JP2012168385A - 掻取治具、これを備えたコントラスト向上シートの製造装置、およびコントラスト向上シート - Google Patents

掻取治具、これを備えたコントラスト向上シートの製造装置、およびコントラスト向上シート Download PDF

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【課題】スジ不良を低減することができる掻取治具、およびこれを備えたコントラスト向上シートの製造方法を提供する。
【解決手段】表面1aに複数の溝が並設された光透過部1と、光透過部1の溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造に用いられる掻取治具であって、表面1aに複数の溝が並設された光透過部1の表面1aから表面1a上に供給されたインキ組成物を掻き取るための第1の掻取ブレード31と、第1の掻取ブレード31と所定の間隔を置いて配置され、第1の掻取ブレード31による掻き取り後に光透過部1の表面1aに残るインキ組成物をさらに掻き取るための第2の掻取ブレード32と、第2の掻取ブレード32に取り付けられた当板33とを備え、第2の掻取ブレード32の先端32aが第1の掻取ブレード31の先端31aに対して0.25mm以上0.55mm以下突出している。
【選択図】図2

Description

本発明は、掻取治具、これを備えたコントラスト向上シートの製造装置、およびコントラスト向上シートに関する。
液晶表示装置では、通常、観察者がどのような位置から見ても良好な画像が得られるように、視野角が広いことが好まれる。一方、例えば通勤電車の中で仕事をする場合やATM等の公共の場に設置された液晶表示装置では、周りの人から画面を覗かれては困ることがあり、このような場合には液晶表示装置の観察者のみに見え、他人からは見えないようにプライバシーを保護するための覗き見防止機能が求められている。また、カーナビゲーションシステム等の車載型の液晶表示装置においては、夜間などに液晶表示装置の画面が窓ガラスに映り込み、視界を遮る現象がおこるため、映り込み防止機能が求められており、光線出光角度の制御が望まれている。
このような要求に対して、例えば、特開2006−119365号公報(特許文献1)には、光透過層と遮光層とを交互に並べた構造であるルーバータイプの光学シートが提案されており、遮光層として、光透過層を構成する材料にカーボンブラックやカーボンファイバー等の充填材を混合したものを用いることが開示されている。
一方、上記のようなルーバー型の光学シートは、斜め方向の映像光を単純にカットするものであるため、表示装置の種類によっては、観測者に到達させるべき映像光の拡散光源を減少させてしまうことにもなるため、表示画面の輝度が低下する場合があった。
上記の問題を解消するため、外光を遮光してコントラストを向上させ、かつ二重像の発生も減少させることができるコントラスト向上シートを設置することが提案されている。このようなコントラスト向上シートとして種々の構造のものが提案されており、例えば、表面に複数の溝が並設された光透過部と、溝に光透過部よりも屈折率の低い材料とカーボン顔料等とを充填させて形成された光吸収部とを有するものが提案されている(例えば、特開2006−85050号公報等:特許文献2)。
そして、コントラスト向上シートの製造において、電離放射線硬化型樹脂等のレンズ材料に着色樹脂ビーズを混合したインキ組成物を光透過部の溝に充填し、電離放射線を照射して硬化させて光吸収部を形成することが行われている(例えば、国際出願公開公報WO2006/090784:特許文献3)。
インキ組成物の充填は、例えば、表面に複数の溝が並設されたシート状の光透過部を移動させながら、ドクターブレードの上流側よりインキ組成物を光透過部の表面に供給し、ドクターブレードの上流側かつドクターブレードの直近にインキ溜まりを形成しつつ、1枚のドクターブレードで光透過部の表面上のインキ組成物を掻き取ることにより行うことができる。
しかしながら、このような方法により、インキ組成物を充填すると、光吸収部に多数の白スジ不良が発生することがある。また、ピッチスジ不良および黒スジ不良も発生することもある。コントラスト向上シートの外観品質は、画質に直接結び付くため、高い品質が要求される。このため、上記したような白スジ不良等を極力低減することが好ましい。
特開2006−119365号公報 特開2006−85050号公報 国際出願公開公報WO2006/090784
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、白スジ不良、ピッチスジ不良、および黒スジ不良を低減することができる掻取治具、コントラスト向上シートの製造装置およびコントラスト向上シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良を低減させることができることを見出した。ここで、本明細書においては、「白スジ不良」とは、溝にインキ組成物が確実に充填されておらず、光吸収部が一部において凹んでいるものを意味する。「ピッチスジ不良」とは、光吸収部が一部において凹んでおり、そしてこの凹みが線状になっているものを意味する。「黒スジ不良」とは、インク組成物の掻き取り後において光透過部上にインキ組成物が残存しており、そしてそれが線状または点状になっているものを意味する。なお、黒スジ不良は「カブリ」とも呼ばれることもある。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
本発明の一の態様によれば、表面に複数の溝が並設された光透過部と、前記光透過部の前記溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造に用いられる掻取治具であって、表面に複数の溝が並設された光透過部の前記表面から前記表面上に供給されたインキ組成物を掻き取るための第1の掻取ブレードと、前記第1の掻取ブレードと所定の間隔を置いて配置され、前記第1の掻取ブレードによる掻き取り後に前記光透過部の前記表面に残る前記インキ組成物をさらに掻き取るための第2の掻取ブレードと、前記第2の掻取ブレードに取り付けられた当板とを備え、前記第2の掻取ブレードの先端が前記第1の掻取ブレードの先端に対して0.25mm以上0.55mm以下突出していることを特徴とする、掻取治具が提供される。
本発明の他の態様によれば、表面に複数の溝が並設された光透過部と、前記光透過部の前記溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造装置であって、上記の掻取治具を備えることを特徴とする、コントラスト向上シートの製造装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、表面に複数の溝が並設された光透過部と、前記光透過部の前記溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造方法であって、表面に複数の溝が並設されたシート状の光透過部を移動させながら、前記光透過部の前記表面にインキ組成物を連続的に供給し、前記インキ組成物の供給位置よりも下流側に配置された第1の掻取ブレードの上流側かつ前記第1の掻取ブレードの直近にインキ組成物を含むインキ溜まりを形成しつつ、前記光透過部の表面上の前記インキ組成物を、前記第1の掻取ブレードおよび前記第1の掻取ブレードよりも下流側に前記第1の掻取ブレードと所定の間隔を置いて配置され、当板が取り付けられた第2の掻取ブレードにより掻き取る工程とを備え、前記インキ組成物の掻き取りは、前記第2の掻取ブレードの先端が前記第1の掻取ブレードの先端に対して0.25mm以上0.55mm以下突出し、前記第1の掻取ブレードの先端が前記光透過部の表面に接触し、かつ前記第2の掻取ブレードの先端が前記光透過部の表面から離間した状態で行われることを特徴とする、コントラスト向上シートの製造方法が提供される。
本発明の一の態様の掻取治具および本発明の他の態様のコントラスト向上シートの製造装置によれば、第1の掻取ブレードの先端が光透過部の表面に接触し、かつ第2の掻取ブレードの先端が光透過部の表面から離間するように掻取治具を配置した場合には、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良を低減させることができる。また、本発明の他の態様のコントラスト向上シート製造方法によれば、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良を低減させることができる。
実施形態に係るコントラスト向上シートの製造装置の一部を模式的に示した図である。 実施形態に係る掻取治具の断面図である。 実施形態に係る掻取治具の側面図である。 実施形態に係るコントラスト向上シートの製造工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る光透過部の形成工程を模式的に示した図である。 実施形態に係る粘着層および剥離層を有する基材を示した図である。 実施形態に係る掻取治具によるインク組成物の掻き取りの様子を模式的に示した図である。 実施形態に係るコントラスト向上シートを備えた表示装置の断面図である。
<掻取治具およびコントラスト向上シートの製造装置>
まず、本発明による掻取治具およびコントラスト向上シートの製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係るコントラスト向上シートの製造装置の一部を模式的に示した図であり、図2は本実施形態に係る掻取治具の断面図であり、図3は本実施形態に係る掻取治具の側面図である。なお、図1中の矢印Aは光透過部の移動方向を表すものであり、矢印Bはインキ組成物の循環方向を表すものである。
コントラスト向上シートの製造装置は、図1に示される充填装置10を備えている。充填装置10は、表面1aに溝1bが並設された光透過部1の溝1bにインキ組成物2を充填させるためのものであり、主に、供給部20と、掻取治具30と、インキ循環系40と、搬送系(図示せず)とを備えている。
供給部20は、インキ組成物2を光透過部1の表面1aに供給するためのものである。供給部20は、光透過部1の幅方向においてインキ組成物2を均一に供給できるものであることが好ましい。
供給部20としては、ダイコーター、バーコーター、ロールコーター、またはナイフコーターが挙げられるが、これらの中でも、光透過部1の幅方向においてインキ組成物2を光透過部1の表面1aに均一に供給できるダイコーターが好ましい。
掻取治具30は、供給部20によるインキ組成物2の供給位置よりも下流側に配置されている。掻取治具30は、図1〜図3に示されるように光透過部1の表面1a上に供給されたインキ組成物2を掻き取る第1の掻取ブレード31、第1の掻取ブレード31による掻き取り後に光透過部1の表面1aに残るインキ組成物2をさらに掻き取る第2の掻取ブレード32、第2の掻取ブレード32に取り付けられた当板33、第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32を保持するホルダ34等を備えている。
第2の掻取ブレード32は、図2に示されるように第1の掻取ブレード31よりも光透過部1の移動方向に対して下流側に配置される。また、第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32は、溝1bの延在方向と直交するように配置されている。
第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32は薄板状のものであり、第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32の厚さは約200μm程度とすることができる。第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32としては例えばドクターブレード等を用いることができる。
図2に示されるように、第1の掻取ブレード31は、第1の掻取ブレード31の先端31aが光透過部1の表面1aに接触するように配置されており、第2の掻取ブレード32は、第2の掻取ブレード32の先端32aが光透過部1の表面1aから離間するようにホルダ34に保持されている。
第2の掻取ブレード32の先端32aは第1の掻取ブレード31の先端31aに対して0.25mm以上0.55mm以下突き出している。ここで、第2の掻取ブレード32の先端32aが、第1の掻取ブレード31の先端31aよりも0.25mm以上0.55mm以下突き出しているとは、図2に示される突き出し長さLが0.25mm以上0.55mm以下であることを意味する。
図2に示される第1の掻取ブレード31と第2の掻取ブレード32との間の間隔dは、0.05〜2mmであることが好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、この間隔dが0.05mm未満であると、第1の掻取ブレード31と第2の掻取ブレード32が重なってしまい、インキ組成物2の掻き取りが不十分となるおそれがある。またこの間隔dが2mmを超えると、第1の掻取ブレード31と第2の掻取ブレード32の間にインキ組成物2が詰まってしまい、ピッチスジの原因となるおそれがあるからである。
図2に示される光透過部1の表面1aに対する第1の掻取ブレード31の先端部31bおよび第2の掻取ブレード32の先端部32bの角度α、βは、40°〜70°であることが好ましく、50°〜65°であることがより好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、角度α、βが40°未満であると、インキ組成物2の掻き取りが不十分となるおそれがあるからであり、また角度α、βが70°を超えると、第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32による掻き取り効率は向上するものの、インキ組成物2に接触する第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32の面積が小さくなるので、黒スジ不良が発生するおそれがあるからである。
図2に示される当板33は、第2の掻取ブレード32における第1の掻取ブレード側の面32cとは反対側の面32dに取り付けられている。当板33を構成する材料は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼等を用いることができる。当板33の厚さは、150〜1000μmであることが好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、当板33の厚さが150μm未満であると、当板33の剛性が不十分となり黒スジが発生しやすくなるおそれあるからであり、また当板33の厚さが1000μmを超えると、当板33の剛性が必要以上となり、第2の掻取ブレード32のしなりを利用することができなくなり、インキ組成物2の充填率が低下するおそれがあるからである。
当板33は、第2の掻取ブレード32における当板33により覆われていない部分の縦方向の長さ、すなわち図2に示される当板33の下端33aから第2の掻取ブレード32の先端32aまでの長さLが1〜10mmとなるように配置されていることが好ましく、さらに3〜7mmとなるように配置されていることがより好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、長さLが1mm未満であると、当板33による剛性向上により第2の掻取ブレード32のしなりを利用することができなくなるため、インキ組成物2の充填率が低下するおそれがあるからであり、また長さLが10mmを超えると、当板33の剛性が不十分となり黒スジが発生しやすくなるおそれがあるからである。
ホルダ34は、図1および図2に示されるように、第1の掻取ブレード31等を保持する保持部35と、保持部35の幅方向における両方の端部35aに設けられ、保持部35の端部35aよりもインキ組成物2の掻き取り側、すなわち上流側に突き出た堰部36とを備えている。堰部36は、後述するインキ溜まり2aを保持するためのものである。堰部36を設けることにより、効率良くインキ溜まり2aを保持することができる。
堰部36は、インキ溜まり2aを構成するインキ組成物2の一部を吸引するための吸引孔36aを有している。吸引孔36aの直径は、10〜16mmであることが好ましい。この数値範囲が好ましいとしたのは、この直径が10mm未満であると、インキ組成物2を吸引するのに多大な時間を要するからであり、またこの直径が16mmを超えると、過剰にインキ組成物2を吸引してしまうからである。
吸引孔36aは堰部36の底面36bおよび側面のいずれかに形成されているが、インキ溜まり2aの液面安定性を考慮すると、堰部36の底面36bに形成されていることが好ましい。図3においては、吸引孔36aは堰部36の底面36bから堰部36の外側側面36cに形成されており、底面36b側から吸引されたインキ組成物2は外側側面36cの吸引孔36aから排出されるようになっている。また、図3に示されるように、吸引孔36aが堰部36の底面36bに形成されている場合には、堰部36は、インキ組成物2を吸引可能なように堰部36の底面36bと光透過部1の表面1aとの間に若干隙間を有するよう配置されることが好ましい。
外側側面36cの吸引孔36aには、図1に示されるインキ循環系40が接続されている。インキ循環系40は、エア吸引クリーナ等のクリーナ41、ダイアフラムポンプ等のポンプ42、43、混合タンク44、未使用インキ組成物貯留タンク45およびフィルタ46等を備えている。
クリーナ41は、インキ組成物2を吸引するためのものであり、ポンプ42の前段に配置されている。ポンプ42は、クリーナ41内のインキ組成物2を搬送し、混合タンク44に送出するためのものである。混合タンク44は、回収された使用済みのインキ組成物と、未使用インキ組成物貯留タンク45に貯留されている未使用のインキ組成物2bとを混合するためのものである。
混合タンク44においては、使用済みのインキ組成物と、未使用のインキ組成物2bとは、混合比が1:4〜4:1となるように混合されることが好ましい。また、混合タンク44においては、混合後のインキ組成物2の粘度が好ましくは2500〜5000mPa・sとなるように、より好ましくは3000〜4000mPa・sとなるようにインキ組成物2の粘度が調整される。この数値範囲が好ましいとしたのは、インキ組成物2の粘度が2500mPa・s未満であると、溝にインキ組成物2が充填させることが困難となるおそれがあり、またインキ組成物2の粘度が5000mPa・sを超えると、インキ組成物2を吸引することが困難となるおそれがある。
ポンプ43は、混合タンク44内の混合後のインキ組成物2を供給部20に送出するためのものであり、フィルタ46はポンプ43と供給部20との間に介在している。搬送系は、光透過部1を搬送するためのものであり、例えば搬送ロール等から構成されている。
次に、光透過部1およびインキ組成物2について説明する。図1に示される光透過部1は基材3上に形成されている。図1に示される溝1bは基材3側に向けて先細る略台形状となっている。溝1bは、略台形状に限られず、例えば、略V字状または略矩形状に形成されていてもよい。溝1bは光透過部1の長手方向に沿って延在している。
基材3は、光透過部1や後述する光吸収部4を形成するためのベースとなる層である。基材3としては、透明樹脂フィルム、透明樹脂板、透明樹脂シートや透明ガラスを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系フィルム、ジアセチルセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルロニトリルフィルム等を好適に使用できるが、これらの中でも、ポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。ポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートの他、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。
インキ組成物2は、透明な電離放射線樹脂組成物と光吸収粒子とを含むものである。電離放射線硬化型樹脂組成物としては、従来公知の視認性向上シートや視野角向上シート等に用いられる電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることができる。例えば、アクリレート系の官能基を有するものを好適に使用することができ、具体的には、比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の(メタ)アルリレート等のオリゴマー又はプレポリマーを挙げることができる。なお、視認性向上シートの光透過部を構成する材料にもよるが、これらの樹脂のなかなら光透過部を構成する材料よりも屈折率の小さい樹脂を選択すればよい。
また、上記樹脂組成物中には、反応性希釈剤を添加してもよく、このような反応性希釈剤としては、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマーを使用してもよく、具体的は、リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線硬化型樹脂組成物とするには、組成物中に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等を混合して用いることができる。特に本発明では、オリゴマーとしてウレタンアクリレート、モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を混合するのが好ましい。
光吸収粒子としては、樹脂ビーズやガラスビーズに、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収できる光吸収粒子を使用してもよく、カーボンブラック、グラファイト、繊維状炭素、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等の着色剤を練り込んだものを使用することができる。着色剤の練り込み易さの観点からは、樹脂ビーズを用いることが好ましい。樹脂ビーズとしては、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ、塩ビビーズ等を好適に使用することができる。また、ウレタン架橋微粒子やシリコン系ビーズも好適に使用できる。これらの樹脂ビーズは、上記した電離放射線硬化型樹脂組成物の屈折率差が0.1程度のものを用いることが好ましい。また、着色剤を練り込む前の樹脂としては、透明な樹脂でも使用できるが、顔料または染料等で着色された樹脂を用いることが好ましく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収するものであってよいが、好ましくは黒色に着色された樹脂ビーズが用いられる。
着色剤としては、上記したもののなかでもカーボンブラックが好適に使用できる。樹脂ビーズへのカーボンブラックの練り込み量は、樹脂ビーズ1質量部に対してカーボンブラックを0.1〜0.7質量部程度であり、好ましくは0.15〜0.5質量部、より好ましくは0.2〜0.35質量部である。カーボンブラックの練り込み量が0.7質量部よりも多いと樹脂ビーズが割れやすくなる場合があり、一方、0.1質量部よりも少ないと、所望の黒色性を有する光吸収粒子を得られない場合がある。また、カーボンブラックは、平均粒子径が10〜500nmのものを好適に使用することができ、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー等が使用できる。また、市販のものを使用することもでき、例えば、HCFシリーズ、MCFシリーズ、RCFシリーズ、LFFシリーズ(いずれも三菱化学株式会社製)、バルカンシリーズ(キャボット社製)、ケッチェンシリーズ(ライオン株式会社製)を好適に使用することができる。なお、ここでの平均粒子径とは、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径を意味する。
電離放射線硬化型樹脂組成物への光吸収粒子の分散性を向上させるために、光吸収粒子を表面処理しておくこともできる。表面処理としては、従来公知のシリカコーティングによる親水処理や、プラズマ等による表面改質が挙げられる。
上記した各成分を含むインキ組成物2は、電離放射線硬化型樹脂組成物に、所定量の光吸収粒子を混合し、所望により重合開始剤等を添加することにより調製される。光吸収粒子の添加量は、インキ組成物の全質量に対して15〜35%の範囲とすることが好ましく、この範囲とすることにより、よりコントラストに優れるコントラスト向上シートを実現することができる。光吸収粒子の含有量が少なすぎると、光吸収部の光遮光性が不十分となる場合があり、光吸収粒子の含有量が多すぎると、樹脂ビーズどうしが接触し割れや欠けの問題が発生し易くなる。
<コントラスト向上シートの製造方法>
次に、本発明による掻取治具30を用いたコントラスト向上シートの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図4は本実施形態に係るコントラスト向上シートの製造工程を模式的に示した図であり、図5は本実施形態に係る光透過部の形成工程を模式的に示した図であり、図6は本実施形態に係る粘着層および剥離層を有する基材を示した図であり、図7は本実施形態に係る掻取治具によるインク組成物の掻き取りの様子を模式的に示した図である。
まず、基材3上に、層厚方向断面において複数の溝1bが並設された光透過部1を形成する(図4(a))。
光透過部1の形成は、使用する樹脂の種類によって異なる。例えば、光透過部1を透明な熱可塑性樹脂を用いて形成する場合には、加熱した金型を熱可塑性樹脂に押圧する熱プレス法や射出成型法、金型内に熱可塑性樹脂モノマーを注入して重合・固化させるキャスティング法等によって、光透過部1を形成することができる。また、電離放射線硬化型樹脂、特に紫外線硬化型樹脂を用いる場合には、当該樹脂を成形型内に注入して紫外線を照射して硬化させる、いわゆるUV法によって、光透過部1を形成することができる。これらの方法の中でも、本発明においては、量産性に優れるUV法が好適に使用できる。UV法によれば、金型ロールを用いて、光透過部1を連続的に製造することができる。
具体的には、例えば、図5に示されるように、所定ピッチで光透過部1の形に対応した形の溝を有する金型ロール50と、ニップロール51との間に基材3を送り込む。図5中の矢印は、基材3を送り込む方向を表したものである。基材3の送り込みに合わせて、金型ロール50と基材3との間に供給部52から例えば紫外線硬化型樹脂等を含む光透過部形成用組成物53の液滴を供給し続ける。供給部52から基材3上に光透過部形成用組成物53を供給するとき、金型ロール50と基材3との間に、光透過部形成用組成物53が溜まった組成物溜まり54が形成されるようにする。この組成物溜まり54を形成することによって、光透過部形成用組成物53が基材3の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール50と基材3との間に供給された光透過部形成用組成物53は、金型ロール50とニップロール51との間の押圧力により、基材3と金型ロール50との間に充填される。その後、電離放射線照射装置55によって光透過部形成用組成物53に紫外線を照射し、光透過部形成用組成物53を硬化させて、光透過部1を形成する。光透過部1を形成した後、剥離ロール56を介して、金型ロール50から光透過部1を引き剥がす。
金型ロール50に送り込まれる基材3は、図6に示されるように粘着層6および剥離層7を備えていてもよい。粘着層6は、コントラスト向上シートを表示装置の表示部に接着させるためのものである。粘着層6に用いられる粘着剤は光を透過するとともに、適切に光学シートを他に接着させることができれば、その材料は特に限定されるものではない。粘着剤としては、例えばアクリル系の共重合体を挙げることができる。
剥離層7は、取扱時に粘着層6が他に接触しないようにするためのものであり、粘着層6上に形成されている。剥離層7としては、特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等が挙げられる。
なお、次のインキ組成物の充填工程の前に、光透過部1の溝1bの表面に親水化処理を行っておくことが好ましい。溝1bの表面を親水化処理を行うことにより、溝1bへインキ組成物をより充填し易くなり、インキ充填率が向上する。親水化処理は、従来公知の方法を好適を用いて行うことができる。例えば、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、エキシマランプ処理等のドライプロセスや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、エタノールアミン等によるアルカリ処理等のウエットプロセスが挙げられる。これらの中でも、大気圧プラズマ処理が、製造効率の観点から好ましい。
基材3上に光透過部1を形成した後、充填装置10を用いて、溝1b内にインキ組成物2を充填する(図4(b))。
具体的には、まず、図1に示されるように供給部20および掻取治具30に対して、搬送系によりシート状の光透過部1を基材3とともに移動させながら、光透過部1の表面1aに供給部20からインキ組成物2を連続的に供給し、供給部20の下流に位置する掻取治具30により光透過部1の表面1a上のインキ組成物2を掻き取る。これにより、溝1bにインキ組成物2が充填されるとともに、光透過部1の表面1aに存在する余剰のインキ組成物2が掻き取られる。
ここで、インキ組成物2の供給は、図7に示されるように、第1の掻取ブレード31の上流側かつ第1の掻取ブレード31の直近にインキ組成物2を含むインキ溜まり2aが形成されるように行われる。具体的には、インキ溜まり2aは、供給部20から比較的過剰にインキ組成物2を光透過部1の表面1aに供給することにより形成することができる。
また、掻取治具30による掻き取りは、まず第1の掻取ブレード31により光透過部の表面1a上のインキ組成物2を掻き取り、次いで第2の掻取ブレード32により光透過部1の表面1aに残るインキ組成物2をさらに掻き取ることにより行われる。
さらに、供給部20からのインキ組成物2の供給および掻取治具30によるインキ組成物2の掻き取りを行いながら、インキ溜まり2aを構成するインキ組成物2の一部を堰部36の吸引孔36aを介して底面36b側からクリーナ41により吸引する。堰部36の吸引孔36aから吸引された使用済みのインキ組成物は、ポンプ42により、混合タンク44に送られる。
混合タンク44に送られた使用済みのインキ組成物は、混合タンク44にて、未使用のインキ組成物2bと混合され、その後、ポンプ43によりフィルタ46を介して供給部20に送られる。そして、再び、供給部20から光透過部1の表面1aに供給される。
溝1bにインキ組成物2を充填した後、電離放射線を放射して、溝1b内のインキ組成物2を硬化させて、略台形の断面形状を有する光吸収部4を形成する(図4(c))。これにより、コントラスト向上シート5が作製される。インキ組成物2の硬化方法としては、通常の硬化方法、即ち、電子線又は紫外線の照射によって硬化することができる。例えば、電子線硬化の場合には、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速機から放出される50〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
本実施形態の掻取治具30およびコントラスト向上シート5の製造方法によれば、掻取治具30は、2枚の掻取ブレード、すなわち第1の掻取ブレード31および第2の掻取ブレード32を備えているので、第1の掻取ブレード31により光透過部1の表面1a上のインキ組成物2を掻き取って、溝1bにインキ組成物を充填した後に、さらに第2の掻取ブレードにより光透過部1の表面1aに残存するインキ組成物を掻き取って、溝1bにインキ組成物2を充填することができる。これにより、確実に溝1bにインキ組成物2を充填することができるので、白スジを低減させることができる。
本実施形態の掻取治具30およびコントラスト向上シート5の製造方法によれば、以下の理由から、ピッチスジ不良および黒スジ不良を低減することができる。
例えば、第2の掻取ブレードの先端が第1の掻取ブレードの先端よりも0.55mmを超えて突き出るように調整して、第1の掻取ブレードの先端が光透過部の表面から離間するように第1の掻取ブレードを配置し、かつ第2の掻取ブレードの先端が光透過部の表面に接触するように第2の掻取ブレードを配置した場合には、第1の掻取ブレードと光透過部の表面との間の隙間に、インキ組成物が滞留し、または詰まってしまい、インキ組成物の濃度ムラが形成され、これにより、光吸収部にピッチスジ不良が発生するおそれがある。
また、第2の掻取ブレードの先端が第1の掻取ブレードの先端よりも0.25mm未満突き出るように調整して、第1の掻取ブレードの先端が光透過部の表面に接触するように第1の掻取ブレードを配置し、かつ第2の掻取ブレードの先端が光透過部の表面から離間するように第2の掻取ブレードを配置した場合には、第2の掻取ブレードによる掻き取り性が劣り、光透過部上にインキ組成物が残存し、黒スジ不良が発生するおそれがある。
さらに、第2の掻取ブレードの先端が第1の掻取ブレードの先端よりも0.25mm以上0.55mm以下突き出るように調整した場合であっても、第1の掻取ブレードの先端が光透過部の表面に接触するように第1の掻取ブレードを配置し、かつ第2の掻取ブレードの先端が光透過部の表面に接触するように第2の掻取ブレードを配置した場合には、第1の掻取ブレードが光透過部の表面に押し込まれた状態となるので、第2の掻取ブレードによる掻き取り性が劣り、黒スジ不良が発生するおそれがある。
これに対し、本実施形態においては、第2の掻取ブレード32の先端32aを第1の掻取ブレード31の先端31aよりも0.25mm以上0.55mm以下突き出るように調整し、第1の掻取ブレード31の先端31aが光透過部1の表面1aに接触するように第1の掻取ブレード31を配置し、かつ第2の掻取ブレード32の先端32aが光透過部1の表面1aから離間するように第2の掻取ブレード32を配置しているので、第1の掻取ブレード31と光透過部1の表面1aとの間の隙間におけるインキ組成物2の滞留または詰まりを低減することができる。これにより、ピッチスジ不良を低減することができる。また、第2の掻取ブレード32には当板33が取り付けられているので、光透過部1の移動による第2の掻取ブレード32の移動を抑制することができ、第2の掻取ブレード32による掻き取り性を向上させることができる。これにより、黒スジ不良を低減することができる。
また、インキ溜まりを形成すると、時間が経つにつれてインキ溜まりを構成するインキ組成物の粘度が上昇し、またはインキ溜まり中に粘度ムラが生じてしまい、これらが充填ムラおよびピッチスジ不良の一因となる。これに対し、本実施形態によれば、インキ組成物2を連続的に供給しながら、インキ溜まり2aを構成するインキ組成物2の一部を吸引するので、インキ溜まり2aを構成するインキ組成物2の粘度上昇および粘度ムラを抑制することができる。これにより、充填ムラおよびピッチスジ不良を低減することができる。
インキ溜まりを構成するインキ組成物の粘度上昇は、インキ組成物の短寿命化引き起こすが、本実施形態によれば、インキ溜まり2aを構成するインキ組成物2の一部を吸引しているので、インキ組成物2の粘度上昇を抑制することができ、インキ組成物2の長寿命化を図ることができる。
<コントラスト向上シート>
上記のようにして得られたコントラスト向上シート5は、基材3と、基材3上に形成され、かつ複数の溝1bが並設された光透過部1と、溝1b内に形成された光吸収部4とを備えている。
光吸収部4は、光透過部1の屈折率と同じかまたは小さい屈折率を有する。光透過部1と光吸収部4との屈折率が上記のような関係となることにより、所定条件で光透過部1に入射した光源からの映像光を光吸収部4と光透過部1との境界面で適切に反射させ、観測者に明るい映像を提供することができる。また、観測者側からの外光の一部を吸収するため、コントラストも向上する。また、光透過部1と光吸収部4との境界面で反射せずに、光吸収部4の内側に入射した迷光が、光吸収部4中の光吸収材によって吸収される。また、所定角度で入射した観測者側からの外光を適切に吸収することができるため、コントラストを向上させることもできる。
また、コントラスト向上シートを2層重ね合わせてもよく、その場合、各コントラスト向上シートで異なった構造となるようにしてもよい。例えば、1層目のコントラスト向上シートと2層目のコントラスト向上シートとで、光吸収部の幅やピッチ、深さ、形状を変えたり、光吸収部の厚み方向の向きを変えたり、映像光に対する光吸収部のバイアス角度(水平方向に対する光吸収部の傾斜角度)を変えたりすることができる。また、光吸収部を形成する材料(樹脂の種類や光吸収粒子の濃度)を変えることもできる。例えば、1層目は効率良く外光をカットし、コントラストの向上を重視した設計とし、2層目は反射を利用した正面輝度向上効果を重視した設計とするような、各層で作用効果を変えることが好ましい。
本発明によるコントラスト向上シートは、従来の光学シートや視野角拡大部材に採用されている他の機能層を含んでいてもよい。具体的には、反射防止層、粘着層、電磁波遮蔽層、波長フィルタ層、防眩層、ハードコート層などを適宜組み合わせてもよい。これらの各機能層の積層順や積層数は、用途に応じて適宜決定することができる。
本発明によるコントラスト向上シートは、例えば、表示装置の表示部上に配置することができる。具体的には、コントラスト向上シートは、例えば、表示装置用光学フィルタとして使用することができる。表示装置の表示部としては、例えばプラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、プロジェクションテレビ等が挙げられる。
<表示装置用光学フィルタおよび表示装置>
以下、本発明によるコントラスト向上シートを表示装置用光学フィルタとして表示装置の表示部に取り付けた例について説明する。図8は本実施形態に係るコントラスト向上シートを備えた表示装置の断面図である。図8に示される表示装置60は、上記した製造方法により製造されたコントラスト向上シート5を備えている。コントラスト向上シート5は、基材3が映像光源側となるように表示装置60の表示部61に接着層62を介して貼り付けられている。コントラスト向上シート5の前面側には、帯電防止層63、反射防止層64、防眩層65等が配置されている。なお、本実施の形態においては、コントラスト向上シート5の前面に帯電防止層63等が配置されているが、これらに限られず、電磁波、赤外線、またはネオン線を遮断する層を配置してもよい。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。本実施例においては、上記実施の形態と同様の掻取治具を用い、かつ同様の方法でコントラスト向上シートを作製し、コントラスト向上シートの外観観察を行った。
実施例1
<掻取治具>
第1の掻取ブレードとしての金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、第2の掻取ブレードとしての金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備える掻取治具を用意した。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに40°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.25mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.05mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが5.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
<インキ組成物の調製>
光硬化型プレポリマーとして、エポキシアクリレートオリゴマーOxirane,2,2'-[(1-methylethylidene)bis(4,1-phenyleneoxymethylene)]bis-,homopolymer,2-propenoate20.0質量部と、反応性希釈モノマーとして、2−フェノキシエチル=アクリラート20.0質量部、α−アクリロイル−ω−フェノキシポリ(オキシエチレン)20.0質量部、及び2−{2−[2−(アクリロイルオキシ)(メチル)エトキシ](メチル)エトキシ}(メチル)エチル=アクリラート13.0質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラックを25%含有したアクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)20.0質量部と、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)7質量部と、を混合し、均一化してインキ組成物を得た。
このインキ組成物の25℃での粘度は、4000mPa・sであった。なお、本発明において、粘度は、JIS K-5400の回転粘度計法に基づいて測定した。具体的には、株式会社東京計器製のBL型粘度計、No.4ロータを使用し、25℃で12rpm、1分後の粘度計の指示値を測定し、測定した粘度計指示値に換算乗数(本条件では500)を乗じた値を粘度とした。
なお、このインキ組成物の光吸収粒子を除いた組成物を厚さ10μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、多波長アッベ屈折計DR−M4(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定したところ、1.547であった。
<光透過部形成用組成物の調整>
ビスフェノールA―エチレンオキシド2モル付加物41質量部、イソホロンジイソシアネート14.0質量部を、およびウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液))0.02質量部を加え、80℃で5時間反応させ、その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部を加え、80℃で5時間反応させて得られたウレタンアクリレート系オリゴマーを、光硬化型プレポリマーとして用いた。このウレタンアクリレート系オリゴマー32、0質量部と、光硬化性モノマーとして、フェノキシエチルアクリレート(分子量192)10.0質量部、およびビスフェノールAのEO4モル付加物のジアクリレート(分子量512)30.0質量と、金型離型剤として、テトラデカノール−エチレンオキシド10モル付加物のリン酸エステル(モノエステル/ジエステル=モル比1/1)0.03質量部と、テアリルアミンエチレンオキシド15モル付加物0.02質量部、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、チバ・スペシャリティケミカルズ株式会社製)3質量部と、を混合し、均一化して光透過部形成用組成物を得た。
なお、この光透過部形成用組成物を厚さ100μmで塗工し、高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、多波長アッベ屈折計DR−M4(株式会社アタゴ製)を用いて589nmの屈折率を測定したところ、1.550であった。
<コントラスト向上シートの作製>
上記、光透過部形成用組成物を、光透過部に対応する複数の溝を有する金型とポリエチレンテレフタラート基材(東洋紡績株式会社、A4300、100μm)との間に供給し、光透過部形成用組成物を硬化させて、ポリエチレンテレフタラート基材上に光透過部を形成した。そして、この光透過部を金型から引き抜き、表面に複数の溝が並設された光透過部を得た。
次いで、光透過部を基材毎移動させながら、ダイコーターのダイヘッドから、上記で得られたインキ組成物が光透過部の幅方向において均一に供給されるように、光透過部の表面に連続的に供給し、上記掻取治具を用いて光透過部の表面のインキ組成物を掻き取った。インキ組成物の供給は、第1のドクターブレードの上流側かつ第1のドクターブレードの直近にインキ溜まりが形成されるように行われた。
光透過部の溝にインキ組成物を充填した後、インキ組成物に紫外線を照射して、インキ組成物を硬化させることにより、光吸収部を形成し、実施例1のコントラスト向上シートを作製した。
実施例2
実施例2においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例2で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.3mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが5.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例3
実施例3においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例3で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端第に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.3mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが10.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例4
実施例4においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例4で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.3mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.03mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが1.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例5
実施例5においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例5で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.3mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が2.5mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが1.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例6
実施例6においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例6で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.5mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが0.5mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例7
実施例7においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例7で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.5mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが1.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例8
実施例8においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例8で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さよりも0.5mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.05mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが5mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
実施例9
実施例9においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。実施例9で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度が70°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.55mmであり第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.05mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが5.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
比較例1
比較例1においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。比較例1で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの1枚のドクターブレードと、ドクターブレードに取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、ドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対するドクターブレードの先端部の角度が65°であり、当板の下端からドクターブレードの先端までの長さが5.0mmであった。また、ドクターブレードは、ドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触するように配置された。
比較例2
比較例2においては、実施例1とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例1と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。比較例2で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.2mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが5.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間するように配置された。
比較例3
比較例3においては、実施例とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。比較例3で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.6mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが5mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端が光透過部の表面から離間し、第2のドクターブレードの先端が光透過部の表面に接触するように配置された。
比較例4
比較例4においては、実施例とは異なる掻取治具を用いた以外、実施例と同様の組成物および同様の方法を用いて、コントラスト向上シートを作製した。比較例4で用いた掻取治具は、金属製の厚さ200μmの第1のドクターブレードと、金属製の厚さ200μmの第2のドクターブレードと、第2のドクターブレードにおける第1のドクターブレード側の面とは反対側の面に取り付けられた厚さ600μmのステンレス製の当板と、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードを保持するホルダとを備えるものであった。この掻取治具においては、光透過部の表面に対する第1のドクターブレードの先端部および第2のドクターブレードの先端部の角度がともに65°であり、第1のドクターブレードの先端に対する第2のドクターブレードの先端の突出し長さが0.5mmであり、第1のドクターブレードと第2のドクターブレードとの間の間隔が0.6mmであり、当板の下端から第2のドクターブレードの先端までの長さが11.0mmであった。また、第1のドクターブレードおよび第2のドクターブレードは、第1のドクターブレードの先端および第2のドクターブレードの先端がともに光透過部の表面に接触するように配置された。
外観観察
このようにして作製された実施例1〜9および比較例1〜4のコントラスト向上シートの外観を観察して、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良の発生を確認した。なお、この評価の基準は以下の通りとした。
(1)白スジ不良
◎:白スジ不良が確認されなかった。
○:白スジ不良が若干観察されたが、実用上問題のない程度であった。
×:白スジ不良が多数確認された。
(2)ピッチスジ不良
◎:ピッチスジ不良が確認されなかった。
○:ピッチスジ不良が若干確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:ピッチスジ不良が多数確認された。
(3)黒スジ不良
◎:黒スジ不良が確認されなかった。
○:黒スジ不良が若干確認されたが、実用上問題のない程度であった。
×:黒スジ不良が多数確認された。
以下、結果について述べる。
Figure 2012168385
表1に示されるように比較例1に係るコントラスト向上シートは白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良の全てにおいて抑制できなかった。また、比較例2〜4に係るコントラスト向上シートにおいては、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良のいずれかを抑制することはできたが、これら不良の全てを抑制することができなかった。これに対し、実施例1〜9に係るコントラスト向上シートにおいては、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良の全てを抑制することができた。
これらの結果から、実施例1〜9の掻取治具によれば、白スジ不良、ピッチスジ不良および黒スジ不良がともに抑制できることが確認された。
1…光透過部、1a…表面、1b…溝、2…インキ組成物、2a…インキ溜まり、3…基材、4…光吸収部、5…コントラスト向上シート、10…充填装置、20…供給部、30…掻取治具、31…第1の掻取ブレード、31a…先端、32…第2の掻取ブレード、32a…先端、33…当板、34…ホルダ、35…保持部、35a…端部、36…堰部、36a…吸引孔、40…インキ循環系、50…表示装置。

Claims (17)

  1. 表面に複数の溝が並設された光透過部と、前記光透過部の前記溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造に用いられる掻取治具であって、
    表面に複数の溝が並設された光透過部の前記表面から前記表面上に供給されたインキ組成物を掻き取るための第1の掻取ブレードと、
    前記第1の掻取ブレードと所定の間隔を置いて配置され、前記第1の掻取ブレードによる掻き取り後に前記光透過部の前記表面に残る前記インキ組成物をさらに掻き取るための第2の掻取ブレードと、
    前記第2の掻取ブレードに取り付けられた当板とを備え、
    前記第2の掻取ブレードの先端が前記第1の掻取ブレードの先端に対して0.25mm以上0.55mm以下突出していることを特徴とする、掻取治具。
  2. 前記当板が前記第2の掻取ブレードにおける前記第1の掻取ブレード側の面とは反対側の面に取り付けられている、請求項1に記載の掻取治具。
  3. 前記当板の下端から前記第2の掻取ブレードの先端までの長さが1〜10mmである、請求項2に記載の掻取治具。
  4. 前記第1の掻取ブレードと前記第2の掻取ブレードとの間の間隔が0.05〜2mmである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の掻取治具。
  5. 前記第1の掻取ブレードおよび前記第2の掻取ブレードを保持する保持部と、前記保持部の幅方向における両端部に設けられ、前記保持部の前記両端部よりも前記インク組成物の掻き取り側に突き出た、前記インキ組成物を含むインキ溜まりを保持するための堰部とを備えるホルダをさらに備えている、請求項1ないし4のいずれ1項に記載の掻取治具。
  6. 前記堰部が、前記堰部の底面に、前記インキ組成物の一部を吸引するため吸引孔を有する、請求項5に記載の掻取治具。
  7. 表面に複数の溝が並設された光透過部と、前記光透過部の前記溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造装置であって、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の掻取治具を備えることを特徴とする、コントラスト向上シートの製造装置。
  8. 表面に複数の溝が並設された光透過部と、前記光透過部の前記溝内に形成された光吸収部とを備えるコントラスト向上シートの製造方法であって、
    表面に複数の溝が並設されたシート状の光透過部を移動させながら、前記光透過部の前記表面にインキ組成物を連続的に供給し、前記インキ組成物の供給位置よりも下流側に配置された第1の掻取ブレードの上流側かつ前記第1の掻取ブレードの直近にインキ組成物を含むインキ溜まりを形成しつつ、前記光透過部の表面上の前記インキ組成物を、前記第1の掻取ブレードおよび前記第1の掻取ブレードよりも下流側に前記第1の掻取ブレードと所定の間隔を置いて配置され、当板が取り付けられた第2の掻取ブレードにより掻き取る工程とを備え、
    前記インキ組成物の掻き取りは、前記第2の掻取ブレードの先端が前記第1の掻取ブレードの先端に対して0.25mm以上0.55mm以下突出し、前記第1の掻取ブレードの先端が前記光透過部の表面に接触し、かつ前記第2の掻取ブレードの先端が前記光透過部の表面から離間した状態で行われることを特徴とする、コントラスト向上シートの製造方法。
  9. 前記当板が前記第2の掻取ブレードにおける前記第1の掻取ブレード側の面とは反対側の面に取り付けられている、請求項8に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  10. 前記当板の下端から前記第2の掻取ブレードの先端までの長さが1〜10mmである、請求項8または9に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  11. 前記インキ溜まりを構成する前記インキ組成物の一部は、吸引され、再び前記光透過部の表面に供給される、請求項8ないし10のいずれか1項に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  12. 吸引された前記インキ組成物が、未使用の前記インキ組成物と混合された後、前記光供給部の表面に供給される、請求項11に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  13. 吸引された前記インキ組成物と、未使用の前記インキ組成物との混合比が1:4〜4:1である、請求項12に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  14. 前記インキ組成物の供給が、前記光透過部の幅方向において均一に前記インキ組成物が供給されるように行われる、請求項8ないし13のいずれか1項に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  15. 前記インキ組成物の供給が、ダイコート方式により行われる、請求項8ないし14のいずれか1項に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  16. 供給される前記インキ組成物の粘度が2500〜5000mPa・sである、請求項8ないし15のいずれか1項に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
  17. 前記光透過部の溝の形状が、略台形状、略V字状、または略矩形状である、請求項8ないし16のいずれか1項に記載のコントラスト向上シートの製造方法。
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