JP2012156357A - 表面に微細パターンを有する成型体の製造方法 - Google Patents

表面に微細パターンを有する成型体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面に微細パターンを有する成型体の製造方法において、スピンコート法等により薄膜に形成された光重合性組成物を保持し、精度よく微細パターンを有する成型体を製造できる方法を提供する。
【解決手段】前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと基板との間に、第1の紫外線の照射により半硬化してなる光重合性組成物の半硬化層を挟持する第1の工程と、前記モールドおよび前記基板により加圧した状態で、前記光重合性組成物の半硬化層に第2の紫外線の照射を行い、前記半硬化層を硬化層とする第2の工程と、前記光重合性組成物の硬化層から前記モールドを分離する第3の工程を有する、表面に微細パターンを有する成型体の製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面に微細パターンを有する成型体の製造方法に関する。
最近、光学部材、記録メディア、半導体装置等の製造において、マイクロメートルオーダーからナノメートルオーダーの微細パターンを短時間で形成する方法として、光ナノインプリントリソグラフィー法が知られている。この方法では、例えば、微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドを、基板等の表面に形成された光重合性組成物の層に押し付けて変形させた状態で、光重合性組成物に光を照射して硬化させ、表面に微細パターンを有する成型体を得る。そして、成型体をマスクとして基板をエッチングする等の方法で、基板表面に微細パターンを形成する(特許文献1参照)。
このようなナノインプリントリソグラフィー法においては、光重合性組成物を硬化させた際に、モールドの凸部に相当する部分が残膜として基板上に生じるが、そのような残膜をなるべく薄くすることが重要になっている。残膜を薄くするには、光重合性組成物の塗布量を制御することが重要であり、必要最少限の量を塗布することが望まれる。この目的を達成するために、ディスペンス法を用いて塗布することが提案されている(特許文献2参照)。
しかし、ディスペンス法は、装置が高価であるため簡便に行うことが難しいという難点を有していた。一方、従来から均一な膜厚を得る塗布方法としてスピンコート法があり、この方法によれば、簡便に所望の膜厚の光重合性組成物を得ることができる。
しかしながら、スピンコート法を用いた場合には、ナノインプリントリソグラフィー法に好適する、微細パターンを表面に有する光重合性組成物の硬化層は得られなかった。すなわち、ナノインプリントリソグラフィー法においては、モールド表面の凹部に光重合性組成物を充填させ、モールドとの間に空隙ができないようにする必要がある。光重合性組成物の粘度が低いほど充填しやすくなるが、粘度の低い光重合性組成物を薄膜に塗布した状態では凝集が生じやすく、長時間均一な薄膜状態を維持することが難しかった。そして、光重合性組成物に凝集が生じた場合には、転写不良が生じる問題があった。
米国特許第6696220号明細書 特表2008−502157号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、表面に微細パターンを有する成型体の製造方法において、スピンコート法等により薄膜に形成された光重合性組成物を保持し、精度よく微細パターンを有する成型体を製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[7]の構成を有する表面に微細パターンを有する成型体の製造方法を提供する。
[1]表面に微細パターンを有する成型体の製造方法であり、
前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと基板との間に、第1の紫外線の照射により半硬化してなる光重合性組成物の半硬化層を挟持する第1の工程と、
前記モールドおよび前記基板により加圧した状態で、前記光重合性組成物の半硬化層に第2の紫外線の照射を行い、前記半硬化層を硬化層とする第2の工程と、
前記光重合性組成物の硬化層から前記モールドを分離する第3の工程
を有することを特徴とする表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
[2]前記第1の工程は、
前記基板上に前記光重合性組成物の層を形成する工程と、
前記光重合性組成物の層に、酸素を含む雰囲気で前記第1の紫外線を第1の照度および光量で照射し、前記光重合性組成物を半硬化させる工程と、
前記工程で得られた前記光重合性組成物の半硬化層上に、前記モールドを前記反転パターンが形成された表面が接するようにして配置する工程
を有する、[1]に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
[3]前記第1の工程は、
前記モールドの表面に前記光重合性組成物の層を形成する工程と、
前記光重合性組成物の層に、前記第1の紫外線を第1の照度および光量で照射し、前記光重合性組成物を半硬化させる工程と、
前記工程で得られた前記光重合性組成物の半硬化層上に前記基板を配置する工程
を有する、[1]に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
[4]前記光重合性組成物は、炭素−炭素不飽和二重結合を1分子中に1個以上有するモノマー(A)を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
[5]前記モノマー(A)は、フッ素原子を有しかつ炭素−炭素不飽和二重結合を1分子中に1個以上有するモノマー(A1)を含む、[4]に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
[6]前記光重合性組成物は、さらに含フッ素界面活性剤(B)を含む、[4]または[5]に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
[7]前記表面に微細パターンを有する成型体において、前記光重合性組成物の硬化層は前記基板をエッチングして前記微細パターンを該基板に転写するエッチングマスクである、[1]〜[6]のいずれかに記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
本発明によれば、従来の方法に比べて長時間光重合性組成物の薄膜状態を維持できるので、高精度の微細パターンを有する成型体を製造することができる。したがって、量産時のプロセスにおいて、カセット・ツー・カセット方式を採用でき、エリア全体に均一に光重合性組成物の薄膜が形成されている状態でナノインプリントリソグラフィー法を適用し、微細パターンを精度よく転写することができる。なお、カセット・ツー・カセット方式とは、ウェハ等の基板が多数枚(例えば、25枚)入ったカセットを処理装置にセットし、全部の処理が終わったらカセットごと取り外して別のカセットに取り換える方式をいい、枚葉方式と反対の処理方式である。カセット・ツー・カセット方式では、カセット内の全ての基板の処理が終わるまでの間は、光重合性組成物の薄膜状態が保持されていなければならない。
本発明の第1の実施形態における各工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における各工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書においては、以下のように定義する。
「微細パターン」ないし「反転パターン」とは、幅、長さおよび高さ(深さ)のうちで最小のものの寸法が1nm〜50nmである1つ以上の凸部および/または凹部からなる形状をいう。
「光重合性組成物」とは、紫外線の照射によって重合反応を起こすラジカル重合性の化合物を含む組成物をいう。
「(メタ)アクリロイルオキシ基」は、「アクリロイルオキシ基」または「メタクリロイルオキシ基」をいい、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」をいう。
<表面に微細パターンを有する成型体の製造方法>
本発明の表面に微細パターンを有する成型体を製造する方法は、以下に示す第1から第3の各工程を有する。
(第1の工程)
第1の紫外線の照射により半硬化してなる光重合性組成物の半硬化層を、微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと基板との間に挟持する工程。
(第2の工程)
前記モールドおよび前記基板により前記光重合性組成物の半硬化層を加圧した状態で、該半硬化層に第2の紫外線の照射を行い、半硬化層を完全に硬化させ硬化層とする工程。
(第3の工程)
前記第2の工程で得られた硬化層からモールドを分離する工程。
本発明の製造方法は、前記第1の工程で挟持される光重合性組成物の半硬化層の形成方法の違いにより、大きく2つに分けられる。すなわち、本発明の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法は、光重合性組成物の半硬化層を基板側に形成する第1の製造方法と、半硬化層をモールド側に形成する第2の製造方法とがある。
<第1の製造方法>
第1の製造方法は、下記工程(a)〜(e)を有する。
(a)基板上に光重合性組成物を塗布し、光重合性組成物の層を形成する工程。
(b)基板上に形成された光重合性組成物の層に、酸素を含む雰囲気に接した状態で第1の紫外線(以下、紫外線(I)と示す。)を第1の照度および光量で照射し、光重合性組成物を半硬化させる工程。
(c)光重合性組成物の半硬化層の上に、形成すべき微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドを押し付ける(押し当てる)工程。
(d)モールドおよび/または基板を介して加圧した状態で、光重合性組成物の半硬化層に第2の紫外線(以下、紫外線(II)と示す。)を第2の照度および光量で照射して、光重合性組成物を完全に硬化させる工程。この工程は、前記第2の工程に相当する。
(e)完全に硬化された光重合性組成物の硬化層からモールドを分離し、表面に微細パターンを有する成型体を得る工程。この工程は、前記第3の工程に相当する。
以下、本発明の第1の製造方法を、第1の実施形態を示す図1に基づいてさらに説明する。
「工程(a)」
図1(a)に示すように、平板状の基板1の表面に未硬化の光重合性組成物をスピンコート法等により塗布し、光重合性組成物の塗布層2を形成する。
光重合性組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法等が挙げられ、光重合性組成物の塗布層2の厚さの均一性と塗布の簡便性の点から、スピンコート法が好ましい。光重合性組成物の塗布は、常圧下で行っても、3000Pa以上の減圧下で行ってもよい。光重合性組成物が感光しない環境(イエロールーム等)で行うことが好ましい。また、空気中で行うことが好ましいが、窒素雰囲気、二酸化酸素雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。
光重合性組成物が溶剤を含有する場合は、上記方法で光重合性組成物を塗布した後、ホットプレート等の加熱装置による加熱や真空下に配置するなどの、溶剤を除去する工程を行わない方がよい。前記した溶剤除去工程を行うと、溶剤が揮発する際のエネルギーにより光重合性組成物が凝集しやすくなって、塗布ムラが生じるおそれがある。
「工程(b)」
図1(b)に示すように、光重合性組成物の塗布層2に紫外線(I)を照射する。紫外線(I)における波長365nmの光の照度を5mW/cm以上にするとともに、波長365nmの光の光量を1000mJ/cm〜9500mJ/cmとすることにより、光重合性組成物を半硬化(一部硬化)させ、粘度を上昇させる。こうして粘度が上昇した状態の光重合性組成物からなる半硬化層3を形成する。ここで、「一部硬化」または「半硬化」とは、光重合性組成物が完全には硬化しておらず、後述する工程でモールドの圧着により十分に変形可能である程度に可塑性を有するが、凝集(弾き)が生じない程度に粘度が上昇した状態を意味する。
本工程(b)は、光重合性組成物の塗布層2が酸素を含む雰囲気に接した状態で行う。酸素を含む雰囲気としては、大気中が好ましい。
光重合性組成物の塗布層2が酸素を含む雰囲気に接した状態で紫外線(I)を照射することによって、酸素を含む雰囲気に接する表層部分における光重合性組成物のラジカル重合反応が阻害されるため、表層部分の硬化が抑えられ、流動性が保たれる。しかし、深層部分では、ラジカル重合反応により光重合性組成物が十分に硬化するため、基板1との密着性は確保されており、表層部分における光重合性組成物の粘度の向上と相俟って、光重合性組成物の凝集が抑制される。したがって、従来の方法に比べて、光重合性組成物の薄膜状態を長時間維持することができ、塗布エリア全体に均一に光重合性組成物が塗布されている状態でナノインプリントリソグラフィー法を適用することができるため、転写エリア全体に微細パターンを転写することができる。
紫外線(I)の光源としては、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等が挙げられる。半硬化状態の制御の簡便性の観点から、高圧水銀灯が好ましい。また、紫外線(I)の光源は、450〜200nmの波長領域の紫外線を発生する光源が好ましく、単一波長の紫外線を発する光源でも、複数の波長を含む紫外線を発する光源でもよい。紫外線(I)における波長365nmの光の照度は、5mW/cm以上であり、10mW/cm以上が好ましい。波長365nmの照度が5mW/cm未満の場合は照度が足りず、光重合性組成物の粘度が十分に上昇しないため、塗膜形成後に凝集が発生してしまう。
紫外線(I)における波長365nmの光の光量は、1000mJ/cm〜9500mJ/cmが好ましく、1500mJ/cm〜8000mJ/cmがより好ましい。1000mJ/cm未満では、光重合性組成物の粘度が十分に上昇しないため、塗膜形成後に凝集が発生してしまう。反対に9500mJ/cmよりも光量が多いと、光重合性組成物の粘度が上昇し過ぎるばかりでなく、重合開始剤が過度に消費されてしまうため、その後のナノインプリントリソグラフィープロセスでパターン転写がうまく実施できない。
紫外線(I)を照射した後の光重合性組成物中に溶剤が含まれている場合には、ホットプレート等の加熱装置により加熱したり、あるいは真空下に置いたりして、光重合性組成物中の溶剤を除去してもよい。ホットプレートを用いて溶剤を除去することが好ましい。加熱温度は140℃以下が好ましく、100℃以下がさらに好ましい。
「工程(c)」
図1(c)に示すように、工程(b)において形成された光重合性組成物の半硬化層(粘度が上昇した状態の光重合性組成物層)3の上に、減圧雰囲気で、形成すべき微細パターンの反転パターンを表面に有するモールド4を押し当てる。このとき、真空環境のような減圧雰囲気であると、空気の介在がなくなるため、成型体に微細パターンを転写した際の泡の巻き込みによる欠陥を低減することができる。ここで、真空環境とは、3000Pa以上の減圧雰囲気を指す。3000Pa以上の減圧雰囲気であれば、光重合性組成物が揮発して組成が大幅に変化することはない。
「工程(d)」
図1(d)に示すように、モールド4または基板1を介して光重合性組成物の半硬化層3を加圧しながら、基板1またはモールド4のいずれか紫外線(II)を透過する側から、紫外線(II)を照射し、粘度が上昇した半硬化状態の光重合性組成物を完全に硬化させる。
加圧は、モールド4側または基板1側、もしくは両方の側から行うことが好ましい。加圧する方法としては、機械的にプレスする方法、気体または液体を媒介としてプレスする方法等が挙げられる。プレスの圧力(ゲージ圧)は、0超〜10MPa以下が好ましく、0.1〜5MPaがより好ましい。加圧する際の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜60℃がより好ましい。
本工程は、光重合性組成物を完全に硬化させることを目的としているため、光重合性組成物が酸素を含む雰囲気に接しない状態で行う。酸素を含む雰囲気に接しない状態とは、真空中や窒素雰囲気等、酸素を含まない雰囲気に接する状態、または光重合性組成物の上に載置されたモールド4を、光重合性組成物の半硬化層3内に押し込み、モールド4の凹部に半硬化状態の光重合性組成物を隙間なく充填した状態を意味する。
紫外線(II)の光源としては、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、自然光等が挙げられ、硬化の制御の簡便性の点から高圧水銀灯が好ましい。また、紫外線(II)の光源は、450〜200nmの波長領域の紫外線を発生する光源が好ましく、単一波長の紫外線を発する光源でも、複数の波長を含む紫外線を発する光源でもよい。紫外線(II)における波長365nmの光の照度は、1mW/cm以上であり、50mW/cm以上が好ましい。波長365nmの照度が1mW/cm以上であれば、光重合性組成物が硬化するまでの時間が長くなり過ぎることがなく、生産性がよい。
「工程(e)」
図1(e)に示すように、工程(d)で形成された光重合性組成物の硬化層5からモールド4を分離し、表面に微細パターンを有する成型体10を得る。成型体10とモールド4とを分離する方法としては、真空吸着によって双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法、機械的に双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法等が挙げられる。
<第2の製造方法>
本発明の第2の製造方法は、下記の工程(f)〜(j)を有する。
(f)形成すべき微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドの表面に、光重合性組成物を塗布し、光重合性組成物の層を形成する工程。
(g)モールド上に形成された光重合性組成物の層に、酸素を含む雰囲気に接した状態で紫外線(I)を第1の照度および光量で照射し、光重合性組成物を半硬化させる工程。
(h)光重合性組成物の半硬化層の上に、基板を載置する工程。
(i)光重合性組成物の半硬化層をモールドおよび/または基板を介して加圧した状態で、該半硬化層に紫外線(II)を第2の照度および光量で照射し、光重合性組成物を完全に硬化させる工程。この工程は、前記第2の工程に相当する。
(j)完全に硬化された光重合性組成物の硬化層からモールドを分離し、表面に微細パターンを有する成型体を得る工程。この工程は、前記第3の工程に相当する。
以下、本発明の第2の製造方法を、第2の実施形態を示す図2に基づいてさらに説明する。
「工程(f)」
図2(f)に示すように、形成すべき微細パターンの反転パターンを有するモールド4の表面に、未硬化の光重合性組成物をスピンコート法等により塗布し、光重合性組成物の塗布層2を形成する。光重合性組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法等が挙げられるが、光重合性組成物の塗布層2の厚さの均一性と塗布の簡便性の点から、スピンコート法が好ましい。
光重合性組成物をモールド4の表面に塗布する際の環境は、空気中が好ましいが、窒素雰囲気や二酸化酸素雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行ってもよい。光重合性組成物の塗布は、常圧下で行っても、700Pa以上の減圧下でもよい。また、光重合性組成物が感光しない環境(イエロールーム等)で行うことが好ましい。
本工程では、光重合性組成物を減圧下でモールド4の表面に塗布することにより、反転パターンが凹形状であったとしても泡の欠陥を抑制することができる。
光重合性組成物が溶剤を含有する場合は、上記方法で光重合性組成物を塗布した後、ホットプレート等の加熱装置による加熱や真空下に配置するなどの、溶剤を除去する工程を行わない方がよい。前記した溶剤除去工程を行うと、溶剤が揮発する際のエネルギーにより光重合性組成物が凝集しやすくなって、塗布ムラが生じるおそれがある。
「工程(g)」
図2(g)に示すように、光重合性組成物が酸素を含む雰囲気に接した状態で、光重合性組成物の塗布層2に紫外線(I)を照射する。この工程は、前記第1の製造方法の工程(b)と同様に行う。すなわち、紫外線(I)における波長365nmの光の照度を5mW/cm以上とするとともに、波長365nmの光の光量を1000mJ/cm〜9500mJ/cmとすることにより、光重合性組成物を半硬化(一部硬化)させ、粘度を上昇させる。こうして粘度が上昇した状態の光重合性組成物からなる半硬化層3を形成する。
「工程(h)」
図2(h)に示すように、工程(g)において形成された光重合性組成物の半硬化層(粘度が上昇した状態の光重合性組成物層)3の上に、減圧雰囲気で基板1を押し当てる。このとき、真空環境のような減圧雰囲気であると、空気の介在がなくなるため、成型体に微細パターンを転写した際の泡の巻き込みによる欠陥を低減することができる。ここで、真空環境とは、3000Pa以上の減圧雰囲気を指す。3000Pa以上の減圧雰囲気であれば、光重合性組成物が揮発して組成が大幅に変化することはない。
また、基板1の光重合性組成物と貼り合わせる側の面の中央部に、溶剤を実質的に含まない状態にした光重合性組成物を少量滴下してから貼り合わせることが好ましい。これにより、泡の巻き込みを防止することができる。
「工程(i)」
図2(i)に示すように、モールド4または基板1を介して光重合性組成物の半硬化層3を加圧しながら、基板1またはモールド4のいずれか紫外線(II)を透過する側から、紫外線(II)を照射し、粘度が上昇した半硬化状態の光重合性組成物を完全に硬化させる。この工程は、前記第1の製造方法の工程(d)と同様に行う。
加圧は、モールド4側または基板1側、もしくは両方の側から行うことが好ましい。加圧する方法としては、機械的にプレスする方法、気体または液体を媒介としてプレスする方法等が挙げられる。プレスの圧力(ゲージ圧)は、0超〜10MPa以下が好ましく、0.1〜5MPaがより好ましい。加圧する際の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜60℃がより好ましい。
「工程(j)」
図2(j)に示すように、工程(i)で形成された光重合性組成物の硬化層5からモールド4を分離し、微細パターンを表面に有する成型体10を得る。成型体10とモールド4とを分離する方法としては、真空吸着によって双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法、機械的に双方を固定して片方を離す方向に移動させる方法等が挙げられる。
以上説明した本発明の微細パターンを表面に有する成型体の製造方法では、工程(b)または工程(g)において、光重合性組成物が酸素を含む雰囲気に接した状態で、紫外線(I)を所定の照度および光量で照射して半硬化(一部硬化)させ、光重合性組成物の粘度を十分に高い状態とすることにより、光重合性組成物が凝集しない状態でナノインプリントリソグラフィー法を適用することができる。そのため、転写エリア全体に微細パターンを転写することができ、転写状態が良好な成型体を得ることができる。また、本発明の製造方法では、真空環境下で光重合性組成物をモールド4と基板1との間に挟みこむことが可能なため、泡欠陥などが発生しにくい。
次に、本発明の前記実施形態を構成する各要素について説明する。
<光重合性組成物>
光重合性組成物は、以下に示す重合性のモノマー(A)を含むことが好ましい。さらに必要に応じて、含フッ素界面活性剤(B)、光重合開始剤(C)、およびその他の添加剤(D)を含むことができる。なお、光重合性組成物の合計量100質量%とは、モノマー(A)、含フッ素界面活性剤(B)、光重合開始剤(C)および他の添加剤(D)で構成される組成物の合計量である100質量%を指すものとする。光重合性組成物の各成分について説明する。
[モノマー(A)]
モノマー(A)は、紫外線の照射によってラジカル重合反応を起こすラジカル重合性の化合物であり、分子中に炭素−炭素不飽和二重結合を1つ以上有するモノマーである。離型性に優れることから、モノマー(A)は、フッ素原子を有し、かつ炭素−炭素不飽和二重結合を1つ以上有するモノマー(A1)を含むことが好ましい。
{モノマー(A1)}
モノマー(A1)としては、フルオロ(メタ)アクリレート類、フルオロジエン類、フルオロビニルエーテル類、フルオロ環状モノマー類等が挙げられる。硬化性、相溶性に優れることから、フルオロジエン類またはフルオロ(メタ)アクリレート類が好ましく、フルオロ(メタ)アクリレート類が特に好ましい。なお、「フルオロ(メタ)アクリレート」なる表記は、「フルオロアクリレート」と「フルオロメタクリレート」の両方を含むものとする。
フルオロジエン類としては、下記式(A1a)で表される化合物(以下、モノマー(A1a)と記す。)が好ましい。
CF=CR−Q−CR=CH …………(A1a)
ただし、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜3のアルキル基、または炭素数1〜3のフルオロアルキル基であり、Qは、酸素原子、下記式(2)で表される基、または官能基を有していてもよい2価の有機基である。
−NR− …………(2)。
ただし、Rは、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アルキルカルボニル基またはトシル基である。
2価の有機基である前記Qとしては、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、オキシメチレン基、オキシジメチレン基、オキシトリメチレン基、およびジオキシメチレン基からなる群から選ばれる基を主鎖とし、該主鎖中の水素原子が、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数1〜6のアルキル基、および炭素原子−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基から選ばれる基で置換された基が挙げられる。Qとしては、前記基中の炭素原子−水素原子結合を形成する水素原子の1個以上がフッ素原子で置換された基が好ましい。具体的には、式:−CFC(CF)(OH)CH−で表される基(以下、式そのもので基を表す。)、−CFC(CF)(OH)−、−CFC(CF)(OCHOCH)CH−、−CHCH(CHC(CFOH)CH−、または−CHCH(CHC(CFOH)−が特に好ましい。ただし、基の向きは、左側がCF=CR−に結合することを意味する。
モノマー(A1a)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CF=CFCHCH(C(CFOH)CHCH=CH
CF=CFCHCH(C(CFOH)CH=CH
CF=CFCHCH(C(CFOH)CHCHCH=CH
CF=CFCHCH(CH(CFOH)CHCHCH=CH
CF=CFCHC(CH)(CHSOF)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OH)CH=CH
CF=CFCFC(CF)(OH)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCHCF)CHCH=CH
CF=CFCFC(CF)(OCHOCH)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(O(CFOCH5)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(OCFCFCHNH)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(O(CFCN)CH=CH
CF=CFOCFCF(OCFCFSOF)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(O(CFPO(OC)CHCH=CH
CF=CFOCFCF(OCFCFSOF)CHCH=CH
フルオロ(メタ)アクリレート類としては、下記式(A1b)で表される化合物(以下、モノマー(A1b)と記す。)が好ましい。
CH=C(R11)−C(O)O−W−R …………(A1b)
式中R11は、水素原子またはメチル基であり、Wは、単結合またはフッ素原子を含まない2価の連結基である。2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニレン基、オキシアルキレン基、2価の6員環芳香族基、2価の4〜6員環の飽和もしくは不飽和の脂肪族基、2価の5〜6員環の複素環基、または下記式(3)で表される2価の連結基が挙げられる。2価の連結基は、2種以上を組み合わせたものであってもよく、環を縮合したものであってもよく、置換基を有するものであってもよい。
−Y−Z− …………(3)。
ただし、Yは、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、2価の6員環芳香族基、2価の4〜6員環の飽和もしくは不飽和の脂肪族基、2価の5〜6員環の複素環基、またはこれらが縮合した環基である。Zは、−O−、−S−、−CO−、−C(O)O−、−C(O)S−、−N(R)−、−SO−、−PO(OR)−、−N(R)−C(O)O−、−N(R)−C(O)−、−N(R)−SO−、または−N(R)−PO(OR)−である。なお、Rは水素原子または炭素数が1〜3のアルキル基である。
Wとしては、単結合、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、下記式(4)で表される基、またはこれらの基の組み合わせが好ましく、−(CH−(ただし、pは0〜6の整数であり、pが0の場合は単結合を表す。)が特に好ましい。
−Y−Z− …………(4)。
ただし、Yは、直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基、または2価の6員環芳香族基であり、Zは、−N(R)−、−SO−、または−N(R)−SO−である。なお、Rは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である。
は、主鎖の炭素数が1〜6である、炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基である。WとRとの境界は、Rの炭素数が最も少なくなるように定めるものとする。
ポリフルオロアルキル基とは、主鎖の炭素数(側鎖を含まない炭素数)が1〜6のアルキル基において、2つ以上の水素原子がフッ素原子に置換された基を意味する。なお、主鎖とは、直鎖状の場合は該直鎖を意味し、分岐状の場合は最も長い炭素鎖を意味する。側鎖とは、分岐状のポリフルオロアルキル基を構成する炭素鎖のうち、主鎖以外の炭素鎖を意味する。側鎖はアルキル基、モノフルオロアルキル基またはポリフルオロアルキル基からなる。
ポリフルオロアルキル基としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)に対応する、部分フルオロ置換アルキル基、またはパーフルオロ置換アルキル基が挙げられる。
炭素原子間にエーテル性酸素原子を有するポリフルオロアルキル基としては、ポリフルオロ(アルコキシアルキルアルキル)基やポリフルオロ(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)基が好ましく、ポリフルオロ(2−エトキシエチル)基、ポリフルオロ(2−メトキシプロピル)基、ポリフルオロ(ポリオキシエチレンメチルエーテル)基、ポリフルオロ(ポリオキシプロピレンメチルエーテル)基等が好ましく挙げられる。
としては、直鎖状のものが好ましい。Rが分岐状のものである場合、分岐部分ができるだけRの末端に近い部分に存在することが好ましい。Rとしては、ポリフルオロアルキル基が好ましく、全水素原子が実質的にフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキル基がより好ましく、直鎖状のパーフルオロアルキル基がさらに好ましい。さらに、環境残留性や生体蓄積性が低くかつ離型性が高い点から、炭素数が4〜6の直鎖状のパーフルオロアルキル基が特に好ましく、炭素数が6の直鎖状のパーフルオロアルキル基が最も好ましい。
モノマー(A1b)としては、下記式(5)で表される化合物が好ましい。
CH=C(R11)−C(O)O−(CH−R …………(5)
ただし、R11は、水素原子またはメチル基であり、pは0〜6の整数であり、Rは、炭素数が1〜6の直鎖状のパーフルオロアルキル基である。
モノマー(A1b)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
CH=CH−C(O)O−(CH−(CFF、
CH=CH−C(O)O−(CH−(CFF、
CH=CH−C(O)O−(CH−(CFF、
CH=CH−C(O)O−(CH−CF
CH=C(CH)−C(O)O−(CH−(CFF、
CH=C(CH)−C(O)O−(CH−(CFF、
CH=C(CH)−C(O)O−(CH−(CFF、
CH=CH−C(O)O−CH−(CFF、
CH=CH−C(O)O−CH−CF
CH=CH−C(O)O−CHCH(OH)CH−CFCFCF(CF
CH=CH−C(O)O−CH(CF
CH=CH−C(O)O−CH−(CFF、
CH=C(CH)−C(O)O−CH−(CFF、
CH=CH−C(O)O−CH−CFCFH、
CH=CH−C(O)O−CH−(CFCFH、
CH=C(CH)−C(O)O−CH−CFCFH、
CH=C(CH)−C(O)O−CH−(CFCFH、
CH=CH−C(O)O−CH−CFOCFCFOCF
CH=CH−C(O)O−CH−CFO(CFCFO)CF
CH=C(CH)−C(O)O−CH−CFOCFCFOCF
CH=C(CH)−C(O)O−CH−CFO(CFCFO)CF
CH=CH−C(O)O−CH−CF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、
CH=CH−C(O)O−CH−CF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF、
CH=C(CH)−C(O)O−CH−CF(CF)OCFCF(CF)O(CFF、
CH=C(CH)−C(O)O−CH−CF(CF)O(CFCF(CF)O)(CFF。
これらのモノマー(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
モノマー(A)は、さらに、分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ有するモノマー(A2)(ただし、モノマー(A1)を除く。)および/または分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2つ以上有するモノマー(A3)を含有してもよい。
これらのモノマーを併用する場合、光重合性組成物の前記硬化度合(X)の評価において基準となる、ラジカル重合反応によって影響を受けない特定の官能基が複数種存在することがある。その場合は、いずれかの官能基を選択し、当該官能基を基準にして硬化度合(X)を評価すればよい。例えば、光重合性組成物が、モノマー(A1a)と、後述するモノマー(A2)およびモノマー(A3)を含む場合、ラジカル重合反応によって影響を受けない特定の官能基として、(メタ)アクリロイルオキシ基のカルボニル基(C=O)と、モノマー(A1a)中のメチレン基(−CH−)とが存在するため、カルボニル基(C=O)とメチレン基(−CH−)とのいずれかを基準として選択すればよい。
{モノマー(A2)}
モノマー(A2)としては、モノヒドロキシ化合物の(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシ化合物のモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。モノヒドロキシ化合物の(メタ)アクリレートが好ましく、モノヒドロキシ化合物のアクリレートが特に好ましい。モノヒドロキシ化合物としては、アルキル部分の炭素数が4〜20のアルカノール、単環、縮合多環または橋かけ環を有する脂環族モノオール、ポリ(またはモノ)アルキレングリコールモノアルキル(もしくはアリール)エーテル等が好ましく、炭素数が6〜20のアルカノールと橋かけ環とを有する脂環族モノオールが特に好ましい。
モノマー(A2)としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。モノマー(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
{モノマー(A3)}
モノマー(A3)は、分子中に(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合物である。モノマー(A3)は、フッ素原子を有する化合物であってもよいが、通常はフッ素原子を有しない化合物である。モノマー(A3)における(メタ)アクリロイルオキシ基の数は2〜10個が適当であり、2〜6個が好ましい。
モノマー(A3)は、ポリヒドロキシ化合物のポリ(メタ)アクリレートであり、(メタ)アクリロイルオキシ基の数が2個以上である限りは、水酸基を有していてもよい。ポリヒドロキシ化合物としては、アルキレンオキシドが付加し得る官能基を2個以上有する化合物(アルカンポリオール、アルカンポリオールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレングリコール、多価フェノール、ポリアミン等)のアルキレンオキシド付加物、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
モノマー(A3)は、ポリヒドロキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート構造を有する化合物である、ウレタン(メタ)アクリレートであってもよい。ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリヒドロキシ化合物にイソシアネートアルキル(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物、ポリヒドロキシ化合物にポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとを反応させて得られる化合物のような、ウレタン結合を有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートの原料であるポリヒドロキシ化合物としては、ポリエーテルポリオール(アルカンポリオールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレングリコール、多価フェノールのアルキレンオキシド付加物等)が好ましい。ポリイソシアネート化合物としては、無黄変タイプのポリイソシアネート化合物が好ましい。
モノマー(A3)としては、アルカンポリオール、アルカンポリオールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレングリコールおよび多価フェノールのアルキレンオキシド付加物からなる群から選ばれるポリヒドロキシ化合物のポリ(メタ)アクリレート、ならびに、ポリエーテルポリオールを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
具体的に、モノマー(A3)としては下記の化合物が挙げられる。
ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート(エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAグリセロレートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロポキシレートグリセロレートジ(メタ)アクリレート等)、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、フルオレンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロール1,3−ジグリセロレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピオネートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールグリセロレートジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアリル酸、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジ(メタ)アクリレート、ウレタン結合を2つ以上有するジ(メタ)アクリレート(新中村化学工業社製のUA−4200、ジウレタンジ(メタ)アクリレート等)、フルオレン骨格を有するジ(メタ)アクリレート、1,3−ビス(3−メタクリロイロキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリオールトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールを用いて得られるウレタンジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリオールを用いて得られるウレタントリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルテトラオールを用いて得られるウレタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエーテルヘキサオールを用いて得られるウレタンヘキサ(メタ)アクリレート等。
モノマー(A3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合性組成物におけるモノマー(A1)〜(A3)の含有量の合計は、光重合性組成物全体を100質量%として、70〜99.89質量%が好ましく、80〜99質量%が特に好ましい。
モノマー(A1)〜(A3)の含有量の合計に対するモノマー(A1)の割合は、5〜100質量%が好ましく、15〜70質量%が特に好ましい。また、モノマー(A2)の含有割合は、モノマー(A1)〜(A3)の合計量を100質量%としたとき、0〜95質量%が好ましく、5〜50質量%が特に好ましい。さらに、モノマー(A3)の含有割合は、モノマー(A1)〜(A3)の合計量を100質量%としたとき、0〜95質量%が好ましく、35〜85質量%が特に好ましい。
[含フッ素界面活性剤(B)]
光重合性組成物は、離型性の点から、さらに含フッ素界面活性剤(B)を含むことが好ましい。
含フッ素界面活性剤(B)としては、フッ素含有量が10〜70質量%のものが好ましく、10〜40質量%のものがより好ましい。含フッ素界面活性剤は、水溶性であっても脂溶性であってもよい。
含フッ素界面活性剤(B)としては、アニオン性含フッ素界面活性剤、カチオン性含フッ素界面活性剤、両性含フッ素界面活性剤、またはノニオン性含フッ素界面活性剤が好ましく、光重合性組成物における相溶性および硬化樹脂における分散性の点から、ノニオン性含フッ素界面活性剤がより好ましい。
アニオン性含フッ素界面活性剤としては、ポリフルオロアルキルカルボン酸塩、ポリフルオロアルキル燐酸エステル、またはポリフルオロアルキルスルホン酸塩が好ましい。アニオン性含フッ素界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−111(商品名、AGCセイミケミカル社製)、フロラードFC−143(商品名、スリーエム社製)、メガファークF−120(商品名、DIC社製)等が挙げられる。
カチオン性含フッ素界面活性剤としては、ポリフルオロアルキルカルボン酸のトリメチルアンモニウム塩、またはポリフルオロアルキルスルホン酸アミドのトリメチルアンモニウム塩が好ましい。カチオン性含フッ素界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−121(商品名、AGCセイミケミカル社製)、フロラードFC−134(商品名、スリーエム社製)、メガファークF−150(商品名、DIC社製)等が挙げられる。
両性含フッ素界面活性剤としては、ポリフルオロアルキルベタインが好ましい。両性含フッ素界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−132(商品名、AGCセイミケミカル社製)、フロラードFX−172(商品名、スリーエム社製)、メガファークF−120(商品名、DIC社製)等が挙げられる。
ノニオン性含フッ素界面活性剤としては、ポリフルオロアルキルアミンオキサイド、またはポリフルオロアルキル・アルキレンオキサイド付加物が好ましい。ノニオン性含フッ素界面活性剤の具体例としては、サーフロンS−145(商品名、AGCセイミケミカル社製)、サーフロンS−393(商品名、AGCセイミケミカル社製)、サーフロンKH−20(商品名、AGCセイミケミカル社製)、サーフロンKH−40(商品名、AGCセイミケミカル社製)、フロラードFC−170(商品名、スリーエム社製)、フロラードFC−430(商品名、スリーエム社製)、メガファークF−141(商品名、DIC社製)等が挙げられる。
含フッ素界面活性剤(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。含フッ素界面活性剤(B)の含有量は、光重合性組成物全体(100質量%)に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
[光重合開始剤(C)]
本発明における光重合性組成物は、光硬化性の点から、さらに光重合開始剤(C)を含むことが好ましい。
光重合開始剤(C)としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤、α−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、α−アシルオキシムエステル、ベンジル−(o−エトキシカルボニル)−α−モノオキシム、アシルホスフィンオキシド、グリオキシエステル、3−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファーキノン、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジアルキルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシピバレート等が挙げられ、感度および相溶性の点から、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、α−アミノケトン系光重合開始剤またはベンゾフェノン系光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。光重合開始剤(C)の含有量は、光重合性組成物全体(100質量%)に対して0.1〜12質量%が好ましく、0.5〜6質量%がより好ましい。
[その他の添加剤(D)]
光重合性組成物は、モノマー(A)、含フッ素界面活性剤(B)および光重合開始剤(C)の他に、光増感剤、重合禁止剤、樹脂、耐熱安定剤、耐光安定剤、難燃剤、永久帯電防止剤、酸化防止剤、表面改質剤、金属酸化物微粒子、炭素化合物、金属微粒子、他の有機化合物のような添加剤(D)を含んでいてもよい。
光増感剤としては、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、アリルチオ尿素、s−ベンジスイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ナフタレン誘導体(4−メトキシ−1−ナフトール等)、ヒドロキノン誘導体(ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル等)、ニトロソアミン誘導体等が挙げられる。
樹脂としては、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリエステルオリゴマー、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
金属酸化物微粒子としては、チタニア、シリカ、ジルコニア等が挙げられる。
炭素化合物としては、カーボンナノチューブ、フラーレン等が挙げられる。
金属微粒子としては、銅、白金等の微粒子が挙げられる。
他の有機化合物としては、ポルフィリン、金属内包ポリフィリン、イオン性液体(1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロライド等)、色素等が挙げられる。
これらの添加剤(D)の含有量は、合計で光重合性組成物全体(100質量%)に対して20質量%以下が好ましい。他の添加剤(D)が20質量%以下であれば、光重合性組成物を均一に混合でき、均質な光重合性組成物が得られる。
[溶剤]
さらに、本発明における光重合性組成物は、塗布膜の膜厚制御のために溶剤を含んでいてもよい。溶剤は、前記モノマー(A)、含フッ素界面活性剤(B)、光重合開始剤(C)およびその他の添加剤(D)のうちの少なくとも一つを溶解させる化合物であり、常圧における沸点が180℃以下の化合物であることが好ましく、常圧における沸点が140℃以下の化合物であることがより好ましい。180℃以上の沸点の化合物では、該化合物を除去するのに高温で加熱しなければならず、モノマー(A)、含フッ素界面活性剤(B)、光重合開始剤(C)およびその他の添加剤(D)が変質したり、揮散したりするおそれがある。
溶剤は、モノマー(A)、含フッ素界面活性剤(B)、光重合開始剤(C)およびその他の添加剤(D)の合計量に対して、質量で30倍以下の量を用いることが好ましく、20倍以下の量を用いることがさらに好ましい。30倍よりも多い量の溶剤を用いた場合は、溶液濃度が薄くなり過ぎるため、溶剤を揮発させる際に凝集しやすくなり、均一な塗膜が得られない。
具体的に溶剤としては、酢酸イソブチル、酢酸nブチル、酢酸イソペンチル、PGMEA、ブタノール、tert−ブタノール、酪酸エチル、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。
<モールド>
モールドとしては、非透光性材料または透光性材料からなるモールドを使用することができる。非透光性材料としては、シリコン、ニッケル、銅、ステンレス、チタン、SiC、マイカ等が挙げられる。透光性材料としては、石英、ガラス、ポリジメチルシロキサン、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、透明フッ素樹脂等が挙げられる。
モールドと後述する基板のうちの少なくとも一方は、前記光重合開始剤(C)が作用する波長の光を40%以上透過する材料とする。
また、モールドは、表面に反転パターンを有する。反転パターンは、成型体の表面に形成すべき微細パターンを反転させたパターンである。反転パターンは、微細な凸部および/または凹部を有する。凸部としては、モールドの表面に延在する長尺の凸条、表面に点在する突起等が挙げられる。凹部としては、モールドの表面に延在する長尺の溝、表面に点在する孔等が挙げられる。
前記凸条または溝の長手方向に沿った中心線の形状としては、直線、曲線、折れ曲がり直線等の形状が挙げられる。凸条または溝は、複数が平行に存在して縞状をなしていてもよい。凸条または溝の、長手方向に直交する方向の断面形状としては、長方形、台形、三角形、半円形等が挙げられる。また、前記突起または孔の形状としては、三角柱、四角柱、六角柱、円柱、三角錐、四角錐、六角錐、円錐、半球、多面体等が挙げられる。
凸条または溝の幅は、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましく、5nm〜5μmがさらに好ましい。凸条の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味する。溝の幅とは、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味する。
突起または孔の幅は、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましく、5nm〜5μmがさらに好ましい。突起の幅とは、底面が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における底辺の長さを意味し、そうでない場合、突起の底面における最大長さを意味する。孔の幅とは、開口部が細長い場合、長手方向に直交する方向の断面における上辺の長さを意味し、そうでない場合、孔の開口部における最大長さを意味する。
凸部の高さは、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましく、5nm〜5μmがさらに好ましい。凹部の深さは、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましく、5nm〜5μmがさらに好ましい。
モールド表面の反転パターンが密集している領域において、隣接する凸部(または凹部)間の間隔は、平均で1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましい。隣接する凸部間の間隔とは、凸部の断面の底辺の終端から、隣接する凸部の断面の底辺の始端までの距離を意味する。隣接する凹部間の間隔とは、凹部の断面の上辺の終端から、隣接する凹部の断面の上辺の始端までの距離を意味する。
凸部の最小寸法は、1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましく、5nm〜5μmが特に好ましい。最小寸法とは、凸部の幅、長さおよび高さのうちの最小の寸法を意味する。凹部の最小寸法は、1nm〜50mmが好ましく、1nm〜50μmがより好ましく、5nm〜5μmが特に好ましい。最小寸法とは、凹部の幅、長さおよび深さのうちの最小の寸法を意味する。
<基板>
基板としては、無機材料製または有機材料製の基板が用いられる。無機材料としては、シリコン、ガラス、石英ガラス、金属(アルミニウム、ニッケル、銅等)、金属酸化物(アルミナ(サファイア含む)等)、窒化珪素、窒化アルミニウム、ニオブ酸リチウム、化合物半導体(窒化ガリウム、ヒ化ガリウムなど)等が挙げられる。有機材料としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン樹脂、ポリフェニレンサルファイド、環状ポリオレフィン等が挙げられる。
前記光重合性組成物との密着性に優れる点から、基板として、表面処理された基板を用いてもよい。表面処理としては、プライマー塗布処理、オゾン処理、プラズマエッチング処理等が挙げられる。プライマーとしては、ポリメチルメタクリレート、シランカップリング剤、シラザン等が挙げられる。
<用途>
本発明の製造方法によって製造された微細パターンを表面に有する成型体は、例えば下記の物品として用いることができる。
光学素子:非球面マイクロレンズアレイ、球面マイクロレンズアレイ、光導波路素子、光スイッチング素子(グリッド偏光素子、波長板等)、フレネルゾーンプレート素子、バイナリー素子、ブレーズ素子、フォトニック結晶等。
反射防止部材:AR(Anti Reflection)コート部材等。
チップ類:バイオチップ、μ−TAS(Micro−Total Analysis Systems)用のチップ、マイクロリアクターチップ等。
その他:記録メディア、ディスプレイ材料、触媒の担持体、フィルター、センサー部材、半導体デバイス(MEMSを含む。)、電解用のレプリカ、上記物品を量産するためのレプリカモールド等。
上記の物品の製造においては、本発明で製造された成型体の光重合性組成物の硬化層をエッチングマスクとして使用し、基板をエッチングする方法を採ることができる。基板のエッチング方法としては、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)やイオンビームミリング、ウェットエッチング等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。例1〜13は光重合性組成物の調製例である。例14〜29、例33、例34および例36は本発明の第1の製造方法の実施例であり、例30〜32および例35は比較例である。また、例36は本発明の第2の製造方法の実施例である。さらに、例37は、第1の製造方法により得られた成型体をマスクとして使用し、基板にパターンを転写形成した実施例を示す。
モールドAとしては、NTTアドバンステクノロジ社製のNIM−100D RESO(石英製)(主面の10mm角内に高さ100nm、直径100〜3000nmのドット形状のパターンが存在。)を用いた。また、モールドBとしては、NTTアドバンステクノロジ社製のNIM−80L RESO(石英製)(主面の10mm角内に深さ200nm、幅80〜3000nmの溝形状のパターンが存在。)を用いた。
各物性の測定方法は、以下の通りである。
(照度および光量)
紫外線積算光量計(ウシオ電機社製、UIT−250)を用い、波長365nmの光の照度および光量を測定した。
(離型性)
離型時のパターン部分を9分割し、1分割ごとに転写されずにモールドに密着した割合を5段階評価(0(密着せず)〜4(完全密着))し、その割合によって離型性が良好かどうか判断した。つまり、各分割の評価が、それぞれ0、0、1、0、3、0、2、0、1の場合は、{(0+0+1+0+3+0+2+0+1)/36}×100=19%と算出される。割合が10%以下の場合を離型性良好と判断した。
(形状および外観)
モールドおよび成型体におけるパターンの形状を、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、VK−9500)により測定した。そして、モールドのパターンの深さと成型体のパターンの深さとの差異が3%以上を×、3〜1%を△、1%未満を○とした。深さの差異が1%未満である○を、転写精度良好と判断した。
また、研究用システム顕微鏡(オリンパス社製、BX51)により成型体の外観を観察し、転写不良の有無や泡欠陥の有無を調べた。そして、転写不良および泡欠陥の無いものを外観良好とした。
(塗膜保持性)
工程(a)で光重合性組成物を塗布した後、または例36ではモールドA上に光重合性組成物を滴下した後、どのくらい時間がたってから凝集が始まるかを目視により観察し、始まった時間を計測した。時間が長いほど塗膜保持性がよいことになるが、90秒以上の場合に塗膜保持性が良好と判断することができる。
各モノマー成分、界面活性剤、光重合開始剤、部材等として、下記のものを用意した。
<モノマー(A1)>
以下の式で表されるモノマー(A1−1)および(A1−2)を用意した。また、モノマー(A1−3)を合成した。
モノマー(A1−1):CH=CH−C(O)O−(CH−(CF
モノマー(A1−2):CH=C(CH)−C(O)O−(CH−(CF
モノマー(A1−3):CF=CFCFC(CF)(OH)CHCH=CH
(モノマー(A1−3)の合成)
2Lのガラス製反応器にCFClCFClCFC(O)CFの108gと脱水テトラヒドロフランの500mLを入れ、0℃に冷却した。これに、窒素雰囲気下で、2モル/LのCH=CHCHMgClのテトラヒドロフラン溶液200mLをさらに200mLの脱水テトラヒドロフランで希釈したものを、約5.5時間かけて滴下した。滴下終了後、0℃で30分間撹拌し、室温で17時間撹拌した後、2モル/Lの塩酸200mLを滴下した。さらに、水200mLおよびジエチルエーテル300mLを加え、分液し、ジエチルエーテル層を有機層として得た。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過し、粗液を得た。粗液をエバポレーターで濃縮し、次いで減圧蒸留(60〜66℃/0.7kPa)して、85gのCFClCFClCFC(CF)(OH)CHCH=CHを得た。
次に、500mLのガラス製反応器に亜鉛81gおよびジオキサン170mLを入れ、ヨウ素で亜鉛の活性化を行った。その後、100℃に加熱し、前記CFClCFClCFC(CF)(OH)CHCH=CHの84gをジオキサン50mLで希釈したものを1.5時間かけて滴下した。滴下終了後、100℃で40時間撹拌した。反応液をろ過し、少量のジオキサンで洗浄した。その後、ろ液を減圧蒸留(36〜37℃/1kPa)し、30gのモノマー(A1−3)を得た。
モノマー(A1−3)の1H−NMRおよび19F−NMRのデータを、以下に示す。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):2.74(d,J=7.3,2H),3.54(boad s,1H),5.34(m,2H),5.86(m,1H)。
19F−NMR(376.2MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−75.7(m,3F),−92.2(m,1F),−106.57(m,1F),−112.6(m,2F),−183.5(m,1F)。
<モノマー(A2)>
モノマー(A2−1):下式(A2−1)で表される化合物(出光興産社製)。
Figure 2012156357
モノマー(A2−2):東京化成工業社製、シクロヘキシルアクリレート。
<モノマー(A3)>
モノマー(A3−1):式:CH=CHC(O)O(CHCHO)C(O)CH=CHで表される化合物。
モノマー(A3−2):下式(A3−2)で表される化合物(ただし、nは1〜2の整数である)。
Figure 2012156357
モノマー(A3−3):式:[CH=CHC(O)O(CHCHO)CHCCHCH(ただし、nは2〜3の数値である)で表される化合物。
モノマー(A3−4):式:[CH=C(CH)C(O)OCHC(CHで表される化合物。
<含フッ素界面活性剤(B)>
含フッ素界面活性剤(B−1):ノニオン系含フッ素界面活性剤、セイミケミカル社製、サーフロンS−393。
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C−1):チバ・ガイギー・スペシャリティー社製、イルガキュア651。
光重合開始剤(C−2):チバ・ガイギー・スペシャリティー社製、イルガキュア369。
<プライマー溶液>
バイヤル容器(内容積13mL)に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−503)1gを入れ、これに、キシレン9gと酢酸0.1gを加えてよく混合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターでろ過することによって、プライマー溶液を得た。
<基板>
シリコンウェハ:直径2インチの大きさで厚さ0.65mm。
<光源>
光源(1):ウシオ電機社製、スポットキュアSP−9(波長365nmの透過フィルター使用)。
光源(2):ジャテック社製、JU−C1500(Bランプ使用)。
光源(3):ジャテック社製、TOSCURE251。
<光重合性組成物の調製例>
〔例1〕
バイヤル容器(内容積13mL)に、モノマー(A1−1)の0.84g、含フッ素界面活性剤(B−1)の0.14g、モノマー(A2−1)の1.38g、モノマー(A3−2)の0.76g、モノマー(A3−3)の0.72gをそれぞれ加え、次いで光重合開始剤(C−1)0.16gを加えて混合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターによりろ過して、光重合性組成物(1)を得た。
〔例2〜13〕
モノマー、含フッ素界面活性剤および光重合開始剤を、表1に示す割合に従って例1と同様にして混合した後、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製のフィルターによりろ過して、光重合性組成物(2)〜(13)をそれぞれ得た。
Figure 2012156357
<微細パターンを有する成型体の第1の製造例>
〔例14〕
工程(a):
シリコンウェハ上にプライマー溶液をスピンコート法により塗布した後、140℃に加温した乾燥機の中に10分間入れて加熱し、プライマー処理したシリコンウェハを得た。
一方バイヤル容器に、例1で得られた光重合性組成物(1)0.5gと溶剤として酢酸イソブチル5.5gを加えてよく撹拌した後、この光重合性組成物(1)の溶液1mlを、プライマー処理した前記シリコンウェハ上に25℃でスピンコート法により塗布して、塗布層を形成した。
工程(b):
25℃、大気中にて、光源(1)から波長365nmの光を、照度が52mW/cm、光量が3120mJ/cmとなるように、前記光重合性組成物(1)の塗布層側から照射して、光重合性組成物(1)層を形成した。
工程(c):
減圧雰囲気下で、明昌機工社製のナノインプリント装置により、シリコンウェハ上の前記光重合性組成物(1)層にモールドAを押し当て、25℃で貼り合せた。
工程(d):
25℃にて、100Nのプレス圧力で加圧しながら、前記ナノインプリント装置付属の光源(3)から波長365nmの光を照射した。照度が25mW/cm、光量が750mJ/cmとなるように、モールドA側から照射し、光重合性組成物(1)を硬化させて成型体を得た。
工程(e):
モールドAから前記成型体を分離し、成型体(1)を得た。離型性は0%であり、形状や外観も良好であった。
例14における塗膜保持性、得られた成型体(1)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例15〜26〕
光重合性組成物(1)の代わりに光重合性組成物(2)〜(13)を使用した以外は例14と同様にして、成型体(2)〜(13)をそれぞれ得た。次いで、得られた成型体(2)〜(13)の形状や外観、離型性を測定した。これらの測定結果を、塗膜保持性とともに表2に示す。
〔例27〕
モールドAの代わりにモールドBを使用した以外は例14と同様にして、成型体(14)を得た。次いで、得られた成型体(14)の形状や外観、離型性を測定した。測定結果を、塗膜保持性とともに表2に示す。
〔例28〕
工程(f):
バイヤル容器に、例1で得られた光重合性組成物(1)0.5gと溶剤として酢酸イソブチル5.5gを加えてよく撹拌した後、この光重合性組成物(1)の溶液1mlを、モールドA上に25℃でバーコート法により塗布した。
工程(g):
25℃、大気中にて、光源(1)から波長365nmの光を、照度が52mW/cm、光量が3120mJ/cmとなるように、前記光重合性組成物(1)の塗布層側から照射した。
工程(h):
シリコンウェハ上にプライマー溶液をスピンコート法により塗布した後、140℃に加温した乾燥機の中に10分間入れて加熱し、プライマー処理したシリコンウェハを得た。
減圧雰囲気下で、明昌機工社製のナノインプリント装置により、前記モールドAの前記光重合性組成物(1)層に前記プライマー処理されたシリコンウェハを押し当て、25℃で貼り合せた。
工程(d):
25℃にて、100Nのプレス圧力で加圧しながら、前記ナノインプリント装置付属の光源(3)から波長365nmの光を照射した。照度が25mW/cm、光量が750mJ/cmとなるように、モールドA側から照射し、光重合性組成物(1)を硬化させた。
工程(e):
モールドAから光重合性組成物(1)を硬化して得られた成型体を分離し、成型体(15を得た。離型性は0%であり、形状や外観も良好であった。
例15における塗膜保持性、得られた成型体(15)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例29〕
工程(b)での光源(1)からの光(365nm)の照度を550mW/cmとし、光量を3510mJ/cmとした以外は例14と同様にして、成型体(16)を得た。例29における塗膜保持性、得られた成型体(16)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例30〕
工程(b)での光源(1)からの光(365nm)の照度を3mW/cm、光量を900mJとした以外は例14と同様にして、成型体(17)を得た。例30における塗膜保持性、得られた成型体(17)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例31〕
工程(b)での光源(1)からの光(365nm)の照度を550mW/cm、光量を901mJとした以外は例14と同様にして、成型体(18)を得た。例31における塗膜保持性、得られた成型体(18)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例32〕
工程(b)での光源(1)からの光(365nm)の照度を52mW/cmとし、光量を10400mJ/cmとした以外は例14と同様にして、成型体(19)を得た。例32における塗膜保持性、得られた成型体(19)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例33〕
工程(b)での光源(1)からの光(365nm)の照度を13mW/cmとし、光量を1560mJ/cmとした以外は例14と同様にして、成型体(20)を得た。例33における塗膜保持性、得られた成型体(20)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例34〕
工程(b)での光源(1)からの光(365nm)の照度を550mW/cmとし、光量を8827mJ/cmとした以外は例14と同様にして、成型体(21)を得た。例34における塗膜保持性、得られた成型体(21)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
〔例35〕
工程(b)を省いた以外は例14と同様にして、成型体(22)を得た。例35における塗膜保持性、得られた成型体(22)の形状や外観、離型性の測定結果を表2にまとめて示す。
<微細パターンを有する成型体の第2の製造例>
〔例36〕
例1で得られた光重合性組成物(1)0.5mlをモールドA上に滴下し、その上から東レ社製ポリエチレンテレフタレートフィルム(ルミラーU34)を載せた。これを明昌機工社製のナノインプリント装置により100Nのプレス圧力で加圧しながら、前記ナノインプリント装置付属の光源(3)から波長365nmの光を照射した。照度が20mW/cm、光量が600mJ/cmとなるように、ポリエチレンテレフタレートモールドA側から照射し、光重合性組成物(1)を硬化させ、レプリカモールド(C)を得た。
そして、モールドAの代わりにレプリカモールド(C)を使用した以外は例14と同様にして、成型体(23)を得た。例36における塗膜保持性、得られた成型体(23)の形状や外観、離型性の測定結果を、光源(1)からの照射条件とともに表2にまとめて示す。
Figure 2012156357
〔例37〕
サムコ社製エッチング装置(RIE−10NR)を用いて、例14で得られた成型体(1)に対してエッチングを行った。まず、Ar(20sccm)、コイル側600W、圧力0.4Paの条件で60秒間エッチングを行い、成型体(1)表面の光重合性組成物(1)の残膜部分を除去した。
次いで、残膜が除去された成型体(1)をマスクとして反応性イオンエッチング(RIE)を行った。すなわち、CF/O(40sccm/10sccm)、コイル側60W、圧力2Paの条件で150秒間エッチング(RIE)を行い、最後にO(100sccm)、コイル側800W、圧力1.3Paの条件で30秒間エッチングを行って、マスクを除去した。その結果、モールドAのパターンの反転パターンが転写されたシリコン基板を得ることができた。シリコン基板に形成されたパターンの深さは平均105nmであり、パターンの幅はマスターモールドであるモールドAと1%以内の誤差で作製することができた。
本発明の製造方法は、光学素子、反射防止部材、バイオチップ、マイクロリアクターチップ、記録メディア、触媒担持体、半導体デバイス等の、微細パターンを表面に有する成型体を作製する際に、光重合性組成物を塗膜してからパターン転写を行うまでに時間を要する場合に有用であり、特に量産でのナノインプリントリソグラフィー法を用いる際に有用である。
1…基板、2…光重合性組成物の塗布層、3…光重合性組成物の半硬化層、4…モールド、5…光重合性組成物の硬化層、10…表面に微細パターンを有する成型体。

Claims (7)

  1. 表面に微細パターンを有する成型体の製造方法であり、
    前記微細パターンの反転パターンを表面に有するモールドと基板との間に、第1の紫外線の照射により半硬化してなる光重合性組成物の半硬化層を挟持する第1の工程と、
    前記モールドおよび前記基板により加圧した状態で、前記光重合性組成物の半硬化層に第2の紫外線の照射を行い、前記半硬化層を硬化層とする第2の工程と、
    前記光重合性組成物の硬化層から前記モールドを分離する第3の工程
    を有することを特徴とする表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
  2. 前記第1の工程は、
    前記基板上に前記光重合性組成物の層を形成する工程と、
    前記光重合性組成物の層に、酸素を含む雰囲気で前記第1の紫外線を第1の照度および光量で照射し、前記光重合性組成物を半硬化させる工程と、
    前記工程で得られた前記光重合性組成物の半硬化層上に、前記モールドを前記反転パターンが形成された表面が接するようにして配置する工程
    を有する、請求項1に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、
    前記モールドの表面に前記光重合性組成物の層を形成する工程と、
    前記光重合性組成物の層に、前記第1の紫外線を第1の照度および光量で照射し、前記光重合性組成物を半硬化させる工程と、
    前記工程で得られた前記光重合性組成物の半硬化層上に前記基板を配置する工程
    を有する、請求項1に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
  4. 前記光重合性組成物は、炭素−炭素不飽和二重結合を1分子中に1個以上有するモノマー(A)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
  5. 前記モノマー(A)は、フッ素原子を有しかつ炭素−炭素不飽和二重結合を1分子中に1個以上有するモノマー(A1)を含む、請求項4に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
  6. 前記光重合性組成物は、さらに含フッ素界面活性剤(B)を含む、請求項4または5に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
  7. 前記表面に微細パターンを有する成型体において、前記光重合性組成物の硬化層は前記基板をエッチングして前記微細パターンを該基板に転写するエッチングマスクである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面に微細パターンを有する成型体の製造方法。
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