JP2012170647A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】音声の重複による遊技者の聞き取りづらさを簡易に低減可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】ぱちんこ遊技機において、音声制御手段は、演出パターンによる演出表示に対応して音声出力されるよう当該演出パターンに対応付けられた1以上の効果音データを1以上のチャンネルで再生してスピーカから出力させる。音声制御手段は、効果音データを再生するとき、当該再生すべき効果音データと再生中の効果音データとの合計数が制限数を超える場合、同時に再生される効果音データの合計数が制限数以下となるよう、再生中の効果音データのうち所定の停止条件を満たす効果音データの再生を停止させてから再生すべき効果音データの再生を開始させる。このとき音声制御手段は、再生中の演出音声データのうち、再生開始時刻が最先の演出音声データを停止条件を満たす演出音声データと判定する。
【選択図】図14

Description

遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行効率を高める確率変動および変動時間短縮、始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態へ移行したりする制御によっても遊技者の期待感を高めている。
このような弾球遊技機では、演出として様々な種類の音声出力がなされる。弾球遊技機には通常は音声データを再生して得られる音声信号が伝送される多数のチャンネルが設けられている。演出が行われる場合、この多数のチャンネルのいずれか用いて音声信号を伝送し、スピーカから音声を出力している。
特開2003−230714号公報
弾球遊技機では様々な種類の音声を出力する場合があり、上記チャンネルからなる音声信号の伝送路で音声データを再生することで、音声を重ねて出力することも可能となっている。現在多くの弾球遊技機では、当否抽選の結果が当たりである可能性を示唆する、いわゆる予告とよばれる演出が頻繁に実行され、この予告などに合わせて効果音なども出力される。近年この予告はますます多様化していることなどから、画面表示や可動役物の動きに合わせて複数の音声データが音声が重なるよう再生される場合も生じている。
しかしながら、このように多くの音声が重なると、遊技者に逆に聞き取りづらくなる可能性がある。演出の多様化から多くの音声が重複する頻度も今後ますます高まると考えられ、音声の重複による遊技者の聞き取りづらさ低減は、弾球遊技機開発における喫緊の課題となっている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、音声の重複による遊技者の聞き取りづらさを簡易に低減可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を演出的に示す演出過程がそれぞれ定められた複数の演出パターンと、演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データと、を記憶する記憶手段と、当否抽選の結果に応じて複数の演出パターンから演出表示させるべき演出パターンを決定する演出決定手段と、演出パターンに基づく演出表示を制御する演出表示制御手段と、演出音声データを再生して得られる音声信号をそれぞれ伝送可能な複数の音声伝送路を有する音声信号伝送手段と、複数の音声伝送路を通じて伝送された音声信号を音声として出力するスピーカと、演出パターンによる演出表示に対応して音声出力されるよう当該演出パターンに対応付けられた1以上の演出音声データを複数の音声伝送路の中の1以上の音声伝送路で再生してスピーカから出力させる音声制御手段と、を備える。音声制御手段は、複数の演出音声データの中から1以上の演出音声データを再生するとき、当該再生すべき演出音声データと再生中の演出音声データとの合計数が所定の制限数を超える場合、同時に再生される演出音声データの合計数が制限数以下となるよう、再生中の演出音声データのうち所定の停止条件を満たす演出音声データの再生を停止させるとともに再生すべき演出音声データの再生を開始させる。
なお、以上の構成要素に関する任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、音声の重複による遊技者の聞き取りづらさを簡易に低減可能な弾球遊技機を提供することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施形態におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 通常変動パターンテーブルを示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図8におけるS20の特別図柄制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図8におけるS22の演出制御処理の手順を詳細に示すフローチャートである。 図11におけるS202の演出決定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。 図11におけるS206の演出開始処理の手順を詳細に示すフローチャートである。 新たに音声データの再生を開始するために再生中の音声データの再生が途中で停止される一例を示す図である。 新たに音声データの再生を開始するために再生中の音声データの再生が途中で停止される別の例を示す図である。 新たに音声データの再生を開始するために再生中の音声データの再生が途中で停止されるさらに別の例を示す図である。 図7におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図17におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。 図17におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。 図7におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図20におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。 図20におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、後述する演出を制御する手段によって遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
始動口62は、遊技球の入球が当否抽選を実行する契機となる入球口であって、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62に設けられた拡開機構63(いわゆる電動チューリップ)を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。拡開機構63は、始動口62の開口部上部に設けられた二つの羽根部材で構成され、閉鎖時は始動口62の真上から落下する遊技球だけが入球できる程度の狭い開口幅となる。一方、拡開機構63が拡開された開放時は始動口62の開口幅が拡がることとなり、始動口62の真上だけでなくその近傍を落下する遊技球も始動口62へ誘導でき入球容易性が向上する。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、始動口62へ入球があるたびに実行される。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を開放させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに開始される特別遊技において「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66は、例えばアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の設置個数としては、一つだけ設置する構成に限らず、複数個の大入賞口66を設置してそれぞれを遊技状態等に応じて使い分ける構成としてもよい。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示装置である。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄である。特別図柄192の変動表示が停止したときの図柄態様が、あらかじめ当りと定められた図柄であった場合に、その停止図柄が表示されたタイミングが大当り発生タイミングとなる。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。本実施形態における特別図柄192は、当りの図柄態様である「0」〜「9」といった数字、文字、記号、または外れの図柄態様である「−」の記号で表される。これらの数字または記号が高速で次々に入れ替わって特別図柄表示装置61へ表示されることにより、特別図柄192の図柄変動表示が実現される。なお、特別図柄192の態様は上記の数字または記号に限られず、英字などの文字であってもよいし、7セグメントLEDを構成する各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってもよい。また、7セグメントLEDは、「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントからなる8個のセグメントで構成されてもよい。この場合、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。さらに、特別図柄表示装置61を7セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の特別図柄192を表現してもよい。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施形態においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄190を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクターが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄190は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄190の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機10の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、本実施形態では液晶ディスプレイなどの高精細なドットマトリクス型表示装置で構成されるが、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施形態では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を7セグメントLEDではなく液晶ディスプレイに表示させる構成としてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は拡開機構63を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施形態における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。このとき、通常状態では例えば1/256程度の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止し、後述する入球容易状態では例えば250/256程度の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、拡開機構63が所定時間拡開される。拡開機構63の開放時間は、例えば通常状態では0.1秒間であり、入球容易状態では6秒間である。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技領域52の左下部には、特別図柄保留表示装置20が設けられ、その対称位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に普通図柄保留表示装置22が設けられている。
特別図柄保留表示装置20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選の保留数が3個になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。
普通図柄保留表示装置22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作する操作入力手段であり、その操作入力の内容に応じて演出内容等に変化が加えられる。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。本実施形態における操作ボタン82は一つのボタンで構成されるが、複数のボタンや十字キーなどの方向指示ボタンで構成されてもよい。可動役物140は、演出に連動して動作が制御される可動物であり、その動作によって演出的役割を果たす。例えば可動役物140は、遊技者による操作ボタン82を介した操作入力に応じて動作する。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。特別図柄192は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって特別図柄192が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄192および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口66が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口66の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば15回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当りは、当否抽選の結果としては外れに含まれる結果である。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである特別図柄192および装飾図柄190の変動時間短縮(以下、適宜「時短」という)が開始される。特別図柄192および装飾図柄190の時短は、特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。特別図柄192および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により特別図柄192および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
特別図柄192および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長が実施されることにより始動口62への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。拡開機構63の開放延長は、拡開機構63の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、始動口62への入球容易性も増すため、始動口62への入球数が増加する可能性も高い。したがって、特別図柄192および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施形態における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、拡開機構63の開放延長という3つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて始動口62への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても始動口62への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである当否抽選の確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)がさらに開始される。当否抽選の確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。当否抽選の確変は次の大当りが発生するまで継続されるが、変形例として、所定の限定的な回数の図柄変動がなされたときに終了する構成であってもよい。本実施形態においては、確変が開始されるときに同時に特別図柄192および装飾図柄190の時短や入球容易状態も開始されるが、変形例として時短や入球容易状態の開始を伴わない確変が実行される場合があってもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施形態におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施形態におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。本実施形態におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、図柄態様決定手段131、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への入球を契機に、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112が当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、所定の保留上限数を超えない範囲で当否抽選値が保留される。
当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当りの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当りであるか否かを判定する。
当否抽選手段112は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための開放抽選として抽選値を取得する。当否抽選手段112は、開放抽選の抽選値と当否結果の対応関係が定められた当否テーブルを保持し、その当否テーブルを参照して開放抽選の当否結果を決定する。通常状態においては1/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照し、入球容易状態においては250/256の確率で当りとなる当否テーブルを参照する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。当否抽選手段112は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。当否抽選手段112による当否抽選においては、通常時には図4(a)の通り、当否抽選値が0〜399の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には図4(b)の通り、大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜399の範囲に該当する場合だけでなく、400〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。大当りに該当した場合、15R大当りと2R大当りのいずれとなるか、および、確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施形態においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、当否抽選手段112が取得する当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図3に戻り、当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄のかたちで変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。当否抽選手段112は、図柄変動を開始するタイミングにおいて、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに図柄態様決定手段131および演出決定手段132へ送信する。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を、当否抽選手段112による開放抽選の結果に応じて決定する。図柄決定手段114は、開放抽選の結果を普通図柄のかたちで普通図柄表示装置59に変動表示させるために、開放抽選の結果に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が始動口62の拡開機構63を所定時間拡開する。
図柄決定手段114は、決定した停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図5(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図5(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図5(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。図柄決定手段114は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図5(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当りに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜99」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」「9」は確変を伴わない15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられ、「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図5(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図5(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図3に戻り、変動パターン決定手段115は、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。変動パターン決定手段115は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、図柄態様決定手段131、演出決定手段132へ送出する。変動パターン決定手段115は、複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
変動パターンテーブルは、図柄の変動過程が定められた変動パターンと当否抽選の結果との対応関係として遊技状態ごとに定められた変動パターン選択基準として機能する。この「変動パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、以下、限定パターン選択基準について「複数種の」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
変動パターン決定手段115は、普通図柄の変動表示時間を決定する。通常状態においては変動表示時間を60秒に決定し、入球容易状態においては変動表示時間を6秒に決定する。
保留制御手段116は、始動口62へ新たな入球があって新たに当否抽選が実行されるときにそれ以前の入球ないし抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな入球に基づく当否抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施形態では当否抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保留球として保持する。ここでいう当否抽選値は、当否抽選値、図柄抽選値、変動パターン抽選値を含む。保留制御手段116はさらに、当否抽選手段112により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ特別図柄保留表示装置20、普通図柄保留表示装置22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を、変動パターン決定手段115により決定された変動パターンにしたがって特別図柄192の変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、それ以前になされた当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。メイン表示制御手段118は、特別図柄192の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、判定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値を変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口66を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当りと、15R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。15R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口66を約0.5秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、15R大当りと同様の開放態様で大入賞口66を開放させてもよい。
特定遊技実行手段122は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態および入球容易状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄決定手段114により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態および入球容易状態は、特別図柄192の変動表示回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態および入球容易状態も継続される。すなわち、次の大当りが発生するまで継続される。このように時短状態および入球容易状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄192の変動表示時間が概ね短くなるよう、変動パターン決定手段115が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段116による当否抽選結果の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段116による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、拡開機構63の開放延長が実施される。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段112による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
パターン記憶手段130は、演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データも記憶している。このような演出音声データには、特別図柄192の変動開始から終了まで表示される変動演出に対応して出力される変動用音声を含む変動用音声データと、一時的に出力される効果音データとを含む。効果音データは、予告演出に対応した予告音声が出力される予告音声データを含む。
演出決定手段132は、当否抽選手段112から受け取る当否抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、変動パターン決定手段115により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータからいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば当否抽選手段112による当否判定結果が15R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましいが、必ずしも同じ数字でなくともよい。例えば、特別図柄192が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。このように可動役物140も演出として動作するため、演出表示制御手段134および役物制御手段136の双方とも、演出の実行を制御する演出実行手段として機能する。
音声制御手段138は、スピーカ18から出力される音声を制御することにより、演出に用いられる音声出力を制御する。したがって音声制御手段138は、演出としての音声出力を制御する演出実行手段として機能する。具体的には、ぱちんこ遊技機10には、音声信号伝送装置が(図示せず)設けられている。音声信号伝送装置は、音声信号が各々伝送される所定数の複数のチャンネルが設けられている。パターン記憶手段130には、遊技中の演出として音声出力するための複数の音声データが格納されている。したがってパターン記憶手段130は、音声データ記憶手段としても機能する。音声制御手段138は、音声出力すべき音声データをこの中から選択し、その音声データを再生して得られる音声信号を、複数のチャンネルのいずれかを用いて伝送する。こうして伝送された音声信号は、スピーカ18にて音声に変換され出力される。したがってチャンネルは、音声信号伝送手段として利用される。
音声信号の伝送に用いられるチャンネルは、出力される音声の種別によって予め割り当てられている。本実施形態では、第2チャンネル〜第9チャンネルの合計8つのチャンネルが、予告演出の表示にしたがって出力される予告音声などの「効果音」の出力用に設定されている。これらのチャンネルは、複数のチャンネルが一つの伝送路として定義されてもよい。例えば、第2および第3チャンネルが一つの伝送路として定義され、一つの音声データを再生するときにステレオ音声の左側出力および右側出力に第2および第3チャンネルの各々が用いられてもよい。以下、一つの音声データの再生用として定められている1つまたは複数のチャンネルを必要に応じて「伝送路」という。
図6は、通常変動パターンテーブルを示す図である。通常変動パターンテーブルとは、通常状態において変動パターンの選択時の参照先として通常設定されている変動パターンテーブルをいう。図6に示すように、当否抽選の結果が15R大当りであったときに、変動パターンA1、B1、C1、およびD1のいずれかがそれぞれ所定の確率で選択されるよう、各々の変動パターンと変動パターン抽選値とが対応付けられている。また、当否抽選の結果が2R大当りであったときに、変動パターンE、Fのいずれかがそれぞれ所定の確率で選択されるよう、各々の変動パターンと変動パターン抽選値とが対応付けられている。また、当否抽選の結果が外れであったときに、変動パターンA2、B2、C2、D2、およびGのいずれかがそれぞれ所定の確率で選択されるよう、各々の変動パターンと変動パターン抽選値とが対応付けられている。変動パターン決定手段115は、変動パターン抽選を実行し、当否抽選の結果と変動パターン抽選値とに対応付けられた変動パターンを、特別図柄192を変動させるための変動パターンとして選択する。変動パターンの選択結果は、メイン基板102からサブ基板104に送信される。
演出決定手段132は、変動パターンの選択結果を受信すると、演出パターンテーブルを参照して、その変動パターンにしたがった特別図柄192の変動表示中に実行すべき変動演出パターンを選択する。したがって演出パターンテーブルは、変動演出パターンを選択するための変動演出パターン選択基準として用いられる。演出パターンテーブルには、変動パターンと変動演出パターンとの対応関係が定められており、演出決定手段132は、選択された変動パターンに演出パターンテーブルにおいて対応付けられた変動演出パターンを選択する。
この「変動演出パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよい。
パターン記憶手段130は、通常変動パターンテーブルに対応する演出パターンテーブルとして、通常演出パターンテーブルを保持している。変動パターン選択時の参照先として通常変動パターンテーブルが設定されているときは、この通常演出パターンテーブルを参照して変動演出パターンが選択される。
現在、上述の予告演出が高い頻度で実行される弾球遊技機が市場に多数存在している。このような遊技機では、予告演出のための効果音として予告音声もまた高い頻度で出力される。また、演出表示装置60への表示や可動役物140の動作などに合わせて様々な他の効果音が出力される場合がある。このような効果音は例えば特別図柄192の変動中に突然出力されるよう出力タイミングが定められるが、多くの効果音が存在することから効果音が重なって出力される場合も生じ得る。
しかしながら、重複する効果音があまりに多くなると遊技者に聞き取りづらくなる可能性がある。遊技機における効果音は近年多様化の一途をたどっており、多くの効果音が重複する頻度もまた高まることが予想されている。このため、多様な効果音を使用することが逆に遊技者の聞き取りづらさを引き起こす事態も考えられる。これでは、様々な効果音による演出効果が減殺され、遊技者の演出への興味も低下する虞がある。
このため、本実施形態では、音声制御手段138は、複数の演出音声データの中から1以上の演出音声データを再生するとき、当該再生すべき演出音声データと再生中の演出音声データとの合計数が所定の制限数を超える場合、同時に再生される演出音声データの合計数が制限数以下となるよう、再生中の演出音声データのうち所定の停止条件を満たす演出音声データの再生を停止させるとともに再生すべき演出音声データの再生を開始させる。以下、フローチャートにしたがってこの手順について詳細に説明する。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。メイン表示制御手段118などは、特別図柄制御処理を実行する(S20)。特別図柄制御処理されると、演出決定手段132は、演出制御処理を実行する(S22)。
図9は、図8におけるS20の特別図柄制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動演出パターンにしたがって演出画像の変動表示を開始する(S36)。S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図10は、図9におけるS34の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定する(S46)。次に変動パターン決定手段115は、変動パターンテーブルを参照して、変動パターン抽選値に対応付けられた変動パターンを特別図柄192を変動表示させるための変動パターンとして選択する(S48)。
図11は、図8におけるS22の演出制御処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、当否抽選、図柄決定抽選、変動パターン抽選の各結果をメイン基板102から受信したか否かを判定する(S200)。これら各抽選結果を受信した場合(S200のY)、演出決定手段132は、当否抽選の結果を演出的に示す演出内容を決定するための演出決定処理を実行する(S202)。各抽選結果が受信されていない場合(S200のN)、S202はスキップされる。
次に演出表示制御手段134および音声制御手段138は、メイン基板102から変動開始コマンドを受信したか、および予告音声などの効果音の出力タイミングかを判定することにより演出開始タイミングか否かを判定する(S204)。演出開始タイミングの場合(S204のY)、演出表示制御手段134および音声制御手段138は、選択された変動演出パターンや音声データを用いて演出開始処理を実行する(S206)。演出開始タイミングでない場合(S204のN)、S206はスキップされる。
図12は、図11におけるS202の演出決定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出決定処理において、演出決定手段132は、まず変動停止させるべき装飾図柄190を決定し(S240)、さらに装飾図柄190の変動表示とともに実行すべき変動演出パターンを決定し(S242)、さらにその変動演出パターンに対応する変動用音声データを決定する(S244)。
次に演出決定手段132は、効果音を出力するか否かを決定する(S246)。効果音を出力する場合は(S246のY)、再生すべき効果音データを決定し、効果音を出力しない場合は(S246のN)、S248はスキップされる。例えば演出決定手段132は、予告演出の実行が15R特別遊技の実行を示唆するよう当否抽選の結果が15R大当りか否かに応じて、その装飾図柄190の変動表示期間内において予告演出を実行するか否かを判定する。予告演出を実行する場合、演出決定手段132は、実行すべき予告演出パターンと、効果音データとしてその予告演出に対応する予告用音声データを決定する。
なお、演出決定手段132は、特別遊技の実行中に効果音を出力するか否かを決定してもよい。この決定は特別遊技の実行前の所定タイミングにされてもよく特別遊技の実行中の所定タイミングにされてもよい。この場合も音声制御手段138は、複数の演出音声データの中から1以上の演出音声データを再生するとき、当該再生すべき演出音声データと再生中の演出音声データとの合計数が制限数を超える場合、同時に再生される演出音声データの合計数が制限数以下となるよう、再生中の演出音声データのうち所定の停止条件を満たす演出音声データの再生を停止させるとともに再生すべき演出音声データの再生を開始させる。この場合の停止条件は、通常遊技中と同様であってもよい。
上記では、演出決定手段132は特別図柄192の変動を契機として効果音を出力するか否かを決定しているが、これに限定されないことは勿論である。例えば音声制御手段138は、操作ボタン82が押されたことを契機として効果音を出力してもよい。この場合、音声制御手段138は、操作ボタン82が押されたときに効果音データを再生して効果音を出力してもよく、操作ボタン82が押された後の所定タイミングにおいて効果音データを再生して効果音を出力してもよい。例えば音声制御手段138は、通常演出パターンテーブルとは演出パターンの選択傾向が異なるよう設けられた特殊パターンテーブルが演出パターン決定時の参照先として設定される別の「モード」または「ステージ」への移行を操作ボタン82を用いて遊技者が選択したときに、そのモードまたはステージへの移行を示す効果音を出力してもよい。
さらに演出決定手段132は、操作ボタン82が押されたときに、効果音を出力するか否かを決定してもよい。効果音を出力する場合、演出決定手段132は、再生すべき効果音データおよび出力タイミングを決定してもよい。音声制御手段138は、決定されたタイミングで当該効果音データを再生して効果音を出力する。
図13は、図11におけるS206の演出開始処理の手順を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段134および音声制御手段138は、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S300)。変動開始コマンドを受信した場合(S300のY)、演出表示制御手段134は、変動演出パターンの実行開始タイミングと判定し、選択された変動演出パターンにしたがって変動演出の表示を開始する(S302)。音声制御手段138は、変動用音声の出力タイミングと判定し、変動演出パターンの実行開始とともにその変動演出パターンに対応する変動用音声データの再生を開始する(S304)。
変動開始コマンドを受信していない場合(S300のN)、音声制御手段138は、変動用音声の出力タイミングではなく効果音の出力タイミングと判定する。音声制御手段138は、選択された効果音データを再生するとき、再生すべき効果音データと再生中の効果音データとの合計数が所定の制限数を超えるか否かを判定する(S306)。制限数を超える場合(S306のY)、音声制御手段138は、同時に再生される効果音データの合計数が制限数以下となるよう、再生中の効果音データのうち所定の停止条件を満たす効果音データの再生をその再生終了予定時刻前であっても途中で停止し(S308)、その停止タイミングから、選択された新たな効果音データの再生を開始する(S310)。効果音出力数が制限数以下と判定された場合(S306のN)、S308はスキップされる。このように同時に再生される音声データの数を制限数以下に制限することで、多数の音声の出力が重複して遊技者が聞き取りづらくなるという事態を回避することができる。
ここで、本実施形態では、音声制御手段138は、選択された効果音データを再生するとき、再生すべき効果音データと、再生中の効果音データおよび再生中の変動用音声データとの合計数が制限数を超えるか否かを判定しない。すなわち、制限数との比較は効果音データの数のみと比較し、変動用音声データを含めた数とは比較しない。これは、例えば再生すべき効果音データと、再生中の効果音データおよび再生中の変動用音声データと、の合計数が制限数を超えるため変動用音声データの再生を停止させてしまうと、特別図柄192の変動中にもかかわらず効果音データの再生終了後に無音状態となってしまう虞が生じるためである。
本実施形態では、一時的に音量を下げるのではなく、再生中の音声データの少なくとも1つの再生を途中で停止させることで、多数の音声出力が重複することを回避している。近年の弾球遊技機は、出力される音声も多様化しており、上記のように一時的に消音して再度音量を元に戻す技術を採用しようとした場合にその制御が煩雑となる。このように再生中の音声データの少なくとも1つの再生を途中で停止させることで、一時的に消音するよりも制御を簡易化できる。
また、音声制御手段138は、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうち再生開始時刻が最先の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定し、その再生を停止させる。なお、停止条件がこれに限られないことは勿論である。また、本実施形態では制限数は3に設定されている。なお、制限数が3以外の複数に設定されてもよい。制限数は、複数のチャンネルを用いて同時に再生可能な演出音声データの最大数未満の数に設定されている。本実施形態では第2〜第9チャンネルの合計8つのチャンネルが利用可能となっていることから、制限数は8未満、すなわち7以下の数に設定される。
さらに、変動パターン選択時の参照先として設定されている変動パターンテーブルの種類に応じて異なる制限数が設定されてもよい。または、演出パターン選択時の参照先として設定されている演出パターンテーブルの種類に応じて異なる制限数が設定されてもよい。これは、例えば「バトルモード」など、演出傾向が通常とは異なる特定のモード中、すなわち通常変動パターン選択テーブルとは異なるバトルモード用の特殊変動パターンテーブルが変動パターン選択時の参照先として設定されている場合は、実行される予告演出も通常とは異なるものとなる場合があり、出力される効果音の種類なども通常と異なるものとなる場合がある。このような特定のモード中は、通常より予告音声などの演出音声を際立たせるために通常よりも少ない制限数としてもよい。なお、特定のモード中において通常よりも多い制限数としてもよいことは勿論である。以下、図14〜図16に関連して、音声データの再生制御について例を示しながら詳細に説明する。
図14は、新たに音声データの再生を開始するために再生中の音声データの再生が途中で停止される一例を示す図である。図14における横軸は時間となっており、ch2〜ch9は、効果音データの再生信号を伝送可能な第2チャンネル〜第9チャンネルを表している。
本実施形態では、第2チャンネル〜第9チャンネルのいずれかを用いて音声データを再生させる場合、ステレオやモノラルにかかわらず、音声データの再生に使用されておらず且つ番号の若いチャンネルを用いて音声データを再生させる。なお、音声データ再生時のチャンネルの割り当て方法がこれに限られないことは勿論であり、例えばステレオの音声データ用のチャンネルとモノラルの音声データ用のチャンネルとが区別されていてもよい。
図14に示す例では、効果音データA1が第2チャンネルを用いて最初に再生が開始され、以下、効果音データB1が第3チャンネルを用いて、効果音データC1が第4チャンネルを用いて、効果音データD1が第5チャンネルを用いて、効果音データE1が第6チャンネルを用いて、順次再生開始されている。
効果音データA1、B1、C1までは、重複して再生される効果音データ数が制限数である3以下となっているため、いずれの効果音データも再生が途中で停止されることなく効果音データA1、B1、C1の再生が開始される。しかし、効果音データD1の再生開始時には、これから再生すべき効果音データD1と、再生中の効果音データA1、B1、C1との合計数が4となり、制限数である3を超えることになる。このため音声制御手段138は、再生中の効果音データA1、B1、C1のうち、再生開始時刻が最先の効果音データA1を停止条件を満たす効果音データと判定し、効果音データD1の再生開始タイミングでその再生を停止させる。音声制御手段138は、効果音データA1の再生停止と同時に効果音データD1の再生を開始させる。
さらに、効果音データE1の再生開始時には、これから再生すべき効果音データE1と、再生中の効果音データB1、C1、D1との合計数が4となり、制限数である3を再び超えることになる。このため音声制御手段138は、再生中の効果音データB1、C1、D1のうち、再生開始時刻が最先の効果音データB1を停止条件を満たす効果音データと判定し、効果音データE1の再生開始タイミングでその再生を停止させる。音声制御手段138は、効果音データB1の再生停止と同時に効果音データE1の再生を開始させる。これにより、重複して再生される効果音データの数を3に制限することができ、多くの効果音データが重複して再生されることにより遊技者が聞きづらくなることを回避することができる。
なお、再生すべき効果音データと再生中の演出音声データとの合計数が制限数を超える場合、音声制御手段138は、再生中の効果音データのうち停止条件を満たす演出音声データの再生を継続しつつ音量を下げ、音量を下げたタイミングから選択された効果音データの再生を開始してもよい。このとき音声制御手段138は、演出音声の音量をゼロに下げてもよい。また、音声制御手段138は、停止条件を満たす演出音声データの再生によって出力される効果音の音量を、新たな効果音の出力と重なるよう徐々に下げてもよい。さらに音声制御手段138は、その効果音データの再生終了時刻に達したときに、音量を下げた音声データの再生終了時刻に達していない場合、その音声データの音量をもとに戻してもよい。このとき音声制御手段138は、音量を戻すべき演出音声データの再生音量を、その効果音データの再生修了時刻に達する前から徐々に増加させてもよい。
音量を調整する対象となる音声データは、効果音データのみでもよく、また、効果音データ、変動用音声データ、背景音楽を出力するための背景音楽データなどを含んでいてもよい。このように再生を継続させて効果音データの出力時にだけ音量を下げることで、変動用音声や背景音楽など再生時間の長い音声も音量低下させて音声出力の重複を回避することができる。
なお、本実施形態では、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうち再生開始時刻が最先の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定しているが、停止条件がこれに限られないことは勿論である。例えば音声制御手段138は、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうち使用しているチャンネル番号が最小の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。
また、効果音データの各々に、例えば「高」、「中」、「低」などの優先順位が設定されていてもよい。音声制御手段138は、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうち優先度が最も低い効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。優先後が最も低い効果音データが複数存在する場合は、音声制御手段138は、そのうち再生開始時刻が最先の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよく、また、使用しているチャンネル番号が最小または最大の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。
また、効果音データの各々に種別が設定されていてもよい。音声制御手段138は、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうち同じ種別の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。種別とは、刀が当たり合う「金属音」や、楽器を使った「音楽」などの種別が考えられる。例えば2つの金属音の効果音データが重複して再生される場合や、2つの音楽の効果音データが重複して再生される場合などでは、遊技者に紛らわしく感じさせる虞がある。このように種別によって停止条件を定めることで、このような紛らわしさが生じることを回避できる。
また、異なる種別の効果音データを停止条件を満たす効果音データとして判定してもよい。例えば同時に再生することが好ましくない異なる種別の組み合わせが予め設定されていてもよい。音声制御手段138は、再生中の効果音データのうち、再生すべき効果音データと同時に再生することが好ましくない種別の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。該当する効果音データが複数存在する場合は、音声制御手段138は、そのうち再生開始時刻が最先の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよく、また、使用しているチャンネル番号が最小の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。
また、効果音データの各々に、例えば「大」、「中」、「小」などの音量情報が含められていてもよい。音声制御手段138は、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうち音量が最も大きい効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。なお、音声制御手段138は、音量が最も小さい効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。この場合も、該当する効果音データが複数存在する場合は、音声制御手段138は、そのうち再生開始時刻が最先の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよく、また、使用しているチャンネル番号が最小の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。例えば音量の大きい効果音データに音量の大きい効果音データを重ねて再生させると、音量の大きさで遊技者を驚かせるなどの事態が発生する可能性がある。音量の大きい効果音データの重複した再生を回避することで、このような事態を回避できる。
さらに、音声制御手段138は、再生中の効果音データを停止させる場合、再生中の効果音データのうちステレオの効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。これにより、より多くのチャンネル数を空けることができる。なお、再生中の効果音データのうちモノラルの効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい。該当する効果音データが複数存在する場合に、そのうち再生開始時刻が最先の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよく、使用しているチャンネル番号が最小の効果音データを停止条件を満たす効果音データと判定してもよい点は上述と同様である。
図15は、新たに音声データの再生を開始するために再生中の音声データの再生が途中で停止される別の例を示す図である。この例では、効果音データA2、B2、C2、D2は、それぞれステレオ出力される音声データとなっている。このため、効果音データA2、B2、C2、D2は、左側音声出力と右側音声出力のため、それぞれ再生時に2つのチャンネルを必要とする。ここで、効果音データA2が第2、第3チャンネルを用いて最初に再生が開始され、以下、効果音データB2が第4、第5チャンネルを用いて、効果音データC2が第6、第7チャンネルを用いて、効果音データD2が第8、第9チャンネルを用いて、順次再生開始されている。
効果音データA2、B2、C2までは、重複して再生される効果音データ数が制限数である3以下となっているため、いずれの効果音データも再生が途中で停止されることなく効果音データA2、B2、C2の再生が開始される。しかし、効果音データD2の再生開始時には、これから再生すべき効果音データD2と、再生中の効果音データA2、B2、C2との合計数が4となり、制限数である3を超えることになる。このため音声制御手段138は、再生中の効果音データA2、B2、C2のうち、再生開始時刻が最先の効果音データA2を停止条件を満たす効果音データと判定し、効果音データD2の再生開始タイミングでその再生を停止させる。音声制御手段138は、効果音データA2の再生停止と同時に効果音データD2の再生を開始させる。
このように本実施形態では、音声制御手段138は、選択された効果音データを再生するとき、再生すべき効果音データと再生中の効果音データによって使用されるチャンネル数ではなく、これらの効果音データの合計数と制限数とを比較している。なお、このような態様に限定されないことは勿論であり、例えば音声制御手段138は、再生すべき効果音データによって使用されるチャンネル数と再生中の効果音データによって使用されているチャンネル数との合計数と制限数とを比較し、使用されるチャンネル合計数が制限数を超える場合、使用されるチャンネル合計数が制限数以下となるよう、再生中の効果音データのうち所定の停止条件を満たす効果音データの再生を停止させてから再生すべき効果音データの再生を開始させてもよい。例えば、チャンネル数の制限数が「4」に設定されていた場合、モノラルの効果音データであれば4つのチャンネルを使って4つの効果音データを重複して再生できるが、ステレオの効果音データであれば4つのチャンネルを使って2つの効果音データしか再生できないことになる。
図16は、新たに音声データの再生を開始するために再生中の音声データの再生が途中で停止されるさらに別の例を示す図である。本実施形態では、音声制御手段138は、所定の効果音データを再生するとき、出力される音声の音量が所定の無音基準を満たす無音データを、所定の効果音データとは異なる1以上のチャンネルで再生する。ここで、「所定の無音基準を満たす無音データ」とは、音量がゼロの音声データであってもよく、音量が所定値以下の音声データであってもよい。図16に示す例では、効果音データD3を再生するときは、音声制御手段138は、無音データである効果音データD4を効果音データD3とは異なるチャンネルで再生する。
図16に示す例では、図14に示す例と同様に、効果音データA1が第2チャンネルを用いて最初に再生が開始され、以下、効果音データB1が第3チャンネルを用いて、効果音データC1が第4チャンネルを用いて、順次再生開始されている。
効果音データA1、B1、C1が再生中に効果音データD3を再生する場合、音声制御手段138は、無音データである効果音データD4も同時に再生を開始する。この場合、効果音データD3、D4の再生開始時には、これから再生すべき効果音データD3、D4と、再生中の効果音データA1、B1、C1との合計数が5となり、制限数である3を超えることになる。このため音声制御手段138は、再生中の効果音データA1、B1、C1のうち、再生開始時刻が最先の効果音データA1とその次の効果音データB1を停止条件を満たす効果音データと判定し、効果音データD3、D4の再生開始タイミングでその再生を停止させる。音声制御手段138は、効果音データA1、B1の再生停止と同時に効果音データD3、D4の再生を開始させる。このため、実際にスピーカ18から音声出力されるのは、効果音データC1と効果音データD3の2つだけとなる。
このように所定の効果音データの再生時に無音データを同時に再生することで、重複して音声出力される音声データの数を制限数未満にすることができる。このため、その効果音データをより際だたせることができる。なお、同時に再生する無音データの数が1つに限られないことは勿論であり、複数であってもよい。また、同時に再生する無音データの数は、制限数から1を引いた数であってもよい。このように無音データの数を制限数から1を引いた数とすることで、再生すべき効果音データ以外のすべての再生中の効果音データの再生を停止させることができ、再生すべき新たな効果音データのみ音声出力することが可能となる。
なお、遊技制御装置100は、複数の音声伝送路のうち空いている音声伝送路を検知する伝送路検知手段をさらに備えてもよい。パターン記憶手段130は、第1の演出音声に第1の音声伝送路での再生が指定された第1の演出音声データと、第1の演出音声データに含まれる第1の演出音声と同じ演出音声に第1の音声伝送路と異なる第2の音声伝送路での再生が指定された第2の演出音声データと、第2の演出音声に第1の音声伝送路での再生が指定された第3の演出音声データと、第3の演出音声データに含まれる第2の演出音声と同じ演出音声に第2の音声伝送路での再生が指定された第4の演出音声データと、を記憶していてもよい。
音声制御手段138は、決定された演出表示パターンに基づく演出音声として第1の演出音声を出力する場合は、第1の音声伝送路および第2の音声伝送路のうち伝送路検知手段により空きが検知された音声伝送路で再生する。音声制御手段138は、決定された演出表示パターンに基づく演出音声として第2の演出音声を出力する場合にも、第1の音声伝送路および第2の音声伝送路のうち伝送路検知手段により空きが検知された音声伝送路で再生する。
この音声伝送路は、単数または複数のチャンネルによって構成される。また、このときの演出音声データは、効果音データおよび短時間背景音楽データを含む。短時間背景音楽データは、パターン記憶手段130に記憶されている。短時間背景音楽データは、数秒程度の比較的短時間での再生に限定される背景音楽のデータであり、予告演出の背景音楽として用いられる。例えば、予告演出としての短時間の演出における背景音楽として短時間背景音楽データが再生される。また予告演出においてキャラクタなどの表示オブジェクトを画面に出現させるときの演出効果として効果音データが再生される。これら短時間背景音楽データおよび効果音データは、互いに組み合わせて同時再生させることで一つの演出を実現させる使い方をするため、他の演出音声データよりも多くのチャネル数を使用できるように割り当てを多くしてある。そのため、第2〜第9チャネルのいずれでも再生可能となるようにチャネル指定が割り当てられて登録されている。
例えば、所定の短時間背景音楽データおよび所定の効果音データは、第2チャンネル〜第9チャンネルのいずれかを指定する8種類の異なる登録コードが登録されている。そのため、第2〜第9チャネルのうち、いくつかが使用されているタイミングでも、それ以外の空いているチャネルで再生することができる。このように、複数のチャネルを複数の演出音声データで共用することで、空きさえあればどのチャネルも使用が可能となる。さらに、複数種類の演出音声データでも同じチャネルを共用することにより、空きチャネルの発生可能性を高めて設計に余裕をもたせることができる。
また、パターン記憶手段130は、特別図柄192が変動表示される間の演出表示に対応する特定の複数種類の演出音声のそれぞれが、特定の複数の音声伝送路のそれぞれに対する指定を持つ複数の演出音声データを記憶することにより、特定の複数種類の演出音声が特定の音声伝送路のいずれでも再生可能となるように指定されていてもよい。さらに伝送路検知手段は、複数の音声伝送路のそれぞれを識別するための識別番号を管理してもよい。伝送路検知手段は、再生対象となる演出音声データがステレオ音声であった場合は、識別番号が隣接し合う二つの音声伝送路の空きを検知し、演出音声データがモノラル音声であった場合は、識別番号が隣接し合う二つの音声伝送路以外での音声伝送路の空きを優先的に検知してもよい。
図17は、図7におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図18は、図17におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図19は、図17におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、15R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施形態においてこの継続上限回数は15回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図20は、図7におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図21は、図20におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図22は、図20におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
10 ぱちんこ遊技機、 11 外枠、 12 前枠、 13 透明板、 14 扉、 15 上球皿、 16 下球皿、 17 発射ハンドル、 18 スピーカ、 20 特別図柄保留表示装置、 21 パターン抽選値、 22 普通図柄保留表示装置、 39 裏セット機構、 40 電源スイッチ、 42 液晶ユニット、 43 払出ユニット、 44 賞球タンク、 45 払出制御基板、 46 発射装置、 47 発射制御基板、 48 電源ユニット、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 54 外レール、 56 内レール、 58 アウト口、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 63 拡開機構、 64 センター飾り、 66 大入賞口、 68 作動口、 69 通過検出装置、 72 一般入賞口、 73 一般入賞検出装置、 74 始動入賞検出装置、 76 普通電動役物ソレノイド、 78 入賞検出装置、 80 大入賞口ソレノイド、 82 操作ボタン、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 110 入球判定手段、 112 当否抽選手段、 114 図柄決定手段、 115 変動パターン決定手段、 116 保留制御手段、 118 メイン表示制御手段、 120 特別遊技制御手段、 121 パターン抽選値、 122 特定遊技実行手段、 123 パターン抽選値、 124 開閉制御手段、 130 パターン記憶手段、 131 図柄態様決定手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 136 役物制御手段、 140 可動役物、 190 装飾図柄、 192 特別図柄。

Claims (3)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる始動入賞口と、
    前記始動入賞口への入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するための当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選の結果を演出的に示す演出過程がそれぞれ定められた複数の演出パターンと、前記演出パターンに基づく演出表示に対応して出力されるべき演出音声を含む複数の演出音声データと、を記憶する記憶手段と、
    前記当否抽選の結果に応じて前記複数の演出パターンから演出表示させるべき演出パターンを決定する演出決定手段と、
    前記演出パターンに基づく演出表示を制御する演出表示制御手段と、
    演出音声データを再生して得られる音声信号をそれぞれ伝送可能な複数の音声伝送路を有する音声信号伝送手段と、
    前記複数の音声伝送路を通じて伝送された音声信号を音声として出力するスピーカと、
    前記演出パターンによる演出表示に対応して音声出力されるよう当該演出パターンに対応付けられた1以上の演出音声データを前記複数の音声伝送路の中の1以上の音声伝送路で再生して前記スピーカから出力させる音声制御手段と、
    を備え、
    前記音声制御手段は、前記複数の演出音声データの中から1以上の演出音声データを再生するとき、当該再生すべき演出音声データと再生中の演出音声データとの合計数が所定の制限数を超える場合、同時に再生される演出音声データの合計数が前記制限数以下となるよう、前記再生中の演出音声データのうち所定の停止条件を満たす演出音声データの再生を停止させるとともに前記再生すべき演出音声データの再生を開始させることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 前記音声制御手段は、前記再生中の演出音声データのうち、再生開始時刻が最先の演出音声データを前記停止条件を満たす演出音声データと判定することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. 前記制限数は、2以上に設定され、
    前記音声制御手段は、所定の演出音声データを再生するとき、出力される音声の音量が所定の無音基準を満たす無音データを、前記所定の演出音声データとは異なる1以上の音声伝送路で再生することを特徴とする請求項1または2に記載の弾球遊技機。
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