JP2012166103A - 化粧料塗布具 - Google Patents

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Abstract

【課題】細部への化粧料の塗布を容易に行うことが可能な塗布具を提供すること。
【解決手段】化粧料塗布具10は、粘稠な液状化粧料をまつ毛及び/又は眉毛に塗布するために用いられる。塗布具10は、支持軸11の先端に、その長手方向に延びる塗布部12を有する。塗布部12が基台13とそれに立設された多数の突起14及び/又は基台13に凹設された複数の溝15とを備える。塗布部12における先端域に位置する複数の突起14又は溝15が、支持軸11の長手方向に対して0度以上60度未満の角度をなしている。塗布部12における先端域に隣接する領域に位置する突起及び/又は溝が、支持軸11の長手方向に対して60度以上160度以下の角度をなしていることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明はまつ毛及び/又は眉毛に化粧料を塗布するための化粧料塗布具に関し、特にマスカラ液をまつ毛に塗布するために好適に用いられる化粧料塗布具に関する。
マスカラブラシとしては、例えばポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる複数のブラシ繊維束を、二条の金属芯線材によって挟持しながら、これらをらせん状に捻回することによって得られる、いわゆるスクリューブラシが知られている。スクリューブラシにおいては、ブラシ繊維束の硬さや形状等についての制約が多く、塗布の対象となる剤の種類によっては使い勝手が良くないという不都合があった。また、ブラシ繊維束からなる毛材の延びる方向が最適になるように制御することは容易でない。スクリューブラシと同様に、植毛ブラシ(例えば特許文献1参照)においても、毛材の延びる方向が最適になるように制御することは容易でない。
スクリューブラシとは別に、樹脂成形によって多数の突起を形成してなる成形ブラシも知られている(例えば特許文献2及び3参照)。しかし、従来の成形ブラシにおける突起はその起立方向が、軸線に対して直交する方向なので、細部への塗布、例えば目頭付近のまつ毛や下まつ毛へのマスカラ液の塗布が容易ではない。また、突起が支持棒の軸線の延びる方向と直交する方向に放射状に設けられているので、目頭付近のまつ毛や下まつ毛へのマスカラ液を塗布しようとするときに、意図せずその他の部分にマスカラ液が付着してしまうことがある。
特開2003−319832号公報 特開2005−125021号公報 特表2004−502481号公報
従って本発明の目的は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る化粧料塗布具を提供することにある。
本発明は、粘稠な液状化粧料をまつ毛及び/又は眉毛に塗布するために用いられる化粧料塗布具であって、
支持軸の先端に、該支持軸の長手方向に延びる塗布部を有し、
該塗布部が基台と該基台に立設された複数の突起及び/又は該基台に凹設された複数の溝とを備え、
該塗布部における先端域に位置する複数の該突起及び/又は該溝が、該支持軸の長手方向に対して0度以上60度未満の角度をなしている化粧料塗布具を提供するものである。
本発明の化粧料塗布具によれば、塗布部の先端域に形成されている複数の突起及び/又は溝が所定の角度をなしているので、細部への化粧料の塗布を容易に行うことができる。例えば本発明の塗布具を、まつ毛へマスカラ液を塗布するために用いる場合には、目頭及び目尻付近のまつ毛や下まつ毛といった細部へのマスカラ液の塗布を容易に行うことができる。これと共に、塗布量が多かった箇所のマスカラ液のさばきを、細部であっても容易に行うことができる。
図1(a)ないし(c)は、本発明の化粧料塗布具の第1の実施形態における正面図、平面図及び側面図である。 図2(a)及び(b)は、図1に示す実施形態の化粧料塗布具を用いたマスカラ液の塗布の様子を示す模式図である。 図3は、図1に示す実施形態の化粧料塗布具を用いたマスカラ液の塗布の様子を示す模式図である。 図4は、本発明の化粧料塗布具の第2の実施形態における正面図である。 図5は、本発明の化粧料塗布具の第3の実施形態における塗布部を示す斜視図である。 図6は、本発明の化粧料塗布具の第4の実施形態における塗布部を示す斜視図である。 図7は、本発明の化粧料塗布具の第5の実施形態における塗布部を示す斜視図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1(a)ないし(c)には、本発明の化粧料塗布具の一実施形態が示されている。本実施形態の塗布具は、マスカラ液をまつ毛に塗布するために特に好適なものである。本実施形態の塗布具10は、支持軸11と、該支持軸の先端に支持された塗布部12を有している。
塗布部12はプラスチック材料の成形によって構成されている。塗布部12は支持軸11の長手方向に延びる基台13を有している。図1(b)に示すように、基台13は平面視して略矩形をしており、長手方向X及びそれに直交する方向である幅方向Yを有している。基台13における長手方向の先端側の二箇所の隅は角がとられており、やや先細の形状になっている。基台13の長手方向Xの長さは、幅方向Yの長さよりも大きくなっている。基台13の長手方向Xの長さLは10〜35mm、特に15〜30mmであることが、マスカラ液を首尾良くまつ毛に塗布し得る点から好ましい。また基台13の幅方向Yの長さWは1.5〜8mm、特に2〜7.5mmであることが、十分な量のマスカラ液を塗布部12に貯留し得る点から好ましい。
図1(c)に示すように基台13は、上面13A及びそれと反対側に位置する下面13Bを有する略扁平な形状になっている。同図に示すように上面13Aは、幅方向Yに関し上向きのアーチ状をなしている。一方、下面13Bは、幅方向Yに関し平らになっている。また、基台13はその長手方向に関しては略真っ直ぐに延びている。これに代えて基台13はその長手方向に関して、上面13A側に向けて凸の緩やかなアーチ状をなしていてもよい。また下面13Bは複数の溝や突起があってもよい。
基台13には多数のコーム状突起14が立設されている。突起14は、基台13の略半周面又はそれ以下の領域に形成されている。具体的には、基台13の上面13Aにのみ突起14が設けられている。基台13の下面13B及び両側面には突起14は設けられていない。突起14は、先端が丸みを帯びてやや細くなっている柱状をしている。突起14の太さは、直径で表して0.2〜1mm、特に0.2〜0.6mmであることが、塗布具10の操作性が良好になる点から好ましい。突起14の形状は、先細であることが綺麗な仕上がりを得る点から好ましい。突起14の太さが長さ方向で一様でない場合には、前記の直径は、最も太い部分での値を言う。
塗布部12がプラスチック材料の成形で構成されていることは既に上述したものであるところ、基台13と突起14は一体成形によって形成されていてもよく、或いはそうでなくてもよい。特に、突起14をプラスチック成形することで、突起の形状やその延びる方向を最適なものとすることができるので、後述するマスカラ液のまつ毛への塗布を容易に行うことが可能となる。
突起14は、大別して第1の突起群14Aと、第2の突起群14Bとから構成されている。第1の突起群14Aは、塗布部12の先端域に位置している。第2の突起群14Bは、第1の突起群14Aの存在位置に隣接して、それよりも後端側に位置している。具体的には、第2の突起群14Bは塗布部12の中央域から後端域にわたる領域に位置している。第1の突起群14Aと第2の突起群14Bとは、以下に述べる通り突起14の角度の違いによって区別される。
第1の突起群14Aを構成するすべてのコーム状突起14は、基台13の先端面に立設され、支持軸11の長手方向に対して0度の角度をなしている。このようにコーム状突起14を配置することで、該突起14の間隔を、第2の突起群14Bを構成する突起14の間隔と同等又はそれ以下に調整することが容易となる。このことは、マスカラ液の塗布量や、まつ毛のさばき具合の調整が容易となる点で好ましい。一方、第2の突起群14Bを構成するコーム状突起14は、基台13の上面に立設され、支持軸11の長手方向に対して好ましくは60度以上160度以下、更に好ましくは70度以上110度以下、一層好ましくは80度以上100度以下の角度をなしている。ここで、支持軸11の長手方向に対して突起14のなす角度とは、支持軸11を横からみて、該支持軸11をその軸周りに回転させたときに、塗布具10の先端に向かう方向と突起14の延びる方向とのなす角度のうちの最大の角度をいう。
以上の通り、第1の突起群14Aを構成する突起14は支持軸11の長手方向に対してなす角度が小さい。これに対して第2の突起群14Bを構成する突起14は、支持軸11の長手方向に対してなす角度が、第1の突起群14Aを構成する突起14よりも大きくなっている。このように突起14の角度を異ならせた理由は、マスカラ液の塗布の仕方及びマスカラ液の塗布の対象となるまつ毛の部位が、第1の突起群14Aと第2の突起群14Bとで相違するからである。
詳細には、第1の突起群14Aは、細かい部分、例えば目頭付近及び目尻付近のまつ毛の部分やまつ毛の本数の少ない部分、例えば下まつ毛の部分にマスカラ液を塗布するのに適している。一方、第2の突起群14Bは、広い部分やまつ毛の本数の多い部分、例えば上まつ毛にマスカラ液を塗布するのに適している。
図2(a)には、第1の突起群14Aを用いた目頭付近のまつ毛へのマスカラ液の塗布の様子が示されている。目頭付近のまつ毛へマスカラ液を塗布する場合には、塗布部12が上側に位置するように塗布具10を縦にして、即ち、支持軸11の長手方向を鉛直方向にほぼ一致させて、第1の突起群14Aを上端に位置させる。第1の突起群14Aにおける突起14間にはマスカラ液が貯留されている。この状態下に、同図に示すように塗布具10を上下方向に小刻みに動かして目頭付近のまつ毛へマスカラ液を塗布する。第1の突起群14Aを構成する突起14は、上述した通りの角度を有して基台13上に立設されているので、塗布に細かい操作が必要とされる目頭付近のまつ毛へのマスカラ液の塗布を首尾良く行うことができる。なお図示されていないが、目尻付近のまつ毛へのマスカラ液の塗布の仕方も図2(a)とほぼ同様である。
本実施形態の塗布具10においては、先に述べた通り基台13の上面13Aにのみ突起14が設けられている。このことに起因して、塗布具10を図2(a)に示す状態で用いた場合、基台13の全周に突起がある場合と比較して第2の突起群14Bが使用者の肌に接触しづらくなるので、塗布の対象とする部位である目頭及び目尻付近のまつ毛以外の位置に誤ってマスカラ液が塗布されることが防止され、且つよりまつ毛の根元まで塗布具を近づけることが可能となり、使用性に優れる。このことは、以下に述べる図2(b)に示す使用状態の場合も同様である。
図2(b)には、第1の突起群14Aを用いた下まつ毛へのマスカラ液の塗布の様子が示されている。下まつ毛へマスカラ液を塗布する場合には、図2(a)に示す場合と同様に、塗布部12が上側に位置するように塗布具10を縦にして、第1の突起群14Aを上端に位置させる。第1の突起群14Aにおける突起14間にはマスカラ液が貯留されている。この状態下に、同図に示すように塗布具10を左右方向に小刻みに動かして下まつ毛へマスカラ液を塗布する。このような操作を行うことで、まつ毛の本数の少ない部分である下まつ毛にマスカラ液を首尾良く塗布することができる。
一方、まつ毛の本数の多い部分である上まつ毛にマスカラ液を塗布するには、図3に示す操作を行う。即ち、塗布具10を横にして、即ち、支持軸11の長手方向を水平方向にほぼ一致させて、且つ塗布部12における第2の突起群14Bを上向きに位置させる。第2の突起群14Bにおける突起14間にはマスカラ液が貯留されている。この状態下に塗布具10を下から上に向けて動かす操作を1回又は2回以上繰り返して、上まつ毛にマスカラ液を塗布する。
以上の通り、本実施形態の塗布具10によれば、これ一つを用いるだけでまつ毛のあらゆる部分、即ち上まつ毛及び下まつ毛並びに目頭及び目尻付近のまつ毛にマスカラ液を首尾良く塗布することが可能となる。特に、後述する粘度を有するマスカラ液(化粧料)と組み合わせることで、細部に該マスカラ液を首尾よく塗布することができる。この種の従来の塗布具は、本実施形態の塗布具10における第2の突起群14Bに相当する突起しか備えていなかったので、下まつ毛並びに目頭及び目尻付近のまつ毛にマスカラ液を塗布することが容易ではなかった。特に右手で左目頭を塗布する場合や左手で右目頭を塗布する場合には非常に困難であった。また、第2の突起群14Bに相当する突起しか備えていない塗布具では、目頭付近のまつ毛や下まつ毛へのマスカラ液を塗布しようとするときに、意図せずその他の部分にマスカラ液が付着してしまうことがあった。
第2の突起群14Bにおいては、これを構成する各突起14は、支持軸11の長手方向に対して種々の角度をなしていてもよいが、好ましくは図1(a)ないし(c)に示すように支持軸11の長手方向に対してすべて同じ角度をなしている。
第1の突起群14Aを構成する突起14の本数は2〜20本、好ましくは2〜15本、より好ましくは2〜10本であることが、細かい部分へのマスカラ液の塗布の操作性を向上させ得る観点から好ましい。一方、第2の突起群14Bを構成する突起14の本数は5〜1000本、特に15〜500本であることが、突起間におけるマスカラ液の貯留量が多くなり、まつ毛の本数の多い部分に多量のマスカラ液を一度に塗布し得る点から好ましい。
突起間におけるマスカラ液の貯留量は、基台13の上面13Aにおける隣り合う突起間の距離にも関係している。第1の突起群14A及び第2の突起群14Bの何れにおいても隣り合う突起間の距離は、塗布部12の長手方向X及び幅方向Yの何れにおいても0.2〜2mm、特に0.3〜1mmであることが好ましい。隣り合う突起14どうしの間隔は、塗布部12の長手方向X及び幅方向Yにおいて同じであってもよく、或いは異なっていてもよい。
第1の突起群14Aを構成する各突起14は、その長さがそれぞれ同じであってもよく、或いは異なっていてもよい。同様に、第2の突起群14Bを構成する各突起14も、その長さがそれぞれ同じであってもよく、或いは異なっていてもよい。更に、第1の突起群14Aを構成する突起14の長さと、第2の突起群14Bを構成する突起14の長さは、同じであってもよく、或いは異なっていてもよい。例えば、第1の突起群14Aを構成する突起14の長さと第2の突起群14Bを構成する突起14の長さとの比率(前者:後者)は、1:20〜10:1、特に1:10〜2:1とすることができる。各群を構成する突起14の長さの比率をこのようにすることで、広い部分への使用性を損なわずに細かな部分への塗布性を確保することができるので好ましい。なお、第1の突起群14Aを構成する突起14の長さが一定でない場合には、その平均値をもって第1の突起群14Aを構成する突起14の長さと定義する。第2の突起群14Bについても同様である。
第1の突起群14Aを構成する突起14の長さそのものは、0.5〜10mm、特に1〜6mmであることが好ましい。一方、第2の突起群14Bを構成する突起14の長さそのものは、0.5〜10mm、特に1〜6mmであることが好ましい。
本実施形態の塗布具10は、塗布部12を含め、プラスチック材料の成形によって形成されているのが好ましい。プラスチック材料としては溶融成形可能な材料を特に制限なく用いることができる。例えばポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ABS樹脂、ポリアセタール等を用いることができる。また、ポリエステルエラストマーやポリウレタンエラストマーなどの熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
本実施形態の塗布具10は、粘稠な液状化粧料、例えば25℃における粘度が好ましくは100000mPa・s以上2000000mPa・s以下、更に好ましくは150000mPa・s以上1000000mPa・s以下の化粧料の塗布に用いられる。この範囲の粘度を有する化粧料と塗布具10を組み合わせて用いることで、細部への塗布、例えば目頭付近のまつ毛や下まつ毛へのマスカラ液の塗布を首尾良く行うことができる。化粧料の粘度が100000mPa・s未満の場合、下まつ毛等の細部へ綺麗に塗布できたとしても、粘度が低いことに起因して、乾燥前に他のまつ毛や瞼等に化粧料が付着してしまい仕上がりが低下してしまう。粘度が2000000mPa・sを超える場合、粘度が高すぎることに起因して、下まつ毛等の細く柔らかい毛への付着性が著しく低下し綺麗な仕上がりが得られない。粘度は、25℃環境下で2時間以上静置後、同温度にてB8R型粘度計を用いることで測定することができる。
化粧料の粘度を前記の範囲内とするためには、該化粧料をマスカラ液として使用する場合には、ワックスを分散物として配合することが好ましい。ワックスを配合することで、カール力やボリュームが発現するという利点もある。
ワックスは、好ましくは40℃以上、より好ましくは60〜110℃の融点を有するもので、通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されない。例えば動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス等を用いることができる。具体的には、コメヌカロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、シリコーンワックス等が挙げられる。これらのうち、融点50〜110℃のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスが、高温保存安定性及び作業性の点から好ましい。また、作業性及び皮膜の柔軟性付与の点からはミツロウが好ましい。滑らかな使用感の点からはコメヌカロウが好ましい。市販品としては、日本精鑞社製のHNP−0190、三木化学工業社製のゴールデンブランド、セラリカNODA社製のライスワックスF−1等を使用することができる。
ワックスは、1種以上を用いることができ、化粧料中に2〜50質量%、特に10〜40質量%含有されることが、化粧料の粘度を容易に前記の範囲内とし得る点や、カール力やボリュームを発現させ得る点から好ましい。
粘度を前記の範囲内とする観点からは、化粧料は、水系又は油系のどちらでもよい。配合する成分としては、ワックス以外にも、その剤系に合わせて化粧料に通常用いられる増粘剤、皮膜剤、粉体、着色剤、繊維、防腐剤、エキス等を含有することができる。
次に、本発明の第2ないし第5の実施形態について図4ないし図7を参照しながら説明する。これらの実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4ないし図7において、図1ないし図3と同じ部材に同じ符号を付してある。
図4に示す第2の実施形態の塗布具10は、第2の突起群14Bに関しては、第1の実施形態と塗布具と同様である。第1の突起群14Aに関しては、該突起群14Aを構成する突起14は、支持軸11の長手方向に対して0度以上60度未満の角度をなしている。コーム状突起14は、この角度の範囲内において、連続的に変化する種々の角度又は不連続に変化する種々の角度をとり得る。種々の角度をとることは方向性を問わずに使用可能となる点で好ましい。
細かい部分へマスカラ液を塗布することを一層容易にする観点から、第1の突起群14Aを構成する突起14は、上述の角度の範囲内で種々の角度をなしていることが好ましい。例えば第1の突起群14Aは、支持軸11の長手方向に対して0度以上20度未満の角度を有する突起14と、20度以上40未満の角度を有する突起14と、40度以上60度未満の角度を有する突起14とを含むことが好ましい。この場合、塗布部12の先端に向かうに連れ、支持軸11の長手方向に対する突起14のなす角度が漸次小さくなるように突起14が配置されていることが、操作性の向上の観点から好ましい。
図5に示す第3の実施形態の塗布具における塗布部12は、平板状の基台13を備えている。基台13の先端域からは、複数の突起14からなる第1の突起群14Aが突設されている。第1の突起群14Aを構成するすべての突起14は、支持軸(図示せず)の長手方向に対して0度の角度をなしている。一方、基台13の上下面のうち、上面13Aには複数の突起14からなる第2の突起群14Bが立設されている。第2の突起群14Bを構成するすべての突起14は、支持軸(図示せず)の長手方向に対して90度の角度をなしている。
図6に示す第4の実施形態の塗布具における塗布部12は、円柱状の基台13を備えている。基台13の先端域には、複数の突起14からなる第1の突起群14Aが突設されている。第1の突起群14を構成するすべての突起14は、支持軸(図示せず)の長手方向に対して0度の角度をなしている。
一方、基台13の側面には、該基台13の周方向に沿って複数の溝15が凹設されている。この溝15内が、マスカラ液の貯留部になる。また溝15がまつ毛をさばく働きをする。溝15は、基台13の全周にわたって形成されている。各溝15どうしは互いに平行になっている。隣り合う溝15の間隔は一定になっている。基台13の周方向に沿ってみたとき、溝15の断面は逆三角形状になっている。尤も、断面の形状はこれに限られず、例えば矩形や、下に凸の半円形でもよい。溝15は、支持軸(図示せず)の長手方向に対して90度の角度をなしている。
隣り合う溝15の間は畝部16になっている。畝部16は、基台13の全周にわたって形成されている。各畝部16どうしは互いに平行になっている。隣り合う畝部16の間隔は一定になっている。基台13の周方向に沿ってみたとき、畝部16の断面は三角形状になっている。尤も、断面の形状はこれに限られず、例えば頂点が丸みを帯びた三角形や、台形、矩形、上に凸の半円形でもよい。
図7に示す第5の実施形態の塗布具における塗布部12は、先端域の形状が第4の実施形態と異なる以外は、第4の実施形態と同様に構成されている。本実施形態における塗布部12の先端域は、円柱状の基台13の先端に複数条の直線状の溝17が凹設されて構成されている。この溝17内が、マスカラ液の貯留部になる。また溝17がまつ毛をさばく働きをする。溝17は、支持軸(図示せず)の長手方向に対して0度の角度をなしている。各溝17どうしは互いに平行になっている。隣り合う溝17の間隔は一定になっている。溝17の延びる方向に沿ってみたとき、溝17の断面は逆三角形状になっている。尤も、断面の形状はこれに限られず、例えば矩形や、下に凸の半円形でもよい。
隣り合う溝17の間は畝部18になっている。各畝部18どうしは互いに平行になっている。隣り合う畝部18の間隔は一定になっている。畝部18の延びる方向に沿ってみたとき、畝部18の断面は三角形状になっている。尤も、断面の形状はこれに限られず、例えば頂点が丸みを帯びた三角形や、台形、矩形、上に凸の半円形でもよい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記の各実施形態の塗布具10は、マスカラ液をまつ毛に塗布するために好適に用いられるマスカラ塗布具に係るものであったが、本発明の塗布具をそれ以外の化粧料の塗布に適用することもできる。例えばまつ毛と同様にケラチン質繊維組織である眉毛に、染毛剤を始めとする各種化粧料を塗布するために、本発明の化粧料塗布具を用いることができる。
また、第1及び第2の実施形態の塗布具10は、塗布部12が第1の突起群14Aと第2の突起群14Bとを有していたが、これに代えて第2の突起群14Bは設けずに、第1の突起群14Aのみを設けてもよい。
また、第1及び第2の実施形態の塗布具10においては、第1の突起群14A及び第2の突起群14Bを構成する突起は何れもプラスチック材料の成形によって形成されたものであったが、これに代えて、第1の突起群14Aをプラスチックの成形によって形成された突起で構成するとともに、第2の突起群をブラシ繊維束からなる毛材によって構成してもよい。そのような毛材からなる突起は、従来のスクリューブラシと同様に、熱可塑性樹脂からなる複数のブラシ繊維束を、二条の金属芯線材によって挟持しながら、これらをらせん状に捻回することによって形成することができる。或いは、基台にブラシ繊維束を植毛することによって形成することができる。
また、第1及び第2の実施形態の塗布具10において、塗布部12の先端域に、第1の突起群14Aに加えて、第5の実施形態に示す溝17を設けてもよい。更に、塗布部12の先端域よりも後端寄りの領域に、第2の突起群14Bに加えて、第4及び第5の実施形態に示す溝15を設けてもよい。
また、第4及び第5の実施形態の塗布具において、塗布部12の先端域よりも後端寄りの領域に、溝15に加えて、第1及び第2の実施形態に示す第2の突起群14Bを更に設けてもよい。
また、第5の実施形態の塗布具において、塗布部12の先端域に、溝17に加えて、第1及び第2の実施形態に示す第1の突起群14Aを更に設けてもよい。
10 化粧料塗布具
11 支持軸
12 塗布部
13 基台
13A 上面
13B 下面
14 突起
14A 第1の突起群
14B 第2の突起群

Claims (5)

  1. 粘稠な液状化粧料をまつ毛及び/又は眉毛に塗布するために用いられる化粧料塗布具であって、
    支持軸の先端に、該支持軸の長手方向に延びる塗布部を有し、
    該塗布部が基台と該基台に立設された複数の突起及び/又は該基台に凹設された複数の溝とを備え、
    該塗布部における先端域に位置する複数の該突起及び/又は該溝が、該支持軸の長手方向に対して0度以上60度未満の角度をなしている化粧料塗布具。
  2. 前記塗布部における先端域に隣接する領域に位置する突起及び/又は溝が、前記支持軸の長手方向に対して60度以上160度以下の角度をなしている請求項1記載の化粧料塗布具。
  3. 前記支持軸の長手方向に対して0度以上60度未満の角度をなしている前記突起又は前記溝の本数が2〜20本であり、前記支持軸の長手方向に対して60度以上160度以下の角度をなしている前記突起又は前記溝の本数が5〜1000本である請求項2記載の化粧料塗布具。
  4. 前記支持軸の長手方向に対して0度以上60度未満の角度をなしている前記突起及び/又は前記溝の高さと、前記支持軸の長手方向に対して60度以上160度以下の角度をなしている前記突起及び/又は前記溝の高さとの比率(前者:後者)が、1:20〜10:1である請求項2又は3に記載の化粧料塗布具。
  5. 前記支持軸の長手方向に対して60度以上160度以下の角度をなしている前記突起及び/又は前記溝が、該基台の略半周面又はそれ以下の領域に設けられている請求項2ないし4の何れかに記載の化粧料塗布具。
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