JP2012163215A - 軸受の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑寿命を延伸させて保守の省力化を図ることができる軸受の潤滑構造を提供する。
【解決手段】開閉部22を緩めて給排出口21aを開放すると、袋体20内の流体が配管21を通過して給排出口21aから外部に排出される、その結果、袋体20の内圧が低下して袋体20が収縮し環状充填室14bの容積が大きくなり、軸受12との間に空間SN1が形成される。開閉部22を締めて給排出口21aを閉鎖し、流路16dを通じて新しいグリースGNを注入すると、この新しいグリースGNが軸受12を通過して軸受蓋14側の環状充填室14bに送出される。その結果、環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12内の劣化グリースが押し退けられて環状充填室14bの底部に追いやられ、環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12との間の空間SN1に新しいグリースGNが中間給脂され補給される。
【選択図】図4

Description

この発明は、半固体状潤滑剤によって軸受を潤滑する軸受の潤滑構造に関する。
従来、軸受の潤滑のために軸受の内部にグリースを封入するのに加えて、軸受の近傍にグリース溜りを設けこのグリース溜りにグリースを充填している。鉄道車両の主電動機の軸受は、メンテナンスに非常に手間がかかることから、その保守省力化が望まれている。一般に、主電動機の軸受は、高回転、高温で使用している場合が多いため、グリース(潤滑剤)の劣化が促進され、軸受の摩耗などによって比較的早期に潤滑寿命に至る。このため、初期にはグリース溜りにはある程度のスペースを残してグリースを充填しておき、ある程度時間が経過した段階(例えば60万キロ走行時)でこのスペースにグリースを追加充填する中間給脂と呼ばれる方法が実施されている。
従来の軸受の潤滑構造は、例えば、軸受の両端面にそれぞれ配置される一対のグリース溜りの周方向に沿って、このグリース溜りを複数のグリース封入室と複数のグリース未封入室とに互い違いに区画するなどして、グリース未封入室にグリース注入口から新しいグリースを中間給脂している(特許文献1参照)。このような従来の軸受の潤滑構造では、封入初期には軸受近傍にグリース封入量が少なく、中間給脂後には、新しいグリースは、グリース未封入室のみに充填されるため、やはり軸受近傍の新しいグリースは少ない。また、中間給脂後には、グリース封入室に古いグリースが動かず残るため、軸受内部の劣化グリースとそれに含まれる摩耗紛が、グリース封入室の古いグリース表面にたまり、軸受近傍に滞留する可能性がある。
特開2004-346972号公報
従来の軸受の潤滑構造では、中間給脂するときにグリースを追加充填するためのスペースを確保するために、初期に封入する軸受近傍のグリース量を減らす必要があるが、初期のグリースの充填量が少ないと中間給脂する前に潤滑不良に陥る問題点があった。この場合に、軸受近傍の軸受と接する部分にグリースを充填し、軸受と接する面から遠い部分にグリースの追加充填のためのスペースを設けることが考えられる。しかし、中間給脂時に軸受近傍の古いグリースが障害となって、追加充填された新しいグリースが転動体と接する面(軸受本体との接触面)に届かず効果を発揮できない問題点がある。この場合に、古いグリースを排出するための排出口を設けることが考えられるが、グリースの流動性が低いため細長い管からグリースを排出するのが困難であり、十分な効果を発揮できない問題点がある。
この発明の課題は、潤滑寿命を延伸させて保守の省力化を図ることができる軸受の潤滑構造を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1、図4及び図5に示すように、半固体状潤滑剤(G)によって軸受(12,13)を潤滑する軸受の潤滑構造であって、前記半固体状潤滑剤が充填される充填室(14b,15b)の容積を可変する容積可変部(19)を備え、前記容積可変部は、新しい半固体状潤滑剤を充填する前に、前記充填室内の古い半固体状潤滑剤(GO)と前記軸受との間に、この新しい半固体状潤滑剤(GN)を充填するための空間(SN1,SN2)を形成することを特徴とする軸受の潤滑構造(18)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の軸受の潤滑構造において、図5に示すように、前記容積可変部は、前記新しい半固体状潤滑剤を前記充填室に複数回に分けて充填可能なように前記空間を段階的に可変することを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の軸受の潤滑構造において、図4及び図5に示すように、前記容積可変部は、前記新しい半固体状潤滑剤を前記空間に充填する前に前記充填室内で収縮する袋体(20)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の軸受の潤滑構造において、図7に示すように、前記容積可変部は、前記袋体の内圧を可変制御する圧力制御部(27)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の軸受の潤滑構造において、図4〜図6及び図8に示すように、前記袋体は、内部の流体圧に応じて収縮する風船構造又はベローズ構造を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項6の発明は、請求項4から請求項7までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図9に示すように、前記袋体は、前記充填室内に複数配置されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項7の発明は、請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、前記袋体は、耐熱性及び耐油性を有する材料によって形成されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項8の発明は、請求項1又は請求項2に記載の軸受の潤滑構造において、図11及び図12に示すように、前記容積可変部は、前記新しい半固体状潤滑剤を前記空間に充填する前に前記軸受から離れる方向にこの充填室内で移動する可動板(28)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項9の発明は、請求項8に記載の軸受の潤滑構造において、図11及び図12に示すように、前記容積可変部は、前記充填室内を前記可動板が移動可能なように、この可動板とこの充填室との間の間隙部を密封する密封部(29)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載の軸受の潤滑構造において、図11〜図16に示すように、前記容積可変部は、前記可動板を駆動する駆動部(30)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の軸受の潤滑構造において、図11に示すように、前記駆動部は、内部の流体の圧力に応じて収縮することによって前記可動板を駆動する袋体(20)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項12の発明は、請求項10又は請求項11に記載の軸受の潤滑構造において、図12に示すように、前記駆動部は、前記可動板と前記充填室との間の空間(S2)内の流体の圧力を可変することによってこの可動板を駆動する圧力可変部(31)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項13の発明は、請求項11又は請求項12に記載の軸受の潤滑構造において、図11に示すように、前記駆動部は、前記半固体状潤滑剤を供給する供給口(16e)と前記流体を給排出する給排出口(21a)との間で前記可動板を駆動することを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項14の発明は、請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図13及び図14に示すように、前記駆動部は、手動で回転駆動することによって前記可動板を駆動する送りねじ機構部(32)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項15の発明は、請求項14に記載の軸受の潤滑構造において、図13〜図16に示すように、前記送りねじ機構部は、雄ねじ部(32a;32e)と雌ねじ部(32b)との間の間隙部を密封する密封部(32c)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項16の発明は、請求項14又は請求項15に記載の軸受の潤滑構造において、図14に示すように、前記送りねじ機構部は、雄ねじ部の緩みを防止する緩み止め部(32f,32g)を備えることを特徴としている軸受の潤滑構造である。
請求項17の発明は、請求項14から請求項16までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図28〜図32に示すように、前記送りねじ機構部は、前記充填室から雄ねじ部が抜け出すのを許容し、前記充填室に前記雄ねじ部が入り込むのを禁止する移動方向規制部(32h)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項18の発明は、請求項10から請求項17までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図15に示すように、前記駆動部は、自動的に回転駆動することによって前記可動板を駆動するモータ(33)を備えることを特徴としている軸受の潤滑構造である。
請求項19の発明は、請求項10から請求項18までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図25〜図27に示すように、前記駆動部は、手動で引っ張ることによって前記可動板を駆動する引張機構部(36)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項20の発明は、請求項19に記載の軸受の潤滑構造において、前記引張機構部は、一方の端部側が前記可動板に接続され他方の端部側が前記充填室外に露出するけん引部(36a)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項21の発明は、請求項20に記載の軸受の潤滑構造において、前記引張機構部は、前記けん引部と前記充填室との間の間隙部を密封する密封部(36b)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項22の発明は、請求項19又は請求項20に記載の軸受の潤滑構造において、前記引張機構部は、前記可動板の移動方向とは逆方向に前記けん引部が戻るのを防止する戻り止め部(36c)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項23の発明は、請求項10から請求項22までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、前記容積可変部は、前記充填室内の停止位置(P)に前記可動板を停止させるストッパ部(37)を備え、前記ストッパ部は、前記駆動部によって前記可動板を駆動するときに前記停止位置から取り外されることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項24の発明は、請求項23に記載の軸受の潤滑構造において、図25及び図26に示すように、前記ストッパ部は、前記停止位置に着脱自在に差し込まれる楔部(37a)又は前記停止位置に着脱自在に吸着する吸着部(37c)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項25の発明は、請求項10から請求項24までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図16に示すように、前記駆動部は、付勢力によって前記可動板を駆動するばね(34)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項26の発明は、請求項3から請求項25までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図17〜図24に示すように、前記容積可変部は、前記袋体又は前記可動板に前記古い半固体状潤滑剤を保持させる保持部(35)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項27の発明は、請求項26に記載の軸受の潤滑構造において、図18及び図21に示すように、前記保持部は、金属、非金属又はこれらを組み合わせによって形成され、この保持部に剛性を付与する剛性付与部(35b)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項28の発明は、請求項26又は請求項27に記載の軸受の潤滑構造において、図17〜図24に示すように、前記保持部は、前記古い半固体状潤滑剤を挟み込む挟み込み部(35a)、前記古い半固体状潤滑剤を掛け止めする掛け止め部(35d;35e)、前記古い半固体状潤滑剤を包み込むネット部(35f)又は前記古い半固体状潤滑剤を含浸させる含浸部(35g)のうちの少なくとも一つを備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項29の発明は、請求項26から請求項28までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図17に示すように、前記充填室は、この充填室の外側に拡大して形成された外側充填室(14c,15c)を備え、前記保持部は、前記外側充填室から前記充填室に半固体状潤滑剤又は半固体状潤滑剤から滲み出た潤滑油が移動可能なように、この半固体状潤滑剤又はこの潤滑油が通過可能な通路部(35c)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項30の発明は、請求項10から請求項29までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図28、図29及び図32に示すように、前記容積可変部は、前記可動板の外周部から外側に伸びる延長部(38)を備え、前記駆動部は、前記延長部を駆動することによってこの延長部とともに前記可動板を駆動することを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項31の発明は、請求項30に記載の軸受の潤滑構造において、図28及び図29に示すように、前記充填室は、この充填室の外側に拡大して形成された外側充填室(14c)を備え、前記延長部は、前記外側充填室内に伸びていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項32の発明は、請求項30又は請求項31に記載の軸受の潤滑構造において、図32に示すように、前記充填室は、この充填室の外側に突出して形成された切欠部(14r)を備え、前記延長部は、前記切欠部内に伸びていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項33の発明は、請求項30から請求項32までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図28、図29及び図32に示すように、前記延長部は、前記可動板と一体に形成されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項34の発明は、請求項30から請求項33までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、前記容積可変部は、前記古い半固体状潤滑剤を前記可動板に保持させる保持部(35)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項35の発明は、請求項36に記載の軸受の潤滑構造において、前記容積可変部は、前記保持部の外周部の軸受寄りに前記延長部を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項36の発明は、請求項34又は請求項35に記載の軸受の潤滑構造において、前記容積可変部は、前記保持部と前記延長部との接続部を補強する補強部(39)を備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項37の発明は、請求項36に記載の軸受の潤滑構造において、前記充填室は、この充填室から外側に拡大する外側充填室との間に形成された壁部(14p)と、前記壁部と前記補強部とが干渉するのを防止する逃げ部(14q)とを備えることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項38の発明は、請求項10から請求項37までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図28及び図32に示すように、前記駆動部は、前記充填室の周方向に所定の間隔をあけて複数配置されていることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
請求項39の発明は、請求項1から請求項38までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、図4〜図9及び図11〜図24に示すように、前記充填室は、前記軸受の一方の端面側と他方の端面側とに配置されており、前記新しい半固体状潤滑剤は、前記軸受を通過して前記一方又は前記他方の端面側の前記充填室に充填されることを特徴とする軸受の潤滑構造である。
この発明によると、潤滑寿命を延伸させて保守の省力化を図ることができる。
この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える電動機枠体及びシャフトの断面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の平面図であり、(A)は図1のIIA方向から見た平面図であり、(B)は図1のIIB方向から見た平面図であり、(C)は図1のIIC方向から見た平面図であり、(D)は図1のIID方向から見た平面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のIII-IIIB線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は中間給脂後の断面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は第1回目の中間給脂後の断面図であり、(C)は第2回目の中間給脂後の断面図である。 この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は膨張時の断面図であり、(B)は伸縮時の断面図である。 この発明の第2実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第3実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第4実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第5実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第6実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第7実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第8実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第9実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第10実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第11実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第12実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXVII-XVIIB線で切断した状態を示す断面図である。 この発明の第12実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第13実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第13実施形態に係る軸受の潤滑構造の保持部を概略的に示す正面図である。 この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の保持部を概略的に示す正面図である。 この発明の第15実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第16実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。 この発明の第17実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は中間給脂後の断面図である。 この発明の第18実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は中間給脂後の断面図である。 この発明の第19実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は中間給脂後の断面図である。 この発明の第20実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXXVIII-XXVIIIB線で切断した初期状態の断面図であり、(C)は(A)のXXVIII-XXVIIIB線で切断した中間給脂後の断面図である。 この発明の第20実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は中間給脂後の断面図である。 この発明の第20実施形態に係る軸受の潤滑構造の移動方向規制部の断面図であり、(A)は初期状態の断面図であり、(B)は中間給脂後の断面図である。 図29のXXXI部分を拡大して示す部分断面図である。 この発明の第21実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXXXII-XXXIIB線で切断した初期状態の断面図であり、(C)は(A)のXXXII-XXXIIB線で切断した中間給脂後の断面図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える電動機枠体及びシャフトの断面図である。
シャフト1は、図示しないギア、車軸を介して主電動機の動力を車輪に伝えるものである。電動機枠体2は、フレーム3と、ブラケット4,5と、給脂栓6,7と、カラー8〜11と、軸受12,13と、軸受蓋14〜17などによって構成されている。
フレーム3は、電動機の固定子を固定し支持する部材であり、両端部にフランジ部3a,3bが形成されている。ブラケット4は、フレーム3と軸受蓋16とを連結する部材であり、フランジ部3aと接合するフランジ部4aと、グリースGを充填するときにこのグリースGが流入する流路4bとが形成されている。ブラケット5は、フレーム3と軸受蓋17とを連結する部材であり、フランジ部3bと接合するフランジ部5aが形成されている。給脂栓6,7は、流路4b,17dの流入口にねじ込まれてこれらの流入口を開閉自在に塞ぐ部材であり、給脂栓6,7にはこれらの流入口の内側に形成された雌ねじ部と噛み合う雄ねじ部が形成されている。カラー8〜11は、シャフト1の両端部に嵌め込まれた円環状の部材である。軸受12,13は、シャフト1を回転自在に支持する転がり軸受であり、軸受12は玉軸受であり、軸受13はころ軸受である。軸受12,13は、転動体12a,13aと、この転動体12a,13aを等間隔に保持する保持器12b,13bと、この保持器12b,13bの外側で回転する外輪12c,13cと、この保持器12b,13bの内側で回転する内輪12d,13dなどを備えている。軸受12,13は、内部にグリースGが過剰に詰め込まれるとこのグリースGの撹拌熱によって発熱するため、初期状態時には一般に空間容積の1/3程度のグリースGが詰め込まれている。
図2は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の平面図であり、図2(A)は図1のIIA方向から見た平面図であり、図2(B)は図1のIIB方向から見た平面図であり、図2(C)は図1のIIC方向から見た平面図であり、図2(D)は図1のIID方向から見た平面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図3(A)は平面図であり、図3(B)は図3(A)のIII-IIIB線で切断した状態を示す断面図である。
軸受蓋14,16は、軸受12を固定する部材であり、軸受蓋15,17は軸受13を固定する部材である。軸受蓋14〜17は、アルミニウム又は鉄などからなる鋳造品や機械加工部品であり、軸受蓋14,15は電動機枠体2の外側に、軸受蓋16,17は電動機枠体2の内側に装着されている。軸受蓋14は、軸受蓋16との間で軸受12を挟み込むようにボルトによって軸受蓋16に固定されており、軸受蓋15は軸受13を挟み込むようにボルトによって軸受蓋17に固定されている。軸受蓋14〜17は、潤滑構造18を備えている。軸受蓋14,15は、図2(A)(D)に示すように、いずれもほぼ同一の構造であり、軸受蓋16,17は図2(B)(C)に示すように、いずれもほぼ同一の構造である。以下では、軸受蓋14,16側について説明し、軸受蓋15,17側の部分については軸受蓋14,16側の部分と対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
軸受蓋14は、図3に示すように、充填室14aと貫通孔14e〜14gとを備えている。充填室14aは、軸受12を潤滑するためのグリースGを充填する部分であり、環状充填室(第1グリース溜り)14bと、外側充填室(第2グリース溜り)14cと、抑え部14dとを有する。充填室14aは、図3(B)に示すように、断面形状が四角形に形成されている。
環状充填室14bは、軸受12を潤滑するためのグリースGを充填する部分である。環状充填室14bは、外輪12cと内輪12dとの間の間隙部(軸受開口部)に沿って形成されており、図2(A)及び図3(A)に示すように貫通孔14eを囲むように円環状に形成された凹状の溝である。環状充填室14bは、容積を可変する可変容積形のグリースポケット構造を備えている。外側充填室14cは、環状充填室14bに沿って外側に拡大して形成されており、この環状充填室14bの一部と結合する凹状の溝である。環状充填室14b及び外側充填室14cは、図3(B)に示すように、軸受12の端面側に開口部を有する。抑え部14dは、外輪12cの端面を抑える部分である。抑え部14dは、図2(A)及び図3(A)に示すように、外側充填室14cの周方向に間隔をあけて、環状充填室14bと外側充填室14cとの境界に4つ形成されている。図3(B)に示す貫通孔14eの内周側には、図1に示すカラー8が配置されている。貫通孔14fは、軸受蓋14を軸受蓋16に固定するためのボルトを挿入する挿入孔であり、貫通孔14gは容積可変部19の配管21を挿入する挿入孔である。
軸受蓋16は、図2(B)に示す環状充填室16aと、抑え部16bと、貫通孔16cと、図1に示す流路16dと、供給口16eなどを備えている。環状充填室16aは、軸受12を潤滑するためのグリースGを充填する部分である。環状充填室16aは、外輪12cと内輪12dとの間の間隙部に沿って形成されており、貫通孔16cを囲むように円環状に形成された凹部である。図2(B)に示す抑え部16bは、軸受12の外輪12cの端面を抑える部分であり、貫通孔16cの内周側には図1に示すカラー9が配置されている。流路16dは、グリースGを充填するときにこのグリースGが流入する部分であり、図1に示すように一方の端部(上流側)がブラケット4の流路4bと接続し、他方の端部(下流側)が軸受12に向かって開口している。供給口16eは、軸受12を通過して環状充填室14bにグリースGを供給するための開口部である。
図4は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図4(A)は初期状態の断面図であり、図4(B)は中間給脂後の断面図である。図5は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図5(A)は初期状態の断面図であり、図5(B)は第1回目の中間給脂後の断面図であり、図5(C)は第2回目の中間給脂後の断面図である。図6は、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図6(A)は膨張時の断面図であり、図6(B)は伸縮時の断面図である。
図1に示す潤滑構造18は、グリースGによって軸受12,13を潤滑する構造である。潤滑構造18は、環状充填室14b,15b内に封入されたグリースGを軸受12,13に供給してこの軸受12,13を潤滑する。
容積可変部19は、グリースGが充填される環状充填室14b,15bの容積を可変する部分である。容積可変部19は、図4(B)に示すように、環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12との間に、新しいグリースGNを充填するための空間SN1を形成する。容積可変部19は、図5(B)(C)に示すように、新しいグリースGNを環状充填室14bに複数回に分けて充填可能なように、この環状充填室14bの容積を段階的に可変して、新しいグリースGNを中間給脂するための空間SN1,SN2を軸受12との間に順次形成する。また、容積可変部19は、図6(A)に示すように、環状充填室14b内のグリース量が少ないときにはこの環状充填室14bの容積を小さくし、図6(B)に示すように環状充填室14b内のグリース量が多いときにはこの環状充填室14bの容積を大きくする。容積可変部19は、図4〜図6に示すように、袋体20と、配管21と、開閉部22と、密封部23などを備えている。
袋体20は、環状充填室14b内で伸縮する部材である。袋体20は、図4〜図6に示すように、内部の流体圧に応じて伸縮する風船構造を備えており、図2(A)(D)及び図3(A)に示すように外観が円環状(浮き輪状)に形成されている。袋体20は、内部に封入された流体の圧力に応じて伸縮可能であり、空気、酸素、窒素などの気体又は水、油などの液体が封入されている。袋体20は、ニトリルゴムなどのゴム類又はプラスチックなどの合成樹脂類、金属箔又はその複合層からなるラミネート材などの耐熱性及び耐油性を有する材料によって形成されており、環状充填室14bの底部(環状充填室14bの軸受12側の開口部とは反対側の端部)に収容されている。袋体20は、例えば、図4(B)及び図5(B)(C)に示すように、新しいグリースGNを空間SN1,SN2に充填するときに収縮して、新しいグリースGNを中間給脂するための間隙部を軸受12との間に形成する。また、袋体20は、例えば、図6(A)に示すように、環状充填室14b内のグリース量が少ないときには膨張してこの環状充填室14bの容積を小さくし、図6(B)に示すように環状充填室14b内のグリース量が多いときには収縮してこの環状充填室14bの容積を大きくする。
配管21は、袋体20と開閉部22とを接続する管路である。配管21には、開閉部22から袋体20に供給される流体が流れるとともに、袋体20から開閉部22に排出される流体が流れる。配管21は、図4〜図6に示すように、図3(B)に示す軸受蓋14の貫通孔14gを貫通しており、この貫通孔14g内に収容されている。配管21は、一方の端部が袋体20に接続され、他方の端部が軸受蓋14から突出している。配管21には、給排出口21aと雄ねじ部21bとが形成されている。給排出口21aは、袋体20に流体を供給するとともに袋体20から流体が排出する開口部である。雄ねじ部21bは、開閉部22に接続される部分である。
開閉部22は、給排出口21aを開閉する部材である。開閉部22は、配管21に着脱自在に装着される栓状の部材であり、この配管21の雄ねじ部21bと噛み合う雌ねじ部が内周部に形成されている。開閉部22は、袋体20への流体供給時及び袋体20からの流体排出時に給排出口21aから取り外される。
密封部23は、貫通孔14gと配管21との間の間隙部を密封する部材である。密封部23は、貫通孔14gと配管21との間の間隙部を通じて環状充填室14b内のグリースGが外部に漏れ出すのを防止するとともに、環状充填室14b内に外部から空気或いは異物が浸入するのを防止する。密封部23は、貫通孔14gの内周部と配管21の外周部との間に充填されてこれらを密封するシリコーンなどの充填材である。
次に、この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造の作用を説明する。
(通常の中間給脂を実施するときの動作)
図2(A)に示すように、初期状態では外側充填室14c及び環状充填室14bにはグリースGが隙間なく充填されており、中間給脂時には図4に示す開閉部22を緩めて給排出口21aを開放すると、袋体20内の流体が配管21を通過して給排出口21aから外部に排出される。その結果、図4(B)に示すように、袋体20の内圧が低下して袋体20が収縮し環状充填室14bの容積が大きくなり、軸受12との間に空間SN1が形成される。袋体20が所定量だけ収縮した後に、開閉部22を締めて給排出口21aを閉鎖し、図4(B)に示すように袋体20を収縮させた状態に維持する。次に、図1に示す流路4b,16dを通じて新しいグリースGNを注入すると、軸受12を通過して軸受蓋14側の環状充填室14bに送出される。その結果、環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12内の劣化グリースが押し退けられて環状充填室14bの底部に追いやられ、環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12との間の空間SN1に新しいグリースGNが中間給脂され補給される。軸受蓋15側の環状充填室15bにも同様の方法によって中間給脂される。
(中間給脂を段階的に実施するときの動作)
中間給脂を2回以上に分けて実施するときには、図5(A)に示す初期状態で開閉部22を開閉して袋体20の内圧を低下させる。その結果、図5(B)に示すように、袋体20が僅かに収縮して古いグリースGOと軸受12との間に空間SN1が形成されて、この空間SN1に新しいグリースGNが中間給脂される。第2回目の中間給脂を実施するときには、開閉部22を再度開閉して袋体20の内圧をさらに低下させる。その結果、図5(C)に示すように、袋体20が図5(B)に示す状態からさらに収縮して古いグリースGOと軸受12との間に空間SN2が形成され、この空間SN2に新しいグリースGNが再度中間給脂される。
(グリース量が少ないときの動作)
環状充填室14b内のグリース量が少ないときには、図6(A)に示すように開閉部22を給排出口21aから取り外して袋体20内に外部から流体を供給し、図中二点鎖線で示す状態から実線に示す状態まで袋体20を膨張させる。その結果、環状充填室14b内のグリースGが軸受12側に押し出され軸受摺動部へ供給されて、軸受12の潤滑不良が防止される。
(グリース量が多いときの動作)
環状充填室14b内のグリース量が多いときには、図6(B)に示すように開閉部22を開閉して袋体20の内圧を低下させて、図中二点鎖線で示す状態から実線に示す状態まで袋体20を収縮させる。その結果、環状充填室14b内のグリースGが軸受12側から離れるため、過剰に充填されたグリースGの撹拌熱による軸受12の異常発熱が防止される。
この発明の第1実施形態に係る軸受の潤滑構造は、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、グリースGが充填される環状充填室14bの容積を容積可変部19が可変し、この環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12との間に、新しいグリースGNを充填するための空間SN1,SN2をこの容積可変部19が形成する。このため、例えば、鉄道車両の駆動用電動機の軸受12を非分解の状態で、環状充填室14bの内部容積を自在に可変することによって、環状充填室14bを最適の容量に変更して保持し潤滑寿命を延伸させることができる。また、初期状態時には軸受12の近傍に十分な量のグリースGを充填させることができるため、中間給脂前に潤滑不良になるのを防ぐことができる。さらに、中間給脂時には古いグリースGOと軸受12との間に新しいグリースGNを充填することができるため、潤滑効果を十分に図り潤滑寿命を延伸することができる。
(2) この第1実施形態では、新しいグリースGNを環状充填室14bに複数回に分けて充填可能なように、この環状充填室14bの容積を容積可変部19が段階的に可変する。このため、中間給脂を複数回に分けて実施し潤滑寿命をより一層延伸することができる。
(3) この第1実施形態では、環状充填室14b内のグリース量が少ないときにはこの環状充填室14bの容積を容積可変部19が小さくし、環状充填室14b内のグリース量が多いときにはこの環状充填室14bの容積を容積可変部19が大きくする。このため、環状充填室14b内のグリース量が少ないときには、環状充填室14b内のグリースGを軸受12側に移動されて軸受12の潤滑不良を防止することができる。また、環状充填室14b内のグリース量が多いときには、環状充填室14b内のグリースGが軸受12側から離れるため、環状充填室14b内にグリースGを過剰に充填したときに発生するグリースGの撹拌熱による軸受12の異常発熱を防止することができる。
(4) この第1実施形態では、新しいグリースGNを空間SN1,SN2に充填するときに環状充填室14b内で収縮する袋体20を容積可変部19が備えている。このため、簡単な構造の袋体20によって中間給脂のための空間SN1,SN2を環状充填室14b内に容易に形成することができる。
(5) この第1実施形態では、環状充填室14b内のグリース量が少ないときにはこの環状充填室14b内で膨張し、環状充填室14b内のグリース量が多いときにはこの環状充填室14b内で収縮する袋体20を容積可変部19が備えている。このため、簡単な構造の袋体20によって軸受12の潤滑不良や異常発熱を防止することができる。
(6) この第1実施形態では、内部の流体圧に応じて伸縮する風船構造を袋体20が備えている。このため、簡単な風船構造によって袋体20を伸縮させて環状充填室14b内の容積を容易に可変することができる。
(7) この第1実施形態では、耐熱性及び耐油性を有する材料によって袋体20が形成されている。このため、軸受12の発熱やグリースGの成分によって袋体20が劣化するのを防止することができる。
(8) この第1実施形態では、軸受12の一方の端面側と他方の端面側に環状充填室14b,16aが配置されており、一方の端面側の環状充填室16aから軸受12を通過して、他方の端面側の環状充填室14bに新しいグリースGNが充填される。このため、中間給脂時に新しいグリースGNが常に軸受12を通過するために軸受12を確実に潤滑することができる。
(第2実施形態)
図7は、この発明の第2実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。以下では、図1〜図6に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示す容積可変部19は、開閉弁24,25と、流体供給部26と、圧力制御部27などを備えている。開閉弁24,25は、配管21を開閉する部材であり、開閉弁24は袋体20の内圧を下降させるときに配管21を開放し、開閉弁25は袋体20の内圧を上昇させるときに配管21を開放する。流体供給部26は、袋体20に流体を供給する装置であり、所定の圧力の流体を蓄積する蓄圧部とこの蓄圧部内に流体を供給するポンプなどを備えている。圧力制御部27は、袋体20の内圧を可変制御する部分であり、圧力制御指令を受けたときに開閉弁24,25の開閉動作を制御したり、流体供給部26の供給動作を制御したりする。圧力制御部27は、中間給脂時やグリース量が多いときには、開閉弁25を閉鎖し開閉弁24を開放して、袋体20の内圧を下降させ袋体20を収縮させる。一方、圧力制御部27は、グリース量が少ないときには、開閉弁24を閉鎖し開閉弁25を開放するとともに流体供給部26を動作させて、袋体20の内圧を上昇させ袋体20を膨張させる。この第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、軸受12の状態などに応じて環状充填室14bの容積を自動的に可変することができる。
(第3実施形態)
図8は、この発明の第3実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図8に示す容積可変部19は、内部の圧力に応じて伸縮するベローズ構造の袋体20を備えている。袋体20は、外観が円環状(浮き輪状)に形成された部材であり、表面が伸縮自在の蛇腹状に形成されている。袋体20は、中間給脂時やグリース量が多いときに開閉部22が開閉されると収縮し、グリース量が少ないときには外部から流体が供給されると膨張する。この第3実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
(第4実施形態)
図9は、この発明の第4実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図9に示す容積可変部19は、環状充填室14b内に袋体20が複数配置されている。袋体20は、環状充填室14bの底部から開口部に向かって複数直列に並べて収容されており、この環状充填室14bの深さ方向に重ねて配置されている。この第4実施形態には、第1実施形態の効果に加えて、それぞれの袋体20の配管21を開閉部22によって順次開閉することによって段階的に袋体20を収縮させ、中間給脂を複数回に分けて実施することができる。
(第5実施形態)
図10は、この発明の第5実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図10に示す軸受蓋14は、流路14hと供給口14iなどを備えており、軸受蓋16は図1に示す流路16dと供給口16eとが省略されている。流路14hは、グリースGを充填するときにこのグリースGが流入する部分であり、一方の端部(上流側)が図1に示すブラケット4の流路4bと接続し、他方の端部(下流側)が環状充填室14bと接続している。供給口14iは、環状充填室14b内にグリースGを供給するための開口部である。この第5実施形態では、環状充填室14bに直接中間給脂することができる。
(第6実施形態)
図11は、この発明の第6実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図11に示す容積可変部19は、可動板28と、密封部29と、駆動部30などを備えている。可動板28は、環状充填室14b内で移動する仕切板である。可動板28は、環状充填室14bを二つの領域に区画する部材であり、図11に示すようにグリースGが充填される領域と袋体20が収容される領域とに環状充填室14bを区画している。可動板28は、袋体20と同様に耐熱性及び耐油性を有する材料によって円環状に形成されており、軸受12に近づく方向と離れる方向とに環状充填室14b内を移動可能である。可動板28は、環状充填室14bの内側外周面と外側内周面との間に嵌め込まれており、これらによって移動自在にガイドされている。可動板28は、グリースGと接触する側とは反対側の表面(背面)を袋体20によって加圧されており、この袋体20の伸縮動作に連動して動作するように、袋体20の表面に接着剤などによって固定されている。可動板28は、例えば、新しいグリースGNを充填するときに軸受12から離れる方向に移動して、新しいグリースGNを中間給脂するための間隙部を軸受12との間に形成する。また、可動板28は、例えば、環状充填室14b内のグリース量が少ないときには軸受12に近づく方向に移動してこの環状充填室14bの容積を小さくし、環状充填室14b内のグリース量が多いときには軸受12から離れる方向に移動してこの環状充填室14bの容積を大きくする。
密封部29は、環状充填室14b内を可動板28が移動可能なように、この環状充填室14bと可動板28との間の間隙部を密封する部分である。密封部29は、可動板28と環状充填室14bとの間の間隙部を通じて軸受12側から袋体20側に環状充填室14b内のグリースG又はグリースGから滲み出た潤滑油が漏れ出すのを防止する。密封部29は、袋体20が破損したときに、可動板28と環状充填室14bとの間の間隙部を通じてこの袋体20内の流体が環状充填室14b内に漏れ出すのを防止する。密封部29は、環状充填室14b内を可動板28がしゅう動可能なように、可動板28の外周部及び内周部の周方向に形成された溝に嵌め込まれて装着されたOリングなどのシール材である。
駆動部30は、可動板28を駆動する部材である。駆動部30は、内部の流体の圧力に応じて伸縮することによって可動板28を駆動する図4〜図6に示す袋体20などを備えている。駆動部30は、グリースGを供給する供給口16eと流体を給排出する給排出口21aとの間で可動板28を駆動する。この発明の第6実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
(第7実施形態)
図12は、この発明の第7実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図12に示す駆動部30は、可動板28と環状充填室14bとの間の空間S2内の流体の圧力を可変してこの可動板28を駆動する圧力可変部31を備えている。圧力可変部31は、例えば、環状充填室14bの空間S2内の圧力を空間S1内の圧力よりも低くすることによって、軸受12から離れる方向に可動板28を移動させたり、環状充填室14bの空間S2内の圧力を空間S1内の圧力よりも高くすることによって、軸受12に近づく方向に可動板28を移動させたりする。圧力可変部31は、空間S2内から流体を排出したりこの空間S2内に流体を供給したりしてこの空間S2内の内圧を可変するポンプなどを備えている。この第7実施形態では、第1実施形態の効果に加えて、図11に示す袋体20を省略することができるため構造を簡単にすることができる。
(第8実施形態)
図13は、この発明の第8実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図13に示す駆動部30は、手動で回転駆動することによって可動板28を駆動する送りねじ機構部32を備えている。送りねじ機構部32は、例えば、環状充填室14bの円周方向に所定の間隔をあけて少なくとも3つ配置されており、雄ねじ部32aと、雌ねじ部32bと、密封部32cと、操作部32dなどを備えている。雄ねじ部32aは、可動板28と一体となって進退可能なボルトであり、雄ねじ部32aの先端部はこの雄ねじ部32aの回転量に応じて可動板28が移動するように、可動板28のグリースGと接触する側とは反対側の表面に回転可能に固定されている。雌ねじ部32bは、雄ねじ部32aと噛み合う部分であり、この雄ねじ部32aが貫通する軸受蓋14の貫通孔14gの内周部に形成されている。密封部32cは、雄ねじ部32aと雌ねじ部32bとの間の間隙部を密封する部分である。密封部32cは、雄ねじ部32aと雌ねじ部32bとの間に塗布される液状パッキンなどのコーキング材であり、環状充填室14bから外部にグリースG又はグリースGから滲み出た潤滑油が漏れ出すのを防止するとともに、外部から環状充填室14bに異物が浸入するのを防止する。操作部32dは、可動板28を移動させるときに外部から手動で回転操作する部分であり、雄ねじ部32aの後端部に形成されたボルト頭部である。この第8実施形態には、第6実施形態の効果に加えて、可動板28を駆動部30によって確実に駆動させることができる。
(第9実施形態)
図14は、この発明の第9実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図14に示す送りねじ機構部32は、雄ねじ部32eと緩み止め部32f,32gなどを備えている。雄ねじ部32eは、図13に示す雄ねじ部32aとは異なりボルト頭部が省略されている。緩み止め部32f,32gは、雄ねじ部32eの緩みを防止する部材であり、雄ねじ部32eの後端部に装着される二重ナットである。この第9実施形態では、第7実施形態の効果に加えて、雄ねじ部32eが容積変更時以外に回転するのを阻止することができる。
(第10実施形態)
図15は、この発明の第10実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図15に示す駆動部30は、自動的に回転駆動することによって可動板28を駆動するモータ33などを備えている。モータ33は、雄ねじ部32eを回転駆動するための駆動力を発生する装置であり、モータ33の回転軸には雄ねじ部32eの後端部が連結されている。モータ33は、外部からの動作指令に基づいて正転及び逆転することによって雄ねじ部32eを正転及び逆転させ、軸受12に近づく方向に可動板28を移動させたり軸受12から離れる方向に可動板28を移動させたりする。この第10実施形態では、第7実施形態の効果に加えて、可動板28を自動的に駆動させることができる。
(第11実施形態)
図16は、この発明の第11実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図16に示す駆動部30は、付勢力によって可動板28を駆動するばね34を備えている。ばね34の一方の端部は、可動板28のグリースGと接触する側の表面とは反対側の表面に連結されており、ばね34の他方の端部は環状充填室14bの底部に連結されている。ばね34は、図16に示すように、可動板28と環状充填室14bとの間に挟み込まれるように複数挿入され配置されており、可動板28が軸受12に近づく方向の付勢力を発生するもの、又は可動板28が軸受12から離れる方向の付勢力を発生するもののいずれかが選択され取り付けられる。図16には、可動板28が軸受12から離れる方向に駆動される場合の例を示す。図16に示すように、雄ねじ部32aが所定長さだけ形成されているため、雄ねじ部32aと雌ねじ部32bとが噛み合っている間は可動板28の移動を阻止するストッパとして機能する。雄ねじ部32aが形成されていない部分の外径が雌ねじ部32bの内径よりも小さいため、雄ねじ部32aと雌ねじ部32bとの噛み合いが外れるとストッパとしての機能が解除され、ばね34の付勢力によって可動板28が自動的に移動する。この第11実施形態には、第7実施形態と同様の効果がある。
(第12実施形態)
図17は、この発明の第12実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図17(A)は平面図であり、図17(B)は図17(A)のXVII-XVIIB線で切断した状態を示す断面図である。図18は、この発明の第12実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図17及び図18に示す容積可変部19は、可動板28に古いグリースGOを保持させる保持部35を備えており、この保持部35は挟み込み部35aと、剛性付与部35bと、通路部35cなどを備えている。保持部35は、例えば、成形が容易なゴム又はプラスチックなどによって形成されている。挟み込み部35aは、古いグリースGOを挟み込む部分であり、図18に示すように軸受12側に開口部を有し、可動板28を径方向で切断したときの断面形状が略U字状に形成されている。剛性付与部35bは、保持部35に剛性を付与する部分であり、金属、非金属又はこれらの組み合わせによって形成されたリブなどである。通路部35cは、外側充填室14cから環状充填室14bにグリースG又はグリースGから滲み出た潤滑油が移動可能なように、このグリースG又はこの潤滑油を通過させる部分であり、図17に示すように保持部35が外側充填室14cと接する部分に形成された切欠部である。この第12実施形態では、第7実施形態の効果に加えて、保持部35によって古いグリースGOを保持した状態で、この古いグリースGOを可動板28とともに簡単に移動させることができる。
(第13実施形態)
図19は、この発明の第13実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。図20は、この発明の第13実施形態に係る軸受の潤滑構造の保持部を概略的に示す正面図である。
図19及び図20に示す保持部35は、古いグリースGOを掛け止めする掛け止め部35dを備えており、この掛け止め部35dは可動板28の表面から突出し先端部が円板状の突起部である。掛け止め部35dは、図19に示すように、可動板28を径方向で切断したときの断面形状が略T字状に形成されており、図20に示すように可動板28の円周方向に所定の間隔をあけて配置されている。この第13実施形態には、第12実施形態と同様の効果がある。
(第14実施形態)
図21は、この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。図22は、この発明の第14実施形態に係る軸受の潤滑構造の保持部を概略的に示す正面図である。
図21及び図22に示す保持部35は、古いグリースGOを掛け止めする掛け止め部35eを備えており、この掛け止め部35eは可動板28の表面から突出し先端部が熊手状に屈曲した突起部である。掛け止め部35eは、図21に示すように、可動板28を径方向で切断したときの断面形状が略L字状に形成されており、図22に示すように可動板28の円周方向に所定の間隔をあけて配置されている。この第14実施形態には、第12実施形態と同様の効果がある。
(第15実施形態)
図23は、この発明の第15実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図23に示す保持部35は、古いグリースGOを包み込むネット部35fを備えており、このネット部35fはグリースGを被覆する金網などであり、可動板28の円周方向に沿ってこの可動板28の表面に固定されている。この第15実施形態には、第12実施形態と同様の効果がある。
(第16実施形態)
図24は、この発明の第16実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図である。
図24に示す保持部35は、古いグリースGOを含浸させる含浸部35gを備えており、この含浸部35gはグリースGを含浸させるスポンジ状、繊維状、多孔質状又は束子状の部材であり、可動板28の円周方向に沿ってこの可動板28の表面に固定されている。この第16実施形態には、第12実施形態と同様の効果がある。
(第17実施形態)
図25は、この発明の第17実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図25(A)は初期状態の断面図であり、図25(B)は中間給脂後の断面図である。
図25に示す貫通孔14jは、けん引部36aを挿入する挿入孔であり、軸受蓋14を貫通して形成されている。嵌合溝14kは、楔部37aが着脱自在に嵌合する溝であり、環状充填室14bの外側内周部に所定の深さで形成されている。容積可変部19は、環状充填室14b内の停止位置に可動板28を停止させるストッパ部37を備えている。駆動部30は、手動で引っ張ることによって可動板28を駆動する引張機構部36を備えている。引張機構部36は、例えば、環状充填室14bの円周方向に所定の間隔をあけて少なくとも2つ(好ましくは3つ)配置されており、けん引部36aと、密封部36bと、戻り止め部36cとを備えている。
けん引部36aは、可動板28をけん引する部材であり、一方の端部側が可動板28に接続され、他方の端部側が軸受蓋14外に露出する紐状部材である。けん引部36aは、例えば、一方の端部が可動板28の幅方向の中心に回転自在に連結されており、密封部36bを移動自在に貫通して、他方の端部が環状充填室14b外に引き出されている。けん引部36aは、例えば、可動板28の位置が容易に理解可能なように指標部が形成されており、環状充填室14bの底部まで可動板28が移動したときに、貫通孔14jから外部に露出する紐状部材の色を変化させたり、紐状部材に目盛りを形成したりしている。
密封部36bは、充填室14aとけん引部36aとの間の間隙部を密封する部材である。密封部36bは、貫通孔14jとけん引部36aとの間に塗布される液状パッキンなどのコーキング材であり、環状充填室14b内のグリースGが外部に漏れ出すのを防止するとともに、環状充填室14b内に外部から異物が浸入するのを防止する。
戻り止め部36cは、可動板28の移動方向とは逆方向にけん引部36aが戻るのを防止する部材である。戻り止め部36cは、例えば、けん引部36aを巻き付けて掛け止めするための軸状部材であり、軸受蓋14の外部に取り付けられており、けん引部36aが引張方向と逆方向に戻るのを防止する。
ストッパ部37は、環状充填室14b内の停止位置Pに可動板28を停止させる部材である。ストッパ部37は、図25(B)に示すように、引張機構部36によって可動板28を駆動するときに停止位置Pから取り外される。ストッパ部37は、楔部37aとけん引部37bとを備えている。楔部37aは、停止位置Pに着脱自在に差し込まれる部材であり、軸受12から遠ざかる方向に可動板28が移動するのを阻止する。図25(A)に示すように、楔部37aの先端部は嵌合溝14kに嵌め込まれており、楔部37aの外周部は可動板28の表面と接触している。けん引部37bは、楔部37aをけん引する部材であり、一方の端部側が楔部37aに接続され、他方の端部側がけん引部36aに接続される紐状部材である。この第17実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
次に、この発明の第17実施形態に係る軸受の潤滑構造の作用を説明する。
中間給脂時には、図25(A)に示すけん引部36aを戻り止め部36cから解き機外から引っ張ると、けん引部36aにけん引部37bが連結されているため、図25(B)に示すように嵌合溝14kから楔部37aが抜け出す。嵌合溝14kから楔部37aが抜け出すと、軸受12から遠ざかる方向に可動板28が停止位置Pから移動を開始して、軸受12と可動板28との間に空間SN1が形成される。次に、図1に示す流路4b,16dを通じて新しいグリースGNが注入されると、軸受12を通過して環状充填室14b内の空間SN1に新しいグリースGNが中間給脂され、環状充填室14b内の古いグリースGOと軸受12内の劣化グリースとが環状充填室14bの底部に押し退けられる。図25(B)に示すように、可動板28を移動させた後に、けん引部36aを戻り止め部36cに巻き付けて、軸受12に近づく方向に可動板28が戻るのが阻止される。
(第18実施形態)
図26は、この発明の第18実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図26(A)は初期状態の断面図であり、図26(B)は中間給脂後の断面図である。
図26に示すストッパ部37は、停止位置Pに着脱自在に吸着する吸着部37cを備えており、この吸着部37cは環状充填室14bの外側内周部に着脱自在に吸着する磁石などである。吸着部37cは、けん引部37bに連結されており、図26(A)に示すように吸着部37cの外周部は可動板28の表面と接触して、軸受12から遠ざかる方向に可動板28が移動するのを阻止している。この第18実施形態には、第17実施形態の効果に加えて、図25に示すような嵌合溝14kを形成する必要がなくなるため、第17実施形態に比べて構造が簡単になり軸受蓋14を容易に製造することができる。
(第19実施形態)
図27は、この発明の第19実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図27(A)は初期状態の断面図であり、図27(B)は中間給脂後の断面図である。
図27に示すボルト穴14m,14nは、けん引部36aを軸受蓋14に固定するための雌ねじ部であり、軸受蓋14の外部に所定の深さで所定の間隔をあけて形成されている。けん引部36aは、幅が5〜10mm程度であり折り曲げ及び復元が可能な金属製の板状部材であり、可動板28の位置が容易に理解可能なように指標部が形成されている。戻り止め部36cは、けん引部36aの端部をボルト穴14m,14nに固定するボルトであり、可動板28と連結される側とは反対側のけん引部36aの端部に形成されたボルト挿入孔36dに挿入される。中間給脂時には、図27(A)に示すボルト穴14mから戻り止め部36cを外してけん引部36aを引っ張り、図27(B)に示すように軸受12と可動板28との間に空間SN1を形成する。その後に、ボルト穴14nに戻り止め部36cをねじ込み、けん引部36aを固定する。この第19実施形態には、第17実施形態と同様の効果がある。
(第20実施形態)
図28は、この発明の第20実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、図28(A)は平面図であり、図28(B)は(A)のXXVIII-XXVIIIB線で切断した初期状態の断面図であり、図28(C)は(A)のXXVIII-XXVIIIB線で切断した中間給脂後の断面図である。図29は、この発明の第20実施形態に係る軸受の潤滑構造の容積可変部を概略的に示す断面図であり、図29(A)は初期状態の断面図であり、図29(B)は中間給脂後の断面図である。図30は、この発明の第20実施形態に係る軸受の潤滑構造の移動方向規制部の断面図であり、図30(A)は初期状態の断面図であり、図30(B)は中間給脂後の断面図である。図31は、図29のXXXI部分を拡大して示す部分断面図である。
図28及び図29に示す充填室14aは、壁部14pと逃げ部14qとを備えている。壁部14pは、充填室14aから外側に拡大する外側充填室14cとの間に形成された部分であり、環状充填実14bと外側充填室14cとを区画するとともに、可動板28を移動自在にガイドする。逃げ部14qは、図28(B)(C)及び図29に示すように、壁部14pと補強部39とが干渉するのを防止する部分であり、壁部14pの端部を切り欠くように、延長部38と対応して3箇所形成されている。
容積可変部19は、図28及び図29に示すように、可動板28と、駆動部30と、保持部35と、延長部38と、補強部39とを備えている。図28(B)(C)及び図29に示す駆動部30は、延長部38を駆動することによってこの延長部38とともに可動板28を駆動する。駆動部30は、軸受12の中心軸から等距離に配置されており、延長部38と対応して充填室14aの周方向に間隔をあけて3つ配置されている。駆動部30は、図28及び図29に示すように、送りねじ機構部32を備えており、この送りねじ機構部32は図30に示す移動方向規制部32hと、図31に示す連結部32nとを備えている。
移動方向規制部32hは、充填室14aから雄ねじ部32eが抜け出すのを許容し、この充填室14aにこの雄ねじ部32eが入り込むのを禁止する部材である。移動方向規制部32hは、例えば、図30(A)に示すように、雌ねじ部32bと雄ねじ部32eとの間にこれらと密着するように挟み込まれた弾性部材である。移動方向規制部32hは、図13に示す密封部32cと同様に、雌ねじ部32bと雄ねじ部32eとの間からグリースG又はこのグリースGから滲み出た潤滑油が漏れ出すのを防止するとともに、外部から充填室14aに異物が浸入するのを防止する。移動方向規制部32hは、図30(B)に示すように、軸受12から遠ざかる方向に可動板28が駆動するように雄ねじ部32bを回転させると、厚さ方向の中間部で二つに分離する。その結果、移動方向規制部32hは、雌ねじ部32bの内周部と密着した分離部32iと、雄ねじ部32eの外周部に密着した分離部32jとに分割される。移動方向規制部32hは、弾性部材であるため分割により、端部で圧縮が解放され、分離部32iには軸受蓋14の内側に膨張部32kが形成され、分離部32jには軸受蓋14の外側に膨張部32mが形成される。その結果、移動方向規制部32hは、分離部32iの端部と膨張部32mとを干渉させ、分離部32jの端部と膨張部32kとを干渉させて、軸受12に近づく方向に可動板28が駆動しないように雄ねじ部32bの回転を規制する。
図31に示す連結部32nは、雄ねじ部32eと延長部38とを連結する部分であり、雄ねじ部32eの回転量に応じて可動板28が移動するように、延長部38の貫通孔38aに回転自在に連結されている。連結部32nは、図31に示すように、延長部38に掛け止め可能なように雄ねじ部32eの先端部に段状に形成されており、軸受12側に大径部32pが形成されており、軸受12側とは反対側に大径部32pよりも外径が小さい小径部32qが形成されている。
延長部38は、可動板28の外周部から外側に延びる部分である。延長部38は、例えば、図28(B)(C)及び図29に示すように、外側充填室14c内に伸びたポリアミド系樹脂、繊維強化プラスチックなどの合成樹脂製又は金属製の板状部材であり、鋳型モールドによって可動板28及び保持部35と一体に形成されている。延長部38の厚さは、外側充填室14c内のグリース量が低下しないように、延長部38の強度を確保可能な範囲内で可能な限り薄くすることが好ましい。延長部38は、例えば、充填室14aの周方向に間隔をあけて3つ配置されている。延長部38には、図28(A)に示すように、送りねじ機構部32の雄ねじ部32eの先端部を回転自在に連結するために、この雄ねじ部32eの先端部が貫通する貫通孔38aが形成されている。貫通孔38aは、図31に示すように、内周部が段状に形成されており、貫通孔38aの内周部には軸受12側に大径部32pが回転自在に嵌合する大径孔38bが形成されており、軸受12側とは反対側に小径部32qが回転自在に嵌合する小径孔38cが形成されている。延長部38は、図29に示すように、壁部14pと可能な限り干渉しないように、保持部35の軸受12寄り(保持部35の略U字状の開口部付近)の外周部に接続されている。
補強部39は、保持部35と延長部38との接続部を補強する部分である。補強部39は、保持部35の外側外周部と延長部38の基部との接続部を補強するリブなどであり、駆動部30が延長部38を駆動するときに延長部38が撓まないように延長部38の基部に剛性を付与している。補強部39は、図29(A)に示すように、壁部14pの端部と対向して形成されており、図29(B)に示すように環状充填室14bの底部に可動板28が移動したときに逃げ部14qと接触する。
この第20実施形態には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第20実施形態では、可動板28の外周部から外側に延長部38が伸び、この延長部38を駆動部30が駆動することによってこの延長部38とともに可動板28が駆動する。例えば、図28(B)(C)及び図29に示す環状充填室14bの背面には、通常、グリースGが外部に漏れ出すのを防止するとともに塵埃が内部に浸入するのを防止するラビリンスパッキン(ラビリンスシール)が存在する。このため、図17(B)及び図18に示すように、環状充填室14bの背面に送りねじ機構部32を配置しようとすると、この送りねじ機構部32とラビリンスパッキンとが干渉してしまう。しかし、この第20実施形態では、ラビリンスパッキンと干渉しない位置に送りねじ機構部32を配置して可動板28を駆動することができる。
(2) この第20実施形態では、充填室14aから雄ねじ部32eが抜け出すのを移動方向規制部32hが許容し、充填室14aに雄ねじ部32eが入り込むのを移動方向規制部32hが禁止する。このため、雄ねじ部32eの外周部に付着した塵埃などの異物が充填室14a内に送り込まれて、グリースGに混入するのを防ぐことができる。
(第21実施形態)
図32は、この発明の第21実施形態に係る軸受の潤滑構造を備える軸受蓋の外観図であり、(A)は平面図であり、(B)は(A)のXXXII-XXXIIB線で切断した初期状態の断面図であり、(C)は(A)のXXXII-XXXIIB線で切断した中間給脂後の断面図である。
図32に示す充填室14aは、この充填室14aの外側に突出して形成された切欠部14rを備えており、この切欠部14rは可動板28を移動自在にガイドしている。切欠部14rは、環状充填室14bの外側内周部及び抑え部14dを切り欠くように、延長部38と対応して3箇所形成されており、延長部38はこの切欠部14r内に伸びている。この第21実施形態には、第20実施形態の効果に加えて、延長部38が外側充填室14c内に伸びていないため、第20実施形態に比べてこの外側充填室14c内のグリース量を増加させることができるとともに、環状充填室14bと外側充填室14cとの間でグリースGを円滑に移動させることができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、半固体状潤滑剤としてグリースGを例に挙げて説明したがグリースGに限定するものではなく、使用温度で半固体状であるギヤコンパウンド、ペトロラタム(ワセリン)などの他の半固体状潤滑剤についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、鉄道車両の駆動用電動機のシャフト1を支持する軸受12,13を例に挙げて説明したがこれに限定するものではなく、発電所のタービンなどのシャフトを支持する軸受などについてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、軸受12,13が玉軸受又はころ軸受である場合を例に挙げて説明したが、他の形式の転がり軸受についてもこの発明を適用することができる。特に、鉄道車両の主電動機の軸受に限らず、長時間にわたり非解体で使用されグリースGによって潤滑される転がり軸受について、この発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、軸受蓋14,15側に潤滑構造18を適用した場合を例に挙げて説明したが、軸受蓋16,17側についてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、環状充填室14bの容積を可変する構造として、袋体20を利用するチューブ方式や可動板28を使用するシリンダ方式などを例に挙げて説明したが、これらを任意に組み合わせることもできる。
(3) この第12実施形態及び第14実施形態では、剛性付与部35bがリブである場合を例に挙げて説明したが、保持部35に中芯を挿入したり補強用のコーティング材を塗布したりすることもできる。また、この第12実施形態〜第16実施形態では、容積可変部19が可動板28に保持部35を備える場合を例に挙げて説明したが、容積可変部19が袋体20に保持部35を備えるように構成することもできる。さらに、この第12実施形態〜第16実施形態では、挟み込み部35a、掛け止め部35d,35e、ネット部35f又は含浸部35gを保持部35が備える場合を例に挙げて説明したが、これらを複数任意に組み合わせることもできる。
(4) この第17実施形態及び第18実施形態では、楔部37a又は吸着部37cを一本のけん引部36aによって外し可動板28を移動する場合を例に挙げて説明したが、楔部37a又は吸着部37cを外すためのけん引部と、可動板28を移動するためのけん引部とをそれぞれ設けることもできる。この場合には、それぞれのけん引部の長さを変えて両者を区別可能にすることができる。また、この第17実施形態〜第19実施形態では、密封部36bがコーキング材である場合を例に挙げて説明したが、プラスチック製のロックボルトなどを使用して密封することもできる。さらに、この第17実施形態〜第19実施形態では、環状充填室14bの周方向に間隔をあけて配置された3本のけん引部36aによって可動板28を駆動する場合を例に挙げて説明したが、けん引部36aの本数は3本に限定するものではない。
(5) この第20実施形態及び第21実施形態では、軸受蓋14の中心軸から等距離に3つの駆動部30を配置する場合を例に挙げて説明したが、配置位置や配置個数を限定するものではない。例えば、軸受蓋14の中心軸から異なる距離に駆動部30を配置したり、軸受蓋14の中心軸に対して対称位置に複数の駆動部30を配置したりすることもできる。また、この第20実施形態及び第21実施形態では、可動板28と延長部38とを一体に形成する場合を例に挙げて説明したが、これらを溶接によって一体化することもできる。
1 シャフト
2 電動機枠体
12,13 軸受
14〜17 軸受蓋
14a,15a 充填室
14b,15b 環状充填室
14c,15c 外側充填室
14p 壁部
14q 逃げ部
14r 切欠部
16e 供給口
18 潤滑構造
19 容積可変部
20 袋体
21a 給排出口
27 圧力制御部
28 可動板
29 密封部
30 駆動部
31 圧力可変部
32 送りねじ機構部
32a 雄ねじ部
32b 雌ねじ部
32c 密封部
32e 雄ねじ部
32f,32g 緩み止め部
32h 移動方向規制部
33 モータ
34 ばね
35 保持部
35a 挟み込み部
35b 剛性付与部
35c 通路部
35d,35e 掛け止め部
35f ネット部
35g 含浸部
36 引張機構部
36a けん引部
36b 密封部
36c 戻り止め部
37 ストッパ部
37a 楔部
37c 吸着部
38 延長部
39 補強部
G グリース
1,S2 空間
N1,SN2 空間(新しいグリースを封入するための空間)
O 古いグリース
N 新しいグリース
P 停止位置

Claims (39)

  1. 半固体状潤滑剤によって軸受を潤滑する軸受の潤滑構造であって、
    前記半固体状潤滑剤が充填される充填室の容積を可変する容積可変部を備え、
    前記容積可変部は、新しい半固体状潤滑剤を充填する前に、前記充填室内の古い半固体状潤滑剤と前記軸受との間に、この新しい半固体状潤滑剤を充填するための空間を形成すること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  2. 請求項1に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記新しい半固体状潤滑剤を前記充填室に複数回に分けて充填可能なように前記空間を段階的に可変すること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記新しい半固体状潤滑剤を前記空間に充填する前に前記充填室内で収縮する袋体を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  4. 請求項3に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記袋体の内圧を可変制御する圧力制御部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記袋体は、内部の流体圧に応じて収縮する風船構造又はベローズ構造を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記袋体は、前記充填室内に複数配置されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  7. 請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記袋体は、耐熱性及び耐油性を有する材料によって形成されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  8. 請求項1又は請求項2に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記新しい半固体状潤滑剤を前記空間に充填する前に前記軸受から離れる方向にこの充填室内で移動する可動板を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  9. 請求項8に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記充填室内を前記可動板が移動可能なように、この可動板とこの充填室との間の間隙部を密封する密封部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記可動板を駆動する駆動部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  11. 請求項10に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、内部の流体の圧力に応じて収縮することによって前記可動板を駆動する袋体を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、前記可動板と前記充填室との間の空間内の流体の圧力を可変することによってこの可動板を駆動する圧力可変部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、前記半固体状潤滑剤を供給する供給口と前記流体を給排出する給排出口との間で前記可動板を駆動すること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  14. 請求項10から請求項13までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、手動で回転駆動することによって前記可動板を駆動する送りねじ機構部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  15. 請求項14に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記送りねじ機構部は、雄ねじ部と雌ねじ部との間の間隙部を密封する密封部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記送りねじ機構部は、雄ねじ部の緩みを防止する緩み止め部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  17. 請求項14から請求項16までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記送りねじ機構部は、前記充填室から雄ねじ部が抜け出すのを許容し、前記充填室に前記雄ねじ部が入り込むのを禁止する移動方向規制部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  18. 請求項10から請求項17までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、自動的に回転駆動することによって前記可動板を駆動するモータを備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  19. 請求項10から請求項18までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、手動で引っ張ることによって前記可動板を駆動する引張機構部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  20. 請求項19に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記引張機構部は、一方の端部側が前記可動板に接続され他方の端部側が前記充填室外に露出するけん引部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  21. 請求項20に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記引張機構部は、前記けん引部と前記充填室との間の間隙部を密封する密封部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  22. 請求項19又は請求項20に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記引張機構部は、前記可動板の移動方向とは逆方向に前記けん引部が戻るのを防止する戻り止め部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  23. 請求項10から請求項22までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記充填室内の停止位置に前記可動板を停止させるストッパ部を備え、
    前記ストッパ部は、前記駆動部によって前記可動板を駆動するときに前記停止位置から取り外されること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  24. 請求項23に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記ストッパ部は、前記停止位置に着脱自在に差し込まれる楔部又は前記停止位置に着脱自在に吸着する吸着部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  25. 請求項10から請求項24までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、付勢力によって前記可動板を駆動するばねを備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  26. 請求項3から請求項25までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記袋体又は前記可動板に前記古い半固体状潤滑剤を保持させる保持部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  27. 請求項26に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記保持部は、金属、非金属又はこれらを組み合わせによって形成され、この保持部に剛性を付与する剛性付与部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  28. 請求項26又は請求項27に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記保持部は、前記古い半固体状潤滑剤を挟み込む挟み込み部、前記古い半固体状潤滑剤を掛け止めする掛け止め部、前記古い半固体状潤滑剤を包み込むネット部又は前記古い半固体状潤滑剤を含浸させる含浸部のうちの少なくとも一つを備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  29. 請求項26から請求項28までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記充填室は、この充填室の外側に拡大して形成された外側充填室を備え、
    前記保持部は、前記外側充填室から前記充填室に半固体状潤滑剤又は半固体状潤滑剤から滲み出た潤滑油が移動可能なように、この半固体状潤滑剤又はこの潤滑油が通過可能な通路部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  30. 請求項10から請求項29までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記可動板の外周部から外側に伸びる延長部を備え、
    前記駆動部は、前記延長部を駆動することによってこの延長部とともに前記可動板を駆動すること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  31. 請求項30に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記充填室は、この充填室の外側に拡大して形成された外側充填室を備え、
    前記延長部は、前記外側充填室内に伸びていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  32. 請求項30又は請求項31に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記充填室は、この充填室の外側に突出して形成された切欠部を備え、
    前記延長部は、前記切欠部内に伸びていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  33. 請求項30から請求項32までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記延長部は、前記可動板と一体に形成されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  34. 請求項30から請求項33までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記古い半固体状潤滑剤を前記可動板に保持させる保持部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  35. 請求項34に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記保持部の外周部の軸受寄りに前記延長部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  36. 請求項34又は請求項35に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記容積可変部は、前記保持部と前記延長部との接続部を補強する補強部を備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  37. 請求項36に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記充填室は、
    この充填室から外側に拡大する外側充填室との間に形成された壁部と、
    前記壁部と前記補強部とが干渉するのを防止する逃げ部とを備えること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  38. 請求項10から請求項37までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記駆動部は、前記充填室の周方向に所定の間隔をあけて複数配置されていること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
  39. 請求項1から請求項38までのいずれか1項に記載の軸受の潤滑構造において、
    前記充填室は、前記軸受の一方の端面側と他方の端面側とに配置されており、
    前記新しい半固体状潤滑剤は、前記軸受を通過して前記一方又は前記他方の端面側の前記充填室に充填されること、
    を特徴とする軸受の潤滑構造。
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