以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態における経路案内システムに関して説明する。図1に示すように経路案内システムは、カーナビゲーション装置100(以下、単にカーナビとも称する)、携帯機200、センター300を備える。
この経路案内システムは、道路を走行する自動車のみを移動手段の対象として探索された出発地から目的地までの案内経路である自動車経路、及び、複数の移動手段(自動車、徒歩、自転車、公共交通機関など)を対象として探索された出発地から目的地までの案内経路であるマルチモーダル経路のいずれか一方を用いて出発地から目的地までの経路を案内するものである。
なお、自動車経路は、道路を走行する自動車のみを用いて出発地から目的地まで到達できる案内経路と換言することができる。つまり、自動車が走行する道路を探索対象として探索された出発地から目的地までの案内経路である。例えば、周知の推奨経路や、5ルート(一例として推奨、有料優先、一般優先、距離優先、別ルート)などが含まれる。
一方、マルチモーダル経路は、自動車、徒歩、自転車、公共交通機関を移動手段の対象として探索され、これらの移動手段のうち少なくとも一つの移動手段で出発地から目的地まで到達できる案内経路と換言することができる。つまり、道路(自動車が走行する道路や人が歩く歩道)、線路、空路、海路を探索対象として探索された出発地から目的地までの案内経路である。例えば、自動車と徒歩と電車で出発地から目的地まで到達できる経路や、徒歩と電車で出発地から目的地まで到達できる経路などが含まれる。なお、公共交通機関としては、鉄道、バス、タクシー、飛行機、船などを挙げることができる。なお、複数の移動手段としては、異なる鉄道会社の電車や、同じ鉄道会社の複数の路線を走行する電車なども含まれる。つまり、マルチモーダル経路は、少なくとも公共交通機関を移動手段として含んで探索された出発地から目的地まで到達できる案内経路と換言することもできる。よって、マルチモーダル経路には、電車のみで出発地から目的地まで到達できる経路なども含まれる。
まず、図2に基づいて、カーナビ100に関して説明する。このカーナビ100は、本発明の車載機に相当するものであり、道路を走行する自動車に搭載される。なお、カーナビ100が搭載された自動車は、公共交通機関における自動車(タクシーやバスなど)ではなく、例えば、自家用車や社有車などである。
このカーナビ100は、出発地(例えば車両の現在位置である自車位置)から目的地までの自動車経路を探索して、探索した自動車経路に基づいて出発地から目的地までの経路案内などを実行する。周知のように、自動車経路に基づく経路案内は、表示装置150の表示画面に、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて走行すべき自動車経路を表示するとともに、自車位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置170により案内音声を出力することにより行われる。また、カーナビ100は、後ほど詳しく説明するが、センター300からマルチモーダル経路(マルチモーダル経路データ)を受信した場合は、このマルチモーダル経路に基づいて出発地から目的地までの経路を案内する。このマルチモーダル経路に基づく経路案内は、例えば、鉄道駅周辺の駐車場(つまり、自動車での移動の目的地となる)まで経路、鉄道の出発駅、線路、到着駅、到着駅から目的地までの経路(例えば、徒歩経路)を、その他の道路、鉄道駅、線路などとは異なる態様で表示装置150の画面に表示することにより行われる。なお、本実施の形態においては、出発地として、車両の現在位置を採用して説明する。
図2に示すように、カーナビ100は、通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130(GPS受信機131、ジャイロセンサ132、車速度センサ133)、記憶部140、表示装置150、操作スイッチ160、音声出力装置170、制御装置180などを備えて構成されている。
制御装置180は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard disk drive)、I/O(Input/Output)及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御装置180には、上述の通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130、記憶部140、表示装置150、操作スイッチ160、音声出力装置170が電気的に接続されている。制御装置180は、ナビゲーション機能としての各種処理を実行する。つまり、制御装置180は、通信装置110、地図データベース120、自車位置検出部130、記憶部140、操作スイッチ160から入力された各種情報(各種信号)に基づき演算処理を実行し、表示装置150に対して画像表示を指示したり、音声出力装置170に対して音声出力を指示したりすることで、ナビゲーション機能としての各種処理を実行する。なお、このナビゲーション機能としての各種処理としては、例えば、出発地から目的地までの自動車経路の探索(自動車経路探索手段)、地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、マップマッチング処理、目的地設定処理、経路案内関連処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、音量調整処理等がある。
特に、本実施形態における制御装置180は、以下のような処理を実行する(つまり、以下のような機能を有する)。自動車経路の出発地及び目的地を設定する処理(設定手段)。通信装置110を用いて出発地から目的地までの自動車経路に関する情報(ここでは、自動車経路データ、目的地データ、及び車載機ID)をセンター300に送信する処理(車載機側通信手段)。センター300から送信されたマルチモーダル経路のサマリを通信装置110で受信した場合(つまり、センター300が自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合(比較判定手段))、このサマリを表示装置150に表示することによって、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを自動車の乗員(以下、ユーザとも称する)に報知する処理(報知手段)。また、自動車の乗員による指示に応じて(つまり、乗員の操作に応じて操作スイッチ160がマルチモーダル経路の要求を示す信号を出力した場合)、通信装置110を用いてマルチモーダル経路の提供をセンター300に要求する処理(要求手段)。また、自動車経路を表示装置150に表示するなどによって、自動車経路を自動車の乗員に提供する処理(経路提供手段)。なお、自動車経路を提供するのは、センター300がマルチモーダル経路よりも自動車経路の方が優位であると判定した場合及びマルチモーダル経路の提供を要求しなかった場合である。また、マルチモーダル経路を表示装置150に表示するなどによって、マルチモーダル経路を自動車の乗員に提供する処理(経路提供手段)。なお、マルチモーダル経路を提供するのは、自動車の乗員がマルチモーダル経路の提供を希望した場合である。
通信装置110は、制御装置180からの指示に基づいて、例えば、無線基地局及びインターネット等の通信ネットワークを介して、センター300との間で通信を行うようになっている。この通信装置110は、具体的には、車両に搭載されるDCM(data communication module)等のテレマティクス通信に用いられる車載通信モジュールやBluetooth(登録商標)等で接続した携帯電話機等を採用することができる。例えば、通信装置110は、ユーザによる操作スイッチ160の操作に基づいて制御装置180から指示を受けると、出発地データ(つまり、現在位置データ)、目的地データ、自動車経路データ、及び自車両(車体)データ(例えば、車載機IDなどのカーナビ100に固有の識別情報や、車体番号などの車体に固有の識別情報)をセンター300に対して送信する。また、通信装置110は、センター300から送信されたマルチモーダル経路の経路データ(以下、マルチモーダル経路データとも称する)やサマリーデータ(以下、経路選択用サマリとも称する)などを受信すると、これらのデータを制御装置180に出力する。
なお、本実施形態においては、自車両データとして車載機IDを採用する。また、本実施形態においては、通信装置110がセンター300に送信するデータとして、自動車経路データ、目的地データ、及び車載機IDとを採用する。また、この自動車経路データ及び目的地データは、本発明における出発地から目的地までの自動車経路に関する情報に相当するものである。また、後ほど説明する通信装置110がセンター300に送信する出発地データ、目的地データに関しても、本発明における出発地から目的地までの自動車経路に関する情報に相当するものである。また、出発地から目的地までの自動車経路に関する情報をセンター300に送信する場合は、車載機IDとともに送信する。
地図データベース120は、例えば日本全土の道路地図データや、それに付随する、各種施設や店舗等の施設POI(Points Of Interest)データ、道路地図を表示装置150の画面上に再生(描画)するための描画データ等の各種データを記憶するものである。道路地図データは、地図上の交差点などをノードとして、道路が複数の部分に分割されており、このノードに関するノードデータ、各ノード間の部位分をリンクとして規定したリンクデータなどを含む。
ノードデータは、地図上の各道路が交差、合流、分岐するノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称等のデータを含んで構成される。また、リンクデータは、リンクID、リンク長、リンクの始点、終点の位置データ、角度(方向)データ、道路幅、道路種別等のデータを含んで構成される。なお、地図データベース120の記憶媒体としては、DVD−ROM、ハードディスクドライブ等を用いることができ、特に限定されるものではない。
自車位置検出部130は、自車両の位置を検出(測位)するためのGPS受信機131、自車両の回転角速度を検出するジャイロセンサ132、車速度センサ133を含んでいる。制御装置180は、自車位置検出部130を構成する各センサからの入力に基づいて、自車両の現在位置(絶対位置を示す位置情報)、進行方向、リンク毎のリンク旅行時間、リンク毎のリンク旅行速度、走行距離、現在時刻等を高精度で検出する。なお、自車位置検出部130自身が、自車両の現在位置(絶対位置を示す位置情報)、進行方向、リンク毎のリンク旅行時間、リンク毎のリンク旅行速度、走行距離、現在時刻等を検出して、この検出結果を制御装置180に対して出力するようにしてもよい。
記憶部140は、制御装置180内で取り扱うデータ(例えば、制御装置180が実行するプログラム、受信したマルチモーダル経路データ、経路選択用サマリ、車載機IDなど)を必要に応じて記憶しておくためのものでる。この記憶部140は、例えば、データの書き込みや読み出しが可能な不揮発性の記憶媒体で構成することができる。
表示装置150は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを採用することができる。この表示装置150は、制御装置180から地図データベース120に記憶されたデータなどが入力されることで、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて、走行すべき自動車経路やマルチモーダル経路などを表示画面に表示する。
操作スイッチ160は、ユーザによって操作されるものであり、表示装置150と一体に構成され表示画面上に設置されるタッチスイッチ、表示装置9の表示画面周囲に設けられたプッシュ型のハードスイッチなどを採用することができ、各種入力に使用される。例えば、出発地の位置情報などを含む出発地情報や目的地の位置情報などを含む目的地情報などの各種情報、及び出発地から目的地までの自動車経路の探索指示などのカーナビ100が実行する機能に対応付けられた操作信号を制御装置180に対して出力する。なお、制御装置180は、出発地情報が入力されると、該当する施設などを検索して、抽出された施設などを出発地として設定する。また、現在位置を出発地とすることを示す出発地情報が入力されると、自車位置検出部130によって検出された現在位置を出発地として設定する。この出発地の位置情報などを含むデータを出発地データと称する。また、制御装置180は、目的地情報が入力されると、該当する施設などを検索して、抽出された施設などを目的地として設定する。この目的地の位置情報などを含むデータを目的地データと称する。
音声出力装置170は、車室内に設けられるスピーカなどを備え、制御装置180からの指示に基づいて、経路案内時の案内音声などを出力する。
なお、このカーナビ100が実行する処理動作のうち本発明の特徴部分に関しては、後ほど詳しく説明する。
次に、図3に基づいて、携帯機200に関して説明する。この携帯機200は、ユーザ(自動車の乗員)が携行可能なものであり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)などを採用することができる。なお、ここでは、携帯情報端末を採用して説明する。
図3に示すように、携帯機200は、通信装置210、操作スイッチ220、表示装置230、音声出力装置240、記憶部250、制御装置260などを備える。
制御装置260は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/O(Input/Output)及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御装置260には、上述の通信装置210、操作スイッチ220、表示装置230、音声出力装置240、記憶部250が電気的に接続されている。制御装置260は、通信装置210、操作スイッチ220、記憶部250から入力された各種情報(各種信号)に基づき演算処理を実行し、表示装置230に対して画像表示を指示したり、音声出力装置240に対して音声出力を指示したりする。
通信装置210は、例えば、無線基地局及びインターネット等の通信ネットワークを介して、センター300との間で無線通信を行う(携帯機側通信手段)ようになっている。例えば、通信装置110は、センター300からマルチモーダル経路(マルチモーダル経路データ)などを受信すると、このマルチモーダル経路を制御装置260に出力する。なお、本実施形態においては、センター300との間で通信を行なう例を採用するが、本発明はこれに限定されるものではない。通信装置210は、カーナビ100(通信装置110)と通信を行なうようにしてもよい。携帯機200(通信装置210)とカーナビ100(通信装置110)とで通信を行なう場合、携帯機200は、カーナビ100からマルチモーダル経路(マルチモーダル経路データ)を受信するようにしてもよい。また、携帯機200とカーナビ100とで通信を行なう場合は、Bluetooth(登録商標)で通信接続するようにしてもよい。さらに、携帯機200は、センター300及びカーナビ100と通信を行なうようにしてもよい。
操作スイッチ220は、ユーザによって操作されるものであり、携帯機200に設けられた複数のメカニカルスイッチ、表示装置9の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御装置260に出力する。
表示装置230は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどを採用することができる。この表示装置230は、制御装置260から通信装置210にて受信したマルチモーダル経路(マルチモーダル経路データ)などが入力されることで、マルチモーダル経路などを表示画面に表示する(携帯機側経路提供手段)。このように、携帯機200の表示装置230にてマルチモーダル経路を表示することによって、案内経路としてマルチモーダル経路が設定された場合に、ユーザが自動車から降車しても、ユーザに目的地までの経路(マルチモーダル経路)を案内(提供)することができる。なお、図示は省略するが、携帯機200は、自身の位置を検出するためにGPS受信機などを備えると好ましい。このように携帯機200がGPS受信機を備えている場合は、自動車経路に基づく経路案内と同様に、表示装置230の表示画面に、マルチモーダル経路に現在位置(携帯機200の現在位置を示すマーク)を重ね合わせて、進むべき経路(マルチモーダル経路)を表示するとともに、現在位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置240により案内音声を出力することによって経路を案内することができる。
音声出力装置240は、スピーカなどを備え、制御装置260からの指示に基づいて、経路案内時の案内音声などを出力する。
記憶部250は、制御装置260内で取り扱うデータ(例えば、プログラムや受信したマルチモーダル経路データなど)を必要に応じて記憶しておくためのものでる。この記憶部140は、例えば、データの書き込みや読み出しが可能な不揮発性の記憶媒体で構成することができる。
次に、図1に基づいて、センター300に関して説明する。このセンター300は、マルチモーダル経路の探索、自動車経路の探索、及び、探索したマルチモーダル経路や自動車経路の送信(配信)などの処理を行う(機能を実行する)。なお、本実施形態においては、センター300は、マルチモーダル経路の探索と送信を行う例を採用するため、自動車経路の探索や自動車経路の送信の機能を備えてなくても目的は達成できる。しかしながら、マルチモーダル経路は、公共交通機関を対象として探索された出発地から目的地までの案内経路である。従って、センター300では、公共交通機関における自動車(バスやタクシーなど)を対象とした経路探索は行われる。
図1に示すように、センター300は、通信装置310、運行情報データベース320、渋滞情報データベース330、地図情報データベース340、駐車場情報データベース350などを備える。
制御装置360は、周知のコンピュータ(例えば、比較的大型のコンピュータでありサーバーなどを採用すると好ましい)として構成されており、内部にはCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard disk drive)、I/O(Input/Output)及びこれらの構成を接続するバスラインなどが備えられている。この制御装置360には、上述の通信装置310や各種データベース320〜350が接続されている。制御装置360は、通信装置310で受信した信号や各種データベース320〜350に記憶されたデータに基づいて各種処理を実行する。例えば、通信装置310にて受信した自動車経路データ、目的地データ、及び車載機IDを関連付けてHDDなどに記憶する処理。また、この自動車経路データ及び目的地データに基づき、運行情報データベース320、渋滞情報データベース330、地図情報データベース340、駐車場情報データベース350を用いてマルチモーダル経路を探索する処理(マルチモーダル経路探索手段)。また、受信した自動車経路と探索したマルチモーダル経路とを比較して、自動車経路とマルチモーダル経路のうち優位な方の経路を判定する処理(比較判定手段)。また、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報を作成する処理。そして、通信装置310を用いて、作成した自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報をカーナビ100に送信する処理(センター側通信手段)。また、カーナビ100から送信されたマルチモーダル経路の要求を通信装置310にて受信すると、マルチモーダル経路をカーナビ100に送信(配信)する処理(センター側通信手段)。つまり、制御装置360は、これらの機能を有する。
なお、本実施形態においては、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報として、マルチモーダル経路の概要(サマリ)と自動車経路の概要とを示す情報を採用する。このマルチモーダル経路の概要としては、例えば、移動手段と移動手段の始点・終点(また、必要に応じて移動手段の切り換え地点)と出発地から目的地までの所要時間のみを含むものを採用することができる。一方、自動車経路の概要(サマリ)としては、出発地から目的地までの所要時間のみを含むものを採用することができる。このマルチモーダル経路の概要と自動車経路の概要とを含む情報を経路選択用サマリと言い換えることもできる。
通信装置310は、上述のカーナビ100の通信装置110との間、及び携帯機200の通信装置210との間で通信を行なうようになっている。通信装置310は、カーナビ100の通信装置110との通信により、自動車経路データ、目的地データ、及び車載機IDなどを受信するとともに、制御装置11にて探索されたマルチモーダル経路データや経路探索用サマリなどを送信する。また、通信装置310は、携帯機200の通信装置210との通信により、マルチモーダル経路データなどを送信する。
運行情報データベース320は、公共交通機関における各交通機関と、各交通機関の運行情報とが関連付けて記憶されている。この運行情報は、各交通機関における時刻情報(出発時刻情報、到着時刻情報)や、運行遅延や運休などに関する情報などを含むものである。なお、各交通機関の時刻情報は、各交通機関から更新(例えばダイヤ改正)があったタイミングで取得することができる。また、各交通機関の運行遅延や運休などに関する情報は、各交通機関から所定時間毎、又は運行遅延や運休が発生したタイミングで取得することができる。
渋滞情報データベース330は、各道路と、各道路の渋滞度やリンク旅行時間などの渋滞情報とが関連付けて記憶されている。また、この渋滞度やリンク旅行時間などの渋滞情報は、所定時間毎に更新されるものである。また、渋滞度やリンク旅行時間などの渋滞情報は、例えば、VICS(登録商標)センターから取得したり、プローブカー(フローティングカー)から取得した情報に基づいて生成したりすることができる。
地図情報データベース340は、上述のカーナビ100に搭載された地図データベースと同等のものであり、詳しい説明は省略する。
駐車場情報データベース350は、各駐車場と、各駐車場の駐車場情報(例えば、状況(空きがあるか、満車であるか)、駐車料金、駐車可能な車体サイズなど)とが関連付けて記憶されている。なお、各駐車場の駐車場情報は、各駐車場から所定時間毎に取得することができる。
なお、制御装置360がマルチモーダル経路を探索する場合、利用する交通機関、乗車駅(又はバス停や空港や港)の近くの駐車場、出発地(現在位置)から駐車場までの経路、駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路、降車駅(又はバス停や空港や港)から目的地までの経路など、出発地から目的地までの経路を総合的に探索する。例えば、受信した自動車経路データ、目的地データが出発地Aと目的地Bとを示していた場合、出発地(現在位置)→駐車場P(移動手段:自動車)、駐車場P→A駅(移動手段:徒歩)、A駅→B駅(移動手段:列車)、B駅→目的地G(移動手段:徒歩)といった経路が自動的に探索されるものである。なお、徒歩を利用する区間とは、公共交通手段を利用しない区間であり、自転車等任意に移動できる手段を利用する場合も含む。
さらに、センター300の制御装置360がマルチモーダル経路を探索する場合、出発地から目的地までの所要時間が短い方から所定個(例えば3つ)のマルチモーダル経路を探索する。そして、制御装置360は、受信した自動車経路と探索したマルチモーダル経路とを比較して、自動車経路とマルチモーダル経路のうち優位な方の経路を判定する(比較判定手段)。換言すると、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があるか否かを判定する。なお、優位か否かの判定は、自動車経路における出発地から目的地までの所要時間(予想時間)と、マルチモーダル経路における出発地から目的地までの所要時間(予想時間)とによって行う。つまり、上述のように自動車経路とマルチモーダル経路とを比較する場合、自動車経路の所要時間とマルチモーダル経路の所要時間とを比較する。そして、所要時間が短い方が優位であると判定する。
ここで、図5のフローチャートに基づいて、本実施形態における経路案内システムの処理動作に関して説明する。なお、図5のフローチャートにおけるステップS10〜S18は、カーナビ100での処理であり、出発地情報、目的地情報、及び出発地から目的地までの自動車経路の探索指示を示す操作信号が入力されたり、センター300から送信された経路選択用サマリなどを受信したりすると実行される。一方、図5のフローチャートにおけるステップS20〜S25は、センター300での処理であり、カーナビ100から送信された自動車経路データやマルチモーダル経路の要求を受信すると実行される。
ステップS10では、カーナビ100の制御装置180は、操作スイッチ160から出力された出発地情報及び目的地情報に基づいて、自動車経路の出発地及び目的地を設定する(設定手段)。
ステップS11では、カーナビ100の制御装置180は、地図データベース120に記憶されたデータを用いて、出発地から目的地までの自動車経路を探索する(自動車経路探索手段)。この自動車経路の探索においては、例えば、周知の推奨経路や、5ルート(一例として推奨、有料優先、一般優先、距離優先、別ルート)などを探索する。
ステップS12では、カーナビ100の制御装置180は、ステップS11で探索した自動車経路の自動車経路データと、この自動車経路の目的地を示す目的地データ(つまり、ステップS10で設定された目的地を示すデータ)とを含む出発地から目的地までの自動車経路に関する情報を、車載機IDとともに、通信装置110を用いてセンター300に送信する(車載機側通信手段)。
ここで、センター300側の処理に進む。ステップS20では、センター300の制御装置360は、通信装置310にて、カーナビ100(通信装置110)から送信された自動車経路データ、目的地データ、及び車載機IDを受信すると、マルチモーダル経路を探索する。つまり、センター300の制御装置360は、自動車経路データ及び目的地データに基づき、運行情報データベース320、渋滞情報データベース330、地図情報データベース340、駐車場情報データベース350を用いて、ステップS10で設定された出発地から目的地までのマルチモーダル経路を探索する(マルチモーダル経路探索手段)。なお、センター300の制御装置360は、通信装置310にて自動車経路データ、目的地データ、及び車載機IDを受信すると、この自動車経路データと目的地データと車載機IDとを関連付けてHDDなどに記憶する。
ステップS21では、センター300の制御装置360は、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が目的地に早く到着するか否かを判定する。つまり、センター300の制御装置360は、受信した自動車経路における出発地から目的地までの所要時間と探索したマルチモーダル経路における出発地から目的地までの所要時間とを比較して、自動車経路よりも優位(所要時間が短い)なマルチモーダル経路があるか否かを判定する(比較判定手段)。換言すると、センター300の制御装置360は、受信した自動車経路における出発地から目的地までの所要時間と探索したマルチモーダル経路における出発地から目的地までの所要時間とを比較して、自動車経路とマルチモーダル経路のうち優位な方の経路を判定する(比較判定手段)。そして、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があると判定した場合は、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が目的地に早く到着するとみなしてステップS22へ進み、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路がないと判定した場合は、マルチモーダル経路よりも自動車経路の方が目的地に早く到着するとみなしてステップS24へ進む。
ステップS22では、センター300の制御装置360は、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報を作成する。つまり、センター300の制御装置360は、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報を作成する。
本実施形態においては、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報として、マルチモーダル経路の概要(サマリ)と自動車経路の概要(サマリ)とを示す情報(すなわち、経路選択用サマリ)を採用する。つまり、センター300の制御装置360は、経路選択用サマリを作成する。
なお、この自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報は、表示装置150の表示画面にマルチモーダル経路を表示させるためのマルチモーダル経路データとは異なるものである。この情報は、上述のように、マルチモーダル経路の概要(サマリ)と自動車経路の概要(サマリ)であり、マルチモーダル経路データよりも十分にデータ量が小さいものである。
ステップS23では、センター300の制御装置360は、通信装置310を用いて、ステップS22で作成した経路選択用サマリをカーナビ100に送信する(センター側通信手段)。つまり、センター300の制御装置360は、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合、通信装置310を用いて、まず、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報(経路選択用サマリ)をカーナビ100に送信する(センター側通信手段)。このように、本実施形態における経路案内システムは、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合であっても、直ちにマルチモーダル経路のデータ(マルチモーダル経路データ)をカーナビ100に送信することはしない。
なお、マルチモーダル経路の探索においては、移動手段として公共交通機関の自動車(タクシーやバスなど)のみを用いる経路が探索されることがある。つまり、カーナビ100で探索された自動車経路よりも優位な、マルチモーダル経路としての、自動車のみを移動手段とする経路が探索されることがありうる。例えば、カーナビ100とセンター300とで、探索に使用しているデータが違う(新しさが違う)ことによって起こる可能性がある。つまり、地図データベース120に収録されているデータと、地図情報データベース340に収録されているデータとが違うことによって起こる可能性がある。また、公共交通機関の自動車であるバスは、バス専用道路を走行できるのに対して、自家用車や社有車はバス専用道路を走行できないことによって起こる可能性がある。
しかしながら、バスやタクシーは、交通費の面で自家用車や社有車よりも不利である。また、既に乗っている自動車(自家用車や社有車)を降りて、バスやタクシーに乗り換えることは煩わしいものである。つまり、カーナビ100で探索した自動車経路よりもマルチモーダル経路(移動手段としてバスやタクシーを使う)の方が目的地まで早く到着する場合であっても、自動車(自家用車や社有車)で移動しようとしている乗員にとっては、そのまま自動車(自家用車や社有車)で移動したほうが、都合がいい場合が多い。すなわち、必ず所定の時刻までに目的地に到着しなければならない場合以外は、わざわざ既に乗車している自動車(自家用車や社有車)を降りて、バスやタクシーに乗り換えるよりも、そのまま自動車(自家用車や社有車)で移動したほうが好ましい。
そこで、マルチモーダル経路として自動車(バスやタクシー)のみを移動手段とする経路が探索された場合は、このマルチモーダル経路よりカーナビ100で探索された自動車経路の方が優位であると判定するようにしてもよい。
このようにすることによって、マルチモーダル経路として、自動車(バスやタクシー)のみを移動手段とする経路があることを自動車の乗員に報知することを抑制できるので好ましい。換言すると、乗員に対して、既に乗車している自動車(自家用車や社有車)からバスやタクシーへの乗り換えを促すことを抑制できるので好ましい。
なお、マルチモーダル経路として、自動車(バスやタクシー)のみを移動手段とする経路が探索された場合であっても、このマルチモーダル経路のサマリを、カーナビ100の通信装置110に送信するようにしてもよい。
一方、ステップS21においてマルチモーダル経路よりも自動車経路の方が優位であると判定した場合、ステップS24では、センター300の制御装置360は、該当するマルチモーダル経路がないことをカーナビ100に通知する。つまり、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路がないことをカーナビ100に通知する。このとき、センター300の制御装置360は、通信装置310を用いて、該当するマルチモーダル経路がないことを示す信号(情報)をカーナビ100の通信装置110に送信する。
なお、カーナビ100においては、この該当するマルチモーダル経路がないことを示す信号(情報)を、自動車経路を案内経路として設定するための一つのトリガ(信号)として用いるものである。つまり、該当するマルチモーダル経路がないことを、自動車の乗員に報知するためのものではない。
通常、自動車に乗っている乗員は、自動車で移動することを前提として自動車に乗り込んでいることが多い。このため、該当するマルチモーダル経路がないことは、自動車の乗員にとって必要な情報でない場合が多い。よって、自動車の乗員には、このように該当するマルチモーダル経路がないことを報知しないようにすることで、自動車の乗員にとって不必要な情報を、乗員に対して報知することを抑制できるので好ましい。
ここで、カーナビ100側の処理に戻る。ステップS13では、カーナビ100の制御装置180は、センター300から送信された経路選択用サマリを通信装置110で受信した場合(つまり、センター300が自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合(比較判定手段))、この経路選択用サマリを表示装置150の表示画面に表示することによって、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを自動車の乗員に報知する(報知手段)。この経路選択用サマリの一例を図4(a)に示す。この図4(a)は、カーナビ100の表示装置150の表示画面に表示された経路選択用サマリのイメージ図である。この例では、経路1として、一つ目のマルチモーダル経路の概要である現在地→A駅(移動手段:車)、A駅→B駅(移動手段:鉄道会社Jの列車)、B駅→目的地(移動手段:徒歩)及び所要時間(ここでは45分)を表示する。また、経路2として、二つ目のマルチモーダル経路の概要である現在地→A駅(移動手段:車)、A駅→B駅(移動手段:鉄道会社Mの列車)、B駅→目的地(移動手段:徒歩)及び所要時間(ここでは55分)を表示する。そして、経路3として、自動車経路の概要である所要時間(ここでは90分)を表示する。このように、経路選択用サマリは、マルチモーダル経路と自動車経路とを所要時間の短い順番で表示するようにしてもよい。
ステップS14では、カーナビ100の制御装置180は、操作スイッチ160から出力された信号に基づいて、ステップS13で報知した経路選択用サマリからマルチモーダル経路が選択されたか否かを判定する。
例えば、操作スイッチ160としてタッチパネルを採用した場合、図4(a)のように経路選択用サマリが表示されている状態において、マルチモーダル経路を表示している箇所がタッチされたことを示す信号が出力されると、マルチモーダル経路が選択されたと判定する。このマルチモーダル経路を表示している箇所がタッチされたことを示す信号は、マルチモーダル経路の要求を示す信号と言い換えることができる。なお、同様に、図4(a)のように経路選択用サマリが表示されている状態において、自動車経路を表示している箇所がタッチされたことを示す信号が出力されると、自動車経路が選択されたと判定する。なお、図4(a)に示すように、選択された経路の表示態様が変化するようにしてもよい。この例では経路1が選択されたこと示している。
また、カーナビ100の制御装置180は、図4(a)のように経路選択用サマリが表示されている状態において、操作スイッチ160からの信号が所定時間出力されなかった場合は、自動車経路が選択されたとみなすようにしてもよい。つまり、マルチモーダル経路が選択されなかったと判定するようにしてもよい。このようにすることによって、マルチモーダル経路を選択する意思のない乗員は、特別な操作(操作スイッチ160の操作)を行う必要がないので好ましい。
そして、マルチモーダル経路が選択されたと判定した場合はステップS15へ進み、選択されてないと判定した場合(例えば、自動車経路が選択されたと判定した場合)はステップS17へ進む。
ステップS15では、カーナビ100の制御装置180は、自動車の乗員による指示に応じて(つまり、乗員の操作に応じて操作スイッチ160がマルチモーダル経路の要求を示す信号を出力した場合であり、乗員がマルチモーダル経路を選択した場合)、通信装置110を用いてマルチモーダル経路の提供をセンター300に要求する(要求手段)。つまり、カーナビ100の制御装置180は、自動車の乗員による指示に応じて、通信装置110を用いてマルチモーダル経路の要求を示す要求信号をセンター300(通信装置310)に送信する
ここで、再度、センター300側の処理に進む。ステップS25では、センター300の制御装置360は、カーナビ100から送信されたマルチモーダル経路の要求(要求信号)を通信装置310にて受信すると、マルチモーダル経路(マルチモーダル経路データ)をカーナビ100に送信(配信)する(センター側通信手段)。このように、本実施形態における経路案内システムは、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があると判定した場合、乗員がマルチモーダル経路を選択して初めて、マルチモーダル経路データをカーナビ100に送信する。つまり、自動車の乗員がマルチモーダル経路を希望した時点で、マルチモーダル経路データをカーナビ100に送信する。
なお、このマルチモーダル経路データとしては、経路データ(自動車経路、移動手段として徒歩が選択されている区間の経路である徒歩経路、移動手段として公共交通機関が選択されている区間の経路である公共交通機関経路など)に加えて、選択されたマルチモーダル経路に含まれる乗車駅(又はバス停や空港や港)の時刻表、公共交通機関の料金、駐車場の料金、公共交通機関で移動する区間の所要時間、徒歩で移動する区間の所要時間などのデータを含むようにすることができる。
そして、再度、カーナビ100側の処理に戻る。センター300(通信装置310)から送信されたマルチモーダル経路データを通信装置110で受信すると、ステップS16に進む。ステップS16では、カーナビ100の制御装置180は、マルチモーダル経路を案内経路に設定する。そして、ステップS18では、カーナビ100の制御装置180は、受信したマルチモーダル経路データに基づいてマルチモーダル経路を表示装置150の表示画面に表示するなどによって、マルチモーダル経路を自動車の乗員に提供する(経路提供手段)。なお、マルチモーダル経路を乗員に提供する際には、上述の乗車駅(又はバス停や空港や港)の時刻表、公共交通機関の料金、駐車場の料金、公共交通機関で移動する区間の所要時間、徒歩で移動する区間の所要時間なども一緒に提供すると好ましい。
このマルチモーダル経路の一例を図4(b)に示す。この図4(b)は、カーナビ100の表示装置150の表示画面に表示されたマルチモーダル経路のイメージ図である。この例では、現在地からA駅(移動手段:車)までの道路を他の道路と異なる態様(例えば、太さや色を異ならせる)で表示し、A駅からB駅(移動手段:鉄道会社Jの列車)までの線路を他の線と異なる態様(例えば、太さや色を異ならせる)で表示し、B駅から目的地(移動手段:徒歩)までの道路を他の線と異なる態様(例えば、太さや色を異ならせる)で表示する。このように、一度に出発地から目的地までの全経路(マルチモーダル経路)を案内(提供)することによって、移動手段を切り換える毎に経路を表示するために操作スイッチ160を操作するなどの煩わしい操作を行う必要がないので好ましい。
なお、このマルチモーダル経路データは、センター300から携帯機200に送信してもよい。そして、携帯機200の制御装置260は、受信したマルチモーダル経路データに基づいて、マルチモーダル経路を表示装置230の表示画面に表示するなどによって、
マルチモーダル経路を提供する(携帯機側経路提供手段)。このようにすることによって、乗員が自動車から降車した後でも、マルチモーダル経路を乗員に提供することができる。また、このようにセンター300から携帯機200にマルチモーダル経路を送信することによって、自動車のIG(イグニッションスイッチ)もしくはACC(アクセサリースイッチ)がオフした後であっても、携帯機200にマルチモーダル経路を送信することができるので好ましい。しかしながら、このマルチモーダル経路データは、カーナビ100から携帯機200に送信してもよい。
一方、ステップS14にて乗員がマルチモーダル経路を選択しなかった場合、及びセンター300側の比較判定で自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路がなかったと判定された場合(つまり、マルチモーダル経路よりも自動車経路の方が優位であると判定された場合)はステップS17に進む。ステップS17では、カーナビ100の制御装置180は、自動車経路を案内経路に設定する。そして、ステップS18では、カーナビ100の制御装置180は、自身が探索した自動車経路を表示装置150の表示画面に表示するなどによって、自動車経路を自動車の乗員に提供する(経路提供手段)。例えば、表示装置150の表示画面に、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて走行すべき自動車経路を表示するとともに、自車位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置170により案内音声を出力することにより行われる。
このように、自動車経路とマルチモーダル経路とを比較して、マルチモーダル経路よりも自動車経路の方が優位である場合は自動車経路を自動車の乗員に提供することによって、出発地から目的地までの自動車経路を案内することができる。また、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であっても、マルチモーダル経路の提供を要求しなかった場合、すなわち、自動車の乗員がマルチモーダル経路の提供を希望しなかった場合は、自動車経路を自動車の乗員に提供することによって、出発地から目的地までの自動車経路を案内することができる。
一方、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位である場合は、まず、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを自動車の乗員に報知する。そして、マルチモーダル経路の提供を要求した場合、すなわち、自動車の乗員がマルチモーダル経路の提供を希望する場合は、マルチモーダル経路を自動車の乗員に提供することによって、出発地から目的地までのマルチモーダル経路を案内することができる。このようにすることによって、自動車経路とマルチモーダル経路のうち、ユーザの希望に沿ったいずれかの経路を案内することができる。
つまり、本発明の経路案内システムは、乗員に対して自動車経路を案内するものが前提であるが、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があり、かつ、自動車の乗員がマルチモーダル経路の提供を希望する場合は、マルチモーダル経路を案内するものである。
このように、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定した場合、センター300は、まず、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報をカーナビ100に送信する。その後、カーナビ100からマルチモーダル経路の要求があると、マルチモーダル経路データをカーナビ100に送信する。よって、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位である場合に、直ちにマルチモーダル経路を送信するよりも、センター300とカーナビ100との通信量を低減できる。
また、本実施形態においては、マルチモーダル経路の概要と自動車経路の概要を示す情報(経路案内用サマリ)をセンター300からカーナビ100に送信して、カーナビ100の表示装置150に表示することによって、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを報知することができる。
さらに、経路案内用サマリとして、移動手段と移動手段の始点・終点(また、必要に応じて移動手段の切り換え地点)と出発地から目的地までの所要時間のみを含むマルチモーダル経路のサマリと、出発地から目的地までの所要時間のみを含む自動車経路のサマリとを採用することによって、経路案内用サマリとして、これらの情報に加えてマルチモーダル経路の乗車駅(又はバス停や空港や港)の時刻表などを含む場合よりも、センター300とカーナビ100との通信量を低減することができる。
また、本実施形態の経路案内システムは、上述のように、センター300でマルチモーダル経路を探索するので、カーナビ100の負荷が増大することを抑制しつつ、必要に応じてマルチモーダル経路を乗員に提供することができる。つまり、カーナビ100ではマルチモーダル経路を探索する必要がないので、カーナビ100の負荷が増大することを抑制できる。よって、カーナビ100は、マルチモーダル経路を探索する機能を有していなくてもよく、公共交通機関に含まれる各交通機関の運行状況などを記憶していたり、外部から取得したりする必要もない。さらに、既に自動車経路のみを探索できるカーナビを所持しているユーザは、カーナビとセンターとが無線通信可能であれば、新たに、自動車経路とマルチモーダル経路とを探索できるカーナビを購入することなく、必要に応じてマルチモーダル経路の案内を受けることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態における経路案内システムに関して説明する。
第2実施形態と上述の実施形態とは、共通する部分が多いため、共通する部分に関しては説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。第2実施形態と上述の実施形態とで異なるのは、出発地から目的地までの自動車経路に関する情報として出発地データ及び目的地データを採用する点、センター300で自動車経路を探索する点、このセンター300で探索した自動車経路をカーナビ100に送信する点である。なお、経路案内システムの構成に関しては、上述の実施形態によるものと同様であるため説明は省略する。また、図6に示すフローチャートにおいて、図5に示すフローチャートと共通する箇所に関しては、同じステップ番号を付与して説明を省略する。
ここで、図6のフローチャートに基づいて、本実施形態における経路案内システムの処理動作に関して説明する。なお、図6のフローチャートにおけるステップS10,S13〜S18,S30,S31は、カーナビ100での処理であり、出発地情報、目的地情報、及び出発地から目的地までの自動車経路の探索指示を示す操作信号が入力されたり、センター300から送信された経路選択用サマリなどを受信したりすると実行される。一方、図6のフローチャートにおけるステップS40,S20〜S23,S25,S41は、センター300での処理であり、カーナビ100から送信された出発地データなどを受信すると実行される。
まず、ステップS30では、カーナビ100の制御装置180は、ステップS10で設定した自動車経路の出発地を示す出発地データ、目的地を示す目的地データを含む出発地から目的地までの自動車経路に関する情報を、車載機IDとともに、通信装置110を用いてセンター300に送信する(車載機側通信手段)。
一方、ステップS40では、センター300の制御装置360は、通信装置310にて、カーナビ100(通信装置110)から送信された出発地データ、目的地データ、及び車載機IDを受信すると、自動車経路を探索する。つまり、センター300の制御装置360は、出発地データ及び目的地データに基づき、渋滞情報データベース330、地図情報データベース340を用いて、ステップS10で設定された出発地から目的地までの自動車経路を探索する(自動車経路探索手段)。この自動車経路の探索においては、例えば、周知の推奨経路や、5ルート(一例として推奨、有料優先、一般優先、距離優先、別ルート)などを探索する。なお、センター300の制御装置360は、自動車経路を探索すると、この自動車経路と車載機IDとを関連付けてHDDなどに記憶する。また、この自動車経路と車載機IDに加えて、受信した出発地データ、目的地データを関連付けてHDDなどに記憶するようにしてもよい。
また、ステップS31では、カーナビ100の制御装置180は、ステップS14にてマルチモーダル経路が選択されてないと判定した場合(例えば、自動車経路が選択されたと判定した場合)、通信装置110を用いて自動車経路の提供をセンター300に要求する(要求手段)。つまり、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110を用いて自動車経路の要求を示す要求信号をセンター300(通信装置310)に送信する
そして、ステップS41では、センター300の制御装置360は、カーナビ100から送信された自動車経路の要求(要求信号)を通信装置310にて受信すると、ステップS40で探索した自動車経路(自動車経路データ)をカーナビ100に送信(配信)する(センター側通信手段)。
このようにすることによっても、上述の実施形態と同じ効果を奏することができる。さらに、本実施形態においては、カーナビ100は、自動車経路を探索する必要がない。よって、カーナビ100の負荷をより一層低減することができる。
また、センター300で自動車経路を探索するので、カーナビ100が交通情報(VICS情報、プローブ情報、フローティング情報など)をもっていない場合であっても、交通情報を考慮した自動車経路を提供することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態における経路案内システムに関して説明する。
第3実施形態と上述の実施形態とは、共通する部分が多いため、共通する部分に関しては説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。上述の実施形態においては、同じマルチモーダル経路をカーナビ100と携帯機200に送信する例、つまり、同じマルチモーダル経路をカーナビ100と携帯機200とから提供する例を採用していた。これに対して、第3実施形態は、異なるマルチモーダル経路をカーナビ100と携帯機200とに送信する、つまり、マルチモーダル経路の一部をカーナビ100から提供し、マルチモーダル経路のその他の部分を携帯機200から提供するものである。なお、経路案内システムの構成に関しては、上述の実施形態によるものと同様であるため説明は省略する。
ここで、図7のフローチャートに基づいて、本実施形態における経路案内システムの処理動作に関して説明する。なお、図7のフローチャートにおけるステップS50〜S57は、カーナビ100での処理であり、センター300から送信された検索結果や経路データなどを受信すると実行される。一方、図7のフローチャートにおけるステップS60〜S68は、センター300での処理であり、カーナビ100から送信されたマルチモーダル経路の要求や駐車場を示す信号や到着通知を受信する実行される。つまり、センター300は、ステップS60での処理を行う前に、上述の第1実施形態におけるステップS20〜23、もしくは第2実施形態におけるステップS40,ステップS20〜23を実行している。また、図7のフローチャートにおけるステップS70は、携帯機200での処理であり、センター300から送信された発車時刻などを受信する実行される。
まず、ステップS60では、センター300の制御装置360は、カーナビ100からマルチモーダル経路の要求を受信すると、駐車場情報データベース350を用いて、乗車駅(又はバス停や空港や港)周辺の駐車場を検索する。つまり、センター300の制御装置360は、駐車場情報データベース350を用いて、乗車駅(又はバス停や空港や港)周辺で駐車可能(空車がある)な駐車場を検索する。なお、このとき、センター300の制御装置360は、乗車駅(又はバス停や空港や港)から所定範囲内において、駐車場があるか否かを検索する。
ステップS61では、センター300の制御装置360は、ステップS60での検索によって、駐車場が有ったか否かを判定する。そして、駐車できる駐車場が有ったと判定した場合はステップS62へ進み、駐車できる駐車場が無かったと判定した場合はステップS65へ進む。
ステップS61において駐車できる駐車場が有ったと判定した場合、センター300の制御装置360は、ステップS62に進んで、通信装置310を用いて、ステップS60での検索結果、すなわち、検索で抽出された駐車場の情報(駐車場情報)をカーナビ100に送信する。なお、乗車駅(又はバス停や空港や港)から所定範囲内において、複数の駐車場があった場合は、検索で抽出された複数の駐車場の情報(駐車場情報)をカーナビ100に送信し、一つの駐車場しかなかった場合は、検索で抽出された一つの駐車場の情報(駐車場情報)をカーナビ100に送信する。
ここで、カーナビ100での処理に進む。ステップS50では、カーナビ100の制御装置180は、センター300から送信された駐車場情報を通信装置110で受信した場合、この駐車場情報(一つ、又は複数の駐車場情報)を表示装置150の表示画面に表示する(すなわち、検索結果を表示する)。これによって、乗車駅(又はバス停や空港や港)の周辺における、駐車可能な駐車場を自動車の乗員に報知する。
ステップS51では、カーナビ100の制御装置180は、操作スイッチ160から出力された信号に基づいて、ステップS50で報知した駐車可能な駐車場から、駐車場が選択されたか否かを判定する。例えば、操作スイッチ160としてタッチパネルを採用した場合、駐車可能な駐車場情報が表示されている状態において、この駐車場情報を表示している箇所がタッチされたことを示す信号が出力されると、駐車場が選択されたと判定する。そして、駐車場が選択されたと判定した場合はステップS52へ進み、駐車場が選択されてないと判定した場合はステップS53へ進む。
ステップS52では、カーナビ100の制御装置180は、自動車の乗員による指示に応じて(つまり、乗員の操作に応じて操作スイッチ160が駐車場の選択を示す信号を出力した場合であり、乗員が駐車場を選択した場合)、通信装置110を用いて現在位置から駐車場(乗員が選択した駐車場)までの経路の提供をセンター300に要求する。
一方、ステップS53では、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110を用いて、駐車場が選択されなかったことをセンター300に通知する。換言すると、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110を用いて、現在位置から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路の提供をセンター300に要求する。
ここで、センター300での処理に戻る。カーナビ100の乗員によって駐車場までの経路の要求を受信した場合、センター300の制御装置360は、ステップS63において、渋滞情報データベース330,地図情報データベース340を用いて現在位置から要求された駐車場までの経路を探索する。
そして、ステップS64では、センター300の制御装置360は、通信装置310を用いて、ステップS63にて探索した現在位置から駐車場までの経路(経路データ)をカーナビ100に送信する。つまり、センター300の制御装置360は、マルチモーダル経路の一部として現在位置から駐車場までの経路(経路データ)をカーナビ100に送信する。
一方、ステップS61において駐車できる駐車場が無かったと判定した場合、又は、カーナビ100の乗員によって駐車場が選択されなかったとの通知を受信した場合、センター300の制御装置360は、ステップS65に進んで、通信装置310を用いて、既に探索しているマルチモーダル経路における現在位置から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路(経路データ)をカーナビ100に送信する。つまり、センター300の制御装置360は、マルチモーダル経路の一部として現在位置から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路(経路データ)をカーナビ100に送信する。
マルチモーダル経路を選択した乗員は、自身が乗っている自動車を必ず駐車場に駐車させるとは限らない。例えば、マルチモーダル経路に含まれる乗車駅(又はバス停や空港や港)以降は、乗車駅(又はバス停や空港や港)まで乗っていた自動車を友人や家族などが運転することも有りうる。つまり、乗車駅(又はバス停や空港や港)以降は、自動車から降りた乗員(ユーザ)に対して、携帯機200を用いてマルチモーダル経路を提供する。
従って、乗車駅(又はバス停や空港や港)の周辺に、駐車できる駐車場が無かった場合や、自動車の乗員によって駐車場が選択されなかったとの通知を受信した場合、ステップS65に示すように、現在位置から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路(経路データ)をカーナビ100に送信すると好ましい。
ここで、再度カーナビ100の処理に戻る。ステップS54では、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110にて、センター300(通信装置310)から送信された経路データを受信する。そして、ステップS55では、カーナビ100の制御装置180は、受信したマルチモーダル経路の一部としての経路データに基づいて、現在位置から駐車場までの経路を表示装置150の表示画面に表示するなどによって、マルチモーダル経路を自動車の乗員に提供する(経路提供手段)。例えば、表示装置150の表示画面に、道路地図に自車位置(車両の現在位置を示す車両マーク)を重ね合わせて走行すべきマルチモーダル経路(現在位置から駐車場までの経路)を表示するとともに、自車位置が所定のポイントに至ったときに、音声出力装置170により案内音声を出力することにより行われる。このように、マルチモーダル経路の一部をカーナビ100から提供する。
ステップS56では、カーナビ100の制御装置180は、自車位置検出部130と経路データとに基づいて、自車両が目的地である駐車場に到着したか否かを判定する。そして、目的地に到着したと判定した場合はステップS57へ進み、到着してないと判定した場合はステップS56での判定を繰り返す。
ステップS57では、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110を用いて、目的地である駐車場に到着したことをセンター300に通知する。換言すると、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110を用いて、マルチモーダル経路のその他の部分としての乗車駅(又はバス停や空港や港)以降の経路の提供をセンター300に要求する。
ここで、再度センター300の処理に戻る。ステップS66では、センター300の制御装置360は、通信装置310にて、カーナビ100(通信装置110)から送信された到着通知を受信する。
ステップS67では、センター300の制御装置360は、運行情報データベース320,地図情報データベース340を用いて、乗車駅(又はバス停や空港や港)での発車時刻(又は出発時刻)及び駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)への経路を探索する。
ステップS68では、センター300の制御装置360は、運行情報データベース320,地図情報データベース340を用いて、マルチモーダル経路における到着駅(又はバス停や空港や港)での到着時刻及びこの到着駅(又はバス停や空港や港)から目的地への経路を探索する。
ステップS69では、センター300の制御装置360は、マルチモーダル経路におけるその他の部分である乗車駅(又はバス停や空港や港)以降の目的地までの経路としての、駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)への経路(経路データ)、到着駅(又はバス停や空港や港)から目的地への経路(経路データ)を携帯機200に送信(配信)する(センター側通信手段)。さらに、ここでは、乗車駅(又はバス停や空港や港)での発車時刻(又は出発時刻)、到着駅(又はバス停や空港や港)での到着時刻も携帯機200に送信すると好ましい。
ここで、携帯機200での処理に進む。ステップS70では、携帯機200の制御装置260は、通信装置210にて、駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)への経路データ(マルチモーダル経路)、到着駅(又はバス停や空港や港)から目的地への経路データ(マルチモーダル経路)などを受信する。そして、携帯機200の制御装置260は、受信した経路データ(マルチモーダル経路)に基づいて、マルチモーダル経路としての駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)への経路及び到着駅(又はバス停や空港や港)から目的地への経路を表示装置230の表示画面に表示する(携帯機側経路提供手段)。このようにすることによって、乗員が自動車から降車した後でも、マルチモーダル経路を乗員に提供することができる。つまり、マルチモーダル経路のその他の部分を携帯機200から提供する。
このように、本実施形態における経路案内システムは、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があると判定した場合、乗員がマルチモーダル経路を選択して初めて、マルチモーダル経路データをカーナビ100及び携帯機200に送信する。つまり、自動車の乗員がマルチモーダル経路を希望した時点で、マルチモーダル経路データをカーナビ100及び携帯機200に送信する。
また、現在位置から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路及び現在位置から駐車場までの経路は、自動車で移動する経路である。一方、駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)への経路及び到着駅(又はバス停や空港や港)から目的地への経路は、既に自動車から降車した乗員が徒歩などで移動する経路である。そこで、本実施形態においては、現在位置から乗車駅(又はバス停や空港や港)までの経路及び現在位置から駐車場までの経路は、カーナビ100を用いて乗員に提供している。一方、駐車場から乗車駅(又はバス停や空港や港)への経路及び到着駅(又はバス停や空港や港)から目的地への経路は、携帯機200を用いて乗員に提供している。
つまり、本実施形態においては、単にマルチモーダル経路をカーナビ100及び携帯機200を用いて乗員に提供するものではなく、マルチモーダル経路において、自動車に乗っている乗員に提供して好適な部分をカーナビ100を用いて提供し、マルチモーダル経路において、自動車から降りた乗員(ユーザ)に提供して好適な部分を携帯機200を用いて提供するものである。
このように、本実施形態においては、上述の実施形態における効果に加えて、マルチモーダル経路を、適切な媒体(カーナビ100又は携帯機200)を用いて、乗員に提供することができるので好ましい。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態における経路案内システムに関して説明する。
第4実施形態と上述の実施形態とは、共通する部分が多いため、共通する部分に関しては説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。第4実施形態と上述の実施形態とで異なるのは、カーナビ100が所定時間毎に現在位置データと目的地データをセンター300に送信する点である。なお、経路案内システムの構成に関しては、上述の実施形態によるものと同様であるため説明は省略する。また、図8に示すフローチャートにおいて、図5,6に示すフローチャートと共通する箇所に関しては、同じステップ番号を付与して説明を省略する。
ここで、図8のフローチャートに基づいて、本実施形態における経路案内システムの処理動作に関して説明する。なお、図8のフローチャートにおけるステップS80,S13〜S16,S18は、カーナビ100での処理であり、所定時間毎又はマルチモーダル経路を受信すると実行される。一方、図8のフローチャートにおけるステップS40,S20〜S25は、センター300での処理であり、カーナビ100から送信された現在位置データなどを受信すると実行される。
図8のフローチャートのステップS80に示すように、カーナビ100の制御装置180は、現在位置データと目的地データとを、通信装置110を用いてセンター300に送信する(車載機側通信手段)。
本実施形態における経路案内システムは既に自動車経路が案内されていることが前提であるため、図8に示すフローチャートは、上述の図5,6に示すフローチャートにおいて自動車経路の案内が開始された後に実行されるようにしてもよい。
例えば、経路探索を開始した時点で、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路がなかったり、ユーザがマルチモーダル経路の提供を希望しなかった場合、自動車経路を提供することになる。ところが、例えば、自動車経路の案内を開始した後に、自動車経路に含まれる道路で交通事故などが発生すると、自動車では目的地への到着時間が大幅に遅れたり、目的地に到達できなかったりすることもありうる。
しかしながら、上述のようにすることによって、カーナビ100を搭載した自動車が自動車経路に従って移動している途中であっても、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があれば、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを自動車の乗員に報知することができる。そして、自動車の乗員がマルチモーダル経路での案内を希望する場合(マルチモーダル経路が選択されたと判定した場合)は、マルチモーダル経路を提供することができる。
なお、本実施形態においては、センター300(制御装置360)は、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報(ここでは、経路選択用サマリ)をカーナビ100に送信する際に、再度、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報を送信することになった原因(例えば、交通情報(渋滞情報))も一緒に送信するようにしてもよい。このようにすることによって、既に自動車経路が提供されているにもかかわらず、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報が報知された理由を、自動車の乗員に対して報知することができるので好ましい。
なお、本実施形態における経路案内システムは、既に自動車経路が案内されていることが前提である。従って、図8のフローチャートにおいては、センター300から新たに自動車経路データを受信したり(すなわち、カーナビ100からセンター300に自動車経路の送信を要求したり)、カーナビ100で新たに自動車経路を設定したりする必要はない。
しかしながら、経路探索を開始した時点で、ユーザがマルチモーダル経路の提供を希望した場合は、マルチモーダル経路を提供することになる。ところが、例えば、マルチモーダル経路を選択した場合であっても、マルチモーダル経路に含まれている公共交通機関の乗車駅(又はバス停や空港や港)まで自動車で移動している間に、公共交通機関で事故などが発生すると、公共交通機関では目的地への到着時間が大幅に遅れたり、目的地に到達できなかったりすることもありうる。
よって、センター300は、マルチモーダル経路よりも自動車経路の方が優位と判定した場合は、自動車経路データをカーナビ100に送信するようにしてもよい。このようにすることによって、カーナビ100を搭載した自動車がマルチモーダル経路に従って移動している途中であっても、マルチモーダル経路よりも優位な自動車経路を提供することができる。
なお、本実施形態においては、センター300(制御装置360)は、自動車経路データをカーナビ100に送信する際に、自動車経路データを送信することになった原因(例えば、運行遅延や運休などの情報)も一緒に送信するようにしてもよい。このようにすることによって、既にマルチモーダル経路が提供されているにもかかわらず、自動車経路が提供された理由を、自動車の乗員に対して報知することができるので好ましい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態における経路案内システムに関して説明する。
第5実施形態と上述の実施形態とは、共通する部分が多いため、共通する部分に関しては説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。第5実施形態と上述の実施形態とで異なるのは、カーナビ100がセンター300からの要求に応じて現在位置データをセンター300に送信する点である。なお、経路案内システムの構成に関しては、上述の実施形態によるものと同様であるため説明は省略する。また、図9に示すフローチャートにおいて、図5,6に示すフローチャートと共通する箇所に関しては、同じステップ番号を付与して説明を省略する。
ここで、図9のフローチャートに基づいて、本実施形態における経路案内システムの処理動作に関して説明する。なお、図9のフローチャートにおけるステップS100,S13〜S16,S18は、カーナビ100での処理であり、センター300から送信された現在位置の送信要求などを受信すると実行される。一方、図9のフローチャートにおけるステップS110〜S113,S40,S20〜S25は、センター300での処理であり、制御装置360に電源が供給されているときに実行される。また、センター300での処理においては、ステップS24,S25での処理が終了すると、所定時間経過した後にステップS110が実行される。
なお、本実施形態における経路案内システムは既に自動車経路が案内されていることが前提であるため、図9に示すフローチャートは、上述の図5,6に示すフローチャートにおいて自動車経路の案内が開始された後に実行されるようにしてもよい。
ステップS110では、センター300の制御装置360は、交通情報に変動があったか否かを判定する(変動判定手段)。なお、ここでは、交通情報として渋滞情報を採用して説明する。
つまり、センター300の制御装置360は、VICS(登録商標)センターから取得(交通情報取得手段)したり、プローブカー(フローティングカー)から取得した情報に基づいて生成(交通情報取得手段)した各道路の渋滞情報(交通情報)が、前回の渋滞情報(既に渋滞情報データベース330に記憶されている渋滞情報)とかわっているか否かを判定する。そして、変動有りと判定した場合ステップS111へ進み、変動なしと判定した場合はステップS110での判定を繰り返す。なお、このステップS110での判定は、所定時間毎に実行する。
ステップS111では、センター300の制御装置360は、HDDなどに記憶された自動車経路から、渋滞情報に変動があった道路を含む自動車経路を検索する。なお、このHDDなどに記憶されている自動車経路は、例えば、図5のフローチャートにおけるステップS20や図6のフローチャートにおけるステップS40でHDDに記憶されたものである。
ステップS112では、センター300の制御装置360は、ステップS111での検索によって該当する自動車経路が有ったか否かを判定する。つまり、ステップS111での検索によって該当する自動車経路が抽出されたか否かを判定する。そして、該当する自動車経路があったと判定した場合はステップS113に進み、該当する自動車経路がなかったと判定した場合はステップS110の判定に戻る。
ステップS113では、センター300の制御装置360は、抽出された自動車経路を走行している自動車(カーナビ100)に対して現在位置を要求する。つまり、センター300の制御装置360は、ステップS111での検索によって抽出された自動車経路と関連付けられた車載機IDに対応するカーナビ100に対して、通信装置310を用いて現在位置の送信を要求する要求信号を送信する。換言すると、変動があった道路を含む自動車経路に関する情報を送信したカーナビ100に対して現在位置の送信を要求する。
そして、ステップS100では、カーナビ100の制御装置180は、通信装置110を用いて、現在位置データをセンター300に送信する(車載機側通信手段)。つまり、カーナビ100の制御装置180は、センター300から送信された現在位置の送信を要求する要求信号を受信すると、現在位置データをセンター300に送信する。
なお、図9におけるステップS40は、上述の実施形態と略同じである。しかしながら、ステップS40においては、センター300の制御装置360は、カーナビ100から送信された現在位置データを用いて自動車経路及びマルチモーダル経路を再探索することになる。よって、ここでの自動車経路及びマルチモーダル経路は、カーナビ100を搭載した自動車が既に通過した道路の渋滞情報に変動は考慮されることはない。
このように、交通情報に変動があったときだけ、センター300からカーナビ100に対して現在位置の送信を要求し、カーナビ100がこれに応答して現在位置をセンター300に送信することによって、センター300とカーナビ100との通信量をより一層低減できる。つまり、センター300とカーナビ100との通信量を第4実施形態よりも低減できる。
なお、本実施形態においても第4実施形態と同様に、センター300(制御装置360)は、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報(ここでは、経路選択用サマリ)をカーナビ100に送信する際に、再度、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報を送信することになった原因(例えば、交通情報(渋滞情報))も一緒に送信するようにしてもよい。このようにすることによって、既に自動車経路が提供されているにもかかわらず、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報が報知された理由を、自動車の乗員に対して報知することができるので好ましい。
また、本実施形態においても第4実施形態と同様に、センター300は、マルチモーダル経路よりも自動車経路の方が優位と判定した場合は、自動車経路データをカーナビ100に送信するようにしてもよい。このようにすることによって、カーナビ100を搭載した自動車がマルチモーダル経路に従って移動している途中であっても、マルチモーダル経路よりも優位な自動車経路を提供することができる。
また、本実施形態においても第4実施形態と同様に、センター300(制御装置360)は、自動車経路データをカーナビ100に送信する際に、再度、自動車経路データを送信することになった原因(例えば、運行遅延や運休などの情報)も一緒に送信するようにしてもよい。このようにすることによって、既にマルチモーダル経路が提供されているにもかかわらず、自動車経路が提供された理由を、自動車の乗員に対して報知することができるので好ましい。
(変形例)
なお、上述の実施形態においては、図4(a)に示すように、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報として、経路選択用サマリを採用したが、本発明はこれに限定されるものではない。変形例として、図10に示すように、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを示す情報を採用するようにしてもよい。換言すると、センター300は、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを示す情報として、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを示す情報をカーナビ100に送信するようにしてもよい。つまり、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを示す情報として、カーナビ100における表示装置150の表示画面に、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを表示させるための情報を採用してもよい。
このように、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを示す情報をカーナビ100に送信することによって、センター300とカーナビ100との通信量をより一層低減できる。
また、図10に示すように、カーナビ100における表示装置150の表示画面に、地図とともに、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを表示しやすくできるので好ましい。特に、第4実施形態や第5実施形態における経路案内システムに適用すると好適である。第4実施形態や第5実施形態における経路案内システムは、自動車経路が案内されていることが前提であるため、カーナビ100における表示装置150の表示画面には地図が表示されている。このような状況においては、表示画面が地図から図4(a)に示すような経路選択用サマリに切り替わるよりも、図10のように地図とともに、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることが表示される方が、ユーザに違和感を与えることを抑制できる。
さらに、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを示す情報として、カーナビ100における音声出力装置170から、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることのみを報知(音声出力)させるための情報を採用してもよい。このようにすることによって、表示装置150の表示画面には、図10に示すような自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることすら表示されないので好ましい。
また、このように、表示装置150の表示画面に、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることが表示されたり、音声出力装置170から、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることが報知(音声出力)されたりした後に、乗員の指示に応じてカーナビ100からセンター300に対して、経路選択用サマリを要求するようにしてもよい。つまり、カーナビ100(制御装置180)は、操作スイッチ160から経路選択用サマリの要求を示す信号が出力されると、通信装置110を用いて、センター300に対して経路選択用サマリの要求を示す要求信号を送信するようにする。一方、センター300(制御装置360)は、この要求信号に応答して、通信装置310を用いて経路選択サマリを送信する。
なお、上述の実施形態においては、出発地から目的地までの所要時間で、マルチモーダル経路と自動車経路とのどちらが優位であるかを判定していたが、本発明はこれに限定されるものではない。出発地から目的地までの交通費で判定してもよい。さらに、所要時間と交通費とで判定してもよい。
また、交通費で比較する場合、例えば、マルチモーダル経路でかかる交通費がユーザの許容範囲内であるか否かで、マルチモーダル経路と自動車経路とのどちらが優位であるかを判定する。そして、マルチモーダル経路でかかる交通費がユーザの許容範囲内である場合は、マルチモーダル経路が自動車経路よりも優位であるとみなし、マルチモーダル経路でかかる交通費がユーザの許容範囲内でない場合は、自動車経路がマルチモーダル経路よりも優位であるとみなす。
また、交通費で比較する場合、例えば、マルチモーダル経路でかかる交通費と自動車経路でかかる交通費とを比較して、マルチモーダル経路と自動車経路とのどちらが優位であるかを判定する。そして、マルチモーダル経路でかかる出発地から目的地まので交通費が自動車経路でかかる出発地から目的地まので交通費よりも安い場合は、マルチモーダル経路が自動車経路よりも優位であるとみなし、マルチモーダル経路でかかる交通費が自動車経路でかかる交通費よりも高い場合は、自動車経路がマルチモーダル経路よりも優位であるとみなす。なお、自動車経路でかかる出発地から目的地まので交通費は、有料道路の通行料金、自動車の燃費などから算出することができる。
なお、自動車経路を走行中のユーザに対して、マルチモーダル経路を提案する際の表示例は、上述の例に限定されるものではない。例えば、図11に示すようにしてもよい。この図11は、カーナビ100の表示装置150の表示画面に表示されたイメージ図である。つまり、図11に示すように、カーナビ100は、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路がある場合、自動車経路をマルチモーダル経路に切り替えるか否かの選択画面を表示装置150の表示画面に表示する(報知手段)ようにしてもよい。換言すると、カーナビ100は、自動車経路よりもマルチモーダル経路の方が優位であると判定された場合、自動車経路をマルチモーダル経路に切り替えるか否かの選択画面を表示装置150の表示画面に表示することで、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを自動車のユーザに報知するようにしてもよい。なお、同様に、自動車経路をマルチモーダル経路に切り替えるか否かの選択案内を音声出力装置170から音声出力することで、自動車経路よりも優位なマルチモーダル経路があることを自動車のユーザに報知するようにしてもよい。
このように表示装置150の表示画面に選択画像を表示したり、音声出力装置170から選択案内を音声出力したりした後、乗員の指示に応じて(YESが操作された場合)カーナビ100からセンター300に対して、経路選択用サマリを要求するようにしてもよい。つまり、カーナビ100(制御装置180)は、操作スイッチ160から経路選択用サマリの要求を示す信号が出力されると(YESが操作されると)、通信装置110を用いて、センター300に対して経路選択用サマリの要求を示す要求信号を送信するようにする。一方、センター300(制御装置360)は、この要求信号に応答して、通信装置310を用いて経路選択サマリを送信する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。