JP2012163386A - 角速度センサユニットおよびその信号検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、コリオリ力を利用した角速度センサユニットおよびその信号検出方法に関し、角速度センサユニットの検出精度の劣化を抑制することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために、角速度を検出する振動型のセンサ素子1およびそれを制御するIC2を内蔵するパッケージとからなる角速度センサユニットにおいて、センサ素子1は駆動アーム5にドライブ電極6、モニタ電極7、センス電極8を設けるとともに、駆動アーム5を支持する支持アーム16に設けられたモニタ電極7の配線電極19に補正電極20を設け、不要振動によりモニタ電極7に形成された不要信号を、同じ不要振動により補正電極20に形成された補正信号で減衰させる構造としたのである。
【選択図】図2
【解決手段】この目的を達成するために、角速度を検出する振動型のセンサ素子1およびそれを制御するIC2を内蔵するパッケージとからなる角速度センサユニットにおいて、センサ素子1は駆動アーム5にドライブ電極6、モニタ電極7、センス電極8を設けるとともに、駆動アーム5を支持する支持アーム16に設けられたモニタ電極7の配線電極19に補正電極20を設け、不要振動によりモニタ電極7に形成された不要信号を、同じ不要振動により補正電極20に形成された補正信号で減衰させる構造としたのである。
【選択図】図2
Description
本発明は、コリオリ力を利用した角速度センサユニットおよびその信号検出方法に関する。
角速度センサユニットは、図1に示すように角速度を検出するセンサ素子1および制御用のIC2をパッケージ3の内部に収容した構造であり、角速度センサユニットの低背化のため、センサ素子1をX軸方向に基本振動させ、検出軸(Z軸)回りに角速度が印加されることでセンサ素子1にコリオリ力が働きY軸方向の振動が励起されるというように、基本振動と検出振動が同一平面となる構造が検討されている。
そして、このようなセンサ素子1の素子構造としては、図9に示すように、検出軸4を中心として左右対称につづら折れ形状の駆動アーム5を配置するとともに、この駆動アーム5の一主面に駆動アーム5をつづら折れ方向(X軸方向)に基本振動させるドライブ電極6と、駆動アーム5の基本振動状態を検出するためのモニタ電極7と、コリオリ力による検出振動から検出信号を形成するセンス電極8を適宜設けた構造としている。
なお、センサ素子1の検出信号は基本振動の振幅に比例するため、この振幅を一定に保つことが重要であることから、この振幅の制御はセンサ素子1の基本振動状態を検出するモニタ電極7から出力されるモニタ信号を基にドライブ電極6に印加する駆動信号の信号レベルを制御している。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
そして、駆動アーム5に設けられる各電極は図10に示すように圧電体層9を上部電極10と下部電極11で挟んだ積層電極構造であり、下部電極11を接地し上部電極10に正電圧を印加することで積層電極に積層方向の圧縮力12が発生して積層電極に伸びが生じ、これとは逆に負電圧を印加することで積層電極に積層方向の引張力13が発生して積層電極に縮みが生じるもので、この伸縮作用を利用して図9に示すセンサ素子1の駆動アーム5をX軸方向に基本振動させている。
しかしながら、このX軸方向の基本振動を得るためにドライブ電極6の伸縮作用を利用するのであるが、この場合、ドライブ電極6に対して積層方向の力である圧縮力12や引張力13が同時に働くため、X軸方向の基本振動の他にZ軸方向(検出軸方向)に不要な振動(以下、Z軸振動と称す)を励起してしまう。
そして、このZ軸振動は、駆動アーム5の基本振動を検出するモニタ電極7にも不要な信号を形成してしまうことから、モニタ電極7から出力されるモニタ信号の出力レベルを変動させてしまい、基本振動を制御する駆動信号のレベル制御に悪影響を及ぼし、結果として角速度センサユニットの検出精度を劣化させてしまうという問題があった。
そこで、本発明はこのような問題を解決し、角速度センサユニットの検出精度の劣化を抑制することを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明は、角速度を検出する振動型のセンサ素子およびそれを制御するICを内蔵するパッケージとからなる角速度センサユニットにおいて、センサ素子は駆動アームにドライブ電極、モニタ電極、センス電極を設けるとともに、駆動アームを支持する支持アームに設けられたモニタ電極の配線電極に補正電極を設け、Z軸振動によりモニタ電極に形成された不要信号を、同じZ軸振動により補正電極に形成された補正信号で減衰させる構造としたのである。
この構造により本発明は、角速度センサユニットの検出精度の劣化を抑制することが出来るのである。
以下、本発明の角速度センサユニットについて図を用いて説明する。なお上述した従来のものと同様の構成については同じ符号を付して説明する。
図1は角速度センサユニットを示したものであり、その基本構造はパッケージ3の内部に角速度を検出する振動型のセンサ素子1と、このセンサ素子1に駆動信号を印加する駆動制御回路およびセンサ素子1から出力された検出信号を処理する検出回路を包含するIC2を配置し、パッケージ3の開口をリッド14で封口した構造となっている。
また、センサ素子1は図2に示すように、外部接続部15およびその中央部分からセンサ素子1の中心部分に向けて延出された支持アーム16と、この支持アーム16を挟むように錘部17を対称配置し、それぞれの錘部17を一対の駆動アーム5で接続した形状としており、駆動アーム5上には後述するドライブ電極6、センス電極8及びモニタ電極7を配置し、外部接続部15に設けた電極パッド18と配線電極19を介して接続している。なお、支持アーム16の先端部分と錘部17を接続する各駆動アーム5は、Y軸方向に延びる複数のアーム片5a,5bを折り返し接続したつづら折れ構造としている。
そして、IC2から出力された駆動信号を電極パッド18、配線電極19を介してドライブ電極6に駆動信号を印加することで、図3に示すように錘部17をX軸方向に伸縮するように基本振動させ、この基本振動の状態においてZ軸方向回りの角速度を受けることでコリオリ力が生じ、このコリオリ力により駆動アーム5が図4に示すようにY軸方向に振動するようになる。そして、このY軸方向の振動による駆動アーム5の変形をセンス電極8で検知し電気信号に変換し、この検出信号を配線電極19、電極パッド18を介してIC2に出力する構造としている。また、モニタ電極7は駆動アーム5の振幅や駆動周期を検出してその情報をIC2にフィードバックして検出精度を制御するために設けている。
なお、センサ素子1はSiからなる基板上に上述したドライブ電極6、センス電極8、モニタ電極7を設けられた構造であり、各電極の構造は図10を用いて説明したように基板上に設けられたPtからなる下部電極11と、この下部電極11上に設けられたPZTからなる圧電体層9と、この圧電体層9上に設けられたAuからなる上部電極10とからなる積層電極構造であり、下部電極11をグランド接続した状態で上部電極10に正電圧を印加すると積層方向に圧縮力12が働き積層電極に伸びが生じ、上部電極10に負電圧を印加すると積層方向に引張力13が働き積層電極に縮みが生じる。また、これとは逆に駆動アーム5を撓ませて積層電極を縮ませれば負電圧が生じ、積層電極を伸ばせば正電圧が生じる。
そして、このセンサ素子1を基本振動させるドライブ電極6は、図5に示すように駆動アーム5の錘部17の側に配置されたアーム片5bを破線で示すように撓みの変曲点Aを中心として4分割して錘部17に近接する側とその対角位置に配置し、これら一対のドライブ電極6に対して共に正電圧を印加することで共に圧縮力が発生し伸びが生じてアーム片5bがS字状に撓もうとし、共に負電圧を印加することで共に引張力が発生し縮みが生じてアーム片5bが逆に撓もうとするので、この動作を繰り返すことで錘部17をX軸方向に基本振動させることが出来る。
また、駆動アーム5の基本振動を検出するモニタ電極7は、アーム片5aが基本振動に対して撓み方向が反転する撓みの変曲点Bを有するため、図6に示すようにこの撓み変曲点Bを跨がないようアーム片5aを破線で示すように撓みの変曲点Bを中心として4分割した内の1つの領域に形成しており、基本振動によるアーム片5aの撓みに応じ起電することによりモニタ信号を形成する。
また、このセンサ素子1に生じる検出振動から検出信号を形成するセンス電極8は、図7で示したようにコリオリ力によりアーム片5aの全体が弓なりに撓むので、この弓なりの撓みに対して検出信号を形成するため、センス電極8をアーム片5aの中心軸より右側半分に偏芯させて設けており、アーム片5aが図中において左側に撓む場合にはアーム片5aの右半分に設けたセンス電極8に対して伸びの力が加わり正電圧が生じ、アーム片5aが図中において右側に撓む場合にはアーム片5aの右半分に設けたセンス電極8に対して縮みの力が加わり負電圧が生じるというようにして検出信号を形成する。
そして、この角速度センサユニットで角速度を検出するにあたっては、センサ素子1の基本振動がXY平面内で行われることが基本となるのであるが、駆動アーム5に基本振動を励起させるドライブ電極6が図10で説明したように上部電極10、下部電極11と圧電体層9の積層電極構造であり、駆動信号により積層方向に生じる圧縮力12、引張力13を利用しているため積層電極の積層方向にもZ軸振動が励起されてしまい、モニタ電極7から出力される検出信号にZ軸振動により励起された不要信号が付加されてしまい、結果的に角速度センサユニットの検出精度の劣化に繋がっていた。
そこで、この一実施形態の角速度センサユニットにおいては、図2に示すように支持アーム16に設けられたモニタ電極7と電極パッド18を接続する配線電極19に補正電極20を設け、Z軸振動時にモニタ電極7に生じる不要信号を同じZ軸振動で補正電極20に生じる補正信号で減衰させ、モニタ電極7に対するZ軸振動の影響を抑制する構成としている。
すなわち、補正電極20によりZ軸振動で生じる不要信号を減衰させる条件としては、補正電極20が基本振動に対して信号の形成を行わず、且つ、Z軸振動でモニタ電極7に生じる不要信号に対して逆電位の信号を形成することであるから、補正電極20は、基本振動の対称軸となりその影響を受けにくい支持アーム16上で、且つ、Z軸振動においてモニタ電極7の撓みと逆方向の撓みが生じる部分としている。
具体的には、モニタ電極7をアーム片5aの外部接続部15側に配置し、補助電極20を支持アーム16の外部接続部15側に配置することで、図8に示すようにZ軸振動により錘部17が下方に振動した場合、モニタ電極7が設けられた部分はアーム片5aが凹状に撓みモニタ電極7に対して縮みの力が働くためモニタ電極7に負電圧が生じる。また、補正電極20が設けられた部分は支持アーム16が凸状に撓み補正電極20に対して伸びの力が働くため補正電極20に正電圧が生じる。
従って、Z軸振動によりモニタ電極7に生じる不要信号と補正電極20で生じる補正信号は逆電位の信号となり、これらの信号を図2に示すように配線電極19を介して同じパッド電極18に接続するので、パッド電極18から出力されるモニタ信号はZ軸振動による不要信号が補正信号により減衰される。
さらに、Z軸振動に対して不要信号を形成する要素としては上述したモニタ電極7の他に配線電極19においても同様に不要信号を形成するため、補正電極20で形成する補正信号はこの配線電極19による不要信号を含め減衰させるように電極設計することで、より角速度センサユニットの検出精度を向上させることができる。
このように、このセンサ素子1では基本振動に対して補正電極20が不要な信号を生成せず、Z軸振動が生じた際にモニタ電極7に生じる不要信号を減衰させる補正信号を補正電極20で生成するので、センサ素子1からIC2に出力されるモニタ信号の検出精度が高まり、この検出精度の高いモニタ信号によりセンサ素子1の基本振動を制御することができ、結果として角速度センサユニットの検出精度を高めることができる。
なお、このようにZ軸振動に対する不要信号を抑制出来ることから、センサ素子1をパッケージ3に組み付ける際にZ軸方向の外乱振動対策としてのTABテープ等の防振手段を排除することが可能となる。
本発明は、角速度センサユニットの検出精度を高めるという効果を有し、特にナビゲーションシステムなどの小型で高感度な特性を要求する電子機器に用いる角速度センサにおいて有用となるものである。
1 センサ素子
2 IC
3 パッケージ
5 駆動アーム
6 ドライブ電極
7 モニタ電極
8 センス電極
15 外部接続部
16 支持アーム
17 錘部
18 電極パッド
19 配線電極
20 補正電極
2 IC
3 パッケージ
5 駆動アーム
6 ドライブ電極
7 モニタ電極
8 センス電極
15 外部接続部
16 支持アーム
17 錘部
18 電極パッド
19 配線電極
20 補正電極
Claims (3)
- 角速度を検出する振動型のセンサ素子と、前記センサ素子の基本振動および検出信号の処理を行うICと、これらセンサ素子およびICを内蔵するパッケージとからなる角速度センサユニットにおいて、
前記センサ素子は、前記パッケージに接続する外部接続部と、この外部接続部から延出された支持アームと、一端が前記支持アームの先端部分に接続され他端が錘部に接続されたつづら折れ状の駆動アームと、前記駆動アームに設けられ前記ICから出力される駆動信号に応じて前記駆動アームをつづら折れ方向に基本振動させるドライブ電極と、前記駆動アームに設けられ前記基本振動により電荷を形成し前記ICに出力するモニタ電極と、角速度の印加により前記駆動アームが側方に振動することで電荷を形成し前記ICに出力するセンス電極と、前記外部接続部に設けられ複数の電極パッドと、前記電極パッドと前記ドライブ電極、前記センス電極または前記モニタ電極を接続する配線電極を備え、前記モニタ電極と電極パッドを接続する配線電極における前記支持アーム部分に補正電極を設け、前記基本振動および前記角速度の検出振動と直交する方向の撓み振動により前記モニタ電極に生じる不要信号を前記撓み振動により前記補正電極に生じる補正信号で減衰させることを特徴とした角速度センサユニットの信号検出方法。 - 撓み振動により、モニタ電極に接続された配線電極に生じる不要信号を補正電極に生じる補正信号で減衰させることを特徴とした請求項1に記載の角速度センサユニットの信号検出方法。
- 角速度を検出する振動型のセンサ素子と、前記センサ素子の基本振動および検出信号の処理を行うICと、これらセンサ素子およびICを内蔵するパッケージとからなる角速度センサユニットにおいて、
前記センサ素子は、前記パッケージに接続する外部接続部と、この外部接続部から延出された支持アームと、一端が前記支持アームの先端部分に接続され他端が錘部に接続されたつづら折れ状の駆動アームと、前記駆動アームに設けられ前記ICから出力される駆動信号に応じて前記駆動アームをつづら折れ方向に基本振動させるドライブ電極と、前記駆動アームに設けられ前記基本振動を検出し前記ICに出力するモニタ電極と、前記駆動アームに設けられ角速度の検出信号を前記ICに出力するセンス電極と、前記外部接続部に設けられた複数の電極パッドと、前記電極パッドと前記ドライブ電極、前記センス電極または前記モニタ電極を接続する配線電極を備え、前記モニタ電極と前記電極パッドを接続する前記配線電極の前記支持アーム部分に補正電極を設けたことを特徴とする角速度センサユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011022381A JP2012163386A (ja) | 2011-02-04 | 2011-02-04 | 角速度センサユニットおよびその信号検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011022381A JP2012163386A (ja) | 2011-02-04 | 2011-02-04 | 角速度センサユニットおよびその信号検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012163386A true JP2012163386A (ja) | 2012-08-30 |
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ID=46842917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011022381A Withdrawn JP2012163386A (ja) | 2011-02-04 | 2011-02-04 | 角速度センサユニットおよびその信号検出方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2012163386A (ja) |
-
2011
- 2011-02-04 JP JP2011022381A patent/JP2012163386A/ja not_active Withdrawn
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