JP2012159190A - ボールねじ循環部品の取付部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】本体部と一対の脚部とからなる循環部品をボールねじのナットに固定するために使用する取付部品として、従来品より耐久性が向上し、取付状態での突出寸法の最大値が小さくでき、製造コストが低いものを提供する。
【解決手段】取付部品4は、循環部品3の本体部31の上面を押える上面押え部41と、本体部31の側面を押える側面押え部42と、ナット1の外側平坦面12に接触させる取付部43を有する。上面押え部41は肩部36まで延設されている。この延設部(上面押え延設部)41aは、肩部36の形状に沿って屈曲し、ラインLに沿った方向で肩部36の半分程度を覆う。
【選択図】図2

Description

この発明は、本体部と一対の脚部とからなる循環部品をボールねじのナットに固定するために使用する取付部品に関する。
ボールねじは、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動する装置である。ボールねじのボール戻し経路としては、組み立てが容易である点から、リターンチューブ方式を採用することが多い。
しかし、従来のリターンチューブ方式のボールねじでは、最近のボールねじの高回転化に伴って、ボールがリターンチューブに衝突するスピードが速くなり、衝突エネルギーが大きくなることで、リターンチューブやねじ溝(ねじ溝の両肩部などを含む)が損傷し易くなる。この損傷を防止するために、ねじ軸の接線方向且つねじ溝のリード角方向にボールを掬い上げるようにすると、リターンチューブの形状が複雑になる。
そのため、金属製のリターンチューブに代えて、合成樹脂製で本体部と一対の脚部とからなる循環部品を使用することが提案されている。この循環部品は、例えば、ボールの移動方向を示すラインに沿って分割された2個の分割体を、合成樹脂の射出成形により形成し、これらの分割体を結合することで組み立てられる。この循環部品の脚部をナットの外側平坦面に設けられた二個一組の循環孔(軸方向に対して略垂直に延びる貫通孔)に挿入し、本体部を前記外側平坦面に接触配置することで、ボールねじのボール戻し経路が形成される。
特許文献1には、合成樹脂製で本体部と一対の脚部とからなる循環部品を、金属製の押え具を用いてナットに固定することが記載されている。金属製の押え具としては、循環部品の本体部全体または一部を上側から覆い、本体部の両側に配置される取付部を有するものが例示されている。これらの押え具は、金属板の曲げ成形加工や絞り成形加工で製造されている。
この循環部品は、ナットの循環孔に各脚部を挿入するとともに、本体部の全体または一部を押え具で上側から覆い、押え具の各取付部に形成された孔にボルトを通し、このボルトをナットの外側平坦部に形成した雌ねじに螺合させることでナットに固定される。
特許文献1の押え具のうち、循環部品の本体部の一部を上側から覆うものは、中央部分を覆って肩部(本体部の各脚部に向かう屈曲部)を覆わないため、肩部に対する外部からの衝撃に対する強度が不足する。循環部品の本体部全体を上側から覆うものは、外部からの衝撃に対する耐久性が高くなるが、絞り成形加工で製造されるため製造コストが高い。また、本体部全体を覆うことで、取付状態における押え具の突出寸法(ナット断面円の中心からの距離)の最大値が大きくなるため、これに合わせてナット外径を大きくする必要がある。
特開2005−155887号公報
この発明の課題は、本体部と一対の脚部とからなる循環部品をボールねじのナットに固定するために使用する取付部品として、従来品より循環部品の耐久性が向上でき、取付状態での突出寸法の最大値が小さくでき、製造コストが低いものを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のボールねじ循環部品の取付部品は、内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、前記ボール戻し経路は、合成樹脂製で本体部と一対の脚部とからなる循環部品の前記脚部が、前記ナットの外側平坦面に設けられた二個一組の循環孔に挿入され、前記本体部が前記外側平坦面に接触配置されることで形成され、前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの、前記循環部品を前記外側平坦面に固定する取付部品であって、金属板のプレス成形により形成され、前記ナットの外側平坦面に接触させる取付部と、前記循環部品の本体部の上面を押える上面押え部と、前記本体部の側面を押える側面押え部とを有し、前記上面押え部が前記本体部の各脚部に向かう屈曲部(肩部)まで延設されていることを特徴とする。
この取付部品は、前記上面押え部の延設部を有することで、前記循環部品の屈曲部(肩部)に対する外部からの衝撃に対する強度が向上する。また、本体部全体を覆う取付部品と比較して、取付状態における突出寸法(ナット断面円の中心からの距離)の最大値を小さくすることができる。
前記循環部品が、本体分割部と一対の脚分割部とで構成された2個の分割体からなり、両分割体は、前記ボール戻し経路に対応する溝を有し、一方の脚分割部の先端にボール掬い上げ部が形成されたものである場合には、前記側面押え部が、前記ボール掬い上げ部が形成されている脚分割部側において、前記本体部の各脚部に向かう屈曲部(肩部)まで延設されている取付部品を用いることが好ましい。
前記構造の循環部品では、前記ボール掬い上げ部で掬い上げたボールの遠心力による衝撃が、前記ボール掬い上げ部が形成されている方の脚分割部および屈曲部の側面に加わるため、前記側面押え部の延設部を有する取付部品を用いることにより、前記衝撃に対する循環部品の耐久性が向上する。
この発明によれば、本体部と一対の脚部とからなる循環部品をボールねじのナットに固定するために使用する取付部品として、従来品より循環部品の耐久性が向上でき、取付状態での突出寸法の最大値が小さくでき、製造コストが低いものを得ることができる。
第1実施形態の取付部品で循環部品が固定されているボールねじの一例を説明する図であって、ナットの断面を示し、ねじ軸は断面にせず、循環部品を分割ラインに沿った断面で示す図である。 第1実施形態に相当する取付部品と循環部品との関係を示す斜視図である。 循環部品の分割体を示す正面図である。 第2実施形態に相当する取付部品と循環部品との関係を示す斜視図である。 図4の取付部品と循環部品の分割体との関係を示す斜視図である。 比較例の取付部品を示す斜視図である。 循環部品の本体部全体を覆う取付部品で循環部品が固定されているボールねじの一例を説明する図であって、ナットの断面を示し、ねじ軸は断面にせず、循環部品を分割ラインに沿った断面で示す図である。 循環部品の本体部全体を覆う取付部品の一例を示す平面図である。 図8の取付部品と循環部品との関係を示す斜視図である。 取付状態での取付部品を示す図であって、図9のA矢視図に相当する。
以下、この発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1のボールねじは、内周面に螺旋溝11が形成されたナット1と、外周面に螺旋溝21が形成されたねじ軸2と、ボール23と、循環部品3と、循環部品3をナット1に固定する取付部品4とで構成されている。ボール23は、ナット1の螺旋溝とねじ軸2の螺旋溝21で形成される軌道の間と、循環部品3により形成されたボール戻し経路35内に配置されている。
ナット1の外周部の一部が凹部とされ、その底面が循環部品3を取り付ける外側平坦面12となっている。ナット1の外側平坦面12に、二個一組の貫通孔(循環孔)13が形成されている。循環部品3は本体部31と一対の脚部32とからなる。本体部31の下面(脚部32側の面)31bがナット1の外側平坦面12に接触する面である。図2に示すように、循環部品3は、ボールの移動方向を示すラインLに沿って分割された二個の分割体で構成されている。
図3に示すように、循環部品3の分割体30は、本体部310と一対の脚部320とからなり、ボール戻し経路35に対応する溝350が形成されている。一方の脚部320の先端に、ボール掬いあげ用のタング部32aが形成されている。分割体30のラインLに沿った外側端面312の二つの屈曲部360(肩部36となる部分)に、結合用の突起37とこれが嵌まる凹部38が形成されている。図3に示す同じ分割体30を結合することで循環部品3が組み立てられ、その内部に二つの溝350によるボール戻し経路35が形成される。
図2に示すように、取付部品4は、循環部品3の本体部31の上面を押える上面押え部41と、本体部31の側面を押える側面押え部42と、ナット1の外側平坦面12に接触させる取付部43を有する。上面押え部41は、本体部31の各脚部32に向かう屈曲部(肩部)36まで延設されている。この延設部(上面押え延設部)41aは、肩部36の形状に沿って屈曲し、ラインLに沿った方向で肩部36の半分程度を覆うものである。取付部43には貫通孔43aが形成されている。この取付部品4は金属板のプレス加工で安価に製造できる。
この取付部品4を用いて、図1に示すように、循環部品3をナット1の外側平坦面12に固定する。すなわち、先ず、1対の脚部32をナット1の外側平坦面12の各循環孔13に挿入し、本体部31を外側平坦面12に接触させる。次に、取付部品4を図2に示すように配置してから、取付部43の貫通孔43aにボルトを通し、ボルトをナット1の外側平坦部12に形成された雌ねじに螺合させる。
このように、上面押え延設部41aを有する取付部品4で循環部品3をナット1の外側平坦面12に固定することにより、図6に示す従来の取付部品40で固定した場合と比較して、循環部品3の肩部36に対する外部からの衝撃に対する強度が向上する。また、肩部36の全体を含む本体部31の全体を覆う取付部品と比較して、安価に製造できるとともに、取付状態における突出寸法(ナット断面円の中心からの距離)の最大値が小さくなる。
[第2実施形態]
この実施形態の取付部品4Aは、図4および5に示すように、循環部品3の本体部31の上面を押える上面押え部41と、本体部31の側面を押える側面押え部42と、ナット1の外側平坦面12に接触させる取付部43を有する。上面押え部41は肩部36まで延設されている。この延設部(上面押え延設部)41aは、図2に示す第1実施形態の取付部品4とは異なり、肩部36の屈曲始点側を僅かに覆うものである。
また、側面押え部42は、タング部(ボール掬い上げ部)32aが形成されている脚分割部320側で、上面押え延設部41aと同じ位置まで延設された側面押え延設部42aを有する。すなわち、側面押え部42が、ボール掬い上げ部が形成されている脚部32側で、本体部31の肩部36まで延設されている。
取付部43には貫通孔43aが形成されている。この取付部品4は金属板のプレス加工で安価に製造できる。
この循環部品3では、タング部32aで掬い上げたボールの遠心力による衝撃が、タング32aが形成されている方の脚分割部320および屈曲部360の側面に加わる。この衝撃を受ける大体の範囲は図5にAで示す範囲である。よって、側面押え延設部42aを有する取付部品4Aを用いることにより、タング部32aで掬い上げたボールの遠心力による衝撃に対する循環部品3の耐久性が向上する。
なお、例えば図7に示すように、ナット1の外径が小さく、循環部品3がナット1の外周ラインL1から出ているボールねじの場合は、ナット1を取り付ける相手部材を、循環部品3と干渉しない形状に設計する。そのため、肩部36の全体を含む本体部31の全体を覆う取付部品5を使用することができる。この取付部品5の一例を図8〜10を用いて説明する。
この取付部品5は、図9に示すように、循環部品3の本体部31の上面に配置される上板51と、本体部31の各側面に配置される各側板52と、本体部31の長さ方向端部に配置される閉じ板53と、ナット1の外側平坦面12に接触させる取付部54とからなる。上板51は、本体部31の上面全体を押え、肩部36を含む全体を覆う。側板52は、本体部31の側面全体を押え、上板51と同じ長さである。
閉じ板53は、図8に示すように、上板51の長さ方向の端部に延設され、上板51の境界部で折り曲げ可能になっている。閉じ板53の幅W3は、図10に示すように、2枚の側板52の外側間隔W2より小さく、内側間隔W20より大きい。よって、閉じ板53を折り曲げた状態で、閉じ板53の幅方向端部53aが側板52と重なる。
取付部54は貫通孔54aを有する。この取付部品5は、金属板のプレス加工で安価に図8の状態に製造できる。取付部品5は、図8の状態のままで用意するか、図9に示すように閉じ板53を折り曲げた状態で用意する。
この取付部品5を用いて、図7に示すように、循環部品3をナット1の外側平坦面12に固定する際には、先ず、1対の脚部32をナット1の外側平坦面12の各循環孔13に挿入し、本体部31を外側平坦面12に接触させる。
次に、閉じ板53を折り曲げた状態の取付部品5を循環部品3の上に被せて、取付部品5で循環部品3の本体部31全体を覆う。または、図8の状態の取付部品5を循環部品3の上に被せて、取付部品5の上板51を本体部31の上面に、側板52を本体部31の側面に接触させた後、各閉じ板53を折り曲げて側板52の端面に接触させる。図9はこの状態を示す。
次に、取付部54の貫通孔54aにボルトを通し、ボルトをナット1の外側平坦部12に形成された雌ねじに螺合させる。
この取付部品5によれば、取付状態で、図10に示すように、閉じ板53の幅方向端部53aが側板52と重なるため、閉じ板53が外側から押されても内側に折り曲げられにくい。また、循環部品3の本体部31の全体を覆う取付部品としては、特許文献1に記載されているように、絞り成形加工で製造されるものがあるが、これと比較して、この取付部品5は単純な曲げ成形のみで得られるため、製造コストが低減できる。
1 ナット
11 ナットの螺旋溝
12 ナットの外側平坦面
13 ナットの貫通孔(循環孔)
2 ねじ軸
21 ねじ軸の螺旋溝
3 循環部品
31 循環部品の本体部
31b 本体部の下面
32 循環部品の脚部
32a タング部(ボール掬い上げ部)
35 ボール戻し経路
36 肩部(本体部の各脚部に向かう屈曲部)
37 突起
38 凹部
30 循環部品の分割体
310 本体分割部
320 脚分割部
350 ボール戻し経路を構成する溝
360 分割体の屈曲部
4 取付部品
4A 取付部品
40 取付部品
41 取付部品の上面押え部
41a 上面押え延設部
42 取付部品の側面押え部
42a 側面押え延設部
43 取付部品の取付部
43a 取付部の貫通孔
5 取付部品
51 上板
52 側板
53 閉じ板
53a 閉じ板の幅方向端部(側板との重なり部分)
54 取付部
54a 貫通孔
L ボールの移動方向を示すラインに相当する分割ライン
L1 ナットの外周ライン

Claims (2)

  1. 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道の間に配置されたボールと、ボールを軌道の終点から始点に戻すボール戻し経路とを備え、
    前記ボール戻し経路は、合成樹脂製で本体部と一対の脚部とからなる循環部品の前記脚部が、前記ナットの外側平坦面に設けられた二個一組の循環孔に挿入され、前記本体部が前記外側平坦面に接触配置されることで形成され、
    前記軌道内をボールが転動することで前記ナットがねじ軸に対して相対移動するボールねじの、前記循環部品を前記外側平坦面に固定する取付部品であって、
    金属板のプレス成形により形成され、前記ナットの外側平坦面に接触させる取付部と、前記循環部品の本体部の上面を押える上面押え部と、前記本体部の側面を押える側面押え部とを有し、前記上面押え部が前記本体部の各脚部に向かう屈曲部まで延設されていることを特徴とするボールねじ循環部品の取付部品。
  2. 前記循環部品は、本体分割部と一対の脚分割部とで構成された2個の分割体からなり、両分割体は、前記ボール戻し経路に対応する溝を有し、一方の脚分割部の先端にボール掬い上げ部が形成されたものであり、
    前記側面押え部が、前記ボール掬い上げ部が形成されている脚分割部側において、前記本体部の各脚部に向かう屈曲部まで延設されている請求項1記載のボールねじ循環部品の取付部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109595318A (zh) * 2018-12-27 2019-04-09 宁波海迈克精密机械制造有限公司 一种滚珠丝杠的循环部件

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