JP2012004858A - マルチプロジェクションシステム、及び、画像投射制御方法 - Google Patents

マルチプロジェクションシステム、及び、画像投射制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のプロジェクターを用いて一つの画像を投射する際に、装置の複雑化や大型化を招く装備を用いることなく、高品位の画像を投射できるようにする。
【解決手段】複数のプロジェクター2からスクリーンSCに対し、隣接するプロジェクター2から投射される投射画像が重畳領域を形成するように投射するマルチプロジェクションシステム1は、単体のプロジェクター2の投射画像を撮影した撮影画像に基づいて、重畳領域の輝度の目標値を決定する輝度制御装置8を備え、プロジェクター2は、投射画像の外周から投射画像内の遮光位置までの範囲を遮光する遮光装置3と、重畳領域の輝度が輝度制御装置8により決定した目標値となるように遮光装置3を制御する制御装置21と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数のプロジェクターを備えたマルチプロジェクションシステム、及び、このマルチプロジェクションシステムにおける画像投射制御方法に関する。
従来、複数のプロジェクターにより1つの画像を投射するマルチプロジェクションシステムが知られている。この種のシステムでは、隣り合うプロジェクターの投射範囲の境界が目立たなくなるように投射範囲の一部を重複させる。ここで、重ね合わせ部分の輝度が他の部分よりも高くなってしまうことを避けるため、プロジェクターの光束の通過経路上に遮光板を設けて、重ね合わせ部に投射される光を減光する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の構成では、投影画像の全体を撮影し、この撮影画像全体において輝度が不均一な領域を検出して、検出した領域の輝度が均一になるよう遮光板を調整している。
特開2001−268476号公報
しかしながら、特許文献1記載の構成では複数のプロジェクターにより投影される広大な画像全体を撮影し、この撮影画像全体を解析する演算処理を行う必要があり、高機能の撮像装置と処理能力の高いハードウェアを必要とする。このため、システムの大型化、複雑化を招く可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、複数のプロジェクターを用いて一つの画像を投射する際に、装置の複雑化や大型化を招く装備を用いることなく、高品位の画像を投射できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複数のプロジェクターから投射面に対し、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように投射するマルチプロジェクションシステムであって、単体の前記プロジェクターの投射画像を撮影した撮影画像に基づいて、前記重畳領域の輝度の目標値を決定する輝度制御装置を備え、前記プロジェクターは、投射画像の外周から前記投射画像内の遮光位置までの範囲を遮光する遮光装置と、前記重畳領域の輝度が前記輝度制御装置により決定した目標値となるように前記遮光装置を制御する遮光制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数のプロジェクターにより画像を投射するマルチプロジェクションシステムにおいて、単体のプロジェクターの投射画像をもとに輝度調整の目標値を決定して遮光装置を制御する。これにより、プロジェクター単体の投射画像を撮影できる程度の撮像装置を利用し、その撮影画像を解析することで目標値を決定し、遮光装置を制御して、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。そして、広い範囲を撮影可能な特殊な撮像装置やデータ容量の大きい撮影画像を処理できる高度なハードウェアを用いる必要がないので、システムの大型化・複雑化を招くことなく実現可能である。
また、本発明は、上記マルチプロジェクションシステムにおいて、前記輝度制御装置は、前記撮影画像における前記重畳領域の輝度と前記重畳領域および前記重畳領域以外の非重畳領域の境界の輝度とを比較し、各輝度が所定割合になるように、前記重畳領域の輝度の目標値を決定することを特徴とする。
本発明によれば、重畳領域と非重畳領域との境界の輝度と、重畳領域の輝度とが所定の割合になるように、重畳領域の輝度の目標値が決定される。このため、単体のプロジェクターの投射画像をもとにして重畳領域の輝度の目標値を適切に決めることができる。そして、この目標値に基づき遮光装置を制御することで、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。
また、本発明は、上記マルチプロジェクションシステムにおいて、前記輝度制御装置は、前記重畳領域の輝度が前記境界の輝度の半分となるように、前記遮光装置を調整することを特徴とする。
本発明によれば、比較的狭い範囲の撮影画像をもとに負荷の軽い演算処理によって輝度の目標値を決定できる。また、遮光装置によって重畳領域の輝度が境界の半分の輝度になるように遮光されるので、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。
また、本発明は、上記マルチプロジェクションシステムにおいて、前記輝度制御装置は、前記撮影画像における前記重畳領域の輝度が遮光されない領域または遮光されない状態における輝度の半分となるように、前記重畳領域の輝度の目標値を決定することを特徴とする。
本発明によれば、比較的狭い範囲の撮影画像をもとに負荷の軽い演算処理によって輝度の目標値を決定できる。また、重畳領域の輝度が遮光されない状態または遮光されない領域の輝度の半分となるように遮光されるので、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。
また、本発明は、上記マルチプロジェクションシステムにおいて、前記輝度制御装置は、前記重畳領域の輝度と遮光されない領域または遮光されない状態における輝度とを比較し、各輝度が所定割合になるように、前記重畳領域の輝度の目標値を決定することを特徴とする。
本発明によれば、遮光されない領域または遮光されない状態の輝度と、重畳領域輝度とが所定の割合になるように、重畳領域の輝度の目標値が決定される。このため、単体のプロジェクターの投射画像をもとにして重畳領域の輝度の目標値を適切に決めることができる。そして、この目標値に基づき遮光装置を制御することで、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。
また、本発明は、上記マルチプロジェクションシステムにおいて、前記輝度制御装置の制御に従って、単体の前記プロジェクターが前記投射面に投射した投射画像を撮影し、撮影画像を出力する撮像装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、撮像装置を備えることでプロジェクター単体による投射画像の撮影と、この撮影画像に基づく輝度の目標値の決定とを速やかに連動して実行できる。これにより、ほぼリアルタイムで重畳領域の輝度の目標値を決定できるので、投射画像の輝度を速やかに調整できる。このため、投射画像の撮影、輝度の目標値の決定および遮光装置の調整を繰り返し実行して、高精度で輝度を調整することも可能となる。
上記課題を解決するため、本発明は、複数のプロジェクターから投射面に対し、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように投射を行わせる画像投射制御方法であって、単体の前記プロジェクターの投射画像を撮影した撮影画像に基づいて、前記重畳領域の輝度の目標値を決定し、前記プロジェクターにより、投射画像の外周から前記投射画像内の遮光位置までの範囲を遮光する遮光装置を、前記重畳領域の輝度が前記輝度制御装置により決定した目標値となるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、複数のプロジェクターにより画像を投射する場合に、単体のプロジェクターの投射画像をもとに輝度調整の目標値を決定して遮光装置を制御する。これにより、プロジェクター単体の投射画像を撮影できる程度の撮像装置を利用し、その撮影画像を解析することで目標値を決定し、遮光装置を制御して、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。そして、広い範囲を撮影可能な特殊な撮像装置やデータ容量の大きい撮影画像を処理できる高度なハードウェアを用いる必要がないので、システムの大型化・複雑化を招くことなく実現可能である。
本発明によれば、システムの大型化・複雑化を招かずに実現可能な構成により、複数のプロジェクターを用いて、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。
実施形態のマルチプロジェクションシステムの概略構成を示す図である。 マルチプロジェクションシステムによる投射態様を模式的に示す図である。 マルチプロジェクションシステムの各部の機能的構成を示す図である。 マルチプロジェクションシステムの動作を示すフローチャートである。 プロジェクターにより投射されるテストパターン画像を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係るマルチプロジェクションシステム1の概略構成を示す図である。
この図1に示すマルチプロジェクションシステム1は、複数のプロジェクター2をスクリーンSCに正対させて並べて配置し、これら複数のプロジェクター2による投射画像を組み合わせて、タイリング表示による一つの大画面画像をスクリーンSC上に投射するシステムである。
マルチプロジェクションシステム1が備える各プロジェクター2には、投射される画像の画像データをプロジェクター2に出力する画像処理装置10が、画像送信ケーブル41を介して接続される。画像処理装置10は、マルチプロジェクションシステム1により投射される上記大画面画像の原画像をプロジェクター2の数に対応するブロックに分割し、各プロジェクター2が投射すべきブロック画像データを生成する。そして、画像処理装置10は生成した各ブロック画像データを、そのブロックに対応する位置に配置されたプロジェクター2に対し、画像送信ケーブル41を介して出力する。このため、各々のプロジェクター2は、画像処理装置10から入力される画像データを投射するだけで、マルチプロジェクションシステム1全体としてタイリングによる画像投射を行える。
図2は、複数のプロジェクター2を用いた投射態様を模式的に示す図である。
この図2には、4台のプロジェクター2を用い、タイリングによってスクリーンSC(投射面)に一つの投射画像100を投射する場合を例示する。この例では、スクリーンSCの左上にプロジェクター2Aが投射し、スクリーンSCの右上にプロジェクター2Bが、左下にプロジェクター2Cが、右下にプロジェクター2Dが投射する。ここで、タイリングによる境界がスクリーンSCで目立たないように、各プロジェクター2A,2B,2C,2Dが投射する投射画像は少しずつ重ね合わされる。すなわち、プロジェクター2Aが投射する投射画像101と、その右隣にプロジェクター2Bが投射する投射画像102とは、図中に示すように互いの縁が重ね合わされ、重畳領域111が形成されている。同様に、プロジェクター2Cが投射する投射画像103と、プロジェクター2Cの右隣のプロジェクター2Dによる投射画像104とは重畳領域112を形成するよう重ねられる。さらに、投射画像は上下方向にも重ね合わされ、重畳領域113、114が形成される。
スクリーンSC上において各プロジェクター2A,2B,2C,2Dが画像を投射する範囲は、スクリーンSCと各プロジェクター2A,2B,2C,2Dとの距離、隣接するプロジェクター2どうしの間隔、及び、スクリーンSCに対する各プロジェクター2A,2B,2C,2Dの光軸の角度により決定される。つまり、各プロジェクター2A,2B,2C,2DはスクリーンSC上で重畳領域111〜114を形成する位置及び角度に、予め設置されている。
画像処理装置10は、投射画像100を4台のプロジェクター2A,2B,2C,2Dで投射するため、投射画像100を4つのブロックに分割する。ここで、重畳領域111〜114が形成されることを加味し、投射画像100の4分の1よりも大きい範囲が、各々のプロジェクター2A,2B,2C,2Dに割り当られる。そして、画像処理装置10は、各プロジェクター2A,2B,2C,2Dの割り当て分のブロック画像データを、画像送信ケーブル41を介して各プロジェクター2A,2B,2C,2Dに出力する。
画像処理装置10は、投射画像101と投射画像102とが、重畳領域111において同じ画像となるようにブロック画像データを生成するので、重畳領域111には他の部分と同様の鮮明な画像が投射されている。重畳領域112〜114でも同様である。しかしながら、重畳領域111〜114では、複数のプロジェクター2から投射された光が合成されているので、光量が他の部分(重畳領域以外の領域=非重畳領域)より多く、結果として重畳領域111〜114の輝度が他の部分より高くなる。これでは各プロジェクター2の投射画像の境界が目立ってしまうので、マルチプロジェクションシステム1は、重畳領域111〜114の輝度を他の部分と同程度に抑えるため、プロジェクター2に遮光装置3を設けている。
すなわち、図1に示すように、プロジェクター2は、投射光を出力する投射光学系25の周囲に配置された複数の遮光板31と、これら遮光板31を駆動する遮光部30とを有する遮光装置3を備えている。遮光板31は、不透明または透光性の低い矩形の板であり、プロジェクター2が投射する矩形の投射画像の各辺に対応して4枚設けられている。各々の遮光板31は、遮光部30により独立してスライドされ、投射光学系25の前側に進出して投射画像を遮ることも、投射画像に影響を与えないように投射光学系25を遮らない退避位置まで後退させることも可能である。複数の遮光板31によって、投射光学系25からの光が通過可能な投射窓20Aが形成される。
遮光部30は、4枚の遮光板31を各々独立してスライド移動させるステッピングモーター(図示略)及びギア機構(図示略)を備えている。遮光板31がスライド移動可能な範囲は特に制限されないが、本実施形態では、遮光部30により、4枚の矩形の遮光板31を投射光学系25を完全に遮らない位置まで後退させ、投射画像を全く遮らない状態とすることもできる。また、遮光部30により、遮光板31を投射光学系25(レンズ27)の中央付近まで進出させて投射画像をほぼ完全に遮ってしまうこともできる。
プロジェクター2は、遮光部30によって遮光板31を投射光学系25を遮るように移動させることで、投射光学系25から投射される光の一部を遮って、投射画像の周縁部を遮光する。これにより、各プロジェクター2の投射画像の周縁の光量を減らして、図2に示した重畳領域111〜114の輝度を他の部分と同程度に抑え、タイリングの境界を目立たなくすることができる。ここで、遮光板31の位置が適切でないと、遮光量が過大となって、重畳領域が非重畳領域よりも暗くなる等、かえって投射画像の品位を低下させる可能性がある。そこで、マルチプロジェクションシステム1では、遮光装置3による遮光量が適正になるよう、後述する輝度制御装置8の機能により、重畳領域の輝度の目標値を非重畳領域の輝度の半分に設定し、この目標値に合わせて遮光装置3を調整する。
図1に示すように、プロジェクター2は、それぞれ通信回線43を介してネットワーク5に接続されている。ここで、通信回線43はプロジェクター2をネットワーク5に有線接続するケーブルであってもよいし、プロジェクター2に外部接続または内蔵された無線通信モジュールにより形成される無線通信回線であってもよい。
ネットワーク5は、有線又は無線通信回線により構成されるLAN(Local Area Network)等の双方向通信可能なネットワークであり、各プロジェクター2とともに、輝度制御装置8が接続されている。
輝度制御装置8は、各々のプロジェクター2とネットワーク5を介して通信を実行し、遮光装置3による遮光量を調整させる装置である。輝度制御装置8は、図2に示した重畳領域111〜114の輝度が、重畳領域以外の領域(非重畳領域)の輝度と視認できる差を生じないように、プロジェクター2に対して遮光装置3の動作を指示する制御情報を送信する。
マルチプロジェクションシステム1は、カメラ9を利用したプロセスによって遮光装置3を調整する。カメラ9は、輝度制御装置8に対して、USB(Universal Serial Bus)ケーブル45を介して接続されている。カメラ9は、輝度制御装置8の制御に従って、スクリーンSCにおいてプロジェクター2が投射画像を投射する範囲を撮影し、撮影画像を輝度制御装置8に出力するデジタルスチルカメラである。
カメラ9と輝度制御装置8は、双方向通信可能な通信回線により接続され、USBケーブル45に限らず有線又は無線の各種通信回線を用いることができ、例えば、IEEE1394規格に準じたケーブルや、Bluetooth(登録商標)、Wireless USB、無線LAN等の無線通信手段を利用できる。
輝度制御装置8は、プロジェクター2がスクリーンSCに投射している状態でカメラ9に撮影を実行させ、カメラ9から撮影画像データが入力されると、入力された撮影画像データを解析して重畳領域の輝度の目標値を決定する。次に、輝度制御装置8は、決定した目標の輝度と、撮影画像における重畳領域の輝度とを比較して、比較結果に基づき遮光装置3の遮光量を増大させるか低減させるかを決定してプロジェクター2に指示を送信する。この指示に従ってプロジェクター2が遮光装置3を調整した後、輝度制御装置8は上記の動作を繰り返し、撮影画像において重畳領域の輝度が好ましい状態になったら、調整を終了する。このプロセスは、プロジェクター2ごとに順次実行される。つまり、輝度制御装置8は、マルチプロジェクションシステム1が有する複数のプロジェクター2の中から、調整対象のプロジェクター2を選んで投射を行わせ、このプロジェクター2の投射画像をカメラ9で撮影する。
カメラ9は、マルチプロジェクションシステム1が備える各々のプロジェクター2が単体で投射する投射画像を撮影するので、カメラ9の画角は、一つのプロジェクター2が単体で投射画像を投射した場合の投射範囲をカバーできる程度であればよい。また、多数の撮影対象のプロジェクター2に対応するため、調整対象のプロジェクター2に合わせてカメラ9の向きを変えられる構成となっている。或いは、カメラ9がスクリーンSC全体を撮影するのに十分な画角と撮影解像度を有する構成として、カメラ9により常にスクリーンSC全体を撮影し、この撮影画像から、対象のプロジェクター2が単体で投射した投射画像を含む領域の画像のみをトリミングしてもよい。
プロジェクター2は、遮光装置3による遮光量を、各々の遮光板31がどこまで進出するか、その先端の位置で表す。この遮光板31の先端の位置を、以下、遮光位置とする。この遮光位置は、後述するように、投射光学系25の位置に基づいて定められる。
図2に示したように複数のプロジェクター2を並べた場合、投射画像101〜104と、重畳領域111〜114との位置関係は、投射画像101〜104ごとに異なっている。例えば、プロジェクター2Aが投射する投射画像101は右端と下端が重畳領域となっており、プロジェクター2Dが投射する投射画像104は左端と上端が重畳領域となっている。このため、タイリングの境界を目立たなくするために好適な遮光位置は、プロジェクター2ごとに異なっており、一つのプロジェクター2においても遮光板31の辺ごとに異なっている。従って、各プロジェクター2が、マルチプロジェクションシステム1が有するプロジェクター2群の中における自己の位置に応じた遮光位置に合わせて、遮光装置3を調整することが望ましい。
遮光部30は、遮光板31の遮光位置を基準位置からの移動量で調整・管理する。例えば、遮光板31が投射光学系25の中心(投射光学系25が光を投射する領域の軸中心)から最も離れた位置が基準位置(位置0)とされ、遮光板31の位置は、上記基準位置から投射光学系25の中心に向けて移動した量により表される。この方法では、遮光板31の遮光位置は基準位置からの距離として絶対値で表される。これに対し、現在の遮光板31の位置からの移動量を指定して、遮光板31を移動させることも可能である。この方法では、指定される移動量が遮光板31の位置によらない相対的な値として扱われる。このように、遮光板31の移動を制御する方法は、相対的、絶対的どちらの方法を用いてもよい。
図3は、マルチプロジェクションシステム1の各部の機能的構成を示す図であり、プロジェクター2のハードウェア構成についても合わせて模式的に図示する。
画像処理装置10は、プロジェクター2によって投射する投射画像の画像データを取得する画像取得部11と、各々のプロジェクター2の投射位置が設定された投射位置設定部12と、重畳領域の位置および大きさが設定されたオーバーラップ量設定部13と、各々のプロジェクター2により投射するブロック画像データを生成する分割画像生成部14と、を備える。
画像取得部11は、内蔵する記憶装置に記憶した画像データまたは外部の映像ソース機器から入力される画像データを取得する。マルチプロジェクションシステム1の各プロジェクター2には固有の識別情報が付与されており、投射位置設定部12には、各プロジェクター2の識別情報と、各プロジェクター2の位置関係が設定され、この設定状態を示す情報が投射位置設定部12からオーバーラップ量設定部13へ出力される。
オーバーラップ量設定部13には、各プロジェクター2の識別情報と、各プロジェクター2が投射する画像において、隣接するプロジェクター2の投射画像と重複する領域(重畳領域)の位置及びサイズが対応付けて設定されている。この設定は、外部の装置からオーバーラップ量設定部13に予め入力され、オーバーラップ量設定部13が記憶していても良いし、投射位置設定部12から入力される情報に基づいてオーバーラップ量設定部13が算出する構成としてもよい。オーバーラップ量設定部13は、投射位置設定部12から入力される情報と、各プロジェクター2が投射する画像における重畳領域の位置及びサイズを示す情報とを、分割画像生成部14に出力する。
分割画像生成部14は、オーバーラップ量設定部13から入力される情報に基づいて、画像取得部11が取得した画像データをプロジェクター2の数に分割し、分割した各々の画像データを重畳領域の分だけ拡張してブロック画像データを生成する。そして、分割画像生成部14は、生成したブロック画像データを、各々のプロジェクター2に出力する。なお、画像処理装置10に個々のプロジェクター2に専用の画像送信ケーブル41がプロジェクター2の数だけ接続された構成としても良いし、複数のプロジェクター2が共通の画像送信ケーブル41を介して画像処理装置10に接続された構成としても良い。後者の構成では、画像処理装置10は、プロジェクター2の識別情報を付加してブロック画像データを送信し、プロジェクター2は、自身の識別情報が付加されたブロック画像データのみを受信して投射すれば良い構成となっている。
プロジェクター2は、リフレクター23を備えたランプ22と、ランプ22が発した光を変調する光変調装置24と、光変調装置24によって変調された光をスクリーンSCに向けて投射する投射光学系25と、これらの各部を制御する制御装置21とを本体20に具備している。
光源としてのランプ22は、例えば、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED等を用いることができ、リフレクター23の他に、投射光の光学特性を高めるためのレンズ群(図示略)、偏光板、補助リフレクター(図示略)等を備えたものとしてもよい。また、ランプ22及び光変調装置24の組み合わせによる構成を、レーザー光源とレーザー光を走査する走査機構とによって置き換えてもよい。
光変調装置24は、例えば、RGBの各色に対応した3枚の透過型または反射型の液晶ライトバルブを用いた方式、1枚の液晶ライトバルブとカラーホイールを組み合わせた方式、3枚のデジタルミラーデバイスを用いた方式、1枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせたDMD方式等により構成される。また、投射光学系25は、光変調装置24により変調されたRGB3色の変調光を合成するプリズム26と、プリズム26により合成された投射画像をスクリーンSCで結像させるレンズ27を備えている。プリズム26は光変調装置24の構成に合わせて、1または複数の光学プリズムやミラーを組み合わせて構成される。本実施形態では光変調装置24として3枚の液晶ライトバルブを備え、これら3枚の液晶ライトバルブにより変調された光をプリズム26で合成する構成とする。なお、光変調装置24として1枚のみの液晶ライトバルブまたはDMDを用いる場合には、プリズム26に相当する部材は不要である。
レンズ27は、例えば複数のレンズ群で構成され、フォーカスを調整する駆動機構(図示略)により駆動される。
そして、投射光学系25が投射光を投射する投射窓20Aの周辺には遮光板31が配置され、これら遮光板31を個々に駆動する遮光部30が設けられている。
制御装置21は、通信回線43に接続され、輝度制御装置8から送信された制御情報を受信する通信制御部212と、ランプ22に電力を供給してランプ22を点灯/消灯させる光源駆動部213と、通信制御部212が受信した制御情報に基づいて各部を制御する制御部211と、を備えている。制御部211は、光源駆動部213による本体20のランプ22の点灯/消灯の制御、光変調装置24における描画制御、及び、遮光部30による遮光制御等を行う。すなわち、制御部211は、プロジェクター2のスイッチがオンにされ、画像処理装置10から投射画像データが入力されると、ランプ22を点灯させる。制御部211は、通信制御部212により受信した制御情報に基づいて、プロジェクター2のカラーモードを設定し、設定したカラーモードで画像を投射するために光変調装置24の制御を行い、また、遮光部30により遮光板31の遮光位置を調整させるための制御を行う。
また、制御装置21は、画像処理装置10から入力されるブロック画像データを受信する画像受信部214と、画像受信部214が受信したブロック画像データを解析して、光変調装置24の表示画素数に対応した投射画像データを生成し、この投射画像データに基づいて光変調装置24を駆動する駆動信号を生成する画像処理部217と、画像処理部217が生成した駆動信号に基づいて光変調装置24を駆動し、投射光を変調させる光変調装置駆動部218と、を備える。
また、制御装置21は、制御部211の制御に従って遮光部30を動作させるための駆動信号を生成するとともに、現在の遮光板31の遮光位置を記憶する遮光装置制御部219と、遮光装置制御部219が生成した駆動信号に基づいて遮光部30を駆動する遮光装置駆動部220と、を備えている。これら制御部211、遮光装置制御部219及び遮光装置駆動部220が動作することにより、制御装置21は遮光制御装置として機能する。
遮光装置駆動部220は、上述した遮光部30が備えるステッピングモーター(図示略)に対して駆動パルスを出力することで、遮光装置3の遮光板31をスライド移動させるとともに、ステッピングモーターの動作量に基づいて遮光板31の位置を算出し、記憶する。なお、遮光部30がモーターまたはアクチュエーターと、遮光板31の位置を検出するリニアエンコーダーとを備えた構成としてもよく、この場合、遮光装置駆動部220は、遮光部30のモーターまたはアクチュエーターに駆動電流を供給するとともに、リニアエンコーダーにより遮光板31の位置を検出する。
ところで、輝度制御装置8による遮光装置3の遮光位置の調整を行う場合、画像処理装置10は、プロジェクター2に対してテストパターン画像120の画像データを出力する。このテストパターン画像120の画像データは、画像処理装置10が予め記憶しており、輝度制御装置8から画像処理装置10に対して遮光装置3の調整が指示された場合にプロジェクター2へ出力される。
図4は、遮光装置3の調整に係るマルチプロジェクションシステム1の動作を示すフローチャートである。また、図5は、図4の動作でプロジェクター2によりスクリーンSCに投射されるテストパターン画像120を示す図である。
テストパターン画像120は、プロジェクター2がブロック画像データを投射する場合と同サイズの画像である。テストパターン画像120を用いた調整のプロセスでは、テストパターン画像120における輝度を比較して処理を行うため、テストパターン画像120としては、例えば全体が一様な輝度となっている画像が好ましい。
図5中、プロジェクター2の投射画像における重畳領域と非重畳領域との境界を、破線で示す。境界131は右隣のプロジェクター2との重畳領域と、非重畳領域との境界を示し、境界131の右側が重畳領域に相当する。境界132は左隣のプロジェクター2との重畳領域と非重畳領域との境界を示し、境界133は上側のプロジェクター2との重畳領域と非重畳領域との境界を示し、境界134は下側のプロジェクター2との重畳領域と非重畳領域との境界を示している。
また、境界131、132、133、134の上には、それぞれ検出点121、122、123、124が配置される。検出点121〜124は、境界131〜134の輝度を検出する場合の検出点であり、単なる点でなく所定の面積の領域であってもよい。また、テストパターン画像120の上下左右の重畳領域となる箇所には検出点126、127、128、129が配置される。検出点126〜129は、重畳領域の輝度を検出する場合の検出点であり、単なる点でなく所定の面積の領域であってもよい。
なお、テストパターン画像120を撮影した撮影画像中の境界131〜134、検出点121〜124、126〜129の位置は、カメラ9の画角や解像度と対応付けて予め輝度制御装置8が記憶していてもよいし、輝度制御装置8が撮影画像から境界131〜134、検出点121〜124、126〜129を随時特定する処理を行ってもよい。
プロジェクター2が備える遮光装置3は、矩形の投射画像の4辺に対応する4枚の遮光板31を、各々独立して動作させて遮光量を調整できる。このため、輝度制御装置8は、遮光装置3の遮光量の調整を、矩形の投射画像の辺ごとに行う。すなわち、輝度制御装置8は、スクリーンSCに投影された矩形のテストパターン画像120の全体をカメラ9により撮影させ、この撮影画像においてテストパターン画像120の一辺を選択し、この辺の重畳領域の輝度を調整する処理を行う。また、調整対象のプロジェクター2の投射画像において、上下左右の少なくともいずれかの辺で重畳領域がない場合、輝度制御装置8は、重畳領域がない辺は遮光量の調整の対象としない。調整対象のプロジェクター2の投射画像における重畳領域に関する情報は、画像処理装置10が記憶しているので、画像処理装置10から輝度制御装置8へ、調整対象のプロジェクター2が形成する重畳領域を示す制御情報を送信してもよい。また、画像処理装置10がプロジェクター2に出力するテストパターン画像120自体に、そのプロジェクター2が各辺に形成する重畳領域の位置や重畳領域の有無を示す記号等(画像)を埋め込んで、輝度制御装置8が撮影画像から上記記号等(画像)を検出してもよい。
まず、輝度制御装置8は、調整開始の指示と調整対象のプロジェクター2を指定する情報とを含む制御情報を、画像処理装置10に送信する(ステップS11)。画像処理装置10は、輝度制御装置8が送信した制御情報を受信してプロジェクター2にテストパターン画像120の画像データを出力し、プロジェクター2は、入力された画像データに基づいて、テストパターン画像120をスクリーンSCに投射する(ステップS12)。ここでスクリーンSCには、調整対象の一台のプロジェクター2のみが投射を行っている。また、テストパターン画像120の投射開始時には、遮光装置3の遮光板31は投射窓20Aから外れた退避位置にあるものとする。
続いて、輝度制御装置8はカメラ9を制御して、スクリーンSCに投射されたテストパターン画像120を撮影させ、撮影画像の画像データがカメラ9から輝度制御装置8に入力される(ステップS13)。輝度制御装置8は、カメラ9の撮影画像から、調整対象の辺の重畳領域について、その重畳領域と非重畳領域との境界の輝度を検出する(ステップS14)。輝度制御装置8は、検出した境界の輝度の半分の値を算出して、算出した値を重畳領域の輝度の目標値として決定する(ステップS15)。
次に、輝度制御装置8は、カメラ9の撮影画像から、調整対象の辺の重畳領域の輝度を検出する(ステップS16)。
輝度制御装置8は、目標値Xの輝度と重畳領域の輝度Yとを比較し(ステップS17)、「目標値X<検出した輝度Y」が成立する場合、遮光装置3の遮光量の増大を指示する制御情報を調整対象のプロジェクター2に送信する(ステップS18)。最初に本処理を行う場合は遮光板31が退避位置にあって遮光されていないので、重畳領域の輝度Yは目標値Xより高い(明るい)。このため、ステップS18で、調整対象の重畳領域に対応する遮光板31の遮光位置を投射窓20Aの中央寄りに移動させ、遮光装置3の遮光量を増大させるよう、制御がなされる。
その後、輝度制御装置8はステップS13に戻り、再びカメラ9により撮影を実行させ、ステップS14で境界の輝度を検出し、ステップS15で目標値Xを決定し、ステップS16で重畳領域の輝度を検出し、ステップS17で輝度を比較する。
また、ステップS17で目標値Xの輝度と重畳領域の輝度Yとを比較した際に、「目標値X>検出した輝度Y」が成立する場合には、調整対象の重畳領域の輝度が目標値より低い(暗い)ことになる。このため、輝度制御装置8は、遮光装置3の遮光量の低減を指示する制御情報を調整対象のプロジェクター2に送信する(ステップS19)。これにより、遮光装置3の遮光量を高めすぎて重畳領域が暗くなった場合は、遮光量が調整される。その後、輝度制御装置8はステップS13に戻ってカメラ9による撮影を行わせ、ステップS13〜S17の処理を繰り返す。
そして、ステップS17で目標値Xの輝度と重畳領域の輝度Yとが一致またはほぼ一致した場合、調整対象の重畳領域の輝度が目標値に達しているので、輝度制御装置8は遮光装置3における遮光量すなわち遮光板31の遮光位置を、調整対象のプロジェクター2の識別情報に対応付けて記憶し(ステップS20)、本処理を終了する。なお、遮光装置3の遮光量(遮光位置)は、調整対象のプロジェクター2自身が記憶してもよい。
以上の動作を、図5を参照して説明すると、まず、ステップS12で調整対象のプロジェクター2によってテストパターン画像120がスクリーンSCに投射され、ステップS13でカメラ9によりテストパターン画像120が撮影される。例えば投射画像の右端の重畳領域を調整対象としている場合には、ステップS14で輝度制御装置8により境界131上の検出点121の輝度が検出され、ステップS15で重畳領域の輝度の目標値Xが、検出点121の輝度の半分の値に決定される。
さらに、ステップS16で、輝度制御装置8により、調整対象の重畳領域の検出点126の輝度が検出され、この検出点126の輝度と目標値XとがステップS17で比較される。この比較において、検出点126の輝度が目標値Xより高い場合はステップS18でプロジェクター2によって遮光装置3の遮光量が増大され、ステップS13で再び撮影が行われる。また、検出点126の輝度が目標値Xより低い場合はステップS19でプロジェクター2によって遮光装置3の遮光量が低減され、ステップS13で再び撮影が行われる。そして、検出点126の輝度が目標値Xと一致し、或いは、目標値との差が予め設定された値以下となった場合には、調整が終了する。
以上のように、本発明を適用した実施形態に係るマルチプロジェクションシステム1は、複数のプロジェクター2からスクリーンSCに対し、隣接するプロジェクター2から投射される投射画像が重畳領域を形成するように投射するマルチプロジェクションシステム1であって、単体のプロジェクター2の投射画像を撮影した撮影画像に基づいて、重畳領域の輝度の目標値を決定する輝度制御装置8を備え、プロジェクター2は、投射画像の外周から投射画像内の遮光位置までの範囲を遮光する遮光装置3と、重畳領域の輝度が輝度制御装置8により決定した目標値となるように遮光装置3を制御する制御装置21と、を備える。この構成により、輝度制御装置8が、単体のプロジェクター2が投射したテストパターン画像120をもとに輝度調整の目標値を決定して遮光装置3を制御する。これにより、プロジェクター2単体の投射画像を撮影できる程度のカメラ9を利用し、その撮影画像を解析することで目標値を決定し、遮光装置3を制御して、重畳領域の輝度を良好に調整することができ、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。このマルチプロジェクションシステム1は、広い範囲を撮影可能な特殊な撮影装置やデータ容量の大きい撮影画像を処理できる高度なハードウェアを用いる必要がないので、システムの大型化・複雑化を招くことなく実現可能である。
また、輝度制御装置8は、カメラ9の撮影画像における重畳領域の輝度と重畳領域および非重畳領域の境界の輝度とを比較し、各輝度が所定割合になるように、重畳領域の輝度の目標値を決定するので、単体のプロジェクター2の投射画像をもとにして重畳領域の輝度の目標値を適切に決めることができる。そして、この目標値に基づき遮光装置3を制御することで、重畳領域が目立たない高品位の画像を投射できる。特に、輝度制御装置8は、重畳領域の輝度が境界の輝度の半分となるように、遮光装置3を調整するので、比較的狭い範囲の撮影画像をもとに負荷の軽い演算処理によって輝度の目標値を決定できる。
また、輝度制御装置8が、重畳領域の輝度を、テストパターン画像120の周縁部である境界の輝度に基づいて調整するので、重畳領域の輝度をより自然に調整できるという利点がある。すなわち、プロジェクター2の投射光の輝度は、わずかではあるが中央が高く周縁部が低いという傾向がある。重畳領域はテストパターン画像120の周縁部にあるから、上記の方法で重畳領域に近い境界の輝度を基準とする方が、テストパターン画像120の中央を基準とするよりも重畳領域と非重畳領域との輝度の差が小さくなり、より自然で高品位な画像を投射できる。
さらに、輝度制御装置8は、目標値と重畳領域の輝度とを比較した結果に基づいて遮光量を増大または低減させた後に、カメラ9により再び撮影を行わせ、目標値の決定から比較までの処理を繰り返し実行する。つまり、遮光量を調整するごとに撮影を行い、新たな撮影画像に基づいて目標値を決定して、重畳領域の輝度を調整する。このため、遮光量を変えたことによる境界の輝度の変化を反映して重畳領域の輝度が調整されるので、境界の輝度と重畳領域の輝度との差がより小さくなり、重畳領域がより一層目立ちにくく、高品位な画像を投射できる。
また、上記実施形態では、投射画像の右端の重畳領域を調整する場合に検出点121の輝度に基づいて目標値を決め、検出点126の輝度と比較していた。同様に、投射画像の左端の重畳領域を調整する場合には検出点122の輝度に基づいて目標値を決め、検出点127の輝度と比較すればよく、投射画像の上側の重畳領域を調整する場合には検出点123の輝度に基づいて目標値を決め、検出点128の輝度と比較すればよく、投射画像の下側の重畳領域を調整する場合には検出点124の輝度に基づいて目標値を決め、検出点128の輝度と比較すればよい。
なお、上記実施形態では、重畳領域と非重畳領域との境界の輝度をもとに重畳領域の輝度の目標値を決定する場合を例に挙げて説明したが、遮光されない領域または遮光されない状態における輝度をもとに目標値を決定して調整する場合もあり得る。この場合について、変形例として説明する。
[変形例]
この変形例では、上記のマルチプロジェクションシステム1において、輝度制御装置8は、遮光装置3が遮光を行わない状態の撮影画像の輝度を検出して、この輝度に基づいて重畳領域の目標値を決定する。遮光を行わない状態とは、例えば、遮光装置3の遮光板31が投射窓20Aから完全に退避した状態を指す。
或いは、輝度制御装置8は、遮光装置3が遮光を行っている状態の撮影画像において遮光の影響を受けない領域の輝度を検出して、この輝度に基づいて重畳領域の目標値を決定する。遮光の影響を受けない領域とは、例えば、図5のテストパターン画像120で境界131〜134よりも中央側に寄った位置である。
この変形例によれば、輝度制御装置8は、いったん目標値を決定した後は、図4のステップS15〜ステップS17の処理を実行する。そして、輝度制御装置8は、重畳領域の輝度Yが目標値Xより大きい場合には、プロジェクター2に対して遮光量を増大するよう指示する制御情報を送信し(ステップS18)、ステップS13に戻ってカメラ9による撮影を実行するが、この新しい撮影後も目標値を変更しない。重畳領域の輝度Yが目標値Xより小さい場合も、プロジェクター2に対して遮光量を低減させるよう指示する制御情報を送信し(ステップS19)、ステップS13に戻ってカメラ9による撮影を実行するが、この新しい撮影後に目標値を変更しない。従って、目標値の決定は1回で済むため、調整を速やかに完了できる。また、遮光の影響を受けた1回だけ決める目標値としては遮光装置3の遮光の影響を受けていない値が、標準的な値として好ましい。
なお、本実施形態及び変形例では、上述したマルチプロジェクションシステム1は、スクリーンSCの正面側にプロジェクター2を配置し、スクリーンSCの正面に投射画像を投射する構成として説明したが、本発明はこれに限定されず、各プロジェクター2をスクリーンSCの背面側に配置して、スクリーンSCの背面に投射画像を投射する構成としてもよい。プロジェクター2がスクリーンSCの背面側に配置される背面投射型の構成とした場合、カメラ9のみをスクリーンSCの前面側に配置して、スクリーンSCの前面から撮影した撮影画像をもとに重畳領域の輝度を調整してもよい。この場合、背面投射型の構成でありながら、実際に見られるスクリーンSCの前面側の画像を基準として、より適切に遮光装置3を調整できる。
また、本実施形態及び変形例では、輝度制御装置8に接続された一台のカメラ9によって撮影を行う構成として説明したが、例えば、各々のプロジェクター2が、自己の投射画像の投射範囲を撮影可能な撮像装置を備えた構成としてもよい。この場合、プロジェクター2の撮像装置が撮影した撮影画像に基づいて、重畳領域の輝度の目標値を決定し、図4の処理を行って遮光装置3を調整すればよい。この構成では、一台のカメラ9によって各プロジェクター2の投射範囲を撮影するために、調整対象のプロジェクター2に合わせてカメラ9の向きを変える必要がないという利点がある。また、この構成で、輝度制御装置8の機能を、プロジェクター2が搭載する制御装置21が実行してもよい。この場合、プロジェクター2が備える撮像装置を用い、プロジェクター2の制御装置21が遮光装置3を調整するので、各々のプロジェクター2が単体で遮光装置3を調整できるという利点がある。
また、本実施形態及び変形例では、プロジェクター2が投射画像の投射光を発する投射光学系25を備えた本体20の前面に、遮光板31を設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遮光板31をプロジェクター2の本体20に内蔵して、投射光学系25を通る投射光を遮る位置、或いは投射光学系25と投射窓20Aとの間に設けてもよい。
また、光変調装置24が液晶ライトバルブで構成される場合には、遮光板31のような板状部材に代えて、液晶ライトバルブにおいて投射画像の周縁を遮光することも可能である。すなわち、遮光板31を投射光学系25に進出させて光を遮り、光量を調整する構成に代えて、光変調装置24の周縁部分において階調値を下げて減光することが考えられる。この場合、遮光板31のようなハードウェアを用いることなく、光変調装置24を透過する光量を周縁部において絞ることができるので、遮光板31を進出させた場合と同様に投射光学系25が投射する投射画像を減光させて、重畳領域における輝度や色調を調整し、高品位な画像を投射できる。
さらに、マルチプロジェクションシステム1が備えるプロジェクター2の数は任意であり、輝度制御装置8の機能と他のサーバー装置の機能とが一つのコンピューターによって構成されても良く、その他の細部構成についても任意に変更可能である。
1…マルチプロジェクションシステム、2…プロジェクター、3…遮光装置、5…ネットワーク、8…輝度制御装置、9…カメラ(撮像装置)、10…画像処理装置、20A…投射窓、21…制御装置(遮光制御装置)、22…ランプ、24…光変調装置、25…投射光学系、30…遮光部、31…遮光板、100、101、102、103、104…投射画像、111、112、113、114…重畳領域、120…テストパターン画像、211…制御部、SC…スクリーン(投射面)。

Claims (7)

  1. 複数のプロジェクターを備え、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように、前記複数のプロジェクターから前記投射画像を投射するマルチプロジェクションシステムであって、
    単体の前記プロジェクターの投射画像を撮影して撮影画像を取得する撮像部と、
    単体の前記プロジェクターの前記撮影画像に基づいて、前記重畳領域の輝度の目標値を決定する輝度制御装置と、
    前記投射画像の外周から前記投射画像内の遮光位置までの範囲を遮光する遮光装置と、
    前記重畳領域の輝度が前記輝度制御装置により決定した目標値となるように前記遮光装置を制御する遮光制御装置と、を備えること
    を特徴とするマルチプロジェクションシステム。
  2. 前記輝度制御装置は、前記撮影画像における前記重畳領域の輝度と前記重畳領域および前記重畳領域以外の非重畳領域の境界の輝度とを比較し、各輝度が所定割合になるように、前記重畳領域の輝度の目標値を決定することを特徴とする請求項1記載のマルチプロジェクションシステム。
  3. 前記輝度制御装置は、前記重畳領域の輝度が前記境界の輝度の半分となるように、前記遮光装置を調整することを特徴とする請求項2記載のマルチプロジェクションシステム。
  4. 前記輝度制御装置は、前記撮影画像における前記重畳領域の輝度が遮光されない領域または遮光されない状態における輝度の半分となるように、前記重畳領域の輝度の目標値を決定することを特徴とする請求項2記載のマルチプロジェクションシステム。
  5. 前記輝度制御装置は、前記重畳領域の輝度と遮光されない領域または遮光されない状態における輝度とを比較し、各輝度が所定割合になるように、前記重畳領域の輝度の目標値を決定することを特徴とする請求項1記載のマルチプロジェクションシステム。
  6. 前記輝度制御装置の制御に従って、単体の前記プロジェクターが前記投射面に投射した投射画像を撮影し、撮影画像を出力する撮像装置を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマルチプロジェクションシステム。
  7. 複数のプロジェクターを備え、隣接するプロジェクターから投射される投射画像が重畳領域を形成するように、前記複数のプロジェクターから前記投射画像を投射させる画像投射制御方法であって、
    単体の前記プロジェクターの投射画像を撮影して撮影画像を取得し、
    単体の前記プロジェクターの前記撮影画像に基づいて、前記重畳領域の輝度の目標値を決定し、
    前記投射画像の外周から前記投射画像内の遮光位置までの範囲を、前記重畳領域の輝度が決定した目標値となるように遮光すること
    を特徴とする画像投射制御方法。
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