JP2012148746A - 車両用空気調和装置及び車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先行車であるB車両16の空調制御器3は、B車両16がY駅を発車したときにB車両16の車内温度センサーが検出した車内温度と、各種センサーによって検出された情報に基づいて空調基準温度を算出し、この空調基準温度と、車内温度と空調基準温度の温度差と空調基準温度を補正した場合には補正温度をデータ送信部30を介して後続車であるA車両に送信し、A車両15の空調制御器3は、次駅であるY駅に到着する前に、B車両16から補正温度と温度差をデータ受信部29を介して受信すると、この温度差に基づいてA車両の空調基準温度を補正し、A車両が次駅であるY駅を発車する時より所定時間T1前に、補正した空調基準温度に基づいて空調装置1を制御する。
【選択図】図3
Description
また、空調装置の運転情報と、車両の位置情報とを有するデータを定期的に管理コンピューターに送信し、管理コンピューターがデータを蓄積し、処理するものがある(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、車両が走行している時点の各種センサーが検知した環境データにより空調制御を行う場合には、冷房運転においては空調装置に内蔵される空調コンプレッサの運転台数や運転周波数、運転時間を制御し、暖房運転においては暖房用ヒーター2を制御して空調基準温度に車両内の温度を近づけるよう温度制御を実施する。よって、駅での下車や乗車による乗車率の変動およびドアが開くことによる外気流入などの急激な熱負荷変動に追従できなくなり最適な冷房能力を算出することができなかった。また算出するために膨大なハードウェアやソフトウェアが必要であった。
図1は本発明の実施の形態1に係る車両用空気調和装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図1において、本実施の形態に係る空気調和装置は、空調装置1、暖房用ヒーター2及び空調制御器3を備えている。空調装置1は、例えば冷凍サイクルから構成される。また、空気調和装置は、車内温度を検出する車内温度センサー(車内温度検出手段)4、車内湿度を検出する車内湿度センサー(車内湿度検出手段)5、外気温度を検出する外気温度センサー(外気検出手段)6、及び車両の重量を計測する応荷重センサー7を備えている。空調制御器3は、情報演算処理部3aを備えている。情報演算処理部3aは、車内温度センサー4、車内湿度センサー5、外気温度センサー6及び応荷重センサー7の各検出データと、位置情報8とを入力する機能を備えている。また、空調制御器3は、これらのセンサーの少なくとも1つからの検出信号に基づいて空調装置1及び暖房用ヒーター2を制御するものであり、駅間乗車率データ格納部9、乗車率補正パターン格納部10、空調運転パターン格納部11、冷房設定温度格納部12、暖房設定温度格納部13、時刻計時部14及び冷房能力補正テーブルを格納する補正テーブル格納部3bを備えている。
なお、空調制御器3はマイクロコンピューターに限る必要はなく、同等の機能をもつ他のプロセッサや専用機で構成してもよい。なお、記憶部はマイクロコンピューター内部に設けても良いし、マイクロコンピューター内部に設けても良い。また、マイクロコンピューターを複数配置することで或るマイクロコンピューターが他のマイクロコンピューターの記憶部を使用するようにしても良い。
なお、A車両15のデータ受信部29に受信されるB車両16のデータ20には、B車両16の車両運転形態情報(普通運転か特急かの情報)22と、B車両16の位置情報23と、B車両16の号車情報24と、B車両16の車内温度25と、B車両16の車内湿度26と、B車両16の外気温度27と、B車両16の乗車率28と、室内温度と空調基準温度との差ΔTAと、制御補正(冷房能力の補正値ΔQ)とが含まれる。
なお、図2において、A車両を含む複数の車両が連結された(以下、編成されたと呼ぶ場合もある)列車とB車両を含む複数の車両が連結されて編成された列車の2つの列車が示されているが、ここでは、さらにB車両を含む列車の後に別の複数の車両が編成された列車があることを前提とする。
A車両15の車内温度センサー4は、車両内部に設けられており、車両内部の温度を測定し、その測定結果である車内温度センサー信号をA車両15の空調制御器3に出力する。
A車両15の車内湿度センサー5は、車両内部に設けられており、車両内部の湿度を測定し、その測定結果である車内湿度センサー信号をA車両15の空調制御器3に出力する。
A車両15の外気温度センサー6は、車両外部に設けられており、車両外部の温度を測定し、その測定結果である外気温度センサー信号をA車両15の空調制御器3に出力する。
A車両15の応荷重センサー7は、車両に設けられており、車両の乗車率を検出するためにA車両15の空調制御器3に出力する。空調制御器3は、応荷重センサー7の検出信号に基づいて車両の乗車率を求める。応荷重センサー7は、一般的に使用されているものでよく、例えば電気式応荷重センサーや、機械式応荷重センサーを用いてもよい。
(a)0deg≦(車内温度−冷房基準温度)<1degの場合には冷房能力0%の運転、
(b)1deg≦(車内温度−冷房基準温度)<2degの場合には冷房能力25%の運転、
(c)2deg≦(車内温度−冷房基準温度)<3degの場合には冷房能力50%の運転、
(d)3deg≦(車内温度−冷房基準温度)<4degの場合には冷房能力75%の運転、
(e)4deg≦(車内温度−冷房基準温度)の場合には冷房能力100%の運転を行う。
(f)−1deg≦(車内温度−暖房基準温度)<0degの場合には暖房能力0%の運転、
(g)−2deg≦(車内温度−暖房基準温度)<−1degの場合には暖房能力25%の運転、
(h)−3deg≦(車内温度−暖房基準温度)<−2degの場合には暖房能力50%の運転、
(i)−4deg≦(車内温度−暖房基準温度)<−3degの場合には暖房能力75%の運転、
(j)(車内温度−暖房基準温度)<−4degの場合には暖房能力100%の運転を実施することを示している。
以上のように冷房運転パターンと暖房運転パターンは車内温度から冷房基準温度あるいは暖房基準温度を減算して得られる温度差の符号が逆になる。
以下、冷房運転について説明する。なお、暖房運転時の動作は、制御に用いる運転パターンの符号が異なる以外は冷房運転の動作とほぼ同様であるので、暖房運転についての説明を省略する。
なお、先行車両から後続車両へ送信されるデータ20には図3に示すように各種のデータが含まれているが、ここでは説明をわかりやすくするため、関係の少ない低いデータの説明を省略し、直接関係のある車内温度、空調基準温度を中心に説明する。
図7(a)は、1編成目の列車の車内温度と空調制御パターンの変化挙動を示す図であり、先行車のデータを受信できない場合を示す。また、図7(b)は、2編成目の列車の車内温度と空調制御パターンの変化挙動を示す図であり、1編成目の列車よりデータを受信した場合を示している。また、図7(c)は、3編成目の列車の車内温度と空調制御パターンの変化挙動を示す図であり、2編成目の列車よりデータを受信した場合を示している。
また、図7(a)〜(c)において、環境条件として、外気温度が30℃を超え、走行中の安定した車内温度が25℃近傍(以下、この温度を空調基準温度と呼ぶ)で乗車率がほぼ100%であることを前提としている。また、各車両には、アンテナ及び通信部が設けられており、先行する列車から空調に関する補正データを受信することができるように構成されている。
1編成目の列車ではY駅18の一つ前のX駅17を発車すると、空調制御器3は車内温度が空調基準温度(この例では約25℃)になるように空調装置1の制御を開始する。これにより、図7(a)に示すように、1編成目の列車がX駅17を発車してから所定時間が経過した後、Y駅18に到着するまでの間、車内温度はほぼ空調基準温度の近傍でほぼ一定になっている。
しかしながら、この1編成目の列車の車両が走行している路線の前には先行列車がないため、先行列車から車内温度や空調基準温度やその温度差や冷房空調能力の補正値などの空調に関するデータを受信できない。この場合、この列車の車両の空調制御器3は車内温度センサー4からの車内温度、車内湿度センサー5からの車内湿度、外気温度センサー6からの外気温度、応荷重センサー7からの車両の重量、及び当該車両の位置情報に基づいて通常の空調制御を行う。この列車がY駅18に到着してドアが開くと、ドアから30℃を超える外気が侵入する。この外気および乗客の下車と乗車による急激な車内の温度変化に対して空調装置1による制御が追従できず、ドアが閉まるまで車内の温度が上昇を続けて暑くて不快な外気温度に近付いて行く。
ドアが閉じて列車が発車した時に、空調基準温度に向けての空調制御器3による空調制御が開始される。このため、空調基準温度近傍に到達するまでにかなりの時間を要する。このT1時間の間、車内は快適な空調基準温度より高い温度になっているため、乗客は不快を感じ続ける。
なお、空調制御は、車内温度と空調基準温度の温度差ΔTAに基づいて行われる。例えば冷房運転の場合には、温度差ΔTAは下記の式(1)に基づいて空調制御が行われる。
ΔTA = 車内温度 − 空調基準温度………(1)
この情報は一つ後を走行する2編成目の列車へ無線通信により送信される。
なお、冷房能力補正テーブルは事前に走行試験を繰り返して実行し、実測した値に基づいて決定したものであり、図9の例では、温度差ΔTAが0〜+1℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを0段(能力0%に相当)とし、温度差ΔTAが1〜+2℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを+1段(能力25%に相当)上昇させ、温度差ΔTAが2〜+3℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを0段より+2段(能力50%に相当)上昇させ、温度差ΔTAが3〜+4℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを+3段(能力75%に相当)上昇させ、ΔTAが4℃以上の場合には冷房能力の補正値ΔQを+4段(能力100%に相当)上昇させるように5段階に分けて対応させてある。
例えば、先行列車から受信した温度差ΔTAが3〜+4℃であれば、冷房能力補正テーブルを参照することで、対応する冷房能力の補正値ΔQとして冷房能力75%に相当する+3を取得する。これにより空調制御器3は空調装置1に対して3段アップの空調制御を行うように当該列車がY駅を発車する前のT1時間前に開始する。
この制御により、Y駅18を発車したときの車内温度と空調基準温度との温度差ΔTAが図7(a)のものよりも小さくすることができる。従って、Y駅発車直後の車内温度を図7(a)よりも早く空調基準温度に近付けることができる。
即ち、先行列車の制御結果である先行列車の車内温度と空調基準温度との温度差により、後続列車の空調能力を適正に補正することができ、駅発車時点の車内環境を快適に保つことができる。
例えば、先行列車から受信した温度差ΔTAが1〜+2℃であれば、冷房能力補正テーブルを参照することで、対応する冷房能力の補正値ΔQとして冷房能力25%に相当する+1を取得する。これにより空調制御器3は受信した冷房能力の補正値+3にこの+1を加算して+4(100%の能力に相当)となる。従って空調制御器3は当該列車がY駅を発車する前の所定時間T1前に空調装置1に対して100%の能力の空調制御を開始する。
即ち、先行列車の制御結果である先行列車の車内温度と空調基準温度との温度差により、後続列車の空調能力を適正に補正することができ、駅発車時点の車内温度環境を快適に保つことができ、乗客は殆ど不快感を持たない。
温度差ΔTAが0〜α℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを0(能力0%に相当)とし、温度差ΔTAがα〜α+β℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを+1段(能力25%に相当)上昇させ、温度差ΔTAがα+β〜α+2β℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを+2段(能力50%に相当)上昇させ、温度差ΔTAがα+2β〜α+3β℃の場合には冷房能力の補正値ΔQを+3段(能力75%に相当)上昇させ、α+3β℃以上の場合には冷房能力の補正値ΔQを+4段(能力100%に相当)上昇させるように5段階に分けて対応させてある。ここで、αとβの値は調整可能である。
図9の冷房能力補正テーブルは温度差ΔTAが固定した場合であったが、この冷房能力補正テーブルを用いると、αとβの値をそれぞれ調整可能であるため、温度差条件の自由度が拡大する。
次に、本実施の形態の空調制御における空調制御器3の動作を、図8を用いて説明する。
電源がパンタグラフを通じて外部から列車に供給されているとき、当該列車は走行運転が可能であり、空調制御器3も同時に動作する。また、空調制御器3も同時に起動される。空調制御器3は、空調制御を開始する前に、まず先行列車の車両の制御データを受信する(ステップS801)。次に、空調制御器3は、先行列車のデータが受信できたか否かを調べるために制御データとして冷房能力の補正値ΔQと駅発車時の車内温度と空調基準温度との温度差ΔTAが有るか否かを調べる(ステップS802)。先行列車からの制御データがなければ、空調制御器3は通常の空調制御を行った(ステップS803)後、ステップS801へ戻る。また、ステップS802において、先行列車からの制御データが有れば、空調制御器3は、温度差ΔTAより冷房能力テーブルを参照して冷房能力の補正値ΔQを取得する(ステップS804)。次に空調制御器3はステップS801で受信した冷房能力の補正値ΔQにステップS804で算出した冷房能力の補正値ΔQを加算して最終的なΔQを算出する(ステップS805)。次に、空調制御器3はステップS805において算出した冷房能力の補正値ΔQを通常の冷房能力に加えて空調装置1を制御する(ステップS806)。制御が終わるとステップS801へ戻り、再び空調制御を繰り返す。
また、各駅を介して補正データと列車の識別子を後続列車へ伝送させるように構成してもよい。この場合、各駅にマイクロコンピューターを設置し、各駅のマイクロコンピューター間を有線あるいは無線で接続して通信できるように構成しておく。1編成目の列車が或る駅を発車するときに、この列車が今まで停車していた駅のコンピューターへ補正データと列車の識別子を送信する。当該駅のコンピューターがこの補正データと列車の識別子を前記1編成目の列車から受け取ると、この補正データと列車の識別子を一つ前の駅のマイクロコンピューターへ有線通信または無線通信により送信する。一つ前の駅のマイクロコンピューターがこの補正データと列車の識別子を受信すると、この駅の近くを走行している列車へ送信する。この場合、この駅から最も近くに居る列車は2編成目の列車である確率が高い。2編成目の列車は補正データと先行列車の識別子を受信すると、識別子に基づき、当該補正データが一つ前を走行する先行列車のものと判断し、この補正データに基づいて空調データの補正を行うことができる。なお、この場合、2編成目の列車は補正データを発信した駅からさほど遠く離れていない場合が多いので当該駅からは発信電力をそれほど強力にしなくても通信が可能である。従って、省電力を図ることができる。
実施の形態1では、列車の次駅の発車時点の空調制御を先行列車から受信した車内温度と空調基準温度との温度差を空調能力の補正値に換算したものに基づいて行うようにしたが、先行列車の車内温度と空調基準温度との温度差に基づいて直接車内温度の補正を行うようにしても良い。本実施の形態では、この場合について説明する。
以下、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図1〜図3は本実施の形態でも用いられる。
図11(a)は、1編成目の列車の車内温度と空調制御パターンの変化挙動を示す図であり、先行列車の車両からデータが受信できない場合を示す。なお、ここでのデータは車内温度と空調基準温度との温度差である。
この図11(a)の例では、駅におけるドアから侵入する空気および乗客の下車と乗車による急激な車内温度変化に追従できず、車内温度が上昇している。
図11(b)は、1編成目より駅発車時の空調基準温度と車内温度を入手し、その温度差により、空調基準温度の補正値ΔTB1を求め、冷房能力を時間T1前に制御する。
この場合、補正の対象は空調能力でなく、空調基準温度である。空調基準温度をTnとおくと、補正は以下の式(2)及び(3)により行われる。但し、左辺のTnは補正後の空調基準温度であり、右辺のTnは補正前の空調基準温度である。
ΔTBn = (ΔTBn−1+ΔTAn−1)*k……(2)
Tn = Tn − ΔTBn………………………(3)
補正を行うと、空調基準温度は例えば約25℃から空調基準温度の補正値ΔTB1だけ減算した値に設定され、冷房運転では、空調基準温度がその分低下する。空調制御器3は、次駅発車時点からT1時間前に車内温度がこの補正後の設定値になるように空調制御する。従って、駅でドアの開閉を行って、30℃を超える外気が車内に流入しても予め空調基準温度が低く設定されているので、結果として→駅発車時の空調基準温度(補正前の空調基準温度)に車内温度を近付けることができる。
また、実施の形態1よりも能力補正値を求める必要がない。
図11(c)は、2編成目よりY駅で実施した空調基準温度の補正値ΔTB1と駅発車時の空調基準温度と車内温度を入手し、その温度差ΔTA1を空調基準温度の補正値ΔTB1に加算することにより、空調基準温度補正ΔTB2を求め、2編成目で実施した空調基準温度補正に加算して冷房能力を時間T1前に制御する。
これにより、駅発車時の空調基準温度に車内温度を近付けることができる。
次に、本実施の形態2における空調制御器3の動作を、図12を用いて説明する。
電源がパンタグラフを通じて外部から列車に供給されているとき、当該列車は走行運転が可能であり、空調制御器3も同時に動作する。空調制御器3は、空調制御を開始する前に、まず先行列車の車両の制御データを受信する(ステップS1201)。次に、空調制御器3は、先行列車のデータが受信できたか否かを調べるために制御データとして温度の補正値ΔTA1と駅発車時の車内温度と空調基準温度との温度差ΔTAが有るか否かを調べる(ステップS1202)。先行列車からのデータがなければ、空調制御器3は通常の空調制御を行った(ステップS1203)後、ステップS1201へ戻る。また、ステップS1202において、先行列車からのデータが有れば、空調制御器3は、温度差ΔTA1に基づいて補正温度ΔTBを計算する(ステップS1204)。なお、ここでは、温度差ΔTA1がそのまま補正温度ΔTBになる。次に、空調制御器3は算出した補正温度ΔTBを空調基準温度に加算することにより空調基準温度を補正する(ステップS1205)。次に空調制御器3は補正後の空調基準温度T'に基づいて空調装置1を制御する(ステップS1206)。制御が終わるとステップS1201へ戻り、再び空調制御を繰り返す。
なお、上記の式(2)に示す空調基準温度計算式に補正係数Kを追加することで、空調基準温度補正量を調整可能となった。
実施の形態2において、Y駅発車後の乗車率が予測できる場合は、予測される乗車率で乗客が快適となる空調基準温度を目標に制御することができ、車内温度を目標に近付けることができる。本実施の形態ではこのような場合について説明する。
図1、図4及び図5はこの実施の形態でも用いられる。
また、図15は本発明の実施の形態3に係る各駅間毎の乗車率を時間帯毎に分けた記憶パターンの一例を示す概念図である。また、図16は本発明の実施の形態3に係る車両用空気調和装置が動作したときの車両内温度と空調制御パターンの変化挙動の一例を示す図である。
以上のように構成された車両用空気調和装置の詳細を、図14〜16を用いて説明する。
空調制御器3は、乗車率補正パターン格納部10に一例として図14で示される乗車率補正パターンを格納している。図14では、乗車率が、
(a)0≦乗車率<100%の範囲では補正温度が零であり、
(b)100%≦乗車率<150%では補正温度が−1deg、
(c)150%≦乗車率では補正温度が−3deg
となることを表している。
なお、本発明の空調基準温度に相当する。
(S1)情報演算処理部3aは、当該車両が次駅到着の所定時間前の段階で、駅間乗車率データ格納部9から次駅と次々駅間の当該時間帯における乗車率を読み出し、その乗車率がその区間の乗車率であると予測する。
(S2)情報演算処理部3aは、その予測乗車率と、乗車率補正パターン格納部10(図14参照)のデータとに基づいて補正温度を求める。
(S3)情報演算処理部3aは、冷房運転の場合には、冷房基準温度に補正温度を加算して補正された冷房基準温度を求める。また、情報演算処理部3aは、暖房運転の場合には、補正温度を加算して暖房基準温度を求める。
(S5)情報演算処理部3aは、当該車両が次駅に到着すると、応荷重センサー7の出力を取り込んで、当該駅(次駅)での当該車両の乗車率を検出する。そして、その乗車率に基づいて補正温度を求める。以下は、上記の説明と同様に、冷房設定温度(又は暖房設定温度)に補正温度を加算して冷房基準温度(又は暖房基準温度)を求め、その冷房基準温度(又は暖房基準温度)に基づいて空調装置1(又は暖房用ヒーター2)を駆動制御する。
Claims (6)
- 同一の路線上を互いに所定の距離以上離れて同一方向に走行する複数の列車のそれぞれに取り付けられる車両用空気調和装置において、
車内の空調を行う空調装置と、
車内の温度を検出する車内温度センサーと、
車外の温度を検出する外気温度センサーと、
車内の湿度を検出する車内湿度センサーと、
前記空調装置を制御する空調制御器と、
を備え、
前記空調制御器は、前記車内温度センサーの出力と、前記外気温度センサーの出力と、前記車内湿度センサーの出力と、前記列車に設けられた応荷重センサーの出力に基づいて推定される乗車率と、に基づいて車内の空調基準温度を算出し、
第1の駅に到着する前に、先行車両の空調制御器が当該先行列車の空調基準温度に対して補正を行ったときの補正温度と、前記先行列車が前記第1の駅を発車したときの当該先行列車の車内温度と、当該先行列車の空調基準温度の温度差と、を受信し、
受信した前記補正温度と、受信した前記温度差に基づいて取り付けられている列車(以下、当該列車と呼ぶ)の空調基準温度を補正し、
当該列車が前記第1の駅を発車するときより所定時間前に又は前記第1の駅より所定の距離手前で、補正された空調基準温度に基づいて当該列車の空調装置を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。 - 先頭列車の空調制御器では、前記補正温度に0が与えられ、前記温度差に0が与えられることを特徴とする請求項1記載の車両用空気調和装置。
- 予め駅毎の乗車率を時系列に記憶する記憶部を備え、
前記空調制御器は、
前記第1の駅に到着する前に、前記記憶部に記憶された前記第1の駅での特定時間帯における乗車率に基づいて、前記第1の駅での当該時間帯における乗車率を予測し、
前記予測された乗車率(以下、予測乗車率という)に基づいて前記補正された空調基準温度を補正するための補正温度を算出し、
前記補正された空調基準温度に該算出した補正温度を加算し、該加算された空調基準温度を前記補正された空調基準温度とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空気調和装置。 - 同一の路線上を互いに所定の距離以上離れて同一方向に走行する複数の列車のそれぞれに取り付けられる車両用空気調和装置において、
車内の空調を行う空調装置と、
車内の温度を検出する車内温度センサーと、
車外の温度を検出する外気温度センサーと、
車内の湿度を検出する車内湿度センサーと、
前記空調装置を制御する空調制御器と、
空調能力の補正値を温度差と対応させたテーブルを格納する記憶部と、を備え、
前記空調制御器は、
前記車内温度センサーの出力と、前記外気温度センサーの出力と、前記車内湿度センサーの出力と、前記列車に設けられた応荷重センサーの出力に基づいて推定される乗車率とに基づいて、車内の空調基準温度を算出し、
第1の駅に到着する前に、先行列車の空調制御器が当該先行列車の空調能力に対して補正を行ったときの第1の空調能力と、前記先行列車が前記第1の駅を発車したときの当該先行列車の前記車内温度センサーによって検出された車内温度と、当該先行列車の空調基準温度の温度差と、を受信し、
受信した前記温度差に基づいて前記記憶部に格納された前記テーブルを参照し、対応する段階の空調能力を第2の空調能力の補正値として取得し、
取得した該第2の空調能力の補正値と、受信した前記第1の空調能力と、を加算して得られた空調能力に基づいて該空調制御器が取り付けられている列車(以下、当該列車と呼ぶ)の空調能力を補正し、当該列車が前記第1の駅を発車するときより所定時間前に又は前記第1の駅より所定の距離手前で、前記補正された空調能力に基づいて当該列車の空調装置を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。 - 先頭列車の空調制御器では、前記第1の空調能力の補正値に0が与えられ、前記温度差に0が与えられることを特徴とする請求項4記載の車両用空気調和装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用空気調和装置を備えたことを特徴とする車両。
Priority Applications (1)
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