JP2012171828A - 赤色セラミックス - Google Patents
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Abstract
【課題】赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有する赤色顔料セラミックスを提供する。
【解決手段】 M2−xEuxSi5N8の化学組成(但し、MはSr、SrとBaま
たはSrとCa、Xが0.1≦X≦1.5)を有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 M2−xEuxSi5N8の化学組成(但し、MはSr、SrとBaま
たはSrとCa、Xが0.1≦X≦1.5)を有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、装飾品や工芸品等に好適な赤色セラミックスに関する。
近年、生活の向上により、装飾品や工芸品などは、商品の品質の向上以外に、趣味の多様化の面から、色彩に関して、美麗かつ高貴に映るものが強く要求されるようになってきている。そのため装飾品や工芸品等の本体や表面を覆う部材に用いられる赤色セラミックスとして、従来より酸化物系顔料であるヘマタイト(例えば、特許文献1を参照。)や硫化物系の顔料(例えば、特許文献2を参照。)が用いられている。
しかしながら、特許文献1、2に記載された酸化物系および硫化物系の顔料は相対的に赤みが弱く、色空間による色域の評価において暗い赤色であることから、さらに明るい赤色を呈するセラミックスが要望されていた。
従って、本発明は、赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有する赤色セラミックスを提供することを目的とする。
本発明の赤色セラミックスは、M2−xEuxSi5N8の化学組成(但し、MはSr
、SrとBaまたはSrとCa、Xが0.1≦X≦1.5)を有することを特徴とする。
、SrとBaまたはSrとCa、Xが0.1≦X≦1.5)を有することを特徴とする。
また、上記赤色セラミックスでは、前記MがSrであるとともに、前記Xが0.5〜1.0であることが望ましい。
本発明によれば、赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有する赤色セラミックスを得ることができる。
本実施形態の赤色セラミックスは、M2−xEuxSi5N8の化学組成(但し、Mは
Sr、SrとBaまたはSrとCa、Xが0.1≦X≦1.5)を有することを特徴とするものであり、これにより色空間の色域のLが34.0以上、aが22.3以上およびbが14.8以上を同時に満足するものとなり、赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有する赤色セラミックスを得ることができる。ここで、色空間における色域は、CIE(国際証明委員会)が1976年に推奨した評価値である、CIE1976(L*a*b)表色系(日本工業規格;JISZ8729)により測定する。この場合、Lは色の明るさの度合いを、aは赤色の度合を、さらにbは黄色の度合いをそれぞれ示す指標である。
Sr、SrとBaまたはSrとCa、Xが0.1≦X≦1.5)を有することを特徴とするものであり、これにより色空間の色域のLが34.0以上、aが22.3以上およびbが14.8以上を同時に満足するものとなり、赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有する赤色セラミックスを得ることができる。ここで、色空間における色域は、CIE(国際証明委員会)が1976年に推奨した評価値である、CIE1976(L*a*b)表色系(日本工業規格;JISZ8729)により測定する。この場合、Lは色の明るさの度合いを、aは赤色の度合を、さらにbは黄色の度合いをそれぞれ示す指標である。
本実施形態の赤色セラミックスが色空間の色域の値として、Lが34.0以上、aが22.3以上およびbが14.8以上を同時に満足させることができるのは、M2Si5N
8 (但し、MはSr、SrとBaまたはSrとCa)にEu(ユーロピウム)を多く固溶させたことによる。
8 (但し、MはSr、SrとBaまたはSrとCa)にEu(ユーロピウム)を多く固溶させたことによる。
本実施形態の赤色セラミックスは、蛍光体のようにEuの置換によって発光効率を高めるものではなく、光の吸収量を制御することで顔料としての色彩特性を引き出したものである。このため本実施形態の赤色セラミックスでは、アルカリ土類金属元素(M)に対するEuの置換量xを0.1〜1.5としており、アルカリ土類金属元素(M)に対するEuの置換量xを0.1〜1.5とすることで、光の吸収量が増加し、鮮やかな赤色を呈するものとなる。
また、本実施形態の赤色セラミックスは、赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有するのに加えて、硫化物系の顔料のように硫黄など毒性の元素を含まない。そのため安全であり環境にも良く、さらには耐湿性を有し化学的にも安定である。
ただし、M2−xEuxSi5N8の化学組成において、xの値が0.1より小さい場合には赤色が白くなり、鮮やかな赤色が損なわれてくるようになる。一方、xの値が1.5よりも大きくなると暗い赤色となる。そのため、xは0.1〜0.5であることが良い。
また、本実施形態の赤色セラミックスでは、M2−xEuxSi5N8の化学組成を構成するアルカリ土類金属元素(M)として、Sr、SrとBaまたはSrとCaを用いることができるが、このうち色の明るさの度合いの指標であるLおよび赤色の指標であるaが高く、より鮮やかな赤色を呈するという点で、アルカリ土類金属元素(M)として、Srのみを含んでいるものが望ましい。
さらに、M2−xEuxSi5N8の化学組成において、アルカリ土類金属元素(M)をSrとしたときに、Euの置換率を示すxの値が0.5〜1.0であることが望ましい。M2−xEuxSi5N8の化学組成において、アルカリ土類金属元素(M)がSrであり、かつxの値が0.5〜1.0であると、Lが51.5以上、aが25.3以上およびbが38.5以上を同時に満足できるものとなり、より鮮やかな赤色を呈するセラミックスを得ることが可能になる。
また、本実施形態の赤色セラミックスは、空間群No.31(Pmn21)の結晶構造を維持できる範囲で酸素(O)を含んでいても良く、この場合、2質量%以下であることが望ましい。なお、結晶構造はX線回折により求めることができ、また、酸素量は赤外吸収法を用いることにより求められる。
また、本実施形態の赤色セラミックスでは、色域のLが34.0以上、aが22.3以上およびbが14.8以上を同時に満足できるのであれば、不可避不純物の他、アルカリ金属元素等の不純物を0.1質量%以下の割合で含んでいてもよい。なお、不純物量は原子吸光分析およびICP(Inductive Coupled Plasma)分析から求められる。
なお、本実施形態の赤色顔料セラミックスに含まれるEuは、X線光電子分光分析(XPS)または広域X線吸収微細構造分析(EXAFS)による測定において、+2と+3の価数のEuが共存したものであり、平均価数としては+3未満となっている。これにより赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有する赤色セラミックスとなる。
次に、本実施形態の赤色セラミックスの製造方法について説明する。まず、原料粉末として、純度がいずれも99%以上のSrCO3粉末、CaCO3粉末、BaCO3粉末、Eu2O3粉末およびSn3N4粉末を準備する。次に、これらの原料粉末をM2−xE
uxSi5N8(但し、MはSr、SrとBaまたはSrとCa、Xが0.1≦X≦2)
の組成になるように配合し、溶媒を加えてボールミル中にて湿式混合する。次に、得られたスラリを乾燥させて、混合粉末の顆粒を調製する。次いで、顆粒を乾式プレス等の方法により成形体を作製する。次に、得られた成形体を炉内を一旦減圧した後、窒素ガスを導入した雰囲気中、1700℃以上の温度にて焼成する。
uxSi5N8(但し、MはSr、SrとBaまたはSrとCa、Xが0.1≦X≦2)
の組成になるように配合し、溶媒を加えてボールミル中にて湿式混合する。次に、得られたスラリを乾燥させて、混合粉末の顆粒を調製する。次いで、顆粒を乾式プレス等の方法により成形体を作製する。次に、得られた成形体を炉内を一旦減圧した後、窒素ガスを導入した雰囲気中、1700℃以上の温度にて焼成する。
以上述べた方法により作製された赤色セラミックスは、赤みが強くかつ色空間において明るい色域を有するため、美麗かつ高貴に映る装飾品や工芸品に好適なものとなる。
まず、原料粉末として、純度がいずれも99.5%のSrCO3粉末、CaCO3粉末、BaCO3粉末、Eu2O3粉末およびSn3N4粉末を準備した。次に、これらの原料粉末を表1に示す組成となるように配合し、溶媒としてイソプロピルアルコールを用いてボールミル中にて湿式混合してスラリを調製し、次いで、スラリを乾燥させて、混合粉末の顆粒を調製した。次に、得られた顆粒を金型に充填して一軸加圧プレスを用いて、10Mpaの圧力にて成形体を作製した。成形体の直径は約10mm、厚みは約2mmとした。
次に、得られた成形体を窒化ホウ素(BN)をコーティングしたカーボンの鉢に並べて焼成を行った。焼成は、まず、室温雰囲気下で10−2Paになるまで減圧し、次に、10℃/minの昇温速度にて室温から1000℃まで加熱し、その後、1000℃にて窒
素を導入して、焼成炉の分圧を105Paとした後、5℃/minの昇温速度で加熱して
1750℃の温度にて3時間保持し、その後、自然冷却するという条件で行った。
素を導入して、焼成炉の分圧を105Paとした後、5℃/minの昇温速度で加熱して
1750℃の温度にて3時間保持し、その後、自然冷却するという条件で行った。
得られた焼結体はダイヤモンドペーストを用いて表面を研磨した後、分光測色計(コニカミノルタ製:CM―3700d)を用いて色域を測定した。また、X線回折(2θ=10〜60°、CuKα;PANalytical製X’PaertPRO)を用いて結晶構造を同定した。得られた焼結体はいずれも空間群No.31(Pmn21)を有していた。また、X線光電子分光分析(XPS)を用いて焼結体である赤色セラミックスに含まれているEuの平均価数を評価したところ、+2のピークと+3のピークとが認められたことからEuの平均価数は+3未満であった。なお、比較例として、原料粉末にベンガラ(Fe2O3)粉末を用いて、上記と同様のサイズの成形体を作製し、表1に示す温度にて焼成し、ベンガラを原料とする赤色セラミックスを作製した。
表1の結果から明らかなように、本発明の試料(実施例1〜8)は、色空間における色域のLが34.0以上、aが22.3以上およびbが14.8以上を同時に満足するもとなり、赤みが強くかつ明るい赤色を有する赤色セラミックスが得られた。
特に、M2−xEuxSi5N8の化学組成において、MをSrとし、かつEuの置換率を示すxの値を0.5〜1.0とした試料(実施例2、3)では、Lが51.5以上、aが25.3以上およびbが38.5以上を同時に満足するものとなり、より鮮やかな赤色を呈する赤色セラミックスを得ることができた。
これに対し、本発明の範囲外の組成の試料(比較例1〜3)では、色空間における色域のLが34以上、aが22.3以上およびbが14.8以上を同時に満足するものではなかった。
Claims (2)
- M2−xEuxSi5N8の化学組成(但し、MはSr、SrとBaまたはSrとCa
、Xが0.1≦X≦1.5)を有することを特徴とする赤色セラミックス。 - 前記MがSrであるとともに、前記Xが0.5〜1.0であることを特徴とする請求項1に記載の赤色セラミックス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011034776A JP2012171828A (ja) | 2011-02-21 | 2011-02-21 | 赤色セラミックス |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012171828A true JP2012171828A (ja) | 2012-09-10 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105295903A (zh) * | 2015-11-03 | 2016-02-03 | 江苏罗化新材料有限公司 | 一种高显指白光和背光源led用氮化物红色荧光粉的制备方法 |
CN108947539A (zh) * | 2018-09-11 | 2018-12-07 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 一种用于手机背板的氮化硅陶瓷材料及其制备方法 |
-
2011
- 2011-02-21 JP JP2011034776A patent/JP2012171828A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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