JP6259383B2 - パターン形成体の製造方法、インクジェット用光硬化性組成物およびデバイスの製造方法 - Google Patents

パターン形成体の製造方法、インクジェット用光硬化性組成物およびデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パターン形成体の製造方法に関する。更に詳しくは、半導体集積回路、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーディスク等の磁気記録媒体、回折格子やレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルタ、フォトニック液晶、インプリント用モールド、永久膜等の作製に用いられるパターン形成体の製造方法、インクジェット用光硬化性組成物およびデバイスの製造方法に関する。
インプリント法とは、パターンが形成された金型(一般的にモールド、スタンパと呼ばれる)を押し当てることにより、材料に微細パターンを転写する技術である。インプリント法を用いることで簡易に精密な微細パターンの作製が可能なことから、近年さまざまな分野での応用が期待されている。特に、ナノオーダーレベルの微細パターンを形成するナノインプリント技術が注目されている。
インプリント法としては、その転写方法から熱インプリント法、光インプリント法と呼ばれる方法が提案されている。熱インプリント法は、ガラス転移温度以上に加熱した熱可塑性樹脂にモールドをプレスした後、熱可塑性樹脂をガラス転移温度以下に冷却してからモールドを離型することで微細構造を基板上の樹脂に転写するものである。
一方、光インプリント法は、光透過性モールドや光透過性基板を通して光照射して光硬化性組成物を光硬化させた後、モールドを剥離することで微細パターンを光硬化物に転写するものである。この方法は、未硬化物へのインプリントのため、高圧、高温加熱の必要はなく、簡易に微細なパターンを作製することが可能である。更には、室温でのインプリントが可能になるため、半導体集積回路の作製などの超微細パターンの精密加工分野に応用できる。
基板上に光硬化性組成物を適用する方法としては、スピンコート法やインクジェット法が挙げられる。特にインクジェット法は、光硬化性組成物のロスが少ないといった観点から、近年注目される適用方法である。
ところで、光インプリント法によるパターン形成において、基材とモールドとで光硬化性樹脂を挟み込む際、モールドと光硬化性組成物との間に気泡が残留しやすい。この気泡が残留したまま光硬化性組成物が硬化すると、形成されるパターンの形状にバブル欠陥が生じることがある。
このように、インプリント法によるパターン形成においては、バブル欠陥の対策が課題となっている。
非特許文献1では、光硬化性組成物をインクジェットにより供給し、ヘリウムガス雰囲気中でインプリントを実施するJ−FILと呼ばれる方法が提案されている。
分子が小さく未充填欠陥が発生しにくいヘリウムガスを使用し、さらにインクジェット液滴の間隙が雰囲気ガスの廃棄経路となることで、バブル欠陥のないインプリントが可能となる。また、インクジェットシステムは、インプリントしたい領域のみに光硬化性組成物を適用できる点でも有用である。
また、近年では、インプリント法によるパターン形成において、コンタクト雰囲気ガスとして凝集性ガスを使用する方法が提案されている(特許文献1、非特許文献2参照)。
特開2004−103817号公報
Microelectronic engineering, 83(4) (2006) 847 Jpn. J. Appl. Phys. 51 (2012) 06FJ05
特許文献1によれば、インプリント法によるパターン形成において、コンタクト雰囲気ガスとして凝集性ガスを使用することで、数気圧程度のインプリント圧力でも取り込まれた気泡をほぼ消滅させることができ、正確なインプリントを大気圧中で行うことができるとされている。
しかしながら、本発明者が検討したところ、インクジェットを利用した光インプリントにおいて、コンタクト雰囲気ガスとして凝集性ガスを使用すると、モールドの押圧時に凝集性ガスが液化してインクジェット液滴の間隙に溜り、凹状の欠陥が発生することが分かった。
よって、本発明の目的は、パターン欠陥の抑制されたパターン形成体を生産性よく製造できる、パターン形成体の製造方法、インクジェット用光硬化性組成物およびデバイスの製造方法を提供することにある。
本発明者が鋭意検討した結果、凝集性ガスと重合性化合物とを含む光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用してパターン形成することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は、以下を提供する。
<1> 凝集性ガスと重合性化合物とを含む光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用し、基材とモールドとで光硬化性組成物を挟んだ後、光硬化性組成物に光を照射して光硬化性組成物を硬化させ、硬化した光硬化性組成物の表面からモールドを離型する、パターン形成体の製造方法。
<2> 光硬化性組成物は、下式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物を含む、<1>に記載のパターン形成体の製造方法。
ΔSP=|重合性化合物のSP値−光硬化性組成物に含まれる凝集性ガスのSP値| ・・・(1)
<3> 光硬化性組成物は、式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物を、光硬化性組成物に含まれる重合性化合物の合計100質量部に対して50質量部以上含有する、<2>に記載のパターン形成体の製造方法。
<4> 凝集性ガスおよびヘリウムガスから選ばれる1種以上が存在する雰囲気中または減圧下で、基材上またはモールド上に適用した光硬化性組成物を、基材とモールドとで挟む、<1>〜<3>のいずれかに記載のパターン形成体の製造方法。
<5> 光硬化性組成物は、凝集性ガスが飽和溶解している、<1>〜<4>のいずれかに記載のパターン形成体の製造方法。
<6> 凝集性ガスと重合性化合物とを含むインクジェット用光硬化性組成物。
<7> 下式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物を含む、<6>に記載のインクジェット用光硬化性組成物。
ΔSP=|重合性化合物のSP値−光硬化性組成物に含まれる凝集性ガスのSP値| ・・・(1)
<8> 式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物を、光硬化性組成物に含まれる重合性化合物の合計100質量部に対して、50質量部以上含有する、<7>に記載のインクジェット用光硬化性組成物。
<9> インプリント用である、<6>〜<8>のいずれかに記載のインクジェット用光硬化性組成物。
<10> <1>〜<5>のいずれかに記載のパターン形成体の製造方法を含むデバイスの製造方法。
本発明は、パターン欠陥の抑制されたパターン形成体を生産性よく製造できる、パターン形成体の製造方法、インクジェット用光硬化性組成物およびデバイスの製造方法を提供することが可能になった。
パターン形成システムの概念図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表す。
本明細書において、「インプリント」は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズ(ナノインプリント)のパターン転写をいう。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「光」には、紫外、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光や、電磁波だけでなく、放射線も含まれる。放射線には、例えばマイクロ波、電子線、EUV、X線が含まれる。また248nmエキシマレーザー、193nmエキシマレーザー、172nmエキシマレーザーなどのレーザー光も用いることができる。これらの光は、光学フィルタを通したモノクロ光(単一波長光)を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(複合光)でもよい。
本発明における質量平均分子量および数平均分子量は、特に述べない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定したものをいう。GPCは、得られたポリマーについて、溶媒を除去することによって単離し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈して、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)にて、TSKgel Super Multipore HZ−H(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を3本直列につないだものをカラムとして測定することができる。条件は、試料濃度を0.35質量%、流速を0.35mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行うことができる。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書における固体、液体、ガスは、特に述べない限り、0.1MPa、25℃におけるものをいう。
本明細書において、粘度は、東機産業(株)社製のRE−80L型回転粘度計を用い、25±0.2℃において、測定時の回転速度として、0.5mPa・s以上5mPa・s未満は100rpm、5mPa・s以上10mPa・s未満は50rpm、10mPa・s以上30mPa・s未満は20rpm、30mPa・s以上60mPa・s未満は10rpmで、それぞれ設定して測定した値である。
本発明のパターン形成体の製造方法は、凝集性ガスと重合性化合物とを含む光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用し、基材とモールドとで光硬化性組成物を挟んだ後、光硬化性組成物に光を照射して光硬化性組成物を硬化させ、硬化した光硬化性組成物の表面からモールドを離型することを含む。
本発明によれば、パターン欠陥の抑制されたパターン形成体を生産性よく製造できる。この理由は、次によるものであると推測される。
インプリンド時の雰囲気ガスとして、凝集性ガスを使用した場合、従来の方法では、インプリント時における光硬化性組成物への凝集性ガスの溶解ムラが生じて、溶解量が過剰な領域でパターン欠陥発生しやすかったが、本発明によれば、あらかじめ凝集性ガスを溶解させた光硬化性組成物を用いることでインプリント時の凝集性ガスの光硬化性組成物への溶解ムラを抑制できたと考えられる。このため、パターン欠陥の発生を抑制できたと考えられる。さらには、インプリント時における光硬化性組成物のモールドへの充填性も良好であり、パターン形成体の生産性にも優れる。
<光硬化性組成物(インクジェット用光硬化性組成物)>
まず、本発明のパターン形成体の製造方法で用いる光硬化性組成物について説明する。以下に示す光硬化性組成物は、本発明のインクジェット用光硬化性組成物でもある。本発明のインクジェット用光硬化性組成物は、インプリント用として好ましく用いることができる。
本発明で用いる光硬化性組成物は、凝集性ガスと、重合性化合物とを含む。
<<凝集性ガス>>
本発明において、凝集性ガスとは、25℃における気液平衡となる圧力が0.05〜1MPaであるものを意味する。
凝集性ガスは、大気圧(0.1MPa)での沸点が15〜30℃であることが好ましい。
凝集性ガスは、重合性基を有していてもよい。
凝集性ガスとしては、ハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜4の炭化水素が挙げられる。凝集性ガスの具体例としては、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロオクタン、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン、ジフルオロメタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、2−ブテン等が挙げられる。
凝集性ガスを含む光硬化性組成物を調製する方法としては、凝集性ガスが存在する閉鎖空間中に、光硬化性組成物を一定時間放置しておく等が挙げられる。凝集性ガスは光硬化性組成物中に拡散し、やがて組成物中に均一に溶解した状態となる。
また、ヘンリーの法則に従い、雰囲気に存在する凝集性ガスの分圧を上げることで、溶解量を増やすことが可能である。
本発明において、光硬化性組成物は、凝集性ガスが飽和溶解していることが好ましい。より好ましくは、光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用する際に、適用の際の圧力および温度条件下で飽和溶解している。
なお、本発明において、「凝集性ガスが飽和溶解している」とは、光硬化性組成物を凝集性ガスが充満された密閉容器に配置し、密閉容器内に配置した光硬化性組成物の質量を電子天秤で測定して、光硬化性組成物の質量変化が0.1質量%/min以下となる状態を意味する。
<<重合性化合物>>
本発明において、重合性化合物は、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に限定されるものではない。重合性化合物が有する重合性基としては、エチレン性不飽和結合を含有する基、エポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を含有する基としては、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、ビニル基、アリル基、ビニルエーテル基等が挙げられる。好ましくは(メタ)アクリレート基である。すなわち、重合性化合物は、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
重合性基の数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1または2が更に好ましい。
重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を含有する基を1〜6個有する化合物;エポキシ化合物、オキセタン化合物;ビニルエーテル化合物;スチレン誘導体;プロペニルエーテル;ブテニルエーテル等を挙げることができる。重合性化合物の具体例としては、特開2011−231308号公報の段落番号0020〜0098に記載のものが挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
重合性化合物の含有量は、溶剤および凝集性ガスを除く全組成物中、70〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは80〜99.9質量%であり、さらに好ましくは85〜99.9質量%である。2種類以上の重合性化合物を用いる場合は、その合計量が上記範囲であることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を含有する基を1〜6個有する化合物(1〜6官能の重合性化合物)について説明する。
エチレン性不飽和結合を含有する基を1個有する化合物としては具体的に、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリジノン、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシ2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ベンジル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下「EO」という。)クレゾール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下「ECH」という)変性フェノキシアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレート、p−イソプロペニルフェノール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムが例示される。
エチレン性不飽和結合を含有する基を1個有する化合物は、単官能(メタ)アクリレート化合物が光硬化性の観点から好ましい。単官能(メタ)アクリレート化合物の中でも、芳香族構造および/または脂環式炭化水素構造を有する単官能(メタ)アクリレートがドライエッチング耐性の観点で好ましく、芳香族構造を有する単官能(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
芳香族構造および/または脂環式炭化水素構造を有する単官能(メタ)アクリレートは、ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、芳香環上に置換基を有するベンジル(メタ)アクリレート(好ましい置換基としては炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、シアノ基)、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチルエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−フェノキシエチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、芳香環上に置換基を有するベンジル(メタ)アクリレート、ナフタレン構造を有する単官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。
本発明では、重合性化合物として、エチレン性不飽和結合を含有する基を2個以上有する化合物を用いることも好ましい。
エチレン性不飽和結合を含有する基を2個以上有する化合物の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキシド(以後「PO」という。)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロール 1,3−ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素、o−,m−,p−キシリレンジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジアクリレート、ノルボルナンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレートが例示される。
これらの中で特に、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、o−,m−,p−ベンゼンジ(メタ)アクリレート、o−,m−,p−キシリレンジ(メタ)アクリレート、等の2官能(メタ)アクリレートが本発明に好適に用いられる。
また、芳香族構造および/または脂環式炭化水素構造を有する2〜6官能の(メタ)アクリレート化合物を用いることもできる。例えば、芳香族基(好ましくはフェニル基、ナフチル基)を含有し、(メタ)アクリレート基を2〜4つ有する多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。具体例としては、以下に示す化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらの化合物は、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。エポキシ化合物)としては、特開2009−73078号公報の段落番号0053、特開2009−73078号公報の段落番号0055に記載のものを好ましく採用することができる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
エポキシ化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
ビニルエーテル化合物としては、公知のものを適宜選択することができ、例えば、特開2009−73078号公報の段落番号0057に記載のものを好ましく採用することができる。これらのビニルエーテル化合物は、例えば、Stephen.C.Lapin,Polymers Paint Colour Journal.179(4237)、321(1988)に記載されている方法、即ち多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、または多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができ、これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン誘導体としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、等を挙げることができる。
本発明では、重合性化合物として、マレイミド化合物を用いることもできる。マレイミド化合物としては、例えば、特開2013−46003号公報に記載のものを好ましく採用することができる。
本発明では、重合性化合物として、シリコン原子および/またはフッ素原子を有する重合性化合物を用いることもできる。
シリコン原子および/またはフッ素原子を有する重合性化合物が有する重合性基としては、(メタ)アクリレート基が好ましい。重合性基の数は、1または2が好ましく、1がより好ましい。
フッ素原子を有する重合性化合物は、フロロアルキル基およびフロロアルキルエーテル基から選ばれる含フッ素基を有する化合物が好ましい。
フロロアルキル基としては、炭素数が2〜20のフロロアルキル基が好ましく、4〜8のフロロアルキル基より好ましい。好ましいフロロアルキル基としては、トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、ヘキサフロロイソプロピル基、ノナフロロブチル基、トリデカフロロヘキシル基、ヘプタデカフロロオクチル基が挙げられる。
フロロアルキルエーテル基としては、トリフロロメチル基を有しているものが好ましく、パーフロロエチレンオキシ基、パーフロロプロピレンオキシ基を含有するものが好ましい。−(CF(CF3)CF2O)−などのトリフロロメチル基を有するフロロアルキルエーテルユニットおよび/またはフロロアルキルエーテル基の末端にトリフロロメチル基を有するものが好ましい。
フッ素原子を有する重合性化合物としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロペンタンジ(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフロロ−1,6−ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
フッ素原子を有する重合性化合物としては、例えば国際公開特許2010/137724号公報の段落0022〜0023の記載も参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
シリコン原子を有する化合物としては、例えば、特開2012−2310733号公報に記載のものを好ましく採用することができる。
また、本発明では、シリコン原子および/またはフッ素原子を有する重合性化合物を実質的に含まない態様としてもよい。
本発明において、重合性化合物は、下式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物(以下、重合性化合物(A)ともいう)を含むことが好ましい。
ΔSP=|重合性化合物のSP値−光硬化性組成物に含まれる凝集性ガスのSP値| ・・・(1)
重合性化合物のSP値(Solubility Parameter)と凝集性ガスのSP値との差(ΔSP)が小さいほど、凝集性ガスの溶解量が多くなり、パターン表面に荒れや欠陥が生じることがある。ΔSPが7以上であると、凝集性ガスを適度に溶解でき、荒れや欠陥の無いパターンを形成しやすい。
本発明において、重合性化合物(A)は、ΔSPが、7.5(J/cm31/2以上であることが好ましい。ΔSPの上限は、例えば、25(J/cm31/2以下とすることもでき、20(J/cm31/2以下とすることもできる。例えば、凝集性ガスとして1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(SP値=13(J/cm31/2)を用いた場合、重合性化合物(A)のSP値は、20(J/cm31/2以上が好ましい。上限は、例えば、38(J/cm31/2以下が好ましく、33(J/cm31/2以下がより好ましい。
なお、SP値は、本発明では、Hoy法による値を用いる。Hoy法の文献としては、H.L.Hoy:J.Paint Tech.,42(540),76−118(1970)や、SP値 基礎・応用と計算方法(山本、情報機構、2005)に従う。但し、本文献に記載の方法で測定できない特別な事情がある場合は、他の方法によって測定してもよい。
光硬化性組成物に含まれる全重合性化合物のうち、上記重合性化合物(A)の合計は、全重合性化合物に対して50〜100質量%であることが好ましい。下限は、例えば、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。上限は、例えば、95質量%以下とすることもできる。
光硬化性組成物に含まれる全重合性化合物のうち、重合性基を1個有する重合性化合物の合計は、全重合性化合物に対して0〜60質量%であることが好ましい。下限は、例えば、1質量%以上とすることができる。上限は、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がより好ましい。
また、重合性基を2個有する重合性化合物の合計は、全重合性化合物に対して40〜100質量%が好ましい。下限は、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がより好ましい。上限は、例えば、99質量%以下とすることができる。
<<光重合開始剤>>
光硬化性組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、光照射により上述の重合性化合物を重合する活性種を発生する化合物であれば、いずれのものでも用いることができる。光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤およびカチオン重合開始剤が好ましく、ラジカル重合開始剤がより好ましい。また、本発明において、光重合開始剤は複数種を併用してもよい。
ラジカル光重合開始剤としては、例えば、市販されている開始剤を用いることができる。これらの例としては、例えば、特開2008−105414号公報の段落番号0091に記載のものを好ましく採用することができる。この中でもアセトフェノン系化合物、アシルホスフィンオキサイド系化合物、オキシムエステル系化合物が硬化感度、吸収特性の観点から好ましい。市販品としては、イルガキュアOXE−01、イルガキュアOXE−02、イルガキュア127、イルガキュア819、イルガキュア379、イルガキュア369、イルガキュア754、イルガキュア1800、イルガキュア651、イルガキュア907、ルシリンTPO、ダロキュア1173等(以上、BASF社製)が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、溶剤を除く全組成物中、0.01〜15質量%がことが好ましく、より好ましくは0.1〜12質量%であり、さらに好ましくは0.2〜7質量%である。光硬化性組成物は、光重合開始剤を1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
光硬化性組成物は、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤とは、少なくとも一つの疎水部と少なくとも一つのノニオン性親水部を有する化合物である。疎水部と親水部は、それぞれ、分子の末端にあっても、内部にあっても良い。疎水部は、炭化水素基、含フッ素基、含Si基から選択される疎水基で構成され、疎水部の炭素数は、1〜25が好ましく、2〜15がより好ましく、4〜10が更に好ましく、5〜8が最も好ましい。ノニオン性親水部は、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、エーテル基(好ましくはポリオキシアルキレン基、環状エーテル基)、アミド基、イミド基、ウレイド基、ウレタン基、シアノ基、スルホンアミド基、ラクトン基、ラクタム基、シクロカーボネート基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有することが好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、炭化水素系、フッ素系、Si系、またはフッ素・Si系のいずれノニオン性界面活性剤であっても良いが、フッ素系またはSi系がより好ましく、フッ素系が更に好ましい。ここで、「フッ素・Si系界面活性剤」とは、フッ素系界面活性剤およびSi系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
フッ素系ノニオン性界面活性剤の市販品としては、住友スリーエム(株)製フロラードFC−4430、FC−4431、旭硝子(株)製サーフロンS−241、S−242、S−243、三菱マテリアル電子化成(株)製エフトップEF−PN31M−03、EF−PN31M−04、EF−PN31M−05、EF−PN31M−06、MF−100、OMNOVA社製Polyfox PF−636、PF−6320、PF−656、PF−6520、(株)ネオス製フタージェント250、251、222F、212M DFX−18、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、DS−403、DS−406、DS−451、DSN−403N、DIC(株)製メガファックF−430、F−444、F−477、F−553、F−556、F−557、F−559、F−562、F−565、F−567、F−569、R−40、DuPont社製Capstone FS−3100、Zonyl FSO−100が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、溶剤を除く全組成物中、0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。光硬化性組成物は、界面活性剤を1種類のみ含んでいてもよく、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
また、本発明では、界面活性剤を実質的に含有しない態様とすることもできる。界面活性剤を実質的に含有しないとは、例えば、界面活性剤の含有量が0.01質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以下がより好ましく、含有しないことが一層好ましい。
<<非重合性化合物>>
光硬化性組成物は、末端に少なくとも1つ水酸基を有するか、または、水酸基がエーテル化されたポリアルキレングリコール構造を有し、フッ素原子およびシリコン原子を実質的に含有しない非重合性化合物を含んでいてもよい。ここで、非重合性化合物とは、重合性基を持たない化合物をいう。また、フッ素原子およびシリコン原子を実質的に含有しないとは、例えば、フッ素原子およびシリコン原子の合計含有率が1%以下であることを表し、フッ素原子およびシリコン原子を全く有していないことが好ましい。フッ素原子およびシリコン原子を有さないことにより、重合性化合物との相溶性が向上し、特に溶剤を含有しない組成物において、塗布均一性、インプリント時のパターン形成性、ドライエッチング後のラインエッジラフネスが良好となる。
非重合性化合物が有するポリアルキレン構造としては、炭素数1〜6のアルキレン基を含むポリアルキレングリコール構造が好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、ポリブチレングリコール構造、またはこれらの混合構造がより好ましく、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造、またはこれらの混合構造がさらに好ましく、ポリプロピレングリコール構造が特に好ましい。
さらに、末端の置換基を除き実質的にポリアルキレングリコール構造のみで構成されていてもよい。ここで実質的にとは、ポリアルキレングリコール構造以外の構成要素が全体の5質量%以下であることをいい、好ましくは1質量%以下であるこという。特に、非重合性化合物として、実質的にポリプロピレングリコール構造のみからなる化合物を含むことが特に好ましい。
ポリアルキレングリコール構造としてはアルキレングリコール構成単位を3〜100個有していることが好ましく、4〜50個有していることがより好ましく、5〜30個有していることがさらに好ましく、6〜20個有していることが特に好ましい。
非重合性化合物は、末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されていることが好ましい。末端に少なくとも1つ水酸基を有するかまたは水酸基がエーテル化されていれば残りの末端は水酸基でも末端水酸基の水素原子が置換されているものも用いることができる。末端水酸基の水素原子が置換されていてもよい基としてはアルキル基(すなわちポリアルキレングリコールアルキルエーテル)、アシル基(すなわちポリアルキレングリコールエステル)が好ましい。より好ましくは全ての末端が水酸基であるポリアルキレングリコールである。連結基を介して複数(好ましくは2または3本)のポリアルキレングリコール鎖を有している化合物も好ましく用いることができるが、ポリアルキレングリコール鎖が分岐していない、直鎖構造のものが好ましい。特に、ジオール型のポリアルキレングリコールが好ましい。
非重合性化合物の好ましい具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、これらのモノまたはジメチルエーテル、モノまたはジブチルエーテル、モノまたはジオクチルエーテル、モノまたはジセチルエーテル、モノステアリン酸エステル、モノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、これらのトリメチルエーテルである。
非重合性化合物の重量平均分子量としては150〜6000が好ましく、200〜3000がより好ましく、250〜2000がより好ましく、300〜1200がさらに好ましい。
本発明において、光硬化性組成物が非重合性化合物を含有する場合、非重合性化合物の含有量は、溶剤を除く全組成物中、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましい。また、本発明では、非重合性化合物を実質的に含有しない態様とすることもできる。非重合性化合物を実質的に含有しないとは、例えば、非重合性化合物の含有量が0.01質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以下がより好ましく、含有しないことが一層好ましい。
硬化性組成物は、非重合性化合物以外のポリマー成分を実質的に含まない態様とすることもできる。
<<溶剤>>
光硬化性組成物は、溶剤を含有していてもよい。光硬化性組成物中の溶剤の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、実質的に溶剤を含有しないことが特に好ましい。ここで、実質的に溶剤を含有しないとは、例えば、光硬化性組成物中の総質量に対して1質量%以下であることをいう。
光硬化性組成物をインクジェット法で基板上またはモールド上に適用する場合、溶剤の配合量が少ないと、溶剤の揮発による組成物の粘度変化を抑制できるため、好ましい。
本発明で用いる光硬化性組成物は、必ずしも、溶剤を含むものではないが、組成物の粘度を微調整する際などに、任意に添加してもよい。光硬化性組成物に好ましく使用できる溶剤の種類としては、各成分を溶解および均一分散させるものであればよく、かつ、これらの成分と反応しないものであれば特に限定されない。溶剤の例としては、特開2008−105414号公報の段落番号0088に記載のものが挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
<<その他の成分>>
光硬化性組成物は、上述した成分の他に、必要に応じて、重合禁止剤、光増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、光塩基発生剤、着色剤、無機粒子、エラストマー粒子、塩基性化合物、光酸発生剤、光酸増殖剤、連鎖移動剤、帯電防止剤、流動調整剤、消泡剤、分散剤、離型剤等を含んでいてもよい。このような成分の具体例としては、特開2008−105414号公報の段落番号0092〜0093、および段落番号0099〜0137に記載のものが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、WO2011/126101号パンフレット、WO2013/051735パンフレット、特開2012−041521号公報および特開2013−093552号公報の対応する記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
光硬化性組成物は、上述の各成分を混合して調製することができる。各成分の混合は、通常、0℃〜100℃の範囲で行われる。また、各成分を混合した後、例えば、フィルタでろ過することが好ましい。ろ過は、多段階で行ってもよいし、多数回繰り返してもよい。また、ろ過した液を再濾過することもできる。
フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)およびナイロンが好ましい。
フィルタの孔径は、例えば、0.003〜5.0μm程度が適している。この範囲とすることにより、ろ過詰まりを抑えつつ、組成物に含まれる不純物や凝集物など、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせても良い。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。異なるフィルタを組み合わせて2回以上フィルタリングを行う場合は1回目のフィルタリングの孔径より2回目以降の孔径が同じ、もしくは小さい方が好ましい。また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
光硬化性組成物の粘度は、25℃において15mPa・s以下であることが好ましく、12mPa・s以下であることがより好ましく、11mPa・s以下であることがさらに好ましく、10mPa・s以下であることが特に好ましい。このような範囲とすることにより、インクジェット吐出精度やパターン形成性を向上させることができる。
また、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)や電子材料の基板加工に用いられるレジストにおいては、製品の動作を阻害しないようにするため、レジスト中の金属あるいは有機物のイオン性不純物の混入を極力避けることが望ましい。このため、パターン形成体を上述の用途に用いる場合には、光硬化性組成物中における金属または有機物のイオン性不純物の濃度としては、1ppm以下、望ましくは100ppb以下、さらに好ましくは10ppb以下にすることが好ましい。
<パターン形成体の製造方法の各工程>
次に、本発明のパターン形成体の製造方法の各工程について説明する。
本発明のパターン形成体の製造方法は、上述した光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用し、基材とモールドとで光硬化性組成物を挟んだ後、光硬化性組成物に光を照射して光硬化性組成物を硬化させ、硬化した光硬化性組成物の表面からモールドを離型することとを含む。
本発明は、後述するように、特別に、温度、圧力をかける工程を除き、10〜30℃の温度範囲で、0.05〜0.2MPaの圧力範囲で行うことが好ましい。以下各工程について説明する。
<<光硬化性組成物を適用する工程>>
まず、上述した光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用する。
光硬化性組成物の適用量は、パターン形成体の用途によって異なる。例えば、液滴の量は1pl〜20pl程度が好ましい。また、液滴を、間隔をあけて基材上またはモールド上に配置することが好ましい。
基材としては、特に限定はなく、種々の用途によって選択可能である。例えば、石英、ガラス、光学フィルム、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、紙、SOC(Spin On Carbon)、SOG(Spin On Glass)、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等のポリマー基板、薄膜トランジスタ(TFT)アレイ基板、プラズマディスプレイパネル(PDP)の電極板、ITO(酸化インジウムスズ)や金属などの導電性基板、絶縁性基板、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどの半導体作製基板などが挙げられる。
基材の形状も特に限定されるものではなく、板状でもよいし、ロール状でもよい。また、モールドとの組み合わせ等に応じて、光透過性、または、非光透過性のものを選択することができる。
基材は、光硬化性組成物と密着性を向上させるために、基材表面に下層膜形成用組成物を適用して、下層膜を形成したものを用いてもよい。下層膜形成用樹脂組成物は、例えば、重合性化合物と溶剤とを含むものが用いられる。下層膜形成用樹脂組成物としては、例えば、特開2014−24322号公報の段落番号0017〜0068、特開2013−93552号公報の段落番号0016〜0044に記載されたものを用いることができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。下層膜形成用樹脂組成物の適用方法としては、塗布法が好ましい。塗布法としては、例えば、上述した方法が挙げられる。
モールドには、転写されるべきパターンが形成されている。モールド上のパターンは、例えば、フォトリソグラフィや電子線描画法等によって、所望する加工精度に応じてパターンが形成できる。例えば、モールドには、幅300nm以下のパターンが形成されていることが好ましく、100nm以下のパターンが形成されていることがより好ましく、50nm以下のパターンが形成されていることがより好ましい。
また、パターンのアスペクト比は、0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
モールドの材質は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。また、光透過性の基材を用いた場合には、非光透過型のモールドを用いることもできる。非光透過型のモールドの材質としては、特に限定されないが、所定の強度を有するものであればよい。具体的には、セラミック材料、蒸着膜、磁性膜、反射膜、Ni、Cu、Cr、Feなどの金属基板、SiC、シリコン、窒化シリコン、ポリシリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンなどが例示され、特に制約されない。また、モールドの形状も特に制約されるものではなく、板状モールド、ロール状モールドのどちらでもよい。ロール状モールドは、特に転写の連続生産性が必要な場合に適用される。
モールドは、光硬化性組成物とモールド表面との剥離性を向上させるために離型処理を行ったものを用いてもよい。このようなモールドとしては、シリコン系やフッソ系などのシランカップリング剤による処理を行ったもの、例えば、ダイキン工業(株)製のオプツールDSXや、住友スリーエム(株)製のNovec EGC−1720等、市販の離型剤も好適に用いることができる。
<<基材とモールドとで光硬化性組成物を挟む工程>>
次に、基材とモールドとで光硬化性組成物を挟む。これにより、モールドの押圧表面にあらかじめ形成された微細なパターンを、基材とモールドとの間に挟まれた光硬化性組成物に転写することができる。モールドの押圧力は、100kPa以上10MPa以下の範囲が好ましく、100kPa以上5MPa以下がより好ましく、100kPa以上1MPa以下がさらに好ましい。
本発明は、光硬化性組成物をモールドと基材とで挟む際には、凝集性ガスをモールドと基材との間に導入し、凝集性ガスが存在する雰囲気中で、基材上またはモールド上に適用した光硬化性組成を、基材とモールドとで挟むことが好ましい。このような方法を用いることにより、導入された凝縮性ガスが凝縮して体積が減少することを利用し、残留気泡の消滅をさらに促進させることができる。凝縮性ガスとしては、上述した光硬化性組成物で説明したものが挙げられ、これらを用いることができる。モールドと基材との間に導入する凝集ガスは、光硬化性組成物に溶解させた凝集性ガスと同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、凝集性ガスのかわりに、ヘリウムガスをモールドと基材との間に導入し、ヘリウムガスが存在する雰囲気中で、基材上またはモールド上に適用した光硬化性組成を、基材とモールドとで挟んでもよい。このような方法を用いることにより、気体の石英モールドの透過を促進して、残留気泡の消失を促進させることができる。また、光硬化性組成物中の溶存酸素を低減することで、露光におけるラジカル重合阻害を抑制することができる。
また、ヘリウムガスと凝縮性ガスとを基材との間に導入して、ヘリウムガスと凝集性ガスが存在する雰囲気中で、基材上またはモールド上に適用した光硬化性組成を、基材とモールドとで挟んでもよい。
また、減圧下で、基材上またはモールド上に適用した光硬化性組成を、基材とモールドとで挟んでもよい。ここで、減圧下とは、雰囲気圧力が0.1MPa未満であることを示し、0.08MPa以下が好ましく、0.05MPa以下がより好ましい。
<<光硬化性組成物に光を照射する工程>>
次に、基材とモールドとで挟まれた光硬化性組成物に光を照射して光硬化性組成物を硬化させる。光照射の照射量は、光硬化性組成物の硬化に必要な照射量よりも十分大きければよい。硬化に必要な照射量は、光硬化性組成物の不飽和結合の消費量や硬化膜のタッキネスを調べて適宜決定される。
光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと光硬化性組成物との接着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。光照射時における圧力は、10-1Pa〜0.1MPaの範囲が好ましい。
光硬化性組成物を硬化させるために用いられる光は特に限定されず、例えば、高エネルギー電離放射線、近紫外、遠紫外、可視、赤外等の領域の波長の光または放射線が挙げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。放射線には、例えばマイクロ波、極紫外線(EUV)が含まれる。また、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー光、あるいは248nmのKrFエキシマレーザー光や193nmArFエキシマレーザーなどの半導体の微細加工で用いられているレーザー光も本発明に好適に用いることができる。これらの光は、モノクロ光を用いてもよいし、複数の波長の異なる光(ミックス光)でもよい。
露光に際しては、露光照度を1〜50mW/cm2の範囲にすることが望ましい。1mW/cm2以上とすることにより、露光時間を短縮することができるため生産性が向上し、50mW/cm2以下とすることにより、副反応が生じることによる永久膜の特性の劣化を抑止できる傾向にあり好ましい。露光量は5〜1000mJ/cm2の範囲にすることが望ましい。この範囲であれば、光硬化性組成物の硬化性が良好である。さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御してもよい。
光照射により光硬化性組成物を硬化させた後、必要に応じて硬化させたパターンに熱を加えてさらに硬化させる工程を含んでいてもよい。加熱温度は、例えば、150〜280℃が好ましく、200〜250℃がより好ましい。また、加熱時間は、例えば、5〜60分間が好ましく、15〜45分間がさらに好ましい。
<<モールドを離型する工程>>
上述のようにして光硬化性組成物を硬化させたのち、硬化した光硬化性組成物の表面からモールドを離型することで、モールドの形状に沿ったパターンを有するパターン形成体を基材上に形成できる。
モールドの離型方法は、得られるパターン形成体に欠損が生じにくい方法であればよい例えば、基材の縁部から徐々に離型させる方法や、モールドの側から加圧しながら離型させ、モールドがパターン形成体から離型する境界線上でのパターン形成体へかかる力を低減させて剥離する方法などの方法を用いることができる。さらに、パターン形成体の近傍を加温して離型する方法を適用することも可能である。なお、上記の方法を適宜組み合わせた複合的手法を用いてもよい。
パターン形成体のパターンサイズは、用途により異なる。例えば、幅300nm以下のパターンを有することが好ましく、幅100nm以下のパターンを有することがより好ましく、幅50nm以下のパターンを有することが更に好ましい。また、パターンのアスペクト比は、0.1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。
インプリント法によるパターン形成方法の詳細は、段落番号0103〜0115の記載を参酌でき、これらの内容は特開2010−109092号公報(対応US出願は、US2011/199592)の段願明細書に組み込まれる。
本発明のパターン形成体の製造方法により得られたパターン形成体は、液晶ディスプレイなどに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)やエッチングレジストとして使用することができる。
例えば、半導体集積回路、フラットスクリーン、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、高密度メモリーディスク等の磁気記録媒体、回折格子やレリーフホログラム等の光学部品、ナノデバイス、光学デバイス、フラットパネルディスプレイ製作のための光学フィルムや偏光素子、液晶ディスプレイの薄膜トランジタ、有機トランジスタ、カラーフィルタ、オーバーコート層、柱材、液晶配向用のリブ材、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルタ、フォトニック液晶等の作製に好ましく用いることができる。
<パターン形成システム>
次に、上述したパターン形成体の製造方法を実現するためのパターン形成システムについて説明する。
図1は、パターン形成システムの概略構成図である。同図に示すパターン形成システム100は、基材102上に光硬化性組成物を、インクジェット法で適用する光硬化性組成物適用部104と、基材102上に適用された光硬化性組成物に所望のパターンを転写するパターン転写部106と、基材102を搬送する搬送部108と、を備えて構成される。
搬送部108は、例えば、搬送ステージなどの基材102を固定して搬送する搬送手段を含んで構成され、基材102を搬送手段の表面に保持しつつ、基材102を光硬化性組成物適用部104からパターン転写部106に向かう方向(以下、「y方向」又は「基材搬送方向ということもある。)に搬送を行う。搬送手段の具体例として、リニアモータとエアスライダーの組み合わせや、リニアモータとリニア・モーション・ガイドの組み合わせなどがあり得る。なお、基材102を移動させる代わりに、光硬化性組成物適用部104やパターン転写部106を移動させるように構成してもよいし、両者を移動させてもよい。
光硬化性組成物適用部104は、複数のノズルが形成されるインクジェットヘッド110を備え、各ノズルから光硬化性組成物を液滴として吐出することにより、基材102の表面に光硬化性組成物の適用を行う。
インクジェットヘッド110は、y方向について複数のノズルが並べられた構造を有し、x方向について基材102の全幅にわたって走査しながらx方向における液体吐出が行われるシリアル型のヘッドや、y方向と直交するx方向の基材102の最大幅にわたってについて複数のノズルが一列に並べられた構造を有する長尺のフルライン型のヘッドを適用することができる。
シリアル型のヘッドによる液体吐出では、x方向についての液体吐出が終わると、y方向について基材とヘッドとを相対的に移動させて、次のx方向についての液体吐出が実行される。このような、動作を繰り返すことで、基材の全面にわたって打滴が行われる。但し、基材のy方向の長さがx方向の1回の走査で対応できる場合は、y方向について基材とヘッドとの相対移動は不要である。
フルライン型のヘッドによる液体吐出では、ヘッドをx方向に移動させることなく、基材搬送方向について基材とヘッドを相対的に移動させる動作を1回行うだけで基材上の所望位置に液滴を配置することができ、光硬化性組成物の適用速度の高速化を図ることができる。
インクジェットヘッドの詳細については、特開2012−11310号公報の段落番号0057〜0130の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
パターン転写部106は、基材102上の光硬化性組成物に転写すべき所望のパターンが形成されたモールド112と、光を照射する光照射装置114と、を備える。
パターン転写部106では、光硬化性組成物が適用された基材102の表面にモールド112を押し当てた状態で、基材102の裏側から光照射を行い、基材102上の光硬化性組成物を硬化させ、硬化した光硬化性組成物の表面からモールドを離型することにより、基材102上の光硬化性組成物に対してパターン転写を行う。
モールド112は、図1の上下方向(矢印線により図示した方向)に移動可能に構成されており、基材102の表面に対してモールド112のパターン形成面が略平行となる状態を維持しながら下方に移動して、基材102の表面全体に略同時に接触するように押し当てられ、パターン転写が行われる。
パターン転写部106は、凝集性ガスおよびヘリウムガスから選ばれる1種以上の雰囲気ガスが供給される雰囲気ガス供給ノズルをさらに備え、凝集性ガスおよびヘリウムガスから選ばれる1種以上の雰囲気ガスの存在下で、光硬化性組成物が適用された基材102の表面にモールド112を押し当てるように構成されていることが好ましい。
<デバイスの製造方法>
本発明のデバイスの製造方法は、上述したパターン形成方法を含む。
すなわち、上述した方法でパターンを形成した後、各種デバイスの製造に用いられている方法を適用してデバイスを製造できる。
上記パターンは、永久膜としてデバイスに含まれていてもよい。また、上記パターンをエッチングマスクとして用い、基材に対してエッチング処理を施すこともできる。例えば、パターンをエッチングマスクとしてドライエッチングを施し、基材の上層部分を選択的に除去する。基材に対してこのような処理を繰り返すことにより、デバイスを製造することもできる。デバイスとしては、LSI(largescale integrated circuit:大規模集積回路)などの半導体デバイスが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<光硬化性組成物の調製>
(実施例1〜15および17)
下記表に示す原料を混合し、0.1μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルタでろ過して組成物を調製した。
次に、各組成物をグローブボックスに移し、電子天秤にて重量を測定した。その後、グローブボックス内を凝集性ガスである1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン(SP値=13(J/cm31/2)で充満させた。そして、グローブボックス内に移した組成物の質量変化が0.1質量%/分となったのち、グローボックスから組成物を取り出して、凝集性ガスが溶解した光硬化性組成物を調製した。グローボックス内の組成物の質量変化が0.1質量%/分である状態は、組成物中に凝集性ガスが飽和溶解している状態である。
組成物に凝集性ガスを溶解させている間は、グローボックス内には、凝集性ガスを供給し続けて、内部の凝集ガス濃度がほぼ一定となるように維持した。
(実施例16)
グローブボックス内にて凝集性ガスである1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパンを組成物に溶解させる際に、凝集性ガスの溶解による質量増加量(凝集性ガス溶解後の組成物の質量(g)/凝集性ガス溶解前の組成物の質量(g))が0.6となる状態でグローボックスから組成物を取り出した以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物を調製した。
(比較例1〜8)
下記表に示す原料を混合し、0.1μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルタでろ過して光硬化性組成物を調製した。
比較例1〜8は、凝集性ガスを含まない光硬化性組成物である。
<試験片の製造>
(実施例1〜16、ならびに比較例1〜8)
モールドは、線幅30nm、深さ60nmのLine/Spaceパターンを有する石英モールドを使用した。
インクジェット装置 (FUJIFILM Dimatix社製 DMP−2831)を用いて、シリコンウエハ上に、上記光硬化性組成物を適用した。液滴サイズは6pLで280μm間隔の正方格子状に適用した。
次に、シリコンウエハとの間隔が1μmとなるように、石英モールドを固定し、間隙に下記表に記載の雰囲気ガスを吹き付けた。雰囲気ガスを吹き付け後、10秒以内にモールドを0.1MPaの圧力でコンタクトし、25℃、0.1MPa(大気圧)にて30秒放置後、石英モールド面から高圧水銀ランプにて光硬化した。照射量は100mJ/cm2とした。
露光後、石英モールドを離して試験片(パターン形成体)を得た。
(実施例17)
インクジェット装置 (FUJIFILM Dimatix社製 DMP−2831)を用いて、シリコンウエハ上に、上記光硬化性組成物を適用した。液滴サイズは6pLで280μm間隔の正方格子状に適用した。
次に、シリコンウエハとの間隔が1μmとなるように、石英モールドを固定し、ダイヤフラムポンプを用いて雰囲気圧力を0.05MPaに減圧させた後、モールドを0.1MPaの圧力でコンタクトし、30秒放置後、石英モールド面から高圧水銀ランプにて光硬化した。照射量は100mJ/cm2とした。
露光後、雰囲気圧力を大気圧に戻し、石英モールドを離して試験片(パターン形成体)を得た。
<パターン欠陥の評価>
各試験片を光学顕微鏡の暗視野モード(倍率20倍)で2mm×2mmの範囲を観察し、欠陥に起因する輝点を評価した。
A:観測範囲全面にわたって輝点は観察されず、良好なパターンが得られた
B:観測範囲全面の0を超え10%以下の領域に、インクジェット液滴配置と対応した280μm間隔の正方格子状の輝点が観察された
C:観測範囲全面の10%を超え70%以下の領域に、インクジェット液滴配置と対応した280μm間隔の正方格子状の輝点が観察された
D:観測範囲全面の70%を超える領域に、インクジェット液滴配置と対応した280μm間隔の正方格子状の輝点が観察された
<表面荒れの評価>
各試験片のパターン形状を、電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製S−4800)を用い、倍率100,000倍にて観察し、以下の基準で評価した。
A:観測範囲全面にわたって良好なパターンが得られた。
B:観測範囲全面の0を超え10%以下の領域に、パターン凸部の表面荒れが観察された
C:観測範囲全面の10%を超え70%以下の領域に、パターン凸部の表面荒れが観察された
D:観測範囲全面の70%を超える領域に、パターン凸部の表面荒れが観察された
上記表示すように、本発明の方法で得られた実施例のパターン形成体は、パターン欠陥が抑制されていた。さらには、表面荒れが良好であった。
これに対し、比較例の方法で得られたパターン形成体は、パターン欠陥が多かった。
なお、表中の「凝集性ガスの溶解による質量増加量」は、以下である。
凝集性ガスの溶解による質量増加量=(凝集性ガス溶解後の組成物の質量(g)/凝集性ガス溶解前の組成物の質量(g))
表中の記号は以下である。
(重合性化合物)
A−1:グリセロール 1,3−ジアクリレート(和光純薬工業製、SP値=25(J/cm31/2
A−2:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学製、SP値=21(J/cm31/2
A−3:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学製、SP値=19(J/cm31/2
A−4:ネオペンチルグリコールジアクリレート(新中村化学製、SP値=19(J/cm31/2
A−5:2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキシルジアクリレート(和光純薬工業製、SP値=16(J/cm31/2
(光重合開始剤)
B−1:イルガキュア819(BASF社製)
B−2:イルガキュア127(BASF社製)
(その他成分)
C−1:Capstone FS−3100(Dupont社製)
C−2:ポリプロピレングリコール(Mw=400、和光純薬工業社製)
(雰囲気ガス)
PFP:1,1,1,3,3,−ペンタフルオロプロパン
He:ヘリウム
100:パターン形成システム
102:基材
104:光硬化性組成物適用部
106:パターン転写部
108:搬送部
110:インクジェットヘッド
112:モールド
114:光照射装置

Claims (7)

  1. 下式(1)で表されるΔSPが7(J/cm 3 1/2 以上である重合性化合物と、凝集性ガスとを含み、前記凝集性ガスが飽和溶解している光硬化性組成物を、基材上またはパターンを有するモールド上にインクジェット法により適用し、前記基材と前記モールドとで前記光硬化性組成物を挟んだ後、前記光硬化性組成物に光を照射して前記光硬化性組成物を硬化させ、前記硬化した光硬化性組成物の表面から前記モールドを離型する、パターン形成体の製造方法。
    ΔSP=|重合性化合物のSP値−光硬化性組成物に含まれる凝集性ガスのSP値| ・・・(1)
  2. 前記光硬化性組成物は、前記式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物を、前記光硬化性組成物に含まれる重合性化合物の合計100質量部に対して50質量部以上含有する、請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  3. 凝集性ガスおよびヘリウムガスから選ばれる1種以上が存在する雰囲気中または減圧下で、前記基材上または前記モールド上に適用した前記光硬化性組成物を、前記基材と前記モールドとで挟む、請求項1または2に記載のパターン形成体の製造方法。
  4. 下式(1)で表されるΔSPが7(J/cm 3 1/2 以上である重合性化合物と、凝集性ガスとを含み、前記凝集性ガスが飽和溶解しているインクジェット用光硬化性組成物。
    ΔSP=|重合性化合物のSP値−光硬化性組成物に含まれる凝集性ガスのSP値| ・・・(1)
  5. 前記式(1)で表されるΔSPが7(J/cm31/2以上である重合性化合物を、前記光硬化性組成物に含まれる重合性化合物の合計100質量部に対して、50質量部以上含有する、請求項に記載のインクジェット用光硬化性組成物。
  6. インプリント用である、請求項4または5に記載のインクジェット用光硬化性組成物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のパターン形成体の製造方法を含むデバイスの製造方法。
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