JP2012153601A - 長繊維強化セラミックス複合材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィラメント・ワインディング法を用いたセラミックス複合材料の製造において、板状体等の単純な形状以外の様々な形状であっても簡便に緻密体を得ることができる長繊維強化セラミックス複合材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】平均粒径が異なる2種以上のセラミックス粉末および有機バインダを溶剤に添加して調製したスラリーに、セラミックス系長繊維を浸漬させ、スラリーが付着したセラミックス系長繊維をセラミックス多孔体からなるマンドレルに巻き付ける工程10Bと、前記マンドレルに巻き付けられたセラミックス系長繊維を乾燥し、硬化させる工程20Bと、前記マンドレルに巻き付けられた状態の硬化体を焼成する工程50Bとを経ることにより、長繊維強化セラミックス複合材料を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィラメント・ワインディング(FW:Filament Winding)法を用いた長繊維強化セラミックス複合材料およびその製造方法に関する。
セラミックスは、一般に、高融点、高硬度であり、耐薬品性、高温強度特性等にも優れているため、高温用構造材料に用いられている。
しかしながら、セラミックスは、靱性に劣るという欠点があり、この欠点を補うべく、様々な強化法による複合材料が提案されている。
これらの複合材料のうちの一つに、長繊維強化セラミックス複合材料がある。これは、高温強度特性に優れた炭素繊維や炭化ケイ素繊維等のセラミックス系長繊維とマトリックス材料とを複合させたものである。この長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法としては、化学気相含浸(CVI:Chemical Vapor Infiltration)法、ホットプレス法、FW法等がある。
CVI法は、長繊維を積層または三次元形状に編み込んだ構造体の空隙でガスを反応させ、繊維上に炭化ケイ素を析出させてマトリックスを形成する方法である。
また、ホットプレス法は、繊維同士、または、繊維とセラミックマトリックスを、高温下で加圧して焼結する方法である。
また、FW法は、例えば、特許文献1,2に記載されているように、長繊維をマンドレルに巻き付ける方法である。この場合は、予め、セラミックス粉末とバインダを含むスラリーに長繊維を浸漬させ、これを巻き付けた後、焼成する。
特開平8−2966号公報 特開平8−81276号公報
しかしながら、前記CVI法においては、長繊維を予め積層体や三次元形状の構造体に成形しておく必要があり、また、前記構造体の空隙を埋めるように、気相反応によりマトリックスを形成させるため、緻密体を得ることが困難であり、製造に長時間を要し、製造コストが高いという課題を有していた。
一方、ホットプレス法は、緻密体を得ることはできるものの、板状体等の単純な形状しか得ることができず、得られる形状における制限が大きい。このため、板状体等以外の所望の形状とするためには、得られた板状体に全体加工を施す必要があり、加工取代分を考慮した大きさの板状体を製造しなければならず、この場合も、製造に長時間を要し、製造コストが高いという課題を有していた。
また、上記特許文献1,2に記載されているような従来のFW法を用いた複合材料の製造方法では、マトリックスを緻密化させるには、限界があった。
そこで、本発明者は、板状体等の単純な形状以外の様々な形状の長繊維強化セラミックス複合材料を、簡便に、より緻密化させて得ることができる方法を検討し、FW法を用いた製造方法を改良した本発明に係る製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、FW法を用いたセラミックス複合材料の製造において、板状体等の単純な形状以外の様々な形状であっても簡便に、より緻密化させて得ることができる長繊維強化セラミックス複合材料およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法は、平均粒径が異なる2種以上のセラミックス粉末および有機バインダを溶剤に添加して調製したスラリーに、セラミックス系長繊維を浸漬させ、スラリーが付着したセラミックス系長繊維をセラミックス多孔体からなるマンドレルに巻き付ける工程と、前記マンドレルに巻き付けられたセラミックス系長繊維を乾燥し、硬化させる工程と、前記マンドレルに巻き付けられた状態の硬化体を焼成する工程とを備えていることを特徴とする。
上記製造方法によれば、芯部がセラミックス多孔体、外周部がセラミックス系長繊維緻密体からなる長繊維強化セラミックス複合材料をより簡便に得ることができる。
上記製造方法においては、前記乾燥・硬化工程と前記焼成工程との間に、前記マンドレルの露出している部分を樹脂膜で被覆する工程と、前記樹脂膜で被覆された硬化体を前記スラリーとともに、ゴム型内に入れて、冷間等方加圧(CIP)成形を行う工程と、前記ゴム型内から取り出した成形体を乾燥し、硬化させる工程とを備えていてもよい。
前記CIP成形を行う工程と、前記成形体を乾燥・硬化させる工程とは、繰り返し行われることが好ましい。
上記工程を繰り返し行うことにより、クラック発生箇所を補修することができ、得られる長繊維強化セラミックス複合材料のより一層の緻密化が図られる。
また、本発明に係る長繊維強化セラミックス複合材料は、上記のいずれかの方法により製造された長繊維強化セラミックス複合材料であって、セラミックス多孔体と、前記セラミックス多孔体の外周を覆うようにパラレル巻きまたはヘリカル巻きで巻き付けられたセラミックス系長繊維と、前記セラミックス系長繊維の間隙に存在するセラミックス焼結体のマトリックスとからなることを特徴とする。
上記のような長繊維強化セラミックス複合材料は、ロボットマニピュレータ等の様々な形状の構造部材として好適に用いることができる。
上述したとおり、本発明に係る長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法によれば、FW法を用いたセラミックス複合材料の製造において、形状制御が容易となり、板状体以外の様々な形状であっても、簡便に、より緻密化させて得ることができる。
また、本発明に係る長繊維強化セラミックス複合材料は、ロボットマニピュレータ等の様々な形状の構造部材に好適に用いることができる。
本発明の第1の実施形態に係る長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法の工程フロー図である。 FW工程10Aを説明するための概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法の工程フロー図である。 CIP含浸工程30を説明するための概略図である。 (a)は、パラレル巻きしたセラミックス系長繊維(炭化ケイ素繊維)の繊維方向に平行な断面における顕微鏡写真(倍率:50倍)である。(b)は、(a)のセラミックス系長繊維部分の繊維方向に垂直な断面を拡大した顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
本発明について、図面を参照して、詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法の工程フロー図を示す。
図1に示す製造工程は、スラリーを含浸させたセラミックス系長繊維のFW工程10B、乾燥・硬化工程20B、焼成工程50Bを備えている。
すなわち、FW工程と、乾燥・硬化工程と、焼成工程のみを経るものであり、FW工程において、セラミックス多孔体からなるマンドレルを用い、そのまま焼成して、セラミックス複合材料とするものである。
このような工程を経ることにより、芯部がセラミックス多孔体、外周部がセラミックス系長繊維の緻密体からなるセラミックス複合材料を簡便に得ることができる。
以下、図1に示す製造工程を順次説明する。
図2に、FW工程10Bの概要を示す。
まず、FW工程10Bにおいては、図2に示すように、セラミックス粉末および有機バインダを溶剤に添加して調製したスラリー1に、セラミックス系長繊維2を浸漬させて、スラリー1を繊維表面に付着させ、これをセラミックス多孔体からなるマンドレル3に所望の太さになるまで巻き付ける。
このような工程により、セラミックス系長繊維2に付着させたスラリー1が、マンドレル3に巻き付けられたセラミックス系長繊維2の間隙を埋めるマトリックスの前駆体となる。
前記スラリー1の調製において添加されるセラミックス粉末には、例えば、炭化ケイ素粉末が用いられ、また、有機バインダとしては、例えば、フェノール樹脂が用いられる。また、溶剤としては、添加する粉末の分散性、揮発性等を考慮し、例えば、エタノールが用いられる。
なお、前記スラリー1を調整する際に、焼結助剤を加えてもよい。焼結助剤は、例えば、炭化ホウ素が用いられる。
前記セラミックス粉末は、マンドレル3に巻き付けた後のセラミックス系長繊維2の間隙を埋めるマトリックスを形成するものであり、このマトリックスをより緻密化させる観点から、平均粒径が異なる2種以上を混合して用いる。
このような混合粉末を用いることにより、粒径が大きいセラミックス粉末の間隙に、粒径が小さいセラミックス粉末が詰まり、セラミックス系長繊維の間隙のマトリックスを構成するセラミックス粒子間がより密になり、マトリックスのより一層の緻密化が図られる。
セラミックス系長繊維2としては、例えば、炭化ケイ素繊維が用いられる。なお、炭素繊維でも、同様に行うことができる。
また、セラミックス系長繊維2を巻き付けるマンドレル3は、通常、円筒状のものが用いられるが、直径を一部変化させたり、角度を有する筒状のマンドレルを用いたりしてもよい。
これにより、円筒状以外の変形管状の硬化体を形成することもできる。
また、セラミックス系長繊維を巻き付けるマンドレルは、通常、金属製(例えば、アルミニウム、ステンレス)であるが、本発明においては、セラミックス多孔体により構成する。前記マンドレル3として使用するセラミックス多孔体の材質は、用途に応じて適宜選択することができ、例えば、炭化ケイ素等が用いられる。
また、前記セラミックス多孔体は、その製造方法は特に限定されるものではなく、一般的な製造方法により得られるものでよく、また、その気孔率も、マンドレルとして使用されるのに十分な強度を有している限り、特に限定されるものではない。
また、セラミックス系長繊維2のマンドレル3への巻き付け方は、特に限定されるものではなく、パラレル巻きであっても、ヘリカル巻きであってもよいが、繊維密度が、全体的に均質であることが好ましい。
なお、パラレル巻きとは、繊維をほぼ周方向に巻く巻き方で、マンドレルに巻き付けられた繊維の方向はほぼ一定に平行となる。また、ヘリカル巻きとは、マンドレルに対して角度をつけて巻く巻き方であり、マンドレルに巻き付けられた繊維は交差する螺旋状となる。
次に、乾燥・硬化工程20Bにおいて、前記マンドレル3に巻き付けられたセラミックス系長繊維2をマンドレル3ごと、例えば、乾燥機内で40℃から180℃まで昇温させて24時間程度加熱し、スラリー1中の溶剤を蒸発させるとともに、有機バインダを硬化させて、セラミックス系長繊維2の硬化体を作製する。
最後に、焼成工程50Bにおいて、上記により得られた成形硬化体を、例えば、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、2200℃で1時間、常圧焼成する。
なお、前記焼成工程50Bの前に、炭化処理を行ってもよい。炭化処理は、例えば、不活性ガス雰囲気中、600℃で1時間、常圧焼成することにより行う。
(第2の実施形態)
図3に、本発明の第2の実施形態に係る長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法の工程フロー図を示す。
図3に示す製造工程は、スラリーを含浸させたセラミックス系長繊維のFW工程10A、第1の乾燥・硬化工程20A、被覆工程25、ゴム型を用いたCIP含浸工程30A、第2の乾燥・硬化工程40Aおよび焼成工程50Aを備えている。
すなわち、FW工程10Aの後に、弾性を有するゴム型を用いて、CIP成形とスラリー含浸とを同時に行うCIP含浸工程30Aを経る。
このような工程を経ることにより、芯部がセラミックス多孔体、外周部がセラミックス系長繊維の緻密体からなり、第1の実施形態の製造工程で得られるセラミックス複合材料よりもセラミックス系長繊維を巻き付けた部分の密度が高いセラミックス複合材料を簡便に得ることができる。
以下、図3に示す製造工程を順次説明する。
まず、FW工程10Aは、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次の第1の乾燥・硬化工程20Aも、第1の実施形態における乾燥・硬化工程20Bと同様に行う。
そして、被覆工程25においては、前記第1の乾燥・硬化工程20Aで得られた硬化体のマンドレル3の表面が露出している部分をテープ等の樹脂膜で被覆する。
この樹脂膜は、次のCIP含浸工程30Aにおいて、セラミックス多孔体からなるマンドレル3内にスラリー1が侵入しないようにするためのものである。
前記樹脂膜は、後の焼成工程50Aで除去してもよく、CIP含浸工程30Aの完了後の各工程において、適宜、除去してもよい。
なお、FW工程10Aにおいて、マンドレル3の表面全体がセラミックス系長繊維2で覆われるように巻き付けられた場合は、この工程は省略することができる。
図4に、CIP含浸工程30Aの概要を示す。
前記CIP含浸工程30Aにおいては、上記により得られたセラミックス系長繊維2の硬化体を前記樹脂膜が形成されたまま、上記と同様のスラリー1とともに、前記硬化体をゴム型31内に入れて封止具32により封止する。このゴム型31内で、例えば、1.0〜1.5t/cm2での周囲の水33からの水圧によるCIP成形を行う。これにより、硬化体にスラリー1を含浸させる。前記ゴム型31の材質としては、天然ゴム、フレクサンゴム等が好適に用いられる。
このように、硬化体をそのまま焼成するのではなく、さらに、スラリーを含浸させる処理を施すことにより、得られるセラミックス複合体をより緻密化させることができる。
そして、スラリー1を十分に含浸させた後、成形体を前記ゴム型31内から取り出して、第2の乾燥・硬化工程40Aにおいて、前記第1乾燥・硬化工程20Aと同様の条件下で、再び、乾燥し、硬化させる。
前記CIP含浸工程30Aおよび第2の乾燥・硬化工程40Aは、複数回繰り返して行うことが好ましい。より好ましくは、2〜3回程度行う。
この工程を繰り返すことにより、前記マトリックスにおけるクラック発生箇所を補修することができ、また、得られるセラミックス複合材料をより緻密化させることができる。
最後に、焼成工程50Aにおいて、上記により得られた成形硬化体を、例えば、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中、2200℃で1時間、常圧焼成する。
この場合も、前記焼成工程50Aの前に、第1の実施形態と同様に、炭化処理を施してもよい。
なお、セラミックス多孔体からなるマンドレル3に代えて、金属製(例えば、アルミニウム、ステンレス)のマンドレルを用い、第1の乾燥・硬化工程20Aの後、マンドレルを取り外して、上記と同様のCIP含浸工程、第2の乾燥・硬化工程、焼成工程を経ることにより、全体がセラミックス系長繊維の緻密体からなるセラミックス複合材料を得ることもできる。
上記第1の実施形態または第2の実施形態の工程を経ることにより、セラミックス多孔体と、前記セラミックス多孔体の外周を覆うようにパラレル巻きまたはヘリカル巻きで巻き付けられたセラミックス系長繊維と、前記セラミックス系長繊維の間隙に存在するセラミックス焼結体のマトリックスとからなる長繊維強化セラミックス複合材料を得ることができる。
このような態様の長繊維強化セラミックス複合材料は、様々な形状の構造部材として好適に用いることができる。
図5は、本発明に係る長繊維強化セラミックス複合材料の顕微鏡写真である。図5(a)は、パラレル巻きしたセラミックス系長繊維(炭化ケイ素繊維)の繊維方向に平行な破断面における顕微鏡写真(倍率:50倍)である。また、図5(b)は、(a)のセラミックス系長繊維部分の繊維方向に垂直な断面を拡大した顕微鏡写真(倍率:500倍)である。
図5の写真に示す長繊維強化セラミックス複合材料は、芯部がセラミックス多孔体100であり、その外周は、セラミックス系長繊維(焼結体)200がパラレル巻きで巻き付けられ、緻密体として構成されている。また、前記セラミックス系長繊維(焼結体)200の間隙には、セラミックス系長繊維に付着させたスラリー由来のセラミックス焼結体のマトリックス300が存在している。
このような構成からなる長繊維強化セラミックス複合材料は、軽量かつ高剛性で得ることができ、産業用ロボットアームの構成材料や、温度差が激しい、過酷な宇宙空間で使用される衛星等の構造材料として好適に適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
エタノール中に、平均粒径0.5μmと0.8μmの炭化ケイ素粉末を同量ずつと、平均粒径0.3μmの炭化ホウ素粉末を前記炭化ケイ素粉末の合計量に対して5重量%添加し、さらに、バインダとしてフェノール樹脂を前記粉末の合計量(固形分)に対して3重量%添加し、ボールミルにて10時間混合して、スラリーを調製した。
その後、前記スラリーをFW装置のバスに移し入れ、炭化ケイ素繊維を前記スラリーに浸漬させ、スラリーが付着した炭化ケイ素繊維を直径30mm、長さ200mm、気孔率70%の炭化ケイ素セラミックス多孔体製マンドレルに厚さ5mm程度に巻き付けた。
前記炭化ケイ素繊維を巻き付けたマンドレルごと40℃の乾燥機に入れ、180℃まで徐々に昇温して、24時間乾燥し、エタノールを蒸発させ、フェノール樹脂を硬化させた。
得られた硬化体を、アルゴン雰囲気中、600℃で1時間炭化処理した後、2200℃で1時間常圧焼成した。
上記工程を経て得られた長繊維強化セラミックス複合材料は、外径37mm、内径27mm、長さ195mmの芯部が炭化ケイ素セラミックス多孔体、外周部が炭化ケイ素セラミックス緻密体からなる円柱状のセラミックス複合材料が得られた。
[実施例2]
エタノール中に、平均粒径0.5μmの炭化ケイ素粉末と、平均粒径0.3μmの炭化ホウ素粉末を前記炭化ケイ素粉末に対して5重量%添加し、さらに、バインダとしてフェノール樹脂を前記粉末の合計量(固形分)に対して3重量%添加し、ボールミルにて10時間混合して、スラリーを調製した。
前記スラリーをFW装置のバスに移し入れ、炭化ケイ素繊維を前記スラリーに浸漬させ、スラリーが付着した炭化ケイ素繊維を直径30mm、長さ200mm、気孔率70%の炭化ケイ素セラミックス多孔体製マンドレルにパラレル巻きで厚さ5mm程度巻き付けた。
次に、前記炭化ケイ素繊維をマンドレルごと40℃の乾燥機に入れ、180℃まで徐々に昇温して、24時間乾燥し、エタノールを蒸発させ、フェノール樹脂を硬化させた。
得られた硬化体のマンドレルが露出している端面部分に樹脂テープを貼り付けて被覆した。
前記樹脂テープで被覆した炭化ケイ素繊維の硬化体をそのまま、前記スラリーとともに、ゴム型内に入れて、前記スラリーを含浸させながら、1.0〜1.5t/cm2でCIP成形を行った。
そして、前記ゴム容器内から取り出した成形体を、再度、40℃の乾燥機に入れ、180℃まで徐々に昇温して、24時間乾燥し、エタノールを蒸発させ、フェノール樹脂を硬化させた。
前記CIP成形およびその後の乾燥・硬化を、3回繰り返し行った。
前記樹脂テープを除去した後、得られた成形硬化体を、アルゴン雰囲気中、600℃で1時間炭化処理した後、2200℃で1時間常圧焼成した。
上記工程を経て得られたセラミックス複合材料は、外径37mm、内径27mm、長さ195mmの芯部が炭化ケイ素セラミックス多孔体、外周部が炭化ケイ素セラミックス緻密体からなる円柱状の繊維強化セラミックス複合材料が得られた。
[参考例1]
実施例1と同様にして、スラリーを調製した。
その後、前記スラリーをFW装置のバスに移し入れ、炭化ケイ素繊維を前記スラリーに浸漬させ、スラリーが付着した炭化ケイ素繊維を直径30mm、長さ200mmの円柱状の金属製マンドレルに、パラレル巻きで厚さ5mm程度巻き付けた。
前記炭化ケイ素繊維を巻き付けたマンドレルごと40℃の乾燥機に入れ、180℃まで徐々に昇温して、24時間乾燥し、エタノールを蒸発させ、フェノール樹脂を硬化させた。
得られた硬化体からマンドレルを取り外し、前記硬化体を、前記スラリーとともに、ゴム型内に入れて、前記スラリーを含浸させながら、1.0〜1.5t/cm2でCIP成形を行った。
そして、前記ゴム容器内から取り出した成形体を、再度、40℃の乾燥機に入れ、180℃まで徐々に昇温して、24時間乾燥し、エタノールを蒸発させ、フェノール樹脂を硬化させた。
前記CIP成形およびその後の乾燥・硬化を、3回繰り返し行った。
得られた成形硬化体を、アルゴン雰囲気中、600℃で1時間炭化処理した後、2200℃で1時間常圧焼成した。
上記工程を経て得られた長繊維強化セラミックス複合材料は、外径37mm、内径27mm、長さ190mmの円筒状であり、アルキメデス法による密度が2.6g/cm3、開気孔率30%であった。
[参考例2]
スラリーに添加される炭化ケイ素粉末として、平均粒径0.5μmと0.8μmのものを同量混合して用い、それ以外については、参考例1と同様にして、長繊維強化セラミックス複合材料を作製した。
得られた長繊維強化セラミックス複合材料は、サイズおよび形状は実施例1と同様であり、アルキメデス法による密度が3.0g/cm3、開気孔率10%であった。
1 スラリー
2 セラミックス系長繊維
3 マンドレル
31 ゴム型
32 封止具
100 セラミックス多孔体
200 セラミックス系長繊維(焼結体)
300 マトリックス(セラミックス焼結体)

Claims (4)

  1. 平均粒径が異なる2種以上のセラミックス粉末および有機バインダを溶剤に添加して調製したスラリーに、セラミックス系長繊維を浸漬させ、スラリーが付着したセラミックス系長繊維をセラミックス多孔体からなるマンドレルに巻き付ける工程と、
    前記マンドレルに巻き付けられたセラミックス系長繊維を乾燥し、硬化させる工程と、
    前記マンドレルに巻き付けられた状態の硬化体を焼成する工程とを備えていることを特徴とする長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  2. 前記乾燥・硬化工程と前記焼成工程との間に、前記マンドレルの露出している部分を樹脂膜で被覆する工程と、
    前記樹脂膜で被覆された硬化体を前記スラリーとともに、ゴム型内に入れて、冷間等方加圧成形を行う工程と、
    前記ゴム型内から取り出した成形体を乾燥し、硬化させる工程とを備えていることを特徴とする請求項1記載の長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  3. 前記冷間等方加圧成形を行う工程と、前記成形体を乾燥・硬化させる工程とが、繰り返し行われることを特徴とする請求項2記載の長繊維強化セラミックス複合材料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法により製造された長繊維強化セラミックス複合材料であって、セラミックス多孔体と、前記セラミックス多孔体の外周を覆うようにパラレル巻きまたはヘリカル巻きで巻き付けられたセラミックス系長繊維と、前記セラミックス系長繊維の間隙に存在するセラミックス焼結体のマトリックスとからなることを特徴とする長繊維強化セラミックス複合材料。
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