JP2012168681A - 解析装置およびシミュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の形状を有する対象を記述する系としてより安定な系を生成する。
【解決手段】解析装置100は、所定の形状を有する対象を解析する。解析装置100は、複数の粒子を含む系を生成する前置生成部150と、対象を記述する系として、前置生成部150によって生成された系のなかに所定の形状を有する領域を指定する領域指定部112と、対象を記述する系の各粒子の運動を支配する支配方程式を数値的に演算する数値演算部120と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、粒子系を解析する解析装置およびシミュレーション方法に関する。
従来、古典力学や量子力学等を基に計算機を用いて物質科学全般の現象を探るための方法として、分子動力学法(Molecular Dynamics Method、以下MD法と称す)に基づくシミュレーションが知られている。MD法は物性をポテンシャルエネルギ関数で与えるのでモデル化の少ない手法であるが、その反面粒子数が増えると計算量も飛躍的に増大するので実用的にはより少ない数の粒子しか扱えない。したがって従来MD法は主に材料の物性の予測等、解析対象の形状があまり関係しない用途に使用されることが多かった。
最近、このMD法をマクロスケールの系を扱えるように発展させた繰り込み群分子動力学法(Renormalized Molecular Dynamics、以下RMD法と称す)が提案された(例えば、特許文献1参照)。RMD法により解析対象は歯車やモータなどのマクロスケールの機械的な構造物にまで広がってきている。
マクロスケールの解析対象を扱う場合、通常、解析対象をその形状も含めて再現する系を設定する必要がある。そこで従来では、解析対象を記述する系の形状を解析対象の形状に則って決定し、その形状のなかにメッシュ生成用のソフトウエアを使用してメッシュを生成し、生成されたメッシュの節点上に粒子を配置する方法が考案されている。しかしながら、この方法では粒子を配置した後に粒子がポテンシャルの最安定位置へと移動し、その結果形状が崩れてしまう場合がある。
特開2006−285866号公報 特開2009−37334号公報
上記の従来の方法がうまくいかない場合が多い理由として、本発明者は以下の通り考察する。
2体のポテンシャルエネルギ関数に関しては、ポテンシャルエネルギ関数は粒子間距離のみに依存し、その距離は第3近接粒子にまで及ぶことも珍しくない。粒子間距離が大きいと相互作用の力も小さくなるが、相互作用する粒子は距離の3乗に比例して多くなるため、重ね合わせた大きさを無視することができない状況も発生しうる。
この重ね合わせの影響により、人間が頭で考えて初期状態で安定に粒子を配置したつもりでも、系全体のポテンシャルエネルギは最安定でない場合が多い。そのため、粒子は最安定位置になるように移動し、結果としてシミュレーションを行いたい形状から外れてしまうことがある。
本出願人は特許文献2においてこの課題に対するひとつの解を与えている。特許文献2には、粒子間のポテンシャルエネルギ関数を修正することが開示されている。すなわち、メッシュ生成用のソフトウエアで配置した節点同士の初期の距離をポテンシャルエネルギ関数の安定点とすることで、形状を崩さずにシミュレーションを行うことを可能としている。
しかしながら、ポテンシャルエネルギ関数を修正することが好ましくない状況も起こりうる。そこで、より多くの状況に対応可能な別解が望まれている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の形状を有する対象を記述する系としてより安定な系を生成できる解析技術の提供にある。
本発明のある態様は解析装置に関する。この解析装置は、所定の形状を有する対象を解析する解析装置であって、複数の粒子を含む系を生成する前置生成部と、対象を記述する系として、前置生成部によって生成された系のなかに所定の形状を有する領域を指定する領域指定部と、対象を記述する系の各粒子の運動を支配する支配方程式を数値的に演算する数値演算部と、を備える。
この態様によると、複数の粒子を含む系のなかから対象を記述する系を生成できる。
本発明の別の態様は、シミュレーション方法である。この方法では、所定の形状を有する機械的な構造物をシミュレートする際、その機械的な構造物が所定の形状に形成される前の段階の状態を記述する複数の粒子を含む系を用意し、用意された系から所定の形状を有する系を切り出して解析する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、所定の形状を有する対象を記述する系としてより安定な系を生成できる。
本実施の形態に係る解析装置の機能および構成を示すブロック図である。 規則系を示す模式図である。 アモルファス系を示す模式図である。 多結晶系を示す模式図である。 図1の領域指定部によって図4に示される多結晶系のなかに指定された領域を示す模式図である。 図5に示される指定された領域に剛体を埋め込むことによって生成される粒子系を示す模式図である。 図1の解析装置における一連の処理の一例を示すフローチャートである。 インボリュートの平歯車を記述する図6に示される粒子系を2つ使用した動解析の結果を示す模式図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
歯車や梁やモータなどの所定の形状を有するマクロスケールの対象を複数の粒子を含む系で記述して解析する際、粒子を対象の形状に則した形状位置で安定させる必要があるが、上記の通り初期状態で粒子を最安定位置に配置することは困難である。そこで本実施の形態に係る解析装置では、粒子を始めから対象の形状に沿って並べるのではなく、生成しようとしている粒子系よりも十分大きな粒子系(以下、インゴッド粒子系と称す)を用意し、十分に緩和計算を行った後、その結果から目的の形状を切り出す。これにより、特許文献2に記載されるようなポテンシャルエネルギ関数の修正を行わずとも、プレーンなMD法、RMD法等の粒子法で安定な複雑形状を作成できる。
図1は、解析装置100の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(central processing unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
解析装置100は所定の形状を有する対象を複数の粒子を含む系で記述し、粒子の運動方程式を数値的に演算することによりその系を解析する。解析装置100はその演算によって系の時間発展や定常状態を取得し、そのようにして得られたデータから対象をシミュレートしたり対象の物理量の予測値を提供したりする。
なお、本実施の形態ではMD法またはRMD法に倣って粒子系を解析する場合について説明するが、DEM(Distinct Element Method)やSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)やMPS(Moving Particle Semi-implicit)などの他の粒子法に倣って粒子系を解析する場合にも、本実施の形態に係る技術的思想を適用できることは本明細書に触れた当業者には明らかである。
解析装置100は入力装置102および出力装置104と接続される。入力装置102は、解析装置100で実行される処理に関係するユーザの入力を受けるためのキーボード、マウスなどであってもよい。入力装置102は、インターネットなどのネットワークやCD、DVDなどの記録媒体から入力を受けるよう構成されていてもよい。出力装置104は、ディスプレイなどの表示機器やプリンタなどの印刷機器であってもよい。
解析装置100は、モデル生成部110と、数値演算部120と、結果提示部130と、記憶部140と、を備える。
モデル生成部110は、入力装置102を介してユーザから取得する入力情報に基づき、対象を記述するN(Nは自然数)個の粒子からなる粒子系Sをインゴッド粒子系SIから生成する。モデル生成部110は生成された粒子系Sの各粒子の位置、初期速度、質量などを粒子系Sの初期条件として記憶部140に記憶させる。
なお、MD法に倣う場合は粒子を原子または分子に対応させてもよい。あるいはまたRMD法に倣う場合は粒子を繰り込まれた系の粒子としてもよい。
モデル生成部110は、前置生成部150と、領域指定部112と、を含む。
前置生成部150は、M個(MはNより大きな自然数)の粒子を含み、生成しようとしている粒子系Sよりも大きなインゴッド粒子系SIを生成する。インゴッド粒子系SIは例えば、粒子が規則的に配置された規則系であってもよく、あるいはまた粒子がアモルファス状に配置されたアモルファス系であってもよく、あるいはまた多結晶状態を示すよう粒子が配置された多結晶系であってもよい。
図2は、規則系302を示す模式図である。図2に示される規則系302では粒子は面心立方格子状に配置されている。したがって、規則系302の温度を低く保つことによって、結晶を壊さずに規則系302を単結晶に近い状態に保つことができる。
図3は、アモルファス系304を示す模式図である。アモルファス系304は例えば、まず規則系を生成し、その規則系を一旦高い温度にした後急冷することで得られる。
図4は、多結晶系306を示す模式図である。多結晶系306は例えば、まず規則系を生成し、その規則系を一旦高い温度にした後緩やかに冷却することで得られる。
なお、多結晶系では図4にも示される通り、多結晶を構成する微結晶の結晶軸がそれぞれ異なる状態が再現されているので、一様性が現れている規則系やアモルファス系と比べて多結晶系には非一様性が現れている。
図1に戻る。
前置生成部150は、規則系生成部152と、変更部154と、を有する。
規則系生成部152は、M個の粒子を含み、生成しようとしている粒子系Sよりも大きな規則系を生成する。特に規則系生成部152によって生成される規則系は、粒子系Sがその規則系からはみ出さないような大きさに構成される。
規則系生成部152は、仮想的な3次元空間内に粒子系Sが占めるべき領域よりも大きな領域を設定し、その領域内にM個の粒子を規則的な構造を有するように配置する。この規則的な構造は、面心立方格子構造、体心立方格子構造、六方最密構造などの所定の結晶構造であってもよく、あるいはまた公知のメッシュ生成技術によって生成されたメッシュであってもよい。
変更部154は、規則系生成部152によって生成された規則系をその規則系の各粒子の運動を支配する支配方程式に基づいて変更する。特に変更部154は、規則系をアモルファス系や多結晶系などの規則系よりもポテンシャル的により安定な系に変化させる。規則系よりもポテンシャル的により安定な系は、規則系よりも自発的な変化が進んだ系と言うこともできる。あるいはまた、規則系よりも時が経過した系と言うこともできる。
例えば変更部154は、規則系生成部152によって生成された規則系を温度の変化などの所定の緩和計算条件と共に後述の数値演算部120にインプットとして与える。数値演算部120は、規則系生成部152によって生成された規則系の状態を初期状態として、離散化された粒子の運動方程式を使用して繰り返し演算を行う。変更部154は、定常状態に達するなど数値演算部120において演算が十分に繰り返されると、数値演算部120から繰り返し演算の結果得られた系の情報を変更後の系の情報として取得する。すなわち、変更部154は初期状態から十分に時間が経過し緩和された後の系の情報を変更後の系の情報として取得する。
所定の緩和計算条件を例えば数値演算部120における繰り返し演算において系を一旦高い温度にした後急冷することに設定すると、変更後の系としてアモルファス系を得ることができる。また所定の緩和計算条件を例えば数値演算部120における繰り返し演算において系を一旦高い温度にした後緩やかに冷却することに設定すると、変更後の系として多結晶系を得ることができる。
なお、変更部154は規則系生成部152によって生成された規則系をその規則系の粒子の運動方程式に基づいて自身が変更してもよい。あるいはまた、変更部154は、規則系生成部152によって生成された規則系の情報を外部の演算装置(不図示)に送信し、その外部の演算装置で規則系の粒子の運動方程式に基づいて演算された結果の情報をその外部の演算装置から変更後の系の情報として取得してもよい。
前置生成部150は、規則系生成部152によって生成された規則系または変更部154によって変更された系をインゴッド粒子系SIとして生成する。
領域指定部112は、入力情報から対象の形状の情報を取得する。領域指定部112は、粒子系Sとして、前置生成部150によって生成されたインゴッド粒子系SIのなかに、取得された対象の形状を有する領域を指定する。
図5は、領域指定部112によって図4に示される多結晶系306のなかに指定された領域308を示す模式図である。対象はインボリュートの平歯車であり、したがって領域指定部112はそのような平歯車の形状を有する領域308を多結晶系306のなかに指定する。
領域指定部112は、指定された領域に以降の演算のための所定の処理を施してもよい。
図6は、図5に示される指定された領域308に剛体310、312、314を埋め込むことによって生成される粒子系316を示す模式図である。剛体310、312、314は粒子系316に回転のための外力を加えるために設けられる。
図1に戻る。
以下では粒子系Sの粒子は全て同質または同等なものとして設定され、かつ、ポテンシャルエネルギ関数は2体のポテンシャルであって粒子によらずに同じ形を有するものとして設定される場合について説明する。しかしながら、他の場合にも本実施の形態に係る技術的思想を適用できることは、本明細書に触れた当業者には明らかである。
数値演算部120は、モデル生成部110によって生成された粒子系Sおよび場合によっては規則系生成部152によって生成された規則系について、その系の各粒子の運動を支配する支配方程式を数値的に演算する。特に数値演算部120は、離散化された粒子の運動方程式にしたがった繰り返し演算を行う。数値演算部120は、力演算部122と、粒子状態演算部124と、状態更新部126と、終了条件判定部128と、を含む。
力演算部122は記憶部140に記憶される粒子系Sの情報を参照し、粒子系Sの各粒子について、粒子間の距離に基づきその粒子に働く力を演算する。力演算部122は、粒子系Sのi番目(1≦i≦N)の粒子について、そのi番目の粒子との距離が所定のカットオフ距離よりも小さな粒子(以下、近接粒子と称す)を決定する。力演算部122は、各近接粒子について、その近接粒子とi番目の粒子との間のポテンシャルエネルギ関数およびその近接粒子とi番目の粒子との距離に基づいて、その近接粒子がi番目の粒子に及ぼす力を演算する。特に力演算部122は、その近接粒子とi番目の粒子との距離の値におけるポテンシャルエネルギ関数のグラジエント(Gradient)の値から力を算出する。力演算部122は、近接粒子がi番目の粒子に及ぼす力を全ての近接粒子について足し合わせることによって、i番目の粒子に働く力を算出する。
粒子状態演算部124は記憶部140に記憶される粒子系Sの情報を参照し、粒子系Sの各粒子について、離散化された粒子の運動方程式に力演算部122によって演算された力を適用することによって粒子の位置および速度のうちの少なくともひとつを演算する。本実施の形態では、粒子状態演算部124は粒子の位置および速度の両方を演算する。
粒子状態演算部124は、力演算部122によって演算された力を含む離散化された粒子の運動方程式から粒子の速度を演算する。粒子状態演算部124は、粒子系Sのi番目の粒子について、蛙跳び法やオイラー法などの所定の数値解析の手法に基づき所定の微小な時間刻みΔtを使用して離散化された粒子の運動方程式に、力演算部122によって演算された力を代入することによって、粒子の速度を演算する。この演算には以前の繰り返し演算のステップで演算された粒子の速度が使用される。
粒子状態演算部124は、演算された粒子の速度に基づいて粒子の位置を算出する。粒子状態演算部124は、粒子系Sのi番目の粒子について、所定の数値解析の手法に基づき時間刻みΔtを使用して離散化された粒子の位置と速度の関係式に、演算された粒子の速度を適用することによって、粒子の位置を演算する。この演算には以前の繰り返し演算のステップで演算された粒子の位置が使用される。
状態更新部126は、記憶部140に記憶される粒子系Sの各粒子の位置および速度のそれぞれを、粒子状態演算部124によって演算された位置および速度で更新する。
終了条件判定部128は、数値演算部120における繰り返し演算を終了すべきか否かを判定する。繰り返し演算を終了すべき終了条件は、例えば繰り返し演算が所定の回数行われたことや、粒子系Sが定常状態に達したことや、外部から終了の指示を受け付けたことである。終了条件判定部128は、終了条件が満たされる場合、数値演算部120における繰り返し演算を終了させる。終了条件判定部128は、終了条件が満たされない場合、処理を力演算部122に戻す。すると力演算部122は、状態更新部126によって更新された粒子の位置で再び力を演算する。
結果提示部130は、モデル生成部110によって生成された粒子系Sの解析結果をユーザに提示する。結果提示部130は、物理量演算部132と、再スケーリング部134と、描画制御部136と、を含む。
物理量演算部132は、数値演算部120における繰り返し演算が終了した後、記憶部140に記憶される粒子系Sの情報に基づき粒子系Sの各種物理量、例えば温度や圧力や応力などを演算する。
再スケーリング部134は、モデル生成部110において粒子系Sの粒子が繰り込まれた系の粒子とされた場合、物理量演算部132によって演算された物理量を繰り込まれる前の系の物理量に変換する。特に再スケーリング部134は、物理量演算部132によって演算された物理量に、物理量ごとに定まるスケーリング係数を乗じることによって繰り込まれる前の系の物理量を得る。物理量には応力や温度など繰り込み変換に際して不変となる物理量もあり、そのような物理量についてはスケーリング係数として1(変換前後で不変)が設定される。再スケーリング部134は、変換された物理量を出力装置104に表示させる。
描画制御部136は、力演算部122における繰り返し演算が終了した後、記憶部140に記憶される粒子系Sの各粒子の位置、速度の情報に基づき、出力装置104に粒子系Sの時間発展や定常状態の様子をグラフィカルに表示させる。
上述の実施の形態において、記憶部140の例は、ハードディスクやメモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶するメモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
以上の構成による解析装置100の動作を説明する。
図7は、解析装置100における一連の処理の一例を示すフローチャートである。規則系生成部152は規則系を生成する(S202)。変更部154は、生成された規則系の緩和計算を数値演算部120に実施させる(S204)。領域指定部112は、解析すべき粒子系として、緩和計算の結果得られる系のなかに対象の形状を有する領域を指定する(S206)。力演算部122は、粒子間の距離から粒子に働く力を演算する(S208)。粒子状態演算部124は、演算された力を含む粒子の運動方程式から速度を演算する(S210)。粒子状態演算部124は、演算された速度から粒子の位置を算出する(S212)。状態更新部126は、記憶部140に記憶される粒子の位置を算出された位置で更新する(S214)。終了条件判定部128は、終了条件が満たされるか否かを判定する(S216)。終了条件が満たされない場合(S216のN)、処理はS208に戻される。終了条件が満たされる場合(S216のY)、結果提示部130は演算結果をユーザに提示する(S218)。
本実施の形態に係る解析装置100によると、粒子系Sよりも大きなインゴッド粒子系SIがまず生成され、そのインゴッド粒子系SIのなかに粒子系Sとなるべき領域が指定される。これにより、粒子系Sの数値演算において、粒子の移動による予期されない粒子系Sの形状の変化を低減できる。
また、本実施の形態に係る解析装置100において、領域指定部112が変更部154によって変更された系のなかから粒子系Sを生成する場合、変更部154によって変更された系すなわちインゴッド粒子系SIを十分に緩和計算が行われた系とすることができる。そのような系は例えば図3に示されるアモルファス系304や図4に示される多結晶系306である。この場合、緩和計算によって各粒子はポテンシャル的に最安定となるまたは最安定に近い位置に移動してしまうので、インゴッド粒子系SIから切り出された粒子系Sの大半の粒子はポテンシャル的に最安定となるまたは最安定に近い位置に配置されることとなる。したがって、粒子系Sの数値演算において、系全体がポテンシャル的に最安定となろうとすることによる粒子の予期されない移動は制限され、そのような移動による形状の変化も抑えられる。その結果、よりポテンシャル的に安定な粒子系Sを生成できる。
例えば、本実施の形態に係る解析装置100によると、図4に示される多結晶系306に対して図5に示されるように「型」を嵌め込み、余分な粒子を削ることで図6に示されるような複雑な形状の粒子系316が得られる。本発明者の検討によると、このようにして生成された粒子系316に含まれる粒子はポテンシャル的にほぼ安定位置にあり、多少の表面再構成はあるものの形状を崩すほどの粒子の移動は見られなかった。
また、本実施の形態に係る解析装置100において、変更部154が規則系生成部152によって生成された規則系を多結晶系などの非一様性が現れる系に変更し、領域指定部112がそのような非一様性が現れる系から粒子系Sを切り出す場合、より自然に粒子系Sに非一様性を導入できる。一般的に多くの金属やセラミックは多結晶体であり、解析装置100の解析対象となるものの材質は非一様性を有することが多い。本実施の形態に係る解析装置100ではこの非一様性も含めて粒子系Sを生成できるので、より忠実なシミュレーションが可能となる。
粒子系の形状を決めてから粒子をその中に配置していく従来の方法では上述の通り粒子系の形状を保つのでさえ困難であるから、その粒子系に最初から非一様性を導入することは非現実的である。これに対して本実施の形態に係る解析装置100では、より自然にそのような非一様性を粒子系に導入できるのである。
本実施の形態に係る解析装置100では、図3に示されるアモルファス系304や図4に示される多結晶系306など、緩和計算条件に応じて多種多様なインゴッド粒子系SIを生成できる。歯車などの機械的な構造物は、実際に金属の母材から切削加工等によって所定の形状に形成される場合がある。本実施の形態に係る解析装置100によると、そのような機械的な構造物をシミュレートする際、その機械的な構造物が所定の形状に形成される前の段階の状態を記述するインゴッド粒子系SIを生成できる。例えば、解析装置100は金属の母材を記述する多結晶系を生成できる。解析装置100においてこのように用意されたインゴッド粒子系SIから所定の形状を有する粒子系Sを切り出して解析することにより、形状的により安定な粒子系Sを生成でき、かつ対象に合わせたより現実的なシミュレーションが可能となる。
図8は、インボリュートの平歯車を記述する図6に示される粒子系を2つ使用した動解析の結果を示す模式図である。図8におけるグレースケールは応力の大きさを示す。黒色の矢印は時間経過を示す。白抜きの矢印は、2つある平歯車の右側が回転(入力側)することを示す。左側の歯車は右側の歯車の回転を受けて受動的に回転する。
この結果から、多結晶の粒界での応力が大きく出ていることが分かる。これは、多結晶では粒界に沿った滑りが生じやすいという知見と合致する。したがって、本実施の形態に係る解析装置100によると、対象の疲労や破壊現象をより現実的に評価できる。
本発明者は、MD法では複雑な形状を有する系を作成する必要はないが、今後RMD法の適用範囲が広がるにつれて、複雑な形状を有する系を作成する方法は重要になってくると考える。本実施の形態に係る解析装置100は複雑な形状を有しかつ安定な系を自然な形で生成できるので、そのような状況により好適に対応できる。
以上、実施の形態に係る解析装置100の構成と動作について説明した。これらの実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
100 解析装置、 102 入力装置、 104 出力装置、 110 モデル生成部、 112 領域指定部、 120 数値演算部、 130 結果提示部、 140 記憶部、 150 前置生成部、 152 規則系生成部、 154 変更部。

Claims (5)

  1. 所定の形状を有する対象を解析する解析装置であって、
    複数の粒子を含む系を生成する前置生成部と、
    前記対象を記述する系として、前記前置生成部によって生成された系のなかに前記所定の形状を有する領域を指定する領域指定部と、
    前記対象を記述する系の各粒子の運動を支配する支配方程式を数値的に演算する数値演算部と、を備えることを特徴とする解析装置。
  2. 前記前置生成部は、
    規則的に配置された複数の粒子を含む系を生成する規則系生成部と、
    前記規則系生成部によって生成された系をその系の各粒子の運動を支配する支配方程式に基づいて変更する変更部と、を含み、
    前記領域指定部は、前記変更部によって変更された系のなかに前記所定の形状を有する領域を指定することを特徴とする請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記変更部は、前記規則系生成部によって生成された系を、それに非一様性が現れるように変更することを特徴とする請求項2に記載の解析装置。
  4. 所定の形状を有する機械的な構造物をシミュレートする際、その機械的な構造物が前記所定の形状に形成される前の段階の状態を記述する複数の粒子を含む系を用意し、用意された系から前記所定の形状を有する系を切り出して解析することを特徴とするシミュレーション方法。
  5. 所定の形状を有する対象を解析する機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムであって、
    複数の粒子を含む系を生成する機能と、
    前記対象を記述する系として、生成された系のなかに前記所定の形状を有する領域を指定する機能と、
    前記対象を記述する系の各粒子の運動を支配する支配方程式を数値的に演算する機能と、を前記コンピュータに実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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