JP2012164848A - 太陽電池用リード線 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池が薄板化した場合でも接続用リード線の接合時に太陽電池の反りもしくは破損が生じにくく、耐腐食性に優れる太陽電池用リード線を提供する。
【解決手段】圧延又はスリット加工によって平角状断面に成形された平角導体を連続走行させながら管状炉2で不活性ガス雰囲気中で熱処理が施されると共に、前記導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用リード線1であって、前記はんだめっきが被覆される前の前記平角導体のイオンクロマトグラフィーによる分析で検出される腐食性イオンが太陽電池用リード線1の表面積1000mm当たり5μg未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用リード線に係り、特に、太陽電池のシリコンセルに平角導体をはんだ接続するのに好適な太陽電池用リード線に関するものである。
図3は、一般的な太陽電池セルへの接続用リード線の接続状態を示す斜視図である。図3に示すように、基板上にシリコン結晶を成長させた太陽電池においては、通常、シリコン結晶ウェハからなるシリコンセル31の所定の領域に接続用リード線33を接合し、これを通じて電力を伝送する構成としている。
図4は、従来例の太陽電池用はんだめっき線を示す断面図である。図4に示すように、接続用リード線は、平角導体41の表面に、シリコンセルとの接続のための断面円弧状のはんだめっき43の膜が形成される。平角導体41としてタフピッチ銅や無酸素銅などの純銅を用い、その外側に形成されたはんだめっき膜43として、Sn−Pb共晶はんだを用いたものがある(例えば、特許文献1)。
また、近年、環境への配慮から、電気部品の接続用リードのはんだめっき膜の構成材として、Pbを含まないはんだ(Pbフリーはんだ)への切り替えが検討されている(例えば、特許文献2)。
図5は、従来例のシリコンセルと接続用リード線とをはんだ接続する際に発生する反りを示す説明図である。ところで、太陽電池を構成する部材のうち、シリコン結晶ウェハが材料コストの大半を占めていることから、製造コストの低減を図るべくシリコン結晶ウェハの薄板化が検討されている。しかし、シリコン結晶ウェハを薄板化すると、接続用リード線のはんだ接合時における加熱プロセスや、太陽電池使用時における温度変化により、図5(a)に示すように、はんだ接続前はフラットであったシリコンセル51及び接続用リード線53が、図5(b)に示すように、はんだ接続後にはんだめっき膜55を介して接続したシリコンセル51と接続用リード線53が反ったり、破損したりするおそれがあった。
このため、これに対処すべく、接続用リード線53として、シリコンセル51を薄板化した場合でも接続用リード線の接合時にシリコンセル51の反りもしくは破損が生じにくい0.2%耐力の低い太陽電池用はんだめっき線への切り替えが検討されている(例えば、特許文献3)。
しかし、0.2%耐力の低い太陽電池用はんだめっき線を用いると、従来のはんだめっき線を用いた場合と比べて、はんだめっき線が塑性変形しやすく、はんだ接合時の熱応力を小さくできるので、シリコンセルと接続用リード線が反ったり、破損したりするおそれが低減する。
特許文献4には、被めっき線材を連続走行させながら非酸化性雰囲気中で焼鈍し、溶融金属浴中に浸漬させて被めっき線材の表面にめっき層を形成させるめっき線の製造法が示されている。
特開平11−21660号公報 特開2002−263880号公報 特開2006−54355号公報 特開平5−311382号公報
製造コスト低減とともに、近年、太陽電池システムの信頼性や長寿命化の検討が進められた結果、様々な要因で当初の発電性能が維持できない現象が確認されている。例えば、リード線とセル表面の電極との接合部における腐食で直列抵抗が上昇し曲線因子(FF)が低下する問題、リード線と充填樹脂の界面で白濁が生じ入射光の減衰が起こって性能が低下する問題、上記の劣化による外観不良の問題等がある。
曲線因子(FF)は太陽電池の品質の目安となるもので、最大出力を解放電圧と短絡電流の積に相当する理論出力に対する比として算出される。
特にリード線とセル表面の電極との接合部における腐食は、リード線の導体にはんだをめっきする際に使用しているめっき前処理液に含まれる塩素イオンや硫酸イオンなどの腐食性イオンの残渣が大きく関与している。一般に金属は酸素と水が共存した環境では電気化学的に腐食が進行するが、酸素と共存すると金属表面の酸化膜を破壊する性質がある腐食性イオンが加わると腐食をさらに進めることになる。
また、引用文献4においては、平角導体へのめっき層の形成について何ら示されていない。
本発明の目的は、太陽電池が薄板化した場合でも接続用リード線の接合時に太陽電池の反りもしくは破損が生じにくく、耐腐食性に優れる太陽電池用リード線を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、導電率が良好な太陽電池用リード線を提供することにある。
本発明は、圧延又はスリット加工によって平角状断面に成形され、好ましくは塩素イオン又は硫酸イオンを含む処理液によって処理された平角導体を連続走行させながら不活性ガス雰囲気中で熱処理が施されると共に、前記導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用リード線であって、前記はんだめっきが被覆される前の前記平角導体のイオンクロマトグラフィーによる分析で検出される腐食性イオンが太陽電池用リード線の表面積1000mm当たり5μg未満であることを特徴とする。
又、本発明は、前記導体が、その引張試験における0.2%耐力を120MPa以下、また、前記導体の体積抵抗率を50μΩ・mm以下とすることが好ましく、Al、Ag及びAuからなる群から選ばれた1種が好ましい。より好ましくは前記導体がタフピッチCu、無酸素Cu、リン脱酸Cu及び高純度Cu(99.9999%以上)からなる群から選ばれた1種とする。
更に、本発明は、前記はんだめっきが、Sn系はんだ、または第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1質量%以上含むSn系合金はんだとすることが好ましい。
本発明は、圧延又はスリット加工によって平角状断面に成形された平角導体を連続走行させながら不活性ガス雰囲気中で熱処理を施すと共に、前記導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用リード線であって、前記熱処理によって前記はんだめっきが被覆される前の前記導体の引張り試験における0.2%耐力を30〜120MPaとし、めっき前処理液を使用せずに前記被覆されていることを特徴とする。
本発明は、好ましくは前記導体がCu、Al、Ag及びAuからなる群から選ばれる1種とし、前記導体の体積抵抗率が50μΩ・mm以下となるように、温度400〜1000℃で、5秒〜60秒間保持する熱処理を行うことが好ましい。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。ここでは、太陽電池用リード線は、太陽電池用導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆されたものをいう。
(太陽電池用導体)
本発明の一実施の形態の太陽電池用導体(以下、導体という)は、太陽電池モジュール(シリコン結晶ウェハ)のシリコンセル面へのはんだ接続が容易となるように、軟質材の導体の外形形状が断面平角状とされている。
(導体の体積抵抗率)
上記導体は、太陽電池の発電ロスを軽減する観点から、体積抵抗率が比較的小さい導体材料、例えば、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の材料を用いることが好ましい。
表1は、体積抵抗率が比較的小さい導体材料の熱膨張係数、ヤング率、体積抵抗率を示す。その材料として、Cuの他に、Al、Ag及びAuなどがある。これらの中で体積抵抗率が最も低いのはAgであり、発電効率を最大限にすることが可能である。一方、低コスト化を優先するときにはCuが良く、軽量化を図りたいときにはAlを選択するのが望ましい。
Figure 2012164848
特に、Cuの種類としては、タフピッチ銅、無酸素銅、リン脱酸銅、高純度銅(純度99.9999%以上)のいずれを用いることも可能である。導体の引張り試験における0.2%耐力を最も小さくするためには純度が高いCuが有利であり、高純度銅(純度99.9999%以上)を選択する。一方、不純物が入り0.2%耐力は大きくなるが低コスト化を図りたい時には、タフピッチ銅もしくはリン脱酸銅を選択する。
(導体の0.2%耐力値)
一般に熱膨張率の異なる異種金属を高温で接続した場合には、温度変化に熱膨張率、ヤング率を積算した値が反りを発生させる力となる。しかし、太陽電池のように接続する両部材の剛性が著しく異なり、また、はんだ接続温度も200℃以上と高温のものでは、断面積が小さい導体の方が降伏してしまい、熱膨張率、ヤング率によるカがそのまま反り発生力とはならない。
導体の場合、降伏応力が小さいと少ない力で塑性変形してしまい、それ以上の変形抵抗とならない。即ち、低強度及び低耐力であるほど、接合時のシリコン結晶ウェハへの負荷が軽減される。このため、塑性変形の指標として引張り試験における0.2%耐力値を用い、導体の0.2%耐力を120MPa以下とする。このような0.2%耐力値の低い軟質の導体を選択することにより、シリコン結晶ウェハへ導体接合の際の熱応力(シリコンセルを反らせる力)を低減することができる。ただし、0.2%耐力が低過ぎる導体は疲労特性が劣る為、導体の0.2%耐力は30MPa以上であることが望ましい。
(腐食性イオン濃度)
リード線とセル表面の電極との接合部における腐食によって直列抵抗が上昇し曲線因子(FF)が低下する問題については、リード線の導体にはんだをめっきする際に使用しているめっき前処理液に含まれる塩素イオンや硫酸イオンなどの腐食性イオンの残渣が大きく関与している。よって、腐食促進因子である腐食イオンを残さないめっき前処理法が有効であり、それにより、イオンクロマトグラフィーによる分析で検出される腐食性イオンが太陽電池用リード線の表面積1000mm当たり5μg未満とすることができる。腐食性イオンが太陽電池用リード線の表面積1000mm当たり5μg以上になると、太陽電池の性能を表わす重要な指標である曲線因子(FF)が初期に比べて5%以上低下してしまうため、腐食性イオンはリード線の表面積1000mm当たり5μg未満とするものである。
(好適な熱処理法)
腐食イオンを残さないめっき前処理の具体的な方法としては、不活性ガスや還元性ガス中による非酸化性雰囲気中での連続式加熱方式やプラズマ処理がある。ただし、後者はコストがかかるため、低コスト化が求められる太陽電池用リード線の工業的な製法としては好ましくない。工業的には不活性ガスや還元性ガス中の連続式加熱方式が優れている。特に低コストでの製造が可能なことから窒素中で管状炉焼鈍が最適である。
(好適な導体の0.2%耐力値、腐食性イオン濃度)
上述したことから、導体の0.2%耐力は30〜120MPa及び腐食性イオンはリード線の表面積1000mm当たり5μg未満とするものである。この範囲内であれば、シリコンセルの反りの低減が可能であり、リード線とセル上電極間における腐食を防止できるため、曲線因子(FF)低下による長期信頼性の低下を防止することができる。
(平角導体の製造方法)
導体の平角導体とする加工法としては、圧延加工、スリット加工のいずれも適用可能である。丸線から圧延して平角化する方式は長尺で均一なものが製造できる。スリット方式では種々の幅の材料に対応できるメリットがある。例えば、好適な太陽電池用平角導体は、導体をダイス伸線もしくはロール圧延、あるいはそれらの複合工程により平角状に成形した後、連続式の設備で熱処理して0.2%耐力を低減することで得られる。
ここで、0.2%耐力を低減するための熱処理方式としては、通電加熱方式よりも熱エネルギーを十分に与えられるヒータによる連続式加熱方式が望ましい。さらに酸化防止や導体表面の酸化膜除去の観点から、導体を窒素などの不活性ガス雰囲気や水素還元雰囲気の炉から大気に接触させることなく、連続的にめっき浴に入線してリード線を製造する方法が望ましい。
熱処理する場合、所望の0.2%耐力を得るためには、加熱温度とその保持時間とを適正に選定することが好ましい。高温では比較的短時間で熱処理が完了でき、低温では長時間を必要とするが、設備的には安価なものを用いることができる。導体がCuの場合、温度が400〜1000℃の時には加熱時間は5〜60秒程度が最も適正であり、0.2%耐力30〜120MPaを得ることができる。
熱処理条件は上記の場合に限定されず温度と時間の組み合わせで、0.2%耐力を制御することができる。なお、導体としてCu以外のAg、Au、Alについても、Cuの場合と同様に熱処理条件で0.2%耐力を制御できる。
(太陽電池用リード線)
本発明の一実施形態における太陽電池用リード線は、導体の表面の外周の一部又は全部に、はんだめっき膜を施したものである。はんだめっきは、環境面から、鉛フリー品が好ましく、導体の表面の外周の一部又は全部について実施する。
また、はんだ組成については、これまで導体にCuを用いたものではシリコンセルとの熱膨張整合を考慮して低温接続が可能なものが求められていたが、本実施形態の導体を用いることで、シリコンセルの反りが小さいことから、接続温度が高いSn−Ag−Cu系の組成のはんだを用いることが可能となる。導体の被覆に用いるはんだは、Sn系はんだ、あるいは第2成分としてPb、In、Bi、Sb、Ag、Zn、Ni、Cuから選択される少なくとも1種の元素を0.1質量%以上含むSn系合金はんだであるが、第3成分として1000ppm以下の微量元素を含んでいるものを用いてもよい。
Sn−Ag−Cu系はんだの組成として、Ag2〜5mass%、Cu0.01〜2.0%mass%をSnはんだが好ましい。
この太陽電池用リード線を、シリコン結晶ウェハ(太陽電池モジュール)におけるシリコンセル面の所定の接点領域(例えば、Ag電極領域)に接続することで、太陽電池アセンブリが得られる。
(太陽電池用リード線の効果)
以上説明したように、本実施形態の太陽電池用リード線は、太陽電池のシリコンセルとはんだ接続しても、従来方式よりもシリコンセル上の電極との間で腐食が進行しにくく、またセルの反りが少なく、結晶粒の粗大化による脆化を防止でき、かつ電気的特性として導電性にも優れる。
すなわち、腐食性イオンがリード線の表面積1000mm当たり5μg未満であるため、長期間の使用でも腐食による接触抵抗の増大による太陽電池の曲線因子(FF)が低下せず、長期の信頼性向上が可能である。また、導体の0.2%耐力値として30〜120MPaのものを用いているので、はんだ接続後の導体の熱収縮によって、シリコンセルに発生する熱応力を低減できる。このため、シリコンセルとはんだ接続後の熱収縮の際に、シリコンセルの反りを減少させることができる。
また、本実施形態の太陽電池用リード線は、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の高導電性を有する導体を用いているので、太陽電池としての発電効率を良好に維持することができる。
更に、本実施形態によれば、連続式加熱方式の熱処理条件により導体の0.2%耐力値を所定値以下となるようにしているので、コストがかからず簡易な方法で太陽電池用リード線を提供することができる。
本発明によれば、太陽電池を薄板化した場合でも接続用リード線の接合時に太陽電池の反りもしくは破損が生じにくく、耐腐食性に優れ、かつ製造コストの上昇を抑えることができる太陽電池用リード線を提供することができる。
本発明の一実施の形態におけるリード線の窒素中連続式加熱焼鈍-めっき装置を示す構成図である。 本発明のシリコンセルへの平角導体の接続状態を示す平面図(a)及びその断面図(b)である。 一般的な太陽電池セルへの接続用リード線の接続状態を示す斜視図である。 従来例の太陽電池用リード線を示す断面図である。 従来例のシリコンセルと接続用リード線とをはんだ接続する際に発生する反りを示す説明図である。
幅2.0mm、厚さ0.18mmのCu材料(OFC:無酸素銅)を平角線状に圧延成形して平角導体とし、めっき前処理条件として、比較例1が硫酸(pH=1.0)/9秒、比較例2が塩酸(pH=2.0)/9秒、比較例3が塩酸(pH=4.0)/9秒、比較例4がプラズマ処理/9秒、実施例1が窒素中連続式加熱焼鈍による400℃/9秒の保持、実施例2が窒素中連続式加熱焼鈍による1000℃/9秒の保持と変え、めっき前処理後、導体の周囲をSn−3mass%Ag−0.5mass%Cu系の鉛フリーはんだを250℃の溶融浴に浸漬して被覆してはんだめっき膜を設け、はんだ被覆Cu平角線を形成し、そのときのめっき外観、腐食性イオン重量、太陽電池モジュールに組み込み耐食性試験を実施した際の曲線因子(FF)の低下率を調べた。
実施例1、2においては、窒素中連続式加熱焼鈍の前に塩酸又は硫酸によって処理したものと、それらによって処理せずに直接に窒素中連続式加熱焼鈍を行った場合においてもほぼ同様の結果が得られるものである。
図1は、本発明の一実施の形態における平角線状導体の窒素中連続式加熱焼鈍−めっき装置を示す構成図である。図1に示すように、圧延成形された無酸素銅の平角導体1を窒素雰囲気中に形成された管状炉2にて連続的に移動させながら所定の時間保持されるように焼鈍を行った後、大気に触れないように溶融はんだへの導入部3を通して、密閉されたはんだ槽4中の溶融はんだ5に浸漬して平角導体1への所定の厚さのはんだを形成した。
また、平角導体1は、所定の間隔に設定された2つのローラ6を有するめっき補助装置7を通して溶融はんだ5に対して所定の時間が保持されるようになっている。
図2は、本発明の一実施の形態におけるシリコンセルに平角導体を接続した状態を示す平面図(a)及びその断面図(b)である。図2に示すように、2個のシリコンセル9に対してはんだ被覆された接続リード線10を3本それぞれ直列に接続したものである。
表2は、本発明の一実施の形態におけるめっき前処理条件及び接続リード線の表面積1000mm当たりの腐食性イオン重量及び太陽電池モジュールの曲線因子(FF)の低下率の関係を調べた結果を示すものである。
Figure 2012164848
ここでのめっき外観は、はんだめっき被覆が全くなされずに導体材料であるCuなどが露出している部分及び正常部に比べて10μm以上窪んでいる部分の400cm当たりの個数を評価したものである。はんだめっき被覆箇所の400cm当たりの個数が30個未満の場合を○、30個以上の場合を×としている。
リード線コストは、従来比で1.5倍未満の場合を○、1.5倍以上の場合を×とした。
腐食性イオン重量は、230mm長のリード線をイオンクロマトグラフィー分析し、腐食性イオン(ClあるいはSO 2−)のリード線表面の1000cm当たりの重量を評価したものである。
曲線因子(FF)の低下率は、作製したリード線を太陽電池モジュールに組み込み、85℃×85RH%の環境で1000時間曝して評価したものである。曲線因子(FF)は最大出力/(短絡電流×解放電圧)で与えられる。
比較例3のめっき外観は塩酸(pH=4.0)/9秒、比較例4のプラズマ処理/9秒でめっきムラが見られたが、他の比較例1のめっき前処理条件を硫酸(pH=1.0)/9秒、比較例2のめっき前処理条件を硫酸(pH=2.0)/9秒、実施例1の窒素中連続式加熱焼鈍400℃/9秒、実施例2の窒素中連続式加熱焼鈍1000℃/9秒と変えて処理した場合のいずれの条件では良好であった。
リード線コストは、プラズマ処理/9秒以外は、従来とほぼ同等かそれ以下であった。
腐食性イオン重量は、比較例1の硫酸(pH=1.0)/9秒では1.2μg、比較例2の塩酸(pH=2.0)/9秒の場合は0.5μgで、いずれも高く、それぞれの曲線因子(FF)の低下率は10%と5%であり、長期信頼性に乏しいことがわかった。一方、実施例1の窒素中連続式加熱焼鈍400℃/9秒及び実施例2の1000℃/9秒の場合の曲線因子(FF)の低下率はいずれも3%であり、十分な長期信頼性を有することがわかった。
尚、比較例3の塩酸(pH=4.0)/9秒、比較例4がプラズマ処理/9秒のものは、腐食性イオン重量が0.5未満であるが、めっき外観が劣るものですので、曲線因子の評価は行わなかった。
以上のように、本実施例1、2による圧延又はスリット加工によって平角状断面に成形された平角導体を連続走行させながら不活性ガス雰囲気中で熱処理を施すと共に、平角導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用リード線は、めっき外観が良好で、腐食性イオン重量が0.5未満で、曲線因子(FF)の低下率が3%と低いもので、長期間の使用でも腐食による接触抵抗の増大による太陽電池の曲線因子(FF)が低下せず、長期に亘って高い信頼性が得られる。また、導体の0.2%耐力値として40〜90MPaのものが得られ、はんだ接続後の導体の熱収縮によって、シリコンセルに発生する熱応力を低減できるため、シリコンセルとはんだ接続後の熱収縮の際に、シリコンセルの反りを極めて小さくすることができるものであった。
また、本実施例1、2の太陽電池用リード線は、体積抵抗率が50μΩ・mm以下の高導電性を有しており、太陽電池としての発電効率を良好に維持することができるものであった。
1、41…平角導体、2…管状炉、3…導入部、4…はんだ槽、5…溶融はんだ、6…ローラ、7…めっき補助装置、9、31、51…シリコンセル、10、53…接続用リード線、43、55…はんだめっき膜。

Claims (3)

  1. 圧延又はスリット加工によって平角状断面に成形された平角導体を連続走行させながら不活性ガス雰囲気中で熱処理が施されると共に、前記導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用リード線であって、前記はんだめっきが被覆される前の前記平角導体のイオンクロマトグラフィーによる分析で検出される腐食性イオンが太陽電池用リード線の表面積1000mm当たり5μg未満であることを特徴とする太陽電池用リード線。
  2. 請求項1において、前記導体の引張試験における0.2%耐力が120MPa以下であることを特徴とする太陽電池用リード線。
  3. 圧延又はスリット加工によって平角状断面に成形された平角導体を連続走行させながら不活性ガス雰囲気中で熱処理を施すと共に、前記導体の表面の一部又は全部にはんだめっきが被覆された太陽電池用リード線であって、前記熱処理によって前記はんだめっきが被覆される前の前記導体の引張り試験における0.2%耐力を30〜120MPaとし、めっき前処理液を使用せずに前記被覆されていることを特徴とする太陽電池用リード線。
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