JP2012153660A - DnaJC6発現抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】DnaJC6発現抑制剤の提供。
【解決手段】下記式(I)
Figure 2012153660

(式中、R1及びR2はいずれか一方が水素であり他方がメトキシである)で表される化合物、又はその塩を有効成分として含有するDnaJC6発現抑制剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、DnaJC6の発現抑制剤に関する。
フェナントロインドリジジン(Phenanthroindolizidine)は、ガガイモ科植物から単離されるアルカロイドとして知られている化合物であり(非特許文献1)、その活性としては、細胞毒性や抗腫瘍活性(非特許文献2、3)、抗菌活性(非特許文献4)、抗ウイルス活性(非特許文献5)、除草効果(特許文献1)などが知られている。
「DnaJC6」は、NCBIのデータベース(OMIM)にMIM ID *608375として登録されている熱ショック蛋白質に分類されるタンパク質である。熱ショック蛋白質には多くのファミリーが存在し、例えば、HSP110、HSP90、HSP70、HSP60、HSP40、HSP27、HSP10のファミリーに大別される。このうち、DnaJC6は、DNAJ/HSP40ファミリーに属する分子シャペロンであると推定されている。
フェナントロインドリジジン化合物がDnaJC6発現制御に関与することはこれまで知られていなかった。
中国特許公開第1711848号公報
Li et al, Heterocycles, 1989, 29(9):1797-1808 Su et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2008, 16(11):6233-6241 Lee, Planta Medica, 2003, 69(1):21-25 Mogg et al, Biochemical Systematics and Ecology, 2008, 36(5-6):383-391 Xi et al, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2006, 16(16):4300-4304
本発明は、フェナントロインドリジジン化合物を有効成分とするDnaJC6発現抑制剤に関する。
本発明者らは、フェナントロインドリジジン化合物がDnaJC6発現を抑制する作用を有することを見出した。また本発明者らは、DnaJC6の発現が毛成長と関連しており、DnaJC6の発現を制御することで毛成長を制御できることを見出した。
すなわち、本発明は以下を提供する。
1)下記式(I)
Figure 2012153660
(式中、R1及びR2はいずれか一方が水素であり他方がメトキシである)
で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するDnaJC6発現抑制剤。
2)R1がメトキシであり且つR2が水素である1)記載のDnaJC6発現抑制剤。
本発明によれば、DnaJC6発現を抑制することができる素材を提供することができる。また本発明によれば、当該DnaJC6発現抑制を介して、毛成長を抑制させることが可能になる。
本発明化合物がDnaJC6遺伝子発現に与える影響。n=3、mean±SD。*: P <0.05(non-paired t-test、vs Vehicle)。 抑毛剤がヒトDnaJC6プロモーター活性に与える影響。n=3、mean±SD。*: P <0.05, ***: P <0.001(non-paired t-test、vs Vehicle)。
本発明のDnaJC6発現抑制剤は、下記式(I):
Figure 2012153660
(式中、R1及びR2はいずれか一方が水素であり他方がメトキシである)
で表される化合物又はその塩を有効成分とする。
好ましい態様において、R1はメトキシであり且つR2は水素である。
本明細書において、上記化合物はその異性体を包含する。
式(I)化合物はとしては、好ましくは、(-)-Antofine((13aR)-9,11,12,13,13a,14-Hexahydro-2,3,6-trimethoxydibenzo[f,h]pyrrolo[1,2-b]isoquinoline)が挙げられる。
式(I)化合物の塩としては、特に限定されないが、塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩等が挙げられる。
上記式(I)化合物又はその塩は、Li et al(Heterocycles, 1989, 29(9):1797-1808)記載の方法等に従って、ガガイモ科植物から単離することができ、あるいはSu et al(Bioorganic & Medicinal Chemistry, 2008, 16(11):6233-6241)等に記載の公知の方法によって調製することができる。
以下に、例示として、ガガイモ科植物フナバラソウ(Cynanchum atratum Bge.)から式(I)化合物Antofineを調製する方法を記載する。フナバラソウは、ガガイモ科カモメヅル属の多年草であり、その根は、従来、漢方で白薇(はくび)として、清熱涼血、解熱、利尿のために使用されている。白薇の薬効成分としては、強心配糖体キナンコール(Cynanchol)が知られている。
まずフナバラソウ抽出物を調製する。抽出物は、フナバラソウの任意の部位、例えば全草若しくは根、又はそれらの組み合わせからの抽出物であればよいが、根からの抽出物が好ましい。上記部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されてもよい。当該抽出物としては、市販されているものを利用してもよく、又は常法により得られる各種溶剤抽出物であってもよい。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。好適には、水、アルコール類及びその水溶液が挙げられ、アルコール類としてはエタノールが好ましい。より好ましい溶剤は、水及びエタノール水溶液である。
上記アルコール類の水溶液におけるアルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20がさらに好ましく、30〜70:70〜30がさらにより好ましく、40〜60:60〜40がなお好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール類濃度が40〜60容量%であることが好ましい。溶剤の使用量としては、フナバラソウ根(乾燥質量換算)1gに対して10〜150mLが好ましい。
抽出物の調製には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の任意の抽出手順を用いることができる。抽出には、ソックスレー抽出器等の通常使用される抽出器具を用いることができる。
例えば浸漬の場合、抽出時間は1分間〜2ヶ月間が好ましく、10分間〜4週間がより好ましく、抽出温度は、0℃〜溶媒沸点、より好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは15〜40℃である。浸漬の好適な条件の一例として、15〜40℃で、1時間〜4週間の浸漬が挙げられる。抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。固液抽出の好適な条件の一例としては、10〜100℃(好ましくは20〜100℃)下、1000〜5000rpmで1〜30分間の攪拌が挙げられる。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。必要に応じて、得られた抽出物をさらにろ過、減圧濃縮等の処理にかけてもよい。
得られた抽出物を、酢酸エチル/水等を用いて液液分配して有機層を回収し、当該有機層をクロマトグラフィーにて分画する。クロマトグラフィーでは、例えばシリカゲルカラムと、ヘキサン/酢酸エチル/メタノール等の溶媒を用いて画分を得ることができる。一例として、ヘキサン/酢酸エチル=90/10→ヘキサン/酢酸エチル=0/100→メタノールの勾配溶媒が挙げられる。得られた各画分のうち酢酸エチル/メタノール=10/90〜酢酸エチル/メタノール=0/100溶出画分を、第2のクロマトグラフィーに供する。第2のクロマトグラフィーでは、例えばシリカゲルカラムと、クロロホルム/メタノール勾配を用いて画分を得ることができる。得られた各画分のうちクロロホルム/メタノール=2/100〜クロロホルム/メタノール=10/100溶出画分から、Antofineを含有する活性画分を得ることができる。
後記実施例に示すように、上記式(I)化合物は、DnaJC6遺伝子プロモーターの活性を有意に抑制する作用を有し、DnaJC6発現抑制剤として有用である。また後記実施例に示すように、DnaJC6の発現は毛の成長と密接に関連している。したがって、式(I)化合物によりDnaJC6発現を抑制することによって、毛成長を抑制することが可能になる。
従って、一態様として、本発明は、上記式(I)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するDnaJC6発現抑制剤を提供する。また一態様として、本発明は、上記式(I)で表される化合物又はその塩を有効成分として含有する毛成長抑制剤を提供する。一実施形態として、これらの剤は、本質的に上記式(I)で表される化合物又はその塩から構成される。
本明細書において、「DnaJC6」とは、NCBIのデータベース(OMIM)[http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=omim]にMIM ID *608375として登録されているタンパク質を指す。本明細書において、「DnaJC6発現抑制」とは、DnaJC6タンパク質の発現、又は当該タンパク質をコードするDnaJC6遺伝子若しくはそのmRNAの発現を抑制することを指す。
上記式(I)で表される化合物又はその塩(以下、式(I)化合物等)は、DnaJC6発現抑制のため、又は毛成長抑制の組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等として使用することができ、あるいはそれらの製造のために使用することができる。当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等は、ヒト又は非ヒト動物用として製造され、上記式(I)化合物等をDnaJC6発現抑制のための有効成分として含有する。当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等もまた、本発明の範囲内である。
上記医薬又は医薬部外品は、任意の投与形態で投与され得る。投与形態は、経口投与でも外用剤等の非経口投与でもよい。例えば、経口投与形態としては、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形投薬形態、ならびにエリキシロール、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態が挙げられ、非経口投与形態としては、注射、輸液、経皮、経粘膜、経鼻、経腸、吸入、坐剤、ボーラス、貼布剤等が挙げられる。
上記化粧料の形態としては、クリーム、乳液、ローション、懸濁液、フォーム、ジェル、パウダー、パック、シート、パッチ、スティック、ケーキ等、化粧料に使用され得る任意の形態が挙げられる。
上記医薬、医薬部外品、化粧料等は、上記式(I)化合物等を単独で又は組み合わせて含有していてもよく、さらに薬学的に又は化粧料として許容される担体を含有していてもよい。あるいはさらに、そのDnaJC6発現抑制作用が失われない限り、他の有効成分や薬理成分、又は化粧料の場合は化粧成分を組み合わせて含有していてもよい。
上記担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、希釈剤、分散剤、緩衝剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。上記化粧成分としては、例えば、保湿剤、美白剤、紫外線保護剤、細胞賦活剤、洗浄剤、角質溶解剤、メークアップ成分(例えば、化粧下地、ファンデーション、おしろい、パウダー、チーク、口紅、アイメーク、アイブロウ、マスカラ、その他)等が挙げられる。
上記医薬、医薬部外品、化粧料等は、上記式(I)化合物等から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分、薬理成分若しくは化粧成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該医薬、医薬部外品、化粧料等における当該式(I)化合物等の含有量は、式(I)化合物の質量に換算して、例えば、0.0001〜10質量%であり、0.001〜5質量%とすることができる。
また本発明は、上記式(I)化合物等を対象に有効量で投与するか又は摂取させることを特徴とするDnaJC6発現抑制方法を提供する。また本発明は、上記式(I)化合物等を対象に有効量で投与するか又は摂取させることを特徴とする毛成長抑制方法を提供する。
投与又は摂取する対象としては、DnaJC6発現抑制又は毛成長抑制を必要とする動物、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物、より好ましくはヒトが挙げられる。投与の有効量は、対象の種、体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔は、当業者によって適宜決定され得る。例えば、ヒトの皮膚に塗布する場合、投与量は、式(I)化合物の質量に換算して、成人1人(60kg)当たり、0.001〜100mg/日とすることが好ましく、0.01〜10mg/日がより好ましい。
あるいは、投与する対象としては、DnaJC6を発現可能な細胞が挙げられる。本明細書において、「DnaJC6を発現可能な細胞」としては、生来的にDnaJC6遺伝子を有し、これを発現する能力のある細胞、及び外来的にDnaJC6遺伝子を発現可能に導入された細胞が挙げられる。当該細胞は、生体から採取された細胞、または生体から採取された組織や器官に含まれる細胞であってもよく、培養細胞であってもよい。好ましくは、当該細胞は、哺乳動物に由来する。生来的にDnaJC6遺伝子を有し、これを発現する能力のある細胞としては、生体のあらゆる組織に由来する細胞が挙げられるが、好ましくは、哺乳動物から採取された皮膚由来の細胞、例えば、毛髪組織由来の細胞、表皮組織由来の細胞、真皮組織由来の細胞(線維芽細胞等)、及び脳由来の細胞等、ならびにこれらの細胞に由来する細胞培養物、器官培養物等が挙げられる。外来的にDnaJC6遺伝子を発現可能にした細胞は、DnaJC6遺伝子を組み込んだ発現ベクターを任意の哺乳動物細胞に導入し、当該細胞を形質転換させることによって得ることができる。DnaJC6遺伝子を組み込んだ発現ベクターの作製方法及び発現ベクターの哺乳動物細胞への導入方法は、当業者に周知である。
上記細胞におけるDnaJC6の発現は、DnaJC6タンパク質の発現、又は当該タンパク質をコードするDnaJC6遺伝子若しくはそのmRNAの発現、DnaJC6遺伝子のプロモーターの活性化等を指標として測定することができる。測定は、指標とするパラメータ(例えば、タンパク質発現、遺伝子又はmRNA発現、DnaJC6遺伝子プロモーターの活性化等)の測定方法として当該分野で公知の方法に従って行えばよい。測定方法としては、例えば、RT−PCR、アガロースゲル電気泳動、リアルタイムRT−PCR、SDS−PAGE、クロマトグラフィー法、免疫学的測定法(例えば、免疫組織化学、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降等)、比色定量法、蛍光・光学的測定法、質量分析、電子顕微鏡観察等、及びこれらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
DnaJC6遺伝子プロモーターの活性化を指標にDnaJC6の発現を測定する場合、測定に用いるプロモーターとしては、ヒトDnaJC6プロモーターが好ましい。ヒトDnaJC6プロモーターとしては、配列番号1で示される塩基配列を有するプロモーター、及び配列番号1で示される塩基配列に対して1個〜数個(好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個)の塩基が置換、欠失、挿入、付加されており、且つ配列番号1で示される塩基配列を有するプロモーターと同様の転写因子に制御されて下流の遺伝子の発現を制御するものが挙げられる。DnaJC6遺伝子プロモーターの活性化の測定は、例えば、当該プロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子等のマーカー遺伝子を作動可能に連結し、当該マーカー遺伝子の発現(例えば、ルシフェラーゼ活性)を測定すればよい。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
製造例1 (-)-Antofine(化合物1)の調製
フナバラソウ(根、新和物産)850gに50%エタノール水溶液10Lを加え、室温で12日間、抽出を行った。抽出液をろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し、抽出物233.5gを得た。この抽出物を酢酸エチル/水による液々分配を行い、酢酸エチル画分32.1gを得た。次いで、酢酸エチル画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→ヘキサン/酢酸エチル=0/100→100%メタノールグラジェント)により分画し、分画物1.51gを得た。この分画物をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→メタノールグラジェント)により分画し、クロロホルム/メタノール=2/100〜クロロホルム/メタノール=10/100溶出画分を分取して濃縮し、(-)-Antofineを含む画分Aを62mg得た。
画分Aの測定データは以下の通り。
1H-NMR(CDCl3,δppm):1.79(m, 1H), 1.93(m, 1H), 2.05(m, 1H), 2.26(m, 1H), 2.48(m, 1H), 2.51(m, 1H), 2.92(m, 1H), 3.36(dd, J=16, 3Hz, 1H), 3.48(m, 1H), 3.71(d, J=15Hz, 1H), 4.02(s, 3H), 4.07(s, 3H), 4.11(s, 3H), 4.70(d, J=15Hz, 1H), 7.21(dd, J=9, 3Hz, 1H), 7.31(s, 1H), 7.81(d, J=9Hz, 1H), 7.90(d, J=3Hz, 1H);MS:364[M+H]+.
[α]D27 -128.8°(c=0.10, CHCl3).
実施例1 本発明化合物のDnaJC6遺伝子発現抑制効果
ヒトDnaJC6プロモーター(配列番号1:979bp [転写開始点から−771〜+208])の下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子が挿入されたhDnaJC6opP/pGL4.10 [luc2]プラスミド、及びトランスフェクション効率の補正を目的としてCMV promoterの下流にウミシイタケルシフェラーゼが導入されたプラスミド(pRL-CMV、Promega)をLipofectAMINE 2000 reagent(Invitrogen)を用いて、293A細胞にトランスフェクションした。その8時間後に培地を交換し、試験物質として製造例1で調製した化合物1(50%エタノール溶液、化合物1として最終濃度4nM)を、対照として同量の50%エタノール溶液(Vehicle)を、それぞれ培地に添加した。24時間後にそれぞれのルシフェラーゼ活性を測定した。
ルシフェラーゼアッセイはDual-Glo Luciferase Assay System(Promega)を用いて行った。培地を除去後、PBSにより2倍希釈したDual-Glo luciferase reagentを加え、攪拌した後、約20分後にホタルルシフェラーゼ活性を測定した。その後、等量のDual-Glo Stop&Glo reagentを加え、攪拌した後にウミシイタケルシフェラーゼ活性を測定した。尚、双方ともルシフェラーゼ活性の測定時間は2秒とした。
全てのDnaJC6プロモーター活性(ホタルルシフェラーゼ活性)はトランスフェクション効率補正のために導入されたウミシイタケルシフェラーゼ活性にて除することで補正した。その後、DnaJC6プロモーター活性阻害率を以下の式にて求め、DnaJC6プロモーター活性に対する抑制効果を評価した。

DnaJC6プロモーター活性率(%)=(試験物質添加群/溶媒対照添加群)×100
プロモーター活性評価結果を図1に示す。対照群(Vehicle)に対して、化合物1を添加した群では、DnaJC6プロモーター活性が有意に抑制され、DnaJC6遺伝子発現が抑制されていることが示された。
実施例2 DnaJC6発現と毛成長抑制との関係
抑毛剤のDnaJC6発現に対する影響を調べた。実施例1と同様の手順で、試験物質として抑毛剤A及びB(0.1vol%)を添加して、DnaJC6プロモーター活性に対する抑制効果を評価した。また器官培養毛を用いた実験によって、同濃度の抑毛剤A及びBの毛成長抑制作用を調べた。
DnaJC6プロモーター活性を調べた結果を図2に示す。抑毛剤添加群でDnaJC6プロモーター活性が有意に抑制された。器官培養毛を用いた実験では、培養10日後、抑毛剤A及びB添加群の毛成長は対照群(Vehicle)の約30%まで抑制されていた。抑毛剤による毛成長抑制作用にDnaJC6遺伝子発現抑制が関与していることが示唆された。

Claims (2)

  1. 下記式(I)
    Figure 2012153660
    (式中、R1及びR2はいずれか一方が水素であり他方がメトキシである)
    で表される化合物又はその塩を有効成分として含有するDnaJC6発現抑制剤。
  2. 1がメトキシであり且つR2が水素である請求項1記載のDnaJC6発現抑制剤。
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