JP2012159155A - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

捩り振動減衰装置 Download PDF

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浩之 天野
Hisashi Miyahara
悠 宮原
Shingo Aijima
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Abstract

【課題】転動室と転動体との摩耗を抑制し、振動減衰能に優れた振動減衰装置を提供する。
【解決手段】回転部材に対して相対的に往復移動する転動体31を収容した転動室30が設けられるとともに、その転動室30の内面のうち回転部材の回転中心に対して半径方向で外側の内面が、転動体を接触させて案内する転動面32とされた捩り振動減衰装置において、転動体31をその回転中心軸線と平行な方向に押圧することにより、転動室30の内面のうち転動体31に対向する内壁面に押し付けて転動体31を固定する可動部材29と、転動体31の可動部材側の側面の一部に接触するように、可動部材29の転動体を向く面に形成された押圧部34と、転動体31が押し付けられた際にその転動体31を、その外周面35の一部が転動面32から離れるように傾斜させる、内壁面に形成された傾斜受け部33とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、捩り振動を減衰するための装置に関し、特にトルクを受けて回転する回転体の内部に、その回転体に対して相対回転自在な転動体を収容した構成を備えている捩り振動減衰装置に関するものである。
動力源で発生させたトルクを、目的とする箇所もしくは部材に伝達するための駆動軸や歯車などの回転体は、入力されるトルク自体の変動や負荷の変動、あるいは摩擦などが原因となって不可避的に振動する。その振動の周波数は回転数に応じて変化するとともに、二次振動以上の高次の振動も併せて発生するので、共振によって振幅が大きくなり、ひいては騒音や耐久性低下などの原因となることがある。そのため、回転によって動力を伝達する各種の機器には上記のような振動を防止するための装置もしくは機構が広く採用されている。その一例が特許文献1や特許文献2に記載されている。
特許文献1に記載されている吸振器は、フライホイールなどの回転体の外周側の部分に形成された転動室と、その内部に転動自在に収容されたボールあるいはローラ(コロ)などの転動体とを備えており、回転部材が回転している際に、転動体が捩り振動に共振して転動室の内部を転動し、その動的吸振作用によって捩り振動を吸収するように構成されている。
特許文献2に記載されているフライホイールは、フライホイールに形成された転動室と、その内部に転動自在に収容されたコロ状のダンパマスとを備え、フライホイールの回転中心軸に対してダンパマスの回転中心軸が傾斜し、かつ両回転中心軸が同一平面上に存在するよう構成されており、フライホイールが回転している際に、ダンパマスが捩り振動に共振して転動室の内部を安定した転動軌道を描きながら転動し、その動的吸振作用によって捩り振動を吸収するとともに、衝突音の発生を防止するよう構成されている。
特開平7−280037号公報 特開平6−294446号公報
特許文献1に記載された吸振器は、円形の転動室の内部に、その転動室の半径より小さい外径の転動体を配置し、開き角度の大きいV字状のガイド部材を転動室の中心部に回転自在に設け、そのガイド部材と転動室の内周壁との間に転動体を保持させて構成されている。したがって、大きい捩り振動が生じた場合には、転動体がガイド部材と共に回転することにより振動が抑制され、また低回転数の状態では転動体がガイド部材によって転動室の内周壁との間に挟み付けられて保持されているので、異音や微振動が防止される、とされている。しかしながら、このような構成では、転動室の容積に対して転動体が小さくなり、また転動体を転動室の外周側に確実に位置させることが困難であるから、振動減衰能が低くならざるを得ない。
また、特許文献2に記載されたフライホイールは、フライホイールの回転中心軸に対してダンパマスの回転中心軸が傾斜するように転動室が構成されているため、フライホイールが回転している際に、転動室の側面とダンパマスとの摺動抵抗により振動減衰能が低くなる可能性があり、また経時的に転動室の側面またはダンパマスに摩耗が生じることによって、異音が生じたり、振動減衰特性が変化してしまったりする可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであって、転動室と転動体との摩耗を抑制し、振動減衰能に優れた捩り振動減衰装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、捩り振動する回転部材の回転中心から半径方向に離れた箇所に、前記回転部材に対して相対的に往復移動する転動体を収容した転動室が設けられるとともに、その転動室の内面のうち前記回転部材の回転中心に対して半径方向で外側の内面が、前記転動体を接触させて案内する転動面とされた捩り振動減衰装置において、前記転動体をその回転中心軸線と平行な方向に押圧することにより、前記転動室の内面のうち前記転動体に対向する内壁面に押し付けて前記転動体を固定する可動部材と、前記転動体の前記可動部材側の側面の一部に接触するように、前記可動部材の前記転動体を向く面に形成された押圧部と、前記転動体が押し付けられた際にその転動体を、その外周面の一部が前記転動面から離れるように傾斜させる、前記内壁面に形成された傾斜受け部とを備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記傾斜受け部は、前記転動体が前記転動面に遠心力によって押し付けられている状態で、その転動面の側面に対して平行とならないように前記内壁面に形成された傾斜面を含むことを特徴とする捩り振動減衰装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記傾斜受け部は、前記内壁面のうち前記転動体に対向する領域に形成された、前記転動体に向けて凸となる突出部を含むことを特徴とする捩り振動減衰装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記押圧部は、前記可動部材の前記転動体を向く面に形成された、前記転動体の側面に対して平行とならない傾斜面を含むことを特徴とする捩り振動減衰装置である。
さらに、請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記押圧部は、前記可動部材の前記転動体を向く面に形成された、前記転動体に向けて突出した突起部を含むことを特徴とする捩り振動減衰装置である。
この発明によれば、回転体が比較的低回転数で回転している場合など、転動体に作用する遠心力が小さい場合に、可動部材が転動体に向けて前進することにより、転動体が可動部材と転動室の内壁面との間に挟み付けられて固定される。その場合、転動体は、その側面の一部を、可動部材に形成されている押圧部によって押され、これに対して転動室の内壁面には、転動体を傾斜させる傾斜受け部が形成されているので、転動体は、その外周面の一部が、転動面から離れた状態に傾斜して固定される。その状態から、回転体の回転数が増大するなど転動体に作用する遠心力が大きくなると、転動体を転動面に沿って転動させるために、可動部材が転動体から離れる方向に後退し、転動体の固定が解除される。その場合、転動体には遠心力が作用してその外周面が転動面に密着するように転動室の外周側に押される。すなわち、固定状態では転動体の外周面と転動面との間に生じていた隙間がなくなるように、転動体の姿勢が変化する。言い換えれば、転動体は、その回転中心軸線が転動面に対して傾斜していた状態から、その回転中心軸線が転動面に対して平行となるように回転する。その結果、転動体の側面と転動室の内壁面とは平行にならず、これらが互いに面接触することがない。そのため、回転体の捩り振動に伴って転動体が転動面に沿って転動する際に、前記内壁面との間に大きい摺動抵抗が生じることがなく、その結果、捩り振動減衰能に優れたものとすることができる。
特に請求項3の発明によれば、転動体の回転中心軸線が転動面と平行になるように姿勢を変化させた状態で転動体の側面が転動室の内壁面に接触するとしても、その接触箇所は、前記内壁面に形成されている突出部に対向する部分であり、転動体のエッジ部は前記内壁面から離れている。したがって、転動体の転動に伴って前記内壁面に作用する摩擦力が局部に集中したり、そのために摩耗が早期に進行するなどの事態を回避もしくは抑制することができる。
この発明に係るダンパハウジングの形状の一例を示す模式図である。 この発明に係る振動減衰装置の一例を示す部分的な断面図であって回転中心軸線から上側の半分を示す図である。 その転動室の形状の一例を示す図である。 この発明に係るダンパハウジングの形状の一例の作用を時系列に沿って示す模式図である。 この発明に係るダンパハウジングの形状の他の例を示す模式図である。 この発明に係るダンパハウジングの形状の更に他の例を示す模式図である。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。この発明に係る振動減衰装置は、いわゆる振子式と称されるものであって、トルクを受けて回転する回転体に、その回転体に対して相対的に自由運動できる錘に相当する転動体を保持させて構成されている。この発明では、その振動減衰装置を流体伝動装置の内部に設けた構成とすることができ、特に直結クラッチ(ロックアップクラッチ)を備えた流体伝動装置の内部に設け、直結クラッチを解放させる圧力を利用して転動体を固定し、また直結クラッチを係合させる圧力を利用して転動体の固定を解除するように構成されている。
図2はトルク増幅作用のある流体伝動装置であるトルクコンバータ1の内部に振動減衰装置を設けた例を示しており、ここに示すトルクコンバータ1は従来車両に広く搭載されているトルクコンバータと同様の構成を備えている。すなわち、入力側の部材であるポンプインペラ2は、環状に配列されたポンプブレード3をポンプシェル4の内面に取り付けて構成されており、そのポンプインペラ2に対向してタービンランナ5が配置されている。このタービンランナ5は、ポンプインペラ2とほぼ対称となる形状を有するものであって、環状(もしくは半ドーナツ状)をなすシェルの内面に、環状に配列した多数のタービンブレードを固定して構成されている。したがって、これらポンプインペラ2とタービンランナ5とは同一軸線上で対向して配置されている。
ポンプシェル4の外周端には、タービンランナ5の外周側を覆うフロントカバー6が一体に接合されている。このフロントカバー6は、図2に示すように、ポンプシェル4の内面と対向するフロント壁面を有するいわゆる有底円筒状の部材であって、そのフロント壁の外面の中心部には軸部7が突出して形成され、その軸部7をエンジン(図示せず)のクランクシャフト8における先端部に挿入し、かつ軸受9を介してクランクシャフト8に相対回転可能に連結されている。また、クランクシャフト8には、ドライブプレート10が取り付けられており、そのドライブプレート10とフロントカバー6とが、ダンパ11を介して連結されている。
また、ポンプシェル4の内周端部には、円筒軸12が一体に設けられており、その円筒軸12は、ポンプシェル4の背面側(エンジン側とは反対側)に延びており、図示しないオイルポンプに連結されている。その円筒軸12の内部には、その円筒軸12の内径より小さい外径の固定軸13が挿入されており、その先端部は、ポンプシェル4とフロントカバー6とで囲われたトルクコンバータ1の内部にまで延びている。この固定軸13は、オイルポンプを保持している図示しない固定壁部と一体に形成された中空軸状の部分であって、この固定軸13の外周面と円筒軸12の内周面との間が流体流路(すなわち油路)14となっている。
固定軸13の先端部は、前述したタービンランナ5の内周側もしくはポンプインペラ2とタービンランナ5との間の部分の内周側に位置しており、この固定軸13の先端部に一方向クラッチ15のインナーレースがスプライン嵌合させられている。また、その一方向クラッチ15のアウターレースには、前述したポンプインペラ2の内周部とこれに対向するタービンランナ5の内周部との間に配置されたステータ16が取り付けられている。すなわち、ポンプインペラ2とタービンランナ5との速度比が小さい状態では、タービンランナ5から流出したオイルがステータ16に作用してもステータ16の回転を一方向クラッチ15によって阻止し、その結果、オイルの流動方向を変化させてポンプインペラ2にオイルを送り込み、また速度比が大きくなってステータ16のいわゆる背面に向けてオイルが当たる状態では、ステータ16を回転させてオイルの流れを乱さないように構成されている。
上記の固定軸13の内周側には、出力軸(図示しない変速機の入力軸)17が回転自在に挿入されており、その先端部は固定軸13の先端部から突き出て(越えて)フロントカバー6の内面近くまで延びており、その固定軸13から突き出ている先端外周部にはハブ軸18がスプライン嵌合されている。このハブ軸18には外周側に突出したフランジ状のハブ19が形成されており、そのハブ19に前述したタービンランナ5が、ハブ19と一体となるように連結されている。ハブ軸18には、更に、この発明に係る振動減衰装置の一部を構成するダンパハウジング20が一体的に設けられている。
ダンパハウジング20とフロントカバー6との間に、ロックアップクラッチ(直結クラッチ)21が設けられている。このロックアップクラッチ21は、従来知られているものと同様に、流体を介することなく駆動側の部材と従動側の部材との間でトルクを伝達するためのものであり、図2に示す例では、ハブ軸18とフロントカバー6とを連結するように構成されている。すなわち、ロックアップクラッチ21は上記の振動減衰装置とフロントカバー6の内面との間に配置された円盤状のロックアップピストン22を主体として構成されており、そのロックアップピストン22は前述したハブ軸18に、軸線方向には移動自在でかつ回転方向にはハブ軸18と一体となるように、スプライン嵌合されている。また、そのロックアップピストン22のフロントカバー6に対向する側面のうち、可及的に外周側の箇所に、フロントカバー6に押し付けられて摩擦力を生じる摩擦材23が取り付けられている。さらに、ロックアップピストン22の外径は、フロントカバー6の内径より僅かに小さい程度の外径であって、その外周端部には、フロントカバー6の内周面に沿うように軸線方向に延びている円筒部24が形成されている。したがって、ロックアップピストン22は、図2の右方向に押されてその摩擦材23がフロントカバー6に接触することにより係合状態となってフロントカバー6とハブ軸18との間でトルクを伝達し、また図1の左方向に押し戻されることによりその摩擦材23がフロントカバー6から離れて解放状態となってトルクの伝達を遮断するように構成されている。
さらに、上記のロックアップクラッチ21を係合・解放させるための油圧を給排する油路について説明すると、前述した出力軸17には、その中心軸線に沿って油路25が形成されており、この油路25は出力軸17の先端部に開口している。また、フロントカバー6の内面とロックアップピストン22との間には僅かな隙間があいており、したがって油路25はその隙間に開口して連通している。一方、ロックアップピストン22の背面側の部分、すなわちタービンランナ5が収容されている部分には、前述した円筒軸12と固定軸13との間の油路14が連通している。
つぎに、この発明に係るダンパハウジングを説明する。このダンパハウジング20は、タービンランナ5の背面(フロントカバー6側の側面)に沿う環状の中空部26と、その中空部26をハブ軸18に連結しているフランジ状の部分とを備えている。その中空部26は、図2に示すように、軸線方向に測った厚さが薄い矩形断面をなし、かつ全体として環状をなす部分であり、フロントカバー6側に開口するいわゆる本体部27と、その開口端部にシール材28によって気密状態を維持して摺動可能に嵌め込まれた蓋部29(可動部材)とによって構成されている。そして、この蓋部29は、ロックアップピストン22の背面(摩擦材23を取り付けてある面とは反対側の面)に連結されている。すなわち、蓋部29はロックアップピストン22と共に軸線方向に前後動するように構成されている。なお、このダンパハウジング20やこれと一体となって回転する部材がこの発明における回転体に相当している。
さらに、この発明に係る中空部の構成を具体的に説明する。中空部26の内部の形状は、例えば図3に示すように、回転部材の回転中心に対して半径方向で外周側の面が、半径方向に連続して凹凸に変化する曲面として形成され、内周側の面が単純な円弧面となっており、これら外周側の面と内周側の面との間隔が狭い部分の間によって区画された部分が転動室30とされている。そして、それぞれの転動室30の内部に、タービンランナ5の回転方向に移動自在な転動体31が収容されている。この転動体31は、一例として円盤状の錘であって、その外径は、転動室30を形成している外周側の面と内周側の面との最大の間隔より小さくかつ転動室30の両側の最小の間隔より大きく設定されている。すなわち、転動体31は、各転動室30の内部で図2の左右方向に移動できるように構成されている。なお、各転動室30の外周側の面は、転動体31が遠心力を受けた場合に接触し、かつ転動体31を沿わせて移動させる面(転動面)32であり、したがってその中央部を起点とした左右両側の面が例えばトロイダル面として構成されている。
また、図1の一例に示すように、この発明に係る蓋部29は、この発明における振動減衰装置の一部を構成するものであって、転動体31をその回転中心軸線と平行な方向に押圧することにより、転動室30の内面のうち転動体31に対向する内壁面33に押し付けて転動体31を固定するように設けられている。さらに、転動体31の蓋部側の側面の一部に接触するように、蓋部の転動体を向く面に押圧部34が形成されている。また、転動体31が押し付けられた際にその転動体31を、その外周面35の一部が転動面32から離れるように傾斜させる傾斜受け部33が転動室の内壁面に形成されている。
なお、この発明に係るダンパハウジングは上記の具体例に限定されない。例えば図5に示すように、転動室30の傾斜受け部33は、転動体31が転動面に遠心力によって押し付けられている状態で、その転動面32の側面に対して平行とならないように内壁面に形成された傾斜面を含んでもよい。また、蓋部29の押圧部34は、蓋部29の転動体31を向く面に形成された、転動体31の側面に対して平行とならない傾斜面を含んでもよい。さらに、図6に示すように、傾斜受け部33は、内壁面のうち転動体31に対向する領域に形成された、転動体31に向けて凸となる突出部36でもよい。また、押圧部34は、可動部材の前記転動体31を向く面に形成された、前記転動体31に向けて突出した突起部37でもよい。
つぎに、上述したトルクコンバータ1および振動減衰装置の作用について説明すると、上記のトルクコンバータ1が車両に搭載されていて、その車両が停車しているなどのことによりエンジンの回転数が低い場合、あるいはエンジンの出力トルクもしくはアクセル開度が大きい場合には、車体の振動やブーミングノイズ(こもり音)などを低減するために、ロックアップクラッチ21は解放状態に制御される。具体的には、上記の解放用油路25から供給される油圧が高められ、その結果、ロックアップピストン22を挟んでフロントカバー6側の油圧が、これとは反対のタービンランナ5側の圧力より高くなり、ロックアップピストン22がフロントカバー6の内面から離れる方向に押される。こうしてロックアップピストン22に取り付けられている摩擦材23がフロントカバー6の内面から離れ、両者の間でのトルクの伝達が遮断される。すなわち、ロックアップクラッチ21が解放状態になる。
ロックアップピストン22がこのようにフロントカバー6の内面から離れる方向に押し戻されると、そのロックアップピストン22のいわゆる背面に連結されている蓋部29が転動室30の内部に押し込められる。蓋部29は、転動室30に押し込まれる状態では、図4(a)に示すように、遠心力を受けている転動体31の蓋部側の側面の一部に接触する。そのため、傾斜受け部33と蓋部29の押圧部34とに押圧された転動体31は、その外周面35の一部が転動面32から離れるように傾斜する。さらに、転動室30の幅(前述した中空部26の深さ)が減じられ、図4(b)に示すように、ついには転動体31が蓋部29と転動室30の内壁面との間に挟み付けられて固定される。
エンジンのトルクはドライブプレート10を介してフロントカバー6に伝達されるから、ポンプインペラ2がフロントカバー6と共に回転し、オイルの螺旋流を生じさせる。そのオイルは、ポンプブレード3の外周側からタービンランナ5に供給され、そのオイルの有する運動エネルギによってタービンランナ5が回転させられる。こうして駆動側のポンプインペラ2から従動側のタービンランナ5に動力が伝達される。そのタービンランナ5と前述したダンパハウジング20とはハブ軸18を介して一体化されているので、タービンランナ5から出力軸17に動力が伝達されて出力されるとともに、ダンパハウジング20がタービンランナ5と共に回転する。その場合、トルクの変動などによってダンパハウジング20の回転数が変動しても、その内部の転動室30に収容されている転動体31は転動室30の内面に固定されているので、転動体31が転動室30の内面に当接したり、それに伴って異音が生じたりすることを未然に防止もしくは抑制することができる。
また、上記のトルクコンバータ1を搭載した車両の車速が増大するなどのことにより、エンジンの回転数あるいはトルクコンバータ1の入力回転数が高回転数になると、ロックアップクラッチ21が係合させられる。具体的には、前述した係合用油路14から供給される油圧が高められ、あるいは解放用油路25の油圧が低下させられ、その結果、ロックアップピストン22を挟んで、タービンランナ5が配置されている側の油圧が、フロントカバー6側の油圧より高くなり、その圧力差によってロックアップピストン22がフロントカバー6側に押される。こうしてロックアップピストン22がフロントカバー6側に移動することにより、その正面(フロントカバー6側の側面)に取り付けられている摩擦材23がフロントカバー6の内面に押し付けられる。すなわち、ロックアップクラッチ21が係合状態になって摩擦材23とフロントカバー6との間の摩擦力によってトルクの伝達が生じる。そのロックアップピストン22はハブ軸18にスプライン嵌合し、かつそのハブ軸18にタービンランナ5が取り付けられているから、フロントカバー6からロックアップクラッチ21を介してタービンランナ5あるいは出力軸17に動力が直接伝達される。すなわち、流体を介することによる滑りを伴うことなく動力の伝達が行われ、動力伝達効率が向上する。
この係合状態では、ロックアップピストン22と共に蓋部29が図2の右方向すなわち転動室30の幅あるいは容積を増大させる方向に移動する。そのため、転動体31を転動室30の内面に押し付けていた荷重が作用しなくなるので、転動体31の固定が解除される。図4(d)に示すように、転動体31を開放する際に、回転部材の回転に伴って生じた遠心力Gcが転動体31に作用することにより、転動室30の傾斜受け部33から転動体31の側面の少なくとも一部が離れ、かつ転動体31の外周面35と転動面32とが接触する。そのため、図4(c)に示すように、転動体31の側面が傾斜受け部33と面接触することなく転動室30の内部で移動自在になるので、転動室30の側面と転動体31との摺動抵抗を抑えることができ、さらに、経時的に転動室30の側面または転動体31に摩耗が生じることを抑制することができため、異音の発生や振動減衰特性の変化を低下させることができる。さらに、図5に示すようなダンパハウジングを適用することで、転動室30の側面と転動体31のエッジとの摺動抵抗を抑えることができるため、転動体のエッジに沿って傾斜受け部が摩耗することを防止することができる。
なお、上記の具体例では、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータにおけるダンパ機構にこの発明を適用した例を挙げたが、この発明は上記の具体例に限定されないのであって、捩り振動する各種の回転体におけるダンパ機構に適用することができる。
29…可動部材、 30…転動室、 31…転動体、 32…転動面、 33…傾斜受け部、 34…押圧部、 35…(転動体の)外周面。

Claims (5)

  1. 捩り振動する回転部材の回転中心から半径方向に離れた箇所に、前記回転部材に対して相対的に往復移動する転動体を収容した転動室が設けられるとともに、その転動室の内面のうち前記回転部材の回転中心に対して半径方向で外側の内面が、前記転動体を接触させて案内する転動面とされた捩り振動減衰装置において、
    前記転動体をその回転中心軸線と平行な方向に押圧することにより、前記転動室の内面のうち前記転動体に対向する内壁面に押し付けて前記転動体を固定する可動部材と、
    前記転動体の前記可動部材側の側面の一部に接触するように、前記可動部材の前記転動体を向く面に形成された押圧部と、
    前記転動体が押し付けられた際にその転動体を、その外周面の一部が前記転動面から離れるように傾斜させる、前記内壁面に形成された傾斜受け部と
    を備えていることを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記傾斜受け部は、前記転動体が前記転動面に遠心力によって押し付けられている状態で、その転動面の側面に対して平行とならないように前記内壁面に形成された傾斜面を含むことを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 前記傾斜受け部は、前記内壁面のうち前記転動体に対向する領域に形成された、前記転動体に向けて凸となる突出部を含むことを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記押圧部は、前記可動部材の前記転動体を向く面に形成された、前記転動体の側面に対して平行とにならない傾斜面を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の捩り振動減衰装置。
  5. 前記押圧部は、前記可動部材の前記転動体を向く面に形成された、前記転動体に向けて突出した突起部を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の捩り振動減衰装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106468337A (zh) * 2015-08-20 2017-03-01 舍弗勒技术股份两合公司 离心力摆和具有离心力摆的液力变矩器
JP2019163815A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 株式会社エクセディ 動力伝達装置
JP2019163817A (ja) * 2018-03-20 2019-09-26 株式会社エクセディ 動力伝達装置

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