JP2012156048A - 酸化物超電導線材の製造方法及び酸化物超電導線材 - Google Patents

酸化物超電導線材の製造方法及び酸化物超電導線材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、酸化物超電導導体をレーザービームにより溶断して複数の酸化物超電導線材を製造する技術の提供とを目的とする。
【解決手段】本発明は、テープ状の基材と、中間層と、酸化物超電導層と、銀の安定化層を備えて構成された酸化物超電導導体に、レーザービームを前記安定化層形成側の外方から基材の長さ方向に沿って照射し、前記安定化層と酸化物超電導層と中間層と基材を溶断することにより、前記酸化物超電導導体をその幅方向に複数に分割して酸化物超電導線材を製造する場合、溶断箇所にシールドガスを吹き付けつつ前記安定化層と酸化物超電導層と中間層と基材を溶断することにより、前記酸化物超電導層端縁の溶断部分と前記中間層端縁の溶断部分を覆うように前記安定化層の溶融凝固体をシールドガスの噴出方向に延出させて保護層を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属製の基材上に中間層と酸化物超電導層と安定化層を備えた積層構造の酸化物超電導線材の製造方法と酸化物超電導線材に関する。
RE−123系の酸化物超電導体(REBaCu7−X:REはYを含む希土類元素)は、液体窒素温度で超電導性を示し、電流損失が低いため、電力供給用の導体あるいはコイル用の導体として応用開発がなされている。この酸化物超電導体を線材に加工するための方法の一例として、強度が高く、耐熱性があり、線材に加工することが容易な金属を長尺のテープ状に加工し、この金属基材テープ上に酸化物超電導層を形成する技術が提供されている。
また、酸化物超電導体の結晶は電気的異方性を有しているので、基材テープ上に酸化物超電導層を形成する場合、結晶の配向制御を行う必要があり、その方法の一例として、基材上に中間層を介し酸化物超電導層を積層する技術が実施されている。この中間層を利用する技術の一例として、イオンビームアシスト成膜法(IBAD法:Ion Beam Assisted Deposition)が知られており、このIBAD法により高い2軸配向性を示す中間層を基材上に成膜することができ、この中間層上に酸化物超電導層を形成することにより、超電導特性の優れた酸化物超電導導体を得ることができる。
この種の酸化物超電導導体において目的の線幅を得るためには、製造開始段階から目的の線幅の基材テープを準備し、その上に中間層と酸化物超電導層の成膜を行い、安定化層を形成して酸化物超電導導体を製造するか、あるいは、予め一定の線幅の基材テープを準備し、その上に中間層と酸化物超電導層の成膜を行い、安定化層を形成して酸化物超電導導体とした後に目的の線幅になるように切断加工する方法が研究されている。また、これら製造方法のなかで、製造がし易いこと、様々な線幅に対応できることを考慮すると、予め一定の線幅で酸化物超電導導体を作製し、その後、目的の線幅に切断して酸化物超電導線材とする方法が製造効率の面で有利であると考えられる。
従来から、酸化物超電導導体の切断方法の一例として、2つの切断部を複数組備えたカッターバイトを用い、このカッターバイトの切断部の刃先によってテープ状の酸化物超電導導体を機械的に挟み込み、酸化物超電導導体の幅方向に沿って複数の酸化物超電導線材に切断加工する方法が提案されている。(特許文献1参照)
また、金属基板と中間層と酸化物超電導層と第1の銀安定化層を備えたテープ状の酸化物超電導導体において、第1の銀安定化層を形成した超電導導体をスリット加工した後、酸化物超電導層を保護するために電気めっきにより第2の銀安定化層を形成することにより、酸化物超電導線材を製造する方法が開示されている。(特許文献2参照)
特開2007−287629号公報 特開2010−176892号公報
前記従来の酸化物超電導線材の製造方法において、特許文献1に記載の如く切断部を有するカッターバイトを用いて機械的に酸化物超電導導体を切断する方法であると、酸化物超電導導体が積層構造であるがために、切断面付近で酸化物超電導層に剥離や変形が必然的に発生し、超電導特性の劣化を生じるおそれが高い問題がある。このように酸化物超電導層に剥離が一端発生した箇所は切断後に機械的に剥がれやすい部分となり、剥離強度が低下する問題がある。
また、特許文献2に記載の如く酸化物超電導導体をスリット加工した後、第2の銀安定化層を電気めっきにより被覆形成する方法では、スリット加工後に第2の銀安定化層を形成する必要があり、第2の銀安定化層を形成する工程が増加するので、コスト増になってしまう問題がある。
更に、RE−123系の酸化物超電導層の一部組成のものは、水分を含む雰囲気中に長時間曝露すると、超電導特性が劣化する傾向があり、積層構造の酸化物超電導導体において酸化物超電導層を水分から保護することも重要な課題とされている。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みなされたものであり、レーザービームにより酸化物超電導導体を溶断して複数本の酸化物超電導線材を得るとともに、その溶断時に酸化物超電導層を覆う保護層も同時形成することができる酸化物超電導線材の製造方法と得られた酸化物超電導線材の提供を目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、テープ状の基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と銀の安定化層を備えて構成された酸化物超電導導体に、レーザービームを前記安定化層形成側の外方から基材の長さ方向に沿って照射し、前記安定化層と酸化物超電導層と中間層と基材を溶断することにより、前記酸化物超電導導体をその幅方向に分割して複数の酸化物超電導線材を製造する場合、溶断箇所にシールドガスを吹き付けつつ前記安定化層と酸化物超電導層と中間層と基材を溶断することにより、前記酸化物超電導層端縁の溶断部分と前記中間層端縁の溶断部分を覆うように前記安定化層の溶融凝固体をシールドガスの噴出方向に延出させて保護層を形成することを特徴とする。
本発明により、1本の酸化物超電導導体から、目的の幅を有し、酸化物超電導層の溶断部分と中間層の溶断部分を銀の安定化層の溶融凝固体によって被覆した構造の複数本の酸化物超電導線材を製造できる。この構造の酸化物超電導線材であるならば、酸化物超電導層の溶断部分を銀の安定化層の溶融凝固体からなる保護層で覆っているので、酸化物超電導線材内部側への水分の浸入を防止できる。よって、水分の多い雰囲気中において酸化物超電導線材を長時間使用した場合であっても、水分の浸入によって超電導特性が劣化することのない酸化物超電導線材を提供できる。また、シールドガスを吹き付けつつ酸化物超電導導体を溶断するので、溶断部分の酸化を防止しながら酸化物超電導導体を分断することができ、溶断部分が酸化していない状態の酸化物超電導線材を得ることができる。
本発明は、前記レーザービームを噴射ノズルを介し前記酸化物超電導導体に照射するとともに、前記噴射ノズルから前記シールドガスを前記酸化物超電導導体の厚さ方向に噴出して前記レーザービームの溶断部分を前記シールドガスで覆いながら前記酸化物超電導導体を溶断することを特徴とする。
シールドガスを酸化物超電導導体の厚さ方向に噴射することで銀の安定化層の溶融凝固体を酸化物超電導導体の厚さ方向に確実に引き延ばして酸化物超電導層の側面側を被覆することができ、酸化物超電導層の溶断部分を確実に覆うことができる。これにより、酸化物超電導層の溶断部分を確実に保護層で覆い、水分シールド効果を得ることができる。
本発明は、前記レーザービームとして連続波レーザーのレーザービームを用いることを特徴とする。
連続波レーザーのレーザービームを用いて酸化物超電導導体を溶断するならば、パルスレーザー等の他のレーザービームに比較し、溶断面に大きな凹凸を生じることなく滑らかな溶断面でもって酸化物超電導導体を複数の酸化物超電導線材に確実に分割できる。
本発明の酸化物超電導線材は、テープ状の基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と銀の安定化層を備えて構成された酸化物超電導導体を、その幅方向にレーザービームにより複数に溶断して形成された酸化物超電導線材であって、前記酸化物超電導層と前記中間層の長さ方向に沿って形成されたレーザービームによる溶断部分の端縁に前記安定化層の溶融凝固体からなる保護層が形成されていることを特徴とする。
この構造の酸化物超電導線材であるならば、酸化物超電導層の溶断部分を銀の安定化層の溶融凝固体からなる保護層で覆っているので、酸化物超電導線材内部側への水分の浸入を防止できる。よって、水分の多い雰囲気中において酸化物超電導線材を長時間使用した場合であっても、水分の浸入によって超電導特性が劣化することのない酸化物超電導線材を提供できる。
本発明において、前記保護層が前記酸化物超電導層端縁の溶断部分と前記中間層端縁の溶断部分を覆って前記基材の溶断部分に一体化されてなる構造を採用しても良い。
銀の安定化層の溶融凝固体からなる保護層を酸化物超電導層と中間層を超えて基材の溶断部分まで延出させて形成するならば、酸化物超電導層と中間層の溶断部分を確実に保護層で覆うことができ、水分浸入のおそれのない構造を提供できる。
本発明によれば、レーザービームによる基材の溶断部分を銀の安定化層の溶融凝固体からなる保護層で覆った構造の水分浸入のおそれのない酸化物超電導線材を提供できる。
図1はファイバーレーザー装置による連続波レーザーによって酸化物超電導導体を溶断する状態の一例を示す説明図。 図1に示すファイバーレーザー装置の全体構成を示す概略図。 図1に示すファイバーレーザー装置によって溶断される酸化物超電導導体を示すもので、図3(a)は溶断前の酸化物超電導導体の一例構造を示す斜視図、図3(b)は溶断後の酸化物超電導線材の一例構造を示す斜視図。 図4(a)は溶断後の酸化物超電導線材に絶縁テープによる絶縁被覆を形成した状態を示す斜視図、図4(b)は超電導線材の部分断面図。 図5は溶断後の酸化物超電導線材の基材に形成されている凹凸部の一例を示す説明図。 図6は実施例において製造された酸化物超電導線材の剥離テストの説明図。 図7は従来の酸化物超電導線材に絶縁テープを巻き付けている状態の一例を示す斜視図。 実施例において酸化物超電導導体を溶断して得た酸化物超電導線材の溶断部分の断面組織構造を示す写真。
以下、本発明に係る酸化物超電導線材の製造方法の一実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る方法に基づき、テープ状の酸化物超電導導体を連続波レーザーにより切断している状態を示す説明図、図2は同連続波レーザーを発生させるために用いるファイバーレーザー装置の概略構成図、図3は切断対象となる酸化物超電導導体と切断後の酸化物超電導線材を示す斜視図、図4は得られた酸化物超電導線材を被覆した状態と部分拡大した状態を示す図である。
本発明において切断対象とする酸化物超電導導体1は、図3(a)に示す如く金属製のテープ状の基材3の上に、中間層5と酸化物超電導層6と安定化層7が積層されてなり、この酸化物超電導導体1を後述する如く連続波レーザーのレーザービームによって切断することにより、図3(b)に示す如く酸化物超電導導体1よりも幅狭の複数本(図3(b)では4本)の酸化物超電導線材10を得ることができる。
この酸化物超電導線材10は、酸化物超電導導体1をその幅方向に切断して構成されているので、幅が狭い点を除くと他は全く同等構造であり、酸化物超電導線材10は、金属製のテープ状の基材3aの上に、中間層5aと酸化物超電導層6aと安定化層7aが積層されてなる。
前記酸化物超電導線材10は、より詳細には図4(a)に示す如く、基材3aの上面に拡散防止層11とベッド層12と配向層15とキャップ層16とからなる中間層5が積層され、その上に酸化物超電導層6aと安定化層7aを積層して構成されているが、図3では図示の簡略化のために中間層5を1層のように描いている。なお、拡散防止層11とベッド層12とキャップ層16は必須ではなく、場合によっては略しても良い。
図4(a)に示す酸化物超電導線材10は、安定化層7aの上に更に厚い安定化層8を積層した状態を示しており、酸化物超電導線材10と安定化層8からなる積層体の全周に樹脂テープ17を巻き付けて絶縁層18が形成されている。
前記安定化層8は、レーザービームによる切断により図3(b)に示す如く超電導線材10を得た後に、貼り付けあるいはめっきなどにより形成されたものである。
図4(a)に示す構造として絶縁層18で絶縁処理した酸化物超電導線材10をコイル加工することで超電導コイルなどの用途に用いることができ、絶縁層18で絶縁処理した酸化物超電導線材10を用いて送電用の超電導ケーブルなどの用途に用いることができる。
前記酸化物超電導線材10の溶断部分は詳細には図4(b)に拡大して示す如く、基材3aの側面の溶断面3bに対し、中間層5aと酸化物超電導層6aの側面の溶断面位置が若干後退した位置に形成され、中間層5aと酸化物超電導層6aの側面の溶断面が若干後退した位置に段部3cが形成され、この段部3cを覆うように安定化層7aの溶融凝固体が延出形成された保護層7bが形成されている。図4(b)は基材3aの厚さと中間層5a、酸化物超電導層6a、安定化層7aの厚さを実際の厚さに対応する比率で示しているが、図3(b)においては図面を見やすくするために簡略化して示している。図3(b)と図4(c)に示す如く、酸化物超電導線材10の溶断部分において、酸化物超電導層5aの端縁側は安定化層7aの端縁側から延出形成された保護層7bによって覆われてカバーされている。また、図4(a)においては、酸化物超電導線材10の積層構造を中心に分解斜視図として示すために保護層7bの部分は記載を略している。
以下に酸化物超電導線材10の各要素について説明する。
前記基材3(3a)は、通常の超電導線材の基材として使用することができ、高強度であれば良く、長尺のケーブルとするためにテープ状であり、耐熱性の金属からなるものが好ましい。例えば、ステンレス鋼、ハステロイ等のニッケル合金等の各種高強度高耐熱性の金属材料、もしくはこれら各種金属材料上にセラミックスを配したもの、等が挙げられる。各種耐熱性の金属の中でも、ニッケル合金が好ましい。なかでも、市販品であれば、ハステロイ(米国ヘインズ社製商品名)が好適であり、ハステロイとして、モリブデン、クロム、鉄、コバルト等の成分量が異なる、ハステロイB、C、G、N、W等のいずれの種類も使用できる。基材3の厚さは、目的に応じて適宜調整すれば良く、通常は、10〜500μmの範囲とすることができる。
拡散防止層11は、基材3(3a)の構成元素拡散を防止する目的で形成されたもので、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al、「アルミナ」とも呼ぶ)、あるいは、GZO(GdZr)等から構成され、例えばスパッタリング法等の成膜法により形成され、その厚さは例えば10〜400nmである。
ベッド層12は、耐熱性が高く、界面反応性を低減するためのものであり、その上に配される膜の配向性を得るために用いる。このようなベッド層12は、例えば、イットリア(Y)などの希土類酸化物であり、組成式(α2x(β(1−x)で示されるものが例示できる。より具体的には、Er、CeO、Dy3、Er、Eu、Ho、La等を例示することができる。このベッド層12は、例えばスパッタリング法等の成膜法により形成され、その厚さは例えば10〜100nmである。
配向層15は、単層構造あるいは複層構造のいずれでも良く、その上に積層されるキャップ層16の結晶配向性を制御するために2軸配向する物質から選択される。配向層15の好ましい材質として具体的には、GdZr、MgO、ZrO−Y(YSZ)、SrTiO、CeO、Y、Al、Gd、Zr、Ho、Nd等の金属酸化物を例示することができる。
この配向層15をIBAD(Ion-Beam-Assisted Deposition)法により良好な結晶配向性(例えば結晶配向度15゜以下)で成膜するならば、その上に形成するキャップ層16の結晶配向性を良好な値(例えば結晶配向度5゜前後)とすることができ、これによりキャップ層16の上に成膜する酸化物超電導層6の結晶配向性を良好なものとして優れた超電導特性を発揮できる酸化物超電導層6を得るようにすることができる。
例えば、GdZr、MgO又はZrO−Y(YSZ)からなる配向層15は、IBAD法における結晶配向度を表す指標であるΔφ(FWHM:半値全幅)の値を小さくできるため、特に好適である。
キャップ層16は、上述のように面内結晶軸が配向した配向層15の表面に成膜されることによってエピタキシャル成長し、その後、横方向に粒成長して、結晶粒が面内方向に自己配向し得る材料、であれば特に限定されないが、好ましいものとして具体的には、CeO、Y、Al、Gd、ZrO、Ho、Nd等が例示できる。キャップ層の材質がCeOである場合、キャップ層は、Ceの一部が他の金属原子又は金属イオンで置換されたCe−M−O系酸化物を含んでいても良い。
例えばCeOによって構成されるキャップ層16は、上述のように自己配向していることにより、配向層15よりも更に高い面内配向度、例えばΔφ=4〜6゜程度を得ることができる。
例えば、CeO層は、PLD法(パルスレーザ蒸着法)、スパッタリング法等で成膜することができる。CeO層の膜厚は、十分な配向性を得るには100nm以上が好ましいが、厚すぎると結晶配向性が悪くなるので、50〜5000nmの範囲とすることができる。
酸化物超電導層6(6a)は公知のもので良く、具体的には、REBaCu(REはY、La、Nd、Sm、Er、Gd等の希土類元素を表す)なる材質のものを例示できる。この酸化物超電導層6として、Y123(YBaCu7−X)又はGd123(GdBaCu7−X)などを例示することができる。
酸化物超電導層6は、スパッタ法、真空蒸着法、レーザー蒸着法、電子ビーム蒸着法、化学気相成長法(CVD法)等の物理的蒸着法;熱塗布分解法(MOD法)等で積層することができ、なかでも生産性の観点から、PLD(パルスレーザー蒸着)法、TFA−MOD法(トリフルオロ酢酸塩を用いた有機金属堆積法、塗布熱分解法)又はCVD法を用いることができる。
前記酸化物超電導層6の上に積層されている第1番目の安定化層7aはAgなどの良電導性かつ酸化物超電導層6と接触抵抗が低くなじみの良い金属材料からなる層として形成される。Agの安定化層7を成膜するには、スパッタ法などの成膜法を採用し、その厚さを1〜30μm程度に形成できる。
第2番目の安定化層8は酸化物超電導層6aの安定化のために設けられ、酸化物超電導層6aが常電導状態に転移することを防止するために電流のバイパス用として設けられているので、CuやAlまたはそれらの合金などの良導電性の金属材料から形成される。なお、酸化物超電導線材10を限流器などの目的に適用する場合は安定化層8として高抵抗材料を用いることが好ましいので、NiCrなど、CuやAg、Alに対して高抵抗の金属材料から構成することができる。
安定化層8は安定化層7よりも厚く形成して電流のバイパス路として十分な容量を確保するため、100〜300μm程度の厚さに形成する。その場合、半田や導電性接着剤による貼り付け法あるいはめっき法などを用いて安定化層7の上に形成することができる。
本実施形態においては、厚い安定化層8を設ける前に、酸化物超電導層6上にAgの安定化層7を形成した図3(a)に示す酸化物超電導導体1の状態からこれを切断して幅狭の酸化物超電導線材10を製造する場合に連続波レーザーのレーザービームを用いて切断する。
図1は、連続波レーザーを発生させて酸化物超電導導体1を切断するために用いる切断装置20の概略構成を示すもので、この例の切断装置20は、複数の(図1の例では3基の)励起用レーザーの発光装置21と、これら複数の光源21からの励起用レーザーを結合するビームコンパイナとしての結合器22と、この結合器22に接続されたダブルクラッドファイバーからなる増幅用ファイバー23と、この増幅用ファイバー23に接続された伝送用ファイバー24と、伝送用ファイバー24の先端部に接続された出力部25を主体として構成されている。
増幅用ファイバー23は、一例として、光増幅媒体である希土類添加ファイバーを用いることができる。希土類添加ファイバーとして、希土類元素、例えば、Yb(イッテルビウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Nd(ネオジム)、Pr(プラセオジム)等の希土類元素が添加されたコアと、コアの外周を囲む第1クラッドと、この第1クラッドを囲む第2クラッドとからなる希土類添加ダブルクラッドファイバーを用いることができる。
前記出力部25は、伝送用ファイバー24からのレーザー出力を導入する筒型の案内部26と、この案内部26の上部側に収容されている光学装置27と、案内部26の下部側に接続されている噴射ノズル28と、この噴射ノズル28の下部側に接続されたガス供給源29を主体として構成されている。
前記光学装置27は複数の光学レンズを備えて構成され、これらの光学レンズの相互位置を調整することにより、伝送用ファイバー24から入射されたレーザー光の径を絞って噴射ノズル28の先端外方において適切なビーム径になるようにレーザー光を集光照射することができる。噴射ノズル28の上部側壁にはガス導入部30が形成されているとともに、このガス導入部30に不活性ガスなどのガス供給源29が接続されている。このガス供給源29から噴射ノズル28の内部に不活性ガスなどのシールドガスを送ることにより噴射ノズル28の先端開口からシールドガスを噴出できるように構成されている。
前記切断装置20を用いて酸化物超電導導体1を切断するには、図1に示す如く水平に設置した酸化物超電導導体1の例えば幅方向中央部に噴射ノズル28の先端を位置させ、この状態から酸化物超電導導体1の中央部に連続波レーザーのレーザービームを照射するとともに、酸化物超電導導体1をその長さ方向に所定の速度で移動させる。
切断装置20において励起光の発光装置21から接続用ファイバー21aを介し結合器22に入力したマルチモードの励起光は、結合器22において光結合されて増幅用ファイバー23に入力され、増幅用ファイバー23において波長の増幅と出力増幅がなされ、シングルモードに変換され、伝送用ファイバー24を介し連続波レーザーとして出力される。
本実施形態において適用する連続波レーザーの一例として、中心波長1080nmの連続波レーザーを用いることができ、ビーム出力300W、噴射ノズル8の先端外方にレーザービームを集光照射する場合のビーム先端側のビーム径を10μm〜100μm程度、例えば20μmとすることができる。連続波レーザーの中心波長は、1050〜1100nm程度の波長とすることができる。
伝送用ファイバー24から出力部25に達したレーザービームに対し、光学装置27を調節して中心波長1080nmの連続波レーザーのレーザービーム径を20μm程度に絞り、噴射ノズル28の先端から上述の如く酸化物超電導導体1の中央部に照射すると、酸化物超電導導体1の中央部の安定化層7と酸化物超電導層6と中間層5と基材3をレーザービームにより溶断することができる。
また、レーザービームを安定化層7の外側から照射しているので、酸化物超電導導体1において安定化層7と酸化物超電導層6と中間層5と基材3の順にレーザービームの照射部分を順次溶融できるが、噴射ノズル28の先端から噴出されているシールドガスが、溶融させた安定化層7と酸化物超電導層6と中間層5と基材3の溶融物を吹き飛ばして除去する。また、レーザービームが基材3を貫通した状態において噴射ノズル28の先端から噴出されているシールドガスが、溶融させた安定化層7と酸化物超電導層6と中間層5と基材3を酸化物超電導導体1の裏面側もに吹き飛ばして除去する。これらの作用により、レーザービームによって溶断した部分に、安定化層7と酸化物超電導層6と中間層5と基材3の溶融物に起因する溶融ドロスの付着を阻止できる。なお、レーザービームの酸化物超電導導体1に対する照射角度は90゜でもよいが、1〜2゜程度傾斜させても良い。これは、Agの安定化層7の光反射率が高いので、戻り光が光ファイバー24、23側に戻らないようにするためである。
このレーザービームによる溶融開始状態から、酸化物超電導導体1を順次その長さ方向に所定の速度、例えば150mm/sで移動させることにより、酸化物超電導導体1をその長さ方向全長に渡り中央部で溶断して2本の酸化物超電導線材に2分割することができる。
以上の操作を酸化物超電導導体1の幅方向に所定間隔毎に繰り返し複数回行えば、例えば、4回行うことにより図3(b)に示す如く酸化物超電導導体1を4分割することができる。なお、酸化物超電導導体1が長尺のものである場合は、その全長に渡りレーザービームを走査するのに時間がかかるので、4基の出力部25を並列状態で設けてレーザービームを4本同時に照射できる構成とすることにより、酸化物超電導導体1の全長に対し1回のレーザービーム走査でもって4分割できるようにしても良い。
前述の如く連続波レーザーのレーザービームにより酸化物超電導導体1を溶断した場合、噴射ノズル28の先端からシールドガスを酸化物超電導導体1の厚さ方向に噴射しつつ溶断するので、レーザービームにより加熱溶融された基材3aと中間層5aと酸化物超電導層6aと安定化層7aの溶融部分はシールドガスの圧力により吹き飛ばれて除去され、溶断が進行する。ここで、シールドガスの噴射圧力を調整すると、最上層に位置する安定化層7aの溶融部分をシールドガスの流れ方向に延出させて中間層5aと酸化物超電導層6aの溶断面部分に被着するように溶断することができる。この溶断処理によって酸化物超電導線材10の全長にわたり、図3(b)あるいは図4(b)に示す如く安定化層7aの端縁部分に保護層7bを形成した状態とすることができる。
このように酸化物超電導線材10の全長にわたり、酸化物超電導層6aの側面を保護層7bでシールドした構造とすることができる。従って、外部から酸化物超電導層6a側に水分の浸入を防止できる構造の酸化物超電導線材10を得ることができる。
一方、前述の如く連続波レーザーのレーザービームにより酸化物超電導導体1を溶断した場合、酸化物超電導導体1の溶断部分において従来技術のパルスレーザーを用いて溶断する方法よりも溶断部分を滑らかに形成できる。図5は連続波レーザーのレーザービームにより溶断して得られた酸化物超電導線材10の溶断部分を平面視した場合の一例を示す部分拡大図である。
このように酸化物超電導線材10の溶断部分は、拡大平面視すると凹凸部10cが酸化物超電導線材10の長さ方向に(図5の左右方向に)多数形成されているが、本実施形態の如く連続波レーザーのレーザービームを用いてビーム径20μmに設定して上述の条件で溶断すると、この凹凸部10cの最大高さRzを5μm以下に形成できる。
従来技術において用いられているパルスレーザーのレーザービームは、レーザーの出力が極めて高いピーク出力のものをパルス状に繰り返し出力することで対象物を溶断する。このパルスレーザーのレーザービームでは、酸化物超電導導体1の溶断を行う場合、凹凸部の最大高さRzが10μmよりも大きくなり、例えばYAGレーザーで溶断した場合、10〜20μmの最大高さの凹凸部が生成する。これは、レーザーによる加工部が気化昇華するので、端部の変形が難しいことが原因となっている。
また、短波長のレーザーでは酸化物超電導導体1を溶断するための出力が不足し、酸化物超電導導体1の溶断自体ができないとともに、波長の長いCOレーザーなどではAgの安定化層7の光反射率が高いので、COレーザーを照射しても安定化層7の光反射が多くなって高速に酸化物超電導導体1を溶断できなくなる。
これらに対し本実施形態において用いた連続波レーザーのレーザービームでは、最大高さ5μm以下の凹凸部を有するように溶断面を従来技術よりも滑らかに加工できる。
また、前記酸化物超電導導体1が長尺の場合、酸化物超電導導体1をリールなどに巻き付けておき、リールから順次繰り出して他のリールに巻き付け移動させる途中においてレーザービームを照射して酸化物超電導導体1をその全長にわたり酸化物超電導線材10に分割することが好ましい。
「実施例1」
ハステロイC276(米国ヘインズ社商品名)からなる幅10mm、厚さ0.1mm、長さ100mのテープ状の基材を用意し、このテープ状基材の表面にAlからなる厚さ100nmの拡散防止層を形成し、更にその上にイオンビームスパッタ法を用いてYからなる厚さ30nmのベッド層を形成した。イオンビームスパッタ法の実施にあたりテープ状の基材はスパッタ装置の内部においてリールに巻回しておき、一方のリールから他方のリールに繰り出す間に成膜できるようにしてテープ状基材の全長にわたり、拡散防止層とベッド層を形成した。次に、イオンビームアシスト蒸着法によりベッド層上に厚さ10nmのMgOの配向層を形成した。この場合、アシストイオンビームの入射角度は、テープ状基材成膜面の法線に対し、45゜とした。
続いてパルスレーザー蒸着法(PLD法)を用いてMgOの配向層上にCeOの厚さ500nmのキャップ層を形成した。更に、このキャップ層上にパルスレーザー蒸着法によりGdBaCu7−xの厚さ1μmの酸化物超電導層を形成した。
次に、スパッタ法により酸化物超電導層上に厚さ10μmのAgの安定化基層を形成し、酸素アニールを500℃で行った。以上の工程により、テープ状の長尺の基材上に拡散防止層とベッド層と配向層とキャップ層と酸化物超電導層と安定化層を備えた構造の酸化物超電導導体を形成した。
前記酸化物超電導導体に対し、図1に概略構成を示す切断加工装置を用い、中心波長1080nmの連続波レーザーのレーザービームを照射し、出力200W、ビーム径20μm、加工速度500mm/sとして、10mm幅の酸化物超電導導体を5mm幅の2本の酸化物超電導線材に分割する切断加工を行った。切断加工に際し、噴射ノズルに印加する窒素ガス圧力を0.9MPaに設定し、噴射ノズル(内径2mm)の先端から窒素ガスを酸化物超電導導体の上面に噴出することで切断加工面に溶融ドロスが付着しないように加工した。また、窒素ガスを噴射することにより溶断面の酸化を防止した。
この操作によってハステロイテープ基材の切断面には最大高さRz:3μmの凹凸部が生成されていたが、肉眼観察では大きな凹凸部分は見られず、滑らかな切断面であった。
得られた幅0.5mmの酸化物超電導線材に対し、ポリイミド樹脂製の幅4mm、厚み12.5μmの絶縁テープを張力150gで巻き付けて絶縁処理したところ、絶縁テープを切ることなく巻き付けることができ、絶縁処理ができた。
また、図6に示す如く切断加工した酸化物超電導線材10の安定化層7の上面に外径2.6mmの円盤部35とロッド部36を有するアルミ合金製のピン部材37をエポキシ樹脂接着剤で接着し、ロッド部36を酸化物超電導線材10に対して垂直方向に引っ張る剥離試験を行った。前記連続波レーザーのレーザービームで切断した酸化物超電導線材の試料5個に対し、同様の剥離試験を行ったところ、剥離力の平均値は約30Kgfであった。
図8は、本実施例の酸化物超電導線材の溶断部分の拡大組織写真を示す。図8中に白矢印で示す如く安定化層の溶断部分に保護層を形成することができた。この保護層は、安定化層の下側に位置する酸化物超電導層と中間層の側面側を完全に被覆してカバーし、それらの下に位置する厚い基材まで達して密着していた。この構造により、水分の浸入を防止できる酸化物超電導線材を得ることができた。
「比較例1」
実施例において使用した酸化物超電導導体と同じ構成の酸化物超電導導体を用意した。中心波長1080nmのファイバーレーザーを使用し、周波数60KHz、出力300W、ビーム径20nm、加工速度500mm/sの条件にて先の10mm幅の酸化物超電導導体を5mm幅に2分割する切断加工を行った。窒素ガスの噴射ノズルに印加する噴出圧力は0.9MPaとしている。
この条件のファイバーレーザーでは、酸化物超電導導体の溶断はできたが、銀の安定化層の端縁に保護層を形成できなかった。銀の安定化層の端縁部分においては、銀安定化層の端部が変形することなく、窒素ガスで吹き飛ばされた状況である。この例では酸化物超電導層の両端部分の溶断面が剥き出しの状態であるため、再度何らかの保護層を作製する必要がある。
実施例において用いたものと同等の樹脂テープを酸化物超電導線材に同等張力で巻き付けてみたところ、樹脂テープを切ることなく巻き付けができた。
前記ファイバーレーザーで切断して得た酸化物超電導線材の試料5個に対し、同様の剥離試験を行ったところ、剥離力の平均値は約29Kgfであった。
「比較例2」
実施例において使用した酸化物超電導導体と同じ構成の酸化物超電導導体を用意した。中心波長355nmのYAGレーザーを使用し、周波数30KHz、出力2.4W、ビーム径20nm、加工速度5mm/sの条件にて先の10mm幅の酸化物超電導導体を5mm幅に2分割する切断加工を行った。溶断加工に際し、窒素ガスを噴射ノズルの先端から吹き付けた。
YAGレーザーは、パルスレーザーであり、溶断部分の材料を一瞬で昇華させるので、溶断部分における銀の安定化層は瞬時に昇華し、蒸発したために、安定化層の溶断部分に保護層は生成していなかった。
また、YAGレーザーでは、上述の値から加工速度を上げると酸化物超電導導体に切断できない箇所が発生した。あるいは、上述の値から加工速度を上げると酸化物超電導導体の基材の切断面に大きな凹凸部分が発生するので、上述の加工速度に設定して凹凸部分が発生しないように切断加工し、酸化物超電導線材を得た。なお、YAGレーザーによる切断面においては、前述の加工速度であっても切断面には最大高さRz10〜20μmの凹凸部が生じていた。
実施例において用いたものと同等の樹脂テープを酸化物超電導線材に同等張力で巻き付けてみたところ、樹脂テープを切ることなく巻き付けができた。
得られた酸化物超電導線材に対し実施例と同等の条件でピン部材37を用いた剥離試験を行った。
前記YAGレーザーで切断して得た酸化物超電導線材の試料5個に対し、同様の剥離試験を行ったところ、剥離力の平均値は約28Kgfであった。
本発明は、例えば超電導コイル、送電用超電導ケーブル、超電導モータ、限流器など、各種の超電導機器に用いられる酸化物超電導線材に利用することができる。
1…酸化物超電導導体、3、3a…基材、5、5a…中間層、6、6a…酸化物超電導層、7、7a…安定化層、7b…保護層、8…安定化層、10…酸化物超電導線材、11…拡散防止層、12…ベッド層、15…配向層、16…キャップ層、17…絶縁テープ、18…絶縁層、20…切断装置、21…励起用レーザーの発光装置、22…結合器、23…増幅用ファイバー、24…伝送用ファイバー、25…出力部、27…光学系、28…噴射ノズル、29…ガス供給源。

Claims (5)

  1. テープ状の基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と銀の安定化層を備えて構成された酸化物超電導導体に、レーザービームを前記安定化層形成側の外方から基材の長さ方向に沿って照射し、前記安定化層と酸化物超電導層と中間層と基材を溶断することにより、前記酸化物超電導導体をその幅方向に分割して複数の酸化物超電導線材を製造する場合、
    溶断箇所にシールドガスを吹き付けつつ前記安定化層と酸化物超電導層と中間層と基材を溶断することにより、前記酸化物超電導層端縁の溶断部分と前記中間層端縁の溶断部分を覆うように前記安定化層の溶融凝固体をシールドガスの噴出方向に延出させて保護層を形成することを特徴とする酸化物超電導線材の製造方法。
  2. 前記レーザービームを噴射ノズルを介し前記酸化物超電導導体に照射するとともに、前記噴射ノズルから前記シールドガスを前記酸化物超電導導体の厚さ方向に噴出して前記レーザービームの溶断位置を前記シールドガスで覆いながら前記酸化物超電導導体を溶断することを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  3. 前記レーザービームとして連続波レーザーのレーザービームを用いることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の酸化物超電導線材の製造方法。
  4. テープ状の基材と、該基材上に設けられた中間層と酸化物超電導層と銀の安定化層を備えて構成された酸化物超電導導体を、その幅方向にレーザービームにより複数に溶断して形成された酸化物超電導線材であって、前記酸化物超電導層と前記中間層の長さ方向に沿って形成されたレーザービームによる溶断部分の端縁に前記安定化層の溶融凝固体からなる保護層が被覆されていることを特徴とする酸化物超電導線材。
  5. 前記保護層が前記酸化物超電導層端縁の溶断部分と前記中間層端縁の溶断部分を覆って前記基材の溶断部分に一体化されてなることを特徴とする請求項4に記載の酸化物超電導線材。
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