JP2012147776A - 粉末紅茶 - Google Patents

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Abstract

【課題】非重合体カテキン類を強化しつつも、紅茶感が豊かで渋味の抑制された粉末紅茶
の製造方法を提供すること。
【解決手段】非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.25〜0.9である紅茶抽出乾燥物と、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.83〜1.3である緑茶抽出乾燥物とを、製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.67〜0.9となるように配合する、粉末紅茶の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末紅茶に関する。
近年、消費者の嗜好の多様化や健康指向の高揚により、様々な飲料が上市されている。中でも、カテキン類はコレステロール上昇抑制作用、体脂肪燃焼作用等が知られているため、カテキン類を高含有させた飲料が多数提案されている(特許文献1等)。また、飲料の形態としては、急須やティーポット等を用いることなく、カップ等の容器に入れてお湯を注ぐだけで飲用できるという手軽さを訴求したインスタント茶がある。
インスタント茶の形態としては、ティーバッグと粉末状のものがある。例えば、30〜95質量%の茶葉に5〜70質量%の乾燥可溶性茶固形物を組み合わせることにより、低温でも茶成分を急速抽出できるようにしたアイスティ飲料用ティーバッグ(特許文献2)、あるいはサイクロデキストリンを添加した茶類抽出液を乾燥粉末化したインスタント粉末茶(特許文献3)や、緑茶抽出乾燥物と烏龍茶抽出乾燥物とを混合した粉末茶(特許文献4)等の粉末茶が知られている。
特開2002−142677号公報 特開平11−221018号公報 特開2000−253820号公報 特開2005−312382号公報
紅茶は、緑茶葉を原料とするものであるが、その製造過程における発酵処理でカテキン類が重合し、前記生理効果が失われてしまう。そこで本発明者らは、非重合体カテキン類を一定量摂取できるインスタント紅茶を開発すべく、まず形態の検討を行った。その結果、次のような知見を得た。すなわち、ティーバッグタイプのインスタント紅茶は、ティーバッグ内に紅茶葉が充填されているため、熱水などを注いで得られる浸出液は紅茶本来の香りが豊かである。しかしながら、高濃度で飲用するために時間をかけて浸出すると、浸出液は渋味が強くなり、所望の風味に濃度調整し難いという問題がある。また、浸出後にティーバッグの廃棄を要するため、手軽さが半減してしまう。一方、粉末タイプのインスタント紅茶は、浸出し過ぎによる渋味の懸念がない。また、紅茶抽出乾燥物の製造時の乾燥工程で、香気成分が揮発することにより紅茶感を呈する成分が低下するが、熱水などを注いで飲料に還元する際に配合量を増減するだけで容易に濃度調整することが可能である。そこで、本発明者らは、粉末紅茶の利点を生かし、非重合体カテキン類を強化した粉末紅茶の検討を行ったところ、非重合体カテキン類由来の渋味が生じるという新たな課題が発生した。
したがって、本発明の課題は、非重合体カテキン類を強化しつつも、紅茶感が豊かで渋味の抑制された粉末紅茶の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、粉末紅茶の紅茶感を改善すべく種々検討した結果、製品中の非重合体カテキン類とタンニンとの質量比が紅茶感と密接に関連するとの知見を得た。そして、原料として紅茶抽出乾燥物と緑茶抽出乾燥物を併用し、かつそれぞれの原料及び製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比を特定範囲内に制御することで、非重合体カテキン類を強化しつつも、飲料に還元した際に、紅茶感が豊かで、渋味の抑制された粉末紅茶が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.25〜0.9である紅茶抽出乾燥物と、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.83〜1.3である緑茶抽出乾燥物とを、製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.67〜0.9となるように配合する、粉末紅茶の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、非重合体カテキン類が強化しつつも、飲料に還元した際に、紅茶感が豊かで、渋味が抑制されて美味しい粉末紅茶を提供することができる。また、本発明の粉末紅茶は、茶葉から急須やティーポット等を用いて抽出する手間を要することなく、水又は熱水などで手軽に非重合体カテキン類を摂取することが可能であるから、継続摂取することにより非重合体カテキン類による生理効果を十分に期待できる。
本発明で使用する紅茶抽出乾燥物は、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.25〜0.9であるが、紅茶感増強の観点から、上限は0.85、更に0.8、更に0.7、殊更0.6であることが好ましく、一方渋味抑制の観点から、下限は0.28、更に0.3、更に0.35であることが好ましい。紅茶抽出乾燥物の非重合体カテキン類/タンニンの質量比の範囲としては、0.28〜0.85、更に0.3〜0.8、更に0.35〜0.7、殊更に0.35〜0.6であることが好ましい。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類と、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類の含有量は上記8種の合計量に基づいて定義される。また、「タンニン」とは、非重合体カテキン類、そのエステル誘導体(例えば、没食子酸エステル)及びそれらの縮合物を包含する概念である。なお、「非重合体カテキン類の含有量」及び「タンニンの含有量」の測定方法は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
また、本発明で使用する紅茶抽出乾燥物は、紅茶感増強及び渋味抑制の観点から、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が8〜40質量%、更に10〜35質量%、更に12〜30質量%、殊更に12〜27質量%であることが好ましい。
このような特性を有する紅茶抽出乾燥物は、例えば、ヌワラエリヤ、ウバ、ダージリン、アッサム及びスリランカから選択される少なくとも1種の紅茶葉から抽出し、得られた紅茶抽出物を乾燥して得ることができる。中でも、紅茶葉としては、より一層の紅茶感増強の観点から、ヌワラエリヤ及びウバから選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
抽出方法としては、ニーダー抽出、攪拌抽出(バッチ抽出)、向流抽出(ドリップ抽出)、カラム抽出等の公知の方法を採用することができる。また、紅茶抽出物の乾燥方法としては、凍結乾燥やスプレードライ等の公知の方法を採用することができる。紅茶抽出乾燥物の形状は特に限定されず、球状、板状,針状、不定形など任意の形状とすることができる。
一方、本発明で使用する緑茶抽出乾燥物は、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.83〜1.3であるが、紅茶感増強及び渋味抑制の観点から、0.85〜1.25、更に0.9〜1.2、更に0.95〜1.1であることが好ましい。
また、本発明で使用する緑茶抽出乾燥物は、紅茶感増強及び渋味抑制の観点から、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が40〜90質量%、更に45〜85質量%、更に50〜80質量%、殊更に55〜70質量%であることが好ましい。ここで、茶抽出乾燥物中の「非重合体カテキン類の含有量」は、後掲の実施例に記載の数式(I)により求めることができる。
更に、本発明で使用する緑茶抽出乾燥物は、渋味抑制の観点から、非重合体カテキン類中のガレート体率が5〜55質量%、更に10〜50質量%、更に20〜50質量%、更に30〜50質量%、殊更に40〜50質量%であることが好ましい。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類のガレート体(以下、単に「ガレート体」ともいう)」とは、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等を併せての総称であり、「非重合体カテキン類中のガレート体率」とは、非重合体カテキン類の総量に対する上記ガレート体4種の質量比率である。
このような特性を有する緑茶抽出乾燥物は、緑茶抽出物を、例えば、下記(i)〜(iv)のいずれかの方法、あるいは2以上の組み合わせにより処理し、次いで乾燥することにより得ることができる。
(i)緑茶抽出物を水、又は水と水溶性有機溶媒(例えば、エタノール)との混合物(以下、「有機溶媒水溶液」という)に懸濁して生じた沈殿を除去した後、溶媒を留去する方法(例えば、特開2004−147508号公報、特開2004−149416号公報)。
(ii)緑茶抽出物を活性炭、酸性白土及び活性白土から選択される少なくとも1種の吸着剤と接触させる方法(例えば、特開2007−282568号公報)。
(iii)緑茶抽出物を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液を接触させて非重合体カテキン類を脱離させる方法(例えば、特開2006−160656号公報)。
(iv)緑茶抽出物を合成吸着剤に吸着させた後、該合成吸着剤に有機溶媒水溶液又は塩基性水溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液)を接触させて非重合体カテキン類を脱離させ、次いで得られた脱離液を活性炭と接触させる方法(例えば、特開2008−079609号公報)。
本発明で使用する緑茶抽出物としては、例えば、不発酵茶の緑茶葉から得られた抽出物又はその濃縮物が挙げられ、これらを混合して使用することもできる。抽出に使用する緑茶葉としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶樹から製茶されたものが挙げられる。より具体的には、例えば、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶等が挙げられ、茎茶、棒茶、芽茶等も使用することができる。なお、抽出方法としては、紅茶抽出物と同様の公知の方法を採用することができる。ここで、本明細書において「緑茶抽出物の濃縮物」とは、緑茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物中の溶媒の一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものであり、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに記載の方法により製造することができる。その形態としては、固体、水溶液、スラリー状など種々のものがある。また、緑茶抽出液の濃縮物として、例えば、三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」等の市販品を使用してもよい。
また、緑茶抽出物として、タンナーゼ処理したものを使用することができる。ここで、本明細書において「タンナーゼ処理」とは、緑茶抽出物を、タンナーゼ活性を有する酵素と接触させることをいう。なお、タンナーゼ処理における具体的な操作方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2004−321105号公報に記載の方法が例示される。
更に、本発明においては、所望により、甘味料、賦形剤、酸化防止剤、香料、果汁エキス、果実片、果実粉末、ハーブ、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上配合することができる。なお、これら添加剤の配合量は、本発明の目的を妨げない範囲内で適宜選択することが可能である。
本発明においては、紅茶抽出乾燥物と緑茶抽出乾燥物をそれぞれ造粒しても良く、また両抽出乾燥物を混合した後に造粒しても良い。また、その際に賦形剤や甘味料、酸化防止剤などの添加剤を配合して造粒してもよい。造粒方法は乾式でも湿式でもよいが、水などの飲用媒体への溶解性に適した粒度とするために、水や賦形剤を利用して造粒する湿式造粒が好ましい。
賦形剤としては、例えば、環状オリゴ糖等の炭水化物を使用することができる。環状オリゴ糖としては、α−、β−、γ−シクロデキストリン、及び分岐のα−、β−、γ−シクロデキストリンが例示され、これらを1種又は2種以上を併用してもよい。環状オリゴ糖は、粉末紅茶中の緑茶抽出乾燥物の質量に対して1〜10質量倍、更に1.5〜8質量倍、更に2〜5質量倍の割合で配合することが好ましい。
好ましい造粒方法としては、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、流動層造粒法、転動造粒法などが挙げられ、これらは組み合わせて行うことができる。各造粒方法における乾燥温度としては、例えば、凍結乾燥法では−50〜50℃、噴霧乾燥法では50〜120℃、流動層造粒法では20〜50℃、転動造粒法では20〜60℃である。
なお、造粒操作をする際に、雰囲気を窒素置換する等の脱酸素処理を行うことが、紅茶抽出乾燥物又は緑茶抽出乾燥物中の非重合体カテキン類の重合、変色等の防止の観点から好ましい。
造粒物の平均粒径は、100〜5000μm、更に200〜3000μm、更に500〜1000μmであることが好ましい。ここで、本明細書において「平均粒径」とは、JIS Z 8801のふるい分け試験方法に準拠して測定した値をいう。
本発明の粉末紅茶の製造方法は、前記紅茶抽出乾燥物と、前記緑茶抽出乾燥物とを配合する。その際に、製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比を0.67〜0.9となるように配合するが、より一層の紅茶感増強の観点から、上限は0.89、更に0.87、殊更0.85であることが好ましく、一方、渋味抑制の観点から、下限は0.68、更に0.7、殊更0.75であることが好ましい。製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比の範囲としては0.68〜0.89、更に0.7〜0.87、更に0.75〜0.85となるように配合することが好ましい。これらの質量比は、紅茶抽出乾燥物及び緑茶抽出乾燥物のそれぞれの非重合体カテキン類/タンニンの質量比の調整、及び両抽出物の混合比の調整により制御することができる。また、紅茶抽出乾燥物と緑茶抽出乾燥物との混合は、公知の混合機を使用することで可能である。なお、紅茶抽出乾燥物と緑茶抽出乾燥物との混合順序は特に限定されない。
また、本発明においては、紅茶抽出乾燥物と緑茶抽出乾燥物との配合割合を調整して、製品中の非重合体カテキン類の含有量が10〜30質量%、更に13〜25質量%、更に15〜23質量%とすることが好ましい。これにより、製造された粉末紅茶のより一層の紅茶感増強及び渋味抑制が可能になるとともに、多量の非重合体カテキン類を容易に摂取できるから、非重合体カテキン類による生理効果を十分期待できる。
本発明の方法により製造された粉末紅茶の形態としては、例えば、スプーンで計量して調製するもの、透過性浸出パッケージ又はカップ1杯分毎に小分けしたスティックタイプが挙げられる。また、保存による粉末のケーキング防止、非重合体カテキン類の重合反応、変色防止等の観点から、本発明の粉末紅茶を包装する材料として、遮光性が高く、透湿性及び酸素透過性の低いものを選択することが好ましい。具体的には、アルミ複合フィルムやアルミ蒸着フィルムの袋や、金属缶等が挙げられる。更に、当該素材の包装材料に封入する際に、脱酸素剤を同封したり、窒素又は炭酸ガス置換包装、真空パック等することがより好ましい。
本発明の方法により製造された粉末紅茶は、防腐・防菌やハンドリングの観点から、製品中の固形分量が90質量%以上、更に95質量%以上、更に98質量%以上であることが好ましい。なお、製品中の固形分量の上限は特に限定されない。ここで、「製品中の固形分量」とは、製品を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
1.非重合体カテキン類の分析
フィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は0.1mol/L酢酸水溶液、B液は0.1mol/L酢酸アセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
2.非重合体カテキン類含量の分析
試料5gを105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥した後、固形分質量を測定し、該固形分質量と、試料5g中の非重合体カテキン類の質量とから下式(I)より求めた。
Figure 2012147776
3.タンニンの分析
タンニン量の測定は酒石酸鉄法により、標準液として没食子酸エチルを用い、没食子酸の換算量として求めた(参考文献:「緑茶 ポリフェノール」飲食料品用機能性素材有効利用技術シリーズNo.10、社団法人 菓子・食品新素材技術センター)。
試料7gを500mLのイオン交換水に溶解させた水溶液1mLを酒石酸鉄標準溶液5mLで発色させ、リン酸緩衝液で25mLに定溶し、540nmで吸光度を測定し、没食子酸エチルによる検量線からタンニン量を求めた。また、試料7gを105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥した後、固形分質量を測定し、該固形分質量と、試料7g中のタンニンの質量とから、上記式(I)における分子を「試料中のタンニン質量(g)」に替えることにより、固形分中のタンニン含有量を求めた。
酒石酸鉄標準液の調製:硫酸第一鉄・7水和物100mg、酒石酸ナトリウム・カリウム(ロッシェル塩)500mgを蒸留水で100mLとした。
リン酸緩衝液の調製:1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液と1/15mol/Lリン酸二水素ナトリウム溶液を混合しpH7.5に調整した。
4.官能評価
粉末紅茶を、90℃のイオン交換水200gに非重合体カテキン類濃度が600mgとなるように溶解し、3名の専門パネルによる飲用試験を行った。飲用試験は、渋味及び紅茶感について下記の基準にしたがって評価し、各専門パネルの評点の平均値を求めた。また、渋味と紅茶感の評価値の差が大きいものは風味バランスが崩れて美味しくないため、その差が2以下、更に1.5以下、殊更1以下であることが好ましい。
渋味の評価基準
評点5:渋味がない。
4:渋味が僅かにある。
3:渋味が少しある。
2:渋味がある。
1:渋味が強い。
紅茶感の評価基準
評点5:紅茶感が強い。
4:紅茶感がある。
3:紅茶感が少しある。
2:紅茶感が僅かにある。
1:紅茶感がない。
製造例1
緑茶抽出乾燥物A
緑茶葉に対して30質量倍のイオン交換水を用いて90℃の温度条件にて抽出し、乾燥した後、緑茶抽出乾燥物200gを、25℃、250r/min攪拌条件下の95質量%エタノール水溶液800g中に分散させ、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学社製)100gを投入後、約10分間攪拌を続けた。その後、2号ろ紙でろ過した。次に、活性炭16gを添加し再び2号ろ紙でろ過した。次に、0.2μmメンブランフィルターによって再ろ過し、濁りを除去した。次に、40℃、減圧下にてエタノールを留去した後、乾燥して緑茶抽出乾燥物Aを得た。緑茶抽出乾燥物Aは、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が61質量%、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.96、非重合体カテキン類のガレート体率が47質量%であった。
製造例2
緑茶抽出乾燥物B
市販のカテキン製剤(ポリフェノンHG、三井農林社製)を使用した。緑茶抽出乾燥物Bは、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が35質量%、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.80、非重合体カテキン類のガレート体率が52質量%であった。
製造例3
紅茶抽出乾燥物X
紅茶葉としてウバを用い、目開き3.18mmの篩による分級処理を施し、Kalitaミル 細挽きNo.1(カリタ社製、以下同じ)を用いて2回粉砕処理した。その後、Retsch AS−200(レチェル社製、以下同じ)で30秒、分級操作を施した。そして、目開き850μmの篩を通過し、目開き250μmの篩を通過しなかった茶葉を使用した。平均粒径は0.4mmであった。
紅茶葉の選定においては、紅茶葉中の非重合体カテキン類量とタンニン量を測定するため、各紅茶葉10gをKalitaミル 細挽きNo.1を用いて2回粉砕処理した。その後、Retsch AS−200で30秒、分級操作を施し、各種分析を実施した。分析においては、得られた紅茶葉15gを、90℃、1500gの熱水で2分間抽出し、得られた抽出液を凍結乾燥し、5gの紅茶抽出乾燥物Xを得た。紅茶抽出乾燥物Xは、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が12.1質量%、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.36であった。
製造例4
紅茶抽出乾燥物Y
紅茶葉としてケニアを用い、製造例3にて記載した紅茶抽出乾燥物Xと同様の方法で抽出、分級操作を行うことにより紅茶葉を得、また同様に抽出、乾燥操作を行い紅茶抽出乾燥物Yを得た。紅茶抽出乾燥物Yは、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が3.6質量%、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.11であった。
製造例5
紅茶抽出乾燥物Z
紅茶葉としてヌワラエリヤを用い、製造例3にて記載した紅茶抽出乾燥物Xと同様の方法で抽出、分級操作を行うことにより紅茶葉を得、また同様に抽出、乾燥操作を行い紅茶抽出乾燥物Zを得た。紅茶抽出乾燥物Zは、固形分中の非重合体カテキン類の含有量が25.6質量%、非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.70であった。
実施例1〜8及び比較例1〜4
表1に示す割合の各成分を混合し、凍結乾燥法により、25℃にて造粒して粉末紅茶を調製した。得られた各粉末紅茶の分析及び官能評価の結果を表1に示す。なお、賦形剤はβ−サイクロデキストリン(日本食品化工社製、セルデックス B100)、甘味料はスクラロース(三栄源社製)を用いた。
Figure 2012147776
非重合体カテキン類/タンニンの質量比が特定範囲内に制御された紅茶抽出乾燥物及び緑茶抽出乾燥物を、製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比が特定範囲内となるように配合することで、非重合体カテキン類を強化しつつも、飲料に還元した際に、紅茶感が豊かで、渋味が低減されて美味しい粉末紅茶が得られることが確認された。

Claims (5)

  1. 非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.25〜0.9である紅茶抽出乾燥物と、
    非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.83〜1.3である緑茶抽出乾燥物と
    を、製品中の非重合体カテキン類/タンニンの質量比が0.67〜0.9となるように配合する、粉末紅茶の製造方法。
  2. 製品中の非重合体カテキン類の含有量が10〜30質量%である、請求項1記載の粉末紅茶の製造方法。
  3. 紅茶抽出乾燥物として、ヌワラエリヤ及びウバから選択される少なくとも1種の紅茶葉から得られたものを使用する、請求項1又は2記載の粉末紅茶の製造方法。
  4. 緑茶抽出乾燥物として、非重合体カテキン類中のガレート体率が5〜55質量%であるものを使用する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉末紅茶の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により得られる粉末紅茶。
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