JP2012148747A - 運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両を効率的に走行させるような運転支援を実現することができる運転支援装置を提供する。
【解決手段】運転支援装置1のECU7は、自車両周辺の道路状況を認識する道路状況認識部24と、自車両の走行状態を予測する自車状態予測部26と、他車両の走行状態を予測する他車状態予測部27と、他車両に対する自車両のリスクポテンシャルマップを算出するリスクポテンシャルマップ算出部28と、自車両周辺の道路状況と自車両の走行状態と他車両の走行状態とに基づいて自車効率ポテンシャルマップを算出する自車効率ポテンシャルマップ算出部52と、リスクポテンシャルマップと自車効率ポテンシャルマップとに基づいて総合ポテンシャルマップを算出する総合ポテンシャルマップ算出部31と、総合ポテンシャルマップに基づいて操作反力を算出する操作反力算出部32とを有している。
【選択図】図24

Description

本発明は、自車両の運転支援を行う運転支援装置に関するものである。
従来の運転支援装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の運転支援装置は、自車両周囲の障害物状況を検出し、その障害物状況に基づいて各障害物に対する自車両のリスク度を算出し、更に各障害物に対するリスク度を総合して自車両周囲の総合的なリスク度を算出し、そのリスク度に応じてアクセル、ブレーキやハンドルの操作時に発生する反力を制御することにより、運転者の運転操作をアシストするというものである。
特開2003−327018号公報
しかしながら、上記従来技術においては、自車両と対向車両との衝突が回避可能となるが、例えば自車両が狭い道路や停車車両が存在する道路を走行する場合に、自車両が対向車両と突き当たって先に進めなくなる状態(デッドロック)が発生し、自車両が効率的に走行できない状況になる可能性がある。
本発明の目的は、自車両を効率的に走行させるような運転支援を実現することができる運転支援装置を提供することである。
本発明の運転支援装置は、自車両の走行状態を予測する自車状態予測手段と、自車両の周辺を走行する他車両の走行状態を予測する他車状態予測手段と、自車両が走行する道路の状況を認識する道路状況認識手段と、自車両の走行状態と他車両の走行状態とに基づいて、他車両に対する自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、自車両の走行状態と他車両の走行状態と道路の状況とに基づいて、自車両の走行効率度を算出する自車走行効率算出手段と、リスクポテンシャルと自車両の走行効率度とに基づいて、自車両の運転支援を行う支援手段とを備えることを特徴とするものである。
このように本発明の運転支援装置においては、自車両の走行状態と他車両の走行状態とに基づいて他車両に対する自車両のリスクポテンシャルを算出すると共に、自車両の走行状態と他車両の走行状態と道路の状況とに基づいて自車両の走行効率度を算出し、それらのリスクポテンシャル及び自車両の走行効率度とに基づいて自車両の運転支援を行うことにより、自車両と他車両との衝突を確実に回避するだけでなく、自車両を効率的に走行させるような運転支援を実現することができる。その結果、交通流全体を効率化することができる。
好ましくは、自車両の走行状態と他車両の走行状態と道路の状況とに基づいて、他車両を含む周辺交通の走行効率度を算出する周辺交通走行効率算出手段を更に備え、支援手段は、リスクポテンシャルと自車両の走行効率度と周辺交通の走行効率度とに基づいて、自車両の運転支援を行う。この場合には、他車両を含む周辺交通を考慮した運転支援が実施されることになるので、交通流全体を更に効率化することができる。
また、好ましくは、自車両の現在の走行状態に対して適用される交通ルールを抽出する交通ルール抽出手段と、交通ルールに応じて自車両の走行を規制するための規制ポテンシャルを算出する規制ポテンシャル算出手段とを更に備え、支援手段は、リスクポテンシャルと自車両の走行効率度と規制ポテンシャルとに基づいて、自車両の運転支援を行う。この場合には、信号機、一時停止及び一方通行等の交通ルールを遵守するような運転支援を実現することができる。
このとき、好ましくは、自車両の走行動作履歴と自車両のドライバの操作履歴とを保存する動作・操作履歴保存手段と、自車両の走行動作履歴とドライバの操作履歴とに基づいて、規制ポテンシャルを緩和する規制ポテンシャル緩和手段とを更に備える。この場合には、自車両のドライバが交通ルール上必要とされる運転を行った後に、ドライバにとって不要な運転支援が実施されることが抑制されるため、ドライバの違和感を軽減することができる。
さらに、好ましくは、支援手段は、操舵、アクセル、ブレーキ及びウインカーのいずれかに対して操作反力を与える手段である。この場合には、操舵、アクセル、ブレーキ及びウインカーの操作を行う際に、危険の可能性があることをドライバに確実に気づかせることができる。
本発明によれば、自車両を効率的に走行させるような運転支援を実現することができる。これにより、交通流の効率化を図ることが可能となる。
本発明に係わる運転支援装置の第1実施形態を示す全体概略構成図である。 図1に示したECUの機能ブロックを含む運転支援装置の構成図である。 図2に示したECUにより実行される処理手順を示すフローチャートである。 リスクポテンシャルマップの動作イメージ例を示す図である。 図4に示したリスクポテンシャルマップにおけるリスクポテンシャルを示すグラフである。 自車両が一旦停止位置に接近する場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 図6に示した規制ポテンシャルマップにおける規制ポテンシャルを示すグラフである。 自車両が一方通行の道路を進入禁止地点から進入しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 図8に示した規制ポテンシャルマップにおける規制ポテンシャルを示すグラフである。 自車両がバスレーンを走行しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 図10に示した規制ポテンシャルマップにおける規制ポテンシャルを示すグラフである。 自車両が停車している通学バスの側方を走行しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 図12に示した規制ポテンシャルマップにおける規制ポテンシャルを示すグラフである。 リスクポテンシャルマップと規制ポテンシャルマップとから総合ポテンシャルマップを算出するイメージ例を示す図である。 図14に示したリスクポテンシャルマップ及び規制ポテンシャルマップから算出された総合ポテンシャルマップを示す図である。 図15に示した総合ポテンシャルマップからアクセル操作反力及びブレーキ操作反力を算出するイメージを示すグラフである。 図15に示した総合ポテンシャルマップからステアリング操作反力を算出するイメージを示すグラフである。 本発明に係わる運転支援装置の第2実施形態を示す構成図であり、ECUの機能ブロックを含んだ図である。 自車両が一方通行の道路を進入禁止地点から進入しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 図19に示した規制ポテンシャルマップに基づいた総合ポテンシャルマップからウインカー操作反力を算出するイメージを示すグラフである。 本発明に係わる運転支援装置の第3実施形態を示す構成図であり、ECUの機能ブロックを含んだ図である。 図21に示したECUにより実行される処理手順を示すフローチャートである。 自車両が一旦停止位置に接近する場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 本発明に係わる運転支援装置の第4実施形態を示す構成図であり、ECUの機能ブロックを含んだ図である。 図24に示したECUにより実行される処理手順を示すフローチャートである。 自車両が走行する走行車線及び他車両が走行する対向車線の双方に停車車両が存在している場合における自車効率ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 自車両が走行する走行車線及び他車両が走行する対向車線の双方に停車車両が存在している場合におけるリスクポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 本発明に係わる運転支援装置の第5実施形態を示す構成図であり、ECUの機能ブロックを含んだ図である。 図28に示したECUにより実行される処理手順を示すフローチャートである。 1台の車両の右折待ちにより渋滞が発生している場合における周辺交通効率ポテンシャルマップの動作イメージを示す図である。 図30に示した自車両及び周辺交通のポテンシャルマップを、自車両のドライバがとり得る操作を軸として2次元平面上にマッピングして、3次元のポテンシャルマップを算出するイメージを示す図である。 自車両のドライバがとり得る操作、自車両の総合ポテンシャルマップの評価値、周辺交通の総合ポテンシャルマップの評価値をそれぞれ軸として3次元空間上にマッピングした一例を示すグラフである。 本発明に係わる運転支援装置の第6実施形態を示す構成図であり、ECUの機能ブロックを含んだ図である。 図33に示したECUにより実行される処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係わる運転支援装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係わる運転支援装置の第1実施形態を示す全体概略構成図である。同図において、本実施形態の運転支援装置1は、ドライバ操作センサ2と、周辺監視センサ3と、ドライバモニタ4と、自車状態センサ5と、ナビゲーション6と、ECU(Electronic Control Unit)7と、操舵反力制御アクチュエータ8と、アクセル反力制御アクチュエータ9と、ブレーキ反力制御アクチュエータ10とを備えている。
ドライバ操作センサ2は、アクセルペダルの操作を検出するアクセルペダルセンサ11と、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキペダルセンサ12と、シフトレバーの操作を検出するシフトセンサ13と、ステアリングの操作を検出するステアリングセンサ14と、ウインカーレバーの操作を検出するウインカーレバーセンサ15とを有している。
周辺監視センサ3は、自車両に対する他車両の位置や速度等を検出するレーダーセンサ16を有している。ドライバモニタ4は、自車両のドライバを撮像するカメラである。自車状態センサ5は、自車両の車速を検出する速度センサ17と、自車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ18と、自車両のG(加速度)を検出するGセンサ19とを有している。ナビゲーション6は、自車両の現在位置を測定するGPSセンサ20と、交通ルール情報を保存する交通ルール情報データベース(DB)21と、地図情報を保存する地図情報DB22とを有している。
操舵反力制御アクチュエータ8は、ステアリング(操舵)操作に対して反力を与えるように制御するアクチュエータである。アクセル反力制御アクチュエータ9は、アクセルペダル操作に対して反力を与えるように制御するアクチュエータである。ブレーキ反力制御アクチュエータ10は、ブレーキペダル操作に対して反力を与えるように制御するアクチュエータである。
図2は、ECU7の機能ブロックを含む運転支援装置1の構成図である。同図において、ECU7は、周辺環境認識部23と、道路状況認識部24と、将来操作予測部25と、自車状態予測部26と、他車状態予測部27と、リスクポテンシャルマップ算出部28と、交通ルール抽出部29と、規制ポテンシャルマップ算出部30と、総合ポテンシャルマップ算出部31と、操作反力算出部32とを有している。
周辺環境認識部23は、周辺監視センサ3の検出情報に基づいて、自車両周辺の環境情報(他車両、歩行者、障害物等)を認識する。道路状況認識部24は、ナビゲーション6の交通ルール情報DB21及び地図情報DB22にそれぞれ保存された交通ルール情報及び地図情報と、周辺監視センサ3の検出情報とに基づいて、自車両周辺の道路状況を認識する。
将来操作予測部25は、周辺環境認識部23により認識された自車両周辺の環境情報と、ドライバ操作センサ2の検出情報と、ドライバモニタ4の監視情報と、自車状態センサ5の検出情報と、ナビゲーション6の情報とに基づいて、自車両のドライバの将来操作を予測する。自車状態予測部26は、将来操作予測部25により予測されたドライバの将来操作と、自車状態センサ5の検出情報とに基づいて、自車両の将来の走行状態を予測する。他車状態予測部27は、周辺環境認識部23により認識された自車両周辺の環境情報に基づいて、他車両の将来の走行状態を予測する。
リスクポテンシャルマップ算出部28は、自車状態予測部26により予測された自車両の将来の走行状態と、他車状態予測部27により予測された他車両の将来の走行状態とに基づいて、他車両に対する自車両のリスクポテンシャルマップを算出する。リスクポテンシャルは、自車両が他車両に衝突する危険度を表すものである。そして、リスクポテンシャルマップは、自車両を含む2次元座標系でリスクポテンシャルをマップ化したものである(図4(b)参照)。
交通ルール抽出部29は、周辺環境認識部23により認識された自車両周辺の環境情報と、道路状況認識部24により認識された自車両周辺の道路状況とに基づいて、現在の自車両の走行状態に対して適用される交通ルールを抽出する。交通ルールとは、道路交通法及び一般的な運転マナー等の個別のルールのことである。交通ルールとしては、信号機や一時停止、一方通行、バスレーンや走行車線、道路交通法第14条関連事項(例えば子供、身障者、幼稚園バス)等がある。
規制ポテンシャルマップ算出部30は、交通ルール抽出部29により抽出された交通ルールに応じた規制ポテンシャルマップを算出する。規制ポテンシャルは、交通ルールに応じて自車両の走行を規制する際の規制量を表すものである。そして、規制ポテンシャルマップは、自車両を含む2次元座標系で規制ポテンシャルをマップ化したものである。例えば、信号機や一時停止に対しては一時停止の規制ポテンシャルマップ(図6(b)参照)を算出し、一方通行に対しては進入禁止の規制ポテンシャルマップ(図8(b)参照)を算出し、バスレーンや走行車線に対しては進路変更禁止の規制ポテンシャルマップ(図10(b)参照)を算出し、交通弱者に対しては徐行、その他一時停止等の規制ポテンシャルマップ(図12(b)参照)を算出する。
総合ポテンシャルマップ算出部31は、リスクポテンシャルマップ算出部28により算出されたリスクポテンシャルマップと、規制ポテンシャルマップ算出部30により算出された規制ポテンシャルマップとに基づいて、自車両の総合ポテンシャルマップ(図15参照)を算出する。
操作反力算出部32は、総合ポテンシャルマップ算出部31により算出された総合ポテンシャルマップに基づいて、ステアリング、アクセルペダル及びブレーキペダルに対する操作反力を算出し、その操作反力を操舵反力制御アクチュエータ8、アクセル反力制御アクチュエータ9及びブレーキ反力制御アクチュエータ10に対して出力する。
図3は、ECU7により実行される処理手順を示すフローチャートである。同図において、まず自車両の周辺環境を認識し(手順S101)、更に自車両周辺の道路状況を認識する(手順S102)。続いて、自車両の現在の走行状態に適用される交通ルールを抽出する(手順S107)。続いて、自車両のドライバの将来操作を予測し(手順S103)、自車両の走行状態の予測値を算出する(手順S104)。また、他車両の走行状態の予測値を算出する(手順S105)。
続いて、他車両に対する自車両のリスクポテンシャルマップを算出する(手順S106)。リスクポテンシャルマップの動作イメージ例を図4に示す。この動作イメージ例では、二車線道路において、自車両Iの前方に前方車両Jが走行し、自車両Iの側方に並走車両Kが走行している。
前方車両Jに対する自車両Iのリスクポテンシャルマップは、図4(b)中のRPで表され、並走車両Kに対する自車両Iのリスクポテンシャルマップは、図4(b)中のRPで表される。このとき、リスクポテンシャルマップRPは、図5(a)に示すように、自車両Iが前方車両Jに接近するにつれてリスクポテンシャルが増大するように設定されている。リスクポテンシャルマップRPは、図5(b)に示すように、自車両Iが並走車両Kに接近するにつれてリスクポテンシャルが増大するように設定されている。
続いて、手順S107で得られた自車両の現在の走行状態に適用される交通ルールに対応した規制ポテンシャルマップを算出する(手順S108)。
図6は、自車両が一旦停止位置に接近する場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示したものである。一旦停止線Cに対する自車両Iの規制ポテンシャルマップは、図6(b)中のKPで表される。このとき、自車両Iが一旦停止線Cに接近するにつれてアクセル操作反力を増大させる(アクセル操作を重くする)ために、規制ポテンシャルマップKPは、図7に示すように、自車両Iが一旦停止線Cに接近するにつれて規制ポテンシャルが増大するように設定されている。
図8は、自車両が一方通行の道路を進入禁止地点から進入しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示したものである。一方通行の道路の進入禁止地点に対する自車両Iの規制ポテンシャルマップは、図8(b)中のKPで表される。このとき、自車両Iが一方通行の道路を進入禁止地点から進入しようとした時点でステアリング操作反力及びアクセル操作反力を増大させる(ステアリング操作及びアクセル操作を重くする)ために、規制ポテンシャルマップKPは、図9に示すように、自車両Iが一方通行の道路を逆方向に移動するにつれて規制ポテンシャルが増大するように設定されている。
図10は、自車両がバスレーンを走行しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示したものである。バスレーンLに対する自車両Iの規制ポテンシャルマップは、図10(b)中のKPで表される。このとき、自車両IがバスレーンLに進入しようとするとステアリング操作反力及びアクセル操作反力を増大させるために、規制ポテンシャルマップKPは、図11に示すように、自車両IがバスレーンLに進入する方向に移動するにつれて規制ポテンシャルが増大するように設定されている。
図12は、自車両が停車している通学バスの側方を走行しようとする場合における規制ポテンシャルマップの動作イメージを示したものである。通学バスDの側方に対する自車両Iの規制ポテンシャルマップは、図12(b)中のKPで表される。このとき、自車両Iが通学バスDの側方を通過しようとするとアクセル操作反力を増大させるために、規制ポテンシャルマップKPは、図13に示すように、自車両Iが通学バスDの側方を通過するときに規制ポテンシャルが増大するように設定されている。
図3に戻り、続いてリスクポテンシャルマップと規制ポテンシャルマップとを統合(合成・加重加算等)して、自車両の総合ポテンシャルマップを算出する(手順S109)。
図14は、リスクポテンシャルマップと規制ポテンシャルマップとから得られる総合ポテンシャルマップの動作イメージ例を示したものである。具体的には、対向車両Hに対する自車両IのリスクポテンシャルマップRPに乗数kを乗じたマップと、自車両Iの規制ポテンシャルマップKPに乗数kを乗じたマップとを統合することで、図15に示すような総合ポテンシャルマップが得られる。
つまり、自車両の総合ポテンシャルマップP(x,y)は、例えば下記式により算出される。 P(x,y)=k1・Risk(x,y)+k2・Rule(x,y)
Risk(x,y):リスクポテンシャルマップ
Rule(x,y):規制ポテンシャルマップ
続いて、自車両の総合ポテンシャルマップから許容操作量を算出し、この許容操作量から操舵操作反力、アクセル操作反力及びブレーキ操作反力を算出する(手順S110)。
図16及び図17は、図15で示した総合ポテンシャルマップに基づいた操作反力の算出例を示したものである。自車両前後方向(A断面方向)については、図16(a)に示すような総合ポテンシャルが設定される。この総合ポテンシャルの傾き(微分値)を算出すると、図16(b)に示すようになる。そして、総合ポテンシャル微分値から、図16(c)に示すようなアクセル操作反力と図16(d)に示すようなブレーキ操作反力とが算出される。
一方、自車両横方向(B断面方向)については、図17(a)に示すような総合ポテンシャルが設定される。この総合ポテンシャルの傾き(微分値)を算出すると、図17(b)に示すようになる。そして、総合ポテンシャル微分値から、図17(c)に示すようなステアリング操作反力が算出される。
続いて、ステアリング操舵操作反力、アクセル操作反力及びブレーキ操作反力をそれぞれ操舵反力制御アクチュエータ8、アクセル反力制御アクチュエータ9及びブレーキ反力制御アクチュエータ10に対して出力する(手順S111)。
ここで、図3に示す手順S101は周辺環境認識部23により実行され、同手順S102は道路状況認識部24により実行され、同手順S103は将来操作予測部25により実行され、同手順S104は自車状態予測部26により実行され、同手順S105は他車状態予測部27により実行され、同手順S106はリスクポテンシャルマップ算出部28により実行され、同手順S107は交通ルール抽出部29により実行され、同手順S108は規制ポテンシャルマップ算出部30により実行され、同手順S109は総合ポテンシャルマップ算出部31により実行され、同手順S110、S111は操作反力算出部32により実行される。
以上のように本実施形態にあっては、他車両に対する自車両のリスクポテンシャルマップを算出すると共に、自車両の現在の走行状態に適用される交通ルールを抽出し、その交通ルールに応じた規制ポテンシャルマップを算出し、それらのリスクポテンシャルマップ及び規制ポテンシャルマップを統合した総合ポテンシャルマップに応じて操作系の反力制御を行うようにしたので、自車両と他車両との衝突回避だけでなく、一時停止や一方通行等の交通ルールを遵守するような操作支援を実現することができる。
図18は、本発明に係わる運転支援装置の第2実施形態を示す構成図であり、ECU7の機能ブロックを含んでいる。同図において、本実施形態の運転支援装置1は、上記第1実施形態の構成に加え、ウインカー反力制御アクチュエータ40を更に備えている。ウインカー反力制御アクチュエータ40は、ウインカー操作に対して反力を与えるように制御するアクチュエータである。
ECU7の操作反力算出部32は、総合ポテンシャルマップ算出部31により算出された総合ポテンシャルマップに基づいて、ステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダル及びウインカーに対する操作反力を算出し、その操作反力を操舵反力制御アクチュエータ8、アクセル反力制御アクチュエータ9、ブレーキ反力制御アクチュエータ10及びウインカー反力制御アクチュエータ40に対して出力する。
ところで、上記のウインカー反力制御アクチュエータ40が設けられていない場合には、以下の不具合が発生する。即ち、図19(a)に示すように、自車両Iが一方通行の道路を進入禁止地点から進入しようとする場合、左に操舵しようとした時点で、ステアリング操作及びアクセル操作が重くなることで、ドライバが一方通行の逆走に気づくことになる。
これに対し、ウインカー反力制御アクチュエータ40を設けることにより、図19(b)に示すように、左ウインカーを出そうとした時点で、ウインカー操作が重くなる。このため、自車両Iが一方通行を逆走しようとしていることを事前にドライバに気づかせることができる。
図20は、総合ポテンシャルマップに基づいたウインカー操作反力の算出例を示したものである。ここでは、自車両の横方向(図19のB断面方向)に対して、図20(a)に示すような総合ポテンシャルが設定される。この総合ポテンシャルの傾き(微分値)を算出すると、図20(b)に示すようになる。そして、総合ポテンシャル微分値から、図20(c)に示すようなウインカー操作反力が算出される。
以上のように本実施形態によれば、ドライバがウインカー操作を行う時点、つまり実際にステアリング操作を行う前の時点で、交通ルール違反をしようとしていることをドライバに気づかせることができる。これにより、交通ルールを遵守するような操作支援を効果的に実現することができる。
図21は、本発明に係わる運転支援装置の第3実施形態を示す構成図であり、ECU7の機能ブロックを含んでいる。同図において、本実施形態の運転支援装置1のECU7は、上記第1実施形態の構成に加え、操作・動作履歴記憶部45を更に有している。
操作・動作履歴記憶部45は、ドライバ操作センサ2の検出情報と、自車状態センサ5の検出情報と、交通ルール抽出部29により抽出された交通ルールとに基づいて、ドライバの操作情報及び自車両の走行動作情報を取得し、これらの情報を操作・動作履歴として記憶・保存する。
規制ポテンシャルマップ算出部30は、交通ルール抽出部29により抽出された交通ルールと、操作・動作履歴記憶部45に記憶された操作・動作履歴と、自車状態センサ5の検出情報とに基づいて、交通ルール上必要とされる運転操作や走行動作を実施しているかどうかを判断し、その判断結果に基づいて規制ポテンシャルマップを設定する。
図22は、図21に示したECU7により実行される処理手順を示すフローチャートである。同図において、上記の手順S101〜S108を実行した後、自車両の車速Vが閾値V1よりも低いかどうかを判定する(手順S121)。閾値V1は、停止状態に近い値である。車速Vが閾値V1よりも低くないときは、停止状態経過時間タイマTをゼロにセットし(手順S122)、上記の手順S109〜S111を実行する。車速Vが閾値V1よりも低いときは、停止状態経過時間タイマTを所定値ΔTだけ加算する(手順S123)。
そして、停止状態経過時間タイマTが閾値T1よりも長いかどうかを判定する(手順S124)。停止状態経過時間タイマTが閾値T1よりも長くないときは、そのまま上記の手順S109〜S111を実行する。停止状態経過時間タイマTが閾値T1よりも長いときは、規制ポテンシャルマップを「規制無し」に変更し(手順S125)、その後で上記の手順S109〜S111を実行する。
なお、手順S121〜S125は、規制ポテンシャルマップ算出部30により実行される。
ところで、規制ポテンシャルマップを「規制無し」に変更する処理を実行しない場合には、以下の不具合が発生する。即ち、図23に示すように、自車両Iが一旦停止線Cの手前位置で一旦停止を行い、その後再発進しようとした際には、規制ポテンシャルマップKPによって自車両Iが一旦停止線Cを越えるまでアクセル操作反力が増大されるため、ドライバが違和感を感じることがある。
これに対し本実施形態では、一旦停止線Cの手前位置で自車両Iの一旦停止を行い、その停止状態が一定時間継続したときは、規制ポテンシャルマップKPを「規制無し」に変更するので、その後に自車両Iが再発進しようとした際に、アクセル操作反力の増大が解除された状態となっており、ドライバが違和感を感じることは殆ど無い。
なお、本実施形態では、自車両の一旦停止状態が一定時間継続したときは、規制ポテンシャルマップを「規制無し」に変更するようにしたが、規制ポテンシャルの値を低下させても良い。
図24は、本発明に係わる運転支援装置の第4実施形態を示す構成図であり、ECU7の機能ブロックを含んでいる。同図において、本実施形態の運転支援装置1のECU7は、周辺環境認識部23と、道路状況認識部24と、将来操作予測部25と、自車状態予測部26と、他車状態予測部27と、リスクポテンシャルマップ算出部28と、自車走行効率算出部51と、自車効率ポテンシャルマップ算出部52と、総合ポテンシャルマップ算出部31と、操作反力算出部32とを有している。
自車走行効率算出部51は、道路状況認識部24により認識された自車両周辺の道路状況と、自車状態予測部26により予測された自車両の将来の走行状態と、他車状態予測部27により予測された他車両の将来の走行状態とに基づいて、自車両の走行効率を算出する。
自車効率ポテンシャルマップ算出部52は、自車走行効率算出部51により算出された自車両の走行効率に基づいて、自車両の走行効率のポテンシャルマップ(自車効率ポテンシャルマップ)を算出する。
総合ポテンシャルマップ算出部31は、リスクポテンシャルマップ算出部28により算出されたリスクポテンシャルマップと、自車効率ポテンシャルマップ算出部52により算出された自車効率ポテンシャルマップとに基づいて、自車両の総合ポテンシャルマップを算出する。
図25は、図24に示したECU7により実行される処理手順を示すフローチャートである。同図において、上記の手順S101〜S106を実行した後、自車両の走行効率を算出し(手順S131)、自車効率ポテンシャルマップを算出する(手順S132)。このとき、自車両の走行領域と他車両の走行領域との重なりに応じた自車効率ポテンシャルマップを、交通ルールの優先順位の重み付け係数を加味して算出する。自車効率ポテンシャルマップは、離合時のデッドロック(後述)の発生等をマイナス要因とし、障害なく離合可能な状況等をプラス要因として算出される。
続いて、リスクポテンシャルマップと自車効率ポテンシャルマップとを統合して、自車両の総合ポテンシャルマップを算出し(手順S133)、その後上記の手順S110,S111を実行する。総合ポテンシャルマップP(x,y)は、例えば下記式により算出される。
P(x,y)=k1・Risk(x,y)+k2・Efficentmy(x,y)
Risk(x,y):リスクポテンシャルマップ
Efficent(x,y):自車効率ポテンシャルマップ
ここで、手順S131は自車走行効率算出部51により実行され、手順S132は自車効率ポテンシャルマップ算出部52により実行され、手順S133は総合ポテンシャルマップ算出部31により実行される。
図26は、自車効率ポテンシャルマップの算出例を示したものである。ここでは、二車線道路において、自車両Iが走行する走行車線及び他車両Hが走行する対向車線の双方に停車車両Gが存在している状況を示している。この状況では、自車両Iと他車両Hとが干渉せずに通過可能な自車両優先(走行車線)の領域Xに対して、プラスの自車効率ポテンシャルマップMPが算出され、自車両Iと他車両Hとが干渉する自車両優先(走行車線)の領域Yに対して、小さなマイナスの自車効率ポテンシャルマップMPが算出され、自車両Iと他車両Hとが干渉する他車両優先(対向車線)の領域Zに対して、大きなマイナスの自車効率ポテンシャルマップMPが算出される。
以上において、ドライバ操作センサ2、周辺監視センサ3、ドライバモニタ4、自車状態センサ5、ナビゲーション6及びECU7の周辺環境認識部23、将来操作予測部25、自車状態予測部26は、自車両の走行状態を予測する自車状態予測手段を構成する。周辺監視センサ3及びECU7の周辺環境認識部23、他車状態予測部27は、自車両の周辺を走行する他車両の走行状態を予測する他車状態予測手段を構成する。周辺監視センサ3、ナビゲーション6及びECU7の道路状況認識部24は、自車両が走行する道路の状況を認識する道路状況認識手段を構成する。ECU7のリスクポテンシャルマップ算出部28は、自車両の走行状態と他車両の走行状態とに基づいて、他車両に対する自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段を構成する。ECU7の自車走行効率算出部51、自車効率ポテンシャルマップ算出部52は、自車両の走行状態と他車両の走行状態と道路の状況とに基づいて、自車両の走行効率度を算出する自車走行効率算出手段を構成する。ECU7の総合ポテンシャルマップ算出部31、操作反力算出部32及び操舵反力制御アクチュエータ8、アクセル反力制御アクチュエータ9、ブレーキ反力制御アクチュエータ10は、リスクポテンシャルと自車両の走行効率度とに基づいて、自車両の運転支援を行う支援手段を構成する。
ところで、リスクポテンシャルマップのみに基づいた操作支援を実施する場合には、以下の不具合が発生する。即ち、図26と同様に走行車線及び対向車線の双方に停車車両Gが存在している状況であっても、図27(a)〜図27(c)に示すように、自車両Iと他車両Hとが衝突しないようにリスクポテンシャルマップRP,RPを算出することで、自車両Iを適切に停止させることが可能となる。しかし、図27(d)に示すように、2台の停車車両Gの間で自車両Iが他車両Hと突き当たって先に進めなくなる状態(デッドロック)が発生することがある。
これに対し本実施形態では、リスクポテンシャルマップに加えて、自車両が効率的に走行できるかどうかを表す自車効率ポテンシャルマップを算出し、リスクポテンシャルマップと自車効率ポテンシャルマップとを統合して総合ポテンシャルマップを算出し、この総合ポテンシャルマップに応じて操作系の反力制御を行うようにしたので、自車両と他車両との衝突回避だけでなく、自車両を効率的に走行させるような操作支援を実現することができる。例えばデッドロックにより自車両が効率的に走行できない状況では、図26に示すように、自車両Iと他車両Hとが干渉する他車両優先領域Zの手前の位置Wにおいてアクセル操作を重くすることで、ドライバに対して自車両Iの停止を促すようにする。これにより、デッドロックの発生が防止されるので、交通流全体を効率化することができる。
図28は、本発明に係わる運転支援装置の第5実施形態を示す構成図であり、ECU7の機能ブロックを含んでいる。同図において、本実施形態の運転支援装置1のECU7は、上記第4実施形態の構成に加え、周辺交通状況認識部61と、周辺交通走行効率算出部62と、周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部63とを更に有している。
周辺交通状況認識部61は、周辺環境認識部23により認識された自車両周辺の環境情報と、道路状況認識部24により認識された自車両周辺の道路状況とに基づいて、自車両周辺の交通状況を認識する。
周辺交通走行効率算出部62は、周辺交通状況認識部61により認識された自車両周辺の交通状況と、道路状況認識部24により認識された自車両周辺の道路状況と、自車状態予測部26により予測された自車両の将来の走行状態と、他車状態予測部27により予測された他車両の将来の走行状態とに基づいて、自車両周辺の他車両を含む周辺交通の走行効率を算出する。
周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部63は、周辺交通走行効率算出部62により算出された周辺交通の走行効率に基づいて、周辺交通の走行効率のポテンシャルマップ(周辺交通効率ポテンシャルマップ)を算出する。
総合ポテンシャルマップ算出部31は、リスクポテンシャルマップ算出部28により算出されたリスクポテンシャルマップと、自車効率ポテンシャルマップ算出部52により算出された自車効率ポテンシャルマップと、周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部63により算出された周辺交通効率ポテンシャルマップとに基づいて、自車両及び周辺交通の総合ポテンシャルマップを算出する。
図29は、図28に示したECU7により実行される処理手順を示すフローチャートである。同図において、上記の手順S101,S102を実行した後、周辺道路の交通状況を算出し(手順S141)、更に自車両のドライバの操作候補の一覧を算出する(手順S142)。
続いて、上記の手順S103〜S132を実行した後、現在の操作予測での周辺交通の走行効率を算出し(手順S143)、更に現在の操作予測での周辺交通効率ポテンシャルマップを算出する(手順S144)。このとき、周辺交通が順調に流れている状況では、周辺交通効率ポテンシャルマップがプラス要因として算出され、周辺交通の流れが妨げられている状況では、周辺交通効率ポテンシャルマップがマイナス要因として算出される。
続いて、全ての操作候補についての算出処理が終了したかどうかを判定する(手順S145)。全ての操作候補についての算出処理が終了していないときは、ドライバの将来操作の予測を変更し(手順S146)、手順S104に戻る。
全ての操作候補についての算出処理が終了したときは、ドライバの各操作に対する自車両の総合ポテンシャルマップを算出する(手順S147)。
また、ドライバの各操作に対する周辺交通の総合ポテンシャルマップを算出する(手順S148)。周辺交通の総合ポテンシャルマップQ(x,y)は、例えば下記式により算出される。
Q(x,y)=k1・Risk(x,y)+k2・Efficentmy(x,y)+k3・Efficenttraffic(x,y)
Risk(x,y):リスクポテンシャルマップ
Efficentmy(x,y):自車効率ポテンシャルマップ
Efficenttraffic(x,y):周辺交通効率ポテンシャルマップ
続いて、自車両の総合ポテンシャルマップと周辺交通の総合ポテンシャルマップとから、ドライバがとり得る最適な操作を算出する(手順S149)。そして、ドライバがとり得る最適な操作に対応する自車両の総合ポテンシャルマップを算出する(手順S150)。その後、上記の手順S110,S111を実行する。
ここで、手順S141,S142は周辺交通状況認識部61により実行され、手順S143は周辺交通走行効率算出部62により実行され、手順S144は周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部63により実行され、手順S145〜S150は総合ポテンシャルマップ算出部31により実行される。
次に、周辺交通効率ポテンシャルマップ及びドライバがとり得る最適な操作の算出例について説明する。
図30は、1台の車両の右折待ちにより渋滞が発生している場合における周辺交通効率ポテンシャルマップの算出例を示す図である。この状況では、図30(a)に示すように、リスクポテンシャルマップRP,RPと、自車効率ポテンシャルマップMPと、周辺交通効率ポテンシャルマップTPとが算出される。
周辺交通効率ポテンシャルマップは、例えば下記式より算出される。
周辺交通効率ポテンシャルマップ=他車両の待ち台数の必要性による効率(−)
+他車両の通過による効率(+)
このとき、右折待ちしている他車両Hと、この他車両Hの後方に位置する4台の他車両Gが存在している。つまり、合計5台の他車両が待ち状態となっており、通過可能な他車両は無い。このため、例えば他車両の待ち台数の必要性による効率を1台当たり0.1とすると、周辺交通効率ポテンシャルマップは−0.5となる。
一方、図30(b)に示すように、自車両Iのドライバが右折車両Hに対して譲るような操作を行うと、右折車両Hを譲る分だけ自車両Iの走行効率(自車効率ポテンシャルマップ)が低下する。また、この場合には、右折車両Hの後方に位置する他車両Gも全て通過可能となるため、例えば他車両の通過による効率を1台当たり0.1とすると、周辺交通効率ポテンシャルマップは+0.5となる。
図30(a),(b)に示した自車両及び周辺交通のポテンシャルマップを、自車両のドライバがとり得る操作を軸として2次元平面上にマッピングして、3次元のポテンシャルマップを算出すると、図31に示すようになる。このとき、自車両のドライバがとり得る操作としては、自車両をそのまま走行させる操作、自車両を減速させる操作、自車両を停止させる操作がある。
図32は、自車両のドライバがとり得る操作、自車両の総合ポテンシャルマップの評価値、周辺交通の総合ポテンシャルマップの評価値をそれぞれ軸として3次元空間上にマッピングした一例を示したものである。なお、各総合ポテンシャルマップの評価値としては、例えば自車両の現在位置から10秒以内の範囲のワースト値を用いている。また、図中の破線V1は、自車両の総合ポテンシャルマップの評価許容範囲を示し、破線V2は、周辺交通の総合ポテンシャルマップの評価許容範囲を示している。
このような3次元的な自車両及び周辺交通の総合ポテンシャルマップの評価値から、自車両のドライバがとり得る最適な操作を算出する。具体的には、自車両の総合ポテンシャルマップの評価値が評価許容範囲V1内に含まれると共に周辺交通の総合ポテンシャルマップの評価値が評価許容範囲V2内に含まれるような操作、つまり図中の範囲V内の操作が、ドライバがとり得る最適な操作として算出される。
以上において、ECU7の周辺交通状況認識部61、周辺交通走行効率算出部62、周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部63は、自車両の走行状態と他車両の走行状態と道路の状況とに基づいて、他車両を含む周辺交通の走行効率度を算出する周辺交通走行効率算出手段を構成する。
以上のように本実施形態にあっては、例えば1台の右折待ちの車両による渋滞の発生等をマイナス要因とし、車両が順調に走行している状態をプラス要因とした周辺交通効率ポテンシャルマップを算出し、自車両及び周辺交通の総合ポテンシャルマップから自車両のドライバがとり得る最適な操作を算出し、その最適な操作に対応する自車両の総合ポテンシャルマップを算出するので、他車両を含む周辺交通に配慮した操作支援が実施されることとなる。これにより、交通流全体を更に効率化することができる。
図33は、本発明に係わる運転支援装置の第6実施形態を示す構成図であり、ECU7の機能ブロックを含んでいる。同図において、本実施形態の運転支援装置1は、上記第5実施形態の構成に加え、上記のウインカー反力制御アクチュエータ40を更に備えている。また、運転支援装置1のECU7は、上記第5実施形態の構成に加え、上記の交通ルール抽出部29、規制ポテンシャルマップ算出部30、操作・動作履歴記憶部45を更に有している。つまり、本実施形態は、上記第1〜第5実施形態の内容を含んだものとなっている。
総合ポテンシャルマップ算出部31は、リスクポテンシャルマップ算出部28により算出されたリスクポテンシャルマップと、自車効率ポテンシャルマップ算出部52により算出された自車効率ポテンシャルマップと、周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部63により算出された周辺交通効率ポテンシャルマップと、規制ポテンシャルマップ算出部30により算出された規制ポテンシャルマップとに基づいて、自車両及び周辺交通の総合ポテンシャルマップを算出する。
図34は、図33に示したECU7により実行される処理手順を示すフローチャートである。同図において、上記の手順S101〜S106を実行した後、交通ルールから必要とされるドライバの操作情報及び自車両の動作状態情報を取得し(手順S161)、ドライバの操作情報及び自車両の動作状態情報を操作・動作履歴として記憶する(手順S162)。続いて、交通ルールに対応した規制ポテンシャルマップを算出する(手順S163)。そして、必要に応じて操作・動作履歴に基づいて規制ポテンシャルマップを修正し(手順S164)、その後手順S131〜S111を実行する。
以上において、周辺監視センサ3、ナビゲーション6及びECU7の周辺環境認識部23、道路状況認識部24、交通ルール抽出部29は、自車両の現在の走行状態に対して適用される交通ルールを抽出する交通ルール抽出手段を構成する。ECU7の規制ポテンシャルマップ算出部30は、交通ルールに応じて自車両の走行を規制するための規制ポテンシャルを算出する規制ポテンシャル算出手段を構成する。また、ECU7の操作・動作履歴記憶部45は、自車両の走行動作履歴と自車両のドライバの操作履歴とを保存する動作・操作履歴保存手段を構成する。
このような本実施形態においては、上記第1〜第5実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
1…運転支援装置、2…ドライバ操作センサ(自車状態予測手段)、3…周辺監視センサ(他車状態予測手段、道路状況認識手段、交通ルール抽出手段)、4…ドライバモニタ(自車状態予測手段)、5…自車状態センサ(自車状態予測手段、規制ポテンシャル緩和手段)、6…ナビゲーション(道路状況認識手段、交通ルール抽出手段)、7…ECU、8…操舵反力制御アクチュエータ(支援手段)、9…アクセル反力制御アクチュエータ(支援手段)、10…ブレーキ反力制御アクチュエータ(支援手段)、23…周辺環境認識部(自車状態予測手段、他車状態予測手段、交通ルール抽出手段)、24…道路状況認識部(道路状況認識手段、交通ルール抽出手段)、25…将来操作予測部(自車状態予測手段)、26…自車状態予測部(自車状態予測手段)、27…他車状態予測部(他車状態予測手段)、28…リスクポテンシャルマップ算出部(リスクポテンシャル算出手段)、29…交通ルール抽出部(交通ルール抽出手段)、30…規制ポテンシャルマップ算出部(規制ポテンシャル算出手段、規制ポテンシャル緩和手段)、31…総合ポテンシャルマップ算出部(支援手段)、32…操作反力算出部(支援手段)、40…ウインカー反力制御アクチュエータ(支援手段)、45…操作・動作履歴記憶部(動作・操作履歴保存手段)、51…自車走行効率算出部(自車走行効率算出手段)、52…自車効率ポテンシャルマップ算出部(自車走行効率算出手段)、61…周辺交通状況認識部(周辺交通走行効率算出手段)、62…周辺交通走行効率算出部(周辺交通走行効率算出手段)、63…周辺交通効率ポテンシャルマップ算出部(周辺交通走行効率算出手段)。

Claims (5)

  1. 自車両の走行状態を予測する自車状態予測手段と、
    前記自車両の周辺を走行する他車両の走行状態を予測する他車状態予測手段と、
    前記自車両が走行する道路の状況を認識する道路状況認識手段と、
    前記自車両の走行状態と前記他車両の走行状態とに基づいて、前記他車両に対する前記自車両のリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記自車両の走行状態と前記他車両の走行状態と前記道路の状況とに基づいて、前記自車両の走行効率度を算出する自車走行効率算出手段と、
    前記リスクポテンシャルと前記自車両の走行効率度とに基づいて、前記自車両の運転支援を行う支援手段とを備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記自車両の走行状態と前記他車両の走行状態と前記道路の状況とに基づいて、前記他車両を含む周辺交通の走行効率度を算出する周辺交通走行効率算出手段を更に備え、
    前記支援手段は、前記リスクポテンシャルと前記自車両の走行効率度と前記周辺交通の走行効率度とに基づいて、前記自車両の運転支援を行うことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
  3. 前記自車両の現在の走行状態に対して適用される交通ルールを抽出する交通ルール抽出手段と、
    前記交通ルールに応じて前記自車両の走行を規制するための規制ポテンシャルを算出する規制ポテンシャル算出手段とを更に備え、
    前記支援手段は、前記リスクポテンシャルと前記自車両の走行効率度と前記規制ポテンシャルとに基づいて、前記自車両の運転支援を行うことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
  4. 前記自車両の走行動作履歴と前記自車両のドライバの操作履歴とを保存する動作・操作履歴保存手段と、
    前記自車両の走行動作履歴と前記ドライバの操作履歴とに基づいて、前記規制ポテンシャルを緩和する規制ポテンシャル緩和手段とを更に備えることを特徴とする請求項3記載の運転支援装置。
  5. 前記支援手段は、操舵、アクセル、ブレーキ及びウインカーのいずれかに対して操作反力を与える手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の運転支援装置。
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