JP2012158478A - ガラス板の曲げ成形方法及びガラス板の曲げ成形装置 - Google Patents

ガラス板の曲げ成形方法及びガラス板の曲げ成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送方向に曲率が異なる2つの面を有し、これらの面の交差線が、ガラス板の搬送方向に非平行である湾曲形状の面をガラス板に成形する。
【解決手段】複合湾曲面Cを形成する複数のローラのうち、奇数列の複数のローラを第1のローラ群として略円筒状の面F1を形成する。そして、偶数列の複数のローラを第2のローラ群として略円錐台状の面F2を形成する。そして、略円筒状の面F1と略円錐台状の面F2とを交差させ、ガラス板14の搬送方向上流側に位置する第1の領域C1を略円筒状の面とし、搬送方向下流側に位置する第2の領域C2を略円錐台状の面とする。略円筒状の面と略円錐台状の面とからなる複合湾曲面Cを、ガラス板14の搬送に合わせて波が伝播するように進行させる。
【選択図】図3

Description

本発明はガラス板の曲げ成形方法及びガラス板の曲げ成形装置に係り、特に自動車の窓用に使用されるガラス板を複合湾曲面に曲げ成形するガラス板の曲げ成形方法及びガラス板の曲げ成形装置に関する。
自動車用窓ガラスを曲げ成形する技術として、本願出願人は特許文献1において、加熱炉で軟化点近くまで加熱したガラス板を、所望の曲率のガラス板に曲げ成形する曲げ成形方法を提案している。この曲げ成形方法は、加熱炉内で加熱されたガラス板を、ローラコンベアの複数の直棒状ローラで形成される搬送面に沿って搬送する。そして、これらのローラをガラス板の搬送位置に応じて上下動させることにより、搬送面の一部をガラス板搬送方向に湾曲させてガラス板を自重により所望の曲率に曲げ成形する。この曲げ成形方法は、ガラス板の搬送方向にのみ曲率を有する単曲の曲げ成形に好適な装置である。
また、本願出願人は特許文献2において、ローラコンベアの複数のローラを湾曲ローラとし、これらのローラをガラス板の搬送位置に応じて上下動させる曲げ成形方法も提案している。この曲げ成形方法は、ガラス板の搬送方向と搬送方向に直交する方向の二方向に曲率を有する複曲の曲げ成形に好適な装置である。
更に、本願出願人は特許文献3において、ローラコンベアの複数のローラを直棒状ローラとし、これらのローラを水平面に対して傾斜させるとともに隣り合うローラの傾斜方向が交互に異なるように配置した曲げ成形装置を提案している。この曲げ成形装置によれば、ガラス板の搬送方向と直交する方向にガラス板を曲げ成形することができる。なお、この曲げ成形装置は、湾曲ローラの代用として直棒状ローラを使用し、前記二方向にガラス板を曲げ成形する装置である。
なお、本明細書において、「搬送方向に(沿って)曲げ成形される」とは、曲げ成形されたガラス板の形状が、搬送方向に直交する軸のまわりに湾曲した形状になることを意味する。換言すると、曲げ成形されたガラス板は、搬送方向に直交する軸に垂直な断面が湾曲形状となる。また、「搬送方向に直交する方向に曲げ成形される」とは、曲げ成形されたガラス板の形状が、搬送方向軸のまわりに湾曲した形状になることを意味する。換言すると、曲げ成形されたガラス板は、搬送方向軸に垂直な断面が湾曲形状となる。
以下に示す複数のローラで形成される湾曲面の形状についても、「搬送方向に(沿って)曲がった」、「搬送方向に湾曲した」等の説明は「搬送方向に(沿って)曲げ成形される」の意味と同旨である。搬送方向に直交する方向に関する湾曲面の説明も「搬送方向に直交する方向に曲げ成形される」の意味と同旨である。また、本明細書における「・・・方向に直交」は、水平面上であって・・・方向に垂直な方向を意味する。本明細書における「上」、「下」は、水平面に対しそれぞれ「上」、「下」を意味する。
国際公開第99/65833号パンフレット 特開2004−99332号公報 特開2001−2431号公報
特許文献3の曲げ成形方法は、湾曲ローラの代替技術であるため、搬送方向に直交する方向(ローラの軸方向)には、単一の曲率の単純な湾曲面しか成形することができない。また、特許文献3の曲げ成形方法では、曲げ成形後のガラス板の搬送方向に沿った中央部分に、両側の曲面の交差線が形成されるが、この交差線はガラス板の搬送方向に沿ってのみ形成されるものである。
すなわち、特許文献3の曲げ成形方法では、ガラス板を曲げ成形するその形状に制約があるので、所望の形状に曲げ成形できないという欠点があった。つまり、特許文献3の曲げ成形方法では、所望の湾曲形状、例えば、搬送方向に曲率が異なる2つの面を有し、これらの面の交差線が、ガラス板の搬送方向に非平行である湾曲形状の面を成形することができないという問題があった。もちろんであるが、特許文献1、2の曲げ成形方法でも、このような湾曲形状にガラス板を曲げ成形することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラス板を、搬送方向に曲率が異なる2つの面に曲げ成形することができるとともに、2つの面の交差線が、ガラス板の搬送方向に非平行となるガラス板の曲げ成形方法及びガラス板の曲げ成形装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、加熱されたガラス板を、搬送方向に対し直交方向に配置された複数の搬送ローラからなるローラコンベアによって搬送しながら、各搬送ローラを上下動させ搬送面に前記搬送方向に曲率を有する所定の湾曲面を形成させて、該湾曲面上に前記ガラス板を位置させ、搬送方向下流側の各搬送ローラを順次上下動させることにより前記ガラス板の移動に連動して該湾曲面を前記搬送方向へ移動させる上下動成形工程を含むガラス板の曲げ成形方法において、前記複数の搬送ローラは、第1のローラ群と第2のローラ群とを有し、前記上下動成形工程と同時に、前記第1のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第1の領域を第1の曲率に湾曲させるとともに、該第1の領域と前記第2のローラ群によって形成される前記湾曲面の第2の領域との境界線を水平面に投影した線が前記搬送方向に対して傾斜している複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第1のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させる傾斜工程を含むことを特徴とするガラス板の曲げ成形方法を提供する。
これにより、ガラス板は、ガラス板の自重によって搬送方向に曲率が異なる第1の領域と第2の領域とによって曲げ成形される。また、2つの面の交差線は、ガラス板の搬送方向に対して非平行となる。この交差線は、第1の領域と第2の領域との曲面形状にもよるが、搬送方向に直交した方向、又は搬送方向に傾斜した方向となる。
なお、本発明は、ガラス板の自重のみを利用した曲げ成形に限定するものではなく、搬送ローラの上方に配した成形ローラと搬送ローラとでガラス板を挟み込んで成形してもよいし、上方の成形ローラの代わりにガラス板の所望の曲げ形状に沿った表面を有するプレスモールドであってもよい。
また、ローラコンベアの複数のローラは、軸心方向がガラス板の搬送方向に直交する方向になるように配置されている。すなわち、ローラコンベアの複数のローラは、隣接するローラと平行に配置されている。また、ローラは平面視において平行を維持した状態で傾動、及び上下動を行う。
本発明は、前記第1のローラ群と前記第2のローラ群とは、搬送方向に沿って交互に配置されることが好ましい。
本発明によれば、湾曲面を形成する複数のローラのうち、例えば、奇数列の複数のローラを第1のローラ群として第1の曲率の面を形成するとともに、偶数列の複数のローラを第2のローラ群として第2の曲率の面を形成する。そして、第1の曲率の面と第2の曲率の面とを交差させ、例えば、ガラス板の搬送方向上流側に位置する第1の領域を第1の曲率の面とし、搬送方向下流側に位置する第2の領域を第2の曲率の面とする。
つまり、第1の領域においては、第1のローラ群の高さを第2のローラ群の高さよりも高くして第1の曲率の面を曲げ成形面として優先させる。第2の領域においては、第2のローラ群の高さを第1のローラ群の高さよりも高くして第2の曲率の面を曲げ成形面として優先させる。
これにより、第1の曲率の面と第2の曲率の面とが交差し、搬送方向上流側に位置する第1の領域が第1の曲率の面となり、搬送方向下流側に位置する第2の領域が第2の曲率の面となる。そして、第1の曲率の面と第2の曲率の面とからなる湾曲面を、ガラス板の搬送位置に対応させて、ローラコンベアの上流側から下流側に向けて波が伝播するように進行させる。
これにより、ガラス板は、搬送方向に曲率が異なる第1の曲率の面と第2の曲率の面とによって曲げ成形される。そして、第1の曲率の面と第2の曲率の面との交差線は、ガラス板の搬送方向に対して非平行となる。
本発明は、前記第1の領域の曲面が、略円錐台状に形成されていることが好ましい。
自動車用のサイドガラスは、車体の天井部に対する納まりをよくするために、その上部は曲率の大きい略円錐台状に形成され、また、上部を除く他の部分は、前記略円錐台状の曲率よりも小さい、車体形状に合わせた略円筒状に形成されることが好ましい。
このような形状にガラス板を曲げ成形する場合には、例えば第1の領域を略円筒状に湾曲させる。これにより、自動車用のサイドガラスとして好ましい形状にガラス板を曲げ成形することができる。
また、本発明は、前記傾斜工程が、前記上下動成形工程と同時に、前記第2のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第2の領域を第2の曲率に湾曲させて前記複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第2のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させることが好ましい。
これにより、2つの略円錐台状の湾曲面を組み合わせた複合湾曲面を形成させることができる。
なお、本発明の湾曲面の組み合わせは、略円錐台状と略円筒状又は略円錐台状同士に限定されるものではなく、曲率の異なる略円筒状同士でもよい。
湾曲面の第1の領域を略円錐台状に湾曲させるためには、第1の領域に対応する複数のローラを、ガラス板の搬送位置に応じて、水平を維持した状態で上下動させる。これにより、第1の領域の複数の搬送ローラによって下に凸形状の円弧状の湾曲面が形成される。これに加えて、ガラス板の搬送位置に応じて、各ローラを斜めに傾斜させる。これにより、第1の領域の複数のローラによって、円弧状の湾曲面に斜めに傾斜した略円錐台状の湾曲面が形成される。そして、この略円錐台状の湾曲面を、ローラコンベアの上流側から下流側に向けて波が伝播するように進行させる。これにより、第1の領域で搬送されるガラス板の一部が、ローラコンベアによって搬送されながら、自重により略円錐台状に曲げ成形される。
また、本発明は、前記複合湾曲面の前記第1の曲率は、ガラス板の搬送方向下流に向かうに従って大きくなるように前記複合湾曲面を形成させることが好ましい。一例として、最下流の位置よりも上流に位置する各ローラで形成される湾曲面は、最下流の位置での各ローラで形成される湾曲面よりも大きな曲率半径を有する。さらに上流へいくに従って、上流位置の各ローラで形成される湾曲面はさらに大きな曲率半径を有する。
このように搬送方向下流に向かうに従って複合湾曲面の湾曲面の曲率を大きくなるようにすることによって、ガラス板が下流側に搬送されるに従って、湾曲面が深くなるため、徐々に曲げ成形することができ、歪みが発生しにくい。
また、本発明は、前記搬送ローラとして、前記搬送方向に直交した方向に湾曲した湾曲ローラを用いることが好ましい。
直棒状ローラを水平面に対して上下動させた場合にはガラス板を下に凸形状に曲げ形成することができる。一方、湾曲ローラを使用した場合には、複合湾曲面に中央部が膨らんだ樽形形状に曲げ成形することができる。
前記湾曲ローラの構成としては、可撓自在に構成されたフレキシブルシャフトと、前記フレキシブルシャフトを回転軸とする複数のリングローラと、前記フレキシブルシャフトを所望の曲率に撓ませることにより、複数のリングローラで形成される前記搬送面を湾曲させる搬送面湾曲手段と、を有していることが好ましい。
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス板を曲げ成形可能な温度まで加熱する加熱手段と、搬送方向に対し直交方向に配置された複数の搬送ローラからなるローラコンベアと、各搬送ローラを上下動させる上下動駆動手段と、各搬送ローラを上下動させることによって前記搬送方向に曲率を有する所定の湾曲面を形成させ、該湾曲面上に前記ガラス板を位置させ、搬送方向下流側の各搬送ローラを順次上下動させることにより前記ガラス板の移動に連動して該湾曲面を前記搬送方向へ移動させる制御手段と、を含むガラス板の曲げ成形装置において、前記複数の搬送ローラは第1のローラ群と第2のローラ群とを含み、かつ水平面に対して傾斜させる傾斜手段を備え、前記制御手段は、前記上下動駆動手段により前記各搬送ローラを順次上下動させるのと同時に、前記傾斜手段により前記第1のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第1の領域を第1の曲率に湾曲させるとともに、該第1の領域と前記第2のローラ群によって形成される前記湾曲面の第2の領域との境界線を水平面に投影した線が前記搬送方向に対して傾斜している複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第1のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させるように制御することを特徴とするガラス板の曲げ成形装置を提供する。
本発明の曲げ成形装置によれば、ガラス板を、搬送方向に曲率が異なる2つの面に曲げ成形することができるとともに、2つの面の交差線が、ガラス板の搬送方向に非平行である湾曲形状の面に曲げ成形することができる。
本発明のローラコンベアの各々のローラの上下動は、鉛直方向における初期位置から下降→上昇を経て初期位置に戻る動きを、一周期の動きとする。この場合、各ローラは、(a:初期状態)一単位のガラス板の搬送方向前辺が搬送されてきた時を下降の始まりとし、(b)一単位のガラス板が通過している間を下降→上昇の一周期の動きとし、(c:終状態)一単位のガラス板の搬送方向後辺が搬送されてきた時にもとの位置に戻る。こうして、一単位のガラス板があるローラ上を通過する間に、そのローラは初期状態から終状態までの一周期の上下動を行う。複数のガラス板を連続的に曲げ成形する際には、一単位のガラス板が順次搬送されてくるので、次単位以降のガラス板に対し、各ローラを(a)、(b)、(c)の順に繰り返し上下動させる。
こうした各ローラの上下動により下に凸形状の湾曲面を形成する場合、一単位のガラス板は次のように搬送される。ガラス板の搬送方向前辺及び搬送方向後辺があるローラ上に位置する時、そのローラは初期状態(終状態)にある。そのため、ガラス板の搬送方向前辺及び搬送方向後辺の鉛直方向位置は、各ローラの初期状態の位置に保たれる。初期状態にある各ローラで形成される仮想面(水平状態にある)の鉛直方向の高さレベルを、「搬送レベル」と呼ぶ。一方、ガラス板の搬送方向前辺と搬送方向後辺との間の部分であるガラス板の中央部分が位置する各ローラは、一周期の上下動のうちの中間状態にある。そのため、ガラス板の中央部分は搬送レベルよりも下方に位置する(中央部分が下方に垂れ下がる)。したがって、一単位のガラス板は、搬送方向前辺と搬送方向後辺とが搬送レベルに保たれながら、中央部分が搬送レベルよりも下方に位置するように搬送される。
なお、「一単位のガラス板」とは、通常は1枚のガラス板を意味する。必要に応じて2枚以上のガラス板を積層した状態で搬送すると、2枚以上のガラス板を同時に曲げ成形できる。このように、「一単位のガラス板」は2枚以上のガラス板が積層された状態で搬送される場合を含む。そして、本発明のガラス板の曲げ成形装置及び方法は、一単位のガラス板の曲げ成形を順次連続的に行い、複数単位のガラス板を連続的に曲げ成形できる。一単位のガラス板が1枚のガラス板であるかガラス板が複数枚積層された状態であるかは、本発明のガラス板の曲げ成形方法及び装置の基本的な動作に大きな影響を与えない。そこで、本明細書では、「一単位」なる語を省略する。
ところで、ローラが上下動した場合、ガラス板の水平方向成分の搬送速度は、ローラの上下位置に依存することとなる。この場合、複数のローラの角速度が一定であると、水平方向成分の搬送速度は、下方側のローラの方が上方側のローラよりも速くなる。このような速度のアンバランス現象が生じると、ローラとガラス板との間でスリップが発生し、ガラス板に疵が付く場合がある。そこで、複数のローラを独立して回転させる回転駆動手段を備え、そして、制御手段によりガラス板の水平方向成分の搬送速度が等しくなるように前記回転駆動手段を制御することが好ましい。これにより、前記不具合は解消するので、疵のないガラス板を得ることができる。
各ローラによって形成される所望の湾曲面とは、ガラス板を搬送しているローラの位置に応じて必要とされる湾曲面である。具体的には、ガラス板を曲げ成形するゾーンのうちの最下流の位置では、この位置の各ローラで形成される湾曲面は、ガラス板の搬送方向についての最終的に得ようとするガラス板の曲げ形状に概略一致した湾曲形状を有する。
本発明によれば、ガラス板を、搬送方向に曲率が異なる2つの面に曲げ成形することができるとともに、2つの面の交差線が、ガラス板の搬送方向に非平行となる。よって、ローラ搬送によりガラス板を搬送しながらガラス板を複雑な曲げ形状に曲げ成形する方法及び装置を提供することができる。
本発明に係るガラス板の曲げ成形装置が適用された湾曲ガラス板の製造装置の一実施形態を示す斜視図 ローラコンベアの斜視図 ローラコンベアの複数のローラが動作されてガラス板が搬送方向に曲率が異なる2つの面に曲げ成形曲げ成形されている斜視図 図3に示したローラコンベアの複数のローラの動作形態を示した斜視図 ローラコンベアの複数の直棒状ローラによって形成される略円筒状に湾曲した面と、略円錐台状に湾曲した面とを交差させることにより、湾曲面を搬送方向に曲率が異なる2つの面に形成することを説明した模式図 ローラ駆動手段の構成を示した構造図 ローラコンベアの複数の湾曲状ローラによって形成される略樽形状に湾曲した2つの搬送路を交差させることにより、湾曲面を搬送方向に曲率が異なる2つの面に形成することを説明した模式図 湾曲ローラが適用された傾斜手段及び上下動駆動機構の構成を示した構造図
以下、添付図面に従って本発明の実施の形態に係るガラス板の曲げ成形方法及びその装置の好ましい形態について詳説する。
図1は、実施の形態のガラス板の曲げ成形装置10が適用された湾曲ガラス板の製造装置12の一実施形態を示す斜視図である。
同図に示す湾曲ガラス板の製造装置12は、自動車用のサイドガラスに好適な略円筒状と略円錐台状の2つの曲面(複合湾曲面)を有するガラス板14を製造する設備である。なお、この製造装置12は、サイドガラスに限定されるものではなく、リヤガラスであっても製造することができる。また、風冷強化装置の代わりに徐冷装置を設置すれば、フロントガラスを製造することが可能である。
図1に示す製造装置12は、ガラス板14の流れ方向上流側から下流側に向けて曲げ成形装置10、及び風冷強化装置16が配置されて構成される。また、曲げ成形装置10は、上流側から下流側に向けて加熱炉(加熱手段)18、及び曲げ成形用ローラコンベア(以下、単にローラコンベアということがある)20が配置されて構成されている。製造装置12の各部の駆動制御は、コンピュータ等で構成されたモーションコントローラ(制御手段)22によって行われる。
まず、製造装置12によるガラス板14の曲げ成形工程について説明する。
曲げ成形前の平板状のガラス板14は、加熱炉18の入口において搬送位置が位置決めされた後、ローラコンベア24によって加熱炉18内に搬入される。ガラス板14は、加熱炉18内での搬送中に加熱炉18のヒータによって加熱されていき、加熱炉18の出口において曲げ成形温度(600〜700℃程度)まで加熱される。このガラス板14は、加熱炉18の下流側に設置された曲げ成形用ローラコンベア20によって、ローラコンベア24の搬送方向と同方向に搬送される。
ガラス板14は、ローラコンベア20による搬送中に、ローラコンベア20の後述する、上下方向及び傾斜方向の曲げ成形動作によって、搬送方向に曲率が異なる略円筒状の面と略円錐台状の面に曲げ成形される。また、ガラス板14は、その2つの面の交差線が、ガラス板14の搬送方向に非平行である湾曲形状に曲げ成形される。
このような形状に曲げ成形されたガラス板14は、ローラコンベア20の出口から、風冷強化装置16用のローラコンベア26によって、ローラコンベア20の搬送方向と同方向に風冷強化装置16に向けて搬送される。
風冷強化装置16は、ローラコンベア26を挟んで上下に配置された上部吹口ヘッド28と下部吹口ヘッド30とを備えている。ガラス板14はローラコンベア26による搬送中に、これらの吹口ヘッド28、30からガラス板14の表面、裏面に向けて吹き出されるエアによって風冷強化される。このとき、風冷強化装置16の冷却能は、ガラス板14の厚みに応じて適宜設定される。風冷強化されたガラス板14は、風冷強化装置16の出口からローラコンベア32によって、ローラコンベア26の搬送方向と同方向に次工程の検査装置(図示せず)に向けて搬送される。以上の如くガラス板14は、上流側から下流側に配設されたローラコンベア24、20、26、32によって矢印Aで示す同一方向に搬送されながら、加熱、成形、風冷強化が順に行われる。以上が製造装置12による1枚のガラス板14の製造工程の流れである。
次に、図1〜図6を参照しながらローラコンベア20、ローラ駆動手段、及びモーションコントローラ22について説明する。
図2は、ローラコンベア20の斜視図である。図3は、ローラコンベア20の複数のローラが動作されてガラス板14が搬送方向に曲率が異なる2つの面(略円筒状の面と略円錐台状の面)に曲げ成形されている斜視図である。図4は、図3に示したローラコンベア20の複数のローラの動作形態を示した斜視図である。図5は、ローラコンベア20の複数のローラによって形成される略円筒状に湾曲した面と、略円錐台状に湾曲した面とを交差させることにより、搬送方向に曲率が異なる略円筒状の面と略円錐台状の面とを、搬送面の湾曲面に形成することを説明した模式図である。また、図6はローラ駆動手段の構造図である。
図2〜図4に示すようにローラコンベア20は、複数本の搬送ローラ(実施例では32本の搬送ローラ:以下「ローラ」と称する)20−1、20−2…20−32から構成されている。これらのローラ20−1、20−2…20−32は、矢印Aで示したガラス板14の搬送方向に対して直交方向に配設されるとともに、平面視において互いに平行に配置されている。また、これらのローラ20−1、20−2…20−32はストレート状に形成された直棒状ローラである。これらのローラ20−1、20−2…20−32で形成される搬送面に沿って、ローラ20−1、20−2…20−32の回転により、図1に示したガラス板14が矢印A方向に所定の速度で搬送される。
ローラ20−1、20−2…20−32は、回転駆動手段によって各々が独立して回転駆動されるとともに、ローラ駆動手段によって各々が独立して上下動、及び/又は傾動される。回転駆動手段、及びローラ駆動手段は、図1に示したモーションコントローラ22によってその動作が制御されている。
図6は、各ローラ20−1、20−2…20−32の回転駆動手段とローラ駆動手段とを示した構造図である。なお、各ローラ20−1、20−2…20−32は、回転駆動手段とローラ駆動手段とについてそれぞれ同一の構造を有しているので、図6では便宜上ローラ20−1の構造のみ説明し、他のローラ20−2〜20−32側の構造についてはその説明を省略する。また、図6は、ローラ20−1をガラス板搬送方向の下流側から見た正面図である。
ローラ20−1の両端部の下方には、一対の支柱34、36が立設されている。支柱34の外側側面には、直動ガイドを構成するガイドレール38が上下方向に設けられており、このガイドレール38に昇降体40のガイドブロック42、42が係合されている。したがって、昇降体40は、ガイドレール38に沿って昇降自在に設けられる。
昇降体40の上部には、軸受44を介してローラ支持部46が設けられている。軸受44の回動軸は、ガラス板14の搬送方向Aと平行である。よって、ローラ支持部46は、搬送方向Aに直交する方向に回動自在となっている。ローラ支持部46には、ローラ20−1の左端部が軸受48に回転自在に支持され、この左端部にサーボモータ50のスピンドルがギヤ51、53を介して連結されている。
支柱36も同様に、その外側側面には直動ガイドを構成するガイドレール52が上下方向に設けられ、このガイドレール52に昇降体54のガイドブロック56、56が係合されている。したがって、昇降体54は、ガイドレール52に沿って昇降自在に設けられる。
昇降体54の上部には、リンク58を介してローラ支持部60が設けられている。リンク58は、ピン62を介して昇降体54に回動自在に連結されるとともに、ピン64を介してローラ支持部60に回動自在に連結されている。ピン62、64は、ガラス板14の搬送方向Aと平行に設けられている。よって、ローラ支持部60は、搬送方向Aに直交する方向に回動自在となっている。また、ローラ支持部60には、ローラ20−1の右端部が軸受66に回転自在に支持されている。
したがって、上記構成においてサーボモータ50を駆動することにより、ローラ20−1は所定の角速度で回転される。以上が回転駆動手段の構造である。
一方、昇降体40の下部には、ラック68が下方に向けて延設され、このラック68にピニオン70が噛合されている。ピニオン70には、サーボモータ72のスピンドルが連結されている。
また、昇降体54も同様に、その下部には、ラック74が下方に向けて延設され、このラック74にピニオン76が噛合されている。ピニオン76には、サーボモータ78のスピンドルが連結されている。
サーボモータ72、78を、図1に示すモーションコントローラ22によって同期をとって同方向に回転させることにより、ローラ20−1が水平方向を維持した状態で上下動される。また、サーボモータ72、78の回転量を、モーションコントローラ22によってそれぞれ異なる量に制御することにより、ローラ20−1が軸受44とリンク58の回動動作により傾動する。例えば、サーボモータ72の回転量をサーボモータ78の回転量よりも少なく設定することにより、ローラ20−1が図6において左下がりに傾動する。以上がローラ駆動手段の構造である。
前述した回転駆動手段、及びローラ駆動手段は、他のローラ20−1、20−2…20−32の全てに設けられており、これらの手段のサーボモータ50、72、78が、図1のモーションコントローラ22によって制御されている。モーションコントローラ22によってローラ20−1〜20−32をそれぞれ上下動、及び/又は傾動制御することにより、ローラ20−1〜20−32で形成される湾曲面に略円筒状の面と略円錐台状の面とを形成することができる。これらの面の形成方法については後述する。
次に、モーションコントローラ22について説明する。
モーションコントローラ22は、外部入力手段からガラス板14の型式が入力されると、その型式のガラス板14の曲率に対応するローラ20−1、20−2…20−32の角速度制御データ及び上下移動制御データ(傾斜角度制御データを含む)を作成する。そして、モーションコントローラ22は、角速度制御データに基づきサーボモータ50を制御するとともに、上下移動制御データに基づきサーボモータ72、78を制御する。すなわち、モーションコントローラ22は、ガラス板14がローラ20−1、20−2…20−32による搬送中に略円筒状と略円錐台状に曲げ成形されるように、ローラ20−1、20−2…20−32を多軸制御する。
次に、ローラ20−1、20−2…20−32の多軸制御によるガラス板14の曲げ動作について、図2、図3を用いて説明する。基本的なローラ20−1、20−2…20−32の運動は、ガラス板14の搬送にともない、ローラ20−1→20−32の順に下降、上昇運動するものである。また、略円錐台状の面を形成するためのローラについては、その運動に傾斜運動も付加される。なお、これらの図においてローラ20−1、20−2、20−32は水平状態を維持し運動していないが、ガラス板13の型式に応じて運動するものである。また、ローラ20−1〜20−32は水平位置を初期位置としている。
次に、モーションコントローラ22によるローラ20−1〜20−32の運動制御(作用)について図3〜図5を参照して説明する。
モーションコントローラ22によるローラ駆動手段の基本的な制御は、各々のローラ20−1〜20−32を上下動、及び/又は傾動させることにより、搬送面の少なくとも一部を、得ようとするガラス板14の略円筒状及び略円錐台状の曲率に対応する曲率に湾曲させる。そして、ガラス板14が搬送されている位置のローラにより所望の湾曲面を形成する。そして、この湾曲面を、ローラコンベア20の上流側から下流側に向けて波が伝播するように進行させるものである。
更にまた、モーションコントローラ22は、ローラ駆動手段を制御して、図5の如く複合湾曲面Cを形成する複数のローラのうち第1のローラ群(後述する)によって複合湾曲面Cの第1の領域C1を、略円筒状の第1の曲率に湾曲させる。そして、第2のローラ群(後述する)によって複合湾曲面Cの第2の領域C2を、略円錐台状の第2の曲率に湾曲させる。
これにより、ガラス板14は、搬送方向に曲率が異なる第1の領域C1と第2の領域C2とによる複合湾曲面Cによって曲げ成形される。よって、実施の形態のローラコンベア20によれば、搬送方向に曲率が異なる略円筒状の面14−1と、略円錐台状の面14−2を有するガラス板14に曲げ成形することができる。また、面14−1と面14−2との交差線Dは、第1の領域C1と第2の領域C2との境界線Eが転写されることにより形成され、ガラス板14の搬送方向に対して非平行となる。この交差線Dは、第1の領域C1と第2の領域C2との曲面形状にもよるが、搬送方向に傾斜した方向、又は搬送方向に直交した方向となる。
また、境界線Eを水平面に投影した線は、搬送方向に対して傾斜している。更に、搬送方向下流側の各ローラを水平面に対して順次傾斜させることにより、ガラス板14の移動に連動して複合湾曲面Cが搬送方向へ移動する。
次に、前述した第1のローラ群と第2のローラ群について図3〜図5を参照して説明する。
第1のローラ群を構成するローラと第2のローラ群を構成するローラとは互いに隣接して交互に配置され、第1のローラ群によって形成される、図5の略円筒状の面F1と、第2のローラ群によって形成される略円錐台状の面F2とが交差するように形成される。これにより、第1の領域C1に略円筒状の面が形成されるとともに、第2の領域C2に略円錐台状の面が形成される。
具体的には、複合湾曲面Cを形成する複数のローラのうち、図3、図4の如く、奇数列の複数のローラ20−5、20−7、20−9、20−11、20−13、20−15、20−17、20−19、20−21、20−23、20−25、20−27を第1のローラ群として、図5に示した略円筒状の面F1を形成する。そして、図3、図4の如く偶数列の複数のローラ20−4、20−6、20−8、20−10、20−12、20−14、20−16、20−18、20−20、20−22、20−24、20−26、20−28を第2のローラ群として、図5に示した略円錐台状の面F2を形成する。略円錐台状の面F2を形成するためには、上記偶数列のローラ20−4〜20−28を水平面に対して所定角度傾斜させればよい。なお、実施の形態では、1本おきに1本ずつ第1のローラ群、第2のローラ群を構成したが、2本おきに2本ずつ第1のローラ群、第2のローラ群を構成してもよい。
そして、略円筒状の面F1と略円錐台状の面F2とを交差させ、ガラス板14の搬送方向上流側に位置する大きめの第1の領域C1を、略円筒状の面(第1の曲率の面)とし、搬送方向下流側に位置する小さめの第2の領域C2を、略円錐台状の面(第2の曲率の面)とする。
つまり、第1の領域C1においては、第1のローラ群20−5〜20−27のうち、上流側のローラ群20−5〜20−21の高さを、第2のローラ群20−4〜20−28のうち、上流側のローラ群20−4〜20−20の高さよりも高くして略円筒状の面を曲げ成形面として優先させる。
また、第2の領域C2においては、第2のローラ群20−4〜20−28のうち、下流側のローラ群20−22〜20−28の高さを、第1のローラ群20−5〜20−27のうち、下流側のローラ群20−23〜20−27の高さよりも高くして略円錐台状の面を曲げ成形面として優先させる。
これにより、略円筒状の面F1と略円錐台状の面F2とが複合湾曲面C上において交差し、搬送方向上流側に位置する第1の領域C1が略円筒状の面となり、搬送方向下流側に位置する第2の領域C2が略円錐台状の面となる。そして、モーションコントローラ22は、前記略円筒状の面と略円錐台状の面とからなる複合湾曲面Cを、ガラス板14の搬送位置に対応させて、ローラコンベア20の上流側から下流側に向けて波が伝播するように進行させる。
これにより、ガラス板14は、搬送方向に曲率が異なる略円筒状の面14−1と略円錐台状の面14−2とを有する形状に曲げ成形される。そして、略円筒状の面14−1と略円錐台状の面14−2との交差線Dは、前述の如くガラス板14の搬送方向Aに対して非平行となる。
なお、略円筒状の面と略円錐台状の面とからなる複合湾曲面Cは、ローラコンベア20の上流側から下流側に向けて波が伝播するように進行する。このため、ガラス板14の搬送位置によっては、奇数列の複数のローラが第2のローラ群となり略円錐台状の面を形成し、偶数列の複数のローラが第1のローラ群となり略円筒状の面を形成する場合もある。要するに、ガラス板14の搬送位置に応じて、奇数列の複数のローラを第1のローラ群→第2のローラ群→第1のローラ群として交互に機能させ、偶数列の複数のローラを第2のローラ群→第1のローラ群→第2のローラ群として交互に機能させる場合もある。これらのローラの動作は、モーションコントローラ22によって制御されたローラ駆動手段によって行われる。
また、この態様に限らず、境界線Eの直下にあるローラを除いて、第1の領域C1の直下にあるローラをすべて第1のローラ群とし、第2の領域C2の直下にあるローラをすべて第2のローラ群とし、境界線Eの直下にあるローラのみ第1のローラ群と第2のローラ群とを交互に配置することにしてもよい。このように第1のローラ群と第2のローラ群とを配置することにより、複合湾曲面Cを形成するローラ間隔が密になり、ガラス板の曲げ精度が向上する。
ところで、自動車用のサイドガラスは、車体の天井部に対する納まりをよくするために、その上部は曲率の大きい略円錐台状に形成され、また、上部を除く他の部分は、前記略円錐台状の曲率よりも小さい、車体形状に合わせた略円筒状に形成されることが好ましい。
実施の形態の曲げ成形装置10は、このような形状にガラス板を曲げ成形する装置として最適となる。すなわち、この曲げ成形装置10では、図5の如く複合湾曲面Cの第1の領域C1を略円筒状に湾曲させ、第2の領域C2を略円錐台状に湾曲させている。第2の領域C2で曲げ成形される略円錐台状の面14−2を、サイドガラスの上部とすることにより、自動車用サイドガラスとして好ましい形状にガラス板14を曲げ成形することができる。
なお、ガラス板14は、ローラコンベア20の下流へ行くにしたがって大きく曲げられるので、複合湾曲面Cの曲率は、搬送方向下流側に向うに従って大きくなる。すなわち、各ローラの下降・上昇・傾動による振幅は、ローラコンベア20の下流ほど大きい。このように搬送方向下流に向かうに従って、複合湾曲面Cの湾曲面の曲率を大きくすることによって、ガラス板14が下流側に搬送されるに従って、前記湾曲面が深くなるため、徐々に曲げ成形することができ、歪みが発生しにくい。
また、実施の形態に係るガラス板の曲げ成形装置及び曲げ成形方法は、大量のガラス板14の曲げ成形に用いられる。すなわち、複数枚のガラス板14を1枚ずつ順次連続して搬送することによって、大量のガラス板14の曲げ成形が行われる。そのため、ローラコンベア20の各ローラ20−1〜20−32は、順次搬送されてくるガラス板14を曲げ成形するために、上下動、及び/又は傾動を繰り返している。したがって、曲げ成形装置10では、略円筒状の面と略円錐台状の面とからなる複数の複合湾曲面Cが、加熱炉18側から風冷強化装置16に向けて波が伝播するように順次進行する。そして、加熱炉18側から風冷強化装置16に向かうに従って、波の振幅が増大する。
更に、実施の形態では、曲げ成形装置10の下流側に風冷強化装置16を設けている。風冷強化装置16によって曲げ成形後のガラス板14を急冷することにより、強化処理された曲げガラス板14を得ることができる。
なお、搬送面の曲率の変更は、得ようとするガラス板14の形状データに基づいて行うことが好ましい。特に、車両窓用のガラス板は、その形状がCADデータとして予め準備されているので、このCADデータをモーションコントローラ22にリンクさせれば、曲率変更を容易に行うことができる。
また、風冷強化装置16側のローラコンベア26も、曲げ成形装置10のローラコンベア20と同様に、回転駆動手段と傾動手段兼用の上下方向駆動手段とを備え、これらの手段を別の又は同一のモーションコントローラ22で制御することが好ましい。この場合、ローラコンベア26の各ローラの上下位置を変更して、ローラコンベア26による湾曲面の形状をガラス板14の形状である略円筒状の面と略円錐台状面にすればよい。
更に、ローラコンベア26の各ローラの本数に対応させて、風冷強化装置16の上部吹口ヘッド28、及び下部吹口ヘッド30を分割することが好ましい。この場合、分割した上部吹口ヘッド28及び下部吹口ヘッド30は、それに対応するローラの上下移動に連動してガラス板14との距離が一定となるように上下移動させればよい。こうして、全面において均一な強度を有するガラス板14を得ることができる。
図7は、ローラコンベアの複数の湾曲状ローラによって形成される略樽形状に湾曲した2つの面F3、F4を交差させることにより、複合湾曲面Cを搬送方向に曲率が異なる2つの樽形状の面に形成することを説明した模式図である。すなわち、第1の領域C3に第1の樽形状の面が形成され、第2の領域C4に第2の樽形状の面が形成される。よって、ガラス板14には、第1の樽形状の面が転写した樽形状の面14−3と、第2の樽形状の面が転写した樽形状の面14−4とが形成される。そして、境界線Eが転写することにより形成されるガラス板14の交差線Dは、搬送方向Aに対して略直交した方向となる。
次に、図8を参照して前述した湾曲ローラ120の一例について説明する。
同図に示すように、鉛直下方に向けて凸状に湾曲した湾曲ローラ120を有するローラコンベアを使用することにより、搬送方向と直交する方向に湾曲した湾曲面をガラス板14に作ることができる。そして更に、ガラス板14を湾曲ローラ120で搬送中に、ローラコンベアの各湾曲ローラ120を波が伝播するように上下動させることにより、搬送方向に湾曲した湾曲面であって樽形形状の湾曲面をガラス板14に作ることができる。これらの結果、ガラス板14には、2方向に曲率を有する樽形状の湾曲面が形成される。なお、図8では、図6に示した構造と同一又は類似の部材について同一の符号を付している。このため、ここではその説明を省略する。また、湾曲ローラ120の曲率を変更する機構も公知であるので、ここではその説明を省略する。
10…曲げ成形装置、12…湾曲ガラス板の製造装置、14…ガラス板、16…風冷強化装置、18…加熱炉、20…ローラコンベア、20−1〜20−32…ローラ、22…モーションコントローラ、24…ローラコンベア、26…ローラコンベア、28…上部吹口ヘッド、30…下部吹口ヘッド、34…支柱、36…支柱、38…ガイドレール、40…昇降体、42…ガイドブロック、44…軸受、46…ローラ支持部、48…軸受、49…ピン、50…サーボモータ、52…ガイドレール、54…昇降体、56…ガイドブロック、58…リンク、60…ローラ支持部、62…ピン、64…ピン、66…軸受、68…ラック、70…ピニオン、72…サーボモータ、74…ラック、76…ピニオン、78…サーボモータ、120…湾曲ローラ

Claims (10)

  1. 加熱されたガラス板を、搬送方向に対し直交方向に配置された複数の搬送ローラからなるローラコンベアによって搬送しながら、各搬送ローラを上下動させ搬送面に前記搬送方向に曲率を有する所定の湾曲面を形成させて、該湾曲面上に前記ガラス板を位置させ、搬送方向下流側の各搬送ローラを順次上下動させることにより前記ガラス板の移動に連動して該湾曲面を前記搬送方向へ移動させる上下動成形工程を含むガラス板の曲げ成形方法において、
    前記複数の搬送ローラは、第1のローラ群と第2のローラ群とを有し、前記上下動成形工程と同時に、前記第1のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第1の領域を第1の曲率に湾曲させるとともに、該第1の領域と前記第2のローラ群によって形成される前記湾曲面の第2の領域との境界線を水平面に投影した線が前記搬送方向に対して傾斜している複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第1のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させる傾斜工程を含むことを特徴とするガラス板の曲げ成形方法。
  2. 前記第1のローラ群と前記第2のローラ群とは、搬送方向に沿って交互に配置される請求項1に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  3. 前記第1の領域の曲面が、略円錐台状に形成されている請求項1又は2に記載のガラス板の曲げ成形方法。
  4. 前記傾斜工程は、前記上下動成形工程と同時に、前記第2のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第2の領域を第2の曲率に湾曲させて前記複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第2のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させる請求項1から3のいずれかに記載のガラス板の曲げ成形方法。
  5. 前記複合湾曲面の前記第1の曲率は、ガラス板の搬送方向下流に向かうに従って大きくなるように前記複合湾曲面を形成させる請求項1から4のいずれかに記載のガラス板の曲げ成形方法。
  6. 前記搬送ローラとして、前記搬送方向に直交した方向に湾曲した湾曲ローラを用いる請求項1から5のいずれかに記載のガラス板の曲げ成形方法。
  7. ガラス板を曲げ成形可能な温度まで加熱する加熱手段と、搬送方向に対し直交方向に配置された複数の搬送ローラからなるローラコンベアと、各搬送ローラを上下動させる上下動駆動手段と、各搬送ローラを上下動させることによって前記搬送方向に曲率を有する所定の湾曲面を形成させ、該湾曲面上に前記ガラス板を位置させ、搬送方向下流側の各搬送ローラを順次上下動させることにより前記ガラス板の移動に連動して該湾曲面を前記搬送方向へ移動させる制御手段と、を含むガラス板の曲げ成形装置において、
    前記複数の搬送ローラは第1のローラ群と第2のローラ群とを含み、かつ水平面に対して傾斜させる傾斜手段を備え、前記制御手段は、前記上下動駆動手段により前記各搬送ローラを順次上下動させるのと同時に、前記傾斜手段により前記第1のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第1の領域を第1の曲率に湾曲させるとともに、該第1の領域と前記第2のローラ群によって形成される前記湾曲面の第2の領域との境界線を水平面に投影した線が前記搬送方向に対して傾斜している複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第1のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させるように制御することを特徴とするガラス板の曲げ成形装置。
  8. 前記第1のローラ群と前記第2のローラ群とは、搬送方向に沿って交互に配置される請求項7に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  9. 前記制御手段は、前記上下動駆動手段により前記各搬送ローラを順次上下動させるのと同時に、前記第2のローラ群を水平面に対して傾斜させることで、前記湾曲面の第2の領域を第2の曲率に湾曲させて前記複合湾曲面を形成させ、搬送方向下流側の前記第2のローラ群を水平面に対して順次傾斜させることにより前記ガラス板の移動に連動して前記複合湾曲面を前記搬送方向へ移動させる請求項7又は8に記載のガラス板の曲げ成形装置。
  10. 前記搬送ローラとして、前記搬送方向に直交した方向に湾曲した湾曲ローラを用いる請求項7から9のいずれか記載のガラス板の曲げ成形装置。
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