JP2012147689A - チョコレート風味油脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カカオマスやココアバター配合量の少ないチョコレート様食品に対し、自然なチョコレート風味を付与する効果を有するチョコレート風味油脂の製造方法及びそれを利用したチョコレート風味に優れたチョコレート様食品を提供する。
【解決手段】コンチング処理されたチョコレートに特定量の水性溶媒を添加混合し、分離して油相を得ることで、チョコレート風味に優れた油脂を得ることができる。また、かかる油脂を使用することにより、チョコレート風味に優れたチョコレート様食品を簡便に得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】コンチング処理されたチョコレートに特定量の水性溶媒を添加混合し、分離して油相を得ることで、チョコレート風味に優れた油脂を得ることができる。また、かかる油脂を使用することにより、チョコレート風味に優れたチョコレート様食品を簡便に得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、チョコレート風味を有する製菓用油脂の製造方法及びそれを利用したチョコレート様食品に関する。
チョコレートは、カカオマス、ココアバター、砂糖、粉乳を主要原料として製造されるものである。チョコレートは、カカオマスやココアバターのもつ独特な風味や香り、ココアバターのもつ体温付近で急激に溶解する融解特性により、世界で最も好まれる嗜好品の一つに数えられている。一方、チョコレートの主要原料であるカカオマス、ココアバターは天然のカカオ豆から得られるため、いずれも比較的高価であるという問題がある。この問題を解決し、チョコレートを広く普及させるために、カカオマスの使用量を低減したり、ココアバターを植物性油脂由来のココアバター代用脂に置換したチョコレート様食品が開発されている。
かかるチョコレート様食品は、板状チョコレート用、塊状チョコレート用、焼菓子やナッツなどとの組み合わせ菓子類用、洋菓子やパンのコーチング用、冷菓コーチング用など広く利用されているが、カカオマスやココアバターの配合量が少ないとチョコレート風味が乏しくなるという問題がある。
チョコレート風味を補強する方法としては、市販のチョコレート香料やバニラなどを添加する方法が最も一般的であるが、自然なチョコレート風味に仕上げるのは容易でなかった。特許文献1には、チョコレート類にカカオ豆由来成分と共に綿実油、米油、コーン油などを1〜12重量%含有させる方法が開示されているが、カカオマスやココアバターの配合量が少ないチョコレート類での効果は顕著なものではなかった。
一方、チョコレート風味を向上させるには、カカオマスや糖類を含有するチョコレート生地を加熱しながら混合するコンチング工程を経ることが重要である。非特許文献1記載のように、コンチング工程中に酢酸などが除去されるとともにメイラード反応による加熱調理臭が発現することにより、優れたチョコレート風味が得られる。しかし、コンチング工程での風味向上効果は、カカオマスやココアバターの配合量が少ないチョコレート類では満足できないものであった。
チョコレートの科学、63〜64頁、小谷野 哲夫訳、株式会社光琳、平成19年発行
本発明は、チョコレート様食品に自然なチョコレート風味を付与する効果を有する、チョコレート風味油脂の製造方法及びそれを利用したチョコレート様食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カカオマスを含有する、融解状態のコンチング処理されたチョコレートに水性溶媒を添加混合し、分離した油相を得ることで、チョコレート風味の油脂が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、カカオマスを5重量%以上含有する、融解状態のコンチング処理されたチョコレートに対し、チョコレートと水性溶媒の合計量の10〜40重量%の水性溶媒を添加・混合後に遠心分離して、油相を得ることを特徴とするチョコレート風味油脂の製造方法である。第2はコンチング処理されたチョコレートが45〜95℃、1時間以上のコンチング処理されたものである第1のチョコレート風味油脂の製造方法である。第3はコンチング処理されたチョコレートがカカオマスを10重量%以上含有する、第1または第2のチョコレート風味油脂の製造方法である。第4は第1〜第3のいずれかの製造方法で得られたチョコレート風味油脂を使用したチョコレート様食品である。
本発明によるチョコレート風味油脂をチョコレート様食品に用いることにより、簡便に、自然なチョコレート風味を有するチョコレート様食品を得ることができる。特に、カカオマスの使用量が限られるチョコレート様食品に対して、本発明によるチョコレート風味油脂は高い効果を発揮する。
本発明に用いるカカオマスは、カカオ豆をローストし脱皮して得られるカカオニブ(胚乳部分)を摩砕して得られるもの全般を意味し、カカオリカーとも呼ばれるものである。
本発明でいうチョコレートとは、油脂が連続相をなす食品であれば特に限定はされないが、チョコレートやチョコレート様食品、グレーズが該当する。また、ここで言うチョコレートとは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(昭和46年3月29日、公正取引委員会告示第16号)による「チョコレート生地」及び「準チョコレート生地」を含むものであって、カカオ豆から調製したカカオマス、ココアバター、ココアパウダー及び糖類を原料とし、必要により他の食用油脂、乳製品、香料等を加え、通常のチョコレート製造の工程を経たものをいう。
チョコレート様食品とは、物性改良や製造コストの節約等の目的にて、ココアバターの一部または全部に代えて他の油脂(例えば、CBEと称される1,3位飽和、2位不飽和のトリグリセリド型油脂に富むものと、CBRと称されるラウリン系もしくは高エライジン酸タイプのハードバター、さらには菓子類、パン類、冷菓類のコーチング用には用途に合わせて高融点〜低融点の各種油脂や液状油)を使用したものが挙げられる。
グレーズとはチョコレートまたはチョコレート様食品の中で、意図的に糖類の粒子径を大きくするよう製造されるもので、主に糖類由来の口中での冷涼感付与のために利用される。
本発明におけるチョコレート中の油脂とは、配合原料として油脂単独の状態で使用されるものを指す。油脂の種類としては、特に限定はされないが所謂ハードバターが好適であり、エライジン酸を構成脂肪酸とするトランス型ハードバターやラウリン系ハードバター等のノーテンパリング型油脂、ココアバター、ココアバター代用脂等のテンパリング型油脂が利用できる。その他油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が利用できる。原料として例えば、菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、ココアバター、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂、並びに、それらの油脂の硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が例示できる。
本発明に用いるチョコレートは、カカオマス含量が5重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは10重量%以上、最も好ましくは20重量%以上である。カカオマス含量が下限未満であると、分離して得られる油相のチョコレート風味が希薄になるため、好ましくない。カカオマス含量が高いほど濃厚なチョコレート風味が得られる傾向にある。
本発明のチョコレートはコンチング処理されているのが好ましく、コンチング処理とは、カカオ固形分、乳固形分、糖類、その他固形分、油溶性乳化剤及び油脂類を混合して油脂分を20〜35重量%とした生地ベースを、ロールがけ後またはロールがけすることなく、一定時間加熱、攪拌する工程である。コンチング処理はチョコレート香味変化とチョコレート生地粘性低下を目的として、上記チョコレート生地を作成する途中工程で行われる。一般的には、かかるコンチング工程の終了段階で、更に油脂類、油溶性乳化剤及び香料が添加、混合されて所定のチョコレート生地が完成される。本発明のコンチング処理されたチョコレートとは、かかるコンチング工程を経て作成されたチョコレートをいう。その形態は、融解状態のチョコレート、かかるチョコレートを冷却、成形したペースト状、ブロック状、チップ状、板状のチョコレートを含む。
本発明に用いるチョコレートのコンチング条件として、温度は45〜95℃が好ましく、さらに好ましくは50〜80℃、時間は0.5時間以上が好ましく、さらに好ましくは1時間以上、最も好ましくは2時間以上である。コンチング温度が45℃未満であったり、コンチング時間が0.5時間未満であると、分離して得られる油相のチョコレート風味が希薄であったり、コク味に欠けて自然なチョコレート風味にならないため好ましくない。
本発明における水性溶媒とは、水相やアルコール相が連続層をなす食品や飲料であれば特に限定はされないが、一例を挙げると、水、牛乳、低脂肪乳、清涼飲料水、アルコール類、果汁飲料などがあげられる。
本発明のチョコレート風味油脂は以下の手順で製造することができる。
(1)コンチング処理されたチョコレートを調製する。
(2)コンチング処理されたチョコレートを、融解状態であればそのままで、または該チョコレートを成形、固化したチョコレートであれば40〜80℃で加熱し、融解、好ましくは完全融解して、融解状態のコンチング処理されたチョコレートとする。
(3)融解状態のコンチング処理されたチョコレートに対し、チョコレートと水性溶媒の合計量の10〜40重量%の水などの水性溶媒を添加・混合する。添加する水性溶媒の温度は、生地中の油脂類が固化しない範囲である20〜80℃、好ましくは30〜50℃であることが望ましい。
(4)上記混合品を遠心分離して、油相としてチョコレート風味油脂を得る。なお、ロ過して固形分を除去してから、遠心分離して上層の油相としてチョコレート風味油脂を得ることもできる。
(1)コンチング処理されたチョコレートを調製する。
(2)コンチング処理されたチョコレートを、融解状態であればそのままで、または該チョコレートを成形、固化したチョコレートであれば40〜80℃で加熱し、融解、好ましくは完全融解して、融解状態のコンチング処理されたチョコレートとする。
(3)融解状態のコンチング処理されたチョコレートに対し、チョコレートと水性溶媒の合計量の10〜40重量%の水などの水性溶媒を添加・混合する。添加する水性溶媒の温度は、生地中の油脂類が固化しない範囲である20〜80℃、好ましくは30〜50℃であることが望ましい。
(4)上記混合品を遠心分離して、油相としてチョコレート風味油脂を得る。なお、ロ過して固形分を除去してから、遠心分離して上層の油相としてチョコレート風味油脂を得ることもできる。
本発明で得られるチョコレート風味油脂は、板状チョコレート用、塊状チョコレート用、焼菓子やナッツなどとの組み合わせ菓子類用、洋菓子やパンのコーチング用、冷菓コーチング用などの用途に用いられるチョコレート様食品全般のベース油脂として使用することができる。特に、カカオマスやココアバターの配合量の少ないチョコレート様食品のベース油として利用することにより、チョコレート様食品に簡便にチョコレート風味を付与することができる。
本発明で得られるチョコレート風味油脂の好ましい使用量は、チョコレート様食品に対して5〜50重量%、より好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜50重量%である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、特に断りのない限り%及び部はいずれも重量基準を意味する。
チョコレート風味油脂の評価方法
チョコレート風味油脂の風味評価は、融解状態の品温50℃に調整した風味油脂を、以下の評価基準で10人のパネラーにより官能評価し、その平均値で各風味油脂の評価結果とした。
(評価基準)
◎:濃厚なチョコレート風味
○:良好なチョコレート風味
△:弱いチョコレート風味
×:チョコレート風味と言えない風味
チョコレート風味油脂の風味評価は、融解状態の品温50℃に調整した風味油脂を、以下の評価基準で10人のパネラーにより官能評価し、その平均値で各風味油脂の評価結果とした。
(評価基準)
◎:濃厚なチョコレート風味
○:良好なチョコレート風味
△:弱いチョコレート風味
×:チョコレート風味と言えない風味
製造例1(チョコレートAの調製)
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター17部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートAを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター17部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートAを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
製造例2(チョコレートBの調製)
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で1時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター17部を添加、混合し、さらに60℃、10分間ミキシングすることでチョコレートBを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で1時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター17部を添加、混合し、さらに60℃、10分間ミキシングすることでチョコレートBを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
製造例3(チョコレートCの調製)
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で30分間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター17部を添加、混合し、さらに60℃、10分間ミキシングすることでチョコレートCを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で30分間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター17部を添加、混合し、さらに60℃、10分間ミキシングすることでチョコレートCを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
製造例4(チョコレートDの調製)
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、さらにレシチン0.3部、ココアバター17部を添加し、混合し60℃、10分間ミキシングすることでチョコレートDを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
カカオマス39.4部、砂糖43.6部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、さらにレシチン0.3部、ココアバター17部を添加し、混合し60℃、10分間ミキシングすることでチョコレートDを調製した。本チョコレートの油分は38.6%であった。
実施例1
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂aを回収した。回収率は27.7%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂aを回収した。回収率は27.7%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
実施例2
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA82.5部に対し、水17.5部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂bを回収した。回収率は27.2%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA82.5部に対し、水17.5部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂bを回収した。回収率は27.2%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
実施例3
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA78.5部に対し、水21.5部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂cを回収した。回収率は25.9%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA78.5部に対し、水21.5部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂cを回収した。回収率は25.9%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
比較例1
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。水無添加で、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂dを回収した。回収率は18.5%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。水無添加で、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂dを回収した。回収率は18.5%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
比較例2
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA95.6部に対し、水4.4部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂eを回収した。回収率は18.9%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
チョコレートAを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートA95.6部に対し、水4.4部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂eを回収した。回収率は18.9%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
上記表1のとおり、実施例1〜3はいずれも比較例1、2と比較して風味油脂の収量が高く、風味も濃厚なチョコレート風味を示していた。
実施例4
チョコレートCを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートC87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂fを回収した。回収率は27.5%であった。風味は弱いチョコレート風味であった。
チョコレートCを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートC87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂fを回収した。回収率は27.5%であった。風味は弱いチョコレート風味であった。
実施例5
チョコレートBを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートB87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂gを回収した。回収率は27.7%であった。風味は良好なチョコレート風味であった。
チョコレートBを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートB87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂gを回収した。回収率は27.7%であった。風味は良好なチョコレート風味であった。
比較例3
チョコレートDを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートD87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂hを回収した。回収率は27.4%であった。風味はココアバター風味であった。
チョコレートDを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートD87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm,40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂hを回収した。回収率は27.4%であった。風味はココアバター風味であった。
上記表2のとおり、コンチングをせずに調製したチョコレートを使用した比較例3では、風味油脂の収量は高いが、風味が劣っていた。
製造例5(チョコレートEの調製)
カカオマス20部、全脂粉乳20部、砂糖43部、レシチン0.2部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)10部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)7部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートEを調製した。本チョコレートの油分は33.0%であった。
カカオマス20部、全脂粉乳20部、砂糖43部、レシチン0.2部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)10部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)7部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートEを調製した。本チョコレートの油分は33.0%であった。
製造例6(チョコレートFの調製)
カカオマス10部、全脂粉乳10部、砂糖45.5部、レシチン0.2部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)15部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)19.5部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートFを調製した。本チョコレートの油分は40.0%であった。
カカオマス10部、全脂粉乳10部、砂糖45.5部、レシチン0.2部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)15部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)19.5部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートFを調製した。本チョコレートの油分は40.0%であった。
製造例7(チョコレートGの調製)
ココアパウダー11部、全脂粉乳20部、砂糖42部、レシチン0.2部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)17部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)10部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートGを調製した。本チョコレートの油分は33.2%であった。
ココアパウダー11部、全脂粉乳20部、砂糖42部、レシチン0.2部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)17部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃で5時間コンチングした。レシチン0.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)10部を添加、混合し、さらに60℃、1時間ミキシングすることでチョコレートGを調製した。本チョコレートの油分は33.2%であった。
実施例6
チョコレートEを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートE87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂iを回収した。回収率は23.3%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
チョコレートEを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートE87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂iを回収した。回収率は23.3%であった。風味は濃厚なチョコレート風味であった。
実施例7
チョコレートFを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートF87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂jを回収した。回収率は28.2%であった。風味は良好なチョコレート風味であった。
チョコレートFを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートF87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂jを回収した。回収率は28.2%であった。風味は良好なチョコレート風味であった。
比較例4
チョコレートGを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートG87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂kを回収した。回収率は23.0%であった。風味はココア様風味であった。
チョコレートGを60℃、30分で完全融解した後コンチェに投入した。チョコレートG87部に対し、水13部を添加して、40℃、10分間混合、攪拌した。その後、7,000rpm、40分の条件で遠心分離して上層の油相を分離し、チョコレート風味油脂kを回収した。回収率は23.0%であった。風味はココア様風味であった。
上記表3のとおり、実施例6、7ともに風味油脂の収量が高く、風味については、実施例6は濃厚なチョコレート風味、実施例7は良好なチョコレート風味を示した。比較例4は風味油脂収量は高いが、ココア様風味しか得られなかった。
実施例8
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、チョコレート風味油脂i(実施例6で作製)17部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでチョコレート風味油脂i 11部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、チョコレート風味油脂i(実施例6で作製)17部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでチョコレート風味油脂i 11部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
実施例9
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、チョコレート風味油脂j(実施例7で作製)17部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでチョコレート風味油脂j 11部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、チョコレート風味油脂j(実施例7で作製)17部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでチョコレート風味油脂j 11部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
比較例5
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、ココアバター9.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)7.8部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン。0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)6.6部、バターオイル4.3部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、ココアバター9.3部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)7.8部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン。0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)6.6部、バターオイル4.3部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
比較例6
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、ココアバター3.9部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)13部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン。0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)11.1部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
全脂粉乳20部、脱脂粉乳10部、ココアバター3.9部、ココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)13部、砂糖42部、レシチン0.2部、バニリン。0.05部を混合し、ロールで平均粒子径25ミクロンに微粒化後、60℃、1時間コンチングした。さらにレシチン0.3部を添加、混合した。次いでココアバター代用脂(商品名:メラノNewSS7、不二製油株式会社製)11.1部を添加、混合し、60℃、10分間ミキシングした。常法通りテンパリング、成形、固化して板状チョコレートを作成し、官能評価を行った。
上記表4のとおり、実施例8はホワイトチョコレートでありながら優れたチョコレート風味を示した。実施例9は、ホワイトチョコレートでありながら良好なチョコレート風味を示した。比較例5はココアバター風味の強いホワイトチョコレートであり、比較例6はあっさりした淡白な風味のホワイトチョコレートとなった。
本発明は、チョコレート様食品に自然なチョコレート風味を付与する効果を有する、チョコレート風味油脂の製造方法及びそれを利用したチョコレート様食品を提供するものであり、製菓を中心とする食品の分野で広く利用できる。
Claims (4)
- カカオマスを5重量%以上含有する、融解状態のコンチング処理されたチョコレートに対し、チョコレートと水性溶媒の合計量の10〜40重量%の水性溶媒を添加・混合後に遠心分離して、油相を得ることを特徴とするチョコレート風味油脂の製造方法。
- コンチング処理されたチョコレートが45〜95℃、1時間以上のコンチング処理されたものである請求項1記載のチョコレート風味油脂の製造方法。
- コンチング処理されたチョコレートがカカオマスを10重量%以上含有する、請求項1または2記載のチョコレート風味油脂の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法で得られたチョコレート風味油脂を使用したチョコレート様食品。
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JP2011006906A JP2012147689A (ja) | 2011-01-17 | 2011-01-17 | チョコレート風味油脂の製造方法 |
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- 2011-01-17 JP JP2011006906A patent/JP2012147689A/ja active Pending
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