JP2012154984A - マルチプロジェクションシステム、プロジェクター、及び、画像投射制御方法 - Google Patents

マルチプロジェクションシステム、プロジェクター、及び、画像投射制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】遮光板の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ目立たなくする。
【解決手段】マルチプロジェクションシステム1を構成するプロジェクター2は、投射光の周辺を遮光する遮光板31と、遮光板31の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、輝度調整パターンに基づいて画像処理を施す画像処理部217と、画像処理部217により画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなう光変調装置駆動部218、光変調装置24と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数のプロジェクターを備えたマルチプロジェクションシステム、このマルチプロジェクションシステムを構成するプロジェクター、及び、このマルチプロジェクションシステムにおける画像投射制御方法に関する。
従来、複数のプロジェクターにより1つの投射画像を投射するマルチプロジェクションシステムが知られている。この種のシステムでは、互いに隣接するプロジェクターによる投射画像と投射画像との境界が目立たなくなるように、投射画像と投射画像との境界に対応する位置に、これら投射画像が重畳した重畳領域を形成するものがある。さらに、重畳領域における投射画像の輝度が、他の領域における投射画像の輝度よりも高くなり、見た目の悪さが生じることを避けるため、プロジェクターの光束の通過経路上に遮光板を設けて、重畳領域に投射される光を減光する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−268476号公報
上述したマルチプロジェクションシステムでは、遮光板によって投射光の一部を遮光する構成のため、遮光板の組み立て誤差や、遮光板の変形、個体差等に起因して、投射画像において当該遮光板の影響を受ける領域に、歪みや、変形が発生し、当該領域が、想定されている形状と異なったものとなる、といった事態が生じ得る。ここで、遮光板は、重畳領域における明るさを調整するために設けられた部材であり、重畳領域と、遮光板によって影響を受ける領域とを一致させる必要があるが、上記事態の発生に起因して、重畳領域内に明るさのムラが発生する可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遮光板の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ目立たないようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、複数のプロジェクターを備え、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように、前記複数のプロジェクターから投射画像に対応する投射光を投射するマルチプロジェクションシステムであって、前記プロジェクターは、投射光の周辺を遮光する遮光板と、前記遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を施す画像処理部と、前記画像処理部により画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなう光変調部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、画像処理部によって、画像データに対して所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を行う、という簡易な処理を実行することにより、投射される投射画像について、重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態となる。すなわち、遮光板の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ目立たなくすることが可能となる。
また、上記発明のマルチプロジェクションシステムであって、本発明は、前記輝度調整パターンは、前記画像データにおける前記重畳領域に対応する領域の少なくとも一部の輝度を下げる画像処理を行わせるパターンであることを特徴とする。
ここで、重畳領域内のムラは、重畳領域内に、遮光板の影響を受ける領域と、影響を受けない領域とが内在し、これら領域の境目に、明るさが滑らかに変化しない段差が生じることに起因して発生する。
これを踏まえ、上記構成によれば、所定の輝度調整パターンに基づいて、画像データに対して画像処理を施した場合、重畳領域の明るさが低下し、これにより、重畳領域内における遮光板の影響を受ける領域と、影響を受けない領域との明るさの差が低減し、これにより、重畳領域における明るさのムラが抑制される。
また、上記発明のマルチプロジェクションシステムであって、本発明は、前記輝度調整パターンは、所定の閾値を超えて、画像データの輝度を落とさないように規定されていることを特徴とする。
ここで、重畳領域における明るさのムラを抑制することを目的として、重畳領域の明るさを低減する場合に、重畳領域の明るさを過度に低減してしまうと、逆に、遮光板の影響を受ける領域と、影響を受けない領域との明るさのギャップが増大する結果を招く可能性があり、また、投射画像全体に対する重畳領域の相対的な明るさが不均一なものとなる可能性がある。
これを踏まえ、上記構成によれば、重畳領域の明るさを過度に低減することに起因した悪影響を極力防止できる。
また、上記発明のマルチプロジェクションシステムであって、本発明は、前記遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラには、前記遮光板の形状に起因して生じるムラを含むことを特徴とする。
ここで、遮光板の形状に起因して生じるムラとは、経年劣化や、熱によって遮光板自体が変形し、これに起因して、重畳領域内に発生するムラのことである。
そして、上記構成によれば、遮光板自体が変形している状況下でも、効果的に重畳領域内におけるムラを抑制できる。
また、上記発明のマルチプロジェクションシステムであって、本発明は、前記遮光板は、投射画像の各辺に対応して、設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、投射画像の辺のそれぞれに対応して形成されるそれぞれの重畳領域について、ムラを抑制しつつ、見た目上の違和感が発生することを効果的に抑制できる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、他のプロジェクターから投射される投射画像との間で重畳領域が形成されるように、投射画像に対応する投射光を投射するプロジェクターであって、投射光の周辺を遮光する遮光板と、前記遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を施す画像処理部と、前記画像処理部により画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなう光変調部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、画像処理部によって、画像データに対して所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を行う、という簡易な処理を実行することにより、投射される投射画像について、重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態となる。すなわち、遮光板の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ目立たなくすることが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように、複数の前記プロジェクターから投射画像に対応する投射光を投射する画像投射制御方法であって、前記プロジェクターのそれぞれについて、投射光の周辺を遮光する遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を施し、画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなうことを特徴とする。
この画像投射制御方法によれば、画像データに対して所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を行う、という簡易な処理を実行することにより、投射される投射画像について、重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態となる。すなわち、遮光板の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ目立たなくすることが可能となる。
本発明によれば、遮光板の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ目立たなくすることが可能となる。
実施形態のマルチプロジェクションシステムの概略構成を示す図である。 マルチプロジェクションシステムによる投射態様を模式的に示す図。 マルチプロジェクションシステムの機能的構成を示すブロック図である。 投射画像の様子の一例を模式的に示す図である。 画像処理部の動作を示すフローチャートである。 撮像画像データを模式的に示す図である。 部分画像データを模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係るマルチプロジェクションシステム1の概略構成を示す図である。
この図1に示すマルチプロジェクションシステム1は、複数のプロジェクター2をスクリーンSCに正対させて並べて配置し、これら複数のプロジェクター2による投射画像を組み合わせて、タイリング表示による一つの大画面画像をスクリーンSC上に投射するシステムである。
マルチプロジェクションシステム1が備える各プロジェクター2には、投射される画像の画像データをプロジェクター2に出力する画像処理装置10が、画像送信ケーブル41を介して接続される。画像処理装置10は、マルチプロジェクションシステム1全体により投射される上記大画面画像の原画像をプロジェクター2の数に対応する部分画像に分割し、各プロジェクター2が投射すべき部分画像を表す画像データ(部分画像データ)を生成する。そして、画像処理装置10は生成した各部分画像データを、その部分画像に対応する位置に配置されたプロジェクター2に対し、画像送信ケーブル41を介して出力する。このため、各々のプロジェクター2は、画像処理装置10から入力される画像データを投射するだけで、マルチプロジェクションシステム1全体としてタイリングによる画像投射を行える。
図2は、複数のプロジェクター2を用いた投射態様を模式的に示す図である。
この図2には、4台のプロジェクター2を用い、タイリングによってスクリーンSC(投射面)に一つの投射画像100を投射する場合を例示する。この例では、スクリーンSCの左上にプロジェクター2Aが投射し、スクリーンSCの右上にプロジェクター2Bが、左下にプロジェクター2Cが、右下にプロジェクター2Dが投射する。ここで、タイリングによる境界がスクリーンSCで目立たないように、各プロジェクター2A、2B、2C、2Dが投射する投射画像は少しずつ重ね合わされる。すなわち、プロジェクター2Aが投射する投射画像101と、その右隣にプロジェクター2Bが投射する投射画像102とは、図中に示すように互いの縁が重ね合わされ、重畳領域111が形成されている。同様に、プロジェクター2Cが投射する投射画像103と、プロジェクター2Cの右隣のプロジェクター2Dによる投射画像104とは重畳領域112を形成するよう重ねられる。さらに、投射画像は上下方向にも重ね合わされ、重畳領域113、114が形成される。
スクリーンSC上において各プロジェクター2A、2B、2C、2Dが画像を投射する範囲は、スクリーンSCと各プロジェクター2A、2B、2C、2Dとの距離、隣接するプロジェクター2どうしの間隔、及び、スクリーンSCに対する各プロジェクター2A、2B、2C、2Dの光軸の角度により決定される。つまり、各プロジェクター2A、2B、2C、2DはスクリーンSC上で重畳領域111〜114を形成する位置及び角度に、予め設置されている。
画像処理装置10は、投射画像100を4台のプロジェクター2A、2B、2C、2Dで投射するため、投射画像100を4つの部分画像に分割する。ここで、重畳領域111〜114が形成されることを加味し、投射画像100の4分の1よりも大きい範囲が、各々のプロジェクター2A、2B、2C、2Dに割り当られる。そして、画像処理装置10は、各プロジェクター2A、2B、2C、2Dの割り当て分の部分画像データを、画像送信ケーブル41を介して各プロジェクター2A、2B、2C、2Dに出力する。
画像処理装置10は、投射画像101と投射画像102とが、重畳領域111において同じ画像となるように部分画像データを生成するので、重畳領域111には他の部分と同様の鮮明な画像が投射されている。重畳領域112〜114でも同様である。しかしながら、重畳領域111〜114では、複数のプロジェクター2から投射された光が合成されているので、光量が他の部分(重畳領域以外の領域=非重畳領域)より多く、結果として重畳領域111〜114の輝度が他の部分より高くなる。これでは各プロジェクター2の投射画像の境界が目立ってしまうので、マルチプロジェクションシステム1は、重畳領域111〜114の輝度を他の部分と同程度に抑えるため、プロジェクター2に遮光装置3を設けている。
すなわち、図1に示すように、プロジェクター2は、投射光を出力する投射光学系25の周囲に配置された複数の遮光板31と、これら遮光板31を駆動する遮光部30とを有する遮光装置3を備えている。遮光板31は、不透明または透光性の低い矩形の板であり、プロジェクター2が投射する矩形の投射画像の各辺に対応して4枚設けられている。各々の遮光板31は、遮光部30により独立してスライドされ、投射光学系25の前側に進出して投射画像を遮ることも、投射画像に影響を与えないように投射光学系25を遮らない退避位置まで後退させることも可能である。複数の遮光板31によって、投射光学系25からの光が通過可能な投射窓20Aが形成される。
遮光部30は、4枚の遮光板31を各々独立してスライド移動させるステッピングモーター(図示略)及びギア機構(図示略)を備えている。遮光板31がスライド移動可能な範囲は特に制限されないが、例えば、遮光部30によって4枚の矩形の遮光板31を、投射光学系25を完全に遮らない位置まで後退させ、投射画像を全く遮らない状態とすることもできる。また、遮光部30により、遮光板31を投射光学系25(レンズ27)の中央付近まで進出させて投射画像をほぼ完全に遮ってしまうこともできる。
プロジェクター2は、遮光部30によって遮光板31を、投射光学系25の前に張り出すように移動させることで、投射光学系25から投射される光の一部を遮って、投射画像の周縁部を遮光する。これにより、各プロジェクター2の投射画像の周縁の光量を減らして、図2に示した重畳領域111〜114の輝度を他の部分と同程度に抑え、タイリングの境界を目立たなくすることができる。
図1に示すように、プロジェクター2は、それぞれ通信回線43を介してネットワーク5に接続されている。ここで、通信回線43はプロジェクター2をネットワーク5に有線接続するケーブルであってもよいし、プロジェクター2に外部接続または内蔵された無線通信モジュールにより形成される無線通信回線であってもよい。
ネットワーク5は、有線又は無線通信回線により構成されるLAN(Local Area Network)等の双方向通信可能なネットワークであり、各プロジェクター2が接続されている。
プロジェクター2は、遮光装置3による遮光量を、各々の遮光板31がどこまで進出するか、その先端の位置で表す。この遮光板31の先端の位置を、以下、遮光位置とする。この遮光位置は、後述するように、投射光学系25の位置に基づいて定められる。
図2に示したように複数のプロジェクター2を並べた場合、投射画像101〜104と、重畳領域111〜114との位置関係は、投射画像101〜104ごとに異なっている。例えば、プロジェクター2Aが投射する投射画像101は右端と下端が重畳領域となっており、プロジェクター2Dが投射する投射画像104は左端と上端が重畳領域となっている。このため、タイリングの境界を目立たなくするために好適な遮光位置は、プロジェクター2ごとに異なっており、一つのプロジェクター2においても遮光板31の辺ごとに異なっている。従って、各プロジェクター2が、マルチプロジェクションシステム1が有するプロジェクター2群の中における自己の位置に応じた遮光位置に合わせて、遮光装置3を調整することが望ましい。
遮光部30は、遮光板31の遮光位置を基準位置からの移動量で調整・管理する。例えば、遮光板31が投射光学系25の中心(投射光学系25が光を投射する領域の軸中心)から最も離れた位置が基準位置(位置0)とされ、遮光板31の位置は、上記基準位置から投射光学系25の中心に向けて移動した量により表される。この方法では、遮光板31の遮光位置は基準位置からの距離として絶対値で表される。これに対し、現在の遮光板31の位置からの移動量を指定して、遮光板31を移動させることも可能である。この方法では、指定される移動量が遮光板31の位置によらない相対的な値として扱われる。このように、遮光板31の移動を制御する方法は、相対的、絶対的どちらの方法を用いてもよい。
図3は、マルチプロジェクションシステム1の各部の機能的構成を示す図であり、プロジェクター2のハードウェア構成についても合わせて模式的に図示する。
画像処理装置10は、プロジェクター2によって投射する投射画像の画像データを取得する画像取得部11と、各々のプロジェクター2の投射位置が設定された投射位置設定部12と、重畳領域の位置および大きさが設定されたオーバーラップ量設定部13と、各々のプロジェクター2により投射する部分画像データを生成する部分画像生成部14と、を備える。
画像取得部11は、内蔵する記憶装置に記憶した画像データまたは外部の映像ソース機器から入力される画像データを取得する。マルチプロジェクションシステム1の各プロジェクター2には固有の識別情報が付与されており、投射位置設定部12には、各プロジェクター2の識別情報と、各プロジェクター2の位置関係が設定され、この設定状態を示す情報が投射位置設定部12からオーバーラップ量設定部13へ出力される。
オーバーラップ量設定部13には、各プロジェクター2の識別情報と、各プロジェクター2が投射する画像において、隣接するプロジェクター2の投射画像と重複する領域である重畳領域の位置及びサイズが対応付けて設定されている。この設定は、外部の装置からオーバーラップ量設定部13に予め入力され、オーバーラップ量設定部13が記憶していても良いし、投射位置設定部12から入力される情報に基づいてオーバーラップ量設定部13が算出する構成としてもよい。オーバーラップ量設定部13は、投射位置設定部12から入力される情報と、各プロジェクター2が投射する画像における重畳領域の位置及びサイズを示す情報とを、部分画像生成部14に出力する。
部分画像生成部14は、オーバーラップ量設定部13から入力される情報に基づいて、画像取得部11が取得した画像データをプロジェクター2の数に分割し、分割した各々の画像データを重畳領域の分だけ拡張して部分画像データを生成する。そして、部分画像生成部14は、生成した部分画像データを、各々のプロジェクター2に出力する。なお、個々のプロジェクター2に専用の画像送信ケーブル41がプロジェクター2の数だけ画像処理装置10に接続された構成としても良いし、複数のプロジェクター2が共通の画像送信ケーブル41を介して画像処理装置10に接続された構成としても良い。後者の構成では、画像処理装置10は、プロジェクター2の識別情報を付加して部分画像データを送信し、プロジェクター2は、自身の識別情報が付加された部分画像データのみを受信して投射すれば良い構成となっている。
プロジェクター2は、リフレクター23を備えたランプ22と、ランプ22が発した光を変調する光変調装置24と、光変調装置24によって変調された光をスクリーンSCに向けて投射する投射光学系25と、これらの各部を制御する制御装置21とを本体20に具備している。
光源としてのランプ22は、例えば、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED等を用いることができ、リフレクター23の他に、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群(図示略)、偏光板、補助リフレクター(図示略)等を備えたものとしてもよい。また、ランプ22及び光変調装置24の組み合わせによる構成を、レーザー光源とレーザー光を走査する走査機構とによって置き換えてもよい。
光変調装置24は、例えば、RGBの各色に対応した3枚の透過型または反射型の液晶ライトバルブを用いた方式、1枚の液晶ライトバルブとカラーホイールを組み合わせた方式、3枚のデジタルミラーデバイスを用いた方式、1枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせたDMD方式等により構成される。また、投射光学系25は、光変調装置24により変調されたRGB3色の変調光を合成するプリズム26と、プリズム26により合成された投射画像をスクリーンSCで結像させるレンズ27を備えている。プリズム26は光変調装置24の構成に合わせて、1または複数の光学プリズムやミラーを組み合わせて構成される。本実施形態では光変調装置24として3枚の液晶ライトバルブを備え、これら3枚の液晶ライトバルブにより変調された光をプリズム26で合成する構成とする。なお、光変調装置24として1枚のみの液晶ライトバルブまたはDMDを用いる場合には、プリズム26に相当する部材は不要である。
レンズ27は、例えば複数のレンズ群で構成され、フォーカスを調整する駆動機構(図示略)により駆動される。
そして、投射光学系25が投射光を投射する投射窓20Aの周辺には遮光板31が配置され、これら遮光板31を個々に駆動する遮光部30が設けられている。
制御装置21は、ネットワーク5に接続され、当該ネットワーク5を介して各種機器と所定の規格に準拠した通信を行う通信制御部212と、ランプ22に電力を供給してランプ22を点灯/消灯させる光源駆動部213と、CPUや、ROM、RAMその他の周辺回路を備え、プロジェクター2の各部を中枢的に制御する制御部211と、を備えている。制御部211は、光源駆動部213による本体20のランプ22の点灯/消灯の制御、光変調装置24における描画制御、及び、遮光部30による遮光制御等を行う。すなわち、制御部211は、プロジェクター2のスイッチがオンにされ、画像処理装置10から投射画像データが入力されると、ランプ22を点灯させる。制御部211は、通信制御部212により受信した制御情報に基づいて、プロジェクター2のカラーモードを設定し、設定したカラーモードで画像を投射するために光変調装置24の制御を行い、また、遮光部30により遮光板31の遮光位置を調整させるための制御を行う。
また、制御装置21は、画像処理装置10から入力される部分画像データを受信する画像受信部214と、画像受信部214が受信した部分画像データを解析して、光変調装置24の表示画素数に対応した投射画像データを生成し、この投射画像データに基づいて光変調装置24を駆動する駆動信号を生成する画像処理部217と、画像処理部217が生成した駆動信号に基づいて光変調装置24を駆動し、投射光を変調させる光変調装置駆動部218と、を備える。本実施形態では、光変調装置24と、光変調装置駆動部218とが協働して、光変調部として機能する。
また、制御装置21は、制御部211の制御に従って遮光部30を動作させるための駆動信号を生成するとともに、現在の遮光板31の遮光位置を記憶する遮光装置制御部219と、遮光装置制御部219が生成した駆動信号に基づいて遮光部30を駆動する遮光装置駆動部220と、を備えている。
遮光装置駆動部220は、上述した遮光部30が備えるステッピングモーター(図示略)に対して駆動パルスを出力することで、遮光装置3の遮光板31をスライド移動させるとともに、ステッピングモーターの動作量に基づいて遮光板31の位置を算出し、記憶する。なお、遮光部30がモーターまたはアクチュエーターと、遮光板31の位置を検出するリニアエンコーダーとを備えた構成としてもよく、この場合、遮光装置駆動部220は、遮光部30のモーターまたはアクチュエーターに駆動電流を供給するとともに、リニアエンコーダーにより遮光板31の位置を検出する。
また、制御部211には、入力部224が接続されている。入力部224は、プロジェクター2に設けられた各種操作スイッチに接続されており、操作スイッチに対する操作を検出し、制御部211に出力する。
また、制御部211には、各種データを書き換え可能に不揮発的に記憶する記憶部225が接続されている。この記憶部225には、後述する輝度調整パターンデータ400が記憶されている。
ところで、遮光板31は、重畳領域における投射画像の明るさを適切に調整し、これにより、重畳領域の見た目上の違和感を抑制することを目的としてプロジェクター2に設けられた部材である。
従って、投射画像において、遮光板31による遮光の影響を受ける領域(以下、「遮光影響領域」)は、重畳領域と一致し、これにより、重畳領域の全域に遮光影響領域が延在していることが求められる。
一方で、遮光板31は、プロジェクター2に対して物理的な機構を介して取り付けられた部材であるため、取り付け時の誤差等に起因して、遮光板31の状態として想定されている状態から、多少ずれた状態となっている場合がある。また、遮光板31を製造する過程で、何らかの原因により遮光板31自体に歪みや変形が生じる場合があり、また、プロジェクター2を使用する過程で、経年劣化等の何らかの原因で遮光板31自体に歪みや変形が生じる場合がある。
特に、上述したように、遮光板31は、板状の部材である。従って、プロジェクター2を使用する過程で、歪みや、欠損等が生じる場合が少なからずあるものと考えられる。
このように、遮光板31に歪み等が発生している場合、重畳領域と、遮光影響領域とが、一致しない事態が発生し得る。
図4は、遮光板31の歪み等に起因して、重畳領域と、遮光影響領域とに不一致が生じている状態の投射画像の様子の一例を模式的に示す図である。
なお、図4では、説明の便宜のため、投射画像の左辺LVに対応する重畳領域のみの様子を示している。
図4において、符号TAは、重畳領域を示しており、符号EAは、遮光影響領域を示している。
図4に示すように、遮光板31に歪み等が発生している場合、遮光影響領域EAの右方に形成される縁が、遮光板31等に応じて歪み、また、傾いた状態となり、これに起因して、重畳領域TA内に、遮光板31による遮光の影響を受けた遮光影響領域EAと、遮光板31による遮光の影響を受けていない無影響領域MAとが形成される。
これら遮光影響領域EAと、無影響領域MAとは、明るさの態様が異なった領域であるため、これら領域の境目Sに対応する部分には、明るさが滑らかに変化しない段差が生じた状態となり、これに起因して、境目Sに対応する位置に「ムラ」が生じた状態となる。そして、このような重畳領域TAにおけるムラは、重畳領域TAの見た目上の違和感の原因となる可能性がある。
これを踏まえ、本実施形態では、遮光板31に歪みが発生し、これに起因してムラが発生している場合であっても、画像処理部217によって画像データに対して所定の画像処理を施すことによって、簡易な手段で、ムラをできるだけ抑制し、ムラが目立たないようにしている。
図5は、画像受信部214から部分画像データを受信した後における画像処理部217の動作を示すフローチャートである。
以下の説明において、画像処理部217が備える歪み有無検出部227、及び、画像処理実行部228の機能は、CPUがプログラムを実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
また、以下の説明では、説明の便宜のため、投射画像には、4辺のうち所定の1辺に対応して重畳領域が形成されており、かつ、プロジェクター2には、当該重畳領域に対応して、所定の1つの遮光板31が設けられているものとする。従って、実際の処理では、図5に示す処理が、プロジェクター2が備える4つの遮光板31のそれぞれに対して行われることとなる。
図5に示すように、画像処理部217の歪み有無検出部227は、投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生しているか否かを判別する(ステップSA1)。
詳述すると、本実施形態に係るプロジェクター2では、ユーザーが目視によって、プロジェクター2が投射している投射画像における遮光影響領域に、歪み、傾きが発生しているか否かを確認し、歪み等の発生の有無について、操作スイッチを操作して入力可能な構成となっている。ここで、投射画像における遮光影響領域に、歪み、傾きが発生しているということは、遮光板31に上述したような歪み等が発生している、ということである。
そして、歪み有無検出部227は、ユーザーによる歪み等の発生の有無に関する入力に基づいて、遮光板31に歪み等が発生しているか否かを判別する。
なお、歪み有無検出部227は、以下のようにして投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生していることを判別するようにしてもよい。
すなわち、プロジェクター2に、スクリーンSCの投射面を撮影可能なカメラ等の撮像装置を接続し、歪み有無検出部227の制御の下、撮像装置による撮影が実行され、かつ、撮像装置によって撮影されて生成された撮像画像データが歪み有無検出部227に入力される構成とする。
そして、歪み有無検出部227は、遮光板31が適切な位置に配置されている状態で、制御部211と協働して、スクリーンSCにテストパターン投射画像を投射する。このテストパターン投射画像は、画像の全体が一様な輝度となっている。
次いで、歪み有無検出部227は、撮像装置を制御して、テストパターン投射画像が投射された状態のスクリーンSCを撮影させ、当該撮影に係る撮像画像データを取得する。
次いで、歪み有無検出部227は、取得した撮像画像データを、所定の座標系に展開する。
図6は撮像画像データを所定の座標系に展開した様子を模式的に示す図である。
図6に示す撮像画像データは、スクリーンSCに投射されたテストパターン投射画像の全域に対応したデータであるものとする。
図6では、スクリーンSCの左右方向が、座標のx軸方向に対応し、かつ、スクリーンSCの上下方向が、座標のy軸方向に対応した状態となっている。
歪み有無検出部227は、所定の座標系に展開した撮像画像データについて、重畳領域に対応する領域を特定する。本説明の例では、重畳領域は、投射画像の左辺に対応するもののみが存在することとし、図6では、領域taが、重畳領域に対応する領域であるものとする。
なお、歪み有無検出部227は、撮像画像データにおける重畳領域に対応する領域を、例えば、以下のようにして特定する。
すなわち、歪み有無検出部227は、オーバーラップ量設定部13と、画像送信ケーブル41を介して、データを送受信可能に構成されており、オーバーラップ量設定部13から、投射画像における重畳領域の位置、サイズを取得する。投射画像と、投射画像における重畳領域との関係は、撮像画像データの全領域と、撮像画像データにおける重畳領域に対応する領域との関係と一致するため、歪み有無検出部227は、投射画像における重畳領域の位置、サイズに基づいて、撮像画像データにおける重畳領域に対応する領域を特定する。
次いで、歪み有無検出部227は、図6に示すように、領域taの各辺のうち、辺h1の近傍において、y軸方向に沿って、所定の間隔で、複数の画素Pi(iは1〜nの整数)を抽出し、各画素の階調値(輝度の値)を取得する。なお図6において、ラインLiはx軸方向に平行なラインであり、ラインLiは画素Piを通るものとする。
ここで、遮光板31に歪み等が生じておらず、従って、投射画像において遮光影響領域に歪み等が生じていない場合は、ラインL1〜Lnに沿った重畳領域における投射画像の明るさは、それぞれ同様の傾向で左辺から右方向へ向かって暗くなっていくはずである。従って、面内の階調値が等しい画像データに基づいて投射画像を投射した場合、抽出した各画素P1〜Pnの階調値の値はほぼ一致するはずである。
しかしながら、投射画像において遮光影響領域に歪み等が生じている場合は、当該歪みに起因して、特に、辺h1付近の画像の明るさが右方向へ向かって同様の傾向では暗くならない。従って、面内の階調値が等しい画像データに基づいて投射画像を投射した場合であっても、抽出した各画素P1〜Pnの階調値の値が、許容される範囲を超えて、乖離している状態となる。
これを利用して、歪み有無検出部227は、抽出した各画素P1〜Pnについて、許容される範囲を超えて、階調値が乖離しているものが存在している場合は、投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生していると判別し、抽出した各画素P1〜Pnについて、それぞれの階調値が一致している場合、又は所定の範囲に収まっている場合は、投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生していないと判別する。
さて、前掲図5に戻り、ステップSA1において投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生しているか否かを判別した結果、歪み等が発生していないと判別した場合(ステップSA2:NO)、部分画像データに対して、歪み等に対応した画像処理を施す必要がないため、画像処理部217は、部分画像データに基づいて、駆動信号を生成し、光変調装置駆動部218に出力する(ステップSA3)。
一方で、投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生していると判別した場合(ステップSA2:YES)、画像処理部217の画像処理実行部228は、部分画像データに対して、所定の画像処理を実行する(ステップSA4)。
以下、ステップSA4における画像処理実行部228の動作について詳述する。
ここで、上述したように、投射画像の重畳領域におけるムラは、遮光影響領域に歪み等が発生していることに起因して、重畳領域に、遮光板31による遮光の影響を受けた遮光影響領域と、遮光板31による遮光の影響を受けていない無影響領域とが内在することに起因して発生する。
より具体的には、ムラは、遮光影響領域に比して無影響領域の明るさが相対的に明るく、これに伴って、これら領域の境目に、明るさが滑らかに変化しない段差が生じることに起因して発生する。
従って、境目の近傍における無影響領域の明るさを暗くし、遮光影響領域の明るさに近づけることによって、ムラが抑制され、ムラが目立たない状態となる。
これを踏まえ、本実施形態では、画像処理実行部228は、記憶部225に記憶された輝度調整パターンデータ400が示す輝度調整パターンに基づいて、少なくとも、これら領域の境目の近傍における無影響領域の明るさが暗くなるような画像処理を部分画像データに施し、これによりムラの抑制を実現している。
図7は、輝度調整パターンデータ400が示す輝度調整パターンを説明するための図であり、所定の座標系に展開した部分画像データを模式的に示している。
また、図7は、投射画像の左辺に対応する重畳領域におけるムラを抑制するような輝度調整パターンを示している。
図7に示すように、輝度調整パターンは、例えば、部分画像データにおける重畳領域と対応する領域ta1に含まれる画素について、一律に、各画素の輝度を示す階調値を20%減少させるようなパターンである。
図7に係る輝度調整パターンに基づいて、画像処理を実行した場合、部分画像データにおける重畳領域に対応する領域ta1の輝度が、一定の割合で一律に減少し、これにより、画像処理後の部分画像データに基づいて投射される投射画像の重畳領域の明るさが一律に減少する。これにより、投射画像の重畳領域における無影響領域と遮光影響領域との境目における明るさの差異が、画像処理を行わなかった場合と比較して、減少し、これにともなって境目のムラが抑制される。
この輝度調整パターンは、事前の実験や、シミュレーションに基づいて、予め適切な輝度調整パターンが設定される。
輝度調整パターンデータ400には、設定された輝度調整パターンに基づいた画像処理を行わせるための各種情報が画像処理実行部228により参照可能な態様で含まれており、画像処理実行部228は、輝度調整パターンデータ400を参照することにより、輝度調整パターンに準拠して、画像処理を実行可能である。
輝度調整パターンは、図7の例で示したように、投射画像の重畳領域における遮光影響領域と無影響領域との相対的な明るさの差を低減することを目的として、部分画像データの所定の領域の輝度を低減させる所定のパターンであるが、本実施形態では、閾値たる所定の低減率を超えて輝度を低減させないよう規定されている。例えば、50%を超えて輝度の低減が行われないよう規定されている。当該規定は、画像処理部217が、輝度調整パターンに準拠して、部分画像データの輝度を調整する際に、輝度調整パターンの内容にかかわらず、所定の閾値を下回るような低減率で輝度の調整を行わないようにすることにより、実現するようにしてもよい。
このような構成としたのは、重畳領域における明るさのムラを抑制することを目的として、重畳領域の明るさを低減する場合に、重畳領域の明るさを過度に低減してしまうと、逆に、遮光影響領域と、無影響領域との明るさの差が増大する結果を招く可能性があり、また、投射画像全体に対する重畳領域の相対的な明るさが不均一なものとなる可能性があるからである。
このように、図7の輝度調整パターンでは、部分画像データの領域のうち、重畳領域に対応する領域の輝度を減少させる。ここで、無影響領域と遮光影響領域との境界に係るムラは、重畳領域内に現出するため、このように、重畳領域に対応する領域に対して輝度の減少に係る画像処理を実行することにより、ムラを抑制するための輝度の調整が必要な範囲で行われることとなり、処理効率が向上すると共に、不必要な範囲に輝度の調整が行われることに起因して、画質や投射画像の見た目に悪影響が及ぶことを極力防止できる。
さらに、本実施形態では、投射画像における遮光影響領域に歪み等が発生している場合は、事前に設定された輝度調整パターンに準拠した画像処理が行われる。
ここで、上述したように、ムラは、無影響領域と遮光影響領域との境目に対応して発生するため、例えば、撮像装置で撮影されることによって生成された撮像画像データに基づいて、部分画像データにおいてムラに対応する領域を特定し、特定した領域に対してムラを抑制するような輝度の調整を行うようにすれば、輝度の調整を行う範囲がより限定され、輝度の調整を行うことによる悪影響を極力排除できる。また、ムラの状態、態様に応じて、輝度の調整の態様を変化させれば、実態に即した画像処理が行われることとなり、より効果的にムラを抑制できることとなる。しかしながら、このように部分画像データにおけるムラに対応する領域を特定したり、ムラの態様に応じて輝度の調整の態様を変化させるようにしたりした場合、これら処理が非常に複雑になると共に、処理を実行させるためのプログラム等の開発困難性が上がる結果を招く。さらに、例えば、ムラの態様に応じて輝度の調整の態様を変化させて部分画像データに対して画像処理を行った場合、「ムラの抑制」という効果を実際に実現するためには、画像処理後の部分画像データに基づいて投射される投射画像において、実際のムラの箇所と、投射画像においてムラに応じて輝度の調整を行った部分に対応する箇所とが非常に高い精度で一致している必要があり、実施の困難性が高く、また、プロジェクター2の物理的な構成部材の組み立てや、画像処理に非常に高い精度が求められる結果となる。
一方で、本実施形態では、事前に設定された輝度調整パターンに準拠した画像処理を行う、という上記に比べて非常に簡易な処理により、適切にムラを抑制可能であり、開発容易性が向上し、費用対効果の面で上記の場合と比較して非常に有利である。
さて、前掲図5を参照し、ステップSA4に対して部分画像データに対して、画像処理を施した後、画像処理部217は、部分画像データに基づいて、駆動信号を生成し、光変調装置駆動部218に出力する(ステップSA3)。
以上説明したように、本実施形態に係るマルチプロジェクションシステム1を構成するプロジェクター2は、投射光の周辺を遮光する遮光板31と、遮光板31の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、部分画像データに対して、輝度調整パターンに基づいて画像処理を施す画像処理部217と、画像処理部217により画像処理が施された部分画像データに基づいて、光変調をおこなう光変調部(光変調装置駆動部218、及び、光変調装置24)と、を備えている。
これによれば、画像処理部217によって、部分画像データに対して所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を行う、という簡易な処理を実行することにより、投射される投射画像について、重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態となる。すなわち、遮光板31の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラを、簡易な手段で、できるだけ抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、輝度調整パターンは、部分画像データにおける重畳領域に対応する領域を下げる画像処理を行わせるパターンである。
ここで、重畳領域内のムラは、重畳領域内に、遮光影響領域と、無影響領域とが内在し、これら領域の境目に、明るさが滑らかに変化しない段差が生じることに起因して発生する。
これを踏まえ、上記構成によれば、輝度調整パターンに基づいて、部分画像データに対して画像処理を施した場合、重畳領域の明るさが低下し、これにより、重畳領域内における遮光影響領域と、無影響領域との明るさの差が低減し、これにより、重畳領域における明るさのムラが抑制される。
また、本実施形態では、輝度調整パターンは、所定の低減率を下回って、部分画像データの輝度を落とさないように規定されている。
ここで、重畳領域における明るさのムラを抑制することを目的として、重畳領域の明るさを低減する場合に、重畳領域の明るさを過度に低減してしまうと、逆に、遮光影響領域と、無影響領域との明るさの差が増大する結果を招く可能性があり、また、投射画像全体に対する重畳領域の相対的な明るさが不均一なものとなる可能性がある。
これを踏まえ、上記構成によれば、重畳領域の明るさを過度に低減することに起因した悪影響を極力防止できる。
また、本実施形態では、遮光板31の状態に起因して重畳領域内に生じる明るさのムラには、遮光板31の形状に起因して生じるムラを含むことを特徴とする。
ここで、遮光板の形状に起因して生じるムラとは、経年劣化や、熱によって遮光板自体が変形し、これに起因して、重畳領域内に発生するムラのことである。
上述したように、遮光板31は、板状の部材であるため、プロジェクター2を使用する過程で、歪みや、欠損等が生じる場合も少なからずあるものと考えられる。
そして、上記構成によれば、遮光板自体が変形している状況下でも、効果的に重畳領域内におけるムラを抑制できる。
また、本実施形態では、遮光板31は、投射画像の各辺に対応して、設けられている。
これによれば、投射画像の辺のそれぞれに対応して形成されるそれぞれの重畳領域について、ムラを抑制しつつ、見た目上の違和感が発生することを効果的に抑制できる。特に、図1で示したように、マルチプロジェクションシステム1が多くのプロジェクター2によって構成されている場合に、見た目上の違和感が発生することをより効果的に抑制できる。
なお、本実施形態では、上述したマルチプロジェクションシステム1は、スクリーンSCの正面側にプロジェクター2を配置し、スクリーンSCの正面に投射画像を投射する構成として説明したが、本発明はこれに限定されず、各プロジェクター2をスクリーンSCの背面側に配置して、スクリーンSCの背面に投射画像を投射する構成としてもよい。
また、本実施形態では、プロジェクター2が投射画像の投射光を発する投射光学系25を備えた本体20の前面に、遮光板31を設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遮光板31をプロジェクター2の本体20に内蔵して、投射光学系25を通る投射光を遮る位置、或いは投射光学系25と投射窓20Aとの間に設けてもよい。また、遮光板31は、所定の方向にスライドするものであったが、奥行き方向(投射光が向かう方向に対応する方向)に移動可能な構成であってもよい。
さらに、マルチプロジェクションシステム1が備えるプロジェクター2の数は任意である。
また、本発明は、以下のような投射光学系を有するプロジェクター、及び、当該プロジェクターを備えるマルチプロジェクションシステムにも適用可能である。
すなわち、レンズと、反射ミラー(例えば、入射光の広角化が可能な曲面ミラー)と、を備え、レンズを介して入射した光を反射ミラーによって反射し、当該反射ミラーの反射光を、投射光として、スクリーンに投射する投射光学系を有するプロジェクターに対しても本発明を適用可能である。この場合、レンズと、反射ミラーとの間に遮光板を設ける構成としてもよく、また、反射ミラーの反射光を遮ることが可能な位置に遮光板を設ける構成としてもよい。
1…マルチプロジェクションシステム、2、2A、2B、2C、2D…プロジェクター、3…遮光装置、5…ネットワーク、21…制御装置、22…ランプ、23…リフレクター、24…光変調装置(光変調部)、25…投射光学系、26…プリズム、27…レンズ、30…遮光部、31…遮光板、100、101、102、103、104…投射画像、111、111、112、113、114…重畳領域、211…制御部、217…画像処理部、218…光変調装置駆動部(光変調部)、227…歪み有無検出部、228…画像処理実行部、400…輝度調整パターンデータ。

Claims (7)

  1. 複数のプロジェクターを備え、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように、前記複数のプロジェクターから投射画像に対応する投射光を投射するマルチプロジェクションシステムであって、
    前記プロジェクターは、
    投射光の周辺を遮光する遮光板と、
    前記遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を施す画像処理部と、
    前記画像処理部により画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなう光変調部と、を備えることを特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  2. 前記輝度調整パターンは、
    前記画像データにおける前記重畳領域に対応する領域の少なくとも一部の輝度を下げる画像処理を行わせるパターンであることを特徴とする請求項1に記載のマルチプロジェクションシステム。
  3. 前記輝度調整パターンは、
    所定の閾値を超えて、画像データの輝度を落とさないように規定されていることを特徴とする請求項2に記載のマルチプロジェクションシステム。
  4. 前記遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラには、前記遮光板の形状に起因して生じるムラを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のマルチプロジェクションシステム。
  5. 前記遮光板は、投射画像の各辺に対応して、設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のマルチプロジェクションシステム。
  6. 他のプロジェクターから投射される投射画像との間で重畳領域が形成されるように、投射画像に対応する投射光を投射するプロジェクターであって、
    投射光の周辺を遮光する遮光板と、
    前記遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を施す画像処理部と、
    前記画像処理部により画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなう光変調部と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
  7. 隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように、複数の前記プロジェクターから投射画像に対応する投射光を投射する画像投射制御方法であって、
    前記プロジェクターのそれぞれについて、
    投射光の周辺を遮光する遮光板の状態に起因して前記重畳領域内に生じる明るさのムラが抑制された状態で投射画像が投射されるように、画像データに対して、所定の輝度調整パターンに基づいて画像処理を施し、
    画像処理が施された画像データに基づいて、光変調をおこなうことを特徴とする画像投射制御方法。
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