JP2012167749A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータと変速機とが直結され、該モータの出力軸と変速機の入力軸とが同一軸線上に配置されて連結される動力伝達装置において、前記両軸の軸心のずれに起因するスプライン嵌合部のバックラッシュの増大やこれに伴う歯打ち音の発生等を抑制する。
【解決手段】モータ出力軸12の端部にモータ側カップリング31を取り付け、このカップリング31に減速機側カップリング32を結合すると共に、該カップリング32に設けた延設部32bの内側に減速機入力軸22の先端部22aを突入させ、これらの間に筒状の中間部材33を介設する。そして、中間部材33の外周面及び内周面に設けた外周側スプライン33a及び内周側スプライン33bと、前記減速機側カップリング32の延設部32bに設けた第1スプライン32c及び前記減速機入力軸22の先端部22aに設けた第2スプライ22bとをそれぞれ嵌合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動モータと減速機とを連絡する動力伝達装置に関する技術分野に属する。
従来より、駆動源であるモータと減速機とを連絡する動力伝達装置が知られている。例えば、電動車両やハイブリッド車両等の駆動源としてモータを搭載した車両においては、該モータの出力を減速機に伝達する動力伝達装置が設けられることがあり、例えば特許文献1には、モータの出力軸と減速機の入力軸とを同軸上に配置してジョイント部材で連結することにより、モータの出力を減速機に伝達するようにした構成が開示されている。
即ち、図7に示すように、モータAと減速機Bとが直結される構成において、同一軸線上に配置したモータ出力軸A’と減速機入力軸B’の対向する端部の外周面にそれぞれスプラインを形成すると共に、これらのスプラインに筒状のジョイント部材Cの内周面に形成したスプラインをそれぞれ嵌合することにより、該ジョイント部材Cを介してモータ出力軸A’と減速機入力軸B’とを連結した構成が開示されており、これによれば、比較的簡素な構成で、モータの出力を減速機に伝達することが可能となる。
特開2009−192044号公報
ところで、上記のように、モータAと減速機Bとを直結する構成では、これらを結合するときに、両者のケースの外周部の端面で位置合わせを行うことになるが、このケース外周部の位置合わせ部からケース中心部の軸受部までの寸法公差等に起因して、モータAと減速機Bとを結合したときに、モータ出力軸A’と減速機入力軸B’の間に軸心のずれが発生することがある。
この場合、軸心のずれは、両軸A’、B’の端部と前記ジョイント部材Cとのスプライン嵌合部におけるバックラッシュによって吸収されることになるが、前記ケース外周部の位置合わせ部から中心部の軸受部までの寸法が大きく、これに伴ってその間の寸法公差も大きくなるので、両軸A’、B’の軸心のずれを吸収するためのスプライン嵌合部のバックラッシュを比較的大きく設定しなければならないことになる。
そのため、動力の伝達開始時や伝達終了時、或は動力伝達方向の反転時等に、スプライン嵌合部で歯打ち音が発生し、或はスプラインの歯面が摩耗しやすくなって耐久性が低下するなどの不具合が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、モータと減速機とが直結され、該モータの出力軸と減速機の入力軸とが同一軸線上に配置されて連結される動力伝達装置において、前記両軸の軸心のずれに起因する歯打ち音の発生や耐久性の低下等を抑制することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、モータと減速機とが直結され、モータに連絡された第1駆動軸と減速機に連絡された第2駆動軸とが同一軸線上に配置される動力伝達装置であって、前記第1駆動軸と第2駆動軸とを連結する略筒状の中間部材が備えられ、該中間部材は、外周面及び内周面に外周側スプライン及び内周側スプラインがそれぞれ設けられていると共に、前記第1駆動軸には、前記中間部材の外周側スプライン又は内周側スプラインのうちの一方に嵌合する第1スプラインが設けられ、前記第2駆動軸には、前記中間部材の外周側スプライン又は内周側スプラインのうちの他方に嵌合する第2スプラインが設けられ、これらのスプラインが嵌合されることにより、前記第1、第2駆動軸が前記中間部材を介して動力伝達可能に連結されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中間部材における外周側スプラインと内周側スプラインとは、軸方向にオーバラップしていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1駆動軸は、前記モータの出力を取り出すモータ出力軸と、該モータ出力軸に取り付けられたモータ側カップリングと、該カップリングに結合された減速機側カップリングとを有し、前記モータ側カップリングは、前記モータの回転変動を抑制するフライホイールとされ、前記モータ出力軸に嵌合されて、該軸の先端部に装着された固定部材により固定されていると共に、該モータ側カップリングと前記減速機側カップリングとは、該モータ側カップリングの前記モータ出力軸への嵌合部より外周側で結合部材により結合されており、かつ、前記減速機側カップリングは、前記結合部材による結合部より減速機側に延びる延設部を有し、該延設部の内周面に前記中間部材の外周側スプラインに嵌合する第1スプラインが設けられていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第2駆動軸は前記第1駆動軸を構成するモータ出力軸よりも細い先端部を有し、その外周面に前記中間部材の内周側スプラインに嵌合する第2スプラインが設けられていることを特徴とする。
そして、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記中間部材のモータ側の端面は、前記モータ出力軸の減速機側の端面に当接可能に対向していることを特徴とする。
上記の構成により、まず、請求項1に記載の発明によれば、モータ側の第1駆動軸と減速機側の第2駆動軸とが、略筒状の中間部材を介して動力伝達可能に連結されることになるが、この中間部材は内、外周面にそれぞれスプラインが形成され、これらのスプラインに、前記第1駆動軸に設けられた第1スプラインと、第2駆動軸に設けられた第2スプラインとがそれぞれ嵌合されているから、第1、第2駆動軸間の動力伝達は2つのスプライン嵌合部を介して行われることになる。
したがって、両軸間に軸心のずれがあり、そのずれをスプライン嵌合部のバックラッシュによって吸収するときに、2つのスプライン嵌合部がそのずれを分担して吸収することになり、したがって、1つのスプライン嵌合部で吸収する場合に比べて、各スプライン嵌合部に設定するバックラッシュを小さくすることが可能となる。これにより、スプライン嵌合部に大きなバックラッシュを設けることによる歯打ち音の発生や歯面の摩耗が抑制され、静粛で耐久性に優れた動力伝達装置が実現されることになる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記中間部材における外周側スプラインと内周側スプラインとが軸方向にオーバラップしているので、両スプラインにそれぞれ所要の軸方向寸法を確保する際に、これらがオーバラップしない場合に比べて中間部材の軸方向寸法が短縮されることになり、当該動力伝達装置が軸方向にコンパクト化されることになる。
また、請求項3に記載の発明によれば、前記第1駆動軸が、モータ出力軸と、該モータ出力軸に取り付けられたモータ側カップリングと、該カップリングに結合された減速機側カップリングとを有し、この減速機側カップリングの延設部と前記第2駆動軸とが、中間部材の内外両側のスプライン嵌合部を介して連結されることになる。
その場合に、前記モータ側カップリングは、モータの回転変動を抑制するフライホイールとされ、このフライホイールが、減速機側からモータ出力軸に嵌合されて該軸の先端部に装着される固定部材により固定されると共に、該フライホイールに、前記モータ出力軸への嵌合部より外周側で減速機側カップリングが結合され、該減速機側カップリングに、前記フライホイールとの結合部よりも減速機側に延びて前記第1スプラインが設けられる延設部が設けられので、モータ出力軸から、フライホイール(モータ側カップリング)及び減速機側カップリングを介して、該カップリングの延設部の第1スプラインに至る第1駆動軸の動力伝達経路が、前記固定部材の装着部を回避し、かつ、良好な組付け性を確保しながら、コンパクトに構成されることになる。
また、請求項4に記載の発明によれば、中間部材の内周側スプラインに嵌合されるだけの第2駆動軸の先端部は、フライホイール及び減速機側カップリングが組み付けられる第1駆動軸のモータ出力軸に比べてより細くされて、該第2駆動軸の先端部を必要以上に太くすることが回避されており、これにより、前記中間部材及び該中間部材の外周側スプラインに嵌合する減速機側カップリングの延設部を小径化することが可能となり、中間部材の配設部位が径方向にコンパクトに構成されることになる。
そして、請求項5に記載の発明によれば、前記第2駆動軸の先端部は、第1駆動軸を構成するモータ出力軸より細くされているので、該第2駆動軸先端部の外周面の第2スプラインに内周側スプラインが嵌合される中間部材のモータ側の端面をモータ出力軸の端面に当接可能に対向させることができ、この対向部で、該中間部材のモータ側への軸方向の移動を規制することが可能となる。したがって、この方向への中間部材の移動を規制するための規制部材を別途設ける必要がなくなり、それだけ、部品点数の低減ないしコストの低減が図られることになる。
本発明の実施形態に係る動力伝達装置の断面図である。 同装置の要部拡大断面図である。 図2のZ−Z線で切断した断面図である。 図2と異なる断面で切断した前記装置の要部拡大断面図である。 本発明の作用の説明図である。 他の実施形態の図2と同様の断面図である。 従来技術の説明図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置を電動車両に適用した実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態に係る動力伝達装置1は、モータ10と減速機20とをそれぞれのケース11、21の外周部の端面で結合し、該モータ10の出力軸12と減速機20の入力軸22とを同軸上に配置すると共に、これらの軸12、22を動力伝達機構30を介して連結し、モータ10の出力を該動力伝達機構30を介して減速機20に入力するように構成されている。
前記減速機20は、前記ケース21内に前記入力軸22と出力軸23とを平行に配置すると共に、入力軸22に設けた小径の駆動ギヤ24と、出力軸23に設けた大径の従動ギヤ25とを噛合させ、入力軸22の回転を減速して出力軸23に伝達するようになっている。なお、出力軸23には、駐車レンジで駆動輪を固定するためのパーキングギヤ26が設けられている。
そして、前記出力軸23に設けられた出力ギヤ27が差動装置40のリングギヤ41に噛合されて、前記出力軸23の回転がさらに減速されて差動装置40に入力され、左右に延びる車軸42、43を介して駆動輪(図示せず)を駆動するようになっている。
一方、前記動力伝達機構30は、図2、3に拡大して示すように、主たる構成要素として、前記モータ10の出力軸(以下「モータ出力軸」という)12の端部に固定されたモータ側カップリング(以下「第1カップリング」という)31と、該カップリング31に結合された減速機側カップリング(以下「第2カップリング」という)32と、該第2カップリング32と前記減速機20の入力軸(以下「減速機入力軸」という)22との間に介設された筒状の中間部材33とを備えている。
ここで、特許請求の範囲における第1駆動軸は、前記モータ出力軸12と、第1、第2カップリング31、32とで構成され、第2駆動軸は減速機入力軸22で構成されている。
前記第1カップリング31は、内周のテーパ面31aがモータ出力軸12の端部の外周に設けられたテーパ面12aに嵌合され、キー34によってモータ出力軸12に対する相対回転が規制された状態で、該軸12の先端部のオネジ12bに螺合されたナット状の固定部材35を締め付けることにより、該モータ出力軸12にテーパ結合されている。
また、前記第2カップリング32は、外周部32aが前記第1カップリング31の外周部31bに複数のボルト36…36によって締結されており、これにより、両カップリング31、32が一体結合された状態で前記モータ出力軸12に固定されている。
その場合に、前記第2カップリング32の外周部32aは第1カップリング31側に延設され、その延設部の先端で第1カップリング31の外周部31bに締結されているので、その延設部の内方に空間xが生じ、その空間x内に前記第1カップリング31の固定部材35が収納されている。
また、前記第1カップリング31は、前述のように、内周のテーパ面31aをモータ出力軸12のテーパ面12aに嵌合されていることにより、該モータ出力軸12に対してセンタリングされていると共に、該第1カップリング31と第2カップリング32とは、両者の合わせ面に設けられたインロー嵌合部yによりセンタリングされており、したがって、モータ出力軸12に、両カップリング31、32がセンタリングされた状態で剛結合され、前述の第1駆動軸が構成されている。
さらに、前記第2カップリング32の内周部には、外周部32aにおける第1カップリング31との結合部より減速機20側に延びる筒状の延設部32bが設けられており、該延設部32b内に前記減速機入力軸22の先端部22aが突入されていると共に、該延設部32bの内周面と入力軸先端部22aの外周面との間に前記中間部材33が介設されている。
この中間部材33の外周面及び内周面には、外周側スプライン33a及び内周側スプライン33bがそれぞれ設けられ、外周側スプライン33aは、前記第2カップリング32の延設部32bの内周面に設けられた第1スプライン32cに嵌合され、内周側スプライン33bは、前記減速機入力軸22の先端部22aの外周面に設けられた第2スプライン22bに嵌合されている。これにより、中間部材33の内外両側に、外周側スプライン嵌合部X及び内周側スプライン嵌合部Yがそれぞれ形成されている。
ここで、比較的重量が大きい第1、第2カップリング31、32が結合されたモータ出力軸12の端部は、減速機入力軸22の先端部22aより太くされ、該先端部22aにスプライン嵌合された中間部材33のモータ側の端面33cが、モータ出力軸12の端面12cに対向する寸法関係とされている。
そして、両端面33c、12cが当接又は近接した状態で、第2カップリング32の延設部32cにおける減速機20側の端部の内周面に装着されたスナップリング37により、前記中間部材33の減速機20側の端面33dが係止されており、これにより、中間部材33の軸方向の両側への移動が禁止され或は所定の移動量で規制され、該中間部材33の外周側及び内周側スプライン33a、33bが、前記第1スプライン32c及び第2プライン22bに、常に適正に嵌合した状態に維持されるようになっている。
なお、図4に示すように、前記第1、第2カップリング31、32は、外周部31b、32aに設けられた孔31c、32dに挿入された位置決めピン38により、所定の位相関係で結合されるようになっている。これは、両カップリング31、32は、結合された状態で遠心バランス調整が行われ、その後、モータ出力軸12への組み付け時に一旦分離されるので、再結合時に、バランス調整したときと同じ位相関係で結合する必要があるからである。
次に、この実施形態の作用を説明すると、モータ10の出力は、モータ出力軸12から、動力伝達機構30を構成する第1、第2カップリング31、32、及び中間部材33を介して、該モータ出力軸12と同一軸線上に配置された減速機入力軸22に伝達されることになる。
その場合に、モータ10と減速機20とは、それぞれのケース11、21の外周部の端面で位置合わせして結合されているが、これらのケース外周部の位置合わせ部から、ケース中心部のモータ出力軸12及び減速機入力軸22の軸受部までの寸法公差等に起因して、これら両軸12、22の間に軸心のずれが発生することがある。
この軸心のずれは、前記動力伝達機構30におけるスプライン嵌合部のバックラッシュによって吸収されることになるが、この動力伝達機構30では、第2カップリング32の延設部32bと減速機入力軸22の先端部22aとの間に中間部材33が挿入され、該中間部材33の内外両側に、外周側スプライン嵌合部Xと内周側スプライン嵌合部Yとが設けられているから、前記軸心のずれは2分されて、これらのスプライン嵌合部X、Yのバックラッシュにより、それぞれ吸収されることになる。
したがって、前記モータ出力軸12と減速機入力軸22の軸心のずれを単一のスプライン嵌合部で吸収する場合に比べて、両スプライン嵌合部X、Yにおけるバックラッシュ量の適正量からの増大量を半減させることが可能となる。
つまり、図5(a)に示すように、第2カップリングと減速機入力軸との間に単一のスプライン嵌合部しか存在しない場合において、これらの間に軸心のずれが存在しない理想的な場合の穴側スプラインS1と軸側スプラインS2の間のバックラッシュ量(適正量)をB0とし、この状態から例えば軸側スプラインS2の軸心が寸法aだけずれ、両スプラインS1、S2の歯面が最も接近する部位で、軸側スプラインS2の歯面が実線アで示す位置から破線イで示す位置に変位し、バックラッシュ量が前記適正量B0からΔB1減少したものとする。
ここで、図示のようにバックラッシュが歯面の片側にだけ生じている場合、θをピッチ円上の圧力角とすれば、バックラッシュの減少量は、ΔB1=2×a・tanθとなる。
このように、バックラッシュ量が減少すると、噛み合い抵抗が増大するので、寸法aの軸心のずれが発生しても適正量B0のバックラッシュ量が確保されるようにする必要があり、そのため、鎖線ウで示す歯面のように、バックラッシュ量を軸心のずれによる前記減少量ΔB1だけ、前記適正量B0より予め大きくした量B1に設定しておくことになる。
これに対し、前記のように、第2カップリング32の延設部32bと減速機入力軸22の先端部22aとの間に2つのスプライン嵌合X、Yが存在する場合は、図5(b)に示すように、これらの間に寸法aの軸心のずれが存在しても、各スプライン嵌合部X、Yにおける穴側スプライン(32c、33b)と軸側スプライン(33a、22b)の中心のずれは、それぞれ、約a/2となるので、寸法aの軸心のずれがあっても、歯面の変位は破線エで示すようになって、これによるバックラッシュの減少量ΔB2も前記減少量ΔB1の約半分となる。
したがって、寸法aの軸心のずれに対してスプライン嵌合部に適正量B0のバックラッシュを確保するために予め大きくする量ΔB2も半減し、鎖線オで示す歯面のように、図5(a)に示す場合のバックラッシュ量B1よりも小さなバックラッシュ量B2とすることができる。また、バックラッシュの減少量が半減されることにより、軸心のずれが比較的小さな場合は、バックラッシュ量を適正量B0のままに維持することも可能となる。
これにより、スプラインの噛み合い抵抗の増大を回避しながら、スプライン嵌合部におけるバックラッシュの増大を抑制することができ、バックラッシュが大きいことによる歯打ち音の発生や歯面の摩耗による耐久性の低下等が抑制されることになり、静粛性や耐久性等に優れた動力伝達装置1が実現されることになる。
なお、前記中間部材33の外周側スプライン33aと内周側スプライン33bとは必ずしも軸方向にオーバラップさせる必要はないが、この実施形態のように、中間部材33の全長に亘って外周側スプライン33aと内周側スプライン33bとを設け、これらを軸方向にオーバラップさせれば、各スプライン33a、33bに所要の軸方向寸法を確保する際に、これらがオーバラップしない場合に比べて、中間部材33の軸方向寸法が短縮されることになる。
また、この実施形態では、中間部材33の内周側スプライン33bに嵌合されるだけの減速機入力軸22の先端部22aは、比較的重量が大きい第1、第2カップリング31、32が組み付けられるモータ出力軸12の端部に比べて細くされているので、前記中間部材33及び該中間部材33の外側にスプライン嵌合される第2カップリング23の延設部23bを小径化することが可能となり、該中間部材33の配設部位が径方向にコンパクトに構成されている。
そして、減速機入力軸22の先端部22aがモータ出力軸12の端部より細くされていることに伴い、該先端部22aにスプライン嵌合される中間部材33のモータ側の端面33cがモータ出力軸12の端面12cに対向することになるので、該モータ出力軸12の端面12cにより中間部材33のモータ10側への移動が規制されることになり、これにより、この移動を規制するためのスナップリング等の部材が不要とされている。
次に、図6に示す動力伝達機構の他の実施形態について説明する。
この実施形態に係る動力伝達機構130においては、モータ出力軸112の端部に固定されたモータ側カップリングが、外周に質量部131bが設けられたフライホイール131とされており、それ以外の構成は、前記実施形態に係る動力伝達機構30の構成と同様である。
即ち、前記フライホイール131は、内周のテーパ面131aがモータ出力軸112の端部の外周に設けられたテーパ面112aに嵌合され、キー134によってモータ出力軸112に対する相対回転が規制された状態で、該軸112の先端部のオネジ112bに螺合されたナット状の固定部材135を締め付けることにより、前記実施形態におけるモータ側カップリング31と同様、モータ出力軸112にテーパ結合されている。
また、前記フライホイール131に結合されるカップリング132は、外周部132aがフライホイール131側に延設され、その延設部とフライホイール131の径方向の中間部とが複数のボルト136…136によって締結されていると共に、前記カップリング132の延設部の内方に生じた空間x内に、前記フライホイール131の固定部材135が収納されている。
さらに、前記カップリング132の内周部に、外周部132aにおけるフライホイール131との結合部より減速機側に延びる筒状の延設部132bが設けられ、該延設部132b内に、減速機入力軸122の先端部122aが突入されていると共に、該延設部132cと入力軸122の先端部122aとの間に筒状の中間部材133が介設されている。
そして、この中間部材133の外周面及び内周面にそれぞれ形成された外周側スプライン133a及び内周側スプライン133bと、前記カップリング132の延設部132bの内周面に設けられた第1スプライン132c、及び前記入力軸122の先端部122aの外周面に設けられた第2スプライン122bとがそれぞれ嵌合され、中間部材133の内外両側に、外周側スプライン嵌合部X及び内周側スプライン嵌合部Yが形成されている。
この実施形態に係る動力伝達機構130によれば、前記実施形態に係る動力伝達機構30と同様、モータ出力軸112と減速機入力軸122の軸心のずれが、2箇所のスプライン嵌合部X、Yのバックラッシュによりそれぞれ吸収されるので、これらのスプライン嵌合部X、Yにおけるバックラッシュ量の適正量からの増大量を半減させることが可能となる。これにより、スプラインの噛み合い抵抗の増大を回避しながら、歯打ち音の発生や歯面の摩耗による耐久性の低下等が抑制され、静粛性や耐久性等に優れた動力伝達装置が実現される。
そして、特にこの実施形態に係る動力伝達機構130においては、重量の大きいフライホイール131が、減速機側からモータ出力軸112の端部に嵌合されて固定部材135で固定されることにより、該軸112に強固にテーパ結合されると共に、該フライホイール131に、前記テーパ結合部より外周側でカップリング132が結合され、かつ、該カップリング132に、前記フライホイール131との結合部よりも減速機側に延び、内周面に第1スプライン132cを有する延設部132bが設けられるので、モータ出力軸112から第1スプライン132cに至る動力伝達経路が、前記固定部材135の装着部を回避し、かつ、良好な組付け性を確保しながら、コンパクトに構成されることになる。
なお、本発明は、以上の実施形態に示すものに限らず、例えば、入出力側が逆転し、図2、図6におけるモータ出力軸12、112が減速機入力軸、減速機入力軸22、122がモータ出力軸となる構成、或いは減速機20として、減速比や回転方向等の切り換えが可能なものを用いる構成などとすることも可能であり、また、電動車両に限らず、モータを駆動源として用いるハイブリッド車両、さらには、工場等で使用される駆動モータと減速機との間を連絡する動力伝達装置等においても、広く適用可能である。
以上のように、本発明に係る動力伝達装置によれば、モータの出力をスプライン嵌合部を介して減速機に伝達する場合に、スプラインのバックラッシュの増大を抑制することができ、これにより、歯打ち音の発生やスプラインの歯面の摩耗による耐久性の低下等の不具合が解消されることになる。したがって、本発明は、この種の動力伝達装置を製造し或いは使用する産業分野において好適に利用される可能性がある。
10 モータ
12、112 モータ出力軸
12a、112a テーパ面
12c 端面
20 減速機
22、122 減速機入力軸
22a、122a 先端部
22b、122b 第2スプライン
30、130 動力伝達機構
31、131 モータ側カップリング(フライホイール)
31a、131a テーパ面
32、132 減速機側カップリング(カップリング)
32b、132b 延設部
32c、132c 第1スプライン
33、133 中間部材
33a、133a 外周側スプライン
33b、133b 内周側スプライン
33c 端面
35、135 固定部材
36、136 結合部材(ボルト)

Claims (5)

  1. モータと減速機とが直結され、モータに連絡された第1駆動軸と減速機に連絡された第2駆動軸とが同一軸線上に配置される動力伝達装置であって、
    前記第1駆動軸と第2駆動軸とを連結する略筒状の中間部材が備えられ、
    該中間部材は、外周面及び内周面に外周側スプライン及び内周側スプラインがそれぞれ設けられていると共に、
    前記第1駆動軸には、前記中間部材の外周側スプライン又は内周側スプラインのうちの一方に嵌合する第1スプラインが設けられ、
    前記第2駆動軸には、前記中間部材の外周側スプライン又は内周側スプラインのうちの他方に嵌合する第2スプラインが設けられ、
    これらのスプラインが嵌合されることにより、前記第1、第2駆動軸が前記中間部材を介して動力伝達可能に連結されていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記中間部材における外周側スプラインと内周側スプラインとは、軸方向にオーバラップしていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第1駆動軸は、前記モータの出力を取り出すモータ出力軸と、該モータ出力軸に取り付けられたモータ側カップリングと、該カップリングに結合された減速機側カップリングとを有し、
    前記モータ側カップリングは、前記モータの回転変動を抑制するフライホイールとされ、前記モータ出力軸に嵌合されて、該軸の先端部に装着された固定部材により固定されていると共に、
    該モータ側カップリングと前記減速機側カップリングとは、該モータ側カップリングの前記モータ出力軸への嵌合部より外周側で結合部材により結合されており、
    かつ、前記減速機側カップリングは、前記結合部材による結合部より減速機側に延びる延設部を有し、該延設部の内周面に前記中間部材の外周側スプラインに嵌合する第1スプラインが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記第2駆動軸は前記第1駆動軸を構成するモータ出力軸よりも細い先端部を有し、その外周面に前記中間部材の内周側スプラインに嵌合する第2スプラインが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置。
  5. 前記中間部材のモータ側の端面は、前記モータ出力軸の減速機側の端面に当接可能に対向していることを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
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