以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の実施形態をパチンコ遊技機を例にして説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るパチンコ遊技機の外観を示す正面側の斜視図である。
<1.構成の概要:図1、図2>
図示のパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前面枠2を開閉可能に取り付け、前面枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前面枠2の開口部に臨ませた構成を有する。上記遊技領域3aは、遊技盤3の面上に配設した球誘導レール5(図2参照)で囲まれた領域からなる。この遊技領域3aの前側に、透明ガラスを支持したガラス扉枠6が設けられている。
またパチンコ遊技機1は、ガラス扉枠6の下側に配設された前面操作パネル7を有している。前面操作パネル7には上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。前面操作パネル7には、球貸しボタン11およびプリペイドカード排出ボタン12(カード返却ボタン12)が設けられている。また、上受け皿9の上皿表面部分には、内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、その内蔵ランプ点灯時に押下することにより演出効果を変化させることができる押しボタン式の枠演出ボタン13が設けられている。この上受け皿9には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14が設けられている。
また、前面操作パネル7の右端部側には、発射ユニットを作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また、前面枠2の上部の両側、発射操作ハンドル15の上側には、効果音を発生するスピーカ46が設けられている。またさらに、ガラス扉枠6の各所には、光の装飾により演出効果を現出する装飾ランプ45が設けられている。
次に、遊技盤3の遊技領域3aについて説明する。図2に示すように、遊技盤3の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタや記号などによる図柄(装飾図柄)の変動表示が可能である画像表示装置としての液晶表示装置36(LCD:Liquid Crystal Display)が配設されている。この液晶表示装置36の真下には、第1の特別図柄始動口である上始動口34と、第2の特別図柄始動口である下始動口35とが上下に配設され、それぞれの内部には、入賞球を検出する特別図柄始動口センサ34a、35a(図3参照)が設けられている。下始動口35には、左右一対の可動翼片47が下始動口35を開閉可能に設けられ、いわゆるチューリップ型の電動役物(普通変動入賞装置41)を構成している。
上始動口34より上左側には、ゲートからなる普通図柄始動口37が配設されており、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が配設されている。
上記下始動口35の下方には、大入賞口40を開閉する開放扉42bで開閉可能に構成した特別変動入賞装置42が配設され、その両側に一般入賞口43が計4つ配設されている。各一般入賞口43は、それぞれ内部にセンサを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
また、遊技領域3aの右上縁付近には、7セグを3桁に並べて構成される特別図柄表示装置38と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置39が設けられている。さらに、遊技領域3aには、センター飾り48、遊技球の落下方向変換部材としての風車44や複数の遊技釘(図示せず)、複数の発光装置(ランプ、LED等:図示せず)などが配設されている。さらに遊技盤3の両側端部近傍にも、装飾ランプ45などのランプ表示装置やLED装置が配設されている。
遊技球が上始動口34または下始動口35に入賞したことに基づき、主制御基板27(図3参照)において乱数抽選による大当りに関する抽選(大当り抽選)が行なわれる。この抽選結果に応じて特別図柄を特別図柄表示装置38に変動表示させて、特別図柄変動表示ゲーム(図柄遊技)を開始し、一定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置38に表示するようになっている。このとき、上記特別図柄変動表示ゲームに連動する形態で、装飾図柄を液晶表示装置36に変動表示させて、装飾図柄変動表示ゲームを開始し、上記一定時間経過後に、特別図柄表示装置38に抽選結果が表示されると共に、液晶表示装置36にも装飾図柄によりその結果が表示される。
本実施形態では液晶表示装置36により画像表示装置を構成しているが、これに限らず、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)等で構成しても良い。この液晶表示装置36は、後述する液晶制御基板25(図3参照)の制御の下で、種々の演出を画像で表示させる。すなわち、上記特別図柄変動表示ゲームでの抽選結果を反映させた演出、つまり装飾図柄を変動表示させて上記装飾図柄変動表示ゲームを現出し、これに付随して種々の予告演出(たとえば、連続予告演出やリーチ演出や背景演出など)を現出させる。
したがって、特別図柄表示装置38での特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であった場合、この液晶表示装置36の装飾図柄変動表示ゲームの結果も「大当り」を反映させた演出が現出される。また、特別図柄表示装置38では特別図柄が大当りを示す所定の停止表示態様(たとえば、3個の7セグが全て「7」停止表示状態)となり、液晶表示装置36では「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、当り有効ライン上で装飾図柄が上記大当り抽選結果を反映させた所定の停止表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」停止表示状態)となる。
そして、この大当りとなった場合には、特別変動入賞装置ソレノイド42a(図3参照)が作動して開放扉42bが開き、これにより大入賞口40が所定パターンで開閉制御されて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉42bが所定時間(たとえば29秒)開放して大入賞口40が開放されるか、または所定個数(たとえば9個)の遊技球が入賞するまで大入賞口40が開放され、その後、所定時間(たとえば2秒)開放扉42bが閉まって大入賞口40を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大15回(15R(ラウンド))繰り返されるようになっている。
上記大当り遊技は、上記図柄変動表示ゲームにて大当りを示す図柄が確定表示されてから開始される。大当りが開始すると、最初に大当り開始ファンファーレによるオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、大入賞口40が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(たとえば、15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口40が開放されてから閉鎖されるまでであり、1回のラウンド遊技中での大入賞口40の開放は、規定入賞個数(たとえば、9個)の遊技球が大入賞口40に入賞するまでの間、または規定時間(たとえば、29秒)が経過するまでの間、となっている。また、ラウンド遊技中では、対応するラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当り終了ファンファーレによるエンディング演出が行われ、大当りが終了する。
また普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき、普通図柄変動表示ゲームが開始され、普通図柄表示装置39が点滅等の変動表示を行い、一定時間経過後に、その普通図柄変動表示ゲームの結果を、LED39の点灯と非点灯の組み合わせまたは双方点灯の組み合わせにて停止表示する。すなわち、普通図柄始動口37に遊技球が通過したことに基づき普通図柄に関する乱数抽選が行われ、この抽選結果が当り(補助当り)であった場合には、普通図柄表示装置39の表示部を所定パターン(たとえば、2個のLEDが双方共に点灯状態)に表示させ、その後に、可動翼片47が開状態となって、遊技者に有利な遊技状態である補助遊技状態が発生する。
この補助遊技状態下では、普通変動入賞装置41の可動翼片47が、所定時間(たとえば、0.2秒)開放して下始動口35が開放されるか、または所定個数(たとえば、5個)の遊技球が普通変動入賞装置41に入賞するまで下始動口35が開放され、その後、所定時間(たとえば、0.5秒)可動翼片47が閉まり下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返される。
また上記補助遊技状態中に遊技球が下始動口35に入賞した場合にも、同様に内部抽選が行われ、上記特別図柄変動表示ゲームが行なわれ、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが行なわれる。各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して排出される。
なお、上記特別図柄変動表示ゲームまたは上記普通図柄変動表示ゲームを行う最中に、さらに特別図柄始動口センサ34a、35aまたは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力がある場合には、この検出信号に基づいて各変動表示ゲームを行わせるための始動権利に関するデータである始動記憶(いわゆる、作動保留球数)を、変動表示中にかかわるものを除き、上限の所定個数まで記憶する。そして、この始動記憶個数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所にまたは液晶表示装置36による画面中に画像として表示させる。通常は、この始動記憶の発生順に、各始動記憶に対する変動表示ゲームが実行制御される。本実施形態では、上記上限の所定個数として、特別図柄、普通図柄に関する始動記憶をそれぞれ4個まで主制御基板27に設けられるRAM273(図3参照)に記憶され、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板27(主制御CPU271:図3参照)がその機能部を担う、確率変動(以下、「確変」と称する)機能を備えている。これには特別図柄の確変機能と普通図柄の確変機能の二種類がある。
特別図柄の確変機能は、大当り終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では300分の1)から高確率(本実施形態では30分の1)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、確変状態においては、大当り抽選確率が低確率である低確率状態から、大当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りが「確変大当り」となり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない大当りが「非確変大当り」となる。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、この確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。なお、確変状態を継続させる条件は適宜定めることができる。たとえば、所定回数(たとえば、4回)の特別図柄変動表示ゲームが終了する迄の間(いわゆる、「回数切り確変(ST)」)、または次回の大当り遊技が開始される迄の間、もしくは抽選により低確率状態に移行することが決定される迄の間(いわゆる、「転落抽選」)を条件とすることができ、いずれの条件を付与するかは自由である。また、確変大当りを複数種類設けることにより、各確変大当りごとに、どの条件を付与するかを定めても良い。
普通図柄の確変機能は、大当り遊技終了後に補助当りの抽選確率(補助当りの当選確率)が低確率である通常確率(本実施形態では256分の1)から高確率(本実施形態では256分の255)に変動する確変状態を付与する機能である。すなわち、上述した特別図柄に関する確変状態と同じく、この確変状態においては、補助当り抽選確率が低確率である低確率状態から、補助当り抽選確率が高確率である高確率状態に変動している。普通図柄の確変機能は、後述する普通図柄の変動時間短縮機能に連動する形態となっている。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、変動時間短縮(以下、「時短」と称する)機能を備えている。これには特別図柄の変動時間短縮機能と普通図柄の変動時間短縮機能の二種類がある。
特別図柄の時短機能は、大当りの抽選結果を導出する特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。特別図柄の変動時間について時短状態が付与されると、1回の特別図柄変動表示ゲームの時間(特別図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、10秒(時短状態が付与されていないとき)から5秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、この時短状態は、単位時間当りの大当りの抽選回数が向上する抽選回数向上状態である。
普通図柄の時短機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる(下始動口35に遊技球を入賞し易くする)か否かの抽選結果を導出する普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の変動時間が短縮された時短状態を遊技者に付与する機能である。普通図柄の変動時間について時短状態が付与されると、1回の普通図柄変動表示ゲームの時間(普通図柄が変動を開始してから確定表示される迄の時間)が、たとえば、30秒(時短状態が付与されていないとき)から3秒(時短状態が付与されているとき)に短縮される。すなわち、この時短状態は、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態である。
上記の時短状態は、本実施形態では、確変大当り終了後の確変状態が継続する間、または非確変大当り終了後の予め定めた回数の図柄変動表示ゲームが終了する迄の間、もしくは当該予め定めた回数に達する前に大当りが生起される迄の間付与される。
またさらに、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御CPU271がその機能部を担う、開放延長機能を備えている。
開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47を開動作させる期間およびその開放回数を延長した開放延長状態を遊技者に付与する機能である。開放延長状態が付与されると、可動翼片47の開動作期間がたとえば0.2秒から2秒に延長され、また開閉回数が、たとえば最大2回(開放延長状態が付与されていないとき)から最大3回(開放延長状態が付与されているとき)に延長される。すなわち、開放延長状態は、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態である。開放延長機能は、上記時短機能に連動する形態となっている。したがって、上記時短状態では、普通図柄の確変機能および開放延長機能をも付与されるので、可動翼片47の作動率が著しく向上するようになっている。以下では、確変機能(普通図柄に関する)、時短機能、および開放延長機能が付与される状態を必要に応じて「時短状態」と称して説明する。
このように普通変動入賞装置41の可動翼片47は、時短状態が付与されている場合と、時短状態が付与されていない場合とでは、普通図柄変動表示ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作する。すなわち、可動翼片47は、時短状態が付与されている場合、時短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利な動作をするようになっている。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上記の特別図柄変動表示ゲームで抽選される大当り(内部当選)の種別として、大当り終了後の遊技状態を、大当り当選確率が所定確率である低確率状態とする「非確変大当り(15R非確変大当り)」と、それより高い当選確率の高確率状態とする「確変大当り(15R確変大当り、2R突然確変大当り、2R潜伏確変大当り)」とを設けてある。これらの大当りのうち、15R非確変大当りと15R確変大当りは、大入賞口40の開放回数(ラウンド数)があらかじめ定めた最大回数の15ラウンド行われる大当りであり、また2R確変大当り(2R突然確変大当りと2R潜伏確変大当り)は、上記ラウンド数が2ラウンド行われる大当りである。また、「確変大当り」においては、次回大当りとなる迄の間、大当り遊技終了後に少なくとも確変状態が付与される。具体的には、15R確変大当りと2R突確大当りとには次回大当りまで確変状態および時短状態が付与され、2R潜伏確変大当りでは確変状態のみが付与されるようになっている。一方、「非確変大当り」においては、大当り遊技が終了した後に特別図柄変動表示ゲーム回数が所定回数(たとえば、100回)終了する迄の間か、またはその所定回数内で次回大当りとなる迄の間、時短状態が付与され、かつ確変状態が付与されないようになっている。
また上述した大当りの他、2R確変大当り(2R突確大当りまたは2R潜伏確変大当り)の大当り遊技状態の場合と同様の態様で特別変動入賞球装置42が2回開閉される当り状態(小当り遊技状態)が付与される「小当り」が設けてある。具体的には、停止図柄が小当り図柄になると、短い期間(たとえば5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される小当り遊技状態に移行し、この小当り遊技状態では、2R確変大当りの大当り遊技状態が発生したときに遊技者に付与される遊技価値と実質的に同じ遊技価値が付与されることになる。しかし小当り遊技状態終了後には、当該小当りの当選時の遊技状態がそのまま継続されるようになっており、この点において、少なくとも確変状態が付与される「2R確変大当り」とはその性質を異にする。
また、いずれかの大当りに当選した場合、特別図柄表示装置38における特別図柄に関しては、そのまま抽選結果が反映した特別図柄が表示される。つまり特別図柄表示装置38には、確変大当りを報知する特別図柄または非確変大当りを報知する特別図柄または確変大当りか非確変大当りのいずれかの可能性があることを報知する特別図柄が表示される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1には、大当り終了後に液晶表示装置36に表示される遊技状態における演出の演出モードとして、現在の遊技状態が高確率状態、つまり確変状態であることを確定的に報知する演出をなす確変演出モードと、これとは異なり大当り当選確率が高確率状態であることを確定的に報知しない演出をなす時短演出モードを設けてある。上記時短演出モードは、原則として非確変大当りを契機として移行する演出モードであり、現在の遊技状態が確変状態であることを確定的には報知しないが、時短状態であることを確定的に報知する演出をなすモードである。
<2.制御装置:図3>
図3は、上記のような遊技の進行状況に応じた遊技機制御を行う制御装置の概要を示した制御ブロック図である。
この制御装置は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板27(主制御部)と、主制御基板27から演出制御コマンドを受けて、光と音についての演出制御を行う演出制御基板24と、この演出制御基板24からの指示を受けて画像についての演出制御を行う液晶制御基板25と、を中心に構成される。そして、液晶制御基板25には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお本明細書においては、場合により、演出制御基板24の機能と液晶制御基板25の機能を特に区別することなく、両機能を併せ持つ制御装置部分を「演出制御部」として説明する。なお本明細書において、演出装置といった場合、液晶表示装置36やランプやLEDや音響発生装置、可動体など、画像や光や音、可動体の動作態様によって演出を行う装置を広く指す。
また、主制御基板27には払出制御基板29が接続され、これに発射装置32を制御する発射制御基板28および遊技球払出装置19が接続されている。符号31は電源基板であり、電源基板31は外部電源(図示せず)に接続され、変圧トランスから供給される交流電圧(AC24V:メイン電源)から所要の電源を生成し、各制御基板にそれぞれ供給する。なお、図3には電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御基板27)
主制御基板27は、主制御CPU271を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等を格納したROM272と、ワークエリアが形成されるRAM273を搭載して、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能等を有するCTC(Counter Timer Circuit)やCPUに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
また主制御基板27には、上始動口34への入賞を検出する特別図柄始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する特別図柄始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、大入賞口40への入賞を検出する大入賞口センサ40aとが接続され、主制御基板27はこれらの各検出信号を受信可能となっている。
また主制御基板27には、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置39、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通変動入賞装置ソレノイド41a、および、大入賞口40の幅広な開放扉42bを開閉制御するための特別変動入賞装置ソレノイド42aが接続され、主制御基板27は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御基板27は、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる「大当り」またはこの特別遊技状態を発生させない「ハズレ」のいずれであったかを抽選するとともに、その抽選結果である当否情報に応じて特別図柄の変動パターンや停止図柄を決定し、少なくともこの抽選結果と変動パターンとを含む演出制御コマンドや、決定された停止図柄に基づく装飾図柄コマンドを作成して演出制御基板24に送信する構成となっている。
主制御基板27からの演出制御コマンドは、一方向通信により演出制御基板24に送信される。これは、外部からのゴト行為による不正な信号が演出制御基板24を介して主制御基板27に入力されることを防止するためである。
(2−2.演出制御基板24)
演出制御基板24は、演出制御CPU241を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、演出制御手順を記述した制御プログラムや演出データ等を格納した演出制御ROM242と、ワークエリアが形成される演出制御RAM243と、を搭載していて、1チップマイクロコンピュータを構成している。また図示はしていないが、音源IC、CTC、および割り込みコントローラ回路などが設けられている。この演出制御基板24の主な役割は、主制御基板27からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選、液晶制御基板25への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、枠ランプ・LEDの発光制御、可動体の可動制御、各種エラーの報知などである。
演出制御基板24は、光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ45やLEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部と、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部とを備えている。
また、演出制御基板24は、演出制御コマンドを受けて、変動パターンに対応する演出パターンを抽選し、液晶表示装置36の画面に映像で演出表示をさせるべく、液晶制御基板25に対して液晶制御コマンドを送信する構成となっている。
また、演出制御基板24には、枠演出ボタン13が接続されている。この枠演出ボタン13は遊技者が操作可能な押しボタンからなり、遊技者参加型の昇格演出ゲームに遊技者が参加するときなどにおいて遊技者により操作される。
(2−3.液晶制御基板25)
液晶制御基板25には、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP60に出力する液晶制御CPU52と、液晶制御CPU52の動作手順を記述したプログラムを内蔵する液晶制御ROM53と、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAM54とが設けられている。
また、液晶制御基板25には、液晶制御CPU52に接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)60と、VDP60が画像展開する必要な画像データを格納した画像データROM55と、VDP60が展開した画像データを一時的に記憶するVRAM56とが設けられている。
遊技状態に関する情報は、まず、大当り抽選の結果(大当りかハズレかの別)に基づく特別図柄変動パターン、現在の遊技状態、作動保留球数、抽選結果に基づき停止させる装飾図柄等に必要となる基本情報が、演出制御コマンドにより主制御基板27から演出制御基板24へと送信される。
演出制御基板24側では、主制御基板27から送られてくる演出制御コマンドにより指示された演出シナリオに対応する演出パターンが、あらかじめ用意された多数の演出パターンの中から抽選により決定され、この決定された演出パターンを実行指示する制御信号が演出制御基板24から音響発生装置46aおよび光表示装置45aに送られる。これにより、演出パターン対応する効果音の再生と、装飾ランプ45やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また演出制御基板24は、主制御基板27から送信される演出制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置36に表示する画像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に対し送信する。液晶制御基板25はこれにより、演出パターンに対応した画像による演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、主制御CPU271は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御基板にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。更に、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。演出制御CPU241は、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信する。ストローブ信号は主制御CPU271により、演出制御CPU241が確実にコマンドを受信することが可能な所定期間アクティブ状態に制御される。
液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板24は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板25にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。なお、ここでも不正な行為に対する安全性を確保するため、液晶制御基板25から主制御基板27へは信号が流れないように構成される。
<3.主制御基板側の処理:図4〜図7>
次に、図4〜図7を参照して、主制御基板27側における処理内容を説明する。
(3−1.主制御側メイン処理:図4)
まず、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、電源基板31によって各制御基板に電圧が供給され、主制御CPU271が図4に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理において、まず遊技動作開始前における必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
次に、図示してない入力ポートを介して入力されるRAMクリアスイッチの出力信号の状態(オン、オフ)を確認し、RAMクリアスイッチがオンである場合(ステップS102:YES)にはステップS105の処理に進み、RAMの初期化処理として記憶エリアをクリアする。しかしRAMクリアスイッチがオンでない場合(ステップS102:NO)、次に電源断が発生した際にバックアップRAMに記憶されたバックアップ用データが有効であるか否かを判断する(ステップS103)。電源復旧の際には、チェックサムの比較を行うことにより、バックアップデータが有効であるか否かを確認している。
バックアップデータが有効である場合には(ステップS103:YES)、バックアップデータに基づき、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技を開始するために必要な遊技復旧処理を実行し(ステップS104)、ステップS107の処理に進む。バックアップデータが有効でない場合には(ステップS103:NO)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定し、RAMを初期化する(ステップS105)。そして、このRAMの初期化に伴い、RAMクリア情報を初期化コマンドとして各制御基板に送信する(ステップS106)。
次に、CPUに設けられているCTCの設定を行う(ステップS107)。本処理では、4msごとに定期的にタイマ割り込みがかかるように、初期値として4msに相当する値をCTCの時間定数レジスタに設定する。
ステップS101〜S107での電源初期投入後の処理を終えた後、正常動作時の処理(ステップS108〜S112)として、割込禁止(ステップS108)と割込許可(ステップS112)とを繰り返すとともに、その間に、各種乱数の更新処理を実行する(ステップS109〜S111)。
乱数の更新処理として、ステップS108の処理後、まず変動パターン用乱数値更新処理を実行する(ステップS109)。この変動パターン用乱数値更新処理では、主として、特別図柄変動パターンコマンドを決定するための抽選に用いる変動パターン用乱数値を更新する。
続いて、普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)と特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)を実行する普通図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS110)では、普通図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する普通図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新(たとえば、カウンタのカウント値を更新する処理)し、特別図柄当り判定用初期値乱数更新処理(ステップS111)では、前記特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する特別図柄当り判定用乱数の初期値変更に使用する乱数を更新する。
(3−2.主制御側タイマ割込処理:図5)
図5は、主制御側メイン処理において、一定時間(4ms)ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、主制御CPU271は、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理(ステップS201)を実行する。
次いで、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新する定期乱数更新処理を実行する(ステップS202)。定期乱数更新処理では、普通図柄変動表示ゲームや特別図柄変動表示ゲームの当否抽選に使用する各種乱数を定期的に更新する。
次いで、遊技動作に用いられるタイマを管理制御するためのタイマ管理処理を実行する(ステップS203)。遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値はここで更新される。
次いで、入力管理処理を実行する(ステップS204)。この入力管理処理では、パチンコ遊技機1に設けられた各種センサによる検出情報を、図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する。各種センサによる検出情報とは、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ40a、特別図柄始動口センサ34a、35a、一般入賞口センサ43a等が検出した信号である。
次いで、エラー管理処理を実行する(ステップS205)。このエラー管理処理では、上記入力管理処理で読み込み格納したデータを把握してスイッチのチェックを行い、不正入賞を監視したり、遊技動作状態を監視したりして、パチンコ遊技機1の異常を監視する。
次いで、賞球管理処理を実行する(ステップS206)。この賞球管理処理では、遊技球払出装置19に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数を指定する賞球払出制御コマンド)を出力する。
次いで、普通図柄管理処理を実行する(ステップS207)。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームにおける当否抽選を実行し、その抽選結果に基づいて普通図柄の変動パターンや普通図柄の停止表示態様を決定したりする。
次いで、普通変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS208)。普通変動入賞装置管理処理では、普通図柄管理処理(ステップS207)における当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を普通変動入賞装置ソレノイド41aに送信し、普通変動入賞装置41の可動翼片47の一連の動作を制御する。
次に、特別図柄管理処理を実行する(ステップS209)。この特別図柄管理処理では、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選(大当り判定処理)を実行し、その抽選の結果に基づいて特別図柄の変動パターンや特別図柄の停止表示態様(停止特別図柄)を決定する。
(3−3.特別図柄管理処理:図6〜図7)
次に、大当り抽選に係るステップS209の特別図柄管理処理について説明する。図6および図7は、特別図柄管理処理の詳細を示すフローチャートである。ここでは、上始動口34、下始動口35への入賞を検出したことを条件に、大当り判定処理、特別図柄停止図柄設定、変動パターン設定、特別図柄に関する演出制御コマンドの送信等の処理を行う。
図6において、主制御基板27(主制御CPU271)は、まず上始動口34または下始動口35において入賞球を検出したか否かを確認する(ステップS301)。入賞球を検出した場合(ステップS301:YES)、入賞を示す特別図柄始動口入賞コマンド(上始動口34については上始動口入賞コマンド、下始動口35については下始動口入賞コマンド)を演出制御基板24に送信する(ステップS302)。この入賞コマンドにより入賞があった旨を光表示装置45a等で報知する。
続いてステップS303の処理に進み、特別図柄の作動保留球数が4以上であるか否か判断する(ステップS303)。特別図柄の作動保留球数(以下、「特別図柄作動保留球数」と称する)が4以上でない場合、つまり4未満の場合は(ステップS303:NO)、特別図柄作動保留球数を1加算し(ステップS304)、増加した保留球数に対応した保留コマンド(上始動口34については上始動口保留コマンド、下始動口35については下始動口保留コマンド)を送信する(ステップS305)。この保留コマンドは、特別図柄の作動保留球数を液晶表示装置36に表示する際に利用される。次いで特別図柄当り判定用乱数値、特別図柄用停止図柄乱数、および変動パターン用乱数値のカウンタの現在値を取得して、それぞれRAM273の取得数値記憶エリアに格納する(ステップS306)。そしてステップS307の処理に進む。
ステップS301の処理において入賞球を検出していないかった場合(ステップS301:NO)や、ステップS303の処理において特別図柄作動保留球数が4以上の場合(ステップS303:YES)には、上記のステップS302〜ステップS306の処理を行わずに、ステップS307の処理に進む。
ステップS307の処理に進むと「大当り中」であるか否かを判断して、「大当り中」であれば(ステップS307:YES)、特別図柄を管理する必要がないので、これにより特別図柄管理処理を終了し、図5のステップS210の特別変動入賞装置管理処理に移行する。
一方、ステップS307の処理で「大当り中」でないと判断された場合(ステップS307:NO)、特別図柄の挙動を示す処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」のいずれであるかを順に判断し(ステップS308、ステップS312、ステップS322)、該当する場合はそれぞれの処理状態に属する処理を行う。なお、「特別図柄待機中」とは特別図柄の変動が行なわれておらず次回の変動のための待機状態であることを示し、「特別図柄変動中」とは特別図柄が現在変動中であることを示し、「特別図柄停止中」とは特別図柄の変動が終了して停止中であることを示している。
以下、上記処理状態が「特別図柄待機中」「特別図柄変動中」「特別図柄停止中」である場合の処理内容について順に説明していく。
特別図柄待機中の場合は(ステップS308:YES)、特別図柄の作動保留球数がゼロかどうかを判断する(ステップS309)。
特別図柄作動保留球数がゼロの場合(ステップS309:YES)、遊技が全く行われていない可能性がある。そこでデモ演出を行なうべきデモ表示条件が成立しているか否かを判断する(ステップS310)。本実施形態では、上始動口34または下始動口35の検出信号入力が所定時間(たとえば60秒)経過しても、その入力がなかった場合に、上記デモ表示条件を満たしたと判断するようにしている。上記デモ表示条件が成立している場合は(ステップS310:YES)、デモ表示コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS311)。そして、この特別図柄管理処理を終了する。
一方、特別図柄作動保留球数がゼロでない場合(ステップS309:NO)、図7のフローに進み、特別図柄作動保留球数を1減算し(ステップS315)、減少した保留球数に対応した保留コマンドを送信する(ステップS316)。次いで、ステップS306で取得した乱数値が大当り判定値に属するか否かの判定処理(大当り判定処理)を実行する(ステップS317)。この判定処理では、大当りの抽選を遊技状態(低確率状態、確変状態)に応じた抽選確率で行なう。
次に、ステップS317における大当りの判定結果とステップS306で取得した特別図柄用停止図柄乱数値とに基づいて、停止図柄(特別図柄停止図柄)を抽選により選択する(ステップS318)。この処理で抽選される特別図柄停止図柄により、大当り態様(たとえば、大当り遊技中のラウンド数を幾つにするか)および大当り終了後の遊技状態(たとえば、確率変動、時短状態、開放延長中等を設定するかどうか)が最終的に決定される。
次に、変動パターンの設定処理を実行する(ステップS319)。この変動パターン設定処理では、ステップS318の停止図柄の抽選結果とステップS306で取得した変動パターン用乱数値、保留球数、遊技状態等に基づいて、特別図柄の変動パターンが決定され、さらにこの変動パターンに対応する変動時間が決定される。そして、処理状態を「特別図柄変動中」に切り替え(ステップS320)、特別図柄変動コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS321)。ここでいう「特別図柄変動コマンド」とは、「特別図柄変動パターン」コマンドの他、決定された特別図柄停止図柄に対応した「装飾図柄表示」コマンドも、演出制御基板24に送信される。したがって、これらの演出制御コマンドは、特別図柄の変動開始条件が成立したことを条件に演出制御基板24に送信されることになる。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
特別図柄変動中の場合は(ステップS312:YES)、特別図柄変動時間が経過するのを待つ(ステップS313:NO)。特別図柄変動時間が経過した場合(ステップS313:YES)、処理状態を「特別図柄停止中」に切り替え、特別図柄の変動が終了し停止したことを示す「図柄停止」コマンドを演出制御基板24に送信する(ステップS314)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
特別図柄停止中の場合は(ステップS322:YES)、停止図柄を特別図柄表示装置38に表示させるための一定時間が経過するのを待ち(ステップS323:NO)、一定時間が経過したならば(ステップS323:YES)、その停止図柄が大当り図柄であるか否かを判断する(ステップS324)。大当り図柄である場合は(ステップS324:YES)、処理状態を「大当り中」に設定し(ステップS325)、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS326)。また停止図柄が大当り図柄でない場合は(ステップS324:NO)、ステップS325の処理を行わずにステップS326に進み、「特別図柄待機中」に切り替える(ステップS326)。これによりこの特別図柄管理処理を終了して、特別変動入賞装置管理処理(図5)に移行する。
図5に戻り、上記特別図柄管理処理(ステップS209)に次いで、特別変動入賞装置管理処理を実行する(ステップS210)。この特別変動入賞装置管理処理は、特別図柄管理処理(ステップS209)における大当りの当否抽選の結果に基づき、ソレノイド制御用の励磁制御信号を特別変動入賞装置ソレノイド42aに送信し、特別変動入賞装置42の大入賞口40を所定のパターンに従い開閉制御して、大当りに関する遊技を実行制御する処理である。
主制御基板(主制御CPU)27は、上記の特別変動入賞装置管理処理に次いで「LED管理処理」を実行する(ステップS211)。このLED管理処理は、処理の進行状態に応じて、普通図柄表示装置39や特別図柄表示装置38への出力データを作成したり、当該データに基づく制御信号を出力したりする処理である。
そして、上記のようにステップS202〜ステップS211の処理を実行した後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS212)、タイマ割込処理を終了する。
<4.演出制御側の処理:図8〜図11>
次に、図8〜図11を参照して、演出制御基板24側における処理内容について説明する。
(4−1.演出制御側メイン処理:図8)
遊技機に電源が投入されると、電源基板31から各制御基板に電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて、演出制御CPU241が図8に示す演出制御側メイン処理を開始する。
この演出制御側メイン処理では、電源投入が行われてから初めての処理としてステップS501〜S502が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS503S〜507が行われる。
まず、演出制御基板24は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行し(ステップS501)、バックアップが正常であれば電源遮断(電断)前の処理状態に復帰させる復帰処理を実行する(ステップS502)。なお、電断前の処理データ(バックアップデータ)は、瞬停やノイズによる電断等に対応する全てのRAM情報のバックアップデータではなく、遊技復旧の際に必要となる最低限の遊技動作情報のバックアップデータである。
次に、正常動作時の処理として、電断の発生の有無をチェックし(ステップS503)、電断の発生が確認された場合には(ステップS503:YES)、電断時におけるデータを所定のバックアップ領域に保存する(ステップS508)。
電断の発生を確認しない場合には(ステップS503:NO)、まず演出用乱数更新処理を実行する(ステップS504)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用の乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS505)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS506)。そして、ウォッチドッグタイマをクリアして(ステップS507)、電断が発生しない限り、ステップS503からステップS507の処理をループ処理にて実行する。
(4−2.コマンド受信割込処理:図9)
図9は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。ここではレジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS521)、演出制御コマンドをRAMの所定領域に格納する処理を行い(ステップS522)、レジスタを復帰(ステップS523)する。主制御基板27から送られてくる各種演出制御コマンドを受けた場合、INT割り込みが発生し、この受信割込処理にて、演出制御コマンドを受信した時点で、これをコマンド受信バッファに格納する。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図10)よりも優先して処理される。
(4−3.演出制御側タイマ割込処理:図10)
図10は、演出制御基板24における演出制御側メイン処理において、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側タイマ割込処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御CPU241は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を実行する(ステップS531)。次いでプログラム異常を監視しているウォッチドッグタイマをクリアして、タイマのカウントを再スタートさせる(ステップS532)。
次いで、定期更新処理を行う(ステップS533)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要な各種タイマの内容を割り込みごとに更新する。
上記各種タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。たとえば、特別図柄表示装置38に特別図柄が変動されている変動期間内(特別図柄の変動期間内)と実質的に同一期間内である液晶表示装置36の画面に装飾図柄が変動表示されている変動期間内(装飾図柄の変動期間内)において、その時間軸上で、どのような演出パターンの演出内容を、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ45やスピーカ46や液晶表示装置36などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが、このタイマにより時間管理される。
次いで、演出決定管理処理として、主制御基板27から受信した演出制御コマンドに基づいて演出のシナリオを決定するコマンド解析処理(ステップS534)と、演出シナリオに基づき、液晶制御コマンド、音出力、LED出力設定を行う演出シナリオ更新処理(ステップS535)とを実行する。ここでの「演出シナリオ」とは、装飾図柄の変動パターンに対応する狭義の演出パターンに、予告演出を含めた広義の演出パターンを指す。
(4−4.コマンド解析処理:図11)
図11にコマンド解析処理(ステップS534)の詳細を示す。このコマンド解析処理では、主制御基板27から演出制御コマンドを受信したか否か、つまりコマンド受信バッファ(図示せず)に演出制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し(ステップS601)、演出制御コマンドが格納されている場合(ステップS601:YES)、コマンド受信処理として、この演出制御コマンドを読み出して、上記演出シナリオの主体である演出パターンを決定する(S602)。
また、この演出パターンの決定に関連して、演出表示抽選処理を実行する(ステップS603)。この演出表示抽選処理では、演出シナリオの追加的な構成要素である「予告演出パターン」を抽選する。「予告演出パターン」は、特別図柄が所定の変動パターンの変動を開始してから停止するまでの期間と等価的な時間幅である装飾図柄の変動パターン演出時、つまり図柄遊技中に、静止画像または動画像として表示させる演出、音、発光、可動体等を所定態様にて行う演出であり、複数種類の予告演出の内容が定められた演出パターン選択テーブルの中から抽選により選択される。この抽選される「予告演出」の中には、選択確率が所定値より低い予告演出であるプレミア演出の表示が含まれる。
上記の「予告演出パターン」を指定するコマンドは、一方では、演出制御コマンドの一つとして演出制御基板24に送信されて音・ランプの制御に用いられ、他方では、液晶制御コマンドの一つとして液晶制御基板25に送信されて、液晶表示装置36による画像表示のために用いられる。
なお、演出制御コマンドを受信していなければ(ステップS601:NO)、何もしないでコマンド解析処理を終了する。
このコマンド解析処理では、上記コマンド受信割込処理で優先的に常に新しいものに更新された演出制御コマンドが処理されることになる。
図10に戻り、次いで、演出シナリオ更新処理(ステップS535)を実行する。
この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド解析処理(図11)において決定された上記演出シナリオの内容に基づいてランプやLEDやスピーカ46の作動を実行指示する制御信号(発光制御信号や音声制御信号)の作成を行うと共に、上記演出シナリオの内容に基づいて液晶表示装置36の作動を実行指示する液晶制御コマンドの作成を行う。そして、作成した上記制御信号や液晶制御コマンドを、RAM243の所定の格納領域に格納して、演出シナリオ更新処理を終了する。
次に、演出制御CPU241は、上記所定のコマンド格納領域における液晶制御コマンドの有無を判断する(ステップS536)。液晶制御コマンドが有る場合(ステップS536:YES)、演出制御CPU241は、液晶制御コマンドを、映像の再生が必要なタイミングで液晶制御基板25に送信する(ステップS537)。これにより、液晶表示装置36において上記演出シナリオに沿って画像が変化するようになっている。
ここで送信される液晶制御コマンドには、装飾図柄表示コマンドやキャラクタや背景などの演出表示コマンドが含まれ、これらの表示コマンドは「予告演出」の発生を指定する情報である場合がある。
上記ステップS537の処理に続いて、演出制御CPU241は、上記所定のコマンド格納領域において再生する音データの音声制御信号が有るか否かを判断し(ステップS538)、再生する音データの音声制御信号が有る場合には(ステップS538:YES)、音の再生が必要なタイミングで、サウンドLSIの音声制御信号を入力し、音源ICを通じてスピーカ46から音を出力させる(ステップS539)。これにより、演出シナリオに沿った効果音がスピーカ46から発生される。
続いて、LED出力処理を実行する(ステップS540)。このLED出力処理は、上記音声制御信号がサウンドLSIに送信された場合、この情報を受け、対応する演出に伴い発光制御信号を装飾ランプ45やLEDなどに送信し点灯もしくは点滅させて光による演出を実現する。
そして、退避したレジスタの内容を復帰させ(ステップS541)、これにより演出制御側タイマ割込処理を終了する。
<5.液晶制御側の処理:図12〜図20>
次に、図12〜図20を参照して、液晶制御基板25側における処理内容について説明する。
(5−1.液晶制御側メイン処理:図12)
図12は液晶制御側メイン処理を示すフローチャートである。この液晶制御側メイン処理は、液晶制御基板25の液晶制御CPU52により実行される。
この液晶制御側メイン処理では、パチンコ遊技機1に電源が投入されると、初めての処理としてステップS701が行われ、その後は正常動作時の処理としてステップS702〜S706が行われる。
電源が投入されると、まず液晶制御CPU52は、自身のスタックポインタの設定、液晶制御RAM54の初期化、レジスタクリア等、表示制御始前における必要な初期設定を実行する(ステップS701)。次いで、コマンド解析処理(ステップS702)、コマンド別実行処理(ステップS703)、シナリオ更新・設定処理(ステップS704)、Vブランク待ち処理(ステップS705)、各種設定処理(ステップS706)、の各処理を順次実行して行く。
コマンド解析(ステップS702)では、演出制御基板24から受信した液晶制御コマンドに基づいて、実行すべきルーチンの指定およびシナリオ進行カウンタの設定を行う。「シナリオ進行カウンタ」は毎フレームごとに歩進されてシナリオの進行を管理するカウンタである。コマンド別実行処理(ステップS703)の詳細は後述する。シナリオ更新・設定処理(ステップS704)では各種シナリオの設定および再設定とシナリオ進行カウンタの歩進とを行う。Vブランク待ち処理(ステップS705)では、VDP60が出力する外部信号である垂直同期信号(Vブランク)が発生したか否かを常時監視しており、Vブランクが発生した場合、VRAM56内のフレームバッファのバンク切替や、シナリオ進行カウンタの更新などを行う。各種設定処理(ステップS706)では、液晶制御CPU52の内部レジスタを更新するCPUレジスタ更新や、VDP60の内部レジスタ(VDPレジスタ)を更新するVDPレジスタ更新などの処理を行う。
(5−2.受信割込処理:図13)
図13は、液晶制御コマンドの受信割込処理を示すフローチャートである。演出制御基板24から新たな液晶制御コマンドを受けた場合、その液晶制御コマンドを受信した時点でINT割り込みが発生し、レジスタを所定のスタック領域に退避させた後(ステップS711)、この受信した液晶制御コマンドをRAM54(図3)内のコマンド受信バッファに格納し(ステップS712)、レジスタを復帰(ステップS713)する。
(5−3.コマンド解析処理:図14)
図14はコマンド解析処理(ステップS702)の内容を示すフローチャートである。ここでは演出制御基板24から新たな液晶制御コマンドを受信した場合(ステップS721:YES)、その受信データを液晶制御RAM54(図3)内のコマンド受信バッファに格納する。そして液晶制御RAM54に格納された受信コマンドを読み出して(ステップS722)、どのような変動パターンであるかを解析する。本発明との関係では、受信コマンドが擬似連続変動パターンであるか否かを判断する(ステップS723)。
受信コマンドが擬似連続変動パターンである場合(ステップS723:YES)、その擬似連続変動パターンから特定される擬似変動回数Nを擬似回数カウンタに設定する(ステップS724)。本実施形態の場合、擬似連の上限値である4回に擬似変動回数Nを設定する。次いで、ステップS725に進む。
一方、ステップS723の判断において、受信コマンドが擬似連続変動パターンではない変動パターンであると判断された場合(ステップS723:NO)、上記擬似変動回数Nの設定をせずに、直接にステップS725に進む。
ステップS725は、受信コマンドに基づく実行指示の設定、具体的には変動パターンの実行ルーチンの指定と、シナリオ進行カウンタの設定をなすステップである。液晶制御RAM54には、変動パターンの種類に応じて複数の実行ルーチンが用意されており、解析により特定された実行ルーチンをアドレス指定する設定がステップS725でなされる。
詳述するに、液晶制御RAM54には、変動パターンの種類に応じた複数の実行ルーチンとして、たとえば図15に示すように、実行ルーチン記憶領域中のアドレスAにハズレ変動パターンルーチン(10秒変動)が格納され、アドレスBに擬似3回変動ハズレ変動パターンルーチン(60秒変動)が格納され、アドレスCに擬似3回変動当り変動パターンルーチン(70秒変動)が格納されている。
そして、これらの各実行ルーチンには、1変動内での1または複数のシナリオ(部分シナリオ)により構成されたシナリオデータが用意されている。
たとえば、上記の擬似3回の変動を記述しているアドレスBやアドレスCの変動パターンルーチンにおいては、図16に例示するように、スタート(0)、(イ)擬似1回目開始〜終了までの部分シナリオ(X1)、(ロ)擬似2回目開始〜終了までの部分シナリオ(X2)、(ハ)擬似3回目開始〜リーチになるまでの部分シナリオ(X3)、(ニ)リーチ成立から発展前までの部分シナリオ(X4)、(ホ)発展から終了までの部分シナリオ(X5)からなるシナリオデータを保有している。
ここで、カッコ内は、シナリオの進行を管理する「シナリオ進行カウンタ」によるカウント値であり、初期値(0)から始まり、毎フレームごとに1加算される。上記図16の例では、シナリオ進行カウンタのカウント値(0)はシナリオのスタート値、(X1)〜(X4)はそれぞれ部分シナリオ(イ)〜(ニ)の分岐点値、そして(X5)は部分シナリオ(ホ)の終了値であり、同時に(X5)はシナリオ全体の終了値を示している。すなわちシナリオの初期値(0)から始まり各分岐点値(X1)〜(X4)を経て終了値(X5)となるまでの各節目のシナリオ進行カウント値により、変動パターンの内容が定義されている。
上記図14のステップS725は、受信コマンドに基づき上記のような変動パターンの実行ルーチンの指定とシナリオ進行カウンタの設定とを行う。
(5−4.コマンド別実行処理:図17〜図18)
上記のようにして液晶制御RAM54に格納された液晶制御コマンドを解析すると(図12のステップS702)、その内容に応じ、液晶制御CPU52は、コマンド別実行処理(図12のステップS703)を行う。
図17にこのコマンド別実行処理の詳細を示す。これは、コマンドノード分ループの処理であり、1ループはステップS731で開始され、ステップS744で終了する。
図17において、液晶制御CPU52は、コマンド種類別の分岐に従い、装飾図柄の変動停止処理、変動開始処理、装飾図柄指定処理、保留処理、予告処理、大当り開始処理、ラウンド処理、インターバル処理、大当り終了処理、状態指定処理および回数処理を行う(図17のステップS733〜S743)。
変動停止処理(ステップS733)では背景を表示し、図柄シーンを表示する。変動開始処理(ステップS734)では受信したコマンドに対応する変動シーンを再生する。装飾図柄指定処理(ステップS735)では受信した装飾図柄指定をセーブすると共に本図柄決定処理を行う。
図18はこの装飾図柄指定処理(ステップS735)の内容を具体的に示したものである。装飾図柄指定コマンドが正常に受信されるのを待ち(ステップS745)、正常に受信した場合は(ステップS745:YES)、その装飾図柄指定コマンドをセーブする(ステップS746)。そして、大当り抽選毎の変動動作おいて停止される装飾図柄列の停止図柄を本図柄として決定する本図柄決定処理を行う(ステップS747)。この本図柄決定処理の内容は後で図21〜図22において詳述する。
図17に戻り、保留処理(ステップS736)では指定保留数をセーブする。予告処理(ステップS737)では該当データを予告ワークにセーブする。
大当り開始処理(ステップS738)では、変動中の状態、ラウンドの状態をそれぞれクリアし、ラウンドシナリオを初期化し、対応する大当り開始シーンを表示する。ラウンド処理(ステップS739)ではラウンドの状態に設定し、対応するラウンドシーンを表示する。インターバル処理(ステップS740)ではラウンドの状態に設定し、対応するインターバルシーンを表示する。大当り終了処理(ステップS741)では指定に従ってモード(低確率・開放延長なし、高確率・開放延長有りなどのモード)を変更し、対応する大当り終了シーンを表示する。状態指定処理(ステップS742)はモードの変更先を指定する。回数処理(ステップS743)では連荘回数をセーブする。
この後、プログラムは図12に戻り、ステップS704のシナリオ更新・設定処理に進む。
(5−5.シナリオ更新・設定処理:図19)
図19はシナリオ更新・設定処理(ステップS704)の内容を示すフローチャートである。
ここでは、液晶制御RAM54に格納されている実行ルーチン(図15)のうちの擬似3回変動の変動パターンルーチン(60秒変動、70秒変動)が、図16に示した部分シナリオ(イ)〜(ホ)から構成される変動シナリオデータを有する場合を例にして説明する。
図19において、液晶制御CPU52は、まずシナリオ進行カウンタ(図16の左欄参照)がゼロであるか否かの確認を行う(ステップS751)。シナリオ進行カウンタはVブランクの入力により内容が更新されるカウンタ、すなわち毎フレームごとにカウント値が進行(歩進)して行くカウンタである。シナリオ進行カウンタの値は最初ゼロ(0)である。そこで、ステップS751での判断はYESとなり、ステップS752に進み、ここで各種シナリオの初期設定を行う。この初期設定は1つのシナリオを進行させる上で最初に1度のみ行われる設定であり、擬似連続変動予告の場合は、図16に示した擬似3回変動シナリオデータが設定されることになる。
(5−5−1.擬似1回目変動)
次いで、擬似回数カウンタのカウント値がゼロであるか否かの確認を行う(ステップS753)。擬似3回変動の1回目の擬似変動が行われる場合、擬似回数カウンタの値Nは、コマンド解析処理のステップS724(図14)で設定された擬似変動回数N(N=3)になっている。擬似回数カウンタの値はゼロではないので、1回目の擬似変動におけるステップS753の判断はNOとなる。そこでステップS754に進み、各擬似変動毎の仮停止図柄を決定する擬似連図柄決定処理(ステップS754)を実行する(詳細は図26〜図29において後述する)。この擬似連図柄決定処理(ステップS754)において、1回目の擬似変動についての仮停止図柄が決定されると共に、擬似回数カウンタの値Nが1減算されてN=2となる。
次いで、シナリオ進行カウンタを1加算し(ステップS755)、シナリオ進行カウンタのカウント値がシナリオデータの終了値に至ったか否かを判定する(ステップS756)。ここで扱っているのは、シナリオ進行カウント値が初期値(0)から各分岐点値(X1)〜(X4)を経て終了値(X5)となるシナリオデータ(図16)であるので、このシナリオデータの終了値(X5)とシナリオ進行カウンタの現在値との比較を行う。たとえば図15に示す60秒変動(ハズレ変動)であれば、そのシナリオデータの終了値は182(6000/33)であるので、ステップS756ではこの終了値182との比較を行うことになる。
擬似1回目変動ではまだ上記終了値(X5)にシナリオ進行カウンタの値が達していないので、ステップS756の判断はNOとなり、ステップS757を経ることなく、シナリオ更新・設定処理を抜ける。
プログラムは再びこのシナリオ更新・設定処理に戻ってくる。シナリオは既に進行しており、シナリオ進行カウンタがゼロで無い状態にある。そこで、上記ステップS751における判断はNOとなり、ステップS758に進み、シナリオ進行カウンタの現在値が部分シナリオの分岐点としてあらかじめ定めた所定値に達したか否かを判断する(ステップS758)。図16のシナリオデータの場合、シナリオ部分(イ)〜(ニ)の分岐点としてシナリオ進行カウント値(X1)〜(X4)が定まっているので、この分岐点値(X1)〜(X4)を所定値としてシナリオ進行カウンタの現在値を比較することになる。
シナリオ進行カウンタの現在値が上記最初の所定値(X1)にまだ達しない間は(ステップS758:NO)、ステップS755に移行し、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜け(ステップS755〜S756)、上記ステップS751、S758、S755〜S756を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X1)に達した場合は(ステップS758:YES)、擬似1回目開始〜終了までの部分シナリオ(イ)が終了したことになる。
(5−5−2.擬似2回目変動)
擬似1回目開始〜終了までの部分シナリオ(イ)が終了すると、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X1)に達する。ここでステップS758の判断がYESとなり、ステップS759に移行し、次の擬似2回目開始〜終了までの部分シナリオ(ロ)(図16参照)を再設定する(ステップS759)。
続いて、ステップS753に進み、擬似回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する。この判断においては、擬似連続変動予告の初回の擬似変動であれば、上記コマンド解析処理のステップS724で設定された擬似回数カウンタの値(擬似変動回数N)が判定対象となるが、擬似連続変動予告中の初回より後の擬似変動の場合は、擬似連図柄決定処理にて減算された擬似回数カウンタの現在値が判定対象となる。
現在の擬似回数カウンタの値はN=2となっており、擬似回数カウンタの値はゼロではないので(ステップS753:NO)、ステップS754に進み、擬似連の変動動作毎の仮停止図柄を決定する擬似連図柄決定処理(ステップS754)を実行する。この擬似連図柄決定処理(ステップS754)において、2回目の擬似変動についての仮停止図柄が決定されると共に、擬似回数カウンタの値Nが1減算されてN=1となる。その後、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける(ステップS755〜S756)。
プログラムは再びこのシナリオ更新・設定処理に戻ってくる。シナリオは既に分岐点(X1)から(X2)に向かって進行しており、シナリオ進行カウンタの値はゼロで無いので、上記ステップS751における判断はNOとなる。そこで、ステップS758に進み、シナリオ進行カウンタの現在値がシナリオの分岐点としてあらかじめ定めた次の分岐点(X2)の所定値に達したか否かを判断する(ステップS758)。
シナリオ進行カウンタの現在値が次の分岐点、すなわち2回目の擬似変動の終了点である所定値(X2)に達しない間は(ステップS758:NO)、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける処理(ステップS751、S758、S755〜S756)を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X2)に達した場合は(ステップS758:YES)、擬似2回目開始〜終了までの部分シナリオ(ロ)が終了したことになる。
(5−5−3.擬似3回目変動)
擬似2回目開始〜終了までの部分シナリオ(ロ)が終了し、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X2)に達した場合(ステップS758:YES)、ステップS759に移行し、次の擬似3回目開始〜終了までの部分シナリオ(ハ)(図16参照)を再設定する(ステップS759)。そして、ステップS753に進み、擬似回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する。
擬似回数カウンタの値は現在N=1となっているので、擬似回数カウンタの値はゼロでないと判断され(ステップS753:NO)、ステップS754に進み、擬似連毎の図柄を決定する擬似連図柄決定処理(ステップS754)を実行する。この擬似連図柄決定処理(ステップS754)において、3回目の擬似変動についての仮停止図柄が決定されると共に、擬似回数カウンタの値Nが1減算されてN=0となる。その後、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける(ステップS755〜S756)。
プログラムは再びこのシナリオ更新・設定処理に戻ってくる。シナリオは既に分岐点(X2)から次の分岐点(X3)(3回目の擬似変動の終了点)に向かって進行しており、シナリオ進行カウンタがゼロで無い状態にあるので、上記ステップS751における判断はNOとなる。そこで、ステップS758に進み、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X3)に達したか否かを判断する(ステップS758)。
シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X3)に達しない間は(ステップS758:NO)、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける処理(ステップS751、S758、S755〜S756)を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X3)に達した場合は(ステップS758:YES)、擬似3回目開始〜終了までの部分シナリオ(ハ)が終了したことになる。
(5−5−4.リーチ成立から発展前まで)
擬似3回目開始〜終了までの部分シナリオ(ハ)が終了し、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X3)に達した場合は(ステップS758:YES)、ステップS759に移行し、次のリーチ成立から発展前までの部分シナリオ(ニ)(図16参照)を再設定する(ステップS759)。そして、ステップS753に進み、擬似回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する。
現在、擬似回数カウンタの値はN=0となっているのでステップS753の判断はYESとなる。そこで、擬似連図柄決定処理(ステップS754)を実行することなく、ステップS755に進み、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける処理(ステップS751、S758、S755〜S756)を繰り返す。
その後、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X4)に達した場合は(ステップS758:YES)、リーチ成立から発展前までの部分シナリオ(ニ)が終了したことになる。
(5−5−5.発展から終了まで)
リーチ成立から発展前までの部分シナリオ(ニ)が終了し、シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X3)に達した場合は(ステップS758:YES)、ステップS759に移行し、次の発展から終了までの部分シナリオ(ホ)(図16参照)を再設定する(ステップS759)。そして、ステップS753に進み、擬似回数カウンタの値がゼロであるか否かを判断する。
現在、擬似回数カウンタの値はN=0となっているのでステップS753の判断はYESとなる。そこで、擬似連図柄決定処理(ステップS754)を実行することなく、ステップS755に進み、シナリオ進行カウンタを1加算して、シナリオ更新・設定処理を抜ける処理(ステップS751、S758、S755〜S756)を繰り返す。
これにより、発展から終了までの部分シナリオ(ホ)が実行され、シナリオ進行カウンタの値が終了値(X5)に達する。シナリオ進行カウンタの現在値が所定値(X5)に達した場合は、発展から終了までの部分シナリオ(ホ)が終了したことになる。これによりステップS756の判断がYESとなり、ステップS757に進み、シナリオ進行カウンタに、シナリオが終了したことを示す値としてFFFF[H]を設定し(ステップS757)、シナリオ更新・設定処理を終了する。
かくして擬似3回変動の全シナリオ(X1)〜(X5)が実行される。
(5−6.擬似連続変動予告が行われない場合)
しかし擬似連続変動予告が行われない場合(図14のステップS723:NO)、擬似変動回数Nの設定がなされないので、擬似回数カウンタのカウント値がゼロである。このためシナリオ更新・設定処理におけるステップS751の判断がYESとなって、各種シナリオ初期設定がなされると共に(ステップS752)、ステップS753の判断もYESとなってステップS755に進み、シナリオ進行カウンタを1加算する処理がなされる(ステップS755)。そして、この各種シナリオ初期設定とシナリオ進行カウンタの1加算とが、シナリオデータの終了値に至るまで繰り返される(ステップS751〜S753、S755〜S756)。シナリオ進行カウンタのカウント値が終了値に至った場合(ステップS756:YES)、シナリオ進行カウンタにシナリオ終了値としてのFFFF[H]を設定し(ステップS757)、シナリオ更新・設定処理を終了する。
この後、プログラムは図12のステップS704に戻り、Vブランク待ち処理(ステップS705)と各種設定処理(ステップS706)を実行することになる。
<6.本図柄決定処理、図20〜図25>
次に、図20〜図25を参照しながら、本図柄決定処理(ステップS747、図18)の内容について説明する。
(6−1.当否種別と図柄列、図20)
連続変動の最終的な変動動作である本変動においては、変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドの一方または双方で当否種別(ハズレの場合も含めた種別)が指定される。この当否種別は、図柄変動表示ゲームの結果である当否情報に応じて図柄抽選により本変動の停止図柄(特別図柄)を決定し、図柄抽選を経ることで大当りの種別を決定したもので、この実施形態の場合、図20に示すように、リーチ無しハズレ、リーチ有りハズレ、15R非確変大当り、15R確変直大当り、15R確変再抽選大当り、2R確変大当りの種別がある。なお「小当り」については省略されている。
ここで装飾図柄の停止順序は、左図柄、右図柄、中図柄の順であり、左図柄と右図柄が有効ライン(ここでは中央の横ライン)上で同じになったとき「リーチ」となり、残りの中央図柄も左右の図柄と同じになったとき「大当り」となる。扱っている図柄列は、確変図柄と非確変図柄の少なくとも一方を含む所定の図柄列の組合せ(複数種別)からなる。本実施形態では1〜8までの数字図柄のうち偶数数字「2、4、6、8、0」を非確変図柄とし、奇数数字「1、3、5、7、9」を確変図柄として扱う。15R非確変大当りは、上記の非確変図柄(2、4、6、8、0)のいずれかが3桁の所定の図柄列(大当り図柄列)に揃って大当りする場合であり、また15R確変直大当り、15R確変再抽選大当りは、上記の確変図柄(1、3、5、7、9)のいずれかが3桁の所定の図柄列(大当り図柄列)に揃って大当りする場合である。2R確変大当りは、所定の図柄列(チャンス目の「157」)が3桁に揃って大当りする場合であり、上記した2R突然確変大当りと2R潜伏確変大当りの種類がある。
非確変図柄で大当りした場合、大当り後の遊技状態が所定回数(たとえば100回)の遊技終了まで時短状態(低確率状態、開放延長あり)となる利益(一の利益状態)が約束される。また確変図柄で大当りした場合、大当り後の遊技状態が、次回大当たりとなるまでの間少なくとも確変状態(高確率状態)となる利益(一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態)が約束される。具体的には、15R確変直大当り、15R確変再抽選大当り、2R突然確変(2R突確)大当りについては、次回大当りまで確変状態(高確率状態)および時短状態(開放延長あり)が付与され、2R潜伏確変大当りでは確変状態(高確率状態)のみが付与される。したがって、非確変図柄は「上記一の利益状態を発生させる図柄列(偶数図柄揃い列)の組合せを構成する第1利益図柄」と称することができ、また確変図柄は、「上記一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態を発生させる図柄列(奇数図柄揃い列)の組合せを構成する第2利益図柄」と称することができる。
図20から分かるように、液晶制御基板25が受信する液晶制御コマンドが「リーチ無しハズレ」(BB01[H])の場合、そのコマンドに基づく本変動の変動動作で停止させる装飾図柄列の停止図柄は、左図柄、右図柄、中図柄ともに、各図柄に対応した図柄テーブルTBL1(図23、図24、図25参照)を用い、その左、右、中図柄用乱数により決定する。また「リーチ有りハズレ」(BB02[H])の場合、左図柄については左図柄テーブルTBL1(図23参照)を用い、右図柄については左図柄と同一とし、中図柄については中図柄テーブルTBL2(図24参照)を用いて図柄を決定する。
受信した液晶制御コマンドが「15R非確変大当り」(BB03[H])の場合、そのコマンドに基づく本変動の変動動作で停止させる装飾図柄列の停止図柄は、左図柄テーブルTBL2(非確変(偶数)図柄テーブル)(図23参照)を用いて左図柄を決定し、右図柄、中図柄はこの左図柄と同一の非確変図柄とする。
受信した液晶制御コマンドが「15R確変直大当り」(BB04[H])および「15R確変再抽選大当り」(BB05[H])の場合、そのコマンドに基づく本変動の変動動作で停止させる装飾図柄列の停止図柄は、左図柄テーブルとしてTBL3(確変(奇数)図柄テーブル)(図23参照)を用いて左図柄を決定し、右図柄、中図柄はこの左図柄と同一の確変図柄とする。
受信した液晶制御コマンドが「2R確変大当り」(BB06[H])の場合、そのコマンドに基づく本変動の変動動作で停止させる装飾図柄列の停止図柄は、左図柄テーブルとしてTBL5(左図柄を100%「1」とするテーブル)を用いて左図柄を「1」に決定し、右図柄は「7」、中図柄は「5」とする。
(6−2.本図柄決定処理フロー、図21〜図22)
図21〜図22は本図柄決定処理(ステップS747、図18)の詳細を示したフローチャートである。図21において、液晶制御CPU52は、まず液晶演出コマンドが大当りの変動パターンコマンドであるか否かを判断する(ステップS801)。
(6−2−1.大当りの場合)
大当りの場合は、その大当りの種別(15R非確変、15R確変、2R確変)に応じて次のように処理する(ステップS802)。
15R非確変大当りの場合ならば、図23に示す左図柄テーブルTBL1〜TBL3のうちから、非確変図柄テーブルである左図柄テーブルTBL2を設定し(ステップS803)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL2から左図柄(非確変図柄)を抽選により選択する(ステップS804)。そして、抽選により選択された左図柄(非確変図柄)を、本左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。また、上記左図柄と同じ図柄に中図柄と右図柄を決定し、左図柄=中図柄=右図柄とする(ステップS806)。そして、本中図柄格納バッファ(HBF2)に中図柄を格納し(ステップS807)、本右図柄格納バッファ(HBF3)に右図柄を格納して(ステップS808)、本図柄決定処理を終了する。
15R確変大当り(15R確変直大当りおよび15R確変再抽選大当り)の場合ならば、図23に示す左図柄テーブルTBL3(確変図柄テーブル)を設定し(ステップS809)、図柄乱数値に応じてこの左図柄テーブルTBL3から左図柄(確変図柄)を抽選により選択する(ステップS810)。そしてステップS805に移行し、抽選により選択された左図柄(確変図柄)を、本左図柄格納バッファ(HBF1)に格納する(ステップS805)。また上記左図柄と同じ図柄に、中図柄と右図柄を決定し(ステップS806)、中図柄を本中図柄格納バッファ(HBF2)に格納し(ステップS807)、右図柄を本右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS808)。
2R確変大当りの場合ならば、左図柄テーブルTBL5を参照して、本左図柄格納バッファ(HBF1)に「1」図柄を格納し(ステップS811)、本中図柄格納バッファ(HBF2)に「5」図柄を格納し(ステップS812)、本右図柄格納バッファ(HBF3)に「7」図柄格納する(ステップS813)。
(6−2−2.大当りでない場合)
ステップS801において液晶演出コマンドが大当りの変動パターンコマンドまたは装飾図柄指定コマンドでないと判断した場合は(ステップS801:NO)、図22のステップS821に進み、非確変図柄と確変図柄とが混在した左図柄テーブルTBL1(非確変、確変混在図柄テーブル)(図23参照)を設定し(ステップS821)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL1から図柄を抽選する(ステップS822)。
次いで、ここでリーチとなる場合であるかどうかを判断する(ステップS823)。リーチとなる場合は(ステップS823:YES)、本左図柄格納バッファ(HBF1)に左図柄を格納する(ステップS824)。また右図柄を左図柄と同じ(右図柄=左図柄)にして(ステップS825)、その右図柄を本右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS826)。
また中図柄テーブルTBL1(左図柄に対する差分値テーブル)(図24参照)を設定し(ステップS827)、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBL1から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS828)、これにより特定される中図柄を本中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS829)。
ステップS823でリーチとならない場合は、右図柄テーブルTB1(左図柄に対する差分値テーブル)(図25参照)を設定し(ステップS830)、図柄乱数値に応じて右図柄テーブルTBL1から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS831)、これにより特定される右図柄を本右図柄格納バッファ(HBF3)に格納する(ステップS832)。
ここで左図柄が「1」かつ右図柄が「7」であるか否か、つまりチャンス目の「157」が構成される可能性があるか否かを判断する(ステップS833)。チャンス目になる可能性がない場合(ステップS833:NO)、中図柄テーブルTBL1(左図柄に対し任意の差分値の差分値テーブル)(図24参照)を設定し(ステップS834)、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBL1から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS835)、これにより特定される中図柄を本中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS836)。
一方、チャンス目になる可能性がある場合(ステップS833:YES)は、中図柄テーブルTBL2(左図柄に対し2R確変出目の出現の差分値が排斥されている差分値テーブル)(図24参照)を設定する。この中図柄テーブルTBL2には、図24から分かるように中図柄テーブルTBL1と異なり差分値「4」が含まれていない。左図柄「1」に対する差分値4の中図柄は「5」であるため、差分値4が存在しない中図柄テーブルTBL2が用いられれば、中図柄が「5」である2R確変出目「157」が選択されることはない。すなわち、2R確変出目「157」の出現する可能性が完全に排除されている。この中図柄テーブルTBL2を設定したならば、図柄乱数値に応じて中図柄テーブルTBL2から左図柄に対する差分値を決定し(ステップS835)、これにより特定される中図柄を本中図柄格納バッファ(HBF2)に格納する(ステップS836)。
かくして本図柄決定処理を終了する。
<7.擬似連図柄決定処理の概要、図26〜図27>
擬似連続変動予告は、連続変動の最終的な変動動作である本変動が実行される前に、装飾図柄列を擬似的に一回または複数回変動させるものである。図20に示したいずれの当否種別(ハズレの場合を含む種別)に当選した場合でも、その本変動において、擬似連続変動パターン(図14のステップS723参照)で指定されるところに従い擬似連続変動予告が実行される可能性がある。
図26は、擬似連続変動パターンの種類(パターン1〜パターン14)と、各パターンにおける左仮停止図柄の種別および参照テーブルとの関係を示した図(便宜上、連続変動停止図柄テーブルと呼ぶ)である。擬似1回(正確には本変動1回)の場合として2種類のパターン1〜2を、擬似2回(正確には擬似変動1回+本変動1回)の場合として3種類のパターン3〜5を、擬似3回(正確には擬似変動2回+本変動1回)の場合として4種類のパターン6〜9を、そして擬似4回(正確には擬似変動3回+本変動1回)の場合として5種類のパターン10〜14を示してある。ただし、擬似1回の1回目変動、擬似2回の2回目変動、擬似3回の3回目変動および擬似4回の4回目変動は、それぞれ本変動の変動動作そのものであり、擬似変動とは区別すべきものであるが、理解を容易にするため、ここでは同じ26図中に掲げてある。
また図27は、それらのパターン1〜14における1回目から4回目までの右図柄の左図柄に対する異同を示したものであり、「−」は最終回の変動動作(本変動)でリーチがかかる同一図柄となることを、また「+1」は左図柄に対して1個進んだ位置の図柄(ここでは1個多い数字)が右図柄となることを示している。
擬似1回の「パターン1」は、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄で1回目の変動動作(本変動)がなされ、かつリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似1回の「パターン2」は、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄で1回目の変動動作(本変動)がなされ、かつリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似2回の「パターン3」は、1回目の変動動作(擬似変動)および2回目の変動動作(本変動)における左停止図柄として、それぞれ図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄で変動動作がなされ、かつ2回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似2回の「パターン4」は、1回目の変動動作(擬似変動)における左停止図柄として、図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄が決定され、2回目の変動動作(本変動)における左停止図柄として、図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択されて確変図柄で変動動作がなされ、かつ2回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似2回の「パターン5」は、1回目の変動動作(擬似変動)および2回目の変動動作(本変動)における左停止図柄として、それぞれ図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄が決定され、かつ2回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は初回の擬似変動から最終回の変動動作まで確変図柄であるため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
擬似3回の「パターン6」は、1回目の変動動作(擬似変動)、2回目の変動動作(擬似変動)および3回目の変動動作(本変動)において、左停止図柄がそれぞれ図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似3回の「パターン7」は、1回目の変動動作(擬似変動)および2回目の変動動作(擬似変動)において、左停止図柄がそれぞれ図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また3回目の変動動作(本変動)おいて、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似3回の「パターン8」は、1回目の変動動作(擬似変動)おいて、左停止図柄が図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また2回目の変動動作(擬似変動)および3回目の変動動作(本変動)において、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は2回目の変動動作で確変図柄となった以降は、最終回の変動動作まで確変図柄を維持するため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
擬似3回の「パターン9」は、1回目の変動動作(擬似変動)、2回目の変動動作(擬似変動)および3回目の変動動作(本変動)における左停止図柄として、それぞれ図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄が決定され、かつ3回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は初回の変動動作から最終回の変動動作まで確変図柄であるため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
擬似4回の「パターン10」は、1回目の変動動作(擬似変動)、2回目の変動動作(擬似変動)、3回目の変動動作(擬似変動)および4回目の変動動作(本変動)において、左停止図柄がそれぞれ図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似4回の「パターン11」は、1回目の変動動作(擬似変動)、2回目の変動動作(擬似変動)および3回目の変動動作(擬似変動)おいて、左停止図柄がそれぞれ図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また4回目の変動動作(本変動)において、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。
擬似4回の「パターン12」は、1回目の変動動作(擬似変動)および2回目の変動動作(擬似変動)おいて、左停止図柄が図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また3回目の変動動作(擬似変動)および4回目の変動動作(本変動)において、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は3回目に確変図柄となった以降は、最終回の変動動作まで確変図柄を維持するため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
擬似4回の「パターン13」は、1回目の変動動作(擬似変動)おいて、左停止図柄が図23の左図柄テーブルTBL2の偶数数字「2」「4」「6」「8」「0」より選択される非確変図柄に決定され、また2回目の変動動作(擬似変動)、3回目の変動動作(擬似変動)および4回目の変動動作(本変動)において、左図柄が図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄に決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は2回目に確変図柄となった以降は、最終回の変動動作まで確変図柄を維持するため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
擬似4回の「パターン14」は、1回目の変動動作(擬似変動)、2回目の変動動作(擬似変動)、3回目の変動動作(擬似変動)および4回目の変動動作(本変動)における左停止図柄として、それぞれ図23の左図柄テーブルTBL3の奇数数字「1」「3」「5」「7」「9」より選択される確変図柄が決定され、かつ4回目の変動動作後にリーチが発生(図27参照)するケースである。装飾図柄列の左図柄は初回の変動動作から最終回の変動動作まで確変図柄であるため、装飾図柄列の成り下がり感を遊技者に与えない。
この図26の連続変動停止図柄テーブルの特徴は、連続変動中において装飾図柄列を構成する一部の停止図柄つまり左停止図柄を確変図柄(第2利益図柄)とする場合、その後の変動動作における左停止図柄を非確変図柄(第1利益図柄)に決定することを禁止する図柄成り下り禁止則を含んでいる点にある。このため、連続変動予告中に遊技者に停止図柄の成り下がり感を与えることを大きく軽減することができる。また、このように停止図柄に法則性をもたせることにより、演出の多様化を図ることができる。
<8.擬似連図柄決定処理フロー、図28〜図29>
図28〜図29は擬似連図柄決定処理(図19のステップS754)の詳細を示したフローチャートである。
(8−1.再抽選が行われる場合:図28)
液晶制御CPU52は、図19のステップS754で擬似連図柄決定処理に入ると、図28において、まず図14のステップS724で設定された擬似回数カウンタの値Nから1減算する(ステップS901)。次いで、擬似連続変動予告に続く本変動の直前において再抽選(昇格演出)が行われる場合であるか否かを判断する(ステップS902)。本変動前に再抽選が行われる場合というのは、図20で説明した当否種別で言うと、15R確変再抽選大当りのケースに該当するため、その前提として再抽選が実行される前の左図柄は、必ず非確変図柄となっている。
そこで、再抽選が行われる場合(ステップS902:YES)、つまり本変動の直前まで装飾図柄列の左図柄が非確変図柄となっている擬似連続変動の場合は、左図柄テーブルTBL2(非確変図柄テーブル)(図23参照)を設定し(ステップS903)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から一つの左図柄(たとえば非確変図柄の「8」)を抽選により選択し(ステップS904)、RAM54の仮左図柄格納バッファにその左図柄「8」を格納する(ステップS905)。
ここで擬似回数カウンタがゼロであるか否か、つまりまだ擬似変動が続く場合であるか否かを判断し(ステップS906)、擬似回数カウンタがゼロでない場合(継続する場合)(ステップS906:YES)、仮右図柄格納バッファに、左図柄+1の右図柄、つまり左図柄「8」よりも図柄背番号が1だけ多い背番号の右図柄「9」を設定する(ステップS907)。図27に対応づけて言うと、連続変動パターン1〜パターン14の1回目の変動において、右図柄がリーチになるパターン1〜パターン2(擬似1回)を除いた、残りのパターン3〜パターン14(擬似2回〜擬似4回)のうちから該当するパターンの右図柄を選択する。また仮中図柄格納バッファに、左図柄+1の中図柄、つまり左図柄よりも図柄背番号が1だけ多い背番号の中図柄「9」を設定する(ステップS908)。これにより左、右、中の各図柄格納バッファには「8」「9」「9」が設定されたことになる。
ここで擬似連続変動パターンが、図26の擬似2回の「パターン3」の場合であるとすると、再びステップS901〜S905を経て、ステップS906に戻ってくる。
ステップS906において、擬似回数カウンタがゼロの場合つまり擬似連が2回目の変動動作で終了する場合(ステップS906:YES)、ステップS909に進み、仮右図柄格納バッファに左図柄と同じ右図柄「8」を格納する(ステップS909)。また仮中図柄格納バッファに左図柄と同じ中図柄「8」を格納する(ステップS910)。これにより左、右、中の各図柄格納バッファには「8」「8」「8」が設定されたことになる。
その後、再抽選処理(ステップS911)に進み、本図柄設定処理で表示すべき本図柄を参照して、たとえば非確変図柄の装飾図柄列「888」を確変図柄の装飾図柄列「777」に変換する再抽選処理(昇格演出)を実行する。
従って、連続変動の最後である本変動の直前で再抽選が行われる場合は、必ず左図柄が確変図柄の装飾図柄列の変動で終わるので、遊技者に成り下がり感を与えない。
(8−2.再抽選が行われない場合:図29)
図28のステップS902において、再抽選が行われないケース(ハズレを含む)であると判断された場合(ステップS902:NO)、図29のステップS921に進み、ここで擬似回数カウンタがゼロであるか否か(まだ擬似連が続く場合であるか否か)を判断する。擬似回数カウンタは擬似連図柄決定処理を1回通る度に、ステップS901にてカウンタ値が1減算される。
(8−2−1.擬似1回の場合:処理ルートF)
擬似回数カウンタがゼロの場合、つまり擬似連が1回の場合(ステップS921:YES)、ステップS942を経てステップS943に進み、本変動の停止図柄(本図柄)を記憶している本図柄格納バッファHBF1の値を設定する(ステップS943)。15R非確変大当りの場合には、左図柄に左図柄TBL2で設定された確変図柄が設定され(ステップS803、図21参照)、また15R確変大当りの場合には左図柄に左図柄TBL3で設定された確変図柄が設定される(ステップS809、図21参照)。図26の1回目変動の欄に、この本変動での左図柄参照テーブルとして、左図柄TBL2または左図柄TBL3が参照されることを示す。なお、2R確変大当りの場合には左図柄に奇数の「1」が設定されることになる(ステップS811、図21参照)。またハズレの場合には、本左図柄格納バッファHBF1に格納された図柄(確変図柄または非確変図柄)が設定される。かくして擬似連図柄決定処理を終了する。
上記のステップS921、S942〜S943のルートを「処理ルートF」と称する。
擬似回数カウンタがゼロでない場合、つまりまだ擬似連が継続する場合(ステップS921:NO)、本変動の停止図柄(本図柄)を記憶している本図柄格納バッファHBF1の値が奇数図柄(確変図柄)であるか偶数図柄(非確変図柄)であるかをチェックする(ステップS922)。これ以降の処理は、次のように場合を分けて説明する。
(8−2−2.初回から最終回まで非確変図柄である場合)
図26に掲げたケースのうち、擬似1回のパターン1、擬似2回のパターン3、擬似3回のパターン6、擬似4回のパターン10のケースは、すべて、初回から最終回の変動動作まで左仮停止図柄が非確変図柄である場合に該当する。
これらのケースでは、ステップS922の判断結果が「偶数図柄」となるので、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL2(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、たとえば「8」を抽選により選択する(ステップS924)。このように図柄抽選を行うのは、停止図柄のランダム性を出すためである。そして、この左図柄「8」を仮左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、仮右図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として右図柄「9」を設定し(ステップS926)、仮中図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として中図柄「9」を設定する(ステップS927)。これで1回目の擬似変動の仮停止図柄が「899」に設定されたことになる。
再び上記のステップS921〜S927を繰り返し、2回目以降の擬似変動動作について仮停止図柄が決定されることになる。ここで擬似連4回の場合とすると、2回目〜3回目の擬似変動動作について上記の如く仮停止図柄が決定された後、プログラムが再び図29に戻って来た時点で擬似回数カウンタの値はゼロ(擬似連が終了)となっているので、ステップS921の判断はYESとなり、ステップS942に進み、各本図柄格納バッファの値が設定され(ステップS943)、4回目の変動動作が本変動にて行われる。かくして擬似連図柄決定処理を終了する。
(8−2−3.初回から最終回まで確変図柄である場合:処理ルートA、B)
図26に掲げたケースのうち、擬似2回のパターン5、擬似3回のパターン9、擬似4回のパターン14のケースは、すべて、初回から最終回まで左図柄が確変図柄である場合に該当する。ここでは代表例として擬似3回の「パターン9」のケースについて説明する。ここでは図30(a)〜(f)に示すように、擬似変動が1回目〜2回目まで全て「778」の装飾図柄列で行われ、最終的に本変動(擬似3回目変動)で「7」図柄のリーチが掛かり(図30(f))、「7」図柄が揃って(図30(g))、確変図柄の大当りが発生するものとする。
(イ.1回目の擬似変動図柄:処理ルートA)
この擬似3回の「パターン9」のケースにおける1回目の擬似変動図柄の決定処理は次のように処理ルートAにより行われる。
まず、図28のステップS901で擬似回数カウンタの値が「3」から「2」減算された後、図29に進む。本変動の左図柄格納バッファHBF1に格納されている本変動時の左図柄は確変図柄(奇数図柄の「7」)である。そこで、ステップS922の判断結果として左図柄が「奇数図柄」となるので、ステップS931に進み、「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。「変換フラグ」は後述するように、本変動までの間、左図柄の種別の変換状態を管理するためのフラグである。変換フラグは初期状態が非設定状態(00[H])であるので(ステップS931:NO)、ステップS931からステップS932に進み、「維持フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。「維持フラグ」は後述するように、本変動までの間、左図柄の種別が変わらないように維持するためのフラグである。維持フラグも初期状態は非設定状態(00[H])であるので(ステップS932:NO)、ステップS933に進む。
ステップS933では図柄変換抽選を行う。この図柄変換抽選は左図柄を元の奇数図柄のままとするか偶数図柄とするかの抽選を行う処理である。この図柄変換抽選に当選しなかった場合(ステップS934:NO)、つまり左図柄を奇数図柄のままとすべき場合には、維持フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS936)、左図柄テーブルTBL3(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL3から左図柄として、抽選によりたとえば「7」を選択する(ステップS938)。このように図柄抽選を行うのは、停止図柄のランダム性を出すためである。
なお、上記図柄変換抽選において当選する割合(変換当選割合)は大当りの否当選割合よりも高く設定するのが望ましい。すなわち、再抽選を伴う遊技機の仕様においては、確変図柄(奇数図柄)直撃で大当りするケースが少ないため(非確変図柄(偶数図柄)で仮停止図柄を作成することが多いため)、擬似連続変動予告中の早期の段階で第1停止図柄として確変図柄が停止してしまうと、大当りに対する期待感が低くなってしまうからである。勿論、当選割合は同じとしてもよいし、変換当選割合の方が大当りの否当選割合よりも低く設定してもよい。また、遊技状態に応じて変換当選割合を異ならせるようにしてもよい。たとえば、通常中は変換当選割合を高くし、確変状態中は変換当選割合を低くするようにしてもよい。確変状態中は次回の大当りがほぼ確約されているため、遊技者の期待感の矛先は確変大当りとなるか否かに重きが置かれる。よって、擬似連続変動予告中の早期の段階で確変図柄に変換することで確変大当りへの期待感の持続が長くなり興趣が増す。
そして、この左図柄「7」を仮左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、仮右図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として右図柄「8」を設定し(ステップS926)、仮中図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として中図柄「8」を設定する(ステップS927)。これで1回目の擬似変動の仮停止図柄が「788」に設定されたことになる(図30(b)参照)。
上記のステップS921、S922、S931〜S934、S936〜S938、S925〜S927のルートを「処理ルートA」と称する。
(ロ.2回目の擬似変動図柄:処理ルートB)
このパターン9のケースにおける2回目の擬似変動図柄の決定処理は次のように処理ルートBにより行われる。
2回目の擬似連図柄決定処理として、ステップS901で擬似回数カウンタの値が「2」から「1」減算された後、プログラムは再び図29のフローに戻ってきて、ステップS931を経て、ステップS932で維持フラグの状態が判断される。維持フラグはステップS936で既に設定状態(5A[H])となっているので、ステップS932の判断がYESになる。そこで、上記図柄変換抽選処理(ステップS933)を行わずにステップS937に進み、左図柄テーブルTBL3(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL3から左図柄として、抽選によりたとえば「3」を選択する(ステップS938)。
そして、この左図柄「3」を仮左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、仮右図柄格納バッファに左図柄より1多い右図柄「4」を設定し(ステップS926)、仮中図柄格納バッファに左図柄より1多い中図柄「4」を設定する(ステップS927)。これで2回目の擬似変動の仮停止図柄が「344」に設定されたことになる(図30(d)参照)。
上記のステップS921、S922、S931〜S932、S937〜S938、S925〜S927のルートを「処理ルートB」と称する。
(ハ.3回目の変動図柄:処理ルートF)
2回目の擬似変動の仮停止図柄が決定された後、ステップS901で擬似回数カウンタの値が「1」から「0」に減算された後、プログラムは再び図29に戻って来る。擬似回数カウンタの値はゼロ(本変動を残して擬似連が終了)となっているので、ステップS921の判断はYESとなり、ステップS942に進み、維持フラグをクリアして非設定状態(00[H])とし(ステップS942)、各本図柄格納バッファHBF1HBF3の値(本左図柄格納バッファHBF1の値は確変図柄「7」)を設定する(ステップS943)。かくして擬似連図柄決定処理を終了する。これにより3回目の変動動作(本変動)について停止図柄が決定され、液晶表示画面では確変図柄「7」のリーチが発生し(図30(f)参照)、確変図柄「7」で大当りする(図30(g)参照)。
上記の連続変動動作では途中でステップS938の左図柄抽選があるため、その抽選結果として、奇数図柄抽選テーブルTBL3の中から左図柄が選択され、それまでの奇数数字から別の奇数数字に変わることはあり得るが、奇数数字が偶数数字に変化してしまうことはない。したがって、初回の変動動作の左図柄が奇数数字であった場合、初回から最終回の変動動作まで停止図柄の左図柄が奇数数字に維持されるので、左図柄の成り下がり感を遊技者に与えない。
(8−2−4.非確変図柄が途中で確変図柄となり以後確変図柄が維持される場合:パターン12)
図26に掲げたケースのうち、擬似2回のパターン4、擬似3回のパターン7、パターン8、擬似4回のパターン11〜パターン13のケースは、すべて、非確変図柄が途中で確変図柄となり以後確変図柄が維持される場合に該当する。ここでは代表例として擬似4回の「パターン12」のケース(図26参照)について説明する。ここでは図31に示すように、1回目の変動動作(擬似変動)が「889」の装飾図柄列で行われ、2回目の変動動作(擬似変動)が「677」の装飾図柄列で行われ、3回目の変動動作(擬似変動)が「566」の装飾図柄列で行われ、最終回である4回目の変動動作(本変動)で「7」図柄のリーチが掛かり、「7」図柄が揃って確変図柄の大当りが発生するものとする。
(イ.1回目の変動図柄:処理ルートC)
このパターン12のケースにおける1回目の擬似変動図柄の決定処理は、次のように処理ルートCにより行われる。
このケースの場合、まず1回目の擬似連図柄決定処理が次のように行われる。図28のステップS901で擬似回数カウンタの値が「4」から「3」に減算された後、図29に進む。本変動の本左図柄格納バッファHBF1に格納されている本変動時の左図柄は確変図柄(奇数図柄の「7」)である。そこで、ステップS922の判断結果として左図柄が「奇数図柄」となるので、ステップS931に進み、「変換フラグ」が設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。変換フラグの初期状態は非設定状態(00[H])であるので、ステップS932に進み、維持フラグが設定状態(5A[H])であるか否かを判断する。維持フラグの初期状態は非設定状態(00[H])であるので、ステップS933に進む。
ステップS933では図柄変換抽選を行う。本例で扱っているパターン12は、この図柄変換抽選に当選した場合(ステップS934:YES)である、つまり左図柄が偶数図柄に変換される場合であるので、変換フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS935)、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL2(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として「8」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「8」を仮左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、仮右図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として右図柄「9」を設定し(ステップS926)、仮中図柄格納バッファに左図柄より1多い図柄(左図柄+1)として中図柄「9」を設定する(ステップS927)。これで1回目の擬似変動の仮停止図柄が「899」に設定されたことになる(図31(b)参照)。
上記のステップS921、S922、S931〜S935、S923〜S927のルートを「処理ルートC」と称する。
(ロ.2回目の変動図柄:処理ルートE)
2回目の擬似連図柄決定処理として、ステップS901で擬似回数カウンタの値が「3」から「2」に減算された後、プログラムは再び図29のフローに戻ってきて、ステップS931で変換フラグの状態が判断される。変換フラグはステップS935で既に設定状態(5A[H])となっているので、ステップS931の判断がYESになり、ステップS939に進む。
ステップS939では図柄再変換抽選を行う。この図柄再変換抽選は左図柄を偶数図柄のままとするか元の奇数図柄に戻すかの抽選を行う処理である。この図柄再変換抽選に当選しなかった場合(ステップS940:NO)、つまり左図柄が偶数図柄のままとなる場合には、ステップS923に進み、左図柄テーブルTBL2(偶数図柄テーブル)を設定し、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL2から左図柄として、「6」を抽選により選択する(ステップS924)。そして、この左図柄「6」を仮左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、仮右図柄格納バッファに左図柄より1多い右図柄「7」を設定し(ステップS926)、仮中図柄格納バッファに左図柄より1多い中図柄「7」を設定する(ステップS927)。これで2回目の擬似変動の仮停止図柄が「677」に設定されたことになる。これは左図柄が同じ偶数数字であるという制約の中で、1回目の擬似変動では「899」で表示された停止図柄が、2回目の擬似変動では「677」に変化したことを意味する(図31(d)参照)。
上記のステップS921、S922、S931、S939〜S940、S923〜S927のルートを「処理ルートE」と称する。
(ハ.3回目の変動図柄:処理ルートD)
3回目の擬似連図柄決定処理として、ステップS901で擬似回数カウンタの値が「2」から「1」に減算された後、プログラムは再び図29のフローに戻ってきて、ステップS931で変換フラグの状態が設定状態(5A[H])と判断され、ステップS939に進む。
ステップS939では、左図柄を偶数図柄のままとするか元の奇数図柄に戻すかの抽選を行う。この図柄再変換抽選に当選した場合(ステップS940:YES)、つまり左図柄を奇数図柄にすべき場合には、変換フラグをクリアして非設定状態(00[H])に戻し(ステップS941)、ステップS936に進む。ここで維持フラグを設定状態(5A[H])とした後(ステップS936)、左図柄テーブルTBL3(奇数図柄テーブル)を設定し(ステップS937)、図柄乱数値に応じて左図柄テーブルTBL3から左図柄として、抽選によりたとえば「5」を選択する(ステップS938)。
そして、この左図柄「5」を仮左図柄格納バッファに格納し(ステップS925)、仮右図柄格納バッファに左図柄より1多い右図柄「6」を設定し(ステップS926)、仮中図柄格納バッファに左図柄より1多い中図柄「6」を設定する(ステップS927)。これで3回目の擬似変動の仮停止図柄が「566」に設定されたことになる。これは、それまで左図柄が偶数数字である「899」、「677」と表示されてきたものが、3回目の擬似変動では左図柄が奇数数字である「566」に変化したことを意味する(図31(f)参照)。
上記のステップS921、S922、S931、S939〜S941、S936〜S938、S925〜S927のルートを「処理ルートD」と称する。
(ニ.4回目の変動図柄:処理ルートF)
このパターン12のケースにおける4回目の擬似変動図柄の決定処理は、次のように成り下り禁止手段としての処理ルートFにより行われる。
4回目の擬似連図柄決定処理として、ステップS901で擬似回数カウンタの値が「1」から「0」に減算された後、プログラムは再び図29のフローに戻ってくる。擬似回数カウンタはゼロ(本変動を残し連続変動が終了)となっているので、ステップS921の判断はYESとなり、維持フラグをクリアして非設定状態(00[H])とし(ステップS942)、本変動の各本図柄格納バッファHBF1HBF3の値(本例では全て確変図柄「7」)を設定する(ステップS943)。すなわち、パターン12は本変動が確変図柄で行われるケース(図26の4回目変動の欄を参照)であり、この例では最終回の変動動作における左停止図柄が確変図柄「7」に確定的に設定されているので、液晶表示画面では図柄「7」のリーチがかかり(図31(h)参照)、図柄「7」で大当りすることになる(図31(i)参照)。かくして擬似連図柄決定処理を終了する。
この結果、連続変動動作の途中の3回目にいったん奇数数字の「5」に変換された後、これに続く4回目の本変動では左図柄がそれまでの奇数数字「5」から別の奇数数字「7」に変わってはいるが、「左図柄が同じ奇数数字(確変図柄)である」という規則性が維持され、奇数数字から偶数数字に戻ってしまうことはない。したがって、左図柄が初めて奇数数字(確変図柄)となった3回目から最終回の擬似変動動作まで、停止図柄の左図柄が奇数数字に維持され、結果として左図柄の成り下がり感を遊技者に与えない。
上記の例では大当りの場合について述べたが、ハズレの場合も同様である。たとえば擬似4回の連続変動において、1回目変動から3回目変動までの変動動作が図31に示すように、装飾図柄列「899」「677」「566」と進行することで行われ、最終回の変動動作(本変動)で「7」図柄のリーチが掛かり、停止図柄列「787」となってハズレとなるケースについては、上記と同様に処理ルートC、E、D、Fを経て連続変動が行われる。その際、最終回の変動動作(本変動)の停止図柄設定(ステップS943)においては、各本図柄格納バッファHBF1HBF3の値に「787」が設定され、「7」図柄でのリーチ後にハズレとなる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、仮停止図柄のランダム性を出すため、擬似連続変動予告の変動動作ごとに図柄抽選を行って仮停止図柄を決定した。しかし、あらかじめ初回から所定回まで(連続変動の最終回(本変動)の直前回まで、または連続変動の最終回まで)の各変動動作で表示すべき停止図柄を一括して定めておき、その定められた停止図柄を表示させるように構成することもできる。たとえば、変動パターンコマンドのみにもとづいて装飾図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。かかる構成において、上記第1の実施形態では、擬似連続変動予告時の各変動動作の停止出目を、左図柄Xに対して右図柄および中図柄の数値が1多い図柄(左:中:右=X:X+1:X+1)の形としたが、必ずしもこのよう形に定める必要はなく、任意の数の停止図柄に設定することができる。
図32は、第2の実施形態として、連続変動の初回から最終回までの変動動作における停止図柄に関連する情報を一括して定めた連続変動停止図柄テーブルを例示したものである。この連続変動停止図柄テーブルには、擬似1回から擬似4回の場合について、図26の場合と同様に停止図柄パターン1〜14を定めてある。その各パターンに定義されている停止図柄に関する図柄情報(図32の例では確変図柄または非確変図柄の別)は、1回目変動については擬似回数カウンタバッファ1に、2回目変動については擬似回数カウンタバッファ2に、3回目変動については擬似回数カウンタバッファ3にそれぞれ設定されている。擬似回数カウンタバッファの値がA5[H]で非確変図柄、また5A[H]で確変図柄である。また、擬似1回の1回目変動、擬似2回の2回目変動、擬似3回の3回目変動および擬似4回の4回目変動は、それぞれ本変動の変動動作であり、参照すべきは本左図柄バッファHBF1(図21のステップS805参照)の内容(非確変図柄または確変図柄の別)であるとして同じ32図中に掲げてある。
第2の実施形態は、この図32の停止図柄テーブルから、本図柄の種類に応じて停止図柄パターン1〜14うちの一つを選択する構成(変動停止図柄決定手段)を有し、擬似シナリオ毎に上記擬似回数カウンタバッファ1〜3を参照して擬似変動の停止図柄を決定し、本左図柄バッファHBF1(図21のステップS805参照)を参照して本変動の左停止図柄を決定する。
図32から判るように、上記連続変動停止図柄テーブルは、連続変動中において図柄列の左停止図柄を確変図柄とする場合、その後の変動動作における左停止図柄を非確変図柄に決定することを禁止する図柄成り下り禁止則を含んでいる。すなわち、図柄成り下り禁止則に従い、連続変動中の変動動作で停止する所定の図柄列の種別の決定に関し、初回の変動動作における左停止図柄が第2利益図柄に決定される場合、または連続変動の途中で左停止図柄が第1利益図柄から第2利益図柄に変更される場合、その後の変動動作における前記一部の停止図柄を前記第2利益図柄に決定し維持する関係となっている。したがって、この第2の実施形態において図32の停止図柄テーブルを選択することは、「成り下がりパターンの存在するテーブルを選択しないようにすること」を意味する。換言すれば、本発明の成り下がり禁止手段に相当するのは、「成り下がりパターンの存在する図柄停止テーブルを選択しないようにすること」が該当する。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態のように本図柄に基づく変換手段や再変換手段、維持手段などの煩わしい処理を省くことができる。また、この第2の実施形態は、第1の実施形態の場合と同様に、連続変動停止図柄テーブルが図柄成り下り禁止則を含んでいるため、連続変動予告中に遊技者に停止図柄の成り下がり感を与えることを大きく軽減することができると共に、このように停止図柄に法則性をもたせることにより、演出の多様化を図ることができる。
[第3の実施形態]
上記第1の実施形態では、図柄列が、一の利益状態を発生させる非確変図柄列(222、444、666、888、000など)の組合せを構成する非確変図柄(第1利益図柄:2、4、6、8、0など)と、上記一の利益状態よりも利益価値の高い利益状態を発生させる確変図柄列(111、333、555、777、999など)の組合せを構成する確変図柄(第2利益図柄:1、3、5、7、9など)との少なくとも一方を含む所定の図柄列(1**、2**…など)の組合せにより表現される図柄列であるとし、3桁の図柄からなる装飾図柄列を例にして説明した。そして、上記図柄列のうちの最初に停止される第1停止図柄として左停止図柄に着目し、この左停止図柄が、一の擬似変動動作において上記非確変図柄から確変図柄に替わった場合は、それ以降の擬似変動動作においても、確変図柄を維持するように構成した。
しかし、上記図柄列のうちの2番目に停止される第2停止図柄である右停止図柄に着目し、この右停止図柄が、一の擬似変動動作において上記非確変図柄から確変図柄に替わった場合、それ以降の擬似変動動作においても確変図柄を維持するように構成することもできる。
図33は第3の実施形態として、通常図柄と、確変図柄と、および両図柄として兼用できるオールマイティー図柄(兼用図柄)とを含む図柄種から、重複を許して3個を選び取る組合せにより表現される図柄列が擬似変動動作する例を示したものである。この図33の図柄列は3桁の装飾図柄からなり、左、右、中の順に停止される。そして擬似1回目の擬似変動(図33(a)(b))、擬似2回目の擬似変動(図33(c)(d))、擬似3回目の擬似変動(図33(e)(f))、4回目の擬似変動(図33(g)(h))でリーチが発生し(図33(h))、最後に大当りする(図33(i))。
この3桁の装飾図柄列の変動において、たとえば擬似3回目の擬似変動(図32(e)(f))で先に兼用図柄「All」が左停止し次いで確変図柄「5」が右停止したときは、兼用図柄(第1停止図柄)が左停止した時点では図柄種が不明で、確変図柄(第2停止図柄)「5」が右停止した時点で初めて左右の図柄種が確定し、かつ確変図柄「5」で左右の図柄が揃った仮停止状態が出現する。このため、遊技者は、右停止により確定した確変図柄「5」により大当りが発生するものと期待する。そこで、この遊技者の期待感を維持させるべく、次の4回目の変動動作(本変動)(図33(g)(h))においては、選択された図柄の数字は「5」から「7」に変更にされているが、左が兼用図柄「All」で右が確変図柄「7」という図柄列の関係が維持される。そして確変図柄「7」でリーチが発生し(図33(h))、確変図柄「7」で大当りとなる(図33(i))。
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、連続変動中において所定の図柄列を構成する左停止図柄(一部の停止図柄)を確変図柄(第2利益図柄)とすることに決定した場合、その後の変動動作における左停止図柄を、非確変図柄(第1利益図柄)に決定することを禁止する図柄成り下り禁止手段(処理ルートB:S931、S937〜S938、S925〜S927)を有する構成とした。
しかし第4の実施形態として、最終的に大当りすることが約束されている連続変動においては、この図柄成り下り禁止手段の作動を無効にする構成とすることもできる。すなわち、この第4の実施形態では、液晶表示装置36に図柄列の変動開始および変動停止を繰り返し表示させる図柄遊技を行い、その遊技結果として液晶表示装置36に確定表示された装飾図柄列が予め定められた図柄の組合せからなる大当り図柄列となった場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な利益状態を供与する大当りに移行させる遊技状態移行手段(特別変動入賞装置管理処理:ステップS210)を有することを前提とする。そして、確変図柄(第2利益図柄)の組合せからなる所定の図柄列が大当り図柄列として確定表示されて大当りとなる場合の一部または全部について、連続変動中であることを条件として図柄成り下り禁止手段の作動を無効とする無効化手段(図示せず)を設ける。
また、予告キャラクタが出現する発生割合が高くなるように構成しておく。ここで確変予告キャラクタは、たとえば第1停止図柄が確変図柄となることを示唆する桜花びら予告などである。またこの第3の実施形態の場合、確変予告キャラクタの出現と同時にまたは確変予告キャラクタの替わりに確変予告音響も発生させる構成としておく(図10のステップS539参照)。確変予告音響はたとえば稲妻の閃光と同時に発生する落雷音であり、確変図柄での大当りとなることが確定するものである。
上記のように無効化手段を設けた構成にすると、擬似連続変動予告中に装飾図柄列の組合せを構成する図柄が確変図柄から非確変図柄へとなる成り下がりが発生するのではないか、との懸念が生じる。しかし最終的に本図柄の変動動作で大当りとなるときには、必ず確変図柄の組合せで大当りとなる。したがって、一度でも確変図柄での擬似変動があった場合には、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という遊技者の期待に添うこととなる。
これに加えて、上記無効化手段の作動中は、確変図柄での大当りを示唆する確変予告演出、たとえば確変予告キャラクタの出現割合を100%とすることにより、図柄成り下がり感の発生を防止することができる。たとえば、上記無効化手段の作動している間は、複数回行われる各擬似変動において、毎回確変予告キャラクタである桜花びら予告を出現させることにより、遊技者に対して、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という期待感を維持させることができる。
またこの第4の実施形態の場合、上記無効化手段の作動している間に複数回行われる各擬似変動において、たとえば毎回確変予告音響である稲妻の落雷音を出現させることにより、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という遊技者の期待感を維持させることができる。このように構成することにより、音響による聴覚的な面からも、大当り時の付与価値に関する成り下がり感の発生を防止することができる。
よって図柄成り下り禁止手段の作動を無効としている期間中において、仮に確変図柄から非確変図柄へと図柄による成り下がりがあったとしても、これに替えて上記の確変予告キャラクタや確変予告音響を発生させるにより、遊技者による確変図柄での大当り期待感を維持し、図柄による成り下がり感の減少をカバーすることができる。
[第5の実施形態]
上記第1〜第4の実施形態では、擬似連続変動予告の開始からこれに続く本変動が終了するまでの連続変動期間に関して、遊技者の成り下がり感を防止する形態について説明した。しかし、第5の実施形態として、この連続変動期間外において、図柄の成り下がり感を防止する形態とすることもできる。すなわち、第5の実施形態では、上記無効化手段の作動により大当り図柄列が非確変図柄(第1利益図柄)の組合せにて大当りとなった場合の一部または全部について、大当り中または大当り終了後に必ず上記確変図柄(第2利益図柄)の組合せにて大当りとなった場合と同等の利益状態となることを報知する報知手段(図示せず)を設ける。
この第5の実施形態においても、上記無効化手段により、擬似連続変動予告中に装飾図柄列の組合せを構成する図柄が確変図柄から非確変図柄へとなる成り下がりが発生し、最終的に必ず確変図柄の組合せで大当りとなることが明らかとなるケースを扱っているが、第4の実施形態の場合と異なり、確変図柄で大当りしたことが遊技者に報知されるのは、大当り遊技中または大当り遊技が終了した時点であり、連続変動中や大当り直後にはまだ報知されない。
しかし、大当り中または大当り終了後において、必ず上記確変図柄で大当りした場合と同等の利益状態に移行する旨の報知がなされるので、遊技者は、確変図柄での大当り期待感を維持し、図柄による成り下がり感の減少をカバーすることができる。
また、この第5の実施形態の場合も、大当り中に、確変図柄での大当りを示唆する確変予告演出の出現する発生割合が高くなるように構成しておくことで、必ず確変図柄の装飾図柄列で大当りとなるであろう、という遊技者の期待感を維持することができる。
<変形例1>
また上記第1の実施形態では、擬似連続変動予告の途中で、確変図柄を左図柄に持つ装飾図柄列が相次いで仮停止する場合、左図柄テーブルの中から一の左図柄を抽選により選択する構成とすることにより、図31(f)(h)のように変動表示させる確変図柄にランダム性を持たせた。すなわち、変動停止される装飾図柄列の左図柄について、同じ確変図柄という種別に属するが、一の確変図柄(たとえば奇数図柄の「5」)から、別の確変図柄(たとえば奇数図柄の「7」)に変更される可能性のある形態とした。
しかし、一旦、一の確変図柄(奇数図柄「5」)を左図柄に持つ装飾図柄列「566」が発生したならば、その後の変動動作においても、同じ奇数図柄「5」を左図柄持つ装飾図柄列「566」が停止表示され、左図柄に同じ確変図柄を持つ装飾図柄列「566」が維持される構成とすることもできる。
<変形例2>
また、上記の各実施の形態では、装飾図柄の停止図柄として、左図柄、中図柄および右図柄の3つの図柄とされていたが、3以上の図柄であれば、表示される図柄の数はいくつでもよい。たとえば、液晶表示装置36の表示画面を、最も左の表示領域と、左から2番目の表示領域と、左から3番目の表示領域と、最も右の表示領域とに分割し、それぞれの表示領域に装飾図柄を表示させるようにしてもよい。この構成では、装飾図柄の停止図柄は、最も左の図柄、左から2番目の図柄、左図柄3番目の図柄および最も右の図柄の4つの図柄となる。この場合、4つの図柄が全て揃ったときに大当りとしてもよいし、4つの図柄のうち3つの図柄が揃えば大当りとしてもよい。また、図柄列は有効ライン上に連なる複数の図柄を意味するものであり、厳密な行列の方向を意味するものではない。
しかし、液晶表示装置36の表示画面を、3行3列のマトリクス状の表示領域(装飾図柄表示エリアあるいはマス)に分割し、それぞれの表示領域に装飾図柄を表示させるようにしてもよい。この構成では、装飾図柄の停止図柄は、上段左列の図柄、上段中列の図柄、上段右列の図柄、中段左列の図柄、中段中列の図柄、中段右列の図柄、下段左列の図柄、下段中列の図柄、下段右列の図柄の9つの図柄となる。この場合、所定の有効ライン(たとえば、上段のライン、中段のライン、下段のライン、左列のライン、中列のライン、右列のライン、右下がりの斜めライン、右上がりの斜めライン)に特定図柄が3つ揃ったときに大当りとするようにしてもよい。
<変形例3>
上記第1および第2の実施形態において、停止図柄パターン1〜14に定義する停止図柄に関する図柄情報として、確変図柄または非確変図柄の別を掲げたが、この連続変動停止図柄テーブルで規定する図柄情報は、確変・非確変情報のほかに図柄そのものの情報であってもよい。または、本図柄に対する差分値を規定するものでも良い。
<変形例4>
また、パチンコ機において大当りすると、通常、大入賞口40が予め定めた規定ラウンド数だけ開放されるが、いわゆるバトルタイプのパチンコ機などにおいては、ラウンド数の異なる複数種の大当りが用意されており、たとえば7R(ラウンド)と15R(ラウンド)の2種類の大当りを持つだけで、確変図柄または非確変図柄の概念を持たないものがある。しかし、本発明はこのようなタイプのパチンコ機においても適用可能であり、7R大当りを第1利益図柄として扱い、15R大当りを第2利益図柄として扱うことにより、擬似連続動作において15R大当り図柄が第1停止図柄(または第2停止図柄)に停止した場合、これを最終回の変動動作まで継続するように構成することができる。
<変形例5>
また上記第2の実施形態においては、第4の実施形態(図柄成り下り禁止手段の作動を無効にする構成)と同様に、最終的に確変大当りとなる場合の一部または全部において、図柄成り下り禁止則を含んだテーブルに基づく選択を行なわないようにしてもよい。すなわち、連続変動停止図柄テーブルとして、図柄成り下り禁止側を含まない連続変動停止図柄テーブルを別途設けそのテーブルを選択するようにしてもよい。
<変形例6>
また、連続変動中に選択表示される図柄がたとえば「3」「5」「7」と変化する場合、その連続変動中に選択表示される図柄の履歴を表示するように構成してもよい。
<変形例7>
また遊技者が操作可能な操作手段により、複数の停止図柄のうちから所望する一の停止図柄を選択し決定する構成とすることもできる。たとえば遊技者が操作ボタンを押下するたびに図柄種が変化する構成とし、遊技者が所望するところで操作を止めることにより停止図柄を決定する構成に本実施例を適用してもよい。
<変形例8>
また、上記実施形態ではパチンコ機を例にして説明したが、本発明はパチンコ機に限定されるものではなく、回胴式遊技機(スロットマシン)のような遊技機にも、等しく適用が可能である。回胴式遊技機には、通常、機械式のリールが用いられ、その外周に特別図柄に相当する図柄が配列され、上記リールの回転によって特別図柄の変動表示ゲームが行われるが、その他に遊技の進行状況に応じた演出画像の表示のために液晶表示装置に代表される画像表示装置が用いられている。したがって、特別図柄の変動表示ゲーム中、すなわちリールが回転中の図柄変動中に、上記ボーナスゲーム当選時の演出として、画像表示装置に連続変動の演出画像を表示させるように構成することもできる。