JP2012154849A - 時計用文字板および時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の時計用文字板1は、一方の面に、入射した光を、反射・散乱させる機能を有する微小な凹凸が設けられた凹凸部材11と、凹凸部材11の前記凹凸が設けられた面側に設けられ、平均粒径が5μm以上20μm以下であり、かつ、平均厚さが30nm以上50nm以下である金属粉末121が複数個分散してなる分散膜12とを備えている。分散膜12の平均厚さは、0.5μm以上3.0μm以下である。複数個の金属粉末121は、分散膜12の厚さ方向に、所定の間隔をあけて配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明の時計用文字板は、一方の面に、入射した光を、反射・散乱させる機能を有する微小な凹凸が設けられた凹凸部材と、
前記凹凸部材の前記凹凸が設けられた面側に設けられ、平均粒径が5μm以上20μm以下であり、かつ、平均厚さが30nm以上50nm以下である金属粉末が複数個分散してなる分散膜とを備え、
前記分散膜の平均厚さが0.5μm以上3.0μm以下であり、
複数個の前記金属粉末が、前記分散膜の厚さ方向に、所定の間隔をあけて配置されていることを特徴とする。
これにより、光の透過性(光透過性)に優れるとともに、美的外観に優れた時計用文字板を提供することができる。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記凹凸部材が有する前記凹凸の平均高低差は、12.5μm以上50μm以下であることが好ましい。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、時計用文字板の美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、前記分散膜中における厚さ方向の前記金属粉末の間隔の平均値は、0.05μm以上1.2μm以下であることが好ましい。
これにより、時計用文字板全体として、光の透過性を十分に優れたものとしつつ、美的外観を特に優れたものとすることができる。
これにより、時計用文字板全体として、光の透過性を十分に優れたものとしつつ、美的外観を特に優れたものとすることができる。
本発明の時計用文字板では、時計用文字板の光の透過率は、10%以上40%以下であることが好ましい。
これにより、透過する光を太陽電池による発電に好適に利用しつつ、時計用文字板の美的外観を十分に優れたものとすることができる。すなわち、時計用文字板を、太陽電池を備えたソーラー時計に好適に適用することができる。
本発明の時計は、本発明の時計用文字板を備えたことを特徴とする。
これにより、美的外観に優れた時計を提供することができる。また、外部からの光が、時計用文字板を効率よく透過することができるため、外部からの光を有効に利用することが可能な時計(例えば、ソーラー時計等)を提供することができる。
まず、本発明の時計用文字板の好適な実施形態について説明する。
<時計用文字板>
図1は、本発明の時計用文字板の好適な実施形態を示す断面図、図2〜図6は、凹凸部材が有する凹凸の配置パターンの例を模式的に示す平面図である。
時計用文字板1は、凹凸部材11の第1の面111側が観察者側(外表面側)を向くようにして用いられるものである。
凹凸部材11は、光透過性を有する材料で構成されたものである。本発明において、「光透過性を有する」とは、可視光領域(380〜780nmの波長領域)の光の少なくとも一部を透過する性質を有することを指し、好ましくは可視光領域の光の透過率が50%以上であり、より好ましくは可視光領域の光の透過率が60%以上である。このような光の透過率は、例えば、光源として、白色蛍光灯(東芝社製、検査用蛍光灯 FL20S−D65)を用い、1000ルクス下で、測定対象の部材(または時計用文字板)と同一形状のソーラーセル(太陽電池)のみで発電した際の電流値(X)に対する、当該ソーラーセルの光源側の面に測定対象である部材(または時計用文字板)を載せた以外は、前記と同一の状態で発電した際の電流値(Y)の比率((Y/X)×100[%])を、採用することができる。以下、本明細書中において、特に断りのない限り、「光の透過率」とは、このような条件で求められる値のことを指す。
凹凸部材11の屈折率(絶対屈折率)は、1.500以上1.650以下であるのが好ましく、1.550以上1.600以下であるのがより好ましい。これにより、後に詳述するような光の反射・散乱を好適に生じさせることができ、時計用文字板1の美的外観および光の透過性をいずれも優れたものとすることができる。
凹凸部材11は、第1の面111とは反対側の主面である第2の面112に、第1の面111側から入射した光を、反射・散乱させる機能を有する微小な凹凸113を有するものである。
凹凸113の配置パターン(平面視した際の配置パターン)としては、例えば、凸条、多数の溝が同心円状に配置されたパターン(図2参照)、凸条、溝が渦巻状に配置されたパターン(図3参照)等が挙げられる。また、凹凸113の配置パターン(平面視した際の配置パターン)としては、例えば、一次元方向に多数の直線状の凸条および溝が配置されたパターン(図4参照)、二次元方向に多数の直線状の凸条および溝が配置されたパターン(図5、図6参照)等が挙げられる。
凹凸113のピッチ(特に、第2の面112上において、凸条、溝の長手方向に垂直な方向についてのピッチ)P1の平均値(平均ピッチ)は、特に限定されないが、25μm以上100μm以下であるのが好ましく、30μm以上70μm以下であるのがより好ましい。凹凸113のピッチP1の平均値(平均ピッチ)が前記範囲内の値であると、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
凹凸113の頂点の角度(図中のθ1)は、特に限定されないが、70°以上100°以下であるのが好ましく、90°であるのがより好ましい。これにより、第1の面111側から入射した光を適度に反射・散乱させることができ、時計用文字板1の光の透過性と美的外観とを、非常に高いレベルで両立することができる。
凹凸部材11の平均厚さは、特に限定されないが、50μm以上500μm以下であるのが好ましく、100μm以上450μm以下であるのがより好ましく、150μm以上400μm以下であるのがさらに好ましい。凹凸部材11の平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1をソーラー時計に適用する場合に、時計用文字板1の光透過性を十分に高いものとしつつ、太陽電池の自色が透けて見えるのをより効果的に防止することができ、美的外観(高級感)を特に優れたものとすることができる。また、凹凸部材11の平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
また、凹凸部材11は、いかなる方法で成形されたものであってもよいが、凹凸部材11の成形方法としては、例えば、圧縮成形、押出成形、射出成形、光造形等が挙げられる。また、凹凸の無い板状部材を用意し、これに切削加工等の処理を施し、凹凸113が設けられた凹凸部材11を製造してもよい。
凹凸部材11の第2の面112側には、複数個の金属粉末121が分散媒122中に分散した、平均厚さが0.5μm以上3.0μm以下の分散膜12が設けられている。そして、分散膜12を構成する金属粉末121は、平均粒径が5μm以上20μm以下で、かつ、平均厚さが30nm以上50nm以下のものであり、分散膜12中においては、複数個の金属粉末121が、分散膜12の厚さ方向に、所定の間隔をあけて配置されている。このような構成であることにより、前記厚さ方向の間隔を利用して、凹凸部材11側から入射した光を、十分な透過率で透過させつつ、時計用文字板1全体として、金属材料に特有の高級感のある色味を得ることができ、時計用文字板1の外観を非常に優れたものとすることができる。
このような優れた効果は、単なる金属めっき層を設けた場合や、金属膜に機械的方法や化学的方法により開口部を形成した場合には、得られない。
また、上記のように、分散膜12の平均厚さは、0.5μm以上3.0μm以下であるが、0.6μm以上2.2μm以下であるのが好ましく、0.7μm以上1.0μm以下であるのがより好ましい。これにより、上述したような効果はより顕著に発揮される。
金属粉末121を構成する金属材料としては、例えば、Fe、Cu、Zn、Ni、Mg、Cr、Mn、Mo、Nb、Al、V、Zr、Sn、Au、Pd、Pt、Agや、これらのうち少なくとも1種を含む合金(例えば、青銅、真鍮、洋白等)等が挙げられるが、中でも、Cu、Al、Au、Pt、Agが好ましい。金属粉末121がこのような材料で構成されたものであると、時計用文字板1の美的外観を特に優れたものとすることができる。
分散媒122は、光透過性を有する材料で構成されたものであるが、樹脂材料で構成されたものであるのが好ましく、硬化性樹脂の硬化物で構成されたものであるのがより好ましい。これにより、分散膜12の基板13との密着性を特に優れたものとし、時計用文字板1の耐久性を特に優れたものとすることができる。
また、分散膜12の形状、大きさは、特に限定されず、通常、製造すべき時計用文字板1の形状、大きさに基づいて決定される。なお、図示の構成では、分散膜12は、平板状をなすものであるが、例えば、湾曲板状等をなすものであってもよい。
基板13は、光透過性を有するものであり、上述した分散膜12を支持する機能を有するものである。
基板13の構成材料としては、例えば、各種プラスチック材料、各種ガラス材料等が挙げられる。また、基板13は、着色剤等の他の成分を含むものであってもよい。
また、基板13がガラスで構成される場合、時計用文字板1全体としての光透過性を特に優れたものとすることができる。
基板13の平均厚さは、特に限定されないが、100μm以上600μm以下であるのが好ましく、150μm以上450μm以下であるのがより好ましく、200μm以上400μm以下であるのがさらに好ましい。基板13の平均厚さが前記範囲内の値であると、時計用文字板1が適用される時計が、厚型化するのを効果的に防止しつつ、時計用文字板1の機械的強度、形状の安定性等を十分に優れたものとすることができる。
基板13は、圧縮成形、射出成形等、いかなる方法で成形されたものであってもよい。また、基板13の表面に対しては、例えば、鏡面加工、スジ目加工、梨地加工等の表面加工が施されてもよい。
また、時計用文字板1は、図示しないコート層を有するものであってもよい。
また、時計用文字板1は、耐久性にも優れているため、携帯時計(例えば、腕時計)に好適に適用することができる。
次に、上述したような本発明の時計用文字板を備えた本発明の時計について説明する。
本発明の時計は、上述したような本発明の時計用文字板を有するものである。上述したように、本発明の時計用文字板は、光透過性および装飾性(美的外観)に優れたものである。このため、このような時計用文字板を備えた本発明の時計は、ソーラー時計としての求められる要件を十分に満足することができる。なお、本発明の時計を構成する時計用文字板(本発明の時計用文字板)以外の部品としては、公知のものを用いることができるが、以下に、本発明の時計の構成の一例について説明する。
図7に示すように、本実施形態の腕時計(携帯時計)100は、胴(ケース)82と、裏蓋83と、ベゼル(縁)84と、ガラス板(カバーガラス)85とを備えている。また、ケース82内には、前述したような本発明の時計用文字板1と、太陽電池94と、ムーブメント81とが収納されており、さらに、図示しない針(指針)等が収納されている。時計用文字板1は、太陽電池94と、ガラス板(カバーガラス)85との間に設けられており、凹凸部材11の第1の面111が、ガラス板(カバーガラス)85側を向くように配置されている。
ムーブメント81は、太陽電池94の起電力を利用して、指針を駆動する。
図7中では省略しているが、ムーブメント81内には、例えば、太陽電池94の起電力を貯蔵する電気二重層コンデンサー、リチウムイオン二次電池や、時間基準源として水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この駆動パルスを受けて1秒毎に指針を駆動するステップモーターや、ステップモーターの動きを指針に伝達する輪列機構等を備えている。
太陽電池94は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有する。そして、太陽電池94で変換された電気エネルギーは、ムーブメントの駆動等に利用される。
太陽電池94は、例えば、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純物とが選択的に導入され、さらにp型の非単結晶シリコン薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を備えたpin構造を有している。
胴82とベゼル84とは、プラスチックパッキン88により固定され、ベゼル84とガラス板85とはプラスチックパッキン89により固定されている。
また、胴82に対し裏蓋83が嵌合(または螺合)されており、これらの接合部(シール部)93には、リング状のゴムパッキン(裏蓋パッキン)92が圧縮状態で介挿されている。この構成によりシール部93が液密に封止され、防水機能が得られる。
なお、上記の説明では、時計の一例として、ソーラー電波時計としての腕時計(携帯時計)を挙げて説明したが、本発明は、腕時計以外の携帯時計、置時計、掛け時計等の他の種類の時計にも同様に適用することができる。また、本発明は、ソーラー電波時計を除くソーラー時計や、ソーラー電波時計を除く電波時計等、いかなる時計にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
また、前述した実施形態では、凹凸部材が有する凹凸は、第2の面の全体に設けられたものとして説明したが、凹凸は、第2の面の一部にのみ選択的に設けられたものであってもよい。
1.時計用文字板の製造
以下に示すような方法で、各実施例および各比較例の時計用文字板(腕時計用文字板)を製造した。
(実施例1)
まず、ポリカーボネートを用いて、射出成形により、腕時計用文字板の形状を有する母材を作製し、その後、必要箇所を型抜きし、不要なバリ等を切削、研磨することにより凹凸部材を得た。得られた凹凸部材は、略円盤状をなし、直径:27mm×平均厚さ:250μmであった。また、得られた凹凸部材は、一方の主面である第1の面が平坦で、第1の面の表面粗さRaが0.07μmであり、第1の面とは反対側の主面である第2の面の全体にわたって、規則的に、同心円状に設けられた複数の凸条および溝からなる凹凸のパターンを有するものであった(図2参照)。凹凸のピッチは50μmであった。また、凹凸の高低差(凸条の頂部と溝の底部との高低差)は25μmであった。凹凸の断面形状は、二等辺三角形状をなすものであり、凹凸の頂点の角度(図1中のθ1)は、90°であった。
次に、この基板を洗浄した。基板の洗浄としては、まず、アルカリ浸漬脱脂を30秒間行い、その後、中和を10秒間、水洗を10秒間、純水洗浄を10秒間行った。
その後、凹凸部材の第2の面と、基板上に設けられた分散膜とが接触するように重ね合わせることにより、時計用文字板を得た。
(実施例2〜14)
凹凸部材、分散膜、基板(支持基板)の条件を表1に示すものとなるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、腕時計用文字板を製造した。
分散膜を製造せず、凹凸部材のみで構成されるものとした以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例2)
凹凸部材を製造せず、分散膜が形成された基板(支持基板)のみで構成されるものとした以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例3)
凹凸部材の平均厚さを表2に示すように変更した以外は、前記比較例1と同様にして時計用文字板を製造した。
基板(支持基板)の平均厚さを表2に示すように変更した以外は、前記比較例2と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例5〜10)
分散膜の形成に用いる分散液の構成、付与量を変更した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
基板の表面に、分散膜を形成する代わりに、真空蒸着法により、厚さ:50nmのAlの金属被膜(金属薄膜)を形成した以外は、前記実施例1と同様にして時計用文字板を製造した。
(比較例12)
真空蒸着法による成膜時間を変更することにより、金属被膜(金属薄膜)の平均厚さを100nmとした以外は、前記比較例11と同様にして時計用文字板を製造した。
まず、表面が平滑なステンレス鋼製の平板を用意した。
次に、この平板の表面に、平均厚さ20μmのレジスト膜を印刷形成した。
次に、露光装置を用いて、このレジスト膜を露光し、さらに、現像処理を行うことにより、レジスト膜の一部が除去され、多数個の円形のレジスト膜(直径:300μm)が残存した。
その後、スパッタリングにより、平板上に金属被膜を形成した。金属被膜の形成は、以下のようにして行った。
一方、前記実施例1と同様にして、製造すべき時計用文字板の形状を有するポリカーボネート製の基板を用意し、この基板を、前記実施例1と同様にして洗浄した。
その後、板状部材(凹凸部材)の第2の面と、基板上に設けられた金属被膜とが接触するように重ね合わせることにより、時計用文字板を得た。製造した多数の時計用文字板に、接合時に発生した金属被膜にしわが認められた。
レジスト膜に対する露光条件を変更することにより、金属被膜に形成する開口部の直径が5μmとなるようにした以外は、前記比較例13と同様にして時計用文字板を製造した。
各実施例および各比較例の時計用文字板の構成を表1、表2にまとめて示す。なお、表中、ポリカーボネートをPCで示し、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)をABS、アクリル系樹脂をAcで示した。なお、表中、「凹凸の配置パターン」の欄には、図2に示すように、複数の凸条、溝が同心円状に配置されたパターンを「a」で示し、図3に示すように、凸条、溝が渦巻状に配置されたパターンを「b」で示した。また、表中、分散膜中における厚さ方向の金属粉末の間隔を「X」、時計用文字板を平面視した際に金属粉末が配置されていない部位の占める面積の割合を「Y」で示した。また、時計用文字板の各部位は、いずれも、表1、表2に示す成分を主成分として構成されたものであり、それ以外の成分の含有率が0.1wt%未満であった。
前記各実施例および各比較例で製造した各腕時計用文字板について、目視による観察を行い、これらの外観を以下の7段階の基準に従い、評価した。なお、各実施例および比較例1、3、5〜14の時計用文字板については、凹凸部材の第1の面側から観察を行い、比較例2、4の時計用文字板については、分散膜側から観察を行った。
B:非常に優れた外観を有している。
C:優れた外観を有している。
D:良好な外観を有している。
E:外観がやや不良。
F:外観が不良。
G:外観が極めて不良。
前記各実施例および各比較例で製造した各腕時計用文字板について、以下のような方法により、光透過性を評価した。
まず、太陽電池と各腕時計用文字板とを暗室にいれた。その後、太陽電池単体でその受光面に対し、所定距離離間した白色蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この際、太陽電池の発電電流をA[mA]とした。次に、前記太陽電池の受光面の上面に、腕時計用文字板を重ね合わせた状態で、前記と同様に所定距離離間した白色蛍光灯(光源)からの光を入射させた。この状態での、太陽電池の発電電流をB[mA]とした。そして、(B/A)×100で表される時計用文字板の光透過率を算出し、以下の5段階の基準に従い、評価した。光透過率が大きいほど、時計用文字板の光透過性は優れたものであるといえる。なお、各実施例および比較例1、3、5〜14の時計用文字板については、凹凸部材の第1の面が白色蛍光灯(光源)側を向くように、太陽電池に重ね合わせ、比較例2、4の時計用文字板については、分散膜が白色蛍光灯(光源)側を向くように、太陽電池に重ね合わせた。
B:32%以上40%未満。
C:25%以上32%未満。
D:17%以上25%未満。
E:17%未満。
前記各実施例および各比較例で製造した各時計用文字板について、以下に示すような方法で電波透過性を評価した。
まず、時計ケースと、電波受信用のアンテナを備えた腕時計用内部モジュール(ムーブメント)とを用意した。
A:感度の低下が認められない(検出限界以下)。
B:感度の低下が0.7dB未満で認められる。
C:感度の低下が0.7dB以上1.0dB未満。
D:感度の低下が1.0dB以上。
前記各実施例および各比較例で製造した各腕時計用文字板を、温度:75℃、湿度:90%RHの環境下に72時間静置し、その直後に目視による観察を行い、以下の5段階の基準に従い、評価した。なお、各実施例および比較例1、3、5〜14の時計用文字板については、凹凸部材の第1の面側から観察を行い、比較例2、4の時計用文字板については、分散膜側から観察を行った。
B:審美性の低下がほとんど認められない。
C:審美性の低下がわずかに認められる。
D:審美性の低下がはっきりと認められる。
E:審美性の低下が顕著に認められる。
これらの結果を表3に示す。
また、各実施例および各比較例で得られた時計用文字板を用いて、図7に示すような時計を組み立てた。このようにして得られた各時計について、上記と同様の試験、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
Claims (8)
- 一方の面に、入射した光を、反射・散乱させる機能を有する微小な凹凸が設けられた凹凸部材と、
前記凹凸部材の前記凹凸が設けられた面側に設けられ、平均粒径が5μm以上20μm以下であり、かつ、平均厚さが30nm以上50nm以下である金属粉末が複数個分散してなる分散膜とを備え、
前記分散膜の平均厚さが0.5μm以上3.0μm以下であり、
複数個の前記金属粉末が、前記分散膜の厚さ方向に、所定の間隔をあけて配置されていることを特徴とする時計用文字板。 - 前記凹凸部材が有する前記凹凸は、規則的に配されたものであり、その平均ピッチが25μm以上100μm以下である請求項1に記載の時計用文字板。
- 前記凹凸部材が有する前記凹凸の平均高低差は、12.5μm以上50μm以下である請求項1または2に記載の時計用文字板。
- 前記凹凸部材は、時計用文字板を平面視した際に、同心円状に設けられた複数の前記凹凸を有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の時計用文字板。
- 前記分散膜中における厚さ方向の前記金属粉末の間隔の平均値は、0.05μm以上1.2μm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の時計用文字板。
- 時計用文字板を平面視した際に前記金属粉末が配置されていない部位の占める面積の割合が5%以上42%以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の時計用文字板。
- 時計用文字板の光の透過率は、10%以上40%以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の時計用文字板。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の時計用文字板を備えたことを特徴とする時計。
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