JP2012170449A - 嗜好性食品 - Google Patents

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泰司 川村
Kazuo Tajima
和夫 田嶋
Toru Fushiki
亨 伏木
Narinobu Matsumura
成暢 松村
Yoshihiko Takase
嘉彦 高瀬
Hirohisa Fukuhara
寛央 福原
Yoshiki Maeda
祥貴 前田
Izumi Ueda
いずみ 上田
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Abstract

【課題】 従来よりも少量の油脂であっても、十分に油脂の旨味を維持できる嗜好性食品を提供すること、及び従来と同量の油脂を用いた場合には、油脂感・コク感が増強した嗜好性食品を提供すること。
【解決手段】 水中油型の乳化油脂において、エマルションの平均粒子径が2μm〜15μmであることを特徴とする乳化油脂によって達成される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、嗜好性食品に関し、特に特定の乳化油脂を含有する嗜好性食品に関する。
油脂は、炭水化物・タンパク質と共に三大栄養素の一つであり、脳の正常な機能に必要であるだけでなく、食事の消化・吸収・脂溶性ビタミンの運搬などにも必須のものである。但し、油脂は、三大栄養素のうちで最も高カロリーであるため、必要以上に摂取することは避ける必要がある。
このため、油脂の大量摂取を避けるために、代用材料に関する研究も行われている(特許文献1)。
特開2008−237032号公報
しかしながら、油脂の旨味を維持しつつ、少量の摂取で済むような嗜好性食品については、十分な研究が行われていなかった。
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも少量の油脂であっても、十分に油脂の旨味を維持できる嗜好性食品を提供すること、及び従来と同量の油脂を用いた場合には、油脂感・コク感が増強した嗜好性食品を提供することである。
本発明者は、鋭意検討の結果、水中油型の乳化油脂において、エマルションの平均粒子径が2μm〜15μmのものは、少量であっても、十分に油脂の旨味を維持できることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、上記課題を解決する発明は、次の通りである。
[1] 水中油型の乳化油脂において、エマルションの平均粒子径が2μm〜15μmであることを特徴とする乳化油脂。
[2] 前記乳化油脂を構成する乳化剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする[1]に記載の乳化油脂。
[3] 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおいて、ポリグリセリン部位の重合度が2〜40、かつ脂肪酸部位の炭素数6〜22であることを特徴とする[2]に記載の乳化油脂。
[4] 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸部位の種類が、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びオレイン酸からなる群から選択されることを特徴とする[2]又は[3]に記載の乳化油脂。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の乳化油脂であって、呈味改善用の乳化油脂。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜50%含有することを特徴とする嗜好性食品。
[7] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の乳化油脂であって、かつ前記乳化油脂中の油脂の脂肪酸部位が長鎖脂肪酸である乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜50%含有することを特徴とする嗜好性食品。
[8] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の乳化油脂であって、かつ前記乳化油脂中の油脂の脂肪酸部位が中鎖脂肪酸である乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜12.5%含有することを特徴とする嗜好性食品。
[9] [6]〜[8]のいずれか一つに記載の嗜好性食品であって、呈味改善されたことを特徴とする嗜好性食品。
本発明によれば、従来に比べて少量の油脂を用いた場合であっても、十分に油脂の旨味を維持できる乳化油脂、及びその乳化油脂を含有する嗜好性食品を提供できる。また、従来と同量の油脂を用いた場合には、油脂感・コク感が増強した乳化油脂、及びこの乳化油脂を含有する嗜好性食品を提供できる。更に、上記乳化油脂は、キニーネなどの苦味をマスクするので、この乳化油脂を含有することにより、呈味を改善した嗜好性食品を提供できる。
乳化油脂の粒子径を計測した結果を表すグラフである(平均粒子径:1.7μm)。 乳化油脂の粒子径を計測した結果を表すグラフである(平均粒子径:11.5μm)。 乳化油脂の粒子径を計測した結果を表すグラフである(平均粒子径:25.3μm)。 乳化油脂の粒子径を計測した結果を表すグラフである(平均粒子径:0.5μm)。 長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)と中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)とのそれぞれについて、三相乳化と通常乳化とによって、平均粒子径が異なる乳化油脂を製造し、マウスを使って二瓶選択試験を行った結果を示すグラフである。それぞれ、(A)LCTの摂取量を示すグラフ、(B)MCTの摂取量を示すグラフ、(C)LCTの嗜好性を示すグラフ、(D)MCTの嗜好性を示すグラフである。 大粒子径の乳化油脂(L:三相乳化)と、通常粒子径の乳化油脂(S:通常乳化)における嗜好性の関係を、マウスを使った二瓶選択試験で評価した結果を示すグラフである。有意差「*」は、危険率5%にて示した(図7及び図10においても同じ)。 大粒子径の乳化油脂(L:三相乳化)、及び通常粒子径の乳化油脂(S:通常乳化)のそれぞれについて、0.0001%、0.001%及び0.01%のキニーネを添加したもの(+)と添加しないもの(−)とに対し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った結果を示すグラフである。 大粒子径の乳化油脂(L:三相乳化)と、通常粒子径の乳化油脂(S:通常乳化)とについて、0.01%のバナナフレーバー、0.01%のグレープフレーバー、及び両フレーバーを添加したものに対し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った結果を示すグラフである。 4種類の異なる平均粒子径(0.5、1.7、11.5、25.3μm)を備えた乳化油脂のうち2種類のものを使用し、マウスを使って二瓶選択試験を行った結果を示すグラフである。各グラフの上部に記載されている2個の数値が比較した平均粒子径を示す。 コーン油、サフラワー油、及びオリーブ油のそれぞれを用いて製造された大粒子径の乳化油脂(L:三相乳化)と、通常粒子径の乳化油脂(S:通常乳化)とに対し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った結果を示すグラフである。
次に、本発明の実施形態について、図表を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
水−油系エマルションを形成するときには、油滴が水に分散する水中油型(O/W型)の乳化油脂と、水滴が油に分散する油中水型(W/O型)の乳化油脂との2種類がある。本願発明においては、これらのうち水中油型の乳化油脂を用いる。
従来、水中油型のエマルションでは、平均粒子径は1μm程度であった。しかしながら、この平均粒子径を2μm〜15μmとすることにより、従来よりも少量であっても、油脂の旨味を損なうことがないことが分かった。但し、現在のところ、その理由は不明である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ポリグリセリンのヒドロキシ基の1つ以上に脂肪酸がエステル結合したものであり、平均重合度・脂肪酸の数・脂肪酸の種類によって、多様な種類がある。本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルのポリグリセリン部位の平均重合度は、2〜40、好ましくは4〜20、更に好ましくは5〜12である。ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸部位の炭素数は、6〜22、好ましくは12〜22、更に好ましくは14〜22である。脂肪酸部位は、飽和または不飽和脂肪酸を用いることができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばジミリスチン酸デカグリセリン、ジオレイン酸デカグリセリン、モノステアリン酸デカグリセリン、ジステアリン酸デカグリセリンなどが例示される。
ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBは、4〜14が好ましく、8〜13が更に好ましい。
エマルションを構成するための食用油脂としては、特に限定するものではなく、従来公知とされているもの及び今後市販されるものであれば、どのようなものでも好適に使用できる。具体的には、アボガド油、アマニン油、アルモンド油、オリーブ油、オレンジラフィー油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、牛脂、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、タートル油、チョウジ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、メドウフォーム油、綿実油、ヤシ油、ローズヒップ油、ナタネ油、乳脂、ハトムギ油、ホホバ油、ラベンダー油、卵黄油、ラノリン、ローズマリー油等、その他MCTなどが例示でき、かつこれらを単品で用いても、また風味の点で2〜3種を適当な比率で用いても、何ら問題なく好適に使用できる。
嗜好性食品には、上記乳化剤を用いた乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜50%含有させることが好ましい。この範囲内であれば、油脂の旨味を識別できる。このとき、油脂の脂肪酸部位が、長鎖脂肪酸のもの、又は中鎖脂肪酸のものを用いることができる。長鎖脂肪酸とは、炭素数が16以上のものを意味し、具体的にはパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などが挙げられる。また、中鎖脂肪酸とは、炭素数が8〜12のものを意味し、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸などが挙げられる。長鎖脂肪酸を含む油脂を用いる場合には、乳化油脂中の油脂を0.4%〜50%(好ましくは1%〜25%、更に好ましくは3%〜25%)含有する嗜好性食品を提供できる。一方、中鎖脂肪酸を含む油脂を用いる場合には、乳化油脂を0.4%〜12.5%(好ましくは3%〜12.5%)含有する嗜好性食品を提供できる。
嗜好性食品の範疇は特に限定されるものではなく、調理用素材、加工食品、調理済食品等、幅広く適用が可能である。例えば、業務用又は家庭用の揚げ油、炒め油、離型油、天板油、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、フラワーペースト、クリーム類、粉末油脂類、乳化油脂類等の油脂・加工油脂、即席麺、カップ麺、即席スープ・シチュー類等の即席食品、カレー、スープ・シチュー類、パスタソース、中華食品の素、どんぶりの素等のレトルト食品・缶詰類、高カロリー飲料、流動食、栄養バランス食、栄養補助食品、特定保健用食品等の機能食品、パン、マカロニ・スパゲティ等のパスタ類、ピザパイ、麺類、ケーキミックス、加工米飯、シリアル等の小麦粉・デンプン食品、キャラメル、キャンディ、チューインガム、チョコレート、クッキー・ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、ゼリー、プリン等の菓子・デザート、しょうゆ、みそ、ソース類等の基礎調味料、カレー・シチュー用ルー、たれ、ドレッシング、マヨネーズ風調味料、麺つゆ、鍋料理用つゆ、ラー油、マスタード、からし、わさび、おろししょうが、おろしにんにく、キムチの素、デミグラスソース、ホワイトソース、トマトソース等の複合調味料、乳、加工乳、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、チーズ、アイスクリーム類、調整粉乳、クリーム類等の乳製品、水産缶詰、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、油漬け魚肉缶詰等の水産加工品、ピーナツバター、ジャム・マーマレード、チョコレートクリーム、メンマ加工品、ザーサイ加工品、ねりごま・ごまペースト等の農産加工品、畜肉ハム・ソーセージ、畜産缶詰、ペースト類、ハンバーグ、ミートボール、味付け畜肉缶詰等の畜産加工品、冷凍食品、冷蔵食品、パック入りや店頭販売用惣菜等の調理済み・半調理済み食品の他、愛玩動物用ペットフード、家畜用飼料が例示できるが、これらに限定されない。
次に、実施例を挙げながら本発明を更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって限定されない。
<実施例1> 三相乳化による乳化油脂の製造
(1)材料
乳化剤として、2種類のポリグリセリン脂肪酸エステル、すなわち乳化剤A(HLB11、平均重合度10、脂肪酸としてステアリン酸(st)、デカグリセリンジステアレート)及び乳化剤B(HLB13、平均重合度5、脂肪酸としてステアリン酸(st)、ペンタグリセリンモノステアレート)を用いた。上記2種類の乳化剤を1:1で混合して用いた。食用油としてコーン油を用いた。また、乳化剤:食用油:水=3:50:50とした。
(2)乳化油脂の製造方法
本発明における乳化油脂の製造方法の好ましい態様の一つは、次の通りである。すなわち、乳化剤を60℃以上に加温した水に分散させて、平均粒子径が10nm〜600nmの乳化剤微粒子を形成させた(第一工程)。次いで、第一工程によって調製された乳化剤微粒子分散水溶液に食用油脂を添加し、ホモミキサーで3500rpmから8000rpmに至るまで徐々に回転数を上げながら乳化することによって乳化油脂を製造した(第二工程)。食用油脂の添加速度は、毎分1/50〜1/10量の間で変化させた。同製造方法による乳化油脂の態様を三相乳化と称する。「粒度分布のピーク形状」は、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(BECKMAN COULTER LS230)にて評価した。
(3)結果
ホモミキサーの圧力、乳化時間、食用油脂の添加速度を適当に変化させることにより、平均粒子径が1.7μm〜25.3μmの乳化油脂を得た。図1〜図3には、平均粒子径を計測したときの結果を示した。なお、図4には、コントロールとして、同じ材料を用いて、通常の方法で乳化したときの平均粒子径を計測したときの結果を示した。コントロールの平均粒子径は、0.5μmであった。
<実施例2> 二瓶選択試験:粒子径と嗜好性の関係
(1)試薬と方法
長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)としてコーン油を、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)としてトリカプリル酸・カプリン酸グリセリドを用い、それぞれ、上記乳化油脂の製造法の一つである三相乳化による乳化物(L)と、通常乳化による乳化物(S)を作成した。LCTとMCTとのそれぞれに対し、三相乳化(平均粒子径11.5μm)と通常乳化(平均粒子径0.68μm)の二瓶選択試験を行った。
マウスとして、Balb/c(雄、10週齢以上)を用いた。実験は全て、暗期開始後2〜4時間で行った。表1に示すように、6日間のトレーニングを行った後、本試験を行った。トレーニング開始1~3日目(コーン油に対する慣れ)には、30分絶水、絶食後に10分間コーン油を呈示した。トレーニング開始4〜6日目(二瓶選択試験に対する慣れ)には、30分絶水、絶食後に10分間水と20%スクロースを呈示した。本試験では、30分絶水、絶食後に10分間各濃度の三相乳化と通常乳化を呈示し、その摂取量を測定した。試料の希釈は水で行い、濃度は50、25、12.5、6.3、3.1、1.6、0.8、0.4%を検討した。尚、濃度は、各油成分の濃度(w/v%)を意味している。
Figure 2012170449
(2)結果
結果を図5に示した。図5の(A)、(C)に示すように、LCTでは、全ての濃度において、平均粒子径が11.5μmの乳化油脂を好むことが分かった。また、図5の(B)、(D)に示すように、MCTでは、12.5〜3.1、0.8及び0.4%において、平均粒子径が11.5μmの乳化油脂を好むことが分かった。
<実施例3> 二瓶選択試験:三相乳化による乳化物と、通常乳化による乳化物における嗜好性の関係
(1)試薬と方法
コーン油を用いて、三相乳化による大粒子径(L:平均粒子径6.3μm)の乳化油脂(油成分濃度:3.13、25%)と、通常乳化による通常粒子径(S:平均粒子径0.5μm)の乳化油脂(油成分濃度:3.13、6.25、12.5、50%)とを作成した。
大粒子径の乳化油脂と通常粒子径の乳化油脂とに対し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った。マウスとして、Balb/c(雄、10週齢以上)を用いた。実験は、実施例2と同様の方法で行い、その摂取量を測定した。尚、濃度は、各油成分の濃度(w/v%)を意味している。
(2)結果
結果を図6に示した。これらのグラフから分かるように、大粒子径の乳化油脂は、油脂含有量を半分程度としても、通常粒子径と同等の嗜好性を示すことが分かった。
<実施例4> 二瓶選択試験:キニーネの苦みをマスクする粒子径の大きさ
(1)試薬と方法
コーン油を用いて、三相乳化による大粒子径(L:平均粒子径6.3μm)の乳化油脂(油成分濃度:6.25%)と、通常乳化による通常粒子径(S:平均粒子径0.5μm)の乳化油脂(油成分濃度:6.25%)とを作成した。
各乳化油脂について、0.0001%、0.001%及び0.01%のキニーネを添加したもの(+)と添加しないもの(−)とに対し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った。マウスとして、Balb/c(雄、10週齢以上)を用いた。実験は、実施例2と同様の方法で行い、その摂取量を測定した。尚、濃度は、各油成分の濃度(w/v%)を意味している。
(2)結果
結果を図7に示した。これらのグラフから分かるように、通常粒子径の乳化油脂では、0.001%のキニーネを加えると摂取量に有意差が認められる一方、三相乳化による大粒子径の乳化油脂では、0.001%のキニーネの有無は摂取量に影響を与えなかった。このことより、大粒子径の乳化油脂は、通常粒子径の乳化油脂に比べて、苦みをマスクする能力が高いことが分かった。このように、本実施形態の乳化油脂は、キニーネなどの苦味をマスクするので、呈味を改善した嗜好性食品を提供できた。
<実施例5> 二瓶選択試験:匂いの影響
(1)試薬と方法
コーン油を用いて、三相乳化による大粒子径(L:平均粒子径6.3μm)の乳化油脂(油成分濃度:6.25%)と、通常乳化による通常粒子径(S:平均粒子径0.5μm)の乳化油脂(油成分濃度:6.25%)とを作成した。
各乳化油脂について、0.01%のバナナフレーバー、0.01%のグレープフレーバー、及び両フレーバーを添加したものを調製し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った。マウスは、バナナフレーバーよりもグレープフレーバーを好むことが知られている。
マウスとして、Balb/c(雄、10週齢以上)を用いた。実験は、実施例2と同様の方法で行い、その摂取量を測定した。尚、濃度は、各油成分の濃度(w/v%)を意味している。
(2)結果
結果を図8に示した。これらのグラフより、フレーバーによる嗜好性の影響は認められない(或いは、少ない)ことが分かった。
<実施例6> 二瓶選択試験:嗜好性の高い粒子径の決定
(1)試薬と方法
嗜好性の高い粒子径を決定するために、実施例1で記載した三相乳化に準じて4種類の異なる平均粒子径(0.5、1.7、11.5、25.3μm)を持つ乳化油脂を調整し、これら4種類の異なる平均粒子径を持つ乳化油脂に対し、二瓶選択試験を行った。マウスとして、Balb/c(雄、10週齢以上)を用いた。実験は、実施例2と同様の方法で行い、その摂取量を測定した。試料の希釈は水で行い、濃度は6.25%で検討した。尚、濃度は、各油成分の濃度(w/v%)を意味している。
(2)結果
結果を図9に示した。これらのグラフから分かるように、平均粒子径が11.5μmの乳化油脂の嗜好性が最も高かった。また、平均粒子径と嗜好性とは、比例する訳ではなく、適当なものが存在するように考えられた。
<実施例7> 二瓶選択試験:油脂の違いに関する嗜好性の検討
(1)試薬と方法
コーン油(オレイン酸35%、リノール酸55%)、サフラワー油(オレイン酸18%、リノール酸70%)、及びオリーブ油(オレイン酸78%、リノール酸6%)を用いて、三相乳化による大粒子径(L:平均粒子径6.3μm)の乳化油脂(油成分濃度:6.25%及び25%(オリーブ油のみ))と、通常乳化による通常粒子径(S:平均粒子径0.5μm)の乳化油脂(油成分濃度:6.25%及び25%(オリーブ油のみ))とを作成した。
各乳化油脂の同じ濃度の乳化油脂について、三相乳化による大粒子径の乳化油脂(L)と通常乳化による通常粒子径の乳化油脂(S)とに対し、マウスを用いた二瓶選択試験を行った。マウスとして、Balb/c(雄、10週齢以上)を用いた。実験は、実施例2と同様の方法で行い、その摂取量を測定した。尚、濃度は、各油成分の濃度(w/v%)を意味している。
(2)結果
結果を図10に示した。これらのグラフより、6.25%オリーブ油の場合のみ、乳化油脂の摂取量に有意差が認められなかった。これは各油脂の脂肪酸組成に依る影響であると考えられる。但し、詳細な原因については不明である。
<実施例8> 3点識別法
(1)試験方法
乳脂肪、植物性脂肪ともに、脂質含量が等しく、粒子径の異なる乳化物を実施例1に示す三相乳化によって作製し、それらを使用した飲料・食品について、訓練されたパネラーにより、3点識別法による官能評価を行った。乳脂肪に関しては、平均粒子径が1.2μm、5.0μm(脂質33.5%)の乳化油脂を、植物性脂肪に関しては、平均粒子径が0.6μm、3.9μm(脂質42%)の乳化油脂を調製して用いた。嗜好性食品として、コーンスープ、及びプリンを試料とした。
粒子径の異なる乳化油脂を用いて作製した試料A、Bを、A2点とB1点、もしくはA1点とB2点の3点を呈示し、異なる1点を選び出させ、官能評価を行った。
(2)試料の作製
コーンスープ
市販の粉末状乾燥スープ1袋に200mLの熱湯を注ぎ、人肌程度に冷ました後に、乳化油脂を10mL添加し、試飲カップに注いで提供した。
プリン
表2に示す材料を用いて、プリンを製造した。乳化油脂以外の原料を加え合わせて混合した後、90℃まで熱した。水分を補正し、ホモミキサーにて8000rpm、1分間撹拌した。70℃以下になるまで冷ました後、乳化油脂を添加し、均一化するまで撹拌した後、容器に充填し、冷却した。
Figure 2012170449
(3)結果
コーンスープ
乳脂肪に関しては11人中8人が、植物性脂肪に関しては13人中8人が異なる1点を正しく選び、有意水準5%で2つのサンプルに差があると判定された。乳脂肪に関しては、粒子径の大きい方が、味が濃い・コクがあるとの評価が多く、植物性脂肪に関しても、粒子径の大きい方が、味が濃い・風味が残るとの評価が多かった。
プリン
乳脂肪、植物性脂肪ともに10人中10人が異なる1点を正しく選び、有意水準5%で2つのサンプルに差があると判定された。乳脂肪に関しては、粒子径の大きい方が、味が濃い・ミルク感が強い・コクがあるとの評価が多く、植物性脂肪に関しては、粒子径の小さい方は甘さが強く目立ち、粒子径の大きい方は油感が強いとの評価が多かった。
このように本実施形態によれば、平均粒子径を大きくすることによって、従来に比べて少量の油脂を用いた場合であっても、十分に油脂の旨味を維持できる乳化油脂、及びこの乳化油脂を含有する嗜好性食品を提供できた。また、従来と同量の油脂を用いた場合には、油脂感・コク感が増強した乳化油脂、及びこの乳化油脂を含有する嗜好性食品を提供できることが分かった。更に、本実施形態の乳化油脂は、キニーネなどの苦味をマスクするので、この乳化油脂を含有することにより、呈味を改善した嗜好性食品を提供できた。

Claims (9)

  1. 水中油型の乳化油脂において、エマルションの平均粒子径が2μm〜15μmであることを特徴とする乳化油脂。
  2. 前記乳化油脂を構成する乳化剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1に記載の乳化油脂。
  3. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおいて、ポリグリセリン部位の重合度が2〜40、かつ脂肪酸部位の炭素数6〜22であることを特徴とする請求項2に記載の乳化油脂。
  4. 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸部位の種類が、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びオレイン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項2又は3に記載の乳化油脂。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の乳化油脂であって、呈味改善用の乳化油脂。
  6. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜50%含有することを特徴とする嗜好性食品。
  7. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の乳化油脂であって、かつ前記乳化油脂中の油脂の脂肪酸部位が長鎖脂肪酸である乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜50%含有することを特徴とする嗜好性食品。
  8. 請求項1〜5のいずれか一つに記載の乳化油脂であって、かつ前記乳化油脂中の油脂の脂肪酸部位が中鎖脂肪酸である乳化油脂を、乳化油脂中の油脂として0.4%〜12.5%含有することを特徴とする嗜好性食品。
  9. 請求項6〜8のいずれか一つに記載の嗜好性食品であって、呈味改善されたことを特徴とする嗜好性食品。
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