JP2012161430A - 無針注射器 - Google Patents

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Abstract

【課題】無針注射器においてユーザの利便性を低下させることなく、注射時におけるノズルに対する負荷軽減や騒音の低減を可能とする。
【解決手段】注射針を介することなく、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する無針注射器であって、注射器本体と、注射器本体に設けられた収容室内に、封止部材を介して注射目的物質を収容する収容部と、収容部に収容された注射目的物質に対して加圧することで封止部材を移動又は破壊させて、該注射目的物質を外部へ排出させる加圧部と、注射対象領域への射出口を形成し、加圧部によって加圧された注射目的物質が注射対象領域に対して該射出口を介して射出されるように流路を画定する流路部と、加圧部による加圧が行われる前に、封止部材の一部を破壊して、収容室内の注射目的物質の一部を流路部に充填させる事前充填部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、注射針を介することなく、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する無針注射器に関する。
注射針を介することなく注射を行う無針注射器では、加圧ガスやバネにより注射液が収容された収容室に対して圧力を加えることで注射成分を射出する構成が採られることがある。例えば特許文献1に示す無針注射器では、上流側ピストンプラグと下流側ピストンプラグで封入されている注射液が加圧されてノズル内に流れ込むことで、その射出口から射出される。このとき、大気圧状態にあるノズル内に加圧された注射液が一気に流れ込むことになるため、ノズル本体が注射液から受ける圧力が著しく変化する。それにより、ノズルの変形や破壊、または注射時の騒音発生等が懸念されている。
一方で、例えば特許文献2には、無針注射器において注射液の射出前に、ノズル内部を注射液の一部で満たす構成が開示されている。具体的には、特許文献2の図2に示すように、注射器の使用前は、注射液の収容室の封止部材として機能するボールバルブによって、収容されている注射液がノズル側に流れ込むのが阻止された状態となっている。そして、使用に当っては、注射器本体のグリップがねじられることで注射器本体内でボールバルブが相対移動し、収容室とノズルとがボールバルブ近傍に配置された溝によって連通状態となり(特許文献2の図4を参照)、ノズルが注射液によって満たされる。
特開2006−522614号公報 米国特許明細書第6645170号
無針注射器において、注射液の射出の駆動力として注射液に圧力を加える場合、上記のとおり、ノズル内部が大気圧状態であれば、注射液が一気にノズル内部に流れ込むことによるノズルへの過大な負荷や衝撃、騒音の発生が懸念される。一方で、従来技術のように注射器本体内でボールバルブが移動することにより注射液の射出前にノズル内部を注射液で満たす構造を有する無針注射器では、実際の射出時には当該ボールバルブは、実質的に収容室とノズルの間の流路に残留した状態となるため、射出時の注射液の流れに対する抵抗となり得る。その結果、ボールバルブにより加圧注射液のエネルギーが分散され、効率的な注射を阻害する要因となり、それを解消するには加圧部のスケールアップ等が必要とされ、注射器としての利便性が低下する。
本発明では、上記した問題に鑑み、無針注射器においてユーザの利便性を低下させることなく、注射時におけるノズルに対する負荷軽減や騒音の低減を可能とする無針注射器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、注射液を含む注射目的物質を収容する収容部の一部を規定する封止部材を、破壊可能に形成し、その封止部材の一部を破壊することで、注射目的物質の射出前に、該注射目的物質が流れ込む流路部を該注射目的物質の一部で充填させる構成を採用した。すなわち、本発明は、封止部材を破壊可能に形成することで、射出時の流路部への負荷軽減と、射出時の注射目的物質に対する抵抗力の軽減を両立させるものである。
具体的には、本発明は、注射針を介することなく、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する無針注射器であって、注射器本体と、前記注射器本体に設けられた収容室内に、封止部材を介して前記注射目的物質を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記注射目的物質に対して加圧することで前記封止部材を移動又は破壊させて、該注射目的物質を外部へ排出させる加圧部と、注射対象領域への射出口を形成し、前記加圧部によって加圧された前記注射目的物質が前記注射対象領域に対して該射出口を介して射出されるように流路を画定する流路部と、前記加圧部による加圧が行われる前に、前記封止部材の一部を破壊して、前記収容室内の前記注射目的物質の一部を前記流路部に充填させる事前充填部と、を備える。
本発明に係る無針注射器では、注射目的物質に対して圧力が加えられることで、注射目的物質の移動が促されることになる。その結果、流路部の流路内に注射目的物質が流れ込み、そして、射出口から注射目的物質が注射対象領域に対して射出される。この注射目的物質は、注射対象領域の内部で効能が期待される成分を含むものであり、上記のように加圧部により加えられる圧力がその射出時の駆動源である。そのため、加圧部による射出が可能であれば、注射目的物質の無針注射器内の収容状態や、液体やゲル状等の流体、粉体、粒状の固体等の注射目的物質の具体的な物理的形態は問われない。
たとえば、注射目的物質は液体であり、また固体であっても射出を可能とする流動性が担保されればゲル状の固体であってもよい。そして、注射目的物質には、生体の注射対象領域に送り込むべき成分が含まれ、当該成分は注射目的物質の内部に溶解した状態で存在してもよく、又は当該成分が溶解せずに単に混合された状態であってもよい。一例を挙げれば、送りこむべき成分として、抗体増強のためのワクチン、美容のためのタンパク質、毛髪再生用の培養細胞等があり、これらが射出可能となるように、液体、ゲル状等の流体に含まれることで注射目的物質が形成される。
また、注射目的物質への加圧源は加圧による射出が可能である限りにおいて、様々な加圧源を利用することができる。たとえば、バネ等による弾性力を利用したもの、加圧されたガスを利用したもの、火薬の燃焼を利用したもの、加圧のための電気的アクチュエータ(モータやピエゾ素子等)を利用したものが、加圧源として挙げられる。
ここで、加圧部により加圧される前では、注射目的物質は収容部によって収容室内に収容されており、その収容部の一部を上記封止部材が形成している。この封止部材は、外的要因により破壊可能な部材によって形成されている。すなわち、封止部材は、注射目的物質を収容するという観点では適切に収容状態を維持できる程度の強度等を有するものであるが、外部から力が加わる等の外的要因によってその一部又は全部が破壊され得るものである。本発明に係る無針注射器では、このような封止部材を介して、注射目的物質が収容部により収容されている。
そして、加圧部により加圧される前に、事前充填部が、封止部材の一部を破壊することで収容室内の注射目的物質の一部を漏れ出させ、それを流路部に導くことで、そこを注射目的物質で事前に充填させる。ここで、「一部の破壊」とは収容室内の注射目的物質が室外に漏れ出し得る状態ではあるが、主たる注射時のように多量の注射目的物質が注射器の射出口から注射対象領域に射出される程度に該収容室から排出され得る破壊状態よりも低い程度の破壊状態を言う。これにより、加圧部による加圧が実行されたときには、既に注射目的物質で満たされた流路部に対して、加圧された注射目的物質が流れ込み、射出が行われることになる。その結果、射出時に流路部に急激な圧力や衝撃がかかることを抑制し、また圧力の急激な変動に起因する騒音を軽減することが可能となる。
また、上記封止部材は外的要因により破壊可能な部材で形成されていることから、加圧部による加圧が実行されると、該封止部材は、事前充填部によって破壊された状態よりも更に破壊された状態となり得るので、注射時の封止部材による注射目的物質に対する抵抗力を緩和させることが可能となる。なお、このとき封止部材は、注射前の位置から移動してもよく、また移動しなくてもよい。いずれの場合であっても、封止部材が破壊可能な部材であることにより、注射時の封止部材による注射目的物質に対する抵抗力は緩和される。
ここで、上記無針注射器において、前記収容室の一端側に前記封止部材が配置され、該収容室の他端側に該収容室を密閉するように第二の封止部材が配置されることで、前記収容部が形成される構成としてもよい。そして、この場合、前記事前充填部によって前記封止部材の一部が破壊されたときに、前記第二の封止部材によって前記注射目的物質に与えられる荷重で該注射目的物質の一部が前記流路部に充填されてもよい。すなわち、他端側の第二の封止部材は、収容室の一部を画定するものであり、且つ事前充填部により一端側の封止部材の一部が破壊されたときに、収容室内の注射目的物質を流路部内へと導くための駆動力を提供するものである。流路部内に形成される注射のための流路は、注射目的物質に所定の貫通力を付与するためにも、一般的には流路径は収容室の大きさと比べて極めて小さく設定されていることが多い。そのため、上記のように第二の封止部材を流路部内への導入の駆動力源とすることで、無針注射器自体を過度に大型化することなく、且つ確実に流路部の事前充填を達成することが可能となる。
この場合、前記第二の封止部材は、前記無針注射器の組立時に前記収容部と前記加圧部が組み合わされた際に、該部材の一部が変形することで所定圧力を前記注射目的物質に対して加える構成としてもよい。すなわち、組立時に第二の封止部材が変形され、そこに溜まった復元力を、注射目的物質を事前に流路部に導入する駆動力として利用するものである。そのため、第二の封止部材には、上記組立を阻害しない程度の変形容易性が求められる一方で、十分な駆動力、すなわち上記所定圧力の付与状態が確保されるように、該部材の弾性力や形状等が適切に設定されるのが好ましい。なお、上記所定圧力は、収容部による注射目的物質の適切な収容を担保するために、事前充填部による破壊が行われず当該所定圧力だけで封止部材が破壊されない程度の大きさであることが好ましい。
ここで、上述までの無針注射器において、前記加圧部は、前記収容部に収容された前記注射目的物質に対して、前記注射器本体の軸方向から圧力を加えることで、前記封止部材を該軸方向に移動又は破壊させる構成であってもよい。そして、この場合、前記事前充填部は、前記加圧部による加圧が行われる前に、前記封止部材に向かって移動し、該封止部材の一部を破壊する移動破壊部材を、有し、前記移動破壊部材が第一の位置にあるときは前記封止部材とは非接触状態にあり、該第一の位置から第二の位置に移動すると、該封止部材と接触することで該封止部材の一部が破壊される。
上記構成においては、事前充填部が有する移動破壊部材は、加圧部による注射目的物質への加圧方向にかかわらず、所定の方向から封止部材に対する相対移動が可能なように配置される。そして、無針注射器の未使用時は、移動破壊部材が第一の位置に置かれ、使用する前には移動破壊部材が第二の位置に移動することで、封止部材と接触し、その一部を破壊することになる。そして、その状態で、加圧部による加圧が実行されることで封止部材が更に破壊され、主たる注射目的物質の射出が実行される。したがって、無針注射器のユーザは、注射を行う準備段階としては、移動破壊部材の第一の位置から第二の位置への移動を行えばよく、これにより、無針注射器の利便性を下げることなく注射を実行できることになる。
そして、上記の無針注射器において、前記移動破壊部材は、前記流路部側に設けられ、前記第一の位置にあるときは該流路部の前記射出口が開口している側に該移動破壊部材の一部が突出した状態にあり、前記射出口が前記生体の注射対象領域に対して接触した状態で押圧されると、前記突出していた移動破壊部材が前記第二の位置に移動し、前記封止部材の一部が破壊される構成としてもよい。すなわち、当該構成は、移動破壊部材の第一の位置から第二の位置への移動を、流路部に形成されている射出口を注射対象領域に接触させ、突出している移動破壊部材の一部を押圧することで実現する構成である。この構成によれば、無針注射器のユーザは、当該無針注射器を注射対象領域に接触させるという、従来の無針注射器の使用形態と同じ動作で、流路部への事前充填を実現できるため、その利便性が低下するのを回避できる。
なお、上記の場合、前記第二の位置にある前記移動破壊部材の端部は、前記射出口が形成される前記流路部材の外表面と、略面一の状態となるように構成されてもよい。この構成により、注射時にはユーザは突出していた移動破壊部材から反発力等を受けにくくなるため、注射器使用時の違和感を軽減することができる。
ここで、上述までの無針注射器において、前記流路部は、前記加圧部による加圧が行われる前に、前記注射器本体に対して近接するように相対移動可能な状態で該注射器本体に取り付けられている構成を採用してもよい。この場合、前記事前充填部は、前記流路部側に設けられ、前記加圧部による加圧が行われる前に前記流路部が前記注射器本体に近接すると、前記事前充填部によって前記封止部材の一部が破壊され、前記収容室内の前記注射目的物質の一部が前記流路部に充填されることで、前記加圧部による加圧が可能となる。すなわち、この構成では、流路部と注射器本体が相対移動可能であるとともに、事前充填部が流路部側に設置されている。そのため、事前充填部自体も、流路部と共にではあるが注射器本体に対して近接するように相対移動可能となる。このような構成でも封止部材の一部の破壊が可能となり、以て円滑な流路部の事前充填が可能となる。
特に、上記無針注射器において、前記流路部が、前記射出口が前記生体の注射対象領域に対して接触した状態で、前記注射器本体側から押圧されることで、該注射器本体に対して相対的に近接するように構成してもよい。このような構成によれば、ユーザは、無針注射器を注射対象領域に接触させるという、従来の無針注射器の使用形態と同じ動作で、流路部への事前充填を実現できるため、その利便性が低下するのを回避できる。
ここで、上述までの無針注射器において、前記封止部材は、薄膜状に形成され、前記事前充填部は該薄膜を開裂させることで前記注射目的物質の一部を前記流路部に充填させるようにしてもよい。また、加圧部による加圧が行われたときには、既に開裂された薄膜を更に大きく開裂させることで、もしくは、開裂されていない部分の薄膜を新たに開裂させることで、収容室内に残存する注射目的物質を室外に排出するようにしてもよい。
また、上述までの無針注射器において、前記事前充填部は、前記射出口が前記生体の注射対象領域に対して接触した状態で、該射出口と該注射対象領域を含む略気密な閉空間を形成する遮断壁を有し、前記封止部材の一部を破壊した状態で該遮断壁による閉空間内を負圧状態とすることで、前記収容室内の前記注射目的物質の一部を前記流路部に充填させる構成を採用してもよい。この構成により、上記閉空間を負圧状態とすることで、事前充填部による流路部の事前充填をより円滑に実現することが可能となる。上記のとおり、流路部内の流路径は比較的小さく形成されるが、遮断壁による負圧状態が形成されることで、流路部内への注射目的物質の流れ込みが促進されることになる。また、遮断壁で射出口を含むその近傍に閉空間を形成することから、事前充填部により流路部内に注射目的物質を充填したときや該注射目的物質の射出時に、その注射目的物質が広く散乱してしまうことを抑制することも可能となる。
前記遮断壁の一例として、該遮断壁は弾性部材からなり、該弾性部材の弾性変形により前記閉空間内に負圧状態が形成される構成が挙げられる。なお、射出口を含むその近傍に閉空間を形成し、該閉空間を負圧状態に形成できる構造であれば、その他の材料を採用してもよい。
無針注射器においてユーザの利便性を低下させることなく、注射時におけるノズルに対する負荷軽減や騒音の低減を可能とする無針注射器を提供することが可能となる。
本発明に係る無針注射器の概略構成を示す図である。 図1に示す無針注射器に装着されるイニシエータ(点火装置)の概略構成を示す図である。 図1に示す無針注射器において、収容部と加圧部とを組み立てる前の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第一の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させる前の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第一の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させた後の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第二の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させる前の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第二の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させた後の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第三の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させる前の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第三の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させた後の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第四の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させる前の該無針注射器の内部の状態を示す図である。 本発明に係る無針注射器の第四の実施例において、ノズル内に注射液を事前に充填させた後の該無針注射器の内部の状態を示す図である。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係る無針注射器1(以下、単に「注射器1」という)について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではない。
ここで、図1(a)は注射器1の断面図であり、図1(b)は注射器1をイニシエータ20側から見た側面図であり、図1(c)は注射器1を、注射液を射出するノズル4側から見た側面図である。なお、本願の以降の記載においては、注射器1によって注射対象物に注射される注射目的物質を「注射液」と総称する。しかし、これには注射される物質の内容や形態を限定する意図は無い。注射目的物質では、皮膚構造体に届けるべき成分が溶解していても溶解していなくてもよく、また注射目的物質も、加圧することでノズル4から皮膚構造体に対して射出され得るものであれば、その具体的な形態は不問であり、液体、ゲル状等様々な形態が採用できる。ここで、注射器1は、注射器本体2を有し、該注射器本体2の中央部には、その軸方向に延在し、軸方向に沿った径が一定である収容室14が設けられている。なお、図4A等に示すように、この収容室14は、一定の厚さを有する筒状の収容室壁14aによって形成されている。そして、収容室14の一端は、後述するピストン6を収容するピストン室13を介して、該収容室14の径より大きい径を有する燃焼室9に連通し、残りの一端は、ノズル4が形成されたノズルホルダー5側に至る。更に、燃焼室9の、収容室14との連通箇所とは反対側に、イニシエータ20が、その点火部が該連通箇所に対向するように設置される。
ここで、注射器本体2は、主に燃焼室9やイニシエータ20が配置される圧力部2aと、主に収容室14が配置される収容部2bに大別できる。図1(a)に示す状態は、この圧力部2aと収容部2bが連結組み立てられて一体となった状態を示している。なお、図1においては、両部を連結するための連結機構(たとえば、ネジ等)の記載は省略している。なお、後述においては、圧力部2aと収容部2bとがまだ連結されていない状態について、図3に基づいて言及することとする。
ここで、イニシエータ20の例について図2に基づいて説明する。イニシエータ20は電気式の点火装置であり、表面が絶縁カバーで覆われたカップ21によって、点火薬22を配置するための空間が該カップ21内に画定される。そして、その空間に金属ヘッダ24が配置され、その上面に筒状のチャージホルダ23が設けられている。該チャージホルダ23によって点火薬22が保持される。この点火薬22の底部には、片方の導電ピン28と金属ヘッダ24を電気的に接続したブリッジワイヤ26が配線されている。なお、二本の導電ピン28は互いが絶縁状態となるように、絶縁体25を介して金属ヘッダ24に固定される。さらに、絶縁体25で支持された二本の導電ピン28が延出するカップ21の開放口は、樹脂27によって導電ピン28間の絶縁性を良好に維持した状態で保護されている。
このように構成されるイニシエータ20においては、外部電源によって二本の導電ピン28間に電圧印加されるとブリッジワイヤ26に電流が流れ、それにより点火薬22が燃焼する。このとき、点火薬22の燃焼による燃焼生成物はチャージホルダ23の開口部から噴出されることになる。そこで、本発明においては、イニシエータ20での点火薬22の燃焼生成物が燃焼室9内に流れ込むように、注射器本体2に対するイニシエータ20の相対位置関係が設計されている。また、イニシエータ用キャップ12は、イニシエータ20の外表面に引っ掛かるように断面が鍔状に形成され、且つ注射器本体2に対してネジ固定される。これにより、イニシエータ20は、イニシエータ用キャップ12によって注射器本体2に対して固定され、以てイニシエータ20での点火時に生じる圧力で、イニシエータ20自体が注射器本体2から脱落することを防止できる。
なお、注射器1において用いられる点火薬22として、好ましくは、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(ZPP)、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(THPP)、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(TiPP)、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(APP)、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬(ABO)、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬(AMO)、アルミニウムと酸化銅を含む火薬(ACO)、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬(AFO)、もしくはこれらの火薬のうちの複数の組合せからなる火薬が挙げられる。これらの火薬は、点火直後の燃焼時には高温高圧のプラズマを発生させるが、常温となり燃焼性生物が凝縮すると気体成分を含まないために発生圧力が急激に低下する特性を示す。適切な注射が可能な限りにおいて、これら以外の火薬を点火薬として用いても構わない。
ここで、燃焼室9内には、点火薬22の燃焼によって生じる燃焼生成物によって燃焼しガスを発生させる、円柱状のガス発生剤30が配置されている。ガス発生剤30の一例としては、ニトロセルロース98質量%、ジフェニルアミン0.8質量%、硫酸カリウム1.2質量%からなるシングルベース無煙火薬が挙げられる。また、エアバッグ用ガス発生器やシートベルトプリテンショナ用ガス発生器に使用されている各種ガス発生剤を用いることも可能である。このガス発生剤30は、上記点火薬22と異なり、燃焼時に発生した所定のガスは常温においても気体成分を含むため、発生圧力の低下率は上記点火薬22と比べて小さい。さらに、ガス発生剤30の燃焼時の燃焼完了時間は、上記点火薬22と比べて長いが、燃焼室9内に配置されるときの該ガス発生剤30の寸法や大きさ、形状、特に表面形状を調整することで、該ガス発生剤30の燃焼完了時間を変化させることが可能である。これは、燃焼室9内に流れ込む点火薬22の燃焼生成物との接触状態が、ガス発生剤30の表面形状や、また燃焼室9内でのガス発生剤30の配置に起因する該ガス発生剤30と点火薬22との相対位置関係によって変化すると考えられるからである。
次に、ピストン室13には、金属製のピストン6が、該ピストン室13とつながっている収容室14内に滑り込み、そこを軸方向に沿って摺動可能となるように配置されている。なお、図1に示す注射器1においては、ピストン6の一端が燃焼室9側に露出し、他端には封止部材7が接触するように取り付けられている。そして、注射器1によって注射される注射目的物質である注射液MLは、該封止部材7と、収容室14の封止部材7が配置されていない側の端部に配置された別の封止部材8との間の収容室14内に形成される空間に収容される。したがって、封止部材7、8および収容室14によって、本発明に係る注射器の収容部が形成されることになる。この封止部材7は、注射液MLの封入時に該注射液が漏れ出さないように、且つピストン6の摺動に伴って注射液MLが円滑に収容室14内を移動できるように、表面にシリコンオイルを薄く塗布したゴム製のものである。一方で、封止部材8は、薄膜状に形成され、且つ該封止部材8は外部からの力によって、その薄膜が開裂、破壊し得る部材である。これらの封止部材7、8については更に後述する。
ここで、注射器1の先端側(図1の右側)には、注射液MLを射出するためのノズル4が装着されたホルダー5が設けられている。このホルダー5はガスケット3を挟んで注射器本体2の端面に固定される。なお、図1においては、ホルダー5を注射器本体2に固定する機構(たとえば、ネジ等)の詳細については、表示を省略している。
また、ホルダー5の注射器本体2側に接触する部位に、収容室14から解放された注射液MLがノズル4まで導かれるように流路11が形成されている。これにより、解放された注射液MLは、流路11を経てノズル4の射出口4aから注射対象物へ射出されることになる。なお、ノズル4は、ホルダー5に複数形成されてもよく、または、一つ形成されてもよい。複数のノズルが形成される場合には、各ノズルに対して解放された注射液が送り込まれるように、各ノズルに対応する流路が形成される。さらに、複数のノズル4が形成される場合には、図1(c)に示すように、注射器1の中心軸の周囲に等間隔で各ノズルが配置されるのが好ましい。なお、本実施の形態では、ホルダー5において3個のノズル4が、注射器1の中心軸の周囲に等間隔で配置されている。また、ノズル4の径は、注射対象物、注射液MLに掛かる射出圧力、注射液の物性(粘性)等を考慮して適宜設定される。
ここで、図3に基づいて、加圧部2aと収容部2bとの組み立てについて説明する。なお、図3に示す構成においては、収容部2bに対して既にホルダー5が組み付けられている状態である。加圧部2aと収容部2bが連結される前の状態においては、図3に示すように、封止部材7の端部が、収容部2bの端面のうち加圧部2bと対向する側の端面より若干突出した状態となっている。この封止部材7においては、その内部に切欠き部が形成されており、封止部材7が図3に示すように収容室14に収容された状態で該収容室14の軸方向に外力を受けると、切欠き部によって封止部材が収容室14内で変形、収縮することが可能な形状を有している。したがって、加圧部2aと収容部2bが連結されたときに、封止部材7の端部が加圧部2a側から力を受けることで、封止部材7は収容室14内で変形、収縮した状態で収容されることになる。その結果、図1に示すように加圧部2aと収容部2bが連結された状態では、収容室14内の注射液MLは、封止部材7により一定の力が掛けられ続けた状態となっている。なお、この封止部材7による加圧状態では、封止部材8は開裂、破壊しない程度の強度を有している。
このように構成される注射器1では、イニシエータ20における点火薬22と、燃焼室9に配置されたガス発生剤30によって、燃焼室9内に燃焼生成物もしくは所定のガスを発生させて、ピストン6および封止部材7を介して収容室14内に収容されている注射液MLに圧力を加える。その結果、封止部材8が大きく破壊されて、収容室14内の注射液MLは注射器1の先端側に押し出されて流路11およびノズル4を経て、注射対象物に射出されることになる。射出された注射液MLにはイニシエータ20、ならびにガス発生剤30からのガスによる圧力が掛けられているため、注射対象物の表面を貫通し、その内部に注射液が到達することで、注射器1における注射の目的を果たすことが可能となる。
ところで、本発明に係る注射器1には、図1に示す未使用状態(すなわち、イニシエータ20による加圧が行われる前の状態)から、イニシエータ20の加圧によって注射液MLの射出が実行される状態の間に、該射出のための準備状態が存在する。当該準備状態は、図1や後述する図4A等、図5等、図6等、図7等に示す開裂手段10、46、51によって実現される。そこで、以下に、当該準備状態の実施例について詳細に説明する。
図4Aおよび図4Bに、本発明に係る注射器1について形成される射出のための準備状態の第1の実施例に関する、該注射器1の内部の状況を示す。具体的には、図4Aは、準備状態が形成される前の状態の、注射器1の内部状況を示す図であり、図4Bは、準備状態が形成された状態の、注射器1の内部状況を示す図である。なお、両図においては、記載を簡潔にするために加圧部2aの記載は省略しているが、図4Aにおいては、封止部材7の状態からも理解できるように加圧部2aが収容部2bに連結されて、封止部材7による注射液MLへの加圧が継続している状態である。
本実施例においては、図4Aに示すように、収容室14を画定する収容室壁14aは一定の厚さを有しており、該収容室14のホルダー5側の端部に設けられた封止部材8は、その収容室壁14aの厚みを受ける受け部8bを有するように、断面が図4Aに示すようなクランク状のキャップ形状を有している。具体的には、図4Aに示す封止部材8の断面において、該封止部材8は、収容室壁14aの外表面に沿うように延在する壁面接触部8aと、該壁面接触部8aから略垂直に曲がり収容室14の端部において収容室壁14aの厚みを受ける受け部8bと、受け部8bとつながり収容室14の端部における実質的な蓋を形成する、コ字状の蓋部8cを有する。封止部材8がこのような形状を有することで、壁面接触部8aによって封止部材8が収容室壁14aに連結されるとともに、蓋部8cによって収容室14内に注射液MLが収容されることになる。そして、これらの壁面接触部8a、受け部8b、蓋部8cは、薄膜状に形成されている。
また、封止部材8の蓋部8cの周囲には、収容室14内に収容されている注射液MLを、ホルダー5側の流路11に導く導入路15が形成されている。この導入路15は、図4Aに示す状態で、流路11と連通している。さらに、封止部材8の蓋部8cの側方、すなわち、ホルダー5が収容部2bに接続されていない方向に、開裂手段10が設置されている。この開裂手段10は、先端が鋭利な形状のピン部材であり、その基端は注射器1のユーザが接触しても傷つきにくい形状となっている。
ここで、図4Aに示す状態では、開裂手段10の先端は蓋部8cの側面に対向しつつも接触していない位置に配置されている。そして、開裂手段10は、その基端側を図4Bに示すように封止部材8の蓋部8c側に近づけるように押圧することが可能となるように、収容部2bにスライド自在に取り付けられている。したがって、図4Aに示す状態から、開裂手段10が図4Bに示す状態まで押圧、スライドされると、開裂手段10の先端は、蓋部8cの側方の薄膜を突き破り、その一部を破壊して収容室14の内部の注射液まで到達することになる。
ここで、収容室14内の注射液MLに対しては、変形した封止部材7によって所定の圧力が掛けられていた状態であったため、封止部材8の蓋部の薄膜8cが突き破られると、掛けられていた圧力を駆動源として、注射液MLの一部が、蓋部8cの周囲に存在する導入路15に流れ出し、更には導入路15と連通している流路11を介してノズル4の内部の流路終端、すなわち射出口4aにまで到達する。一般に、射出口4aの直径は比較的小さいため、そこで発生する表面張力は大きくなる。そのため、開裂手段10によって、封止部材8の蓋部8cから流れ出した注射液は、ノズル4、流路11、導入路15を満たした状態で、収容室14からの注射液の流出は概ね停止する。なお、このように注射液の流出が好適に停止するように、封止部材7によって注射液に掛けられる圧力を事前に調整しておくのが好ましい。
このように開裂手段10のスライドによって、図4Bに示すように注射液射出のための準備状態が形成される。この準備状態においては、ノズル4の内部の射出口4aまでの流路には注射液が、射出の前、すなわちイニシエータ20による加圧が行われる前に充填されることになる。そのため、イニシエータ20による加圧が行われたときには、既に射出口4aまでの流路には注射液が満たされていることから、射出時に、注射液からノズル4が受ける圧力の変化を、射出口4aまでの流路には注射液が満たされていない状態(すなわちノズル4の内部、導入路15、流路11が大気で満たされた状態)と比べて緩やかなものとすることができる。このように圧力変化を緩和させることで、ノズル4への負担を軽減でき、その変形や破壊を防げるとともに、射出時の騒音を低減できる。
また、図4Bに示すように、準備状態においては開裂手段10は蓋部8cの側方から突き刺さった状態となっている。一方で、イニシエータ20による加圧が行われたときには、収容室14の軸方向に沿って、すなわち封止部材7からホルダー5に向かう方向に圧力が掛けられる。このとき、図4Bからも明らかなように、開裂手段10の先端が収容室14内に飛び出してはいるものの、開裂手段10自体が、上記圧力の進行を大きく妨げる位置には存在していない。そのため、イニシエータ20による圧力は効果的に封止部材8の蓋部8cに伝わり、それを大きく破壊させることで、注射液が流路11を経てノズル4に流れ込み、射出されることになる。また、蓋部8cも大きく破壊されることから、その破壊片等が、射出時の注射液の流れを妨げるものではない。また、開裂手段10にばねなどの弾性手段を用いて、封止部材8を開裂させた後に当該開裂手段10が図4Aの状態に戻るようにしてもよい。
なお、本実施例に係る注射器1においては、図1(c)に示すようにノズル4はホルダー5に3個設置されている。このように複数個のノズルから同時に注射液を射出しようとする場合、上記の図4Bに示すように複数個のノズル内部を事前に注射液で充填しておくことで、各ノズルに注射液を均等に運ぶことが容易となり、好適な注射(各ノズルからの斑のない射出)の実現に大きく貢献すると考えられ、効能上も好ましい。
なお、上述までのように構成される注射器1は、イニシエータ20による注射液MLへの加圧を調整することで、目的とする注射対象物に対して好適な注射が実現可能である。本発明に係る注射器1の注射対象物は、たとえば、ヒトや家畜等の生体の皮膚構造体である。ヒトの皮膚は、皮膚表面側から深さ方向に向かって、表皮、真皮、皮下組織・筋肉組織と層状に構成され、更に表皮は角層、皮内と層状に区別することができる。皮膚構造体の各層は、その組織を構成する主な細胞等や組織の特徴も異なる。このようにヒトの皮膚構造は、概ね層状に形成されており、各層に主に含まれる細胞・組織等によって固有の解剖学的機能が発揮されている。このことは、皮膚に対して医学的治療等を施術する場合には、その治療目的に応じた皮膚構造体の場所(深さ)に治療のための成分を注射することが望ましいことを意味する。たとえば、皮内には樹状細胞が存在することから、ここにワクチン注射を行うことでより効果的な抗原抗体反応が期待できる。
また、真皮には、繊維芽細胞やコラーゲン細胞が存在することから、皮膚のシワを除去するためのタンパク質、酵素、ビタミン、アミノ酸、ミネラル、糖類、核酸、各種成長因子(上皮細胞や繊維芽細胞)等を真皮に注入すると、効果的な美容治療効果が期待される。また、毛髪再生治療においても、毛根が真皮に位置することから、毛髪再生治療のためには、毛乳頭細胞、表皮幹細胞等を自己培養し、それを頭皮に自家移植する幹細胞注入法や、幹細胞から抽出された数種類の成長因子や栄養成分(たとえば、毛乳頭細胞、毛根幹細胞、表皮幹細胞、HARGカクテル、移植用毛髪等)を真皮近傍に注入することが好ましいといわれている。
また、本発明に係る注射器1によれば、上述した注射液を皮膚構造体に注射する場合以外にも、例えば、再生医療の分野において、注射対象となる細胞や足場組織・スキャフォールドに培養細胞、幹細胞等を播種することが可能となる。例えば、特開2008−206477号公報に示すように、移植される部位及び再細胞化の目的に応じて当業者が適宜決定し得る細胞、例えば、内皮細胞、内皮前駆細胞、骨髄細胞、前骨芽細胞、軟骨細胞、繊維芽細胞、皮膚細胞、筋肉細胞、肝臓細胞、腎臓細胞、腸管細胞、幹細胞、その他再生医療の分野で考慮されるあらゆる細胞を、注射器1により注射することが可能である。
さらには、特表2007−525192号公報に記載されているような、細胞や足場組織・スキャフォールド等へのDNA等の送達にも、本発明に係る注射器1を使用することができる。この場合、針を用いて送達する場合と比較して、本発明に係る注射器1を使用した方が、細胞や足場組織・スキャフォールド等自体への影響を抑制できるためより好ましいと言える。
さらには、各種遺伝子、癌抑制細胞、脂質エンベロープ等を直接目的とする組織に送達させたり、病原体に対する免疫を高めるために抗原遺伝子を投与したりする場合にも、本発明に係る注射器1は好適に使用される。その他、各種疾病治療の分野(特表2008−508881号公報、特表2010−503616号公報等に記載の分野)、免疫医療分野(特表2005−523679号公報等に記載の分野)等にも、当該注射器1は使用することができ、その使用可能な分野は意図的には限定されない。
図5Aおよび図5Bに、本発明に係る注射器1について形成される射出のための準備状態の第2の実施例に関する、該注射器1の内部の状況を示す。具体的には、図5Aは、準備状態が形成される前の状態の、注射器1の内部状況を示す図であり、図5Bは、準備状態が形成された状態の、注射器1の内部状況を示す図である。なお、両図においては、記載を簡潔にするために加圧部2aの記載は省略しているが、図5Aにおいては、封止部材7の状態からも理解できるように加圧部2aが収容部2bに連結されて、封止部材7による注射液MLへの加圧が継続している状態である。
本実施例においては、図5Aに示すように、収容室14を画定する収容室壁14aは一定の厚さを有しており、該収容室14のホルダー5側の端部には、上記実施例1に係る封止部材8とは異なる封止部材40が配置される。具体的には、図5Aに示す封止部材40の断面において、該封止部材40は、収容室壁14aの内表面に沿うように延在する壁面接触部40aと、該壁面接触部40aに対して略垂直となる、収容室壁14aの断面方向に平面状に延在する蓋部40bを有する。封止部材40がこのような形状を有することで、壁面接触部40aによって封止部材40が収容室壁14aに連結されるとともに、蓋部40bによって収容室14内に注射液MLが収容されることになる。そして、これらの壁面接触部40a、蓋部40bは、薄膜状に形成されている。
また、本実施例に係る注射器1においては、ホルダー5が収容部2bに対して相対移動可能な状態で連結されている。具体的には、図5Aに示すように、収容部2bの端部に円柱状の首部41が連結され、その首部41の端面44に、上述した収容室14に取り付けられた封止部材40の蓋部40bの平面が、概ね面一となるように各構成が配置されている。また、首部41の途中に、突起部42が設けられている。一方で、ホルダー5においては、収容部2bの首部41にスライド可能な状態で係合する、円筒状の凹部43が設けられている。収容部2bとホルダー5については、ホルダー5が収容部2bに対して近接するようにスライドすることで、図5Aに示す状態から図5Bに示す状態に至ることになる。そして、図5Aに示す状態から図5Bに示す状態に至る際に、ホルダー5は、首部41状の突起部42を乗り越える必要があり、乗り越えた結果、ホルダー5が逆方向にスライドして再び図5Aに示す状態に戻ることが制限される。
このように構成される本実施例に係る注射器1においては、首部41の端面44と凹部43の底面45とによって挟まれて形成される閉空間が、ノズル4内部に注射液を導く流路11となる。したがって、収容部2に対するホルダー5の相対移動によって、流路11の容積は変化することになり、図5Aに示す状態では、ホルダー5は収容部2から比較的離れているため、図5Bに示す状態と比べて、流路11はより広く形成されることになる。
ここで、凹部43の底面45には、開裂手段46が設置されている。この開裂手段46は、先端が鋭利な形状を有する棒状のピン部材であり、その基端が底面45上に固定され、底面45から封止部材40の蓋部40bの面に向かって延在している。ここで、図5Aに示す状態では、開裂手段46の先端は蓋部40bの面に対向しつつも接触していない位置に配置されている。そして、ホルダー5が収容部2bに対して近接し図5Bに示す状態に至ると、開裂手段46の先端は、蓋部40bの薄膜面を突き破り、その一部を破壊して収容室14の内部の注射液まで到達することになる。
ここで、収容室14内の注射液MLに対しては、変形した封止部材7によって所定の圧力が掛けられていた状態であったため、封止部材40の蓋部40bの薄膜が突き破られると、掛けられていた圧力を駆動源として、注射液MLの一部が、流路11を介してノズル4の内部の流路終端、すなわち射出口4aにまで到達する。一般に、射出口4aの直径は比較的小さいため、そこで発生する表面張力は大きくなる。そのため、開裂手段46によって、封止部材40の蓋部40bから流れ出した注射液は、ノズル4、流路11を満たした状態で、収容室14からの注射液の流出は概ね停止する。なお、このように注射液の流出が好適に停止するように、封止部材7によって注射液に掛けられる圧力を事前に調整しておくのが好ましい。
このように収容部2bに対するホルダー5のスライドによって、開裂手段46が蓋部40bに近接し、図5Bに示すように注射液射出のための準備状態が形成される。なお、ホルダー5に装着されたノズル4の射出口4aは、注射対象物に対して接触した状態で注射液の射出が行われることから、ユーザは、図5Aに示す状態にある注射器1のホルダー5の端面を注射対象物に押しあてて、注射器1を把持している部分(たとえば、注射器本体2の何れかの部分)を介して荷重を掛けることで、ホルダー5を収容部2bに対して相対的に近接させて図5Bに示す状態とすることができる。その状態では、射出口4aは、注射対象物に接触した状態に保持されるため、事前にノズル4等を満たしている注射液が外部に漏れ出すことは起こりにくい。また、ユーザとしては、そのままイニシエータ20を起動することで、注射液の射出を行うことが可能となるので、上記実施例1で示したような準備状態を形成するための区別されたステップをわざわざ経る必要がなく、ユーザの利便性は高く維持される。
そして、図5Bに示す準備状態を形成することで、実施例1と同じように、注射液の射出時に、注射液からノズル4が受ける圧力の変化を、射出口4aまでの流路に注射液が満たされていない状態と比べて緩やかなものとすることができる。このように圧力変化を緩和させることで、ノズル4への負担を軽減でき、その変形や破壊を防げるとともに、射出時の騒音を低減できる。また、このように事前に注射液で複数(本実施例の場合は3個)のノズル4を満たしておくことで、各ノズルに注射液を均等に運ぶことが容易となり、好適な注射(各のノズルからの斑のない射出)の実現に大きく貢献すると考えられ、効能上も好ましい。
さらに、図5Bに示すように、準備状態においては棒状の開裂手段46は蓋部40bの面に略垂直に突き刺さった状態となっている。そのため、イニシエータ20による加圧が行われたときに注射液内を伝わる圧力の進行を大きく妨げるものではない。そのため、イニシエータ20による圧力は効果的に封止部材40の蓋部40bに伝わり、それを大きく破壊させることで、注射液が流路11を経てノズル4に流れ込み、射出されることになる。また、蓋部40bも大きく破壊されることから、その破壊片等が、射出時の注射液の流れを妨げるものではない。
図6Aおよび図6Bに、本発明に係る注射器1について形成される射出のための準備状態の第3の実施例に関する、該注射器1の内部の状況を示す。具体的には、図6Aは、準備状態が形成される前の状態の、注射器1の内部状況を示す図であり、図6Bは、準備状態が形成された状態の、注射器1の内部状況を示す図である。なお、両図においては、記載を簡潔にするために加圧部2aの記載は省略しているが、図6Aにおいては、封止部材7の状態からも理解できるように加圧部2aが収容部2bに連結されて、封止部材7による注射液MLへの加圧が継続している状態である。
本実施例においては、図6Aに示すように、収容室14を画定する収容室壁14aは一定の厚さを有しており、該収容室14のホルダー5側の端部には、上記実施例1に係る封止部材8とは異なる封止部材50が配置される。なお、この封止部材50は、上記実施例2に係る封止部材40と同一の構成を有し、壁面接触部40aに相当する壁面接触部50aと、蓋部40bに相当する蓋部50bを有する。一方で、本実施例に係るホルダー5については、実施例1の場合と同様に、収容部2bに対して固定的に連結されている。そして、封止部材50の蓋部50bに隣接する、ホルダー5側の底面45上に流路11が形成され、該流路11がノズル4へと連通する構成となっている。
ここで、ホルダー5において封止部材50の蓋部50bが対向する位置に、ホルダー5の外側の端面(射出口4aが開口する端面)に開口する孔5bが設けられ、該孔5b内をスライド可能な状態でホルダー5側に支持されている開裂手段51が設置されている。この開裂手段51は、先端が鋭利な形状を有する棒状のピン部材であり、該先端は底部50bの面に向かって延在するように配置され、該開裂手段51の基端はユーザが接触しても傷つきにくい形状となっている。なお、図6Aおよび図6Bにおいて、この開裂手段51の支持構造については記載を省略している。また、両図においては、開裂手段51の先端は、流路11まで貫通した状態となっているが、流路11と孔5bとの間は、流路11を流れる注射液が孔5b側に流れ込まないように、シール構造となっている。
このように構成される注射器1では、図6Aに示す状態では、開裂手段51の先端は蓋部50bの面に対向しつつも接触していない位置に配置され、且つ開裂手段51の基端は、ホルダー5の外側の端面から突出した状態となっている。そして、図6Aに示す状態から、突出している開裂手段51の基端に対して、図6Aにおける上方向の力が加わると、開裂手段51は孔5b内をスライドし、図6Bに示す状態に至る。その結果、開裂手段51の先端は、蓋部50bの薄膜面を突き破り、その一部を破壊して収容室14の内部の注射液まで到達することになる。
ここで、収容室14内の注射液MLに対しては、変形した封止部材7によって所定の圧力が掛けられていた状態であったため、封止部材50の蓋部50bの薄膜が突き破られると、掛けられていた圧力を駆動源として、注射液MLの一部が、流路11を介してノズル4の内部の流路終端、すなわち射出口4aにまで到達する。一般に、射出口4aの直径は比較的小さいため、そこで発生する表面張力は大きくなる。そのため、開裂手段51によって、封止部材50の蓋部50bから流れ出した注射液は、ノズル4、流路11を満たした状態で、収容室14からの注射液の流出は概ね停止する。なお、このように注射液の流出が好適に停止するように、封止部材7によって注射液に掛けられる圧力を事前に調整しておくのが好ましい。
このように開裂手段51のスライドによって、その先端が蓋部50bに近接し、図6Bに示すように注射液射出のための準備状態が形成される。なお、ホルダー5に装着されたノズル4の射出口4aは、注射対象物に対して接触した状態で注射液の射出が行われることから、ユーザは、図6Aに示す状態にある注射器1のホルダー5の外側の端面を注射対象物に押しあてて、注射器1を把持している部分(たとえば、注射器本体2の何れかの部分)を介して荷重を掛けることで、該ホルダー5の端面より突出している開裂手段51の基端を孔5b内に押しこむことで、図6Bに示す状態とすることができる。その状態では、射出口4aは、注射対象物に接触した状態に保持されるため、事前にノズル4等を満たしている注射液が外部に漏れ出すことは起こりにくい。また、ユーザとしては、そのままイニシエータ20を起動することで、注射液の射出を行うことが可能となるので、上記実施例1で示したような準備状態を形成するための区別されたステップをわざわざ経る必要がなく、ユーザの利便性は高く維持される。また、図6Bに示すように、開裂手段51の基端は、射出口4aを含むホルダー5の外表面と略面一となって孔5bに収容された状態となるため、注射実行時に開裂手段51から注射対象領域側に反力を受けにくく、利便性は維持される。
そして、図6Bに示す準備状態を形成することで、実施例1と同じように、注射液の射出時に、注射液からノズル4が受ける圧力の変化を、射出口4aまでの流路に注射液が満たされていない状態と比べて緩やかなものとすることができる。このように圧力変化を緩和させることで、ノズル4への負担を軽減でき、その変形や破壊を防げるとともに、射出時の騒音を低減できる。また、このように事前に注射液で複数(本実施例の場合は3個)のノズル4を満たしておくことで、各ノズルに注射液を均等に運ぶことが容易となり、好適な注射(各のノズルからの斑のない射出)の実現に大きく貢献すると考えられ、効能上も好ましい。
さらに、図6Bに示すように、準備状態においては棒状の開裂手段51は蓋部50bの面に略垂直に突き刺さった状態となっている。そのため、イニシエータ20による加圧が行われたときに注射液内を伝わる圧力の進行を大きく妨げるものではない。そのため、イニシエータ20による圧力は効果的に封止部材50の蓋部50bに伝わり、それを大きく破壊させることで、注射液が流路11を経てノズル4に流れ込み、射出されることになる。また、蓋部50bも大きく破壊されることから、その破壊片等が、射出時の注射液の流れを妨げるものではない。
図7Aおよび図7Bに、本発明に係る注射器1について形成される射出のための準備状態の第4の実施例に関する、該注射器1の内部の状況を示す。具体的には、図7Aは、準備状態が形成される前の状態の、注射器1の内部状況を示す図であり、図7Bは、準備状態が形成された状態の、注射器1の内部状況を示す図である。なお、本実施例は、上記実施例3と比べて、収容部2bの側面に遮断壁60が備えられている点を除いて共通の構成を有する。そのため、遮断壁60に関する構成以外の構成については、図6Aおよび図6Bと同一の参照番号を付して、それらの詳細な説明は割愛する。
収容部2bの側面には、ゴム片60bからなる遮断壁60が支点60aを介して取り付けられている。ゴム片60bの自由端60cは、図7A、図7Bに示すように、注射器1の射出口4aを注射対象物に接触したときに、該自由端60cも注射対象物に接触でき、且つ、該自由端60cと支点60aとの間で、ゴム片が図7Aや図7Bに示すように異なる湾曲状態間を移行できる程度に、十分な大きさや弾力性を有している。
詳細には、図7Aに示す状態は、射出口4aを注射対象物に接触させた場合、開裂手段51が孔5b内にスライドし、蓋部50bの薄膜を一部開裂、破壊している。ただし、注射液の粘土が比較的高い場合や、流路11の径やノズル4内の流路径が比較的小さいために、収容室14から漏れ出した注射液が開口部4aにまで十分に届かなかった状態を想定している。このとき、ゴム片60bの自由端60cも注射対象物に接触し、且つゴム片60bが下側(支点60aと自由端60cを結ぶ線よりも注射対象物の側)に湾曲している状態にある。なお、この湾曲は、ユーザがゴム片60を押さえつけることによって形成する。このとき、ゴム片60bを含む遮断壁60と注射対象物によって、注射器1の射出口4aの周辺に一定の気密状態を有する閉空間61が形成される。なお、閉空間61における気密状態は、収容室14での注射液の収容時の気密状態ほど厳密なものである必要はない。
そして、図7Aに示す状態から、ゴム片60bを押さえていたユーザがその手を離す(ホルダ5の下端と注射対象物との間にわずかに隙間を維持しておく、あるいは閉空間61と開口部4aを連通させるような溝をホルダ5の下端に形成する)と、ゴム片60bの復元力により自由端60cが注射対象物に接触したまま、該ゴム片60bが上側(支点60aと自由端60cを結ぶ線よりも注射対象物と反対の側)に湾曲した状態に戻る。その結果、閉空間61の容積が、図7Aに示す状態の容積よりも大きくなるため、該閉空間61内の圧力状態が負圧状態となる。その結果、注射対象物に接触している開口部4a近傍も負圧状態に近い状態となり、開口部4aと注射液が到達している流路11の部位との間の圧力差により、注射液が開口部4a側に吸い寄せられることになり、以て図7Bに示すように、ノズル4、流路11を満たした状態が形成される。
このようにゴム片60bを有する遮断壁60は、ノズル4や流路11を注射液で事前に充填する準備状態を確実に形成する上で、大きな貢献を果たす構成である。また、イニシエータ20によって加圧が実行されたときや準備状態形成のときに、注射液が射出口4aの周辺に飛散するのを遮断壁60で阻止することも可能である。
1・・・・注射器
2・・・・注射器本体
2a・・・・加圧部
2b・・・・収容部
4・・・・ノズル
5・・・・ホルダー
6・・・・ピストン
7・・・・封止部材
8・・・・封止部材
8c・・・・蓋部
9・・・・燃焼室
10、41、51・・・・開裂手段
11・・・・流路
14・・・・収容室
14a・・・・収容室壁
15・・・・導入路
20・・・・イニシエータ
22・・・・点火薬
30・・・・ガス発生剤
40・・・・封止部材
40b・・・・蓋部
46・・・・開裂手段
50・・・・封止部材
50b・・・・蓋部
51・・・・開裂手段
60・・・・遮断壁
60b・・・・ゴム片
61・・・・閉空間

Claims (11)

  1. 注射針を介することなく、注射目的物質を生体の注射対象領域に注射する無針注射器であって、
    注射器本体と、
    前記注射器本体に設けられた収容室内に、封止部材を介して前記注射目的物質を収容する収容部と、
    前記収容部に収容された前記注射目的物質に対して加圧することで前記封止部材を移動又は破壊させて、該注射目的物質を外部へ排出させる加圧部と、
    注射対象領域への射出口を形成し、前記加圧部によって加圧された前記注射目的物質が前記注射対象領域に対して該射出口を介して射出されるように流路を画定する流路部と、
    前記加圧部による加圧が行われる前に、前記封止部材の一部を破壊して、前記収容室内の前記注射目的物質の一部を前記流路部に充填させる事前充填部と、
    を備える、無針注射器。
  2. 前記収容室の一端側に前記封止部材が配置され、該収容室の他端側に該収容室を密閉するように第二の封止部材が配置されることで、前記収容部が形成され、
    前記事前充填部によって前記封止部材の一部が破壊されたときに、前記第二の封止部材によって前記注射目的物質に与えられる荷重で該注射目的物質の一部が前記流路部に充填される、請求項1記載の無針注射器
  3. 前記第二の封止部材は、前記無針注射器の組立時に前記収容部と前記加圧部が組み合わされた際に、該部材の一部が変形することで所定圧力を前記注射目的物質に対して加える、
    請求項2に記載の無針注射器。
  4. 前記加圧部は、前記収容部に収容された前記注射目的物質に対して、前記注射器本体の軸方向から圧力を加えることで、前記封止部材を該軸方向に移動又は破壊させ、
    前記事前充填部は、前記加圧部による加圧が行われる前に、前記封止部材に向かって移動し、該封止部材の一部を破壊する移動破壊部材を、有し、
    前記移動破壊部材が第一の位置にあるときは前記封止部材とは非接触状態にあり、該第一の位置から第二の位置に移動すると、該封止部材と接触することで該封止部材の一部が破壊される、
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の無針注射器。
  5. 前記移動破壊部材は、前記流路部側に設けられ、前記第一の位置にあるときは該流路部の前記射出口が開口している側に該移動破壊部材の一部が突出した状態にあり、
    前記射出口が前記生体の注射対象領域に対して接触した状態で押圧されると、前記突出していた移動破壊部材が前記第二の位置に移動し、前記封止部材の一部が破壊される、
    請求項4に記載の無針注射器。
  6. 前記第二の位置にある前記移動破壊部材の端部は、前記射出口が形成される前記流路部材の外表面と、略面一の状態となる、
    請求項5に記載の無針注射器。
  7. 前記流路部は、前記加圧部による加圧が行われる前に、前記注射器本体に対して近接するように相対移動可能な状態で該注射器本体に取り付けられており、
    前記事前充填部は、前記流路部側に設けられ、
    前記加圧部による加圧が行われる前に前記流路部が前記注射器本体に近接すると、前記事前充填部によって前記封止部材の一部が破壊され、前記収容室内の前記注射目的物質の
    一部が前記流路部に充填されることで、前記加圧部による加圧が可能となる、
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の無針注射器。
  8. 前記流路部は、前記射出口が前記生体の注射対象領域に対して接触した状態で、前記注射器本体側から押圧されることで、該注射器本体に対して相対的に近接する、
    請求項7に記載の無針注射器。
  9. 前記封止部材は、薄膜状に形成され、前記事前充填部は該薄膜を開裂させることで前記注射目的物質の一部を前記流路部に充填させる、
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載の無針注射器。
  10. 前記事前充填部は、前記射出口が前記生体の注射対象領域に対して接触した状態で、該射出口と該注射対象領域を含む略気密な閉空間を形成する遮断壁を有し、前記封止部材の一部を破壊した状態で該遮断壁による閉空間内を負圧状態とすることで、前記収容室内の前記注射目的物質の一部を前記流路部に充填させる、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の無針注射器。
  11. 前記遮断壁は弾性部材からなり、該弾性部材の弾性変形により前記閉空間内に負圧状態が形成される、
    請求項10に記載の無針注射器。
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