JP2012158602A - リンパ腫の治療のための組成物および方法 - Google Patents

リンパ腫の治療のための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、哺乳類における新形成の治療方法を提供する。特に本発明は、再発形態の非ホジキンリンパ腫を含めた種々の型のリンパ腫の治療方法を提供する。
【解決手段】これらの方法は、リポソーム封入ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンの、リンパ腫を有する哺乳類への投与を含む。
【選択図】なし

Description

関連出願の引照
本特許出願は、米国特許仮出願第60/127,444号(1999年4月1日出願)および第60/137,194号(1999年6月2日出願)(これらの記載内容は各々、参照により本明細書中に含まれる)に対する優先権を請求する。
産業上の利用分野
本発明は、哺乳類における新形成、特に再発形態の新形成の治療のための方法および組成物に関する。
発明の背景
新しい治療方法の開発に向けての長年の探究にもかかわらず、リンパ系の癌またはリンパ腫は、依然として全く一般的である。例えば、55,000例の非ホジキンリンパ腫(NHL)を含めて、米国において60,000人以上の人々が毎年リンパ腫と診断されており、これらの数は絶えず増大つつある。さらに、リンパ腫患者に関する生存率は依然として低いので、これらの疾患に罹患した者の予後はしばしば不十分である。これらの疾患を治療するための新しい方法が必要とされているのは明らかである。
リンパ腫の伝統的治療は、典型的にはリンパ腫の型ならびに患者の医療歴によっているが、しかし多数のリンパ腫に関する最前線治療は、典型的には化学療法を含む。このような化学療法はしばしば、化合物の「カクテル」、例えばシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニソンを含む処方物CHOPの投与を伴う。さらに、ある種の最前線癌治療は、その他の形態の癌療法、例えば放射線療法も含む。
多くの症例において、患者は最初にこのような最前線治療に応答するが、しかしその後、再発を蒙り、即ち腫瘍が再出現するかまたは増殖を再び始める。このような再発後、患者はしばしばさらなる化学療法で、例えばCHOPまたはその他の処方物で治療され、あるいはいくつかの症例では、患者はその他の手法、例えば骨髄移植により治療される。さらに、多くの症例では、患者は最初はこのような付加的治療に応答するが、しかしその後、もう1回の再発を蒙る。概して、患者が蒙る再発が多いほど、その後の最適治療に関して当業界に存在する合意は低い。他の症例では、最初でさえ、患者は治療に全く応答できず、したがって、難治性癌を有するといわれる。このような場合はさらに、その後の最適治療に関する当業界での合意はほとんど存在しない。
「ビンカアルカロイド」と呼ばれる植物のニチニチソウ(Vinca rosenツルニチニチソウ)から単離されるアルカロイドは、多数の種類のリンパ腫、白血病およびその他の癌の最前線治療に有効であることを立証している。このようなビンカアルカロイドの1つであるビンクリスチンは、一般的化学療法処方物CHOP中に含まれる。微小管を解重合し、それにより細胞増殖を抑制するビンクリスチンは、CHOP中でその遊離形態で投与される。リポソーム封入ビンクリスチンが報告されている(例えば、米国特許第5,741,516号または米国特許第5,714,163号参照)。特に、これらの特許は、コレステロールの他に、ホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンまたはスフィンゴミエリン中に封入されるビンクリスチンの使用を考察する。しかしながら、この技法の臨床的適用の成功は、まだ達成されていない。実際、多数の理論的および実際的不確実性、例えば生物分布、毒性および効能に関する不確実性が残存する。
脂質封入薬処方物は、伝統的薬剤送達法を上回る利点を提供し得る。例えば、いくつかの脂質ベースの処方物は、in vivoでのより長い半減期、優れた組織ターゲッティングおよび毒性低減を提供する。脂質ベースの薬剤送達ビヒクルの処方物に関しては、多数の方法が記載されている(例えば、米国特許第5,741,516号参照)。しかしながら、このようなリポソーム封入ビンカアルカロイド処方物が以前の治療を上回る任意の利点を提供するということを実証した研究はない。このようなものとして、これらの疾患を治療するための新規の方法に対する当業界における必要性は依然として存在する。
発明の要約
リポソーム封入ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンは、新形成の最前線治療に、ならびに再発形態の新形成の治療のために、特にリンパ腫、例えば非ホジキンリンパ腫のために特に有用である、ということがここに発見された。したがって、本明細書中では、これらのおよびその他の癌の治療のための方法が提供される。
一局面では、本発明は、哺乳類における再発癌の治療方法であって、リポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を哺乳類に投与することを包含する方法を提供する。一態様では、再発癌は非ホジキンリンパ腫である。
別の局面では、本発明は、患者における非ホジキンリンパ腫の治療方法であって、リポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を患者に投与することを包含する方法を提供するが、この場合、組成物はカルジオリピンを含有しない。
一態様では、非ホジキンリンパ腫は、攻撃的NHL、形質転換NHL、軽度悪性度NHL、再発NHL、難治性NHL、低分化型非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、外套細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、NK細胞リンパ腫、散在性大型B細胞リンパ腫および急性リンパ芽球性リンパ腫から成る群から選択される一成員である。
一態様では、ビンカアルカロイドは、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンまたはビンデシンである。別の態様では、リポソームは、ジステアロイルホスファチジルコリンまたはスフィンゴミエリンを含む。別の態様では、リポソームはコレステロールをさらに含む。別の態様では、リポソームはpH勾配を含む。別の態様では、リポソームの内側のpHは、外側のpHより低い。
別の態様では、哺乳類はヒトである。別の態様では、哺乳類は予め少なくとも1回の化学療法処置を受けている。別の態様では、化学療法処置は、遊離形態のビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンまたはビノレルビンの投与を包含した。他の態様では、化学療法処置は、アントラサイクリン含有組合せ療法を含んだ。このような一態様では、アントラサイクリンはドキソルビシンであった。別の態様では、哺乳類は、癌の再発前に化学療法に対する部分または完全応答を示した。別の態様では、再発は二次再発である。
別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは静脈内送達により全身に投与される。別の態様では、リポソーム封入ビンクリスチンは、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニソンと同時投与されて、CHOP(またはこの場合は、「リポ−CHOP」)を形成する。別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、少なくとも1つの付加的抗腫瘍薬と同時投与される。別の態様では、付加的抗腫瘍薬は、抗腫瘍モノクローナル抗体、例えばオンコリム(商標、Oncolym)、リツキサン(商標、Rituxan)またはベキサール(商標、Bexxar)である。別の態様では、付加的抗腫瘍薬は、アンチセンス薬または抗腫瘍ワクチンである。別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、神経毒に対する予防的または治療的処置、例えばニューロンチン(商標、Neurontin)、ガバペンチン(ニューロトニン)とともに同時投与される。
別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、7〜21日毎に1回、好ましくは14日毎に1回、哺乳類に投与される。別の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、約1.4〜約2.4 mg/m2の範囲内の用量で投与される。
本発明は、癌の慣用的治療方法に関する改善を提供する。特に本発明は、哺乳類における攻撃的、再発性、形質転換化、軽度悪性度または難治性リンパ腫の治療方法を提供し、改善は、リポソーム封入ビンカアルカロイド、例えばビンクリスチン(またはその他のリポソーム封入治療薬)を哺乳類に投与することを包含する。さらに本発明は、非ホジキンリンパ腫の最前線治療に用いるための改良型組合せ化学療法のための基礎を提供する。
本明細書中に記載した処方物を、そして本明細書中に記載した処方物を調製するために、それらの使用のための使用説明書を含むキットも含まれる。
本発明は、非ホジキンリンパ腫を含めた新形成の治療のための薬剤の調製におけるリポソーム封入ビンカアルカロイドの使用も提供する。ある種の使用においては、ビンカアルカロイドは、例えば、約2.4〜約3.4 mg/m2の用量で薬剤中に存在し、7〜21日毎に、最も好ましくは14日毎に1回投与される。
図1は、特に軽度悪性度、形質転換化、再発性および攻撃的骨髄移植(BMT)後形態の非ホジキンリンパ腫の治療における方法の効力に関して、本明細書中に記載した方法を用いた臨床試験に関する結果を提供する。 図2は、特に従来の養生法群の効果に関して、再発性攻撃的NHLにおけるリポソームビンクリスチンに対する応答に関する結果を提供する。
定義
「新形成」とは、本明細書中で用いる場合、細胞のあらゆる異常成長、腫瘍、悪性滲出、疣、ポリープ、非固形腫瘍、嚢胞およびその他の成長を指す。新形成の部位は種々の細胞型を含有し、その例としては、新生物形成細胞、血管内皮または免疫系細胞、例えばマクロファージおよび白血球等が挙げられるが、これらに限定されない。
哺乳類における「癌」とは、細胞の異常非制御化成長により引き起こされる多数の症状のいずれかを指す。「癌細胞」と呼ばれる癌を引き起こし得る細胞は、非制御増殖、不朽性、転移能、急速な成長および増殖、ならびにある種の典型的形態学的特徴といった多数の特徴的特性を保有する。しばしば、癌細胞は腫瘍の形態であるが、しかしこのような細胞は哺乳類内に単独でも存在し得るし、あるいは非腫瘍形成性癌細胞、例えば、白血病細胞でもあり得る。癌は、多数の方法のいずれかで検出され、その例としては単数または複数の腫瘍の存在の検出(臨床的または放射線的手段)、腫瘍内のまたは別の生物試料から(例えば組織生検から)の細胞の検査、癌を示す血液マーカー(例えば、CA125、PAP、PSA、CEA、AFP、HCG、CA19-9、CA15-3、CA27-29、LDH、NSE他)の測定、ならびに癌を示す遺伝子型(例えば、TP53、ATM等)の検出が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、1以上の前記の検出方法における陰性結果は、癌の不存在を必ずしも示さず、例えば癌治療に対する完全応答を示した患者は、その後の再発により立証されるように依然として癌を有し得る。
「全身送達」とは、本明細書中で用いる場合、生物内の化合物の広範な生分布をもたらす送達を指す。全身送達とは、有用な、好ましくは療法的量の化合物が身体のほとんどの部分に露呈されることを意味する。広範な生分布を得ることは、一般的には、疾患部位に達する前に化合物が迅速に分解または清掃されない(例えば一次通過器官(肝臓、肺等)により、または迅速非特異的細胞結合により)ような導入経路を必要とする。リポソーム封入ビンカアルカロイドの全身送達は、好ましくは静脈内送達により得られる。
「リンパ腫」とは、リンパ系におけるBまたはT細胞の悪性成長を指す。「リンパ腫」は、多数の型の悪性成長、例えばホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む。「非ホジキンリンパ腫」とは、ホジキンリンパ腫(例えば癌性領域におけるリード−スターンバーグ細胞の存在により特性化される)でないリンパ系におけるBまたはT細胞の悪性増殖を指す。非ホジキンリンパ腫は、29を上回る型のリンパ腫を包含し、それらの区別は、癌細胞の型に基づいている。特定の分類は、ワーキング公式化、ラッパポート分類およびREAL分類といった用いられる分類の特定の系によっている。好ましい態様では、REAL分類が用いられる。
「再発癌」またはリンパ腫とは、前の治療に応答した前の完全または部分寛解後に再発した癌またはリンパ腫を指す。再発は、臨床的、放射線学的または生化学的検定により、あるいは癌マーカーのレベル増大により検出されるような腫瘍の再出現または再成長を含めたあらゆる方法で限定され得る。前の治療としては、化学療法、放射線療法および骨髄移植が挙げられるが、これらに限定されない。
「軽度悪性度」非ホジキンリンパ腫は、緩徐成長形態のリンパ腫を含む一分類である。それらは、ワーキング公式化において低分化型と呼ばれるものおよび中等度分化型NHLのいくつかの部類を包含する。軽度悪性度NHLは、時としては、慣用的癌療法、例えば化学療法および放射線療法に応答しない。
「形質転換化」非ホジキンリンパ腫は、攻撃的局面を獲得し、標準化学療法により応答性になる軽度悪性度NHLを説明するために時として用いられる一分類である。
「難治性癌」または「難治性リンパ腫」を有する患者は、組合せ化学療法のそれらの一次経過において完全寛解を達成できなかった者であるか、あるいはその後の化学療法において完全または部分寛解を達成できなかった患者である。「原発性難治性」患者は、一次治療でも完全寛解を達成できなかった者である。
「安定疾患」とは、療法が、通常の臨床的、放射線学的および生化学的手段により測定した場合に単数または複数の腫瘍の成長または蔓延の休止をもたらす状態であるが、しかし単数または複数の腫瘍のサイズまたは有病率の退行または低減は認められず、即ちサイズおよび重症度を低減または増大していない癌である。
「部分応答」または「部分寛解」とは、治療に応答した腫瘍サイズおよび/または癌マーカーレベルにより測定した場合の、癌性状態の改善を指す。典型的には、「部分応答」とは、腫瘍または腫瘍指示血液マーカーが治療に応答してサイズまたはレベルを50%低減したことを意味する。治療は癌に対して向けられる任意の治療であり得るが、しかし典型的には化学療法、放射線療法、ホルモン療法、外科手術、細胞または骨髄移植、免疫療法他が挙げられる。腫瘍のサイズは、臨床的または放射線学的手段により検出し得る。腫瘍指示マーカーは、当業者に周知の手段により、例えばELISAまたはその他の抗体ベースの検定により検出し得る。
「完全応答」または「完全寛解」とは、例えば腫瘍サイズおよび/または癌マーカーレベルにより測定した場合、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、外科手術、細胞または骨髄移植あるいは免疫療法といった治療後に癌性状態が消失したことを意味する。腫瘍の存在は、臨床的または放射線学的手段により検出し得る。腫瘍指示マーカーは、当業者に周知の手段により、例えばELISAまたはその他の抗体ベースの検定により検出し得る。「完全応答」とは、完全応答の後に再発が起こり得るので、癌が治癒されたことを必ずしも示さない。
「化学療法」とは、癌細胞の成長、増殖および/または生存を抑制する化学的作用物質の投与を指す。このような化学的作用物質は、しばしば、細胞の成長または分裂に必要な細胞内過程に向けられ、したがって、一般的に急速に成長し、分裂する癌性細胞に対して特に有効である。例えば、ビンクリスチンは微小管を解重合し、したがって細胞が有糸分裂に入るのを阻害する。概して、化学療法は、癌性細胞または癌性になると思われる細胞を阻害し、または阻害するよう意図されたあらゆる化学的作用物質を含み得る。このような作用物質はしばしば、組合せて、例えば処方物CHOP中で投与され、そしてしばしば最も有効である。
「放射線療法」とは、癌を有する動物への放射能の投与を指す。放射線は分裂中の細胞、例えば癌細胞を殺害するかまたはその成長を阻害する。
「外科手術」とは、動物からの細胞の、例えば癌細胞の直接除去または切除である。最もしばしば、癌細胞は腫瘍(例えばリンパ腫に起因する)の形態であり、これは動物から除去される。
「ホルモン療法」とは、細胞に及ぼすマイトジェン作用を有するホルモン、例えばエストロゲンまたはアンドロゲンを妨害するかまたは阻害する化合物の投与を指す。しばしば、これらのホルモンは、in vivoでの癌細胞の癌性特性を増大するよう作用する。
「免疫療法」とは、動物体内の癌細胞を破壊する動物の免疫系の能力を強化する方法を指す。
「遊離形態」治療薬、または「遊離治療薬」とは、リポソームに封入されていない治療薬を指す。普通は、薬剤は別記しない限り、「遊離」しているかまたは「遊離形態」であると考えられる。遊離形態のビンカアルカロイドは、しかしながら、他の試薬、例えば他の化学療法的化合物、製剤担体または錯化作用物質と組合せても存在し得る、即ち、本用語は、本明細書中で用いる場合、ビンカアルカロイドの脂質処方物を特定的に除外するだけである。
発明の詳細な説明および好ましい態様
本発明は、患者における新形成の治療方法を提供する。本発明は、リポソーム封入ビンカアルカロイドが種々の形態のリンパ腫の治療に非常に有効である、という発見に基づいている。特に、リポソーム封入ビンカアルカロイドの投与はリンパ腫患者の生存中央値を増大する、という驚くべき発見がなされた。特に好ましい態様では、スフィンゴミエリンおよびコレステロールベースのリポソーム中に封入されたビンクリスチンは、非ホジキンリンパ腫、特に再発形態の非ホジキンリンパ腫(NHL)の治療に用いられる。本発明は、とりわけ、軽度悪性度、形質転換化および攻撃的形態のNHLの治療方法も提供する。
しばしば、再発性、軽度悪性度、形質転換化および攻撃的形態の非ホジキンリンパ腫のこのような治療は、少なくとも1回の一次抗癌治療、例えば化学療法および/または放射線療法と、その後の少なくとも1つの治療に対する少なくとも1回の部分または完全応答後に投与される。他の態様では、リポソームビンカアルカロイドは、最前線治療として投与される。これらの態様のいずれかにおいて、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、単一作用物質としてまたは組合せ療法で提供し得る。
本発明はさらに、低減化毒性による固形および非固形腫瘍の治療のためのリポソームビンカアルカロイドの用量および投与計画を提供する。
I.脂質封入ビンカアルカロイドにより治療可能な癌
本明細書中に記載した方法は、あらゆる型の癌を治療するために用い得る。特にこれらの方法は、血液およびリンパ系の癌、例えばリンパ腫、白血病および骨髄腫に適用し得る。
好ましい態様では、本発明の方法は、多数のリンパ腫のいずれかを治療するために用いられる。例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫はともに、本明細書中に記載した方法を用いて治療し得る。特に好ましい態様では、当該方法は、種々の分類系のいずれか、例えばワーキング公式化、ラッパポルト分類および好ましくはREAL分類により限定されるようなあらゆる型のNHLを含めた非ホジキンリンパ腫(NHL)を治療するために用いられる。このようなリンパ腫としては、低分化型、中等度分化型、高分化型リンパ腫、ならびにB細胞およびT細胞リンパ腫が挙げられるが、これらに限定されない。これらの範疇に含まれるのは、種々の型の小細胞、大細胞、分割細胞、リンパ球性、濾胞性、散在性、バーキット、外套細胞、NK細胞およびCNS、AIDS関連、リンパ芽球、成人リンパ芽球、軽度悪性度、攻撃的、形質転換化およびその他の型のリンパ腫である。本発明の方法は、成人または小児期形態のリンパ腫、ならびに任意の段階での、例えばI、II、IIIまたはIV期のリンパ腫のために用い得る。種々の型のリンパ腫は当業者には周知であり、例えばAmerican Cancer Society(例えば、www3.cancer.org参照)により記載されている。
本明細書中に記載した方法は、好ましくはあらゆる形態の白血病、例えば成人および小児期形態の疾患にも適用される。例えば、任意の急性、慢性、骨髄性およびリンパ球性形態の疾患を、本発明の方法を用いて治療し得る。好ましい態様では、本方法は急性リンパ性白血病(ALL)を治療するために用いられる。種々の型の白血病についてのさらなる情報は、中でもLeukemia Society of Americaから見出し得る(例えば、www.leukemia.org参照)。
別の型の腫瘍、例えば神経芽細胞腫、骨髄腫、前立腺癌、小細胞肺癌他も、本明細書中に記載した方法を用いて治療し得る。
II.最前線治療
本発明の多数の態様において、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、癌の最前線治療として用いられる。好ましい態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫を治療するために用いられる。本明細書中で用いる場合、「最前線治療」とは、再発性または難治性癌と対照をなして、癌を呈示する患者のための一次治療を指す。
このような態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、単独で、あるいは好ましくは他の化学療法薬、例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニソンと組合せて用い得る。特に好ましいのは、リポソーム封入ビンクリスチンをシクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニソンとともに用いて、それにより改良型リポソームCHOP処方物(「リポ」−CHOP)を生成することである。
最前線治療における単一作用物質として用いられる場合、用量および投与計画は、好ましくは再発癌のための単一作用物質治療と同一である。組合せ養生法で用いられる場合、用量および投与計画は、組合せのための好ましい養生法に対応するよう変更し得る。
III.再発性または難治性形態の疾患
本発明の方法は、原発性、再発性、形質転換化または難治性形態の癌を治療するために用い得る。しばしば、再発癌患者は、化学療法、放射線療法、骨髄移植、ホルモン療法、外科手術等を含めた1以上の処置を施されている。このような治療に応答する患者の中で、彼等は安定疾患、部分応答(即ち、腫瘍または癌マーカーレベルは少なくとも50%減少する)または完全応答(即ち、腫瘍ならびにマーカーは検出不可能になる)を示し得る。これらのシナリオのいずれかにおいて、癌はその後再出現し、癌の再発を示し得る。
ある態様では、本明細書中で提供される方法は、癌の治療を1回受けたことのある患者は、このような治療に部分的にまたは完全に応答し、その後再発を蒙っている。その他の態様では、1回より多い治療を受けたことがあり、1回より多く応答し、その後1回より多く再発を蒙ったことのある患者が治療される。以前の治療コースには、任意の抗癌治療、例えば化学療法、放射線療法、骨髄移植等が含まれる。
本発明のある種の態様では、リポソームアルカロイドが、「耐性」癌、即ち治療に対する完全応答を前に示したことがあるが、しかしその後、第2回またはその後の治療に対する耐性を示す癌に対して用いられる。
IV.ビンカおよびその他のアルカロイド
本発明は、天然アルカロイド、例えばビンカアルカロイド、あるいは天然アルカロイドの任意の合成誘導体の使用を含み得る。ビンカアルカロイドとしては、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンドリン、ビンデシン、ビンロイロシン、ビンロシジン、ビンオレルビンまたはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよびビンドリンに関しては、Merck Index, 11th Edition(1989)entries 9887、9891及び9893参照)。その他の適切なアルカロイドの例としては、ポドフィリン、ポドフィロトキシンおよびそれらの誘導体(例えば、エトポシド、エトポシドホスフェート、テニポシド等)、カンプトテシン(例えば、イリノテカン、トポテカン等)、タキサン(タキソール等)およびそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。前記の化合物はすべて、当業者には周知であり、市販供給元から、合成により、または天然供給源からの精製により容易に入手可能である。
好ましい態様では、本発明に用いられるビンカアルカロイドは、ビンクリスチンである。リューロクリスチンスルフェート、22−オキソビンカロイコブラスチン、キョークリスチン、ビンコシド、ビンクレックス、オンコビン、ビンカサルPFS(登録商標)またはVCRとしても知られているビンクリスチンは、多数の供給元、例えばPharmacia & Upjohn、Lilly、IGT等のいずれかから市販されている。それはしばしば、ビンクリスチンスルフェートとして、例えば1 mg/mL溶液として供給される。
本発明は、単一ビンカアルカロイドまたは多重同時投与ビンカアルカロイドの使用を包含し得る。さらに、1以上のビンカアルカロイドは、その他の化合物または分子、例えばその他の抗腫瘍薬と併用し得る。ある種の態様では、ビンカアルカロイドおよび/またはその他の化合物のこのような組合せはリポソーム処方前になされ、それにより単一リポソーム内の組合せを作製し得る。他の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドが処方され、その後、それら自体は遊離形態またはリポソーム封入し得る他の分子と組合される。
リポソーム封入アルカロイドを含めた本明細書中に記載したあらゆる治療薬は、ヒト疾患の周知のモデルにおける前臨床試験を施すことができる。ヒトリンパ腫のin vivoモデルとしては、非ホジキンB細胞株DoHH2を保有するマウス(Kluin-Nelemans HC, et al.(1991)Leukemia 5(3)221-224)、あるいはDaudiまたはRaji細胞異種移植片を保有するマウス(例えば、Hudson, WA et al.(1998)Leukemia 12(12):2029-2033参照)が挙げられる。多数のその他の腫瘍学的モデルも用い得るし、当業者に周知である。
V.脂質
本発明のリポソームを調製するために、両親媒性、中性、陽イオン性および陰イオン性脂質を含めた多数の脂質の任意のものを用い得る。このような脂質は単独でまたは組合せて用い得るし、二層安定化化合物、例えばポリアミドオリゴマー(例えば、Ansellによる米国特許出願「Polyamide Oligomers」、米国特許第号09/218,988(1998年12月22日提出)参照)、ペプチド、タンパク質、洗剤、脂質誘導体、例えばホスファチジルエタノールアミンと結合したPEGおよびセラミドと連結したPEG(米国特許第号08/485,608参照)も含み得る。好ましい態様では、宿主免疫系によるリポソームの排除を低減する隠蔽剤、例えば、ポリアミドオリゴマー複合体、例えばATTA−脂質(米国特許出願第08/996,783号(1998年2月2日提出)参照)、およびPEG−脂質複合体(米国特許出願第08/486,214号、08/316,407号および08/485,608号参照)も含み得る。
生理学的pHで非荷電または中性両イオン性形態のいずれかで存在する多数の脂質種のいずれかに属する多数の中性脂質の任意のものを含み得るが、その例としては、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、コレステロール、セレブロシドおよびジアシルグリセロールが挙げられる。
好ましい態様では、用いられる脂質はスフィンゴミエリンである。特に好ましい態様では、脂質はスフィンゴミエリンおよびコレステロールを包含する。このような態様では、スフィンゴミエリン対コレステロールの比は、典型的には約75/25(スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)〜約50/50(スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)、好ましくは約70/30〜55/45(スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)、最も好ましくは約55/45(スフィンゴミエリンのmol%/コレステロールのmol%)である。しかしながら、このような比は本発明の処方物中への他の脂質の付加により変えることができる。
生理学的pHで正味陽性電荷を保有する陽イオン性脂質は、本発明で用いるためにリポソーム中に容易に組み入れ得る。このような脂質としては、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル−N,N−N−トリエチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」);N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」);3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル)コレステロール(「DC−Chol」)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオルアセテート(「DOSPA」)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(「DOGS」)、1,2−ジオレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(「DOPE」);ならびにN−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DM」IE」)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、陽イオン性脂質の多数の市販調製物、例えばLIPOFECTIN(DOTMAおよびDOPE(GIBCO/BRLから得られる)を含む)、LIPOFECTAMINE(DOSPAおよびDOPE(GIBCO/BRLから得られる)を含む)ならびにTRANSFECTAM(エタノール中のDOGS(Promega Corp. から得られる)を含む)を用い得る。
本発明に用いるのに適した陰イオン性脂質としては、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロールおよび中性脂質と結合するその他の陰イオン性改質基が挙げられるが、これらに限定されない。
多数の態様において、両親媒性脂質が用いられる。「両親媒性脂質」とは、脂質物質の疎水性部分が疎水性相に配向し、一方、親水性部分が水性相に向けて配向する任意の適切な物質を指す。このような化合物としては、リン脂質、アミノ脂質およびスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。代表的リン脂質としては、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リソホスファチジルコリン、リソホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリンまたはジリノレオイルホスファチジルコリンが挙げられる。その他の無リン化合物、例えばスフィンゴ脂質、グリコスフィンゴ脂質族、ジアシルグリセロールおよびβ−アシルオキシ酸も用い得る。さらに、このような両親媒性脂質は、他の脂質、例えばトリグリセリドおよびステロールと容易に混合し得る。
本発明に用いられるリポソームは、本明細書中に開示した方法および当業者に既知の他の方法を用いて形成し得る多重膜または単膜性であり得る。
さらに本発明に含めるのに適しているのは、プログラム可能な融合脂質処方物である。このような処方物は、細胞膜と融合する傾向をほとんど有さず、所定のシグナルイベントが起こるまで、それらのペイロードを送達する。これは、それが細胞との融合を開始する前に生物体または疾患部位への注射後に脂質処方物をより均一に分布させる。シグナルイベントは、例えば、pH、温度、イオン環境または時間の変化であり得る。後者の場合、融合遅延または「隠蔽(cloaking)」構成成分、例えばATTA−脂質複合体またはPEG−脂質複合体は、時間中にリポソーム膜の外に簡単に交換し得る。処方物は身体中に安定に分布されるまでには、融合性であるよう十分な隠蔽剤を失っている。他のシグナルイベントに関しては、疾患部位または標的細胞に関連したシグナル、例えば炎症の部位での温度増大を選択するのが望ましい。
VI.リポソーム作製
例えば、以下に記載されているように、リポソームを調製するためには種々の方法が利用可能である:Szoka他、「Ann. Rev. Biophys. Bioeng.」9:467(1980)、米国特許第4,186,183号、第4,217,344号、第4,235,871号、第4,261,975号、第4,485,054号、第4,501,728号、第4,774,085号、第4,837,028号、第4,946,787号、PCT公開WO91/17424号、Deamer及びBangham「Biochim. Biophys. Acta」443:629-634(1976);Fraley他、「Proc. Natl. Acad. Sci. USA」76:3348-3352(1979);Hope他、「Biochim. Biophys. Acta」812:55-65(1985);Mayer他、「Biochim. Biophys. Acta」858:161-168(1986);Williams他、「Proc. Natl. Acad. Sci.」85:242-246(1988);「the text Liposomes」Marc J. Ostro編、Marcel Dekker, Inc., New York, 1983, Chapter 1およびHope他、「Chem. Phys. Lip.」40:89(1986)(これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。適切な方法としては、音波処理、押出、高圧/均質化、微小流動化、洗剤透析、小リポソーム小胞のカルシウム誘導性融合およびエーテル注入法が挙げられ、これらはすべて当業界で周知であるが、これらに限定されない。
一方法は、異種類サイズの多重膜小胞を生成する。この方法では、小胞形成脂質は、適切な有機溶媒または溶媒系中に溶解され、真空下でまたは不活性気体下で乾燥されて、薄い脂質皮膜を形成する。所望により、皮膜は適切な溶媒中に、例えば第三級ブタノール中に再溶解され、次に凍結乾燥されて、より容易に水和される粉末様形態であるより均質な脂質混合物を生成する。この皮膜は、水性緩衝化溶液で被覆されて、撹拌しながら典型的には15〜60分間かかって水和される。結果的に生じる多重膜小胞のサイズ分布は、より激しい撹拌条件下で脂質を水和することにより、または可溶化洗剤、例えば、デオキシクロレートを添加することにより、より小さいサイズに向かってシフトし得る。
単膜小胞は、音波処理または押出により調製され得る。音波処理は一般に、氷浴中で先端音波発生器、例えばBranson先端音波発生器を用いて実行される。典型的には、懸濁液は数回音波処理を施される。押出は、生体膜押出器、例えばLipex生体膜押出器により実施し得る。押出フィルターの限定孔サイズは、特定サイズの単膜リポソーム小胞を生成し得る。リポソームは、不斉セラミックフィルター、例えばNorton Company, Worcester MAから市販されているCeraflowマイクロフィルターを通した押出によっても生成し得る。単膜小胞は、エタノール中にリン脂質を溶解し、次に緩衝液中に脂質を注入して、脂質に単膜小胞を自発的に生成させることによっても作製し得る。さらに、リン脂質は、洗剤、例えばコレート、トリトンXまたはn−アルキルグルコシド中に可溶化し得る。可溶化脂質−洗剤ミセルへの薬剤の添加後、洗剤は多数の考え得る方法、例えば透析、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィー、遠心分離および限外濾過のいずれかにより除去される。
リポソーム調製後、生成中にある大きさに作られなかったリポソームは所望のサイズ範囲および相対的に狭いリポソームサイズ分布を達成するようなサイズにし得る。約0.2〜0.4μのサイズ範囲が、慣用的フィルターを通した濾過によりリポソーム懸濁液を滅菌化させる。フィルター滅菌法は、リポソームが約0.2〜0.4μにサイズダウンされた場合に、高スループットに基づいて実施し得る。
所望のサイズにリポソームをサイジングするために、いくつかの技法が利用可能である。一つのサイジング方法は、米国特許第4,737,323号に開示されている(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。浴音波処理またはプローブ音波処理によるリポソーム懸濁液の音波処理は、約0.05μ未満のサイズの小単膜小胞に漸進的サイズ低減を生じる。均質化は、大型リポソームを小型リポソームに断片化するために剪断エネルギーによるもう一つの方法である。典型的均質化手法では、多重膜小胞は、典型的には約0.1〜0.5μの選定リポソームサイズが観察されるまで、標準乳濁液ホモジナイザーを通して再循環される。リポソーム小胞のサイズは、Bloomfield「Ann. Rev. Biophys. Bioeng.」10:421-450(1981)(この記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)に記載されているような準電気的光散乱(QELS)により確定し得る。平均リポソーム直径は、生成リポソームの音波処理により低減し得る。間欠性音波処理サイクルは、効率的リポソーム合成を押し進めるためにQELS査定により変更し得る。
小孔ポリカーボネート膜または不斉セラミック膜によるリポソームの押出も、相対的に十分限定されたサイズ分布にリポソームサイズを低減するための有効な一方法である。典型的には、懸濁液は所望リポソームサイズ分布が達成されるまで、1以上の回数、膜を通して循環される。リポソームは、継続的に小孔膜を通して押し出されて、リポソームサイズの漸減を達成し得る。本発明に用いるためには、約0.05μ〜約0.40μのサイズ範囲を有するリポソームが好ましい。特に好ましい態様では、リポソームは約0.05〜約0.2μである。
好ましい態様では、当業者に既知の慣用的方法を用いて空リポソームが調製される。
典型的には、以下で考察するように、本発明に用いられるリポソームは膜貫通能を含み、それにより抗新生物剤、例えばビンカアルカロイドがリポソームに有効に負荷され、保持される。好ましい態様では、その能力は、膜の内外にpH勾配を作ることにより実行される。特に好ましい態様では、pHはリポソームの内側では外側より低い。このような勾配は、例えば低pHを有する、例えば約2〜約6のpHを有する緩衝液の存在下でリポソームを処方し、その後リポソームをより高いpH溶液に移すことにより達成される。好ましい態様では、pHは約3〜5であり、最も好ましい態様では、pHは約4である。多数の緩衝液のあらゆるもの、例えばクエン酸塩を用い得る。
その後、サイジングの前または後に、適切な緩衝液、例えばリン酸ナトリウム緩衝液の添加により、外部pHは、例えば約7または7.5に上げることができる。外部pHの上昇は、リポソーム膜内外にpH勾配を作り、それにより効率的な薬剤の添加および保持を促進する。
これらの方法により調製されるリポソームは、患者への薬剤の負荷および投与前の相当な期間中、保存し得る。例えば、リポソームは、脱水され、貯蔵され、その後再水和されて、1以上のビンカアルカロイドを負荷され、投与される。脱水は、例えば標準凍結乾燥装置を用いて成し遂げられ、即ちそれらは低圧条件下で脱水される。さらに、リポソームは、脱水前に、例えば液体窒素中で凍結し得る。糖が、脱水前にリポソーム環境に、例えばリポソームを含有する緩衝液に添加され、それにより脱水中のリポソームの完全性を促進する(例えば、米国特許第5,077,056号または第5,736,155号参照)。
多数の態様において、空リポソームは、先ず低pH緩衝液中で処方され、次に所望サイズのリポソームを得るための種々の方法の1つで操作される。リポソームのサイジング方法としては、浴またはプローブによる音波処理、あるいは均質化が挙げられる。好ましくは、このような処理後、リポソームは約0.05〜0.45μである。最も好ましくは、リポソームは約0.05〜約0.2μである。このようにサイズ化されたリポソームは、次に濾過により滅菌し得る。さらに、慣用的レーザー光線粒子サイズ識別等により、粒子サイズ分布をモニタリングし得る。さらに、相対的に十分限定されたサイズ分布へのリポソームサイズの低減方法、例えば、小孔ポリカーボネート膜または不斉セラミック膜を通す1回以上のリポソームの押出が知られている。
VII.リポソーム封入ビンカアルカロイドの調製
多数の方法のいずれかを用いて、ビンカアルカロイドおよび/またはその他の薬剤をリポソームに負荷し得る。このような方法としては、例えば封入法および膜貫通能負荷法が挙げられる。一般的には、このような方法の後、ビンカアルカロイドは約0.1 mg/mL〜約0.5 mg/mlで存在する。好ましくはビンカアルカロイドは、約0.15〜0.2 mg/mLで存在する。
一つ封入技法では、薬剤およびリポソーム構成成分は、すべての種が混和性で、乾燥皮膜に濃縮される有機溶媒中に溶解される。次に緩衝液が乾燥皮膜に添加され、小胞壁中に組み入れられた薬剤を有するリポソームが形成される。あるいは、薬剤は緩衝液中に入れられて、脂質構成成分のみの乾燥皮膜に添加される。この様にして、薬剤はリポソームの水性内部に封入されるようになる。リポソームの形成に用いられる緩衝液は、例えば等張生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水またはその他の低イオン強度緩衝液の任意の生物学的相溶性緩衝溶液であり得る。結果的に生じるビンカアルカロイドを包含するリポソームは次に、前記のようにサイジングし得る。
膜貫通能負荷は、米国特許第4,885,172号、第5,059,421号、第5,171,578号および第5,837,282号(イオノフォア負荷を教示する)に詳細に記載されている(これらの記載内容は各々、参照により本明細書中に含まれる)。要するに、膜貫通能負荷法は、適切な水性媒質中に溶解された場合に、荷電状態で存在し得る本質的にあらゆる慣用的薬剤に関して用い得る。好ましくは、それがリポソーム膜に分配するよう、薬剤は相対的に親油性である。膜貫通能は、二層のリポソームまたはタンパク質−リポソーム複合体を横切って生じ、薬剤は膜貫通能によりリポソーム中に負荷される。膜貫通能は、膜の内外の1以上の荷電種(例えば、Na+、K+および/またはH+)に関する濃度勾配を生じさせることにより生成される。この濃度勾配は、異なる内部および外部媒質を有するリポソームを産生することにより生成され、会合陽子勾配を有する。次に、Henderson-Hasselbach方程式により予測されたように、薬剤蓄積が起こり得る。
本発明に用いるためのリポソーム封入ビンカアルカロイドを調製するための好ましい方法は、例えば米国特許第5,741,516号、第5,814,335号および第5,543,152号に考察されている(これらの各々はInex Pharmaceuticals Corp.に譲渡されており、これらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる)。好ましい態様では、リポソームビンカアルカロイドは、3つ以上のバイアルを含むキットからの使用の前に調製される。少なくとも1つのバイアルは、例えば例えば100または200 mg/mLマンニトール(例えばSP Pharmaceuticals LLC, Albuquerque, NMから得られる。製薬上許容可能である、そしてビンクリスチンが長時間安定であるその他の賦形剤も用い得る。)および酢酸ナトリウムを含有し、pH3.5〜5.5、好ましくはpH4.5〜pH4.7に調整された緩衝液中に例えば1 mg/mL、2 mg/Mlまたは5 mg/mL硫酸ビンクリスチンを含有するビンクリスチン溶液を含有する。バイアルの1つは、スフィンゴミエリンおよびコレステロール(各々、例えばNEN Life Sciences, Avanti Polar Lipids等から市販されている)から成るリポソームを含有し、例えばpH4.0の300mMクエン酸塩緩衝液中に懸濁された溶液を含入する。別の単数または複数のバイアルは、アルカリ性リン酸塩緩衝液(例えば、pH9.0)、例えば二塩基性リン酸ナトリウム、14.2 mg/ml(20 ml/バイアル)を含有する。
その他の好ましい態様では、特許請求されるリポソーム封入ビンクリスチンを処方するために用い得る構成成分を含入する2つのバイアルを含有するキット、あるいは予備負荷ビンクリスチンを包含するリポソームの安定調製物を含有する1つのバイアルを含有するキットが用いられる。このような安定調製物は多数の方法のうちのいずれかにより成し遂げられ、その例としては、(1)周囲温度で貯蔵されるかまたは冷蔵される、そして化学的安定性を強化するための1以上の変法または構成成分を有する水和調製物、例えば酸化防止剤、(2)凍結された、そして凍結/融解誘導性損害から保護するために適切な賦形剤を含む水和調製物、あるいは(3)凍結乾燥調製物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、前記のキットのいずれかは、使用のための使用説明書ならびに浄化用使い捨て物質も含有する。
リポソームを調製するために、硫酸ビンクリスチンおよびリポソーム溶液は各々、適切な濃度比、例えば0.01/1.0〜0.2/1.0(ビンカアルカロイド質量/脂質質量)で滅菌バイアルに添加され、混合される。混合物は、例えばバイアルを多数回反転させることにより、混合される。低pH緩衝液中でのリポソームの形成後、そしてリポソームのサイジングの前または後に、リポソームは高pHの緩衝液中、例えばリン酸ナトリウム緩衝液中に導入され、それによりリポソーム表面内外にpH勾配が作られる。好ましい態様では、リポソームの外部環境は、約pH7.0〜約pH7.5である。リポソームおよびビンカアルカロイドは、所望のアルカロイド/脂質比を達成するのに十分な時間、混合し得る。混合物は、例えば多数回反転により混合され、約55℃〜約80℃、好ましくは約60℃〜約65℃の温度で約5、10分またはそれ以上加熱し得る。このような処理は、約90%より多いビンクリスチンをリポソーム内に封入させることができる。
その他の態様では、これらの工程後に、より大規模且つ負荷リポソームビンクリスチンが、例えば即投与フォーマットで病院の薬局に供給される。このようなより大規模な処方物は、キット用に記載されたものとは異なる出発物質から調製し得る。特に、緩衝液が異なってもよい。
VIII.リポソームターゲッティング
ある態様では、細胞型または組織に特異的なターゲッティング部分を用いて、本発明のリポソームを標的化するのが望ましい。種々のターゲッティング部分、例えば配位子、細胞表面受容体、糖タンパク質、ビタミン(例えば、リボフラビン)およびモノクローナル抗体を用いたリポソームのターゲッティングは、従来記載されている(例えば、米国特許第4,957,773号および第4,603,044号参照。これらの教示内容は、参照により本明細書中に含まれる)。ターゲッティング部分は、全タンパク質またはその断片を含み得る。
ターゲッティングメカニズムは一般に、ターゲッティング部分が標的、例えば細胞表面受容体との相互作用に利用可能であるように、ターゲッティング作因がリポソームの表面に位置する必要がある。リポソームは、リポソームが形成される時点で膜にコネクター部分を組み入れるよう意図される。コネクター部分は、膜にしっかり包埋され、固定される親油性部分を有さねばならない。それは、リポソームの水性表面で化学的に利用可能な親水性部分も有さねばならない。親水性部分は、その部分と作用物質が安定な化学結合を形成するように、ターゲッティング作因に化学的に適切であるよう選択される。したがって、コネクター部分は、通常はリポソーム表面から外側に延びて、ターゲッティング作因を的確に配置するよう形造られる。いくつかの場合には、標的をコネクター部分に直接結合できるが、しかし、多くの場合、「分子架橋」として作用する第三の分子を用いるのがより適切である。架橋は、コネクター部分とリポソームの表面から出た標的作因とを連結し、それにより細胞標的との相互作用に自由に利用可能な標的作因を作製する。
標的作因を結合するための標準的方法を用い得る。例えば、標的作因の結合のために活性化し得るホスファチジルエタノールアミン、または誘導化親油性化合物、例えば脂質誘導化ブレオマイシンを用い得る。抗体−標的化リポソームは、例えばプロテインAを組み入れたリポソームを用いて構築される(Renneisen, et al., J. Bio. Chem., 265:16337-16342(1990)およびLeonetti, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2448-2451(1991)参照)。抗体複合のその他の例は、米国特許出願第08/316,394号(1994年9月30日提出)(この教示内容は、参照により本明細書中に含まれる)に開示されている。ターゲッティング部分の例は、細胞構成成分に特異的なその他のタンパク質も含み得るが、その例としては、新生物または主要に関連した抗原が挙げられる。ターゲッティング部分として用いられるタンパク質は、共有結合を介してリポソームと結合し得る(Heath「Covalent Attachment of Proteins to Liposomes, 149 Methods in Enzymology」111-119(Academic Press, Inc. 1987)参照)。その他のターゲッティング方法としては、ビオチン−アビジン系が挙げられる。
IX.脂質封入ビンカアルカロイドの投与
リポソーム封入ビンカアルカロイドは、非経口、静脈内、全身、局所、腫瘍内、筋内、皮下、腹腔内、吸入または任意のこのような送達方法を含めた多数の方法のいずれかで投与し得る。好ましい態様では、製剤組成物は、注射により静脈内に投与される。一態様では、患者は、例えば30分、60分、90分またはそれ以上の時間、流通静脈内線を介して、リポソーム封入ビンカアルカロイド(単一剤)の静脈内注入を施される。このような注入は、定期的に、例えば1、3、5、7、10、14、21または28日毎にまたはそれ以上の日数に1回、好ましくは7〜21日毎に1回、最も好ましくは14日毎に1回、施すことができる。本明細書中で用いる場合、リポソームビンカアルカロイドの各投与は、1「コース」の処置とみなされる。
本発明で用いるための適切な処方物は、例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」Mack Publishing Company, Philadelphia, PA, 17TH Ed.(1985)に見出し得る。しばしば、静脈内組成物は、許容可能な担体、例えば水性担体中に懸濁されたリポソームの溶液を含む。種々の水性担体のいずれか、例えば水、緩衝化水、0.4%生理食塩水、0.9%等張生理食塩水、0.3%グリシン、5%デキストロース等が用いられ、それは、安定性強化のための糖タンパク質、例えばアルブミン、リポタンパク質、グロブリン等を含み得る。しばしば、正常緩衝化生理食塩水(135〜150mMNaCl)が用いられる。これらの組成物は、慣用的滅菌技法、例えば濾過により滅菌し得る。組成物は、生理学的条件に近づけるために必要とされるような製薬上許容可能な補助物質、例えばpH調整剤および緩衝剤、張度調整剤、湿潤剤等、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレオート等を含有し得る。これらの組成物は、前記で言及した技法を用いて滅菌し得るし、あるいは滅菌条件下で生成し得る。担体中のリポソームの濃度は、変化し得る。一般的には、濃度は約20〜200 mg/mLであるが、しかしながら、当業者は、異なるリポソーム構成成分による処置を最適化するために、あるいは特定の患者のために、濃度を変え得る。例えば、濃度は処置に関連した流体負荷を下げるために増大することができる。
用量当たりで投与されるビンカアルカロイドの量は、最小治療用量を上回るが、しかし毒性用量を下回る。用量当たりの量の選択は、多数の因子、例えば患者の医療歴、他の療法の使用および疾患の性質に依存している。ある種の態様では、初回低用量が投与され、これは初回用量に対する患者の応答および/または耐性に基づいて増大させ得る。例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.4 mg/m2(即ち体表面積m2当たりのビンカアルカロイド、例えばビンクリスチンのmg数)またはそれより高い濃度を投与し得る。好ましい態様では、患者は、平均70 kgの患者に関する約40 mg/m2の脂質用量または約1.1 mg/kg脂質および0.05 mg/kgビンクリスチンに対応する2.0 mg/m2の用量を、あるいは約3 mg〜約6 mgのビンクリスチン/用量を投与される。
患者は、典型的には、少なくとも2コースのこのような処置を受け、処置に対する患者の応答によってはそれ以上の可能性もある。単一剤養生法では、処置の総コースは、観察された応答および毒性に基づいて、患者および医者により決定される。14日毎に1回の12コースまでの処置コースは、申し分ない患者応答を示した。より大きい数値は、ある場合に是認し得る。同様に、リポ−CHOPを用いる処置のコース数は、患者および医者により決定される。
ビンクリスチン投与量はヒトにおける神経毒性により制限されるため、それは時としては、神経毒性のための処置とともにリポソームビンクリスチンを同時投与するのが有用である。この処置は、予防的または治療的であり得る。一例は、ニューロパシー痛の治療のためのノイロンチン(商標)ガバペンチン(Parke-Davis)またはノイロトニンの投与であり、例えば100〜200 mgのノイロンチン(商標)が1日3回成人に投与される。ニューロパシー痛が改善された場合、リポソームビンクリスチン治療が継続される。この種の予防的または治療的処置はリポソームビンクリスチンの副作用を治療するためにのみ意図されているため、下記の組合せ療法組とは別個に考えられる。
本発明は、一部は、遊離形態ビンカアルカロイドに対照するものとして、リポソーム封入ビンカアルカロイドは総投与量を越えずに投与し得る、という意外な発見を基礎にしている。例えば、遊離形態ビンクリスチンは典型的には最高2.0 mgで投与されるが、一方、リポソーム封入ビンクリスチンは、好ましくは2.0 mg/m2の一定投与量で投与し得る。したがって、1.5〜3.0 m2表面積の典型的患者に関しては、約3.0〜約6.0 mgビンクリスチンの用量を投与し得る。
X.組合せ療法
多数の態様において、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、1つ以上の付加的構成成分または療法と組合せて投与される。例えば、多数のビンカアルカロイドは同時投与し得るし、あるいは1以上のビンカアルカロイドは、別の治療化合物、例えばシクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニソン、その他のアルカロイド、例えばタキサン、カンプトテシンおよび/またはポドフィリン、その他の化学療法剤、例えばアンチセンス薬または抗腫瘍ワクチンと組合せて投与し得る。好ましい態様では、リポソーム封入ビンクリスチンは、シクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニソンと同時投与し得る。ある種の態様では、多数の化合物が同一リポソーム中に負荷される。他の態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは別々に生成され、その後、同時投与のために他の化合物と併用される。あるいは、ある種の療法は、予定順序で、例えばCHOPまたはリポ−CHOPで、連続的に投与される。リポソーム封入ビンクリスチンは、CVP組合せで、あるいはシクロホスファミド−ビンクリスチン−プレドニソンでも処方し得る。
リポソーム封入ビンカアルカロイドは、抗腫瘍薬、例えばモノクローナル抗体とも組合され、その例としては、オンコリム(商標、Oncolym)(Techniclone Corp. Tustin, CA)またはリツキサン(商標、Rituxan)(IDEC Pharmaceuticals)、ベッキサール(商標、Bexxar)(Coulter Pharmaceuticals, Palo Alto, CA)またはIDEC−Y2B8(IDEC Pharmaceuticals Corporation)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、リポソーム封入ビンカアルカロイドは、1以上の非分子治療、例えば放射線療法、骨髄移植、ホルモン療法、外科手術等とともに投与し得る。
好ましい態様では、リポソーム封入ビンカアルカロイドは抗癌化合物または療法と組合せて投与され、これが、作用メカニズムおよび非重複毒性プロフィールに基づいた腫瘍低減における改善増大または共働的改善を提供する。特に、リポソームビンカアルカロイドは、任意にリポソームタキサンでもあり得るタキサンとともに送達し得る。ビンカアルカロイドは微小管を解重合し、タキサンは微小管を安定化すると考えられるが、しかし2つの化合物は、腫瘍成長の改善に共働的に作用することが判明したが、これはおそらくは両方が微小管動力学の抑制に関与するためであると考えられる(Dumontet, C. and Sikic, B.I.(1999)J. Clin. Onc. 17(3)1061-1070参照)。したがって、本発明のビンカアルカロイドのリポソーム処方物は、遊離形態のビンカアルカロイドおよびタキサンの連続投与に関連した骨髄性および神経学的毒性を有意に低減する。
当業者に既知のその他の組合せ療法は、本発明の方法とともに用い得る。
実施例
以下の実施例は本発明を説明するために提供されたものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1:リポソーム封入ビンクリスチンの作製
6バイアルキットを用いて、リポソーム封入ビンクリスチン(硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤)を調製した。バイアル1および2は、マンニトールおよび酢酸ナトリウムを含む緩衝液、pH4.5〜4.7中の硫酸ビンクリスチン溶液(1 mg/mLビンカサールPFS(登録商標)(SP Pharmaceuticals LLC, Albuqueque, NM))を含有し、バイアル3は、300 mMクエン酸塩、pH4.0を含む緩衝液中の空リポソーム(100 mg/mLスフィンゴミエリン/コレステロールリポソーム、約60/40〜50/50比、さらに好ましくは55/45 mol%/mol%)を含有し、バイアル4および5は、アルカリ性リン酸塩緩衝液(14.2 mg/mL二塩基性リン酸ナトリウム7水和物)を含有し、ならびにバイアル6は空滅菌バイアルであった。薄膜水和、および米国特許第5,741,516号に記載されているような標準的押出技法を用いて、前記の空リポソームを調製した。
4 mlの硫酸ビンクリスチンをバイアル1および2から取り出し、滅菌バイアル6に添加した。その後、0.8 mLのスフィンゴミエリン/コレステロールリポソームをバイアル3から取り出して、バイアル6に添加した。バイアル6を5回反転させて、物質を混合した。バイアル4および5からの20 mLのリン酸ナトリウム溶液を、バイアル6に添加した。バイアル6を再び5回反転させて、揺すぶらずに、物質を混合した。次にバイアル6を水浴中で60〜65℃で5分間加熱した後、バイアルを再び5回反転させた。次にバイアルを再び5分間加熱し、さらに5回反転させた。
最終生成物は、0.16 mg/mLの硫酸ビンクリスチンおよび3.2 mg/mLの総脂質を含有した。
実施例2:再発NHL法におけるリポソーム封入ビンクリスチン
再発性非ホジキンリンパ腫(NHL)を有する患者50名およびリンパ芽球性リンパ腫(ALL)を有する1名が、本試験に含まれた。各患者は少なくとも16歳で、HIVまたは他のいかなる重篤感染も有さず、中枢神経系のいかなる疾患も有さず、そして正常腎機能を有して、好中球は少なくとも0.5 K、血小板は少なくとも50 Kであった。14日毎に1回投与する2.0 mg/m2の静脈内リポソームビンクリスチンを12用量まで、各患者に投与した。使用したリポソームは、スフィンゴミエリンおよびコレステロールを含んでいた。
結果
51名の患者のうち35名を評価した。これら35名の患者の年齢の中央値は62歳(19〜86歳の範囲)であり、このうち21名が男性であった。12名の患者が濾胞性NHLを、7名が形質転換化、11名が散在性大細胞、3名が外套細胞、1名がNK細胞リンパ腫および1名がALLを有した。臨床等級は、患者の1名で高く、17名が攻撃的で、10名が軽度悪性度、7名が形質転換化であった。血清LDHは、35名の患者のうち16名で高く、B2マイクログロブリンは30名の患者のうち19名で3.0 mg/Lより大きかった。前治療養生法の中央値は、3(1〜10の範囲)であった。35名の患者のうち18名が、リポソーム封入ビンクロスチン直前の養生法に対して難治性であった。35名すべてが、予めビンクリスチン投与を受けていた。NHLを有する34名の患者に関しては、14名が完全または部分応答を示し、全応答率は40%(95%信頼区間:24%〜58%)であった。臨床等級による応答は、表1に示す通りであった。
Figure 2012158602
結論
応答継続期間中央値は、4ヶ月であった。応答患者の半数が治療後少なくとも4ヶ月間応答を保持するという事実は、過去に極貧予後を示した異種群の患者に関しては、意外で、予期せぬことであり、臨床的に印象的な応答であった。
前記の結果は、全用量のリポソームビンクリスチンは、重度予備処置集団においてさえ、良好な活性で再発NHLに投与し得るということを実証する。
さらに、リポソームビンクリスチンは、遊離ビンクリスチンより有意に低い非特異的毒性を実証した。末梢神経毒性は、遊離ビンクリスチンの最も高頻度且つ用量限定性の毒性作用である。末梢性ニューロパシー作用は、通常は、5〜6 mgの総用量(2〜3用量の遊離ビンクリスチン)を摂取した成人で開始し、一般的に15〜20 mgの累積用量(8〜10用量の遊離ビンクリスチン)後に有意である。本発明の試験では、有意には、典型的患者は1回投与のみで3〜5 mgを摂取し、37 mgまでの累積用量が送達された。有意のリポソームビンクリスチン誘導性末梢神経毒性を報告した患者はなかった。より高い総用量でも、同様に耐容される。これらの高用量はNHLの管理には非常に望ましく、この疾患の治療における将来に向けての有意且つ意外な過程を示す。
実施例3:リンパ腫に対する最前線治療としてのリポソームビンカアルカロイドの使用
本実施例は、リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫(低分化型または中等度分化型)を示す患者の治療のための、他の化学療法と組合せた、最前線治療としてのリポソームビンカアルカロイドの使用を説明する。形質転換化または攻撃的NHLを示す患者は、最前線治療としてこの改良型組合せ治療を摂取し得るし、あるいは医者は、全実施例に記載したような単一剤OncoTCS(商標)治療を選択し得る。下記の組合せ療法養生法は、毒性を非常に低減して、本発明のリポソーム中に送達する場合、非常に高用量のビンクリスチンを投与し得るという意外な結果を利用する。
好ましい組合せ養生法は、:シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン(ドキソルビシン)、OncoTCS(商標)およびプレドニソンを包含する改良型CHOP養生法(「リポ−CHOP」)である。一治療サイクルは約5日を要し、サイクルは約21〜28日毎に反復される。模範的サイクルは、以下からなる:
シクロホスファミド(750 mg/m2IV、d1)
ヒドロキシダウノルビシン(50 mg/m2IV、d1)
OncoTCS(商標)(2.0 mg/m2IV、d1(最高値なし))
プレドニソン(100 mgPOqdx5日)
標準CHOP治療に必要な同一看護介入を用いて、治療を実施する。
改良型CHOP治療を受けている患者は、部分的および完全寛解率、寛解期間/処置後の再発時間、および生存時間中央値において、標準CHOPを上回る有意の改善を示すと予測される。
実施例4:単一剤リポソームビンクリスチンによるリンパ腫の治療
さらなる試験では、異なる種類のリンパ腫を示す50名のヒト患者を、実施例2に記載したような単剤リポソームビンクリスチンで処置した。結果は、以下の表に示す通りであった。
Figure 2012158602
18%が等級3〜4の神経毒性。毒性死なし。
CR=完全応答。
PR=部分応答。
一次難治性とは、初期治療に対する応答が観察されなかったことを意味する。
ABMT=自系骨髄移植片。
さらに、これらの結果は、リポソームビンクリスチンの単剤治療がリンパ腫のための優れた治療であることを示す。これらの結果は、リポ−CHOPにおけるリポソームビンクリスチンに関する、ならびにリンパ腫の単剤最前線治療に関する役割を強く示唆する。
実施例5:付加的研究
図1は、本明細書中に記載した方法を用いた臨床試験に関する結果を提供する。これは、軽度悪性度、形質転換化、再発性および攻撃的後骨髄移植片(BMT)形態の非ホジキンリンパ腫の治療において、本発明の方法が特に有効である、ということを実証している。
実施例6:前の養生法数当たりのリポソームビンクリスチンに対する応答
図2は、再発性攻撃的NHLを有する評価可能患者の数、完全応答または寛解(CR)を示したこのような患者の数、部分応答または寛解(PR)を示したこのような患者の数、CRまたはPRを示したパーセンテージ、ならびに各パーセンテージ値に関する95%信頼区間を示す結果を提供する。これらのデータは、前治療を1回、前治療を2回またはそれ以上受けたことのある患者、そして後者群のうち、本試験の直前の治療に応答した者および前の治療に応答しなかった者に関して示している。
本試験は、本発明の方法が各部類の患者を治療するのに非常に有効であることを実証する。
本明細書中に記載した実施例および態様は説明のためのみのものであって、種々の修正または変更は、その見地において、当業者に示唆されており、本出願の精神および範囲、ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきである、と理解される。本明細書中に引用された出版物、特許および特許出願はすべて、すべての目的に関してこれらの記載内容は、参照により本明細書中に含まれる。

Claims (77)

  1. 哺乳類における再発癌の治療方法であって、リポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を前記哺乳類に投与することを含む方法。
  2. 前記再発癌がリンパ腫または白血病である請求項1の方法。
  3. 前記再発癌が非ホジキンリンパ腫である請求項1の方法。
  4. 前記非ホジキンリンパ腫が低分化型非ホジキンリンパ腫、中等度分化型非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、大細胞型リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、外套細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、NK細胞リンパ腫および急性リンパ芽球性リンパ腫から成る群から選択される一員である請求項1の方法。
  5. 前記ビンカアルカロイドがビンクリスチンである請求項1の方法。
  6. 前記ビンカアルカロイドがビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから成る群から選択される請求項1の方法。
  7. 前記リポソームがジステアロイルホスファチジルコリンを含む請求項1の方法。
  8. 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項7の方法。
  9. 前記リポソームがスフィンゴミエリンを含む請求項1の方法。
  10. 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項9の方法。
  11. 前記リポソームがpH勾配を含む請求項1の方法。
  12. pH勾配が、前記リポソームの外側より内側の方がpHが低くなっている請求項11の方法。
  13. 前記哺乳類がヒトである請求項1の方法。
  14. 前記哺乳類が予め少なくとも1回の化学療法処置を受けている請求項1の方法。
  15. 前記少なくとも1つの化学療法処置が遊離形態のビンカアルカロイドの投与を含む請求項14の方法。
  16. 前記遊離形態のビンカアルカロイドがビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから成る群から選択される一員である請求項15の方法。
  17. 前記少なくとも1つの化学療法処置がアントラサイクリン含有組合せ養生法の投与を含む請求項14の方法。
  18. 前記アントラサイクリンがドキソルビシンである請求項17の方法。
  19. 前記哺乳類が前記癌の再発前に前記化学療法に対する部分応答または完全応答を示した請求項14の方法。
  20. 前記再発が二回目の再発である請求項19の方法。
  21. 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが静脈内送達により全身に投与される請求項1の方法。
  22. 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つの付加的な化学療法薬と同時投与される請求項1の方法。
  23. 前記少なくとも1つの付加的な化学療法薬がシクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニソンおよびそれらの組合せから成る群から選択される一員である請求項22の方法。
  24. 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つの付加的な抗腫瘍薬と同時投与される請求項1の方法。
  25. 前記付加的な抗腫瘍薬がモノクローナル抗体である請求項24の方法。
  26. 前記モノクローナル抗体がリツキサン(商標、Rituxan)、オンコリム(商標、Oncolym)およびベキサール(商標、Bexxar)から成る群から選択される一員である請求項25の方法。
  27. 前記付加的な抗腫瘍薬がアンチセンス薬または抗腫瘍ワクチンである請求項24の方法。
  28. 前記ビンクリスチンが約1.4〜約2.4 mg/m2の用量で前記患者に投与される請求項5の方法。
  29. 前記ビンクリスチンが7〜21日毎に1回前記患者に投与される請求項5の方法。
  30. 前記ビンクリスチンが14日毎に1回前記患者に投与される請求項5の方法。
  31. 患者における非ホジキンリンパ腫の治療方法であって、リポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を患者に投与することを含み、前記組成物がカルジオリピンを含有しない方法。
  32. 前記ビンカアルカロイドがビンクリスチンである請求項31の方法。
  33. 前記ビンカアルカロイドの用量が約1.4 mg/m2より多い請求項31の方法。
  34. 前記用量が約1.4〜約2.4 mg/m2である請求項33の方法。
  35. 前記組成物が7〜21日毎に1回前記患者に投与される請求項33の方法。
  36. 前記組成物が14日毎に1回前記患者に投与される請求項35の方法。
  37. 前記ビンカアルカロイドがビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから成る群から選択される一員である請求項31の方法。
  38. 前記リポソームが中性脂質を含む請求項31の方法。
  39. 前記リポソームがジステアロイルホスファチジルコリンを含む請求項31の方法。
  40. 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項39の方法。
  41. 前記リポソームがスフィンゴミエリンを含む請求項31の方法。
  42. 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項41の方法。
  43. 前記リポソームがpH勾配を含む請求項31の方法。
  44. pH勾配が、前記リポソームの外側より内側の方がpHが低くなっている請求項43の方法。
  45. 前記非ホジキンリンパ腫が再発非ホジキンリンパ腫である請求項31の方法。
  46. 前記患者が予め少なくとも1回の化学療法処置を受けている請求項31の方法。
  47. 前記少なくとも1つの化学療法処置が遊離形態のビンカアルカロイドの投与を含む請求項46の方法。
  48. 前記遊離形態のビンカアルカロイドがビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンから成る群から選択される一員である請求項47の方法。
  49. 前記少なくとも1つの化学療法処置がアントラサイクリン含有組合せ養生法の投与を含む請求項46の方法。
  50. 前記アントラサイクリンがドキソルビシンである請求項49の方法。
  51. 前記患者が前記非ホジキンリンパ腫の再発前に前記化学療法処置に対する部分応答または完全応答を示した請求項46の方法。
  52. 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが全身送達により投与される請求項31の方法。
  53. 前記全身送達が静脈内送達を含む請求項52の方法。
  54. 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つの付加的な化学療法薬と同時投与される請求項31の方法。
  55. 前記少なくとも1つの付加的な化学療法薬がシクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニソンおよびそれらの組合せから成る群から選択される一員である請求項54の方法。
  56. 前記リポソーム封入ビンカアルカロイドが少なくとも1つの付加的な抗腫瘍薬と同時投与される請求項31の方法。
  57. 前記付加的な抗腫瘍薬がモノクローナル抗体である請求項56の方法。
  58. 前記モノクローナル抗体がリツキサン(商標、Rituxan)、オンコリム(商標、Oncolym)およびベキサール(商標、Bexxar)から成る群から選択される一員である請求項57の方法。
  59. 前記付加的な抗腫瘍薬がアンチセンス薬または抗腫瘍ワクチンである請求項56の方法。
  60. 哺乳類における形質転換癌の治療方法であって、リポソーム封入ビンカアルカロイドを含む医薬組成物を前記哺乳類に投与することを含む方法。
  61. 前記形質転換癌が非ホジキンリンパ腫である請求項60の方法。
  62. 前記ビンカアルカロイドがビンクリスチンである請求項60の方法。
  63. 前記リポソームがスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含む請求項60の方法。
  64. 哺乳類における新形成の治療方法であって、約1.4〜約2.4 mg/m2の用量でリポソーム封入ビンカアルカロイドを前記哺乳類に投与することを含む方法。
  65. 前記ビンカアルカロイドが7〜21日毎に1回前記哺乳類に投与される請求項64の方法。
  66. 前記ビンカアルカロイドが14日毎に1回前記哺乳類に投与される請求項65の方法。
  67. 前記ビンカアルカロイドが神経毒に対する予防的または治療的処置とともに前記哺乳類に同時投与される請求項64の方法。
  68. 哺乳類における新形成の治療に用いるためのキットであって、リポソーム封入ビンカアルカロイドの調製に有用な構成成分、リポソーム封入ビンカアルカロイドを調製するための使用説明書および前記新形成の治療におけるリポソーム封入ビンカアルカロイドの使用のための使用説明書を包含するキット。
  69. 少なくとも3つのバイアルを含み、バイアルの1つが硫酸ビンクリスチン、マンニトール緩衝液および酢酸ナトリウムを含有し、バイアルの1つがクエン酸緩衝液中に懸濁されたスフィンゴミエリンおよびコレステロールを含むリポソームを含有し、そしてバイアルの1つがアルカリ性リン酸塩緩衝液を含有する請求項68のキット。
  70. 哺乳類における新形成の治療に用いるためのキットであって、リポソーム封入ビンカアルカロイドの安定な処方物、前記新形成の治療におけるリポソーム封入ビンカアルカロイドの使用のための使用説明書を含むキット。
  71. 非ホジキンリンパ腫を治療するための薬剤の製造に用いるためのリポソーム性ビンクリスチンの使用。
  72. 前記ビンクリスチンの用量が約1.4〜約2.4 mg/m2である請求項71の使用。
  73. 前記ビンクリスチンがスフィンゴミエリンを含むリポソーム中に封入される請求項71の使用。
  74. 前記リポソームがコレステロールをさらに含む請求項73の使用。
  75. 前記非ホジキンリンパ腫が再発非ホジキンリンパ腫である請求項65の使用。
  76. 前記非ホジキンリンパ腫が軽度悪性度非ホジキンリンパ腫である請求項65の使用。
  77. 前記非ホジキンリンパ腫が形質転換非ホジキンリンパ腫である請求項65の使用。
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