JP2012148629A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータの推定温度が実際の温度より高くなり、過熱状態でないにも関わらず、電動モータの電流制限制御が行われることを防止できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【解決手段】基板温度センサの今回値と前回値の差を絶えず検出し、基板温度センサの今回値が前回値に比較して大きく変化したときには、大きく変化する前の前回値を基板温度センサの基準値として記憶する。そして、基板温度センサ異常検出手段が検出した基板温度センサ異常が所定時間以上継続するまで、基板温度センサの基準値として記憶した基板温度センサの前回値を、基板温度の推定演算に使用する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
従来、パワーステアリング装置には、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置がある。このような電動パワーステアリング装置では、例えば、連続した据え切り操舵状態や、ステアリングホイールにトルクを加えた状態で保持する保舵状態が継続する場合、モータに大電流が流れ、モータやスイッチング素子が異常高温状態となる。このような状態になると、モータやスイッチング素子が故障に至る場合がある。
このため、常時モータの温度を測定または推定し、モータの温度異常の発生を検出した場合には、速やかにモータ制御を停止してフェールセーフを図る構成が一般的となっている。
このようなモータの温度を推定する方法として、モータに流れる電流の2乗値に比例したモータの発熱量、及びモータの放熱量を考慮した温度変動分を初期温度に加算して、モータの作動時におけるモータの温度を推定する方法がある。この初期温度として、外気温度が極めて高い最悪の温度条件下を想定した所定温度を採用している(特許文献1)。
また、イグニッションオン時に、モータの温度を推定(推定温度)する算出開始時の初期温度として、温度センサにより検出したモータ又は発熱体の周囲温度と、イグニッションオフ時に不揮発性メモリに記憶した前回の推定温度のうちの高温の方を採用する方法がある(特許文献2)。
特開2004−082757号公報 特開2005−263010号公報
ところが、このようなモータの温度の推定する方法において、前記初期温度に、外気温度が極めて高い最悪の温度条件下を想定した所定温度を採用した場合や、温度センサにより検出したモータ又は発熱体の周囲温度と、イグニッションオフ時に不揮発性メモリに記憶した前回の推定温度のうちの高温の方を採用した場合には、実際の温度より高くなってしまう場合がある。
そのような場合には、モータ又は発熱体の安全性を考慮する余り、実際に過熱状態でないにも関わらずモータが過熱状態と判定され、尚早なタイミングでモータの電流制限制御が行われしまい、アシスト力が低減して操舵フィーリングが低下することが考えられる。この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、モータの推定温度が実際の温度より高くなり、過熱状態でないにも関わらず、モータの電流制限制御が行われることを防止できる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにしたモータ(12)と、前記モータ(12)に流れる電流を検出する電流検出器(52u、52v、52w)と、前記モータ(12)を駆動するコントローラ(ECU、11)と、前記コントローラ(ECU、11)内の基板温度を検出する基板温度センサ(39)と、前記基板温度センサ(39)の異常を検出する基板温度センサ異常検出手段(マイコン、30)と、前記基板温度センサ(39)から検出した基板温度を記憶する記憶手段(EEPROM、34)と、前記電流検出器(52u、52v、52w)から検出した各相モータ電流(Iu、Iv、Iw)からモータ推定発熱量(Qs)を推定演算するモータ発熱量推定演算手段(マイコン、30)と、前記基板温度センサ(39)から検出された基板温度を基準として、前記モータ発熱量推定演算手段(マイコン、30)から演算したモータ推定発熱量(Qs)を加算するモータ温度推定演算手段(マイコン、30)と、前記モータ温度推定演算手段(マイコン、30)から演算したモータ推定温度(Ts)により、前記モータ(12)を電流制限制御する制御手段(マイコン、30)とを、備えた電動パワーステアリング装置(1)において、前記制御手段(マイコン、30)は、イグニッション(22)がオン後、初めて前記基板温度センサ(39)の今回値(Tk(n))と前回値(Tk(n-1))の差が所定の閾値(Tkrs)より大きくなった場合には、前記基板温度センサ(39)の前回値(Tk(n-1))を前記記憶手段(EEPROM、34)に記憶し、前記基板温度センサ異常検出手段(マイコン、30)が異常を検出した後、基板温度センサ異常が所定時間以上継続していない場合には、前記記憶手段(EEPROM、34)に記憶した前記基板温度センサの前回値(Tk(n-1))に基づき、前記モータ(12)の電流制限制御をおこなうこと、を要旨とする。
上記構成によれば、基板温度センサの今回値と前回値の差を絶えず検出し、基板温度センサの今回値が前回値に比較して大きく変化したときには、大きく変化する前の前回値を基板温度センサの基準値として記憶する。そして、基板温度センサ異常検出手段が検出した基板温度センサ異常が所定時間以上継続するまで、基板温度センサの基準値として記憶した基板温度センサの前回値を、基板温度の推定演算に使用するようにした。
請求項2に記載の発明は、前記モータ温度推定演算手段(マイコン、30)は、前記基板温度センサ異常検出手段(マイコン、30)が検出した基板温度センサ異常が所定時間以上継続している場合には、前記基板温度として記憶した前記基板温度センサの前回値(Tk(n-1))から所定値(基板温度センサ正常時最大温度)へ漸近処理した温度を使用すること、を要旨とする。
上記構成によれば、基板温度センサの異常が確定した場合には、基板温度が異常となる前の前回値を基板温度センサの基準値として、所定値(基板温度センサ正常時最大温度)へ漸近処理した基板温度をモータ温度推定演算に使用するようにした。
本発明によれば、モータの推定温度が実際の温度より高くなり、過熱状態でないにも関わらず、フェールセーフ機能が開始することを防止できる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSの電気的構成を示すブロック図。 基板温度センサの出力をECUに取り込む電気的構成を示すブロック図。 本発明の実施形態のモータコイル過熱保護制御プログラムのフローチャート図。 本発明の実施形態のモータコイル過熱保護制御プログラムで使用する電流制限値算出用マップ図。 本発明の実施形態の基板温度異常検出と処理プログラムのフローチャート図。 本発明の実施形態の基板温度異常検出と処理プログラムのフローチャート図。 本発明の実施形態の基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例1。 本発明の実施形態の基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例2。 本発明の実施形態の基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例3。
以下、コラム型の電動パワーステアリング装置1(以下、EPSという)に具体化した本発明の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態のEPS1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック軸5と連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸5の往復直線運動に変換される。
尚、本実施形態のステアリングシャフト3は、コラムシャフト8、インターミディエイトシャフト9、及びピニオンシャフト10を連結してなる。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸5の往復直線運動が、同ラック軸5の両端に連結されたタイロッド6を介して図示しないナックルに伝達されることにより、転舵輪7の舵角が変更される。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ13と、EPSアクチュエータ13の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えている。
本実施形態のEPSアクチュエータ13は、コラム型のEPSアクチュエータであり、その駆動源であるモータ12は、減速機構14を介してコラムシャフト8と駆動連結されている。EPSアクチュエータ13は、モータ12の回転を減速機構14により減速してコラムシャフト8に伝達することによって、そのモータトルクをアシスト力として操舵系に付与する。
ECU11には、車速センサ16、トルクセンサ15、及びモータ回転角センサ18が接続されている。ECU11は、これら各センサの出力信号に基づいて、車速V、操舵トルクτ、及びモータ回転角θを検出する。例えば、本実施形態のトルクセンサ15は、一対のレゾルバが図示しないトーションバーの両端に設けられたツインレゾルバ型のトルクセンサである。また、ECU11は、これらの検出される各状態量に基づいて目標アシスト力を演算し、モータ12への駆動電力の供給を通じて、EPSアクチュエータ13の作動、即ち、操舵系に付与するアシスト力を制御する。
次に、本実施形態のEPS1における電気的構成について説明する。
図2は、本実施形態のEPS1の制御ブロック図である。同図に示すように、EPS1は、バッテリ20、ヒューズ21、イグニッションスイッチ(IG)22、ECU11及びモータ12を備える。
モータ12は、ブラシレスモータであり、モータ回転角θを検出するためのモータ回転角センサ18を有する。ECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン30と、そのモータ制御信号に基づいて、モータ12に三相の駆動電力を供給するモータ駆動回路40と、モータ12に通電される各相モータ電流値Iu、Iv、Iwを検出するための各相電流検出器52u、52v、52wとを備える。
モータ駆動回路40(図示しない)の回路基板(以下、「基板」という)上には、直列に接続された一対のスイッチング素子(FET)50u,50v,50w,51u,51v,51wを基本単位(アーム)として各相に対応する3つのアームを並列接続してなる公知のPWMインバータが構成されている。
また、ECU11は、モータ12に三相の駆動電力を供給するモータ駆動回路40の供給電源となるバッテリ20からの電源路をオン/オフするリレー37と、電源路に乗るノイズを遮断するノイズフィルタ38を有する。
更に、ECU11は、モータ駆動回路40を構成するFET50u,50v,50w,51u,51v,51wの温度を測定するために、モータ駆動回路40の基板上に設けられた基板温度センサ(例えばサーミスタ)39を有し、この基板温度センサ39からの情報によってモータ12をPWM制御する。
マイコン30は、プログラムや演算処理で使用するパラメータを記憶するメモリ(ROM)32と、演算処理されたデータを一時記憶するメモリ(RAM)33と、演算処理又は検出されたデータを一時記憶する不揮発性メモリ(EEPROM)34を有する。また、マイコン30は、後述する各種制御プログラムが記憶された読み出し専用メモリ(ROM)32に記述されたプログラムを処理する中央演算処理部(CPU)31を有する。
また、マイコン30は、外部のアナログ信号をデジタル信号に変換してマイコン30に取り込むA/D変換器35及びCPU31で演算したモータ制御信号(PWM信号:パルス幅変調用信号)をモータ駆動回路40に出力するPWMポート36を有している。
そして、マイコン30は、上記各相電流検出器52u、52v、52w、モータ回転角センサ18、トルクセンサ15、車速センサ16の各出力信号に基づき検出されたモータ12の各相モータ電流値Iu、Iv、Iw、及びモータ回転角θ、並びに上記操舵トルクτ、及び車速Vに基づいて、電流フィードバック制御を実行する。
具体的には、マイコン30は、モータ駆動回路40を構成する各FET50u,50v,50w,51u,51v,51wのオンデューティ比を規定するPWM信号をモータ駆動回路40に出力する。PWM信号が印加されると、モータ駆動回路40では、PWM信号に応答して、各FET50u,50v,50w,51u,51v,51wがオン/オフする。これによりモータ駆動回路40は、バッテリ20の電源電圧に基づく三相のモータ駆動電力を生成して、モータ12へ出力する。
次に、モータ駆動回路40を構成する各FET50u,50v,50w,51u,51v,51wの周辺温度を測定する基板温度センサ39の電気的構成について説明する。
図3は、基板温度センサ39の出力を、ECU11に取り込む一般的な電気的構成を示している。基板温度センサ39の正端子A1は、ECU11の中に設けられたコンデンサC1,抵抗R2から構成されるノイズフィルタ41、及びバッテリ20の電圧を分圧する抵抗R1、R2から構成される分圧器42の一端と接続され、マイコン30へ入力される。
また、基板温度センサ39の負端子A2は、上記ECU11の中に設けられたコンデンサC1,抵抗R2から構成されるノイズフィルタ41とともにGNDに接続されている。
次に、上記のように構成した電動パワーステアリング装置1のECU11の作用を、図4〜図10を参照して説明する。図4は、図2に示すIG22がオン時にて実行処理されるモータコイル(図略)の過熱を保護するためのモータコイル過熱保護制御プログラムのフローチャートであり、図5はモータコイル過熱保護制御プログラムにおいてモータ電流の制限値を算出の際に用いるモータ電流制限値算出用マップ60である。なお、このモータ電流制限値算出用マップ60は、予め設定しROM32に記憶しておく。
そして、図6、図7は基板温度センサ39によるモータ駆動回路40の異常な温度を検出する、基板温度異常検出と処理のプログラムのフローチャートであり、図8〜図10は基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例である。
まず、モータコイル過熱保護制御プログラムの概要について説明する。
マイコン30は、モータ12の過熱状態をモータコイルの発熱量から推定する。この推定した発熱量であるモータコイル推定発熱量(Qs)は、モータ12のモータコイルに流れる各相電流(Iu、Iv、Iw)の2乗和(Wt)に基づき算出する。そして、モータ12が過熱状態の場合には、モータ12のモータコイルに流すモータ電流を制限することで、モータ12の過熱を防止する。
このモータ電流の制限値であるモータ電流制限値(Ilim)は、モータ12のモータコイル推定発熱量(Qs)と基板温度(Tk)とから算出されたモータコイル推定温度(Ts)と、図5に示すモータ電流制限値算出用マップ60から導出される。
図5のモータ電流制限値算出用マップ60は、横軸に上記モータコイル推定温度(Ts)を、縦軸にモータ電流制限値(Ilim)を取って表している。マイコン30は、モータコイル推定温度(Ts)がTa以下の場合には、モータ電流制限値(Ilim)を、モータ駆動回路40を構成する各FETに流すことができる最大電流値(MAX)にする。
そして、マイコン30は、モータコイル推定温度(Ts)がTb以上の場合には、モータ電流制限値(Ilim)はモータ駆動回路40を構成する各FETに流すことができる最小電流値(MIN)にして、モータ12の温度上昇を防止する。また、マイコン30は、モータコイル推定温度(Ts)がTa以上、Tb以下の場合には、アシスト力が急変しないように、モータ電流制限値(Ilim)を漸減する。
次に、基板温度異常検出と処理プログラムの概要について説明する。
まず、マイコン30は、基板温度(Tk)の今回値(Tk(n))と前回値(Tk(n-1))を比較する。そして、マイコン30は、今回値(Tk(n))が前回値(Tk(n-1))に比較して、急激に大きくなっていれば、基板温度センサ39又は基板温度センサ39の周辺部品に何らかの異常が起きたと判断し、マイコン30に内蔵しているEEPROM34に前回値(Tk(n-1))を記憶温度(Tmem)として書き込む。ここで前回値(Tk(n-1))を書き込むことが重要となる。
次に、マイコン30は、基板温度センサ39に異常が起きたかどうかを判定する。ここで、基板温度センサ異常には、例えば、基板温度センサ39としてサーミスタを用いた場合、センサ素子自身のオープン故障である基板温度センサオープン故障や、基板温度センサ自身の短絡故障である基板温度センサショート故障等が考えられる。
そして、基板温度センサ39に異常が発生した場合には、マイコン30は、基板温度センサ異常確定用タイマ(Tr1)をカウントして異常が確定するか否かを判定する。基板温度センサ39の異常が確定した場合には、マイコン30は、基板温度(Tk)をEEPROM34に書き込まれている前回値(Tk(n-1))である記憶温度(Tmem)から、基板温度センサ正常時限界値に設定された所定値(正常時最大温度)まで漸増する。
そして、まだ基板温度センサ異常が確定していない場合には、マイコン30は、基板温度(Tk)としてEEPROM34に書き込まれている記憶温度(Tmem)を使用する。
その結果、基板温度センサ39に基板温度センサ異常が発生した時点では、モータのモータ電流制限値(Ilim)は、取りうる最大電流値(MAX)で、モータ電流制限制御が行われる。
次に、基板温度センサ39が正常と判定された場合には、マイコン30は、基板温度センサ39の異常確定からの正常復帰か否かを判定する。そして、基板温度センサ39の異常確定からの正常復帰の場合には、マイコン30は、基板温度センサ正常復帰確定用タイマ(Tr2)をカウントして、基板温度センサ39の正常復帰が確定するか否かを判定する。
基板温度センサ39の正常復帰が確定していない場合には、基板温度(Tk)をEEPROM34に書き込まれている記憶温度(Tmem)から、基板温度センサ正常時限界値に設定された所定値(正常時最大温度)まで漸増する。
そして、基板温度センサ39の正常復帰が確定した場合は、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰後の処理が完了しているか否かを判定する。基板温度センサ39の正常復帰後の処理が完了していない場合には、マイコン30は、基板温度(Tk)を、基板温度センサ39の正常復帰後の処理後の基板温度(Tk)から基板温度センサ39の今回温度へ漸近処理した温度を使用する。
そして、基板温度センサ39の正常復帰後の処理が完了した場合には、マイコン30は、基板温度(Tk)として基板温度の今回値(Tk(n))を使用する。その結果、基板温度(Tk)がスムーズに継続され、操舵フィーリングが滑らかに変化していく。
前述した基板温度センサ39の異常状態の遷移を図8〜図10の具体的な実施例で説明する。図8〜図10の全ての横軸は時間軸(t)、縦軸は基板温度(℃)を表す。また、図中の太い実線は基板温度(Tk)を、細い実線は基板温度センサ39による検出温度を表す。そして、細い実線で表された基板温度センサ39上の黒丸は、マイコン30での各サンプリング点を表す。
図8は、基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例1として、基板温度センサ39が正常な状態から異常状態を経て、基板温度センサ39の異常確定後の処理完了までを示す。
図9は、基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例2として、基板温度センサ39が正常な状態から異常状態を経て、正常状態に復帰後の処理完了までを示す。
また、図10は、基板温度異常検出時の異常状態の遷移を示す具体的な実施例3として、基板温度センサ39が異常状態から基板温度センサ39の異常確定を経て、正常状態に復帰後の処理完了までを示す。
まず、基板温度センサ39が正常な状態から異常状態を経て、基板温度センサ39の異常確定後の処理完了までを示す図8について詳細に説明する。この状態は、4つのゾーンに分けて説明する。ゾーンA1は基板温度センサ39が正常な状態である。次に、ゾーンB1は基板温度センサ39に異常が発生して、その異常が確定するまでの状態である。ゾーンC1は基板温度センサ39が異常状態にあり、その異常が確定した直後の処理中の状態である。そして、最後のゾーンD1は、基板温度センサ39が異常状態にあり、その異常が確定した直後の処理が完了した後の状態である。
ゾーンA1では、温度センサ検出温度(L1)は正常値を示している(例えば、Tk(n-2)、Tk(n-1))。そして、次サンプリング点Tk(n)で温度センサ検出温度が急激に上昇し、その時の温度センサ検出温度変化量ΔTk(ΔTk=Tk(n)-Tk(n-1))が基板温度変化量閾値(Tkrs)以上の場合には、マイコン30は、基板温度センサ39に異常が発生したと判断して、基板温度の前回値(Tk(n-1))を記憶温度(Tmem)として、EEPROM34に書き込む。
ゾーンB1では、マイコン30は、基板温度センサ39の異常を確定する処理(基板温度センサ39の異常確定タイマTr1のタイムアップ待ち)を行なう。この時点で、温度センサ検出温度(L1)は上昇を続けている。また、基板温度(L11)は、EEPROM34に書き込まれた記憶温度(Tmem)を維持する。その結果、モータ電流制限値(Ilim)を小さくするモータコイル推定温度(Ta、図5参照)までは余裕があり、モータ電流制限値(Ilim)を小さくすることによる、急激な操舵フィーリングの低下を防止できる。
ゾーンC1では、マイコン30は、基板温度センサ39の異常確定後の処理を行なう。基板温度センサ39の異常確定後の処理は、(1)式を用いて実行する。
今回温度=(正常時最大温度-前回温度)×Gain1+前回温度 (1)式
但し、Gain1は1次ローパスフィルタのカットオフ周波数から決まる固有値である。
その結果、モータ電流制限値(Ilim)は緩やかに小さくなるので、急激な操舵フィーリングの低下を防止できる。
ゾーンD1では、マイコン30は、基板温度センサ39の異常確定で処理完了後の処理を行なう。具体的には、基板温度(L11)は正常時最大温度を継続する。
その結果、モータ電流制限値(Ilim)は取りうる最小電流値(MIN)でアシスト力を発生するので、ECU11の構成部品やモータ12の焼損を防止できる。
次に、基板温度センサ39が正常な状態から異常状態を経て、正常状態に復帰後の処理完了までを示す図9について詳細に説明する。この状態も、4つのゾーンに分けて説明する。ゾーンA2は基板温度センサ39が正常な状態である。次に、ゾーンB2は基板温度センサ39に異常が発生して、基板温度センサ39の異常が確定するまでの未確定状態である。ゾーンC2は基板温度センサ39の異常が確定せず、基板温度センサ39が正常状態に復帰処理中の状態である。そして、最後のゾーンD2は、基板温度センサ39が正常状態にあり、その正常状態が確定した直後の処理が完了した後の状態である。
ゾーンA2では、温度センサ検出温度(L2)は正常値を示している(例えば、Tk(n-2)、Tk(n-1))。そして、次サンプリング点Tk(n)で温度センサ検出温度が急激に上昇し、その時の温度センサ検出温度変化量ΔTk(ΔTk=Tk(n)-Tk(n-1))が基板温度変化量閾値(Tkrs)以上の場合には、マイコン30は、基板温度センサ39に異常が発生したと判断して、基板温度の前回値(Tk(n-1))を記憶温度(Tmem)としてEEPROM34に書き込む。
ゾーンB2では、マイコン30は、基板温度センサ39の異常を確定する処理(基板温度センサ39の異常確定タイマTr1のタイムアップ待ち)を行なう。温度センサ検出温度(L2)は、サンプリング点Tk(m)の時点で、正常値に復帰している。そのため、温度センサ検出温度(L2)が正常値に復帰した時点で、基板温度センサ39の異常確定タイマのカウントは中止され、基板温度センサ39の異常が確定されることはない。
そして、マイコン30は、基板温度(L22)として、EEPROM34に書き込まれた記憶温度(Tmem)を維持する。
その結果、モータ電流制限値(Ilim)を小さくする、モータコイル推定温度(Ta、図5参照)までは余裕があり、モータ電流制限値(Ilim)を小さくすることによる、急激な操舵フィーリングの低下を防止できる。
ゾーンC2では、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰後の処理を行なう。基板温度センサ39の正常復帰後の処理は、(2)式を用いて実行する。
今回温度=(今回温度-前回温度)×Gain2+前回温度 (2)式
但し、Gain2は1次ローパスフィルタのカットオフ周波数から決まる固有値である。
その結果、モータ電流制限値(Ilim)は緩やかに大きくなるので、アシスト力の急激な増大を防止できる。
ゾーンD2では、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰確定で処理完了後の処理を行なう。具体的には、基板温度(L22)は温度センサ検出温度(L2)と同じ値となる。
その結果、基板温度(L22)は温度センサ検出温度(L2)と滑らかに接続され、モータ電流制限値(Ilim)も緩やかに増加するので、アシスト力の急激な増大を防止できる。
次に、基板温度センサ39が異常状態から基板温度センサ39の異常確定を経て、正常状態に復帰後の処理完了までを示す図10について詳細に説明する。但し、図10は図8で基板温度センサ39の異常が確定した後、温度センサ検出温度(L3)が正常状態に復帰した実施例である。この状態も、4つのゾーンに分けて説明する。
ゾーンA3は基板温度センサ39の異常が確定し、基板温度センサ39の異常が継続した状態である。次に、ゾーンB3は基板温度センサ39が正常状態に復帰し、その正常状態が確定するまでの未確定状態である。ゾーンC3は基板温度センサ39の正常状態が確定した後、基板温度センサ39が正常状態に復帰処理中の状態である。そして、最後のゾーンD3は、基板温度センサ39が正常状態にあり、基板温度センサ39の正常状態が確定した直後の処理が完了した後の状態である。
ゾーンA3では、温度センサ検出温度(L3)は異常温度を継続している。また、基板温度(L33)は正常時最大温度を継続している。そして、温度センサ検出温度(L3)はサンプリング点Tk(m)の時点で正常状態に復帰している。
ゾーンB3では、マイコン30は、基板温度センサ39の正常状態を確定する処理(基板温度センサ39の正常状態確定タイマTr2のタイムアップ待ち)を行なう。この時、温度センサ検出温度(L3)が急激に低下しても、基板温度(L33)は一定時間、正常時最大温度を維持する。
その結果、モータ電流制限値(Ilim)の小さいモータコイル推定温度(Tb、図5参照)から、モータ電流制限値(Ilim)を急激に大きくする、モータコイル推定温度に変化しないので、アシスト力の急激な増大を防止できる。
ゾーンC3では、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰後の処理を行なう。基板温度センサ39の正常復帰後の処理は、(3)式を用いて実行する。
今回温度=(今回温度-前回温度)×Gain3+前回温度 (3)式
但し、Gain3は1次ローパスフィルタのカットオフ周波数から決まる固有値である。
その結果、モータ電流制限値(Ilim)は緩やかに大きくなるので、アシスト力の急激な増大を防止できる。
ゾーンD3では、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰確定で処理完了後の処理を行なう。具体的には、基板温度(L33)は温度センサ検出温度(L3)と同じ値となる。
その結果、基板温度(L33)は温度センサ検出温度(L3)と滑らかに接続され、モータ電流制限値(Ilim)も緩やかに増加するので、アシスト力の急激な増大を防止できる。
上記内容を図4、図6、図7のフローチャートを用いて詳述する。
まず、図4のモータコイル過熱保護制御プログラムの詳細について説明する。
ステップ101では、マイコン30は、モータ電流二乗和(Wt)演算を実行する。モータ電流二乗和(Wt)は、各相電流検出器52u、52v、52wによって検出した、各相モータ電流値Iu、Iv、Iwの二乗和から求める(Wt=Iu2+Iv2+Iw2)。
次に、ステップ102では、マイコン30は、モータコイル推定発熱量(Qs)演算を実行する。モータコイル推定発熱量(Qs)はモータ電流二乗和(Wt)に所定のゲイン(G0)を乗算することによって求める(Qs=Wt×G0)。なお、所定のゲイン(G0)の単位は℃/Aである。このゲイン(G0)によって、モータコイル推定発熱量(Qs)の単位は℃に変換される。
次に、ステップ103では、マイコン30は、モータコイル推定温度(Ts)演算を実行する。モータコイル推定温度(Ts)は、モータコイル推定発熱量(Qs)と基板温度(Tk)を加算することによって求める(Ts=Qs+Tk)。
最後に、ステップ104では、マイコン30は、モータ電流制限値(Ilim)演算を実行する。モータ電流制限値(Ilim)は、ステップ103で求めたモータコイル推定温度Tsと、図5で示したモータ電流制限値算出用マップ60からモータ電流制限値(Ilim)を求めて、この処理を終わる。
次に、図6、図7の基板温度異常検出と処理プログラムの詳細について説明する。
ステップ201では、マイコン30は、初回完了フラグ(FLG1)の内容をRAM33から読み出す。次に、ステップ202では、基板温度の前回値(Tk(n-1))を同じくRAM33から読み出す。そして、ステップ203では、基板温度の今回値(Tk(n))を基板温度センサ39から取り込む。また、ステップ204では、基板温度変化量閾値(Tkrs)をROM32から読み出す。
次に、マイコン30は、基板温度の今回値(Tk(n))と基板温度の前回値(Tk(n-1))との差が、基板温度変化量閾値(Tkrs)より大きいか否かを判定する(ステップ205)。これは、基板温度センサ39による検出値が急激に変化したか、しなかったかを判定するものである。そして、基板温度の今回値(Tk(n))と基板温度の前回値(Tk(n-1))との差が、基板温度変化量閾値(Tkrs)より大きい場合(Tk(n)-Tk(n-1)>Tkrs、ステップ205:YES)には、ステップ206に移行する。
ステップ206では、マイコン30は、RAM33から読み出した初回完了フラグ(FLG1)の内容が「0」か否かを判定する。そして、RAM33から読み出した初回完了フラグ(FLG1)の内容が「0」の場合(FLG1=0、ステップ206:YES)には、ステップ207に移行する。
ステップ207では、マイコン30は、基板温度の前回値(Tk(n-1))を記憶温度(Tmem)としてEEPROM34に記憶(Tmem=Tk(n-1))し、ステップ208に移行する。ステップ208では、初回完了フラグ(FLG1)をオンし、RAM33に「1」を書き込む(FLG1=1、ステップ208)。
次に、ステップ209では、マイコン30は、基板温度センサ39が異常(オープン故障又はショート故障)か否かを判定する。基板温度センサ39が異常の場合(ステップ209:YES)には、ステップ210に移行する。ステップ210では、基板温度センサ異常確定タイマTr1をインクリメントする(Tr1=Tr1+Trc1、ステップ210)。そして、ステップ211に移行する。
ステップ211では、基板温度センサ異常確定タイマTr1がタイムアップしたか否か、即ち、基板温度センサ39の異常が確定したか否かを判定する(ステップ211)。そして、基板温度センサ39の異常が確定した場合(Tr1≧Trcs1、ステップ211:YES)には、ステップ212に移行する。
ステップ212では、マイコン30は、基板温度(Tk)を、EEPROM34に記憶された記憶温度(Tmem)を起点として、正常時最大温度へ漸近処理した温度((1)式参照)より導く。そして、ステップ213に移行し、基板温度の今回値(Tk(n))を基板温度の前回値(Tk(n-1))に置き換えて処理を終わる。
また、ステップ211において、マイコン30は、基板温度センサ異常確定タイマTr1がタイムアップしていない(基板温度センサ39の異常が確定していない)場合(Tr1<Trcs1、ステップ211:NO)には、ステップ214に移行する。そして、ステップ214では、基板温度として、EEPROM34に記憶された記憶温度(Tmem)を使用する(Tk=Tmem、ステップ214)。そして、ステップ213に移行後、ステップ213を実行し、処理を終わる。
また、ステップ209において、マイコン30は、基板温度センサ39が異常でない場合(ステップ209:NO)には、ステップ215に移行する。ステップ215では、基板温度センサ39の異常が確定してからの正常復帰か否かを判定する。
そして、マイコン30は、基板温度センサ39の異常が確定してからの正常復帰の場合(ステップ215:YES)には、ステップ216に移行する。ステップ216では、基板温度センサ異常確定からの正常復帰タイマTr2をインクリメントする(Tr2=Tr2+Trc2、ステップ216)。
そして、ステップ217に移行する。ステップ217では、基板温度センサ異常確定からの正常復帰タイマTr2がタイムアップしたか否か、即ち、基板温度センサ39の正常復帰が確定したか否かを判定する(ステップ217)。そして、基板温度センサ39の正常復帰が確定した場合(Tr2≧Trcs2、ステップ217:YES)には、ステップ218に移行する。
次に、ステップ218では、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰処理が完了したか否かを判定する。そして、基板温度センサ39の正常復帰処理が完了した場合(ステップ218:YES)には、ステップ219に移行する。そして、ステップ219では、基板温度として基板温度センサ39で測定された今回温度を使用する(Tk=Tk(n)、ステップ219)。そして、ステップ213に移行後、ステップ213を実行し処理を終わる。
また、マイコン30は、基板温度センサ39の正常復帰処理が完了していない場合(ステップ218:NO)には、ステップ220に移行する。そして、ステップ220では、基板温度(Tk)を、基板温度センサ39の正常復帰処理後基板温度を起点として、今回温度へ漸近処理した温度((2)式参照)より導く。そして、ステップ221に移行し、ステップ221では、初回完了フラグ(FLG1)をオフし、RAM33に「0」を書き込む(FLG1=0、ステップ221)。そして、ステップ213に移行後、ステップ213を実行し、処理を終わる。
また、ステップ217において、マイコン30は、基板温度センサ異常確定からの正常復帰タイマTr2がタイムアップしていない(基板温度センサ39の異常確定からの正常復帰が確定していない)場合(Tr2<Trcs2、ステップ217:NO)には、ステップ212に移行する。そして、ステップ212、ステップ213の処理を実行し、処理を終わる。
また、マイコン30は、基板温度センサ39の異常が確定してからの正常復帰がされていない場合(ステップ215:NO)には、ステップ216、ステップ217を実行せず、ステップ218に移行する。
次に、ステップ205において、マイコン30は、基板温度の今回値(Tk(n))と基板温度の前回値(Tk(n-1))との差ΔTkが、基板温度変化量閾値(Tkrs)以下の場合(Tk(n)-Tk(n-1)≦Tkrs、ステップ205:NO)、又は、ステップ206において、RAM33から読み出した初回完了フラグ(FLG1)の内容が「0」でない場合(FLG1=1、ステップ206:NO)には、ステップ207、ステップ208を実行せず、ステップ209に移行する。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
モータを用いてステアリングシャフトを回転駆動する操舵装置では、常時モータの温度を測定または推定し、モータの温度異常の発生を検出した場合には、速やかにモータ制御を停止してフェールセーフを図る構成が一般的となっている。
そして、モータの温度を推定する場合においては、外気温度が極めて高い最悪の温度条件下を想定した所定温度を採用したり、常時2つある温度データ値の高温のデータ値を採用して雰囲気温度に設定することで、多くの場合、その温度推定により算出される温度もまた、実際の温度より高くなってしまう。その結果、実際には過熱状態でないにも関わらず、尚早なタイミングでフェールセーフ機能が開始されてしまう場合がある。
この点、本実施形態のECU11は、基板温度センサ39の今回値と前回値の差を絶えず検出し、基板温度センサ39の今回値が前回値に比較して大きく変化したときには、大きく変化する前の前回値を基板温度センサ39の基準値として、基板温度センサ異常検出手段が検出した基板温度センサ異常が所定時間以上継続するまで基板温度の推定演算に、使用するようにした。
また、基板温度センサ39の異常が確定した場合には、基板温度が異常となる前の前回値を基板温度センサ39の基準値として、所定値(基板温度センサ正常時最大温度)へ漸近処理した基板温度をモータ温度推定演算に使用するようにした。
このような構成にすれば、基板温度センサ異常が確定するまでは、基板温度センサ39のモータ温度に近い低温の値を、モータ温度推定演算に使用できる。また、基板温度センサ異常が確定後は滑らかにモータ温度を推定できる。
その結果、モータの推定温度が実際の温度より高くなり、過熱状態でないにも関わらず、モータの電流制限制御が行われることを防止できる電動パワーステアリング装置を提供することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、本発明を、コラム型のEPSに具体化したが、本発明は、ピニオン型やラックアシスト型のEPSに適用してもよい。
・上記実施形態では、本発明を、ブラシレスモータを駆動源とするEPSに具体化
したが、本発明は、ブラシ付の直流モータを駆動源とするEPSに適用してもよい。
・上記実施形態では、本発明を、モータ温度を推定するEPSに具体化したが、本発明
は、ECU温度を推定するEPSに適用してもよい。
・上記実施形態では、本発明を、モータ温度を推定するEPSに具体化したが、本発明
はモータ温度を推定及びECU温度を推定するEPSに適用してもよい。その場合には、モータ電流制限値算出用マップ及びECU電流制限値算出用マップから算出された電流制限値の小さい値を使用するとよい。
・上記実施形態では、本発明のモータ電流二乗和(Wt)は、各相電流検出器52u、52v、52wによって検出した各相モータ電流値Iu、Iv、Iwの二乗和から求めた(Wt=Iu2+Iv2+Iw2)。しかし、これに限らず、公知のd/q軸変換により、各相モータ電流値Iu、Iv、Iwを、d軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換した後、Wt=Id2+Iq2で求めてもよい。
1:電動パワーステアリング装置(EPS)、
2:ステアリング、3:ステアリングシャフト、4:ラックアンドピニオン機構、
5:ラック軸、6:タイロッド、7:転舵輪、8:コラムシャフト、
9:インターミディエイトシャフト、10:ピニオンシャフト、
11:コントローラ(ECU)、12:モータ、13:EPSアクチュエータ、
14:減速機構、15:トルクセンサ、16:車速センサ、18:モータ回転角センサ、
20:バッテリ、21:ヒューズ、22:イグニッションスイッチ(IG)、
30:マイコン、31:中央演算処理部(CPU)、32:メモリ(ROM)、
33:メモリ(RAM)、34:不揮発性メモリ(EEPROM)、
35:A/D変換器、36:PWMポート、37:リレー、
38:ノイズフィルタ1、39:基板温度センサ、40:モータ駆動回路、
41:ノイズフィルタ2、42:分圧器、
50u、50v、50w、51u、51v、51w:各相スイッチング素子(FET)、
52u、52v、52w:各相電流検出器、60:モータ電流制限値算出用マップ、
τ:操舵トルク、V:車速、θ:モータ回転角、Iu、Iv、Iw:各相モータ電流値、
A1:基板温度センサの正端子、A2:基板温度センサの負端子、
L1、L2、L3:温度センサ検出温度、L11、L22、L33:基板温度、
Tk:基板温度、Tk(n-1):基板温度の前回値、Tk(n):基板温度の今回値、
Tkrs:基板温度変化量閾値、Tmem:記憶温度、ΔTk:温度センサ検出温度変化量、
Tr1:基板温度センサ異常確定用タイマ、Tr2:基板温度センサ正常復帰確定用タイマ、
Gain1、Gain2、Gain3:1次ローパスフィルタのカットオフ周波数から決まる固有値、Wt:モータ電流二乗和、Qs:モータコイル推定発熱量、G0:所定のゲイン、
Ts:モータコイル推定温度、Ilim:モータ電流制限値、
MAX:最大電流値、MIN:最小電流値、FLG1:初回完了フラグ

Claims (2)

  1. 車両の操舵系に操舵補助力を付与するようにしたモータと、
    前記モータに流れる電流を検出する電流検出器と、
    前記モータを駆動するコントローラと、
    前記コントローラ内の基板温度を検出する基板温度センサと、
    前記基板温度センサの異常を検出する基板温度センサ異常検出手段と、
    前記基板温度センサから検出した基板温度を記憶する記憶手段と、
    前記電流検出器から検出した各相モータ電流からモータ推定発熱量を推定演算するモータ発熱量推定演算手段と、
    前記基板温度センサから検出された基板温度を基準として、前記モータ発熱量推定演算手段から演算したモータ推定発熱量を加算するモータ温度推定演算手段と、
    前記モータ温度推定演算手段から演算したモータ推定温度により、前記モータを電流制限制御する制御手段とを、備えた電動パワーステアリング装置において、
    前記制御手段は、イグニッションがオン後、初めて前記基板温度センサの今回値と前回値の差が所定の閾値より大きくなった場合には、前記基板温度センサの前回値を前記記憶手段に記憶し、前記基板温度センサ異常検出手段が異常を検出した後、基板温度センサ異常が所定時間以上継続していない場合には、前記記憶手段に記憶した前記基板温度センサの前回値に基づき、前記モータの電流制限制御をおこなうことを特徴とした電動パワーステアリング装置。
  2. 前記モータ温度推定演算手段は、前記基板温度センサ異常検出手段が検出した基板温度センサ異常が所定時間以上継続している場合には、前記基板温度として記憶した前記基板温度センサの前回値から所定値へ漸近処理した温度を使用することを特徴とした請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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