JP2012150646A - 生産設備および生産システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】生産設備1と生産設備1aの間でワークを授受する際に、ワーク搬送の協調に必要な情報およびワークに対する作業の動作制御に必要な情報を連携情報として生産設備1と生産設備1aとの間で授受する。作業制御手段4は他の生産設備1aから移動してきたワークに対する自生産設備1の作業を、同じく他の生産設備1aから取得した連携情報を用いて制御する。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1に係るロボット加工ラインシステムでは、加工機械と複数のロボットとを組み合わせた加工セルを複数配列すると共に、製品移動の指示を標準化したプログラムをロボットにインストールするサーバを備える。これにより個々のロボットにティーチングする負荷が大幅に減少するので、加工準備を効率的に行うことが可能である。
特許文献1の場合、ロボット同士の配置関係が正三角形のみであり、しかもロボットへのティーチングはプログラムをサーバからダウンロードする方法であることから、ロボットを採用する上で選択幅が狭く、制限のある加工ラインとなってしまう。また、加工ラインを変更する際にはサーバのプログラムを修正し、個々のロボットにティーチングし直す必要があった。
特許文献2の場合、各設備の管理・制御に用いる集中コントローラ用のプログラムの再利用が考慮されていないことから、ライン変更の際にはプログラム修正の負荷が大きい。
特許文献3の場合、組立をスムーズに行うためには作業ステーションを多数設置しなければならないことに起因するコストおよび工数負荷を避けることができない。また、プリント基板などの小型製品に比べ、大型製品には対応が難しいと考えられる。さらに、ライン変更の際には集中コントローラ用のプログラム修正の負荷が大きい。
特許文献4の場合、集中コントローラとして機能する情報処理装置が各生産セルにアクセスして作業単位指示が実行可能か否か問い合わせる必要があると共に、作業内容の変更および作業順番の変更がある都度、人手をかけて作業単位指示を編集および加工しなければならず、上記特許文献1−3と同様に集中コントローラ用のプログラム修正が必要であった。また、作業単位指示は生産セルの複数作業内容を含むので、生産セル毎に専用にせざるをえず一般化した作業単位指示として使いまわしすることは実質難しい。また、製品の移動順番、タイミングなど生産セル間の連携は考慮されていないので、連携実現するためには別の機構を組み込む必要がある。さらに、各生産セルは専用生産ではあるがある程度汎用加工を目指したものなので、コンベアなどの搬送装置に代えて、ある程度無駄な機能を持った装置であるロボットを用いる必要がある。
図1は、この発明の実施の形態1に係る生産設備1の構成を示すブロック図である。生産設備1は、部品または部品を加工・組立した製品(以下、これらの対象物品をワークと称する)に対して所定作業を実行する装置であって、他の生産設備1aとの間の製造ライン接続を検出する接続検出手段2と、ワークの状態等を表す情報であって作業実行に用いるための連携情報を他の生産設備1aとの間で授受する連携情報交換手段3と、連携情報を用いて作業動作を制御する作業制御手段4とを備える。また、生産設備1の連携情報交換手段3は、記憶装置5が備える連携情報保持手段6にアクセス可能であり、この連携情報保持手段6が保持する連携情報を読み書きすることによって設備装置1aとの間で連携情報を授受する。
接続検出手段2は、製造ラインでワーク授受を行う対象となる生産設備1aとの間の接続を検出し、個体識別および位置特定を行う。
例えば、生産設備1aに個体識別ID(バーコード、マーク、模様など)を持たせると共に、接続検出手段2をセンサおよび画像処理などで構成し、隣接する生産設備1aの個体識別IDを検出し、接続を判断する。
また例えば、接続検出手段2を近接センサ、レーザ変位計、画像処理カメラ等のセンサで構成し、隣接する生産設備1aの相対位置を検出し、生産設備1aの位置および距離などの検出情報に基づいて接続を判定すると共に個体識別を行う。
また例えば、接続検出手段2を記憶装置で構成し、生産システムを構築する際にハウジング1に接続させる他の生産設備1aの識別情報および位置情報などを予め設定しておいてもよい。
あるいは、記憶装置5をIC(Integrated Circuit)で構成して、ワークに貼り付けるなどし、ワークと共に生産設備間を移動するようにしてもよい。
図5の例では、生産設備1の連携情報交換手段3が連携情報保持手段6を備え、他の生産設備1aの連携情報交換手段3aも独自に連携情報保持手段6aを備える。連携情報の交換の際には直接、生産設備1,1aの連携情報交換手段3,3a同士が通信する。即ち、連携情報交換手段3は、他の生産設備1aの連携情報交換手段3aとの間で連携情報をやり取りするための通信インタフェースである。上述のように、連携情報の形式を予め規格化しておくことで汎用的な通信プログラムを用意できるので、連携情報交換手段3の通信インタフェースも予め定義できる。また、通信インタフェースを予め定義しておくので、同種の通信インタフェースを実装した他の生産設備1aとの間で接続して通信が可能である。
ここで、通信データ量について簡単に説明する。Ethernet(登録商標)などのLAN(Local Area Network)のようなバス方式の通信路の場合、複数の通信は時分割で行われ、発信側から通信路上の全てのノードにデータが送信されることになる。但し、データには宛先が付与されているので、受信側では宛先が自身のアドレスと異なる場合は読み捨てる。
本実施の形態1において、例えば図4に示す構成のようにバス方式とした場合には、1つの連携情報保持手段6(記憶装置5)を生産設備1,1a,1b(それぞれ順番に連結されているとする)で共有すると、生産設備1から生産設備1aに送信されたデータは、直接接続されていない生産設備1bでも受信することになる。この間、生産設備1bが通信を希望しても待機することになる。そのため、構成する生産設備の数が少なく通信データ量も少ないうちは問題ないが、生産設備の数が増えたり、通信データ量が増えたりすると、通信の衝突および待機の機会が増え、通信の遅延につながる。
これに対し、図5に示す構成のようにローカル通信方式とした場合には、直接接続されている生産設備1,1aの間だけで通信路を構成することになるので、他の生産設備の通信が発生せず、通信配線あたりの通信データ量が少なくなるメリットがある。また、必然的に通信の衝突および待機も少なくなるので、通信遅延が起こりにくくなるメリットもある。
ここでは一例として、ワーク搬送タイミング制御方法を説明する。
図6は、生産システムによるワーク搬送タイミング制御方法を説明する図であり、プル制御の例を示す。3つの生産設備1,1a,1bの順にワークが搬送されることとし、各生産設備間でワーク有無フラグ(連携情報)が授受される。1つのワークに対して1つのワーク有無フラグを用い、白丸(図中の○)はワークが無い状態、黒丸(図中の●)はワークが有る状態を表す。
また本実施の形態1では、生産システムの生産設備構成を変更する場合にも、接続検出手段2が変更後に接続された(または削除された)隣接の生産設備を検出して連携情報交換のための接続関係を定義し直すので、手動での定義変更などは必要ない。また、この連携情報を規格化しておき、部品供給装置、ロボット、専用作業装置などの生産設備の種類によらず標準化しておくことにより、異なる種類の生産設備間の連携情報授受、異なる種類の生産設備への組み換えなどが容易になり、適用範囲が広がる。
さらに、生産システムに新たな生産システムを接続する場合についても、前工程の生産システムの最後の生産設備と後工程の生産システムの最初の生産設備とが接続検出手段2によって互いの接続を検出し、連携情報交換手段3による連携情報の授受によって協調することで連携できる。
ワークに関する属性情報として、生産システム構築時に外部から生産設備1に設定された情報に基づくワークの絶対位置情報、または、隣接する生産設備1aとの相対位置情報から算出したワークの相対位置情報などがある。このような位置情報は、接続検出手段2で検出した生産設備1aの位置情報を用いて、作業制御手段4が算出する等すればよい。また、例えば作業制御手段4は、他の生産設備1aから取得した連携情報に含まれる生産設備1aのワーク加工位置へワークを搬送するなど、他の生産設備1aと協調した作業を行うことができる。
また例えば、属性情報としてワークの種類、形状、寸法、重量などの情報がある。
また例えば、制御情報として搬送前の作業の情報(ワーク取り出し時にねじる、折る、引っ張る、高精度の位置合わせを行うなど)、または搬送後の作業の情報(ワーク配置時にねじる、曲げる、押し込む、所定時間押さえる、高精度の位置合わせを行うなど)がある。
このような連携情報は、例えば作業制御手段4が予め与えられている設定値および動作プログラムに基づいて作成すればよい。また、作業制御手段4は他の生産設備1aから取得した連携情報に基づいて他の生産設備1aと協調した搬送動作を行うことができる。
さらに、この生産設備1を複数組み合わせて生産システムを構築すれば、集中管理に基づいた従来の生産システムと比べ柔軟性を備え多品種少量生産の適用範囲を広げることができる。そして、生産システム同士の連携も容易にでき、生産システムの再利用も可能になる。
あるいは、ワーク情報交換手段3,3a同士が直接、連携情報を交換する構成にしてもよい。この構成の場合には、上記構成に比べて通信が局所的になるので通信相手の特定が容易になる。また、通信配線を短くでき、通信データ量も少なくできる。
2,2a 接続検出手段
3,3a 連携情報交換手段
4,4a 作業制御手段
5,5a 記憶装置
6,6a,6b 連携情報保持手段
10 部品供給装置
11 ロボット
12 専用作業装置
20,21,25 凸部
22,23,24 凹部
Claims (8)
- 対象物品に対して所定作業を実行する生産設備であって、
他の生産設備との間で対象物品を授受する場合、当該対象物品の状態を表し作業の実行に用いるための連携情報を前記他の生産設備との間で授受する連携情報交換手段と、
前記連携情報交換手段が取得した連携情報を用いて作業動作を制御する作業制御手段とを備える生産設備。 - 自生産設備との間で対象物品の授受を行う他の生産設備の接続を検出する接続検出手段を備え、
連携情報交換手段は、前記接続検出手段が検出した生産設備との間で連携情報を授受することを特徴とする請求項1記載の生産設備。 - 連携情報は、対象物品の有無を表す情報であり、
作業制御手段は、後工程の生産設備から取得した連携情報が当該後工程の生産設備に対象物品が無いことを表す情報の場合に自生産設備の作業を実行開始することを特徴とする請求項1または請求項2記載の生産設備。 - 連携情報は、対象物品の有無を表す情報であり、
作業制御手段は、前工程の生産設備から取得した連携情報が当該前工程の生産設備に対象物品が有ることを表す情報の場合に自生産設備の作業を実行開始することを特徴とする請求項1または請求項2記載の生産設備。 - 連携情報は、自生産設備または他の生産設備の位置を基準にした対象物品の搬送位置を表す情報であり、
作業制御手段は、連携情報が表す搬送位置に基づいて搬送作業を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の生産設備。 - 連携情報交換手段は、自生産設備および他の生産設備にそれぞれ接続した連携情報保持手段を介して連携情報を授受することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の生産設備。
- 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の生産設備を複数組み合わせてなる生産システム。
- 生産システムは、生産設備間で授受する連携情報を保持する連携情報保持手段を備え、
前記生産設備は、前記連携情報保持手段を介して他の生産設備との間で連携情報を授受することを特徴とする請求項7記載の生産システム。
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