JP2012161112A - 電動モータユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータユニット33は、第1コイルおよび第2コイルを含む電動モータ18と、第1コイル用の第1パワー基板31と、第2コイル用の第2パワー基板32と、電動モータ18の中心軸線L1を取り囲むように配置された第1ハウジング23と、を備える。各パワー基板31,32は、軸方向X1から見たとき、互いに離隔して配置されている。
【選択図】図3
Description
しかしながら、十分な操舵トルクを発生するためには、コイルに大電流を流す必要がある。このため、バスバーも太くする必要があり、電動モータの周辺の構造を小型化し難い。また、バスバーやコイルに大電流を流すため、電力の損失が大きくなってしまう。また、駆動回路基板は、発熱要素としてのスイッチング素子を含んでいるので、電動モータユニットに関して、高い放熱性能が求められている。
このような配置とすることにより、第1パワー基板と第2パワー基板とを軸方向に見たときに離隔配置することができる。
この場合、第1パワー基板の外郭部と、第2パワー基板の外郭部と、を点対称または線対称に配置している。これにより、2つのパワー基板を、電動モータの中心軸線を取り囲むように配置できる。したがって、2つのパワー基板が電動モータの径方向に突出する量を少なくでき、電動モータユニットの更なる小型化を実現できる。また、各パワー基板を板状の材料から打ち抜いて形成する場合に、一定の大きさの板材から打ち抜くことのできるパワー基板の数を、より多くできる。これにより、第1パワー基板および第2パワー基板を1枚の材料から効率よく形成できる。
第1バスバーと同様に、別体に形成された複数の導電部材で第2バスバーを形成していることにより、各導電部材の形状の自由度を高くできる。その結果、第2バスバーを、他の部品との接触を避けつつ、ハウジング内にコンパクトに配置できる。これにより、電動モータユニットの更なる小型化を実現できる。
この場合、第1パワー基板と、第2パワー基板と、第1結合部と、第2結合部と、を効率よく配置できる。これにより、ハウジング内におけるデッドスペースを少なくできるので、電動モータユニットの更なる小型化を実現できる。
この場合、ハウジングの外部と第1結合部との間、およびハウジングの外部と第2結合部との間は、それぞれ、ハウジング内の部品によって遮られていない。これにより、第1バスバーの導電部材同士を結合する工具(例えば、溶接工具)を、開口部を通してハウジング内に容易に挿入できる。これにより、電動モータユニットの組み立てにかかる手間を少なくできる。
この場合、制御基板の外側に第1結合部および第2結合部が配置されている。したがって、第1バスバーの導電部材同士を接合させて第1結合部を形成する作業や、第2バスバーの導電部材同士を接合させて第2結合部を形成する作業を行い易い。
この場合、周壁の開口部から工具をハウジング内に挿入することにより、各結合部の形成作業を容易に行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が設けられている。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための伝達機構としての減速機構19とを含む。減速機構19は、駆動ギヤとしてのウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合う従動ギヤとしてのウォームホイール21とを含む。減速機構19は、ギヤハウジング22内に収容されている。
電動モータ18がウォーム軸20を回転駆動すると、ウォーム軸20によってウォームホイール21が回転駆動される。これにより、ウォームホイール21およびステアリングシャフト6は、一体回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することで、転舵輪3が転舵されるようになっている。
第1ハウジング23および第2ハウジング24は、それぞれ、一端が開放した概ね円筒状に形成されている。第1および第2ハウジング23,24の互いの端部は、突き合わされ、且つ固定ねじ25により互いに締結されている。
また、ギヤハウジング22は、ウォーム軸20が収容された筒状の駆動ギヤ収容ハウジング28と、ウォームホイール21が収容された筒状の従動ギヤ収容ハウジング29と、上記の第2ハウジング24とにより構成されている。
周壁42は、底壁41の外周部から軸方向X1の一方X11側(第2ハウジング24側)に向けて延びており、ECU室37を取り囲む環状に形成されている。本実施形態において、周壁42は、円環状に形成されている。周壁42と底壁41とによって、ECU室37が形成されている。
本実施形態では、電動モータ18としてブラシレスモータが用いられている。モータハウジング26内には、ロータ51およびステータ52が収容されている。ロータ51は、回転軸40と一体回転可能に連結されている。ロータ51は、ステータ52に取り囲まれている。
ステータコア53は、環状のヨーク50と、このヨーク50の内周から径方向内方へ突出する複数のティース53と、を含む。ヨーク50は、モータハウジング本体27の内周面に焼き嵌め等によって固定されている。図5は、ステータ52の主要部を軸方向X1と直交する方向に切断した断面図である。図5を参照して、ティース53は、周方向C1に等間隔に複数配置されている。
また、軸方向X1から見たとき、第1コイル54の全体と、第2コイル55の全体とは、電動モータ18の中心軸線L1を通る基準直線L2を中心として、線対称に配置されている。具体的には、例えば、軸方向X1から見たとき、基準直線L2の一方側(図5の上側)には、第1コイル54が配置されており、基準直線L2の他方側(図5の下側)には、第2コイル55が配置されている。上記の構成により、第1コイル54の配線の長さおよび太さと、第2コイル55の配線の配線および太さとを、可及的に等しくできる。
第1コイル54は、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルを含む。また、第2コイル55は、U相コイル、V相コイル、およびW相コイルを含む。
また、第2コイル55は、第2パワー基板32から電力が供給されるように構成されている。第2コイル55と第2パワー基板32とは、第2モータバスバーユニット58と、第2バスバー72U,72V,72Wと、を介して、電気的に接続されている。
第1モータバスバーユニット56は、第1コイル54に結合されている。第2モータバスバーユニット58は、第2コイル55に結合されている。
第1および第2モータバスバーユニット56,58は、合成樹脂製の環状の保持部材63に保持されている。保持部材63は、第1および第2コイル54,55等に保持されている。
なお、第1バスバー71U,71V,71Wの構成は、同様であるので、以下では、主に第1バスバー71Uについて説明する。
第1バスバー71Uは、複数の導電部材としての第1および第2導電部材711U,712Uを含んでいる。第1導電部材711Uは、第1モータバスバーユニット56に、溶接等によって導通可能に結合されている。図4および図6を参照して、第1導電部材711Uは、底壁41のバスバー挿通孔41cを挿通している。第1導電部材711Uの一端部711bUは、ECU室37内において軸方向X1と平行に延びており、周壁42に隣接している。すなわち、第1導電部材711Uの一端部711bUは、電動モータ18の径方向R1(以下、単に径方向R1ともいう。)に関して、ECU室37の外端部に配置されている。
第2バスバー72Uは、第1バスバー71Uと同様に、銅線等の導電線(導電部材)を複数結合させることにより形成されている。
また、軸方向X1から見たとき、第1結合部73U,73V,73Wと、第2結合部74U,74V,74Wとは、電動モータ18の中心軸線L1を中心として点対称に配置されている。
軸方向X1から見たとき、第1方向D1と、第2方向D2とは、交差(直交)している。第1結合部73U,73V,73Wと、第1パワー基板31と、第2結合部74U,74V,74Wと、第2パワー基板32は、周方向C1に並んで配置されている。
軸方向X1から見たとき、第1パワー基板31は、湾曲状に形成されている。より具体的には、第1パワー基板31は、電動モータ18の中心軸線L1を中心とする環状板の一部を切り取った形状(本実施形態では、円弧状)に形成されている。軸方向X1から見たとき、第1パワー基板31の外郭部31aは、内径部31bと、外径部31cと、一端部31dと、他端部31eと、を含んでいる。軸方向X1から見たとき、内径部31bおよび外径部31cは、それぞれ、円弧形形状である。より具体的には、軸方向X1から見たとき、内径部31bおよび外径部31cは、それぞれ、劣弧となっている。本実施形態において、内径部31bおよび外径部31cが設けられている範囲は、中心軸線L1回りに45°程度となっている。一端部31dおよび他端部31eは、それぞれ、径方向R1に沿って延びている。
すなわち、第1パワー基板31および第1パワー回路75は、それぞれ、第2パワー基板32および第2パワー回路80と同一の構成を有しており、部品の共通化が実現されている。第2パワー回路80は、スイッチング素子としての第2FET81を6つ備えている。第2パワー回路80は、第2FET81を用いたブリッジ回路や、電流検出回路を含んでいる。第2パワー回路80は、第2端子82U,82V,82Wと、電源端子83,84と、を含んでいる。各第2端子82U,82V,82Wには、それぞれ、第2ボンディングワイヤ65が結合されている。
モジュール34は、種々の電気素子を樹脂によって一括して保持する構造を有している。これにより、複数の電気素子を一括して第1ハウジング23に組み付けることができるので、第1ハウジング23内への各電気素子の組み付けにかかる手間を少なくできる。
樹脂部材85は、合成樹脂製の絶縁性の部材である。樹脂部材85は、第1ハウジング23の底壁41上に配置されている。樹脂部材85は、底壁41に、図示しないねじ部材や、爪部材等を用いて固定されている。
樹脂部材85には、2つの第2凹部95,95が形成されている。第2凹部95,95は、第2方向D2に関するベース92の両端部に形成されている。各第2凹部95,95は、ベース92を径方向R1の内方に窪ませた形状とされている。第2凹部95,95には、それぞれ、第1結合部73U,73V,73Wおよび第2結合部74U,74V,74Wが配置されている。
図6を参照して、電源バスバー86,87は、金属板をプレス成形して形成されている。各電源バスバー86,87の第1端部86a,87aは、ベース92の外周面側に露呈している。これらの第1端部86a,87aは、図示しないバッテリの正極および負極に電気的に接続されるように構成されている。
同様に、車両のバッテリからの電流は、電源バスバー86,87、第2パワー回路80、第2バスバー72U,72V,72W、および第2モータバスバーユニット58を介して第2コイル55に流れる。
第2部分35bは、第2方向D2に関する第1部分35aの両端部から第2方向D2に沿って突出している。各第2部分35bは、樹脂部材85の対応する突出部93の第1凹部94に受けられている。
また、周壁42の一部を切り欠くことにより、第2開口部102および第3開口部103が形成されている。第2開口部102は、第1結合部73U,73V,73Wと、第2方向D2(径方向R1)に隣接して配置されている。第1結合部73U,73V,73Wは、第2開口部102から第1ハウジング23の外側に露呈している。第2開口部102には、この第2開口部102を塞ぐ蓋104が取り付けられている。
次に、電動モータユニット33の組み立ての主要点について説明する。
これにより、図7(B)に示すように、第1開口部102の近傍において、一端部711bU,711bV,711bWが、それぞれ、一端部712bU,712bV,712bWに隣接する。この状態で、溶接用の工具112を、第2開口部102を通してECU室37内に挿入し、溶接作業を行う。これにより、第1結合部73U,73V,73Wが形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1パワー回路75からの電流は第1コイル54に流し、第2パワー回路80からの電流は第2コイル55に流すことにより、電動モータ18を駆動する。これにより、各コイル54,55に流す電流を少なくできるので、各コイル54,55での電力損失を少なくできる。その結果、電動モータ18全体としての電力損失を少なくできる。しかも、第1および第2コイル54,55の双方に同時に電力を供給することも可能であるので、各コイル54,55に流す電流が小さくても(電力損失が小さくても)、電動モータ18の最大出力は十分に大きくできる。
より具体的には、軸方向X1から見たときに、基準直線L2を挟んで第1パワー基板31および第2パワー基板32が並んでいるようにすることで、第1パワー基板31と第2パワー基板32とを離隔配置することができる。
これにより、2つのパワー基板31,32を、電動モータ18の中心軸線L1を取り囲むように配置できる。したがって、2つのパワー基板31,32が径方向R1に突出する量を少なくでき、電動モータユニット33の更なる小型化を実現できる。また、2つのパワー基板31,32を、1枚の板状の基板材料から打ち抜いて形成する場合に、一定の大きさの材料110から打ち抜くことのできるパワー基板31,32の数を、より多くできる。これにより、第1パワー基板31および第2パワー基板32を1枚の材料から効率よく形成できる。
本実施形態では、サブアセンブリ98を第1ハウジング23内に組み付けた状態で、第1結合部73U,73V,73Wの溶接作業と、第2結合部74U,74V,74Wの溶接作業と、を行うことができる。したがって、サブアセンブリ98の各パワー回路75,80と、制御回路99との間の導通試験を経た後に上記の溶接作業を行うことができる。
また、制御基板35は、第2方向D2に関して、第1結合部73U,73V,73Wと第2結合部74U,74V,74Wとの間に配置されている。これにより、制御基板35の外側に、第1結合部73U,73V,73Wおよび第2結合部74U,74V,74Wが配置されている。したがって、これらの結合部の形成ための溶接作業を行い易い。
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
また、軸方向X1から見たとき、第1および第2パワー回路75,80は、点対称でなくてもよく、例えば、図8に示すように基準直線L2を中心とする線対称な配置でもよい。
また、第1導電部材711Uと、第2導電部材712Uとは、溶接に限らず、半田付け等の他の固定手段によって固定されてもよい。他の溶接箇所についても同様である。
Claims (8)
- 第1コイルおよび第2コイルを含む電動モータと、
前記第1コイルに電力を供給するための第1パワー回路が形成された第1パワー基板と、
前記第2コイルに電力を供給するための第2パワー回路が形成され且つ前記第1パワー基板と別部材を用いて形成された第2パワー基板と、
前記電動モータの軸方向に関して前記第1および第2コイルに隣接し、且つ、前記電動モータの中心軸線を取り囲むように配置され、前記第1および第2パワー基板を収容するハウジングと、を備え、
前記第1および第2パワー基板は、前記中心軸線の軸方向から見たとき、互いに離隔して配置されていることを特徴とする電動モータユニット。 - 請求項1において、前記中心軸線の軸方向から見たとき、前記中心軸線と交差する基準直線を挟んで前記第1パワー基板および前記第2パワー基板が配置されていることを特徴とする電動モータユニット。
- 請求項2において、前記中心軸線の軸方向から見たとき、前記第1パワー基板の外郭部と、前記第2パワー基板の外郭部とは、前記中心軸線を中心として点対称に配置にされていること、および前記基準直線を中心として線対称に配置されていることの少なくとも一方の条件を満たしていることを特徴とする電動モータユニット。
- 請求項1〜3の何れか1項において、複数の導電部材を含み前記第1コイルと前記第1パワー回路とを電気的に接続するための第1バスバーと、
複数の導電部材を含み前記第2コイルと前記第2パワー回路とを電気的に接続するための第2バスバーと、をさらに備え、
前記第1および第2バスバーは、それぞれ、前記ハウジング内において前記複数の導電部材を互いに結合することで形成された第1および第2結合部を含むことを特徴とする電動モータユニット。 - 請求項4において、前記中心軸線の軸方向から見たとき、前記第1および第2パワー基板が相対向する第1方向と交差する第2方向に沿って、前記第1および第2結合部が相対向することを特徴とする電動モータユニット。
- 請求項4または5において、前記第1および第2結合部は、前記ハウジングに形成された開口部に露呈するように配置されていることを特徴とする電動モータユニット。
- 請求項6において、前記第1および第2パワー回路の駆動を制御する制御回路が形成され前記ハウジング内に配置された制御基板をさらに備え、
前記制御基板は、前記第1結合部と前記第2結合部との間に配置されていることを特徴とする電動モータユニット。 - 請求項6または7において、前記ハウジングは、前記第1および第2結合部を取り囲む周壁を含み、前記開口部は、前記周壁の一部を切り欠くことにより形成されていることを特徴とする電動モータユニット。
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