JP2012154478A - 電磁駆動装置及び高圧ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気特性と耐食性を共に高めることの可能な電磁駆動装置を提供する。
【解決手段】高圧ポンプのポンプボディ11に接続される接続部材76は、固定コア80の吸入弁側に可動コア81を往復移動可能に収容し供給通路100の燃料が流入する可動コア室74を有する。コイル73の径方向外側を覆うケース60は、軸方向の吸入弁側が接続部材76に接続され、軸方向の吸入弁と反対側が固定コア80に接続されることで、固定コア80、可動コア81および接続部材76と共にコイル73の励磁する磁界の磁束が流れる磁気回路を形成する。固定コア80及び可動コア81を形成するステンレス鋼の飽和磁束密度は、ケース60を形成するステンレス鋼の飽和磁束密度よりも大きい。これにより、電磁駆動装置70の耐食性を高めると共に、磁気吸引力を大きくすることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電磁駆動装置及びこれを用いた高圧ポンプに関する。
従来、内燃機関に燃料を供給する燃料供給系統に設けられ、燃料を加圧する高圧ポンプが知られている。燃料タンクから高圧ポンプの供給通路に供給された燃料は、高圧ポンプの備えるプランジャの下降により加圧室に吸入され、プランジャの上昇により加圧圧送される。
高圧ポンプの加圧室に燃料を供給する供給通路を吸入弁が開閉する。この吸入弁の開閉を電磁駆動装置が駆動制御する。電磁駆動装置は、プランジャが下死点から上死点に移動する途中まで吸入弁を開弁状態に維持することで供給通路を開放する。これにより、加圧室に吸入された燃料の一部が供給通路に排出される。また、電磁駆動装置はプランジャが下死点から上死点に移動する途中で吸入弁を閉弁状態として供給通路を閉塞する。これにより、高圧ポンプから内燃機関に適量の燃料が加圧圧送される。
特許文献1では、電磁駆動装置(特許文献1では「ソレノイド100」)を構成する固定コア及び可動コア(特許文献1では「鉄心106,107」)を鉄から形成し、固定コア、可動コア及びコイルの径方向外側を覆うケース(特許文献1では「ケース部材103」)をステンレスから形成している。
特開2008−151154号公報
ところで、一般に高圧ポンプに用いられる電磁駆動装置は、可動コアを往復移動可能に収容する可動コア室に燃料が流入する。このため、特許文献1のように、可動コア及び可動コア室に露出する固定コアを鉄から形成すると、燃料による腐食を生じる。このため、高圧ポンプに用いられる電磁駆動装置は、可動コア及び固定コアを耐食性を有するステンレス鋼から形成することで、燃料による腐食を抑制している。このため、鉄から形成した可動コア及び固定コアを備えたものと比較して、磁気特性が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、磁気特性と耐食性を共に高めることの可能な電磁駆動装置及びこれを用いた高圧ポンプを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明によると、高圧ポンプに用いられる電磁駆動装置は、プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室に燃料を供給する供給通路を開放又は閉塞する吸入弁を駆動制御する。電磁駆動装置は、コイル、固定コア、可動コア、接続部材及びケースを備える。ステンレス鋼から形成される固定コアは、通電により磁界を生じるコイルの径内方向に設けられる。ステンレス鋼から形成される可動コアは、コイルの励磁する磁界により固定コアに磁気吸引されることで吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動する。高圧ポンプのポンプボディに接続される接続部材は、固定コアの吸入弁側に可動コアを往復移動可能に収容する可動コア室を有する。ステンレス鋼から形成されるケースは、固定コア、可動コアおよび接続部材と共にコイルの励磁する磁界の磁束が流れる磁気回路を形成する。固定コア及び可動コアの飽和磁束密度は、ケースの飽和磁束密度よりも大きい。
固定コア、可動コアおよびケースをステンレス鋼で形成することで、電磁駆動装置の耐食性を高めることができる。また、固定コア及び可動コアをケースよりも飽和磁束密度の高いステンレス鋼で形成することで、磁気吸引力を大きくし、電磁駆動装置の磁気特性を高めることができる。
なお、固定コアと可動コアとは、同一の材料から形成されてもよく、異なる材料から形成されてもよい。
請求項2に係る発明によると、ケースを形成するステンレス鋼は、固定コア及び可動コアを形成するステンレス鋼よりも耐食性が高い。
一般に車両に用いられる電磁駆動装置のケースは、外気に曝されることから、塩水、融雪剤などの塩化物イオンが付着するので、腐食に関して厳しい環境下にある。一方、可動コアは燃料が充満する可動コア室に収容され、固定コアはその可動コア室に露出するので、塩化物イオンの影響を受けにくい。このため、固定コア及び可動コアよりも耐食性が高いステンレス鋼からケースを形成することで、電磁駆動装置の外観上の品質を高めることができる。
請求項3に係る発明によると、接続部材はステンレス鋼から形成される。固定コア及び可動コアの飽和磁束密度は、接続部材の飽和磁束密度よりも大きい。また、接続部材を形成するステンレス鋼は、固定コア及び可動コアを形成するステンレス鋼よりも耐食性が高い。
これにより、接続部材が外気に曝される場合、電磁駆動装置の磁気特性を高めると共に、外観上の品質を高めることができる。
請求項4に係る発明によると、固定コア及び可動コアは、Cr含有量0wt%を超え15wt%未満のステンレス鋼から形成される。一方、ケースは、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成される。
Cr含有量15wt%未満のステンレス鋼は、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼と比較して、飽和磁束密度が高い。一方、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼は、Cr含有量15wt%未満のステンレス鋼と比較して、耐食性が高い。そこで、電磁駆動装置の磁気吸引力に大きく影響を与える固定コア及び可動コアをCr含有量15wt%未満のステンレス鋼から形成する。一方、電磁駆動装置の外観品質に大きく影響を与えるケースをCr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成する。このように、固定コア、可動コア及びケースの材料を使い分けることで、電磁駆動装置の磁気特性を高めると共に、耐食性を高めることができる。
請求項5に係る発明によると、接続部材は、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成される。
これにより、接続部材が外気に曝される場合、その耐食性を高めることができる。
請求項6に係る発明によると、電磁駆動装置は、固定コアの軸方向の可動コアと反対側を外気から遮断し、固定コアよりも耐食性の高い材料から形成されるカバーを備える。
これにより、外気に曝される固定コアの軸方向の端部を耐食性の高いカバーで覆うことで、固定コアの磁気性能を維持しつつ、電磁駆動装置の外観上の品質を高めることができる。
請求項7に係る発明によると、電磁駆動装置は、可動コアと固定コアとの間に設けられ、可動コアを吸入弁側へ付勢する付勢手段を備える。固定コアは、付勢手段を収容する収容室を有する。固定コアの軸方向の長さは、付勢手段の収容室の軸方向の長さよりも長い。
これにより、固定コアの断面積の減少を抑制することで、固定コアの磁気性能を維持することができる。
請求項8に係る発明によると、カバーは、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成される。
これにより、電磁駆動装置の耐食性を高めることができる。
請求項9に係る発明によると、ケース及びカバーは、同一材料から一体に形成される。
これにより、電磁駆動装置の部品点数を削減すると共に、磁気特性と耐食性を高めることができる。
請求項10に係る発明によると、固定コアの軸方向の可動コア側の磁気吸引部は、固定コアとケースとが接続する接続部、またはカバーとケースとが接続する接続部よりも面積が小さい。
これにより、ケースまたはカバーを流れる磁束密度よりも、固定コアを流れる磁束密度を強くすることが可能になる。したがって、固定コアと可動コアとの磁気吸引力を強くすることができる。
請求項11に係る発明によると、固定コア及び可動コアは、SUS405から形成される。一方、ケース、接続部材及びカバーは、SUS430から形成される。
固定コア及び可動コアを形成するCr含有量15wt%未満のステンレス鋼として、SUS405が例示される。一方、ケース、接続部材及びカバーを形成するCr含有量15wt%以上のステンレス鋼として、SUS430が例示される。
請求項12に係る発明によると、固定コアは、軸方向の可動コアと反対側がコーティング、メッキ処理または塗装されることで、外気から遮断される。
これにより、外気に曝される固定コアの軸方向の端部をコーティング、メッキ処理または塗装することで、腐食を抑制することができる。したがって、固定コアの磁気性能を維持しつつ、耐食性を高め、電磁駆動装置の外観上の品質を向上することができる。
なお、コーティング、メッキ処理または塗装は、電磁駆動装置の構成部品を全て組み付け後、電磁駆動装置全体または溶接個所に行ってもよい。ステンレスは、溶接の熱により、クロムの含有率が減少し、腐食しやすくなる。したがって、電磁駆動装置の構成部品の組み付け後、全体塗装等を行うことで、腐食を抑制し、電磁駆動装置の外観上の品質を向上することができる。
請求項13に係る発明によると、カバーは、樹脂から形成される。
カバーを形成する耐食性の高い材料として、樹脂が例示される。
請求項14に係る発明によると、請求項1〜13に記載の電磁駆動措置において、固定コア及び可動コアの飽和磁束密度がケースの飽和磁束密度よりも大きいことに代えて、固定コア及び可動コアの透磁率がケースの透磁率よりも大きい。
固定コア及び可動コアをケースよりも透磁率の大きいステンレス鋼で形成することで、磁気吸引力を大きくし、電磁駆動装置の磁気特性を高めることができる。
請求項15に係る発明によると、高圧ポンプは、プランジャ、ポンプボディ、吸入弁及び請求項1〜14のいずれか一項に記載の電磁駆動装置を備える。
これにより、高圧ポンプは、磁気特性と耐食性を共に高めることができる。
本発明の第1実施形態による電磁駆動装置の用いられる高圧ポンプの断面図である。 本発明の第1実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第1実施形態による電磁駆動装置に用いられるステンレス鋼の特性図である。 本発明の第1実施形態による電磁駆動装置と比較例による電磁駆動装置の特性図である。 本発明の第2実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第3実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第4実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第5実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第6実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第7実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第8実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第9実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第10実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第11実施形態による電磁駆動装置の断面図である。 本発明の第12実施形態による電磁駆動装置の断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による電磁駆動装置の用いられる高圧ポンプを図1〜図4に示す。本実施形態の高圧ポンプ10は、車両に搭載され、燃料タンクから低圧ポンプによって汲み上げられた燃料を加圧し、インジェクタが接続されるデリバリパイプへ吐出する。デリバリパイプに蓄圧された高圧燃料は、インジェクタから内燃機関の各気筒に噴射供給される。
高圧ポンプ10は、ポンプボディ11、プランジャ13、ダンパ室201、吸入弁部30、電磁駆動装置70及び吐出弁部90などを備えている。
ポンプボディ11とプランジャ13について説明する。
ポンプボディ11は、例えばステンレス鋼から形成されている。ポンプボディ11には、円筒状のシリンダ14が設けられている。シリンダ14には、プランジャ13が軸方向に往復移動可能に収容されている。プランジャ13は、シリンダ14の深部に形成された加圧室121に臨むように設けられている。プランジャ13の加圧室121と反対側の端部17は、スプリング座18と結合している。スプリング座18とオイルシールホルダ25との間には、スプリング19が設けられている。このスプリング19の弾性力により、スプリング座18は図示しないエンジンのカムシャフトの方向へ付勢される。これにより、プランジャ13は、図示しないタペットを介してカムシャフトのカムと接することで軸方向に往復移動する。プランジャ13の往復移動により、加圧室121の容積が変化することで燃料が吸入、加圧される。
次に、ダンパ室201について説明する。
ポンプボディ11には、シリンダ14の反対側に突出する筒状の筒部205が設けられている。筒部205に有底筒状のカバー200が被さることで、ダンパ室201が形成される。
ダンパ室201には、パルセーションダンパ210、第1支持部材211、第2支持部材212及び波ばね213が収容されている。
パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラムから構成され、内部に所定圧の気体が密封されている。パルセーションダンパ210は、2枚の金属ダイアフラムがダンパ室201の圧力変化に応じて弾性変形することで、ダンパ室201の燃圧脈動を低減する。
第1支持部材211と第2支持部材212は、筒状に形成され、パルセーションダンパ210を上下から挟持している。第1支持部材211は、ダンパ室201の底に設けられた溝部110に嵌入している。これにより、第1支持部材211は、径方向の移動が制限される。
波ばね213は、第2支持部材212とカバー200との間に設けられている。波ばね213は、第2支持部材212を溝部110側に押圧している。これにより、第2支持部材212、パルセーションダンパ210及び第1支持部材211がダンパ室201内に固定される。
第1支持部材211は、径方向に燃料を通す孔を有している。これにより、第1支持部材211の内側と外側とを燃料が流れる。
ダンパ室201は、図示しない燃料通路を通じて図示しない燃料入口と連通している。この燃料入口には図示しない燃料タンクから燃料が供給される。したがって、ダンパ室201は、燃料入口から燃料通路を通じて燃料タンクの燃料が供給される。
続いて、吸入弁部30について説明する。
ポンプボディ11には、シリンダ14の中心軸と略垂直に筒部15が設けられている。筒部15の開口を接続部材76が覆うことで、ダンパ室201から加圧室121までの供給通路100が区画される。その供給通路100の加圧室121側に弁ボディ31が収容されている。弁ボディ31は、係止部材20によって供給通路100内に固定されている。弁ボディ31の内側には、逆テーパ状の円周面を有する弁座34が形成されている。
吸入弁40は弁ボディ31の内側に配置されている。吸入弁40は、その弁体から軸方向に延びる軸部45が弁ボディ31の底部に設けられた孔32の内壁に案内されて往復移動する。吸入弁40は、弁座34から離座することで供給通路100を開放し、弁座34に着座することで供給通路100を閉塞する。
ストッパ50は、弁ボディ31の内壁に固定されている。このストッパ50は、吸入弁40の開弁方向(図1の右方向)への移動を規制する。ストッパ50の内側と吸入弁40の端面との間には第1スプリング21が設けられている。第1スプリング21は、吸入弁40を閉弁方向(図1の左方向)へ付勢している。
ストッパ50には、ストッパ50の軸に対して傾斜する傾斜通路102が周方向に複数形成されている。この傾斜通路102を通り、加圧室121と弁ボディ31の内側の通路とを燃料が流れる。
次に電磁駆動装置70について図1及び図2を参照して説明する。
電磁駆動装置70を構成する接続部材76、固定コア80、可動コア81およびケース60は磁性体から形成され、コイル73が励磁する磁界の磁束が流れる磁気回路を構成している。
接続部材76は、ポンプボディ11の筒部15に取り付けられ、その筒部15の開口を塞いでいる。接続部材76は、固定コア80及び可動コア81よりも耐食性の高いフェライト系のステンレス鋼から形成される。具体的に、接続部材76は、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼のうち、例えばSUS430から形成される。接続部材76の筒部15の反対側に円筒状の可動コア室74が設けられている。
この可動コア室74に可動コア81は軸方向に往復移動可能に収容されている。可動コア81は、ケース60及び接続部材76よりも飽和磁束密度または透磁率の高いフェライト系のステンレス鋼から形成される。具体的に、可動コア81は、Cr含有量15wt%未満のステンレス鋼のうち、例えばSUS405から形成される。なお、可動コア81は、好ましくは、DSUS13A(デンソーステンレス鋼Cr含有量13wt%アルミ添加)から形成される。可動コア81は、軸方向に通じる複数の呼吸孔82を有している。呼吸孔82を通じ、可動コア81の軸方向の一方と他方を燃料が流通する。
接続部材76の中央に設けられた孔の内壁には、筒状のガイド筒75が固定されている。このガイド筒75の径内側にニードル41が往復移動可能に設けられている。ニードル41は、一方の端部が可動コア81に固定され、他方の端部が吸入弁40の軸部45の端面に当接可能である。ニードル41の径外方向の外壁に設けられた切り欠き42を経由し、供給通路100から可動コア室74に燃料が流入する。
固定コア80は、コイル73の径内方向で、可動コア81の吸入弁40と反対側に設けられている。固定コア80は、ケース60及び接続部材76よりも飽和磁束密度または透磁率の高いフェライト系のステンレス鋼から形成される。具体的に、固定コア80は、Cr含有量15wt%未満のステンレス鋼のうち、例えばSUS405から形成される。なお、固定コア80は、好ましくは、DSUS13Aから形成される。固定コア80と接続部材76との間に非磁性材料から形成された筒部材85が設けられている。筒部材85は、固定コア80と接続部材76との間の磁束の短絡を抑制し、可動コア81と固定コア80との間に流れる磁束量を増加する。筒部材85の径方向内側に固定コア80と可動コア81との磁気ギャップが形成される。
固定コア80は、可動コア81側の端部に開口する第1収容室83を有する。また、可動コア81は、固定コア80側の端部に開口する第2収容室84を有する。固定コア80の第1収容室83と可動コア81の第2収容室84とに第2スプリング22が収容されている。第2スプリング22は、第1スプリング21が吸入弁40を閉弁方向に付勢する力よりも強い力で、可動コア81を開弁方向へ付勢している。
なお、第1収容室83が特許請求の範囲に記載の「収容室」に相当し、第2スプリング22が特許請求の範囲に記載の「付勢手段」に相当する。
固定コア80の径方向外側に樹脂から形成されたボビン78が設けられている。そのボビン78にコイル73が巻回されている。コイル73の径外側に樹脂から形成されたコネクタ77が設けられ、径方向の一方へ延びている。コネクタ77の端子771を通じてコイル73に通電されると、コイル73は磁界を生じる。
コイル73の径方向外側を筒状のケース60が覆い、電磁駆動装置70を外気から遮蔽している。ケース60は、固定コア80及び可動コア81よりも耐食性の高いフェライト系のステンレス鋼から形成される。具体的に、ケース60は、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼のうち、例えばSUS430から形成される。ケース60は、軸方向の吸入弁40側が接続部材76に溶接などにより接続されている。また、ケース60は、軸方向吸入弁40と反対側が固定コア80に溶接などにより接続されている。ケース60の径方向に形成された開口からコネクタ77が延出している。
コイル73に通電していないとき、可動コア81と固定コア80とは、第2スプリング22の弾性力により互いに離れている。これにより、可動コア81と一体のニードル41が加圧室121側へ移動し、ニードル41の端面が吸入弁40を押圧することで吸入弁40が開弁する。
コイル73に通電されると、固定コア80、可動コア81、接続部材76及びケース60によって形成される磁気回路に磁束が流れ、可動コア81が第2スプリング22の弾性力に抗し、固定コア80側に磁気吸引される。これにより、ニードル41は、吸入弁40に対する押圧力を解除する。ケース60と固定コア80との接続部は、固定コア80の軸方向可動コア81側の磁気吸引部86よりも面積が大きい。これにより、ケース60から固定コア80に流れる磁束は、固定コア80の可動コア81側端面の磁気吸引部86で集約され、磁束密度が大きくなる。
次に可変容積室122について図1を参照して説明する。
プランジャ13は、小径部131及び大径部133を有している。小径部131と大径部133との接続部分に段差面132が形成される。段差面132に向き合うように、略円環状のプランジャストッパ23が設けられている。
プランジャストッパ23は、加圧室121側の端面がポンプボディ11に当接している。プランジャ13は、プランジャストッパ23の中央部に設けられた孔233に挿通している。プランジャストッパ23は、径方向に放射状に延びる複数の溝路232を有している。
プランジャ13の段差面132、小径部131の外壁、シリンダ14の内壁、プランジャストッパ23およびシール部材24に囲まれる略円環状の空間により可変容積室122が形成される。
ポンプボディ11には、シリンダ14が開口する側の外壁に、加圧室121側へ略円環状に凹む凹部16が設けられている。凹部16には、オイルシールホルダ25が嵌め込まれている。オイルシールホルダ25は、プランジャストッパ23との間にシール部材24を挟んで、ポンプボディ11に固定されている。シール部材24は、小径部131周囲の燃料油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動によるエンジンへの燃料のリークを抑制する。オイルシールホルダ25の加圧室121と反対側の端部には、オイルシール26が装着されている。オイルシール26は、小径部131周囲のオイル油膜の厚さを規制し、プランジャ13の摺動によるオイルのリークを抑制する。
オイルシールホルダ25とポンプボディ11との間には、筒状通路106とこの筒状通路106に連通する環状通路107が形成されている。筒状通路106はプランジャストッパ23の溝路232に連通している。環状通路107はポンプボディ11に形成された戻し通路108を経由してダンパ室201に連通している。このように、溝路232、筒状通路106、環状通路107及び戻し通路108が順に連通することで、可変容積室122とダンパ室201とが連通する。
次に吐出弁部90について説明する。
吐出弁部90は、吐出弁92、規制部材93、スプリング94などから構成されている。
ポンプボディ11には、シリンダ14の中心軸と略垂直に吐出通路114が形成されている。吐出通路114は加圧室121と燃料出口91とを連通している。
吐出弁92は、有底筒状に形成され、吐出通路114に往復移動可能に収容されている。吐出弁92は、弁座95に着座することで吐出通路114を閉塞し、弁座95から離座することで吐出通路114を開放する。
吐出弁92の燃料出口91側に設けられた筒状の規制部材93は、吐出通路114の内壁に固定されている。規制部材93は、吐出弁92の燃料出口91側への移動を規制する。
スプリング94は、一端が規制部材93に当接し、他端が吐出弁92に当接している。スプリング94は、吐出通路114の内壁に形成される弁座95側へ吐出弁92を付勢している。規制部材93の設置位置によって、スプリング94のばね荷重を変化させることで吐出弁92の開弁圧を調整することができる。
加圧室121の燃料の圧力が上昇し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも大きくなると、吐出弁92は弁座95から離座する。これにより、加圧室121から吐出通路114を通り、燃料出口91から燃料が吐出される。
一方、加圧室121の燃料の圧力が低下し、加圧室121側の燃料から吐出弁92が受ける力がスプリング94のばね力と弁座95の下流側の燃料から受ける力との和よりも小さくなると、吐出弁92は弁座95に着座する。これにより、弁座95の下流側の燃料が加圧室121へ逆流することが防止される。
次に高圧ポンプ10の作動について説明する。
(1)吸入行程
カムシャフトの回転により、プランジャ13が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室121の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁92は弁座95に着座し、吐出通路114を閉塞する。
一方、吸入弁40は、加圧室121と供給通路100との差圧により、第1スプリング21の付勢力に抗して加圧室121側へ移動し、開弁状態となる。このとき、コイル73への通電は停止されているので、可動コア81と一体のニードル41は第2スプリング22の付勢力により加圧室121側へ移動する。したがって、ニードル41と吸入弁40とが当接し、吸入弁40は開弁状態を維持する。これにより、供給通路100から加圧室121に燃料が吸入される。
吸入行程では、プランジャ13の下降により、可変容積室122の容積が減少する。したがって、可変容積室122の燃料は、筒状通路106、環状通路107及び戻し通路108を経由し、ダンパ室201へ送り出される。
ここで、大径部133と可変容積室122の断面積比は概ね1:0.6である。したがって、加圧室121の容積の増加分と可変容積室122の容積の減少分の比も1:0.6となる。よって、加圧室121が吸入する燃料の約60%が可変容積室122から供給され、残りの約40%が燃料入口から吸入される。これにより、加圧室121への燃料の吸入効率が向上する。
(2)調量行程
カムシャフトの回転により、プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室121の容積が減少する。このとき、所定の時期まではコイル73への通電が停止されているので、第2スプリング22の付勢力によりニードル41と吸入弁40は開弁位置にある。これにより、供給通路100は開放された状態が維持される。このため、一度加圧室121に吸入された低圧燃料が供給通路100へ戻される。したがって、加圧室121の圧力は上昇しない。
調量行程では、プランジャ13の上昇により、可変容積室122の容積が増大する。したがって、ダンパ室201の燃料は、戻し通路108、環状通路107及び筒状通路106を経由し、可変容積室122へ流入する。
このとき、加圧室121がダンパ室201側へ排出する低圧燃料の容積の約60%が、ダンパ室201から可変容積室122に吸入される。これにより、燃圧脈動の約60%が低減される。
(3)加圧行程
プランジャ13が下死点から上死点に向かって上昇する途中の所定の時刻に、コイル73へ通電される。するとコイル73に発生する磁界により、固定コア80と可動コア81との間に磁気吸引力が発生する。この磁気吸引力が第2スプリング22の弾性力と第1スプリング21の弾性力との差よりも大きくなると、可動コア81とニードル41は固定コア80側(図1の左方向)へ移動する。これにより、吸入弁40に対するニードル41の押圧力が解除される。吸入弁40は、第1スプリング21の弾性力、及び加圧室121からダンパ室201側へ排出される低圧燃料の流れによって生ずる力により、弁座34側へ移動する。したがって、吸入弁40は弁座34に着座し、供給通路100が閉塞される。
吸入弁40が弁座34に着座した時から、加圧室121の燃料圧力は、プランジャ13の上死点に向かう上昇と共に高くなる。加圧室121の燃料圧力が吐出弁92に作用する力が、吐出通路114の燃料圧力が吐出弁92に作用する力およびスプリング94の付勢力よりも大きくなると、吐出弁92が開弁する。これにより、加圧室121で加圧された高圧燃料は吐出通路114を経由して燃料出口91から吐出する。
なお、加圧行程の途中でコイル73への通電が停止される。加圧室121の燃料圧力が吸入弁40に作用する力は、第2スプリング22の付勢力より大きいので、吸入弁40は閉弁状態を維持する。
高圧ポンプ10は、(1)から(3)の行程を繰り返し、内燃機関に必要な量の燃料を加圧して吐出する。
コイル73へ通電するタイミングを早くすれば、調量行程の時間が短くなると共に、加圧行程の時間が長くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が少なくなり、吐出通路114から吐出される燃料が多くなる。
一方、コイル73へ通電するタイミングを遅くすれば、調量行程の時間が長くなると共に、吐出行程の時間が短くなる。これにより、加圧室121から供給通路100へ戻される燃料が多くなり、吐出通路114から吐出される燃料が少なくなる。
このように、コイル73へ通電するタイミングを制御することで、高圧ポンプ10から吐出される燃料の量を内燃機関が必要とする量に制御することができる。
ここで、固定コア80及び可動コア81を形成するステンレス鋼と、ケース60を形成するステンレス鋼との磁気特性の違いを図3を参照して説明する。
図3では、Cr含有量(wt%)の異なるステンレス鋼について、所定の磁化力(B10)を印加したときの磁束密度(G)を示している。
Cr含有量13wt%のステンレス鋼は、12000〜13000ガウスの値を示す。
Cr含有量18wt%のステンレス鋼とCr含有量20wt%のステンレス鋼は、9000〜10000ガウスの値を示す。
これにより、Cr含有量が15wt%未満のステンレス鋼は磁気性能が高く、Cr含有量が15wt%以上のステンレス鋼は磁気性能が低いといえる。詳細には、Cr含有量が14wt%未満のステンレス鋼は磁気性能が高く、Cr含有量が16wt%以上のステンレス鋼は磁気性能が低いといえる。
次に、磁気性能の高いステンレス(B10=11600(G)、以下このステンレスを「ステンレスα」という)と、磁気性能の低いステンレス(B10=4700(G)、以下このステンレスを「ステンレスβ」という)とで形成した固定コア80、可動コア81及びケース60を用いて種々の組み合わせで電磁駆動装置70を構成した場合の磁気特性の違いを図4を参照して説明する。
図4において、横軸は、固定コア80と可動コア81との間のエアギャップ(mm)を示している。また、縦軸は、固定コア80と可動コア81との間の静的吸引力を示している。
実線Aに示すように、固定コア、可動コア及びケースを全てステンレスαから形成した電磁駆動装置は、最も高い静的吸引力を示した。
実線Cに示すように、固定コア、可動コア及びケースを全てステンレスβから形成した電磁駆動装置は、最も低い静的吸引力を示した。
実線Bに示すように、固定コア、可動コアをステンレスαから形成し、ケースをステンレスβから形成した電磁駆動装置70では、実線Aと実線Bとの間で、実線Bよりも実線Aにより近い静的吸引力を示した。
この結果、固定コア80、可動コア81をステンレスαから形成し、ケース60をステンレスβから形成した電磁駆動装置70(実線B)は、固定コア、可動コア及びケースを全てステンレスαから形成した電磁駆動装置(実線A)と比較して磁気特性がほとんど低下することなく、これに対し、固定コア、可動コア及びケースを全てステンレスβから形成した電磁駆動装置(実線C)と比較して磁気特性がかなり高いといえる。
本実施形態は、以下の作用効果を奏する。
本実施形態では、固定コア80及び可動コア81をケース60よりもコイルの励磁する磁界の強さに対し、磁束密度の大きいステンレス鋼、つまり、飽和磁束密度又は透磁率の大きいステンレス鋼(Cr含有量15wt%未満のステンレス鋼)で形成することで、燃料に対する耐食性を高めると共に、磁気吸引力を大きくすることが可能になる。したがって、電磁駆動装置70の磁気特性を高めることができる。
また、ケース60及び接続部材76を固定コア80及び可動コア81よりも耐食性の高いステンレス鋼(Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼)でケース60を形成することで、磁気吸引力の低下を抑制すると共に、塩水、融雪剤などの塩化物イオンに対する耐食性を高めることが可能になる。この結果、電磁駆動装置70の磁気特性を高めると共に、外観上の品質を高めることができる。
本実施形態では、ケース60と固定コア80との接続部は、固定コア80の軸方向可動コア81側の磁気吸引部86よりも面積が大きい。これにより、ケース60から固定コア80に流れる磁束は、磁気吸引部86で集約され、磁束密度が大きくなる。したがって、電磁駆動装置70の磁気吸引力を高め、磁気特性を高めることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による電磁駆動装置を図5に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、固定コア80の軸方向の可動コア81と反対側に略円盤状のカバー61が設けられている。カバー61は、固定コア80及び可動コア81よりも耐食性の高いフェライト系のステンレス鋼から形成される。具体的に、カバー61は、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼のうち、例えばSUS430から形成される。
カバー61の固定コア80側に設けられた凹部611の内壁にめねじが形成されている。一方、固定コア80のカバー61側に設けられた凸部801の外壁におねじが形成されている。カバー61と固定コア80とは、凹部611と凸部801とのねじ結合により固定される。カバー61は、固定コア80の軸方向可動コア81と反対側を外気から遮断している。
カバー61は、その軸方向の長さが、固定コア80の軸方向の長さよりも短い。これにより、カバー61の設置による固定コア80の体積の減少を抑制することで、固定コア80の磁気性能を維持することができる。
カバー61とケース60とは、例えば溶接により接続される。カバー61とケース60との接続部は、固定コア80の軸方向可動コア81側の磁気吸引部86よりも面積が大きい。これにより、カバー61からケース60を経由して固定コア80に流れる磁束は、磁気吸引部86で集約され、磁束密度が大きくなる。
本実施形態では、外気に曝される固定コア80の軸方向の端部を耐食性の高いステンレス鋼からなるカバー61で覆うことで、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、塩水、融雪剤などの塩化物イオンに対する耐食性を高めることが可能になる。この結果、電磁駆動装置の磁気特性を高めると共に、外観上の品質を高めることができる。
なお、カバー61は、例えば耐食性の高い樹脂から形成されもよい。これにより、塩水、融雪剤などの塩化物イオンに対する耐食性を高めることで、電磁駆動装置の外観上の品質を高めることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による電磁駆動装置を図6に示す。本実施形態ではカバー61の固定コア80側に設けられた凸部612の外壁におねじが形成されている。一方、固定コア80のカバー61側に設けられた凹部802の内壁にめねじが形成されている。カバー61と固定コア80とは、凸部612と凹部802とのねじ結合により固定される。カバー61は、固定コア80の可動コア81と反対側を外気から遮断している。
本実施形態では、固定コア80の軸方向の端部を耐食性の高いステンレス鋼からなるカバー61で覆うことで、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態による電磁駆動装置を図7に示す。本実施形態ではカバー61の固定コア80側に凹部613が設けられ、一方、固定コア80のカバー61側に凸部803が設けられている。カバー61と固定コア80とは、凹部613と凸部803との圧入により固定される。カバー61は、固定コア80の可動コア81と反対側を外気から遮断している。
本実施形態では、固定コア80の軸方向の端部を耐食性の高いステンレス鋼からなるカバー61で覆うことで、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による電磁駆動装置を図8に示す。本実施形態ではカバー61の固定コア80側に凸部614が設けられ、一方、固定コア80のカバー61側に凹部804が設けられている。カバー61と固定コア80とは、凸部614と凹部804との圧入により固定される。カバー61は、固定コア80の可動コア81と反対側を外気から遮断している。
本実施形態では、固定コア80の軸方向の端部を耐食性の高いステンレス鋼からなるカバー61で覆うことで、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による電磁駆動装置を図9に示す。本実施形態では、カバー61は円盤状に形成されている。カバー61と固定コア80とは、径方向外側から溶接により固定される。カバー61は、固定コア80の軸方向可動コア81と反対側を外気から遮断している。
本実施形態では、固定コア80の軸方向の端部を耐食性の高いステンレス鋼からなるカバー61で覆うことで、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による電磁駆動装置を図10に示す。本実施形態では、固定コア80の可動コア81と反対側の端面に、コーティング62が施されている。
また、固定コア80の可動コア81と反対側の端面に、メッキ処理をしてもよい。また、固定コア80の可動コア81と反対側の端面に、塗装をしてもよい。
これにより、外気に曝される固定コア80の軸方向の端面の腐食を抑制することができる。したがって、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることで、電磁駆動装置の外観上の品質を向上することができる。
なお、コーティング、メッキ処理または塗装は、電磁駆動装置70の構成部品を全て組み付け後、電磁駆動装置70の全体または溶接個所に行ってもよい。ステンレスは、溶接の熱により、クロムの含有率が減少し、腐食しやすくなる。したがって、電磁駆動装置70の構成部品の組み付け後、全体塗装等を行うことで、腐食を抑制し、電磁駆動装置70の外観上の品質を向上することができる。
(第8〜12実施形態)
本発明の第8〜12実施形態による電磁駆動装置を図11〜図15に示す。
第8〜12実施形態では、ケース60が略有底筒状に形成され、コイル73の径方向外側、および固定コア80の可動コア81と反対側の端面を覆い、電磁駆動装置70を外気から遮蔽している。第8〜12実施形態におけるケース60は、第2〜6実施形態のケース60とカバー61とを一体で構成したものと捉えることが可能である。
第8実施形態では、図11に示すように、ケース60の固定コア80側に設けられた凹部601の内壁にめねじが形成されている。一方、固定コア80のカバー61側に設けられた凸部801の外壁におねじが形成されている。ケース60と固定コア80とは、凹部601と凸部801とのねじ結合により固定される。
第9実施形態では、図12に示すように、ケース60の軸中心に、板厚方向に通じる孔602が設けられている。固定コア80のカバー61側に設けられた凹部802の内壁にめねじが形成されている。ねじ部材63が、ケース60の孔602を通り、固定コア80のめねじにねじ止めされている。ねじ部材63により、ケース60と固定コア80とが固定される。
第10実施形態では、図13に示すように、ケース60の固定コア80側に凹部603が設けられている。一方、固定コア80のカバー61側に凸部803が設けられている。ケース60と固定コア80とは、凸部803と凹部603との圧入により固定される。
第11実施形態では、図14に示すように、ケース60の軸中心に板厚方向に通じる孔602が設けられている。固定コア80のカバー61側に凹部804が設けられている。圧入部材64が、ケース60の孔602を通り、固定コア80の凹部804に圧入されている。圧入部材64により、ケース60と固定コア80とが固定される。
第12実施形態では、ケース60の軸中心に、板厚方向に通じる孔602が設けられている。固定コア80のカバー61側に凸部803が設けられている。固定コア80の凸部803とケース60の孔602とが圧入されることで、ケース60と固定コア80とが固定される。
固定コア80の凸部803の軸方向の端面には、コーティング62が施されている。また、固定コア80の凸部803の軸方向の端面に、メッキ処理または塗装をしてもよい。これにより、外気に曝される固定コア80の凸部803の軸方向の端面の腐食を抑制することができる。したがって、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることで、電磁駆動装置70の外観上の品質を向上することができる。
なお、コーティング62、メッキ処理または塗装は、電磁駆動装置70の構成部品を全て組み付け後、電磁駆動装置70の全体または溶接個所に行ってもよい。
第8〜12実施形態では、ケース60と固定コア80との接続部の面積を大きくすることで、ケース60から固定コア80に流れる磁束を強くすることができる。
第8〜12実施形態では、固定コア80の軸方向の端部を耐食性の高いステンレス鋼からなるケース60で覆うことで、固定コア80の磁気性能を維持しつつ、耐食性を高めることができる。
第8〜12実施形態では、ケース60とカバー61とを一体で構成することで、電磁駆動装置70の部品点数を削減し、製造上のコストを低減することができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、コイル73に通電していないとき、可動コア81が吸入弁40を開弁するノーマリーオープン弁について説明した。これに対し、本発明は、コイルに通電していないとき、可動コアが吸入弁を閉弁するノーマリークローズ弁に適用してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
10 ・・・高圧ポンプ
11 ・・・ポンプボディ
13 ・・・プランジャ
40 ・・・吸入弁
60 ・・・ケース
61 ・・・カバー
70 ・・・電磁駆動装置
73 ・・・コイル
74 ・・・可動コア室
76 ・・・接続部材
80 ・・・固定コア
81 ・・・可動コア
86 ・・・磁気吸引部
100 ・・・供給通路
121 ・・・加圧室

Claims (15)

  1. 高圧ポンプに用いられ、プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室に燃料を供給する供給通路を開放又は閉塞する吸入弁を駆動制御する電磁駆動装置であって、
    通電により磁界を生じるコイルと、
    ステンレス鋼から形成され、前記コイルの径内方向に設けられる固定コアと、
    ステンレス鋼から形成され、前記コイルの励磁する磁界により前記固定コアに磁気吸引されることで前記吸入弁を開弁方向又は閉弁方向に移動する可動コアと、
    前記高圧ポンプの前記ポンプボディに接続され、前記固定コアの前記吸入弁側に前記可動コアを往復移動可能に収容する可動コア室を有する接続部材と、
    ステンレス鋼から形成され、前記固定コア、前記可動コアおよび前記接続部材と共に前記コイルの励磁する磁界の磁束が流れる磁気回路を形成するケースと、を備え、
    前記固定コア及び前記可動コアの飽和磁束密度は、前記ケースの飽和磁束密度よりも大きいことを特徴とする電磁駆動装置。
  2. 前記ケースを形成するステンレス鋼は、前記固定コア及び前記可動コアを形成するステンレス鋼よりも耐食性が高いことを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動装置。
  3. 前記接続部材はステンレス鋼から形成され、
    前記固定コア及び前記可動コアの飽和磁束密度は、前記接続部材の飽和磁束密度よりも大きく、
    前記接続部材を形成するステンレス鋼は、前記固定コア及び前記可動コアを形成するステンレス鋼よりも耐食性が高いことを特徴とする請求項1または2に記載の電磁駆動装置。
  4. 前記固定コア及び前記可動コアは、Cr含有量0wt%を超え15wt%未満のステンレス鋼から形成され、
    前記ケースは、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  5. 前記接続部材は、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  6. 前記固定コアの軸方向の前記可動コアと反対側を外気から遮断し、前記固定コアよりも耐食性の高い材料から形成されるカバーを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  7. 前記可動コアと前記固定コアとの間に設けられ、前記可動コアを前記吸入弁側へ付勢する付勢手段を備え、
    前記固定コアは、前記付勢手段を収容する前記収容室を有し、
    前記固定コアの軸方向の長さは、前記付勢手段の前記収容室の軸方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項6に記載の電磁駆動装置。
  8. 前記カバーは、Cr含有量15wt%以上のステンレス鋼から形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の電磁駆動装置。
  9. 前記ケース及び前記カバーは、同一材料から一体に形成されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  10. 前記固定コアの軸方向の前記可動コア側の磁気吸引部は、前記固定コアと前記ケースとが接続する接続部、または前記固定コアの軸方向の前記可動コアと反対側を外気から遮断するカバーと前記ケースとが接続する接続部よりも面積が小さいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  11. 前記固定コア及び前記可動コアは、SUS405から形成され、
    前記ケース、前記接続部材及び前記固定コアの軸方向の前記可動コアと反対側を外気から遮断するカバーは、SUS430から形成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  12. 前記固定コアは、軸方向の前記可動コアと反対側がコーティング、メッキ処理または塗装されることで、外気から遮断されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の電磁駆動装置。
  13. 前記カバーは、樹脂から形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の電磁駆動装置。
  14. 請求項1〜13に記載の電磁駆動措置において、
    前記固定コア及び前記可動コアの飽和磁束密度が前記ケースの飽和磁束密度よりも大きいことに代えて、前記固定コア及び前記可動コアの透磁率は前記ケースの透磁率よりも大きいことを特徴とする電磁駆動装置。
  15. プランジャと、
    前記プランジャの往復移動により燃料が加圧される加圧室、及びこの加圧室に燃料を供給する供給通路を有するポンプボディと、
    前記供給通路を開放又は閉塞する吸入弁と、
    前記吸入弁の開閉を駆動制御する請求項1〜14のいずれか一項に記載の電磁駆動装置と、を備えることを特徴とする高圧ポンプ。
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