどが特に好適に用いられる。
<透明導電膜>
本発明に係る第一透明導電膜4a及び第二透明導電膜4bの透明導電膜は、In、Sn、Oを主成分とし、それらの2種類もしくは3種類の混合酸化物、さらには、その他必要に応じて、Al、Zr、Ga、Si、W等の添加物を含有させることができる。目的・用途により種々の材料が使用でき、特に限定されるものではない。現在のところ、最も信頼性が高く、多くの実績のある材料は酸化インジウムスズ(ITO)である。
<製造方法>
前記密着層3および第一透明導電膜4a及び第二透明導電膜4bの製造方法としては、
大面積に均一な膜質の薄膜を形成するために、プロセスが安定し、薄膜が緻密化するスパッタリング法が用いられ、不活性ガスと酸素との混合ガスをスパッタガスとして用い、透明基材2上に積層される。
最も一般的な透明導電膜である酸化インジウムスズ(ITO)を第一透明導電膜4a及び第二透明導電膜4bとして用いる場合、酸化インジウムにドープされる酸化スズの含有比はデバイスに求められる仕様に応じて、任意の割合を選択する。透明導電膜を結晶化させるために用いるスパッタリングターゲット材料は、SiOの含有比が10重量%未満であることが好ましい。本発明の場合においては、結晶性を制御する上で、SiOの含有比は1重量%から10重量%の範囲、特に2重量%以上7重量%が好ましい。
第一透明導電膜4aと第二透明導電膜4bの結晶性を制御する方法としては、それぞれの透明導電膜を成膜する成膜室内の圧力を5.0×10−4Pa以下、水の分圧を5.0×10−5Pa以下まで減圧し、不活性ガスと酸素の混合ガスに水蒸気を流量調整しつつ加えていく。そして、第一透明導電膜4aの成膜室内の水分圧を5.0×10−4Pa以上、好ましくは1.0×10−3Pa以上1.5×10−3Pa以下の範囲に調整し、同様に第二透明導電膜4bの成膜室内の水分圧を5.0×10−4Pa以下、好ましくは3.0×10−4Pa以下に調整することで最適な結晶性を得られる。
なお、第一透明導電膜4a及び第二透明導電膜4bを成膜した後、120℃〜200℃で1時間以上加熱することにより、第二透明導電膜4bを結晶化させることができる。
本発明の実施の形態に係る透明導電性積層体1は、タッチパネルであれば可撓性という点で抵抗膜方式のタッチパネルに好適に用いることができるが、その限りではなく、例えば、可撓性を要求されるフレキシブルディスプレイ用の電極等として用いることも出来る。
図3は、本発明の透明導電性積層体を用いたタッチパネルの一実施形態の断面図である。以下、本発明に係る透明導電性積層体を用いたタッチパネルの一実施形態について説明する。
図3に示すように、本発明の実施の形態に係るタッチパネル9は、透明基材2の両方
の面に樹脂層5を設け、一方の樹脂層5の上に密着層3、非晶性である第一透明導電膜4a、結晶性である第二透明導電膜4bを順次積層した透明導電性積層体1であり、第二透明導電膜4bにスペーサ7を介して対向配置された透明導電膜4c及び基板6を備えている。透明導電膜4bと透明導電膜4cとは、スペーサ7により接触しない距離が保たれる。透明導電性積層体1の第一透明導電膜4a、第二透明導電膜4bが積層されていない面の樹脂層5側が、タッチパネル9の前面となり、ペン8により文字等が入力される。
本発明の実施の形態に係るタッチパネル9において、ペン8と樹脂層5とがタッチしていない状態では、スペーサ7により2枚の電極(第二透明導電膜4bと透明導電膜4c)が接触していないために電流は流れない。一方、ペン8により樹脂層5をタッチすると、圧力により透明導電性積層体1がたわみ、基板6(ガラス面)側の電極(透明導電膜4c)と接触して電流が流れる。このとき、透明導電性積層体の1の透明導電膜4a、4bと基板6の透明導電膜4cとの抵抗による分圧比を測定することで、ペン入力された位置を検出することができる。
透明導電性積層体1の材料は前述しているために省略し、基板6及び透明導電膜4cの材料について述べる。基板6の材料は、ガラスに限らず透明であれば使用でき、さらに、前述した透明基材2と同じ材料及び同じ形成方法を用いることができる。透明導電膜4c
の導電性材料としては、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等の酸化物及びその混合酸化物等を用いることができ、透明導電性積層体1の透明導電膜4cと同一製造方法を用いることができる。また、その膜厚は膜の均一性を失わない範囲で、10nmから100nmまで任意に用いることができる。
以下、実施例により本発明の詳細をより具体的に説明する。
<実施例1>
図2(b)の層構成の透明導電膜性積層体を以下の方法で作製した。
125μm厚のPETフィルムを透明基材とし、その両面に樹脂層(DIC社製、商品名「ユニディック V−9500」)を厚さ3μmで形成した後、その一方の面に、密着層を、直流マグネトロンスパッタリング法にて成膜し形成した。この時、密着層に酸化珪素を使用し、膜厚を7nmとした。
次に、非晶質膜である第一透明導電膜を密着層の上に、成膜中の水分圧を1.3×10−3Paとなるように水蒸気を導入し、直流マグネトロンスパッタリング法にて成膜することにより形成した。この時、スパッタリングターゲットとして、酸化スズを3重量%含有のITOを使用し、膜厚を10nmとした。
次に結晶化膜である第二透明導電膜を非晶質膜である第一透明導電膜の上に、成膜中の水分圧を1.0×10−4Paとなるように水蒸気を導入し、直流マグネトロンスパッタリング法にて成膜することにより形成し、透明導電膜性積層体を作製した。この時、スパッタリングターゲットとして、第一透明導電膜と同様に酸化スズを3重量%含有のITOを使用し、膜厚を15nmとした。
<比較例1>
125μm厚のPETフィルムを透明基材とし、その両面に樹脂層を形成した後、その一方の面に、酸化珪素を用いて直流マグネトロンスパッタリング法により、膜厚を7nmの密着層を形成した。
次に、上記密着層上に、成膜中の水分圧を1.3×10−3Paとなるように水蒸気を導入し、直流マグネトロンスパッタリング法にて透明導電膜を作製した。スパッタリングターゲットとして、酸化スズを3重量%含有のITOを使用し、膜厚を25nmとした。
<比較例2>
125μm厚のPETフィルムを透明基材とし、その両面に樹脂層を形成した後、その一方の面に、密着層を、直流マグネトロンスパッタリング法にて成膜し形成した。この時、密着層に酸化珪素を使用し、膜厚を7nmとした。
次に成膜中の水分圧を1.0×10−4Paとなるように水蒸気を導入し、密着層の上に結晶性である透明導電膜を、直流マグネトロンスパッタリング法にて成膜することにより形成した。スパッタリングターゲットとして、酸化スズを3重量%含有のITOを使用し、膜厚を25nmとした。
実施例1および比較例1〜2で得られた透明導電性積層体を、下記評価方法にて評価した。以下の表1に評価結果を示す。なお、透明導電膜の結晶性に関する評価は、加熱処理装置により加熱処理する前、加熱処理後の透明導電性積層体の透明導電膜部分についてX線回折装置(リガク社製)を用いて分析し、結晶性を確認した(図4及び図5参照)。実
施例1については非晶質膜上に結晶化膜を成膜する前と、成膜後のサンプリングを行い、それぞれ評価を行った。
[全光線透過率]
日本電色製社製のNDH 2000ヘーズメーターを使用してJISK7105に準じて測定を行った。評価の判定は、全光線透過率82%以上の場合を○、82%より小さい場合を×とした。
[可撓性]
透明導電性積層体を図3のようにタッチパネルを形成して、ペン筆記耐久性の評価を行った。ペン筆記のペンには、ポリアセタールからなるペン先半径0.8mmのタッチペンを用いて、樹脂層上面から、250g加重、アからンまでのカタカナ文字を10万字の筆記を行い、筆記後のリニアリティの測定を行った。リニアリティは電極間に5V印加し、各ポイントにおける電圧値を測定し、理想値(直線性)とのずれを計算した。評価の判定は、リニアリティ(%)が1.5%以下の場合を○、1.5%より大きい場合を×とした。
<評価結果>
表1に示す結果から、実施例1で得られた本発明品は、比較例1及び2で得られた比較品と同等のペン筆記耐久性を有し、かつ、結晶性の異なる2層の透明導電膜を有するため、より全光線透過率に優れる効果が得られた。
本発明は、電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして取り付けられる透明なタッチパネルや、フレキシブルディスプレイの電極などに用いられる。
1…透明導電性積層体
2…透明基材
3…密着層
4a…第一透明導電膜
4b…第二透明導電膜
4c…透明導電膜
5…樹脂層
6…基板
7…スペーサー
8…ペン
9…タッチパネル
(a)・・・第一透明導電膜のX線回折結果
(b)・・・第二透明導電膜のX線回折結果
(c)・・・比較例1のX線回折結果
(d)・・・比較例2のX線回折結果

Claims (5)

  1. 透明基材の少なくとも一方の面に、非晶性の第一透明導電膜と、結晶性の第二透明導電膜を順次積層してなる透明導電性積層体の製造方法であって、前記第一透明導電膜と前記第二透明導電膜を同一組成のスパッタリングターゲットを使用して形成し、かつ、前記第一透明導電膜を成膜時の水分圧を5.0×10-4Pa以上として形成し、さらにその後、前記第二透明導電膜を成膜時の水分圧を5.0×10-4Pa未満として形成することを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。
  2. 前記第一透明導電膜と前期第二透明導電膜を真空中で連続的に順次積層することを特徴とする請求項1記載の透明導電性積層体の製造方法。
  3. 前記スパッタリングターゲットがIn、Sn、Oを主成分とし、SnOの含有量が1重量%以上10重量%以下であることを特徴する請求項1又は2に記載の透明導電性積層体の製造方法。
  4. 請求項1から3いずれかに記載の透明導電性積層体の製造方法を用いて成された透明導電性積層体であって、前記第一透明導電膜の屈折率n1と前期第二透明導電膜の屈折率n2が、n1>n2の関係を満たすことを特徴とする透明導電性積層体。
  5. 前記透明基材と前記第一透明導電膜の間に、金属又は無機化合物を有することを特徴とする請求項4に記載の透明導電性積層体。
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