JP2012146149A - 死角車両検知システム、死角車両検知装置、死角車両検知方法およびそのプログラム - Google Patents

死角車両検知システム、死角車両検知装置、死角車両検知方法およびそのプログラム Download PDF

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伸一 芳澤
Mototaka Yoshioka
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Abstract

【課題】死角車両の音源の方向を正確に検知する。
【解決手段】自車両の右側および左側に離間して配置され、各々が車外音を集音する右側および左側の集音部102aおよび102bと、右側の集音部102aで集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない左側検知部103と、左側の集音部102bで集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない右側検知部104と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車外音から遮蔽物の死角に存在する他車両の方向を検知する死角車両検知システムに関する。特に、遮蔽物からの反射音の影響を除去した上で、他車両の方向を検知することができる死角車両音検知システムに関する。
従来の車両音検知装置は、自車両の左右の2箇所に集音部を設置し、左右独立に他車両の存在を判定する。左側の集音部が先に他車両音を検知した場合は左側から右側に向けて他車両が走行していると判断して、右側の集音部が先に他車両音を検知した場合には右側から左側に向けて他車両が走行していると判断する(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来の音源方向推定装置は、集音部の出力に対してそれぞれピークホールド処理を行って、直接音よりも音圧が小さい反射音の影響を除去してから音源の方向を求める(例えば、特許文献2参照)。図23に、特許文献2に記載された従来の音源方向推定装置を示す。
図23(a)は、マイクAとマイクBに入力された直接音と反射音とを模式的に示している。図23(b)は、図23(a)に示したマイクAとマイクBに入力された直接音と反射音とにピークホールド処理を施した結果を示している。このように、直接音より音圧が小さい反射音はピークホールド処理により、その影響を取り除くことができる。
特開2000−105274号公報 特開平5−87903号公報
しかしながら、従来の車両音検知装置では、車外音から遮蔽物の死角に存在する他車両である死角車両の車両音の音源方向を検知する場合に、遮蔽物での車両音の反射の影響を考慮していないため、死角車両の方向とは異なる反射音の方向を検知してしまうという課題を有している。例えば、遮蔽物による車両音の回折により車両音の回折音が減衰し、他の遮蔽物による車両音の反射音の音圧の方が大きくなる場合がある。このような場合には、死角車両の音源の方向が反射音が到来する方向であると誤検知してしまう。
また、従来の音源方向推定装置では、遮蔽物の影響を考慮していないため、死角車両の回折音よりも反射音の音圧の方が大きくなり、ピークホールド処理では反射音の影響を除去することができないという課題を有している。つまり、このような場合も反射音の音圧に基づいて音源の方向が求められるため、死角車両の音源の方向が反射音が到来する方向であると誤検知してしまう。
すなわち、従来の方法では、遮蔽物がある場合に反射音の影響を除去することができないため、死角車両の音源の方向を正確に検知することができないという共通の課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、遮蔽物がある場合に反射音の影響を除去して、死角車両の音源の方向を正確に検知することのできる死角車両検知システムを提供することを目的にする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のある局面に係る死角車両検知装置は、自車両の右側および左側に離間して配置され、各々が車外音を集音する右側および左側の集音部と、前記右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない左側検知部と、前記左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない右側検知部と、を備える。
本構成によって、(i)死角車両(音源)から遠い集音部で集音された回折音を用いて死角車両の音源の方向を検知することにより、回折による音圧減衰量を小さく抑えることができる。また、(ii)遮蔽物の反射位置に近い集音部で集音された遮蔽物による反射音の到来方向は検知対象外である。さらに、(iii)遮蔽物の反射位置から遠い集音部で集音された遮蔽物による反射音は距離により大きく減衰する。このような3つの特徴(i)〜(iii)から、回折音の音圧は音源から近い集音部で集音される場合に比べてより大きくなり、反射音は反射音の到来方向に近い集音部で集音される場合に比べてより小さくなる。よって、相対的に回折音は反射音よりもより音圧が大きくなる。このため、反射音の影響を除去して死角車両の正確な音源の方向を検知することができる。このような死角車両の音源の方向を運転者に提示することにより、運転者は自車両の安全走行を行うことができる。
好ましくは、上述の死角車両検知装置は、さらに、前記右側の集音部および前記左側の集音部でそれぞれ集音された車外音に対してピークホールド処理を行うピークホールド処理部を備え、前記左側検知部は、前記右側の集音部で集音され、かつ前記ピークホールド処理部でピークホールド処理が施された前記車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知せず、前記右側検知部は、前記左側の集音部で集音され、かつ前記ピークホールド処理部でピークホールド処理が施された前記車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない。
本構成によって、反射音の音圧よりも大きい死角車両の車両音(回折音)でピークホールド処理を行うことで、遮蔽物の材質等により反射音または残響音が大きい場合でも、回折音と反射音とが混合することで生じる方向精度の乱れを除去することができる。これによって、死角車両の方向精度の信頼性を高めることができる。
好ましくは、上述の死角車両検知装置は、さらに、死角車両の回折音の音圧が死角車両の反射音の音圧より大きくなる音圧閾値を保持しており、前記右側の集音部で集音された車外音および前記左側の集音部で集音された車外音の各々が前記音圧閾値より大きいか否かを判定する音圧閾値処理部を備え、前記左側検知部は、前記右側の集音部で集音された車外音が前記音圧閾値よりも大きいと判定された場合に、前記右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知せず、前記右側検知部は、前記左側の集音部で集音された車外音が前記音圧閾値よりも大きいと判定された場合に、前記左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない。
本構成によって、死角車両の回折音と反射音との関係から定まる音圧閾値を用いて閾値処理することで、回折音と反射音とが混合することで生じる方向精度の乱れを除去することができる。つまり、反射音は回折音でマスクされてしまうため、反射音の影響を受けることなく音源の方向を検知することができる。これによって、死角車両の方向精度の信頼性を高めることができる。さらに、時間方向にピークホールド処理を行っていないため、時刻ごとに死角車両の方向を運転者に知らせることができる。このため、運転者は自車両の安全走行を行うことができる。
使い方の一例として、音圧閾値の条件を満たさず死角車両の検知方向の信頼性が高くない場合には、運転者に死角車両の接近方向(左または右といった大まかなレベルでの接近方向)を知らせ、音圧閾値の条件を満たして死角車両の検知方向の信頼度が高い場合には、運転者に死角車両の位置情報を知らせる(例えば、レーダ表示)ことで、検知精度に応じた確実な死角車両の検知方向を運転者に知らせることができる。
なお、本発明は、このような特徴的な処理部を備える死角車両検知システムとして実現することができるだけでなく、死角車両検知システムに含まれる特徴的な処理部をステップとする死角車両検知方法として実現したり、死角車両検知方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのも言うまでもない。
また、死角車両検知システムに含まれる左側検知部と右側検知部とを備える死角車両検知装置として実現することもできる。
本発明によると、遮蔽物がある場合に反射音の影響を除去して、死角車両の音源の方向を正確に検知することができる。
本発明の実施の形態1における死角車両検知システムの全体構成を示したブロック図 (a)2つの集音部を自車両のバンパーに配置した図、(b)2つの集音部を自車両の天井に配置した図、(c)2つの集音部を自車両の後部に配置した図 自車両の右側範囲と左側範囲とを説明するための図 自車両の右側範囲と左側範囲とを説明するための図 本発明の実施の形態1における死角車両検知システムの動作手順を示したフローチャート 遮蔽物の影響による回折減衰量の大きさを説明する図 遮蔽物による反射音の影響を説明する図 (a)回折音の音源から近い集音部で集音した回折音と反射音との音圧の関係を示す図、(b)回折音の音源から遠い集音部で集音した回折音と反射音との音圧の関係を示す図 死角車両の位置を説明するための図 回折音について説明するための図 遮蔽物による反射音の影響を説明する図 各々、2つのマイクロホンで構成した集音部の一例を示す図 回折音と反射音との関係を示す図 回折音の到来する方向を示す図 (a)時間軸を調整する前の回折音を示す図、(b)時間軸が調整された後の回折音を示す図 車外音の音圧比較により音源の方向を検知する方法のフローチャート 指向性マイクロホンによる集音部の構成の一例を示す図 本発明の実施の形態2における死角車両検知システムの全体構成を示したブロック図 本発明の実施の形態2における死角車両検知システムの動作手順を示したフローチャート 本発明の実施の形態3における死角車両検知システムの全体構成を示したブロック図 本発明の実施の形態3における死角車両検知システムの動作手順を示したフローチャート 音圧閾値の決定方法を説明する図 従来の音源方向推定装置を説明する図
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の死角車両検知システムの全体構成を示したブロック図である。
図1において、死角車両検知システム108は、死角車両の音源の方向を検知して、検知結果を運転者に提示するシステムであり、自車両の右側に配置された集音部102aと、自車両の左側に配置された集音部102bと、死角車両検知装置100と、提示部106とを具備する。死角車両検知装置100は、集音部102aで集音された車外音101aまたは集音部102bで集音された車外音101bから死角車両の音源の方向を検知する装置であり、左側検知部103と、右側検知部104とを具備する。集音部102aと集音部102bとは離間して配置されている。以下の説明では、「車外音」とは、他車両の走行音を含む自車両の外部で発生する音をいう。
図2に、集音部102aと集音部102bを配置する方法の一例を示す。図2(a)に示すように、自車両のフロントバンパーの右側と左側に離間して配置する方法、図2(b)に示すように、自車両の天井の右側と左側に離間して配置する方法、図2(c)に示すように、自車両の後部の右側と左側に離間して配置する方法等がある。
集音部102aは、自車両の右側に配置されており車外音101aを集音する。集音部102bは、自車両の左側に配置されており車外音101bを集音する。集音部102aおよび102bは、具体的にはマイクロホンである。
左側検知部103は、右側の集音部102aで集音された車外音101aから、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない。つまり、左側検知部103は、車外音101aから、自車両の左側範囲のみを検知対象として死角車両の音源の方向を検知する。なお、音源の方向を検知しないとは、音源の方向を検知はしているが出力しない場合も含むものとする。以下の説明においても同様である。
右側検知部104は、左側の集音部102bで集音された車外音101bから、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない。つまり、右側検知部104は、車外音101bから、自車両の右側範囲のみを検知対象として死角車両の音源の方向を検知する。
図3は、自車両の右側範囲と左側範囲とを説明するための図である。自車両の長手方向(自車両の直進方向)に平行で且つ集音部102aと集音部102bとから等距離の破線で示される直線を想定する。自車両の前進方向に向かって破線で示される直線の右側および左側を、それぞれ、自車両の右側範囲および左側範囲とする。なお、集音部102aおよび集音部102bは、少なくとも50cm、好ましくは1m以上離すのが好ましい。
図4は、自車両の右側範囲と左側範囲とを説明するための他の図である。集音部102aおよび集音部102bはそれぞれ指向性範囲が範囲301aおよび301bである指向性マイクロホンであるとする。範囲301aおよび301bから等距離にある(集音部102aおよび集音部102bの指向性の放射強度(音圧感度)が等しくなる)破線で示される直線を想定する。この直線上に音源がある場合には、集音部102aで集音される音の音圧と集音部102bで集音される音の音圧とが等しくなる。自車両の前進方向に向かって破線で示される直線の右側および左側を、それぞれ、自車両の右側範囲および左側範囲とする。なお、集音部102aおよび集音部102bは、少なくとも50cm、好ましくは1m以上離すのが好ましい。
再度図1を参照して、提示部106は、左側検知部103と右側検知部104によって検知された検知結果105を運転者に提示する。例えば、提示部106は、音声で死角車両の音源の方向を知らせたり、カーナビゲーションのディスプレイに死角車両の音源の方向を表示したりする。
次に、以上のように構成された死角車両検知装置100の動作について説明する。
図5は、死角車両検知システム108の動作手順を示したフローチャートである。
自車両の右側に配置された集音部102aは、車外音101aを集音する。また、自車両の左側に配置された集音部102bは、車外音101bを集音する(ステップS300)。
次に、左側検知部103は、集音部102aを用いて自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する。また、右側検知部104は、集音部102bを用いて自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する(ステップS301)。
図6は、遮蔽物の影響による回折減衰量の大きさを説明する図である。
図6には、自車両の左側範囲の遮蔽物の死角に死角車両が存在する一例が示されている。回折減衰量の大きさは、音源位置(死角車両)と遮蔽物の角と集音部とが成す角度により定まり、角度が急になる(小さくなる)と急激に回折減衰量が大きくなる。この回折による音圧減衰量は、距離減衰量と比較して極めて大きい。このため、本構成のように、左側範囲の死角車両を、あえて死角車両(音源)から遠い右側の集音部102aで集音することにより、回折による音圧減衰量を小さく抑えることができて結果的に死角車両音を高感度で(音圧を大きく)集音することができる。また、右側範囲の死角車両を左側の集音部102bで集音する場合も同様な原理で死角車両音を高感度で集音することができる。
図7は、遮蔽物による反射音の影響を説明する図である。
図7には、自車両の左側範囲の遮蔽物の死角に死角車両が存在する一例が示されている。この例では、自車両の右側の遮蔽物に反射して右側から反射音が到達する。右側の集音部102aで集音された車外音101aは、左側検知部103で処理され、左側検知部103では、自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知するため、右側から到達する反射音は検知対象外となり検知されることはない。一方、左側の集音部102bで集音された車外音101bは、右側検知部104で処理されるが、遮蔽物との反射位置と集音部102bとは距離が離れているため、距離により反射音は減衰する。また、自車両の左側の遮蔽物に反射する反射音も同様な原理で反射音の影響を抑えることができる。
図8は、回折音と反射音との音圧の関係を示す図である。
図8(a)には、回折音の音源に近い集音部で集音した従来の、回折音と反射音との音圧の関係について示されている。横軸は死角車両と自車両との距離を示している。縦軸は音圧を示している。本実施の形態では、図9に示すように自車両の走行車線の左右に遮蔽物があり、かつ、死角車両は自車両の走行車線を横切る車線を走行しているものとする。
図8(a)に示すように、死角車両と自車両との距離が小さくなるにつれ死角車両の回折音の音圧は増加する。また、死角車両と自車両との距離が小さくなるにつれ死角車両の反射音(死角車両の走行音の遮蔽物による反射音)の音圧は増加するが、死角車両が自車両の正面に来るにつれ、その音圧は減少する。これらの現象について以下に説明する。
図10を用いて自車両の左側から到来する回折音について説明する。図10に示すように死角車両から遮蔽物までの距離をaとし、遮蔽物から自車両までの距離をbとし、死角車両と自車両とを結ぶ線分の長さをcとする。このとき、a+b−cの値が大きいほど回折による音の減衰量が大きくなることが知られている。死角車両が遠方に存在するほどa+b−cの値が大きくなるため、音の減衰量が大きくなり回折音の音圧が減少する。一方、死角車両が自車両に近づくにつれa+b−cの値が小さくなるため、音の減衰量が小さくなり回折音の音圧が増加する。このため、図8(a)の実線に示すような回折音の音圧のグラフが得られる。
一方、自車両の左側から到来する反射音について考える。図11は、遮蔽物による反射音の影響を説明する図である。自車両の右側に位置する死角車両の走行音は自車両の左側に位置する遮蔽物で反射され、自車両の集音部102aおよび102bで集音される。死角車両が遠方から近傍に近付くにつれ、死角車両の走行音の伝播距離が短くなる。このため、反射音の減衰量は小さくなり、反射音の音圧が増加する。しかし、死角車両がある地点を越えると死角車両が正面に近付くにつれ反射音の音圧が減少する。これは、遮蔽物の反射面における音の入射角および反射角が90度に近づくためである。入射角および反射角が90度に近付くにつれ、反射音自体が集音部102aおよび102bに到達しにくくなる。よって、反射音の音圧が徐々に減少し、図8(a)の破線に示すような反射音の音圧のグラフが得られる。
図8(a)に示すように、回折音の音源に近い集音部で車外音を集音した場合には、死角車両が遠方に存在して回折減衰量が大きいときに、回折音よりも反射音の音圧の方が大きくなってしまう。このため、反射音の方向を誤って検知してしまう。
図11には、自車両の右側範囲の遮蔽物の死角に死角車両が存在する一例が示されている。この例では、自車両の左側の遮蔽物で死角車両が発する音が反射して左側から反射音が到達する。左側の集音部102bで集音された車外音101bを用いて、自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向が検知されるため、左側から到達する反射音は対象外となり方向が検知されることはない。一方、右側の集音部102aで集音された車外音101aを用いた場合は、左側から到達する反射音は検知対象内であるが、遮蔽物との反射位置と集音部102aとは距離が離れているため、距離により反射音は大幅に減衰される。
図8(b)には、実施の形態1の構成による回折音と反射音との音圧の関係について示されている。つまり、回折音の音源から遠い集音部で集音された回折音と反射音との音圧の関係について示されている。横軸は死角車両と集音部との距離を示している。縦軸は音圧を示している。この場合は、(i)死角車両(音源)から遠い集音部で回折音を集音することにより、回折による音圧減衰量を小さく抑えることができる。また、(ii)遮蔽物の反射位置に近い集音部で集音された反射音の方向は検知対象外である。さらに、(iii)遮蔽物の反射位置から遠い集音部で集音された反射音は距離により大きく減衰する。これら3つの特徴(i)〜(iii)から、回折音の音圧は回折音の音源から近い集音部で集音される場合に比べてより大きくなり、反射音は反射音の到来方向に近い集音部で集音される場合に比べてより小さくなる。このため、相対的に、回折音は反射音よりもより音圧が大きくなる。このため、反射音の影響を除去して死角車両の正確な方向を検知することができる。
ここで、左側検知部103が、自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する方法について説明する。
一例として、図12に示すように、集音部102aは2個の水平に配置されたマイクロホン102aLおよび102aRで構成されるものとする。左側検知部103はマイクロホン102aLおよび102aRで集音された車外音101aの到達時間差により死角車両の音源の方向を求める。このとき、音源の方向を探索する範囲は自車両の左側範囲に絞って行う。具体的な音源の方向を求める方法としては、従来の一般的な方法であるマイクロホン間の波形の到達時間差を比較する相関法や位相差により求める方法等がある。別の例としては、集音部102aは1個の左側範囲に向けられた指向性マイクロホンで構成され、一定の音圧以上に達したときに死角車両を左側範囲に検知する方法等もある。
左側検知部103が検知対象としている左側から到来する回折音は左側から到来する反射音よりも音圧が大きいため、死角車両の音源の方向を正確に検知することができる。図13は、回折音と反射音との関係を示す図であり、横軸は時間を示し、縦軸は音圧を示す。図13に示すように回折音と反射音とは持続的に続く音を想定している。回折音の音圧が反射音の音圧よりも高いため、音圧の小さな反射音は音圧の大きな回折音にマスクされてしまう。よって、反射音の影響を受けることなく回折音によって死角車両の方向が決定されることになり、正確に死角車両の音源の方向が検知される。
音源の方向の検知方法の一例として、到達時間差による音源方向の検知方法について説明する。図12に示すように、集音部102aは2個の水平に配置されたマイクロホン102aLおよび102aRで構成され、集音部102bは2個の水平に配置されたマイクロホン102bLおよび102bRで構成されるものとする。右側検知部104は、マイクロホン102bLで集音された車外音101bと、マイクロホン102bRで集音された車外音101bとの到達時間差により死角車両の音源の方向を求める。このとき、音源の方向を探索する範囲は自車両の右側範囲に絞って行う。
図14に示すように、方向Θから死角車両の回折音が到来するものと想定する。また、マイクロホン102bLとマイクロホン102bRとの間の距離をLとすると、マイクロホン102bLとマイクロホン102bRとの回折音の到達時間差τは以下の(式1)で表すことができる。
Figure 2012146149
ここで、Cは音速である。
つまり、到達時間差τを求めることができれば、(式1)より死角車両の音源の方向Θを算出することができる。
図15は、所定の方向Θから到達する回折音に対してマイクロホン間での到達時間差がゼロになるように時間軸を調整した回折音の一例を示す。横軸は時間軸を示し、縦軸は振幅を示している。図15(a)には、時間軸を調整する前の回折音が示されており、図15(b)には、時間軸が調整された後の回折音が示されている。車外音Lおよび車外音Rは、マイクロホン102bLとマイクロホン102bRで集音された車外音101bを示している。右側検知部104は、図15(b)に示すように、車外音Lを基準として、車外音Rの時間軸を順次遅らせながら車外音Lと車外音Rとの相関値を計算する。車外音Rの時間軸をτの時刻だけ遅らせた時に相関値が最大となったとする。右側検知部104は、このときのτを(式1)に代入することにより、死角車両の音源の方向Θを算出する。
なお、右側検知部104は、自車両の右側範囲のみを音源方向の検知対象としている。このため、車外音Lと車外音Rとの相関値を計算する際には、車外音Rの時間軸を遅らせることのみを行い、早めることは行わない。逆に、左側検知部103は、車外音Rの時間軸を早めることは行うが、遅らせることは行わない。なお、到達時間差τを求める方法は、波形同士の相関値を求める方法に限定されず、2つの波形の位相差からτを求めるようにしてもよい。
音源の方向の検知方法の他の一例として、音圧比較による音源方向の検知方法について説明する。
図16は、車外音101bの音圧比較により音源の方向を検知する方法のフローチャートである。右側検知部104は、マイクロホン102bLで集音された車外音101bの音圧と、マイクロホン102bRで集音された車外音101bの音圧とを比較する(ステップS1001)。マイクロホン102bRで集音された車外音101bの音圧がマイクロホン102bLで集音された車外音101bの音圧よりも大きい場合には(S1001でYES)、右側検知部104は、死角車両の音源の方向は右側と判断する(S1002)。マイクロホン102bRで集音された車外音101bの音圧がマイクロホン102bLで集音された車外音101bの音圧以下の場合には(S1001でNO)、右側検知部104は、音源の方向を判断しない。
左側検知部103が、自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する方法については、右側検知部104が、自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する方法と同様な方法で行うことができる。
音源の方向の検知方法のさらに他の一例として、指向性マイクロホンを用いて音源の方向を検知してもよい。図17に示すように集音部102aを自車両の左側に指向性を持たせた指向性マイクロホンとし、集音部102bを自車両の右側に指向性を持たせた指向性マイクロホンとしてもよい。この場合には、左側検知部103は、集音部102aが所定の音圧閾値よりも音圧が大きい車外音101aを集音した場合には、死角車両の音源の方向が左側であると判断する。また、右側検知部104は、集音部102bが所定の音圧閾値よりも音圧が大きい車外音101bを集音した場合に、死角車両の音源の方向が右側であると判断する。
再度図5を参照して、提示部106は、運転者に、左側検知部103および右側検知部104が検知した死角車両の情報を提示して知らせる(ステップS302)。提示方法の一例として、「右から車両接近」のように左または右といった大まかなレベルでの検知結果を知らせる方法や、死角車両の位置をレーダ表示して知らせる方法等がある。
なお、ステップS302の処理において、左側検知部103は、自車両の左側範囲のみを検知対象として死角車両の音源の方向を検知するのではなく、自車両の左側範囲および右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲の音源の方向のみを提示部106に出力するものであっても良い。右側検知部104についても同様である。
かかる構成によれば、右側の集音部で集音された車外音から自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知して、左側の集音部で集音された車外音から自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する。このため、(i)死角車両(音源)から遠い集音部で回折音を集音することにより、回折による音圧減衰量を小さく抑えることができる。また、(ii)遮蔽物の反射位置に近い集音部で集音された反射音の方向は検知対象外である。さらに、(iii)遮蔽物の反射位置から遠い集音部で集音された反射音は距離により大きく減衰する。これらの3つの特徴(i)〜(iii)から、回折音の音圧は音源から近い集音部で集音される場合に比べてより大きくなり、反射音は反射音の到来方向に近い集音部で集音される場合に比べてより小さくなる。このため、相対的に回折音は反射音よりもより音圧が大きくなる。よって、遮蔽物からの反射音の影響を除去して他車両の方向を検知することができる。
なお、左側検知部103や右側検知部104において周波数分析部を備えて、周波数ごとに死角車両の方向検知を行っても良い。また、周波数分析した結果を用いて周波数空間上で死角車両音を識別してから方向検知を行っても良い。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、集音部で集音された車外音に対してピークホールド処理を施す点が、実施の形態1と異なる。
図18は、本発明の実施の形態2の死角車両検知システムの全体構成を示したブロック図である。図18において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図18において、死角車両検知システム702は、死角車両の音源の方向を検知して、検知結果を運転者に提示するシステムであり、自車両の右側に配置された集音部102aと、自車両の左側に配置された集音部102bと、死角車両検知装置700と、提示部106とを具備する。死角車両検知装置700は、集音部102aで集音された車外音101aまたは集音部102bで集音された車外音101bから死角車両の音源の方向を検知する装置であり、ピークホールド処理部701と、左側検知部103と、右側検知部104とを具備する。集音部102aと集音部102bとは離間して配置されている。
ピークホールド処理部701は、集音部102aが集音した車外音101aと、集音部102bが集音した車外音101bに対して各々にピークホールド処理を行う。
左側検知部103は、ピークホールド処理された後の車外音101aから、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない。つまり、左側検知部103は、ピークホールド処理された後の車外音101aから、自車両の左側範囲のみを検知対象として死角車両の音源の方向を検知する。
右側検知部104は、ピークホールド処理された後の車外音101bから、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない。つまり、右側検知部104は、ピークホールド処理された後の車外音101bから、自車両の右側範囲のみを検知対象として死角車両の音源の方向を検知する。
次に、以上のように構成された死角車両検知装置700の動作について説明する。
図19は、死角車両検知システム702の動作手順を示したフローチャートである。
自車両の右側に配置された集音部102aは、車外音101aを集音する。また、自車両の左側に配置された集音部102bは、車外音101bを集音する(ステップS300)。
ピークホールド処理部701は、集音部102aが集音した車外音101aと、集音部102bが集音した車外音101bに対して各々に対してピークホールド処理を行う(ステップS800)。ピークホールド処理は、図23に示した従来と同様な方法で行う。つまり、車外音101aおよび車外音101bの各々に対して、最も音圧が大きい車外音を一定期間出力し続ける処理を行なう。
本実施の形態の構成では、右側の集音部102aで集音された車外音101aから自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知して、左側の集音部102bで集音された車外音101bから自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する構成をとることで、図8(b)に示すように、回折音は反射音よりも音圧が大きくなる。これにより、従来のピークホールド処理も有効に働くようになる。
次に、左側検知部103で、ピークホールド処理された車外音101aを用いて自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知して、右側検知部104で、ピークホールド処理された車外音101bを用いて自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する(ステップS801)。
死角車両の検知に関しては、ピークホールド処理された後の車外音を用いて、実施の形態1と同様に死角車両の音源の方向を検知すればよいので説明は省略する。
かかる構成によれば、反射音の音圧よりも大きい死角車両の車両音(回折音)でピークホールド処理を行うことで、遮蔽物の材質等により反射音や残響音が大きい場合でも、回折音と反射音とが混合することで生じる方向精度の乱れを除去することができる。これによって、死角車両の方向精度の信頼性を高めることができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、集音部102aで集音された車外音101aが後述する音圧閾値よりも大きい場合にのみ、左側検知部103が処理を実行し、集音部102bで集音された車外音101bが音圧閾値よりも大きい場合にのみ、右側検知部104が処理を実行する点が、実施の形態1と異なる。
図20は、本発明の実施の形態3の死角車両検知システムの全体構成を示したブロック図である。図20において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
図20において、死角車両検知システム903は、死角車両の音源の方向を検知して、検知結果を運転者に提示するシステムであり、自車両の右側に配置された集音部102aと、自車両の左側に配置された集音部102bと、死角車両検知装置900と、提示部106とを具備する。死角車両検知装置900は、集音部102aで集音された車外音101aまたは集音部102bで集音された車外音101bから死角車両の音源の方向を検知する装置であり、音圧閾値処理部901と、左側検知部103と、右側検知部104とを具備する。集音部102aと集音部102bとは離間して配置されている。
音圧閾値処理部901は、集音部102aが集音した車外音101aと、集音部102bが集音した車外音101bの各々に対して音圧閾値処理を行う。
音圧閾値処理部901は、音圧閾値保持部901Aを含む。音圧閾値保持部901Aは、死角車両の回折音と反射音との関係から、死角車両の回折音の音圧が死角車両の反射音の音圧よりも所定の音圧だけ大きくなるときの回折音の音圧である音圧閾値902を保持している。
音圧閾値処理部901は、右側の集音部102aで集音された車外音101aが音圧閾値902より大きい場合に、左側検知部103に対して死角車両の音源の方向を検知することを指示し、左側の集音部102bで集音された車外音101bが音圧閾値902より大きい場合に、右側検知部104に対して死角車両の音源の方向を検知することを指示する。
左側検知部103は、音圧閾値処理部901から音源の方向を検知することを指示された場合に、自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する。
右側検知部104は、音圧閾値処理部901から音源の方向を検知することを指示された場合に、自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する。
次に、以上のように構成された死角車両検知装置900の動作について説明する。
図21は、死角車両検知システム903の動作手順を示したフローチャートである。
自車両の右側に配置された集音部102aは、車外音101aを集音する。また、自車両の左側に配置された集音部102bは、車外音101bを集音する(ステップS300)。
音圧閾値処理部901は、集音した車外音の各々に対して音圧閾値処理を行う(ステップS1000)。
図22は、音圧閾値の決定方法を説明する図である。図22の内容は、図8(b)のものと同じものであるので軸の説明は省略する。
図22の例では、音圧閾値902の一例として、死角車両の回折音と反射音との差が10dBであるときの回折音の音圧である80dBに音圧閾値902を設定してある。回折音(S)と反射音(N)とのSN比により方向精度が定まるため、SN比が10dB以上の場合だけを検知対象とすることで、死角車両の方向精度の信頼性を高めることができる。この音圧閾値902は、要求される方向精度にあわせて適宜値を変更して設定することができる。
音圧閾値処理部901は、右側の集音部102aで集音された車外音101aが音圧閾値902より大きい場合に、左側検知部103に対して死角車両の音源の方向を検知することを指示し、左側の集音部102bで集音された車外音101bが音圧閾値902より大きい場合に、右側検知部104に対して死角車両の音源の方向を検知することを指示する。
次に、左側検知部103は、音圧閾値処理部901から音源の方向を検知することが指示された場合に、自車両の左側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知して、右側検知部104は、音圧閾値処理部901から音源の方向を検知することが指示された場合に、自車両の右側範囲に存在する死角車両の音源の方向を検知する(ステップS1001)。
死角車両の検知に関しては、実施の形態1と同様に死角車両の音源の方向を検知すればよいので説明は省略する。
かかる構成によれば、死角車両の回折音と反射音との関係から定まる音圧閾値902を用いて車外音を音圧閾値処理することで、回折音と反射音とが混合することで生じる方向精度の乱れを除去することができる。これによって、死角車両の方向精度の信頼性を高めることができる。さらに、時間方向にピークホールド処理を行っていないため、時刻ごとに死角車両の方向を運転者に知らせることができる。
なお、音圧閾値の設定方法として、雨天時と晴天時での路面状況によるタイヤ走行音の音圧の違いを考慮して、ワイパーの動作や雨滴センサ等で雨天時と晴天時を判断して、音圧閾値を切り替えても良い。つまり、ワイパーまたは雨滴センサが動作しているときは雨天時に対応した音圧閾値を選択し、それ以外の場合には、晴天時に対応した音圧閾値を選択するようにしてもよい。
また、砂利道等の舗装状況によるタイヤ走行音の音圧の違いを考慮して、カーナビ情報や振動センサ等で舗装状況を判断して、音圧閾値を切り替えても良い。
さらに、死角車両の速度の違いによるタイヤ走行音の音圧の違いを考慮して、カーナビ情報等から法定速度を判断して、音圧閾値を切り替えても良い。
また、音圧閾値の条件を満たさず死角車両の検知方向の信頼性が高くない場合には、運転者に死角車両の接近方向(左または右といった大まかなレベルでの接近方向)を知らせて、音圧閾値の条件を満たして死角車両の検知方向の信頼度が高い場合には、運転者に死角車両の位置情報を知らせる(例えば、レーダ表示)という複合的な使い方を行っても良い。
また、実施の形態3では、車外音の音圧が音圧閾値902を超えた場合に、音圧閾値処理部901が、左側検知部103または右側検知部104に音源の方向を検知することを指示しているが、音圧閾値処理部901が指示を行わずに、左側検知部103または右側検知部104に車外音が音圧閾値よりも大きいか否かを示す処理結果を出力するものであってもよい。つまり、処理結果を受け取った左側検知部103および右側検知部104の各々は、車外音が音圧閾値よりも大きい場合にのみ処理を実行する。
以上、本発明の実施の形態に係る死角車両検知システムについて説明したが、本発明は、実施の形態1〜3に限定されるものではない。
上記の死角車両検知システムのうち、本発明に必須の構成要素は、右側および左側の集音部と、左側検知部と、右側検知部とであり、提示部は含まれていなくても良い。上記の死角車両検知装置のうち、本発明に必須の構成要素は、左側検知部と、右側検知部とであり、ピークホールド処理部および音圧閾値処理部は含まれていなくても良い。
また、上記の死角車両検知システムによると、死角車両と、自車両から死角となっていない他車両とを区別することなく、自車両以外の両方の車両の音源の方向を検知することもできる。
上記の各システムまたは各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されても良い。RAMまたはハードディスクドライブには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各システムまたは各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
さらに、上記の各システムまたは各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしても良い。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
さらにまた、上記の各システムまたは各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各システムまたは各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしても良い。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしても良い。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしても良い。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしても良い。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu-ray Disc(登録商標))、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る死角車両検知システムによると、反射音の影響を除去して遮蔽物の死角に存在する死角車両の音源の方向を検知できる。このため、本発明に係る死角車両検知システムは、出会い頭などの遮蔽物の陰に隠れた死角車両を事前に検知して運転者に知らせる安全運転支援のための死角車両検知システム等に応用できる。
100、700、900 死角車両検知装置
101a、101b 車外音
102a、102b 集音部
102aL、102aR、102bL、102bR マイクロホン
103 左側検知部
104 右側検知部
105 検知結果
106 提示部
108、702、903 死角車両検知システム
701 ピークホールド処理
901 音圧閾値処理部
901A 音圧閾値保持部
902 音圧閾値

Claims (7)

  1. 自車両の右側および左側に離間して配置され、各々が車外音を集音する右側および左側の集音部と、
    前記右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない左側検知部と、
    前記左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない右側検知部と、
    を備える死角車両検知システム。
  2. さらに、
    前記右側の集音部および前記左側の集音部でそれぞれ集音された車外音に対してピークホールド処理を行うピークホールド処理部を備え、
    前記左側検知部は、前記右側の集音部で集音され、かつ前記ピークホールド処理部でピークホールド処理が施された前記車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知せず、
    前記右側検知部は、前記左側の集音部で集音され、かつ前記ピークホールド処理部でピークホールド処理が施された前記車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない
    請求項1に記載の死角車両検知システム。
  3. さらに、
    死角車両の回折音の音圧が死角車両の反射音の音圧より大きくなる音圧閾値を保持しており、前記右側の集音部で集音された車外音および前記左側の集音部で集音された車外音の各々が前記音圧閾値より大きいか否かを判定する音圧閾値処理部を備え、
    前記左側検知部は、前記右側の集音部で集音された車外音が前記音圧閾値よりも大きいと判定された場合に、前記右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知せず、
    前記右側検知部は、前記左側の集音部で集音された車外音が前記音圧閾値よりも大きいと判定された場合に、前記左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない
    請求項1に記載の死角車両検知システム。
  4. 前記音圧閾値は、死角車両の回折音の音圧が死角車両の反射音の音圧よりも所定の音圧だけ大きくなるときの前記回折音の音圧の値である
    請求項3に記載の死角車両検知システム。
  5. 自車両の右側に配置された右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない左側検知部と、
    前記右側の集音部と離間して自車両の左側に配置された左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない右側検知部と、
    を備える死角車両検知装置。
  6. 自車両の右側および左側に離間して配置された右側および左側の集音部を用いて車外音を集音する集音ステップと、
    前記右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない左側検知ステップと、
    前記左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない右側検知ステップと、
    を含む死角車両検知方法。
  7. 自車両の右側および左側に離間して配置された右側および左側の集音部を用いて車外音を集音する集音ステップと、
    前記右側の集音部で集音された車外音から、自車両の左側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の右側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない左側検知ステップと、
    前記左側の集音部で集音された車外音から、自車両の右側範囲を検知対象として死角車両の音源の方向を検知し、自車両の左側範囲を検知対象としては死角車両の音源の方向を検知しない右側検知ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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