JP2012167957A - 擬似婦人科系がん病臭組成物及び婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法 - Google Patents

擬似婦人科系がん病臭組成物及び婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】婦人科系がんの病臭を正確に再現し、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価を行うための病臭サンプルを提供する。
【解決手段】トリメチルアミン及びスルフィド類を含む擬似婦人科系がん病臭組成物を用いることにより婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価を簡便に行うことができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、擬似婦人科系がん病臭組成物及びそれを用いた婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法等に関する。
近年、ヒトの病気と臭いとの関係は複数報告されており、ガンについては悪臭がするとの報告がなされている(AROMA RESEARCH No. 40, Vol.10, No.4, 2009(非特許文献1))。皮膚がん、乳がん、頭頸部がん等の皮膚に浸潤した進行がんについても特有の悪臭を伴うことが知られている。例えば、Biosci. Biotechnol. Biochem. 2009, p2117-2120(非特許文献2)では、乳がん患者及び頭頸部がん患者に共通して硫黄様の悪臭があることが報告されている。GC-MS-O分析の結果、その悪臭物質がジメチルトリスルフィドであったことも報告されている。
また、PLoS ONE Vol.5, Issue 1, e8819, January 2009(非特許文献3)では、マウスの尿中揮発性化合物を分析した結果、肺がん腫瘍群及びコントロール群間においていくつかの化合物の検出量に有意差が表れたこと、更には二種類の肺がん腫瘍モデル間において検出される化合物の種類に違いが見られたことが報告されている。
がんによる悪臭(病臭)が強い場合、患者が臭いを気にして周囲に気遣いし、時に面会を制限することもあり、孤独感及び孤立感をもたらす要因のひとつとなっている。またケアを行う看護師や家族にとっても病臭のなかでケアを行うことは精神的な負担になる。病臭の消臭は医療及び介護の場で重要な課題となっている。
ヒトの体内から分泌される臭いに対する消臭効果を評価する場合、ヒトの体内からサンプルを採取して定性的な評価を行うことは困難であり、また被験者の負担にもなる。このため、ヒトの体内から分泌される臭いを正確に再現した擬似臭の開発研究が進められている。例えば、特開2004−263102号公報(特許文献1)では、ヒトの汗臭を再現した擬似体臭組成物が開示されている。また、特開2009−132770号公報(特許文献2)では、ヒトの尿臭を再現した擬似尿臭組成物が開示されている。しかし、病臭を再現した例はほとんど知られていない。
特開2004−263102号公報 特開2009−132770号公報
AROMA RESEARCH No. 40, Vol.10, No.4, 2009 Biosci. Biotechnol. Biochem. 2009, p2117-2120 PLoS ONE Vol.5, Issue 1, e8819, January 2009
本発明者らの調査研究において、乳がん患者と婦人科系がん患者とでは病臭に違いがあることが判明している。それぞれの病臭に適した消臭素材等を開発するためには、病臭を正確に再現した擬似病臭組成物を調合し、評価用の病臭サンプルを容易に入手できることが望まれている。
本発明者は、上記課題を解決するべく、婦人科系がんの病臭サンプルとして、膣外にあてがわれたパッドを回収して臭気の分析をしたところ、この臭気分析により、ジメチルトリスルフィドなどの含硫黄化合物、トリメチルアミンなどのアミン化合物、インドール及びスカトールなどの含窒素化合物、フェノール及びクレゾールなどのフェノール類、ならびに低級脂肪酸類などといった悪臭成分を検出し、これらの成分により婦人科系がんの病臭が構成されることを見出した。さらに本発明者は、婦人科系がん患者の膣内処置後に回収したガーゼを臭気分析した結果、パッドの分析で得られる場合と比較してかなりの高濃度でトリメチルアミンを検出し、トリメチルアミンが婦人科系がんの病臭の鍵化合物であることを突き止めた。これらの分析結果に基づいて本発明者はさらに研究を進め、膣外にあてがわれたパッドの分析結果から検出された成分及び膣内処置後に回収したガーゼの分析結果から検出された成分をベースとして、複数の臭気成分を調合して擬似臭を作製し、専門パネルおよび現場看護師により官能評価を行った。その結果、鍵化合物であるトリメチルアミンにスルフィド類を組み合わせた場合に、婦人科系がんの病臭との類似性が高いことが判明した。この擬似臭を用いることにより、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果を評価することができる。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、以下に示した擬似婦人科系がん病臭組成物、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法等を提供するものである。なお、本明細書においては、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんを「婦人科系がん」と定義する。また、疾患により直接的及び間接的に体内又は体表から生じる臭気を「病臭」と定義する。
[1]トリメチルアミン及びスルフィド類を含む、擬似婦人科系がん病臭組成物。
[2]クレゾール、インドール及びスカトールをさらに含む、[1]に記載の組成物。
[3]フェノールをさらに含む、[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]炭素数1〜12の低級脂肪酸類をさらに含む、[1]〜[3]の何れか1項に記載の組成物。
[5]トリメチルアミンとスルフィド類とを1:0.001〜10の重量比で含む、[1]〜[4]の何れか1項に記載の組成物。
[6][1]〜[5]の何れか1項に記載の組成物を用いることを含む、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法。
本発明は擬似婦人科系がん病臭組成物を提供するものである。患者に対する臨床での消臭試験は倫理上困難なことが多く、特に臨床での婦人科系がん病臭の消臭試験実施は困難であったが、本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物を用いることにより、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価を簡便に行うことができる。本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物を用いて臨床で実施困難なマスキング、消臭又は変調効果を評価することにより、消臭素材等の開発が進み、医療及び介護の場での課題解決ができる。
以下、本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法等について具体的に説明する。
1.擬似婦人科系がん病臭組成物
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物は、トリメチルアミン及びスルフィド類を含む。トリメチルアミンとスルフィド類とを組み合わせることで婦人科系がんの病臭をより正確に再現することができる。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物は、主要構成成分としてトリメチルアミンを含む。 本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物におけるトリメチルアミンの含有量は、0.000001〜10重量%が好ましく、0.00001〜5重量%がより好ましく、0.0001〜1重量%が特に好ましい。
本発明に用いるスルフィド類は、特に制限されるものではないが、ジメチルモノスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド、アリルプロピルモノスルフィド、アリルプロピルジスルフィド、アリルプロピルトリスルフィド、ジアリルモノスルフィド、ジアリルトリスルフィド、ジアリルポリスルフィド、アリルメチルモノスルフィド、アリルメチルジスルフィド、アリルメチルトリスルフィド、ジプロピルモノスルフィド、ジプロピルジスルフィド、ジプロピルトリスルフィド、メチルプロピルモノスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、メチルプロピルトリスルフィド、ジイソプロピルモノスルフィド及びジメチルテトラスルフィドなどが挙げられる。
これらの中でも、ジメチルモノスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィドが好ましく、ジメチルトリスルフィドが特に好ましい。
スルフィド類は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物におけるスルフィド類の含有量は、0.000001〜1重量%が好ましく、0.00001〜0.5重量%がより好ましく、0.0001〜0.1重量%が特に好ましい。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物においては、トリメチルアミンとスルフィド類とを1:0.001〜10の重量比で用いることが好ましい。この量比で用いることにより、婦人科系がんの病臭をより正確に再現することができる。トリメチルアミンとスルフィド類の重量比は1:0.01〜5がより好ましく、1:0.1〜1が特に好ましい。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物は、トリメチルアミンとスルフィド類のほか、クレゾール(o-, m-, p-)、インドール及びスカトールをさらに含むことが好ましい。クレゾール、インドール及びスカトールを含むことにより婦人科系がんの病臭をより正確に再現することができる。クレゾールとしては特にp-クレゾールが好ましい。クレゾールの含有量は、0.0001〜50重量%が好ましく、0.001〜25重量%がより好ましく、0.01〜10重量%が特に好ましい。インドールの含有量は、0.00001〜10重量%が好ましく、0.0001〜5重量%がより好ましく、0.001〜2重量%が特に好ましい。スカトールの含有量は、0.000001〜10重量%が好ましく、0.00001〜5重量%がより好ましく、0.0001〜2重量%が特に好ましい。
特に制限されるものではないが、クレゾール、インドール及びスカトールの重量比は、1:0.0001〜10:0.00001〜10が好ましく、1:0.001〜5:0.0001〜5がより好ましく、1:0.01〜1:0.001〜1が特に好ましい。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物は、脂肪酸類をさらに含むことが好ましい。
脂肪酸類としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸(吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、2−メチルブタン酸)、ヘキサン酸(2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸)、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、グルコール酸、乳酸、3−ヒドロキシブタン酸等の水酸基を有していてもよい直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられる。このうち、炭素数1〜12の脂肪酸類が好ましく、炭素数4〜6の低級脂肪酸類(ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸)が特に好ましい。
脂肪酸類は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ブタン酸、イソブタン酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチルブタン酸及び4−メチルペンタン酸の組み合わせを用いることが好ましく、これらの6種を同量で用いることが特に好ましい。
脂肪酸類の含有量は、0.0001〜50重量%が好ましく、0.001〜20重量%がより好ましく、0.01〜10重量%が特に好ましい。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物は、婦人科系がん病臭の微妙な質や濃度を調整する目的で、上記の成分以外に任意の臭気成分をさらに含んでもよい。
本発明に用いる任意の臭気成分としては、クレゾール以外のフェノール類、アルデヒド類、スクワレン、スクワラン、コレステロール又はその誘導体、アミノ酸、グリセライド、炭素数2〜24の直鎖又は分岐の脂肪酸エステル、トリメチルアミン以外の揮発性含窒素化合物、スルフィド類以外の揮発性含硫黄化合物、芳香族カルボン酸類、環状カルボン酸類、ケトン類などが挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、エチルフェノール、ジメチルフェノール、ビニルフェノール、メトキシフェノール、メトキシメチルフェノール、メトキシビニルフェノール、ジヒドロキシベンゼン(o-, m-, p-)、メチルカテコール、2−メトキシフェノール(グアイアコール)、4−メトキシフェノールなどが挙げられる。
アルデヒド類としては、炭素数2〜13のアルデヒド類が好ましい。例えば、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、テトラデシルアルデヒド、ヘキサデシルアルデヒド、3−ヘキセナール、4−ヘプテナール、2−ノネナール、4−デセナール、ウンデシレンアルデヒド、2,4−ヘプタジエナール、2,6−ノナジエナール、2,4−デカジエナール、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド等の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルデヒドが挙げられる。
コレステロール誘導体としては、炭素数11〜16の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪酸のコレステロールエステル(例えば、ウンデカン酸コレステロールエステル、ドデカン酸コレステロールエステル、トリデカン酸コレステロールエステル、テトラデカン酸コレステロールエステル、ペンタデカン酸コレステロールエステル、パルミチン酸コレステロールエステル、パルミトオレイン酸コレステロールエステルなど)などが挙げられる。
アミノ酸としては、プロリン、プロリン含有ペプチド、ロイシン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、シトルリン、バリン、リジン、アルギニン、蛋白質がプロテアーゼ等によって分解され生成されたアミノ酸などが挙げられる。
グリセライドとしては、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸などの炭素数2〜24の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪酸のグリセライドなどが挙げられる。前記グリセライドにはモノ−、ジ−、トリ−脂肪酸グリセライドのいずれもが包含されるが、トリグリセライドが好ましく、特にパルミチン酸トリグリセライド、パルミトオレイン酸トリグリセライド等の炭素数16の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和脂肪酸トリグリセライドが好ましい。
脂肪酸エステルとしては、ラウリル酸ヘキサニルエステル、ラウリル酸ヘプタニルエステル、ラウリル酸オクタニルエステル、ラウリル酸ノナニルエステル、パルミチン酸ヘキサニルエステル、パルミチン酸ヘプタニルエステル、パルミチン酸オクタニルエステル、パルミチン酸ノナニルエステル、パルミトレイン酸ヘキサニルエステルなどが挙げられる。
揮発性含窒素化合物としては、アンモニア、トリブタミン、ピリジン類、ピラジン類、ピペリジン、ピロリン、プトレシン、カダベリンなどが挙げられる。
揮発性含硫化合物としては、硫化水素、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、メチオナール、1,2,4−トリチオランなどのトリチオラン類、S−メチルチオアセテート、2,4−ジチアペンタン、チオラン−2−オンなどが挙げられる。
芳香族カルボン酸類としては、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸などが挙げられる。
環状カルボン酸類としては、シクロペンタンカルボン酸などが挙げられる。
ケトン類としては、1−オクテン−3−オン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オンなどが挙げられる。
これら任意の臭気成分の含有量は、0.0000001〜50重量%が好ましく、0.000001〜20重量%がより好ましく、0.00001〜10重量%が特に好ましい。
さらに、本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物は、該組成物の濃度を調節する目的で溶剤を含むことができる。溶剤としては、婦人科系がんの病臭に影響を与えないものであれば特に制限なく使用することができる。具体的には、水、エタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート、流動パラフィン、イソプロピルミリステートなどが好ましく挙げられる。
溶剤の使用量は、組成物中50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上が特に好ましい。
2.婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物を評価用病臭サンプルとして用いることにより、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果を評価することができる。
婦人科系がん病臭のマスキング能、消臭効果又は変調効果の評価は、例えば本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物に被検体を加えるか、該組成物と被検体とを接触させて臭いをかぎ、本発明の婦人科系がん病臭組成物の臭いと対比することにより簡便に行うことができる。具体的な方法としてはカップ法を用いればよく、臭いの評価に当たっては、1〜20人の専門パネラー又は一般パネラーにより行うのが好ましい。評価は2〜7段階での評価が好ましく、より好ましくは3〜5段階評価で専門パネラーにより行うことが好ましい。
また、機器分析により、婦人科系がん病臭のマスキング能、消臭効果又は変調効果を評価することもできる。例えば、ガスクロマトグラフィ/質量分析法(GC/MS)などを用いて分析してもよい。
病臭サンプルとして本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物を用いることにより、例えば、婦人科系がんの病臭に対してその臭いのマスキング能、消臭効果又は変調効果を有する物質を効率よくスクリーニングすることができ、婦人科系がん病臭のマスキング能、消臭効果又は変調効果を簡便に評価できるため、本発明の評価方法は、婦人科系がんの病臭のマスキング剤、婦人科系がんの病臭に対する消臭・抑制剤、消臭機器などを評価、開発する上で有用である。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
〔実施例1、比較例1〜3〕
表1に示した成分を混合し、専門パネル3名および婦人科病棟に勤務する看護師5名により、子宮がん病臭との類似性を評価した。
表2に示したとおり、専門パネルでの評価の結果、比較例1は明らかに子宮がん病臭とは異なった。比較例2及び3は比較例1に比べて子宮がん病臭に近づくものの再現するものではなかった。実施例1は子宮がん病臭を再現し、類似性が高いと評価された。
婦人科病棟に勤務する看護師5名の評価結果を表3に示す。
表3に示したとおり、低級脂肪酸類、ジメチルトリスルフィド、トリメチルアミン、クレゾール、インドール及びスカトールを混合した実施例1について、看護師5名全員が、子宮頸がん病臭及び子宮体がん病臭がすると評価した。また、看護師1名については、比較例4についても子宮がん病臭に近いと評価した。
〔実施例2、比較例4〜7〕
表4に示した成分を混合し、婦人科病棟に勤務する看護師6名により、子宮がん病臭との類似性を評価した。
婦人科病棟に勤務する看護師6名の評価結果を表5に示す。
ジメチルトリスルフィド、トリメチルアミンそれぞれ単独では病臭を再現するものではないことが示された。また、フェノール及びクレゾールの混合物、インドール及びスカトールの混合物も病臭を再現するものではないことが示された。
〔実施例3〜5、比較例8〜10〕
表6に示した成分を混合し、婦人科病棟に勤務する看護師8名により、子宮がん病臭との類似性を評価した。
婦人科病棟に勤務する看護師8名の評価結果を表7に示す。
ジメチルトリスルフィド及びトリメチルアミンを含む実施例4が病臭と非常に良く似ていると判定され、実際の病臭を再現していることが示された。また、これらの成分にさらにクレゾール、インドール、スカトール、フェノール、低級脂肪酸類が含まれる実施例3及び5も病臭とよく似ていると判定された。
実施例1〜5、比較例1〜10の結果から、トリメチルアミンとジメチルトリスルフィドを併用した場合に子宮がん病臭を再現できることが判明した。
これらの成分に加えて、クレゾール、インドール、スカトール、フェノール及び低級脂肪酸類をさらに含むことによっても、実際の病臭を再現できることが判明した。
〔実施例6〜9〕
トリメチルアミンとスルフィド類の好ましい重量比を評価する目的で、トリメチルアミンとジメチルトリスルフィドの1:0.1、1:1、1:10の重量比の組成物を調製し、専門パネル3名で官能評価した。官能評価の結果、重量比が1:0.1、1:1で婦人科系がん病臭との類似性が認められ、重量比が1:10ではやや類似性が低下するものの婦人科系がん病臭を再現していると評価された。これらの結果からトリメチルアミンとスルフィド類の重量比としては、1:0.1〜1:10で婦人科系がん病臭を再現でき、等量またはややトリメチルアミンをスルフィド類に対して過剰量入れた1:0.1〜1でよりよく再現できることが判明した。
〔実施例10〕
次に、実施例1の組成物を用いて消臭剤の消臭効果を官能評価した。
<消臭剤の調製>
緑茶の乾燥茶葉80gに、50mM炭酸ナトリウム溶液1600mLを加えて、30℃で、1時間、激しく攪拌した(反応溶液のpHは8.7)。反応液をろ過後、ろ過液を凍結乾燥し、消臭剤251.8g(対乾燥茶葉64%)を得た。
アルミホイルを敷き、この上に水900μL、実施例1の組成物100μLを滴下した。消臭剤0.15gと小麦粉15gとを混合し、さらに水を適量(10ml)加えて練り混ぜたものを4層のガーゼで挟み、滴下した擬似病臭組成物を覆うようにアルミホイル上に置いた。一定時間(30分)経過後に専門パネラー3名でガーゼごしに官能評価した。
〔比較例11〕
消臭剤を添加しないこと以外の手順は実施例10に従い、同様に専門パネラー3名でガーゼごしに官能評価した。
〔結果〕
結果を表9に示す。
〔実施例11〕
次に、実施例1の組成物を用いて消臭剤の消臭効果を機器分析(ガスクロマトグラフィ/質量分析法(GC/MS))により評価した。
実施例1の組成物を綿球に適量賦香した。
消臭剤0.01gを水0.5gに溶かして水溶液とし、これを濾紙に含浸させた。
上記の綿球と濾紙をバイアル瓶に入れ、一定時間(1時間)経過後にヘッドスペース中の成分をガスクロマトグラフィ/質量分析計にて分析した。
ガスクロマトグラフィ/質量分析計による分析は、次の装置および条件にて実施した。
ガスクロマトグラフィ
機器:GC−6890(アジレントテクノロジー株式会社製)
カラム:BC−WAX(ジーエルサイエンス株式会社製)
質量分析計
機器:MSD−5975(アジレントテクノロジー株式会社製)
〔比較例12〕
消臭剤を添加せず、水を含浸させた濾紙と実施例1の組成物を適量賦香した綿球とをバイアル瓶に入れ、ヘッドスペース中の成分をガスクロマトグラフィ/質量分析計にて分析した。
〔結果〕
結果を表10に示す。
表10の結果から明らかなように、消臭剤により悪臭物質の検出量が大幅に低減することがわかった。これらの結果から、上記消臭剤は、婦人科系がん病臭の消臭に有効であると評価することができる。
本発明の擬似婦人科系がん病臭組成物を用いることにより、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果を容易に評価することができる。

Claims (6)

  1. トリメチルアミン及びスルフィド類を含む、擬似婦人科系がん病臭組成物。
  2. クレゾール、インドール及びスカトールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  3. フェノールをさらに含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 炭素数1〜12の低級脂肪酸類をさらに含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
  5. トリメチルアミンとスルフィド類とを1:0.001〜10の重量比で含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の組成物を用いることを含む、婦人科系がん病臭のマスキング、消臭又は変調効果の評価方法。
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